JP2003293966A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2003293966A
JP2003293966A JP2002096083A JP2002096083A JP2003293966A JP 2003293966 A JP2003293966 A JP 2003293966A JP 2002096083 A JP2002096083 A JP 2002096083A JP 2002096083 A JP2002096083 A JP 2002096083A JP 2003293966 A JP2003293966 A JP 2003293966A
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bearing
rotary
scroll
orbiting
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JP2002096083A
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Yuji Komai
裕二 駒井
Toshikazu Harashima
寿和 原島
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回スクロールにスラスト荷重のアンバラン
スが生じても、固定スクロールと旋回スクロールとの間
のスラスト方向の隙間の変化を小さく抑える。 【解決手段】 回転軸13の軸方向の両端側を軸受取付
筒部3A,3Bに対し回転軸受18A1,18A2,18
Bを用いて回転可能に支持する。そして、回転軸受18
A1,18A2,18Bのうち回転軸受18A1,18A2
はアンギュラ玉軸受を用い、回転軸受18Bはラジアル
玉軸受を用いる。また、回転軸13の偏心穴14A,1
4B,15内には旋回軸26を挿入する。旋回軸26の
軸方向一端側は回転軸13に対しアンギュラ玉軸受から
なる旋回軸受31A1,31A2により回転可能に支持す
る。旋回軸26の軸方向他端側は回転軸13に対しラジ
アル玉軸受からなる旋回軸受31B1,31B2を用いて
回転可能に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに
回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該
駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定
スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画
成するラップ部が立設された旋回スクロールとを備えた
ものが知られている。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回
運動させることにより、固定スクロールの外周側に設け
た吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を前
記各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心部に
設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出するもの
である。
【0004】また、他の従来技術によるスクロール式流
体機械として、圧縮空気量を増やすために、下記の如く
構成されたものが知られている(例えば、特開2002
−13492号公報等)。
【0005】即ち、この従来技術によるスクロール式流
体機械は、ケーシング内に軸方向に離間して第1,第2
の固定スクロールを設け、これら各固定スクロール間に
は、電動機を配設している。また、ケーシング内には、
両端側が第1,第2の回転軸受を介して回転可能に支持
された中空筒状の回転軸と、該回転軸の内周側に挿入さ
れ両端側が第1,第2の旋回軸受を介して回転可能に支
持された旋回軸とを設け、該旋回軸の両端側には第1,
第2の固定スクロールとそれぞれ対向して第1,第2の
旋回スクロールを固定的に設ける構成としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した他
の従来技術では、中空筒状の回転軸をケーシング内に第
1,第2の回転軸を介して取付け、第1,第2の旋回ス
クロールと一体となった旋回軸を、回転軸の内周側に第
1,第2の旋回軸受を介して取付ける構成としている。
しかし、前記各回転軸受と各旋回軸受には、それぞれの
内輪、外輪と転動体としての球体との間に軸方向の隙間
等が形成されているため、第1,第2の旋回スクロール
間にスラスト荷重が作用したときには、前記回転軸、旋
回軸が回転軸受、旋回軸受を介して軸方向に相対移動し
易くなる。
【0007】この結果、第1,第2の旋回スクロール等
の加工、組立精度等によって圧縮効率に差が生じ、第
1,第2の旋回スクロールのスラスト荷重にアンバラン
スが生じると、このアンバランスな荷重により、スラス
ト荷重の大きい旋回スクロール側から小さい旋回スクロ
ール側に向かって、旋回軸が移動してしまう。
【0008】このため、第1,第2の旋回スクロールの
うち一方の旋回スクロール側は、固定スクロールとの間
のスラスト方向の隙間が小さくなり、反対に他方の旋回
スクロール側では、固定スクロールとの間のスラスト方
向の隙間が大きくなってしまい、圧縮効率が大きく低下
するという問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、旋回スクロールにスラ
スト荷重のアンバランスが生じても、固定スクロールと
旋回スクロールとの間のスラスト方向の隙間の変化を小
さく抑え、圧縮効率を高めることができるようにしたス
クロール式流体機械を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明によるスクロール式流体機械は、筒状の
ケーシングと、該ケーシングの軸方向両端側にそれぞれ
設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された第1,第
2の固定スクロールと、該第1,第2の固定スクロール
間に位置して前記ケーシング内に設けられ、中空のロー
タとステータとが前記ケーシングの軸線と同軸となるよ
うに配置された電動機と、該電動機のロータと一体に回
転するように該ロータを軸方向に貫通して設けられ、内
周側が前記ケーシングの軸線から所定寸法だけ偏心した
偏心穴となった中空筒状の回転軸と、前記ケーシング内
で該回転軸を回転可能に支持するため該回転軸の軸方向
に離間して該回転軸の外周と前記ケーシングとの間に設
けられた第1,第2の回転軸受と、前記回転軸の偏心穴
内に挿入して設けられ該偏心穴内を軸方向に貫通して延
びる旋回軸と、前記回転軸の偏心穴内で該旋回軸を相対
回転可能に支持するため該旋回軸の軸方向に離間して前
記回転軸の偏心穴と該旋回軸の外周との間に設けられ、
該旋回軸と一緒に旋回運動する第1,第2の旋回軸受
と、前記第1,第2の固定スクロールと対向するように
前記旋回軸の両端側にそれぞれ設けられ、鏡板に前記第
1,第2の固定スクロールのラップ部と重なり合って複
数の圧縮室を画成するラップ部が立設された第1,第2
の旋回スクロールとを備えている。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記第1,第2の回転軸受のうちいずれか一方
の回転軸受はスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な
軸受とし、他方の回転軸受はラジアル荷重を受承可能な
軸受とする構成とし、前記第1,第2の旋回軸受のうち
いずれか一方の旋回軸受はスラスト荷重とラジアル荷重
を受承可能な軸受とし、他方の旋回軸受はラジアル荷重
を受承可能な軸受とする構成としたことにある。
【0012】このように構成したことにより、運転時に
旋回軸、回転軸にアンバランスなスラスト荷重が作用し
たときでも、各回転軸受のうち一方の回転軸受がスラス
ト荷重とラジアル荷重を受承可能な軸受であり、各旋回
軸受のうち一方の旋回軸受がスラスト荷重とラジアル荷
重を受承可能な軸受であるから、これらの前記旋回軸
受、回転軸受により前記アンバランスなスラスト荷重を
受承することができ、旋回軸、回転軸が軸方向に移動す
るのを阻止することができる。従って、旋回軸の両端側
に取付けられた第1,第2の旋回スクロールは、これに
対向する第1,第2の固定スクロールとの間の隙間を一
定に保つことができ、圧縮効率を高く維持することがで
きる。
【0013】また、請求項2の発明によると、第1,第
2の固定スクロールのうちいずれか一方の固定スクロー
ルは対向する旋回スクロールとの間で低圧側の圧縮機を
構成し、他方の固定スクロールは対向する旋回スクロー
ルとの間で高圧側の圧縮機を構成している。
【0014】これにより、高圧側の圧縮機から低圧側の
圧縮機に向けてアンバランスなスラスト荷重が旋回軸の
軸方向に作用するときには、このスラスト荷重をスラス
ト荷重とラジアル荷重が受承可能な回転軸受と旋回軸受
とにより受承でき、旋回軸の軸方向移動を規制すること
ができる。
【0015】また、請求項3の発明によると、第1,第
2の固定スクロールのうちいずれか一方の固定スクロー
ルは対向する旋回スクロールとの間で真空ポンプを構成
し、他方の旋回スクロールは対向する旋回スクロールと
の間で圧縮機を構成している。
【0016】この場合には、高圧側となる圧縮機から低
圧側となる真空ポンプに向けてアンバランスなスラスト
荷重が旋回軸の軸方向に作用しても、このスラスト荷重
をスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な回転軸受と
旋回軸受とにより受承でき、旋回軸の軸方向移動を規制
することができる。
【0017】さらに、請求項4の発明によると、スラス
ト荷重とラジアル荷重を受承可能な回転軸受は、その外
輪をケーシングにすきま嵌めで取付け、前記ケーシング
には、すきま嵌めした前記外輪がケーシングに対して相
対変位するのを規制する規制部材を設ける構成としてい
る。
【0018】この場合には、スラスト荷重とラジアル荷
重を受承可能な回転軸受の外輪がケーシングに対して軸
方向に変位するのを規制部材により規制でき、この回転
軸受をケーシングに対しすきま嵌めで容易に取付けるこ
とができる。
【0019】さらに、請求項5の発明は、スラスト荷重
とラジアル荷重を受承可能な旋回軸受は、その外輪を回
転軸の内周にすきま嵌めで取付け、前記回転軸の内周に
は、すきま嵌めした前記外輪が回転軸に対して相対変位
するのを規制する規制部材を設ける構成としている。
【0020】このように構成したことにより、スラスト
荷重とラジアル荷重を受承可能な旋回軸受の外輪が回転
軸の内周に対して軸方向に変位するのを規制部材により
規制でき、この旋回軸受を回転軸の内周に対しすきま嵌
めで容易に取付けることができる。
【0021】一方、請求項6の発明は、スラスト荷重と
ラジアル荷重を受承可能な旋回軸受は、その内輪を前記
旋回軸の外周にすきま嵌めで取付け、前記旋回軸の外周
には、すきま嵌めとした前記内輪が旋回軸に対して相対
変位するのを規制する規制部材を設ける構成としてい
る。
【0022】このように構成したことにより、スラスト
荷重とラジアル荷重を受承可能な旋回軸受の内輪が旋回
軸の外周に対して軸方向に変位するのを規制部材により
規制でき、この旋回軸受を旋回軸の外周に対しすきま嵌
めで容易に取付けることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮装置を例
に挙げて説明する。
【0024】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施の形態を示し、1はスクロール式空気圧縮機の外枠
をなす段付筒状のケーシングで、本実施の形態では、該
ケーシング1は、図1に示すように筒状のケーシング本
体2と、後述の軸受取付筒部3A,3Bとにより構成さ
れている。
【0025】3A,3Bはケーシング本体2の両端側に
固定的に設けられた第1,第2の軸受取付筒部で、該第
1の軸受取付筒部3Aは、筒状部3A1と該筒状部3A1
の内周側に一体形成された環状部3A2とによって構成
されている。また、軸受取付筒部3Aの環状部3A2内
周には、取付穴部3A3と該取付穴部3A3よりも径方向
内側に突出した突部3A4とが設けられている。そし
て、軸受取付筒部3Aは、ボルト(図示せず)等を用い
てケーシング本体2の軸方向一側に一体に取付けられて
いる。
【0026】また、第2の軸受取付筒部3Bについて
も、筒状部3B1、環状部3B2、取付穴部3B3および
突部3B4とによって構成されている。そして、この軸
受取付筒部3Bはボルト(図示せず)等を用いてケーシ
ング本体2の軸方向他側に一体に取付けられている。
【0027】4Aはケーシング1の軸方向一側に設けら
れた低圧側の圧縮機で、該圧縮機4Aは、後述の固定ス
クロール5A、旋回スクロール38A等によって構成さ
れている。
【0028】4Bはケーシング1の軸方向他側に設けら
れた高圧側の圧縮機で、該圧縮機4Bは、後述の固定ス
クロール5B、旋回スクロール38B等によって構成さ
れている。
【0029】5A,5Bはケーシング1の両端側に固定
的に設けられた第1,第2の固定スクロールで、該第1
の固定スクロール5Aは、略円板状に形成され、中心が
ケーシング1の軸線O1−O1と一致するように配設され
た鏡板6Aと、該鏡板6Aの表面に立設された渦巻状の
ラップ部7Aと、鏡板6Aの外周側から該ラップ部7A
を取囲むように軸方向に突出した筒部8Aと、該筒部8
Aの開口端から径方向外側に突出し軸受取付筒部3Aの
筒状部3A1端部に固定して取付けられた環状のフラン
ジ部9Aとによって構成されている。
【0030】また、第2の固定スクロール5Bについて
も、第1の固定スクロール5Aと同様にラップ部7B、
筒部8Bおよびフランジ部9Bによって構成されてい
る。
【0031】10は第1,第2の固定スクロール5A,
5B間に位置してケーシング1内に設けられた電動機
で、該電動機10は、ケーシング本体2の内周側に固定
的に設けられたステータ11と、該ステータ11の内周
側に回転可能に配設された中空筒状のロータ12とによ
って構成され、ステータ11の軸線とロータ12の軸線
は、ケーシング1の軸線O1−O1と同一軸線上に配置さ
れている。そして、電動機10は、ロータ12を回転す
ることにより後述の回転軸13を駆動するものである。
【0032】13は電動機10のロータ12と一体に回
転するように該ロータ12を軸方向に貫通して設けられ
た中空筒状の回転軸で、該回転軸13は、電動機10の
ロータ12内周側に挿嵌されてロータ12に固定的に取
付けられている。そして、回転軸13の内周側は、図2
に示す軸方向の両端側が回転軸13の外形に対して偏心
した大径な偏心穴14A,14Bとなり、軸方向の中間
が小径な偏心穴15となっている。
【0033】また、回転軸13の外周側には、軸方向の
一側に位置して軸受当接段部16Aが形成され、軸方向
の他側には他の軸受当接段部16Bが形成されている。
一方、回転軸13の内周側には、軸方向の一側に位置し
て軸受当接段部17Aが形成され、軸方向の他側に位置
して他の軸受当接段部17Bが形成されている。
【0034】そして、回転軸13は、図2に示すよう
に、外周側が軸線O1−O1上に配置されるのに対し、内
周側となる偏心穴14A,14B,15は、軸線O1−
O1に対して径方向に一定寸法δだけ偏心した偏心軸線
O2−O2上に配置されるものである。
【0035】18A1,18A2はケーシング1の軸受取
付筒部3Aと回転軸13との間に設けられた第1の回転
軸受で、該回転軸受18A1,18A2は、ラジアル荷重
とスラスト荷重とを受承する所謂アンギュラ玉軸受とし
て構成されている。
【0036】そして、回転軸受18A1は、軸受取付筒
部3Aの取付穴部3A3内にすきま嵌めで取付けられ突
部3A4に当接した外輪19A1と、回転軸13の外周側
に嵌合して取付けられた内輪20A1と、該内輪20A1
と外輪19A1との間に設けられた転動体としての球体
21A1とによって構成されている。
【0037】この場合、回転軸受18A1の外輪19A1
と内輪20A1は、球体21A1に対する転動面が軸線O
1−O1に対して斜めに傾斜し、これによってラジアル荷
重だけでなく、スラスト荷重も受承できるものである。
【0038】また、回転軸受18A2は、軸受取付筒部
3Aの取付穴部3A3内にすきま嵌めで取付けらた外輪
19A2と、回転軸13の外周側に嵌合して取付けられ
た内輪20A2と、該内輪20A2と外輪19A2との間
に設けられた転動体としての球体21A2とによって構
成されている。
【0039】この場合、回転軸受18A2の外輪19A2
と内輪20A2は、球体21A2に対する転動面が軸線O
1−O1に対して斜めに傾斜し、これによってラジアル荷
重だけでなく、スラスト荷重も受承できるものである。
そして、これらのアンギュラ玉軸受からなる旋回軸受1
8A1,18A2は、図2、図3に示すように正面合せで
軸受取付筒部3Aの取付穴部3A3と回転軸13との間
に取付けられている。
【0040】18Bはケーシング1の軸受取付筒部3B
と回転軸13との間に設けられた第2の回転軸受で、該
回転軸受18Bは、軸受取付筒部3Bと回転軸13との
間に作用するラジアル方向の荷重を受承する所謂ラジア
ル玉軸受により構成されている。
【0041】ここで、回転軸受18Bは、軸受取付筒部
3Bの取付穴部3B3内に嵌合して取付けられ突部3B4
に当接した外輪19Bと、回転軸13の他側外周にすき
ま嵌めで取付けられた内輪20Bと、該内輪20Bと外
輪19Bとの間に設けられた転動体としての球体21B
とによって構成されている。
【0042】そして、回転軸受18Bは、外輪19B、
内輪20Bと球体21Bとの間に僅かな隙間が形成さ
れ、外輪19Bと内輪20Bとはこの隙間分だけ軸方向
に相対移動できるように構成されている。
【0043】22は軸受取付筒部3Aの突部3A4内周
側に装着された軸シール、23は後述の押え板24の内
周側に装着された軸シールで、該軸シール22,23は
回転軸13の外周面に摺接することにより、回転軸受1
8A1,18A2内に封入された潤滑油やグリース等が外
部に漏洩するのを防止するものである。
【0044】24はケーシング1の軸受取付筒部3Aと
電動機10との間に位置して軸受取付筒部3Aの環状部
3A2に設けられた規制部材としての押え板で、該押え
板24は、環状板として形成され、複数のねじ25,2
5,…(2個のみ図示)によって環状部3A2の端面に
固定されている。
【0045】そして、押え板24は、図3に示す如く内
周側に一定高さの突起部24Aを有し、この突起部24
Aが第1の回転軸受18A2の外輪19A2に当接するこ
とにより、軸受取付筒部3Aの突部3A4との間で外輪
19A2に予圧を与えると共に、この外輪19A2を取付
穴部3A3内に抜止め状態で保持するものである。
【0046】26は回転軸13の偏心穴14A,14
B,15内に挿入して設けられた旋回軸で、該旋回軸2
6は、大径軸部27と、該大径軸部27の両端から軸方
向に突出した小径軸部28A,28Bとによって構成さ
れている。そして、旋回軸26は、偏心軸線O2−O2上
に沿って配置され、偏心穴14A,14B,15内を軸
方向に貫通して延びている。
【0047】ここで、旋回軸26は、大径軸部27と小
径軸部28Aとの間が2段階に縮径し、大径側の段部が
シール収容段部29Aとなり、小径側の段部が軸受当接
段部30Aとなっている。また、同様に旋回軸26は、
大径軸部27と小径軸部28Bとの間が2段階に縮径
し、大径側の段部がシール収容段部29Bとなり、小径
側の段部が軸受当接段部30Bとなっている。
【0048】31A1,31A2は回転軸13と旋回軸2
6との間に設けられた2個の第1の旋回軸受で、該旋回
軸受31A1,31A2は、ラジアル方向の荷重とスラス
ト方向の荷重を受承するアンギュラ玉軸受により構成さ
れている。
【0049】そして、これらの旋回軸受31A1,31
A2のうち一方の旋回軸受31A1は、回転軸13の偏心
穴14A内にすきま嵌めで取付けられた外輪32A1
と、旋回軸26の小径軸部28Aに嵌合して取付けられ
た内輪33A1と、外輪32A1と内輪33A1との間に
設けられた球体34A1とによって構成されている。
【0050】この場合、旋回軸受31A1の外輪32A1
と内輪33A1は、球体34A1に対する転動面が軸線O
1−O1に対して斜めに傾斜しているため、ラジアル荷重
だけでなく、スラスト荷重も受承できるものである。
【0051】また、他方の旋回軸受31A2は、回転軸
13の偏心穴14A内にすきま嵌めで取付けられ回転軸
13の軸受当接段部17Aに当接した外輪32A2と、
旋回軸26の小径軸部28A外周に嵌合して取付けられ
軸受当接段部30Aに当接した内輪33A2と、該内輪
33A2と外輪32A2との間に設けられた球体34A2
とによって構成されている。
【0052】この場合、旋回軸受31A2の外輪32A2
と該内輪33A2は、球体34A2に対する転動面が軸線
O1−O1に対して斜めに傾斜し、これによってラジアル
荷重だけでなく、スラスト荷重も受承できるものであ
る。そして、これらのアンギュラ玉軸受からなる旋回軸
受31A1,31A2は、図2、図3に示すように正面合
せで回転軸13の偏心穴14Aと旋回軸26との間に取
付けられている。
【0053】31B1,31B2は回転軸13と旋回軸2
6との間に設けられた2個の第2の旋回軸受で、該旋回
軸受31B1,31B2は、ラジアル方向の荷重を受承す
る所謂ラジアル玉軸受として構成されている。
【0054】そして、旋回軸受31B1,31B2のうち
一方の旋回軸受31B1は、回転軸13の偏心穴14B
に嵌合して取付けられた外輪32B1と、旋回軸26の
小径軸部28B外周にすきま嵌めで取付けられた内輪3
3B1と、外輪32B1と該内輪33B1との間に設けら
れた球体34B1とによって構成されている。
【0055】また、他方の旋回軸受31B2は、回転軸
13の偏心穴14B内に嵌合して取付けられ軸受当接段
部17Bに当接した外輪32B2と、旋回軸26の小径
軸部28B外周にすきま嵌めで取付けられ旋回軸26の
軸受当接段部30Bに当接した内輪33B2と、該内輪
33B2と外輪32B2との間に設けられた球体34B2
とによって構成されている。
【0056】35は旋回軸受31A1,31A2側に位置
して回転軸13の偏心穴14A内に設けられた規制部材
としてのねじ筒で、該ねじ筒35は、図2、図3に示す
ように、回転軸13の偏心穴14A内に螺着して取付け
られ、回転軸13の軸受当接段部17Aとの間で旋回軸
受31A1,31A2が回転軸13に対して相対的に動く
のを規制するものである。
【0057】36はねじ筒35の内周側に装着された軸
シール、37は回転軸13の偏心穴15内に装着された
軸シール、該軸シール36,37は、旋回軸26の外周
面に摺接することにより、旋回軸受31B1,31B2内
に封入された潤滑油やグリース等が外部に漏洩するのを
防止するものである。
【0058】38A,38Bは固定スクロール5A,5
Bと対面して旋回軸26の軸方向両端側にそれぞれ固定
的に設けられた第1,第2の旋回スクロールで、該第1
の旋回スクロール38Aは、円板状に形成された鏡板3
9Aと、該鏡板39Aの表面から軸方向に立設された渦
巻状のラップ部40Aとによって構成されている。ま
た、第1の旋回スクロール38Aはボルト41Aによっ
て旋回軸21の小径軸部28Aに固定して取付けられて
いる。
【0059】ここで、第1の旋回スクロール38Aは固
定スクロール5Aのラップ部7Aに対し、例えば180
度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラッ
プ部7A,40A間には複数の圧縮室42A,42A,
…が画成される。そして、これらの圧縮室42Aは、低
圧側の圧縮機4Aの圧縮室を構成している。
【0060】また、第2の旋回スクロール38Bについ
ても、鏡板39B、ラップ部40B等によって大略構成
され、第2の旋回スクロール38Bはボルト41Bによ
って旋回軸21の小径軸部28Bに固定して取付けられ
ている。そして、旋回スクロール38Bと固定スクロー
ル5Bのラップ部7Bとの間には複数の圧縮室42B,
42B,…が画成され、これらの圧縮室42Bは、高圧
側の圧縮機4Bの圧縮室を構成するものである。
【0061】43Aは固定スクロール5Aの外周側に設
けられた吸込口で、43Bは固定スクロール5Bの外周
側に設けられた吸込口を示している。44Aは固定スク
ロール5Aの中心側に設けられた吐出口、44Bは固定
スクロール5Bの中心側に設けられた吐出口を示してい
る。
【0062】45は低圧側の圧縮機4Aと高圧側の圧縮
機4Bとの間に設けられた連通管で、該連通管45は、
固定スクロール5Aの吐出口44Aと固定スクロール5
Bの吸込口43Bを互いに連通している。
【0063】そして、スクロール式空気圧縮装置の運転
時に低圧側の圧縮機4Aは、外気を吸込口43Aから外
周側の圧縮室42A内に空気を吸込みつつ、この空気を
旋回スクロール38Aが旋回運動する間に各圧縮室42
A内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室42Aから吐
出口44Aを介して連通管45内に圧縮空気を吐出す
る。
【0064】また、高圧側の圧縮機4Bは、連通管45
を介して吸込口43Bに導かれた圧縮空気を旋回スクロ
ール38Bが旋回運動する間に複数の圧縮室42B内で
さらに圧縮し、高圧の圧縮空気を吐出口44Bから外部
の空気タンク(図示せず)等に吐出する。
【0065】なお、46,46は旋回スクロール38A
とケーシング1の軸受取付筒部3Aとの間に設けられた
補助クランクで、該補助クランク46は、旋回スクロー
ル38A,38Bの自転を防止するものである。また、
旋回スクロール38Bとケーシング1の軸受取付筒部3
Bとの間にも補助クランク46と同様の補助クランク
(図示せず)が設けられている。
【0066】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
装置は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動
について説明する。
【0067】まず、電動機10のロータ12を回転する
と、該ロータ12と一体となった回転軸13は、回転軸
受18A1,18A2,18Bによって回転運動を行な
い、このときに旋回軸26は旋回軸受31A1,31A
2,31B1,31B2によって回転軸13の内周側で回
転する。
【0068】ここで、回転軸受18A1,18A2,18
Bは、ケーシング1の軸線O1−O1を中心として回転す
るのに対し、旋回軸受31A1,31A2,31B1,3
1B2は軸線O1−O1に対して径方向に寸法δだけ偏心
した偏心軸線O2−O2を中心として回転する。
【0069】これにより、旋回軸受31A1,31A2,
31B1,31B2と一体となった旋回軸26は、軸線O
1−O1を中心として寸法δの旋回半径をもった旋回運動
を行ない、この旋回軸26により旋回スクロール38
A,38Bをそれぞれ旋回させる。そして、このように
旋回スクロール38A,38Bが旋回するときに、旋回
スクロール38A,38Bは補助クランク46によって
自転が防止され、公転のみを行なう。
【0070】そして、スクロール式空気圧縮装置の運転
時に低圧側の圧縮機4Aは、外気を吸込口43Aから外
周側の圧縮室42A内に空気を吸込みつつ、この空気を
旋回スクロール38Aが旋回運動する間に各圧縮室42
A内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室42Aから吐
出口44Aを介して連通管45内に圧縮空気を吐出す
る。
【0071】また、高圧側の圧縮機4Bは、低圧側の圧
縮機4Aから連通管45を介して吸込口43Bに導かれ
た圧縮空気を、旋回スクロール38Bが旋回運動する間
に複数の圧縮室42B内でさらに圧縮し、高圧の圧縮空
気を吐出口44Bから外部の空気タンク(図示せず)等
に吐出する。
【0072】ところで、第1,第2の回転軸受18A
1、18A2,18Bのうち、ラジアル荷重のみを受承可
能な玉軸受からなる回転軸受18Bは、外輪19Bと球
体21Bとの間、内輪20Bと球体21Bとの間に軸方
向の隙間等が形成されているため、第1,第2の旋回ス
クロール38A,38B間に、高圧側の圧縮機4Bから
低圧側の圧縮機4Aに向けてスラスト荷重が作用したと
きには、回転軸13が回転軸受18B等を介して軸方向
に相対移動し易くなる。
【0073】また、旋回軸受31B1,31B2について
も、外輪32B1,32B2、内輪33B1,33B2と球
体34B1,34B2との間に軸方向の隙間等が形成され
ているため、旋回スクロール38A,38B間にスラス
ト荷重が作用したときには、回転軸13、旋回軸26が
軸方向に移動し易くなる。
【0074】そこで、本実施の形態では、第1,第2の
回転軸受18A1,18A2,18Bのうち一方の回転軸
受18A1,18A2を、スラスト荷重とラジアル荷重を
受承可能なアンギュラ玉軸受を用いて構成し、これらの
回転軸受18A1,18A2は正面合せで軸受取付筒部3
Aの取付穴部3A3内に組付ける構成としている。
【0075】そして、この場合の回転軸受18A1は、
外輪19A1を軸受取付筒部3Aの突部3A4に当接させ
ると共に、回転軸受18A2は外輪19A2を押え板24
の突起部24Aに当接させ、内輪20A2を回転軸13
の軸受当接段部16Aに当接させる構成としている。
【0076】これにより、回転軸受18A1,18A2
は、軸受取付筒部3Aの突部3A4と押え板24、回転
軸13の軸受当接段部16Aとの間にスラスト方向に固
定した状態で、スラスト荷重を確実に受承することがで
きる。そして、回転軸受18A1,18A2の外輪19A
1,19A2を軸受取付筒部3Aの取付穴部3A3内にす
きま嵌めで容易に取付けることができる。
【0077】また、旋回軸受31A1,31A2について
も、スラスト荷重とラジアル荷重を受承可能なアンギュ
ラ玉軸受を用いて構成し、これらの旋回軸受31A1,
31A2は正面合せで回転軸13の偏心穴14A内に組
付ける構成としている。
【0078】そして、この場合の旋回軸受31A1は、
外輪32A1を偏心穴14A内でねじ筒35の端面に当
接させると共に、旋回軸受31A2は外輪32A2を回転
軸13の軸受当接段部17Aに当接させ、内輪20A2
を旋回軸26の軸受当接段部30Aに当接させる構成と
している。
【0079】これにより、旋回軸受31A1、31A2
は、回転軸13の軸受当接段部17A、旋回軸26の軸
受当接段部30Aとねじ筒35の端面との間にスラスト
方向に固定した状態で、スラスト荷重を確実に受承する
ことができる。そして、旋回軸受31A1、31A2の外
輪32A1,32A2を回転軸13の偏心穴14A内にす
きま嵌めで容易に取付けることができる。
【0080】この場合、旋回軸受31A1、31A2は、
ねじ筒35を回転軸13の偏心穴14A内に螺着するこ
とにより軸方向の予圧が付与されるので、旋回軸受31
A1、31A2の外輪32A1,32A2を回転軸13の軸
受当接段部17Aとねじ筒35との間で回転軸13の軸
方向に確実に位置決めすることができる。
【0081】この結果、旋回軸26に作用するスラスト
荷重を旋回軸受31A1、31A2の外輪32A1,32
A2から回転軸13に伝えつつ、これを回転軸受18A
1、18A2の外輪19A1,19A2を介して軸受取付筒
部3Aの突部3A4で受承でき、高圧側の圧縮機4Bか
ら低圧側の圧縮機4Aに向けて旋回軸26が軸方向に変
位するのを確実に防止することができる。
【0082】従って、本実施の形態によれば、圧縮運転
時に高圧側の圧縮機4Bから低圧側の圧縮機4Aに向け
て旋回軸26等にスラスト荷重が作用しても、回転軸受
18A1,18A2と旋回軸受31A1,31A2により旋
回軸26が軸方向に変位するのを防ぐことができ、固定
スクロール5Aと旋回スクロール38Aとのスラスト方
向の隙間をほぼ一定に保つことができると共に、固定ス
クロール5Bと旋回スクロール38Bとの隙間もほぼ一
定に保つことができ、低圧側の圧縮機4Aと高圧側の圧
縮機4Bの圧縮効率を高めることができる。
【0083】また、圧縮運転を続けるうちに、例えば回
転軸13、旋回軸26が熱膨張したとしても、ラジアル
荷重を受承可能な回転軸受18Bと旋回軸受31B1,
31B2は前述した軸方向の隙間により、このときの熱
膨張分を吸収でき、回転軸13および旋回軸26の円滑
な回転を補償することができる。
【0084】さらに、組付時には回転軸受18A1,1
8A2を軸受取付筒部3Aの突部3A4と押え板24との
間で位置決めすることにより、回転軸13の軸方向変位
を規制できると共に、旋回軸受31A1、31A2を回転
軸13の軸受当接段部17Aとねじ筒35との間で位置
決めすることにより、旋回軸26の軸方向変位も規制す
ることができ、この状態で旋回軸26の小径軸部28
A,28Bに旋回スクロール38A,38B等の部材を
簡単に取付けることができ、組付時の作業性等を高める
ことができる。
【0085】次に、図6ないし図9は本発明の第2の実
施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、軸方向の一側
に位置する旋回軸受をラジアル玉軸受とし、軸方向の他
側に位置する旋回軸受をアンギュラ玉軸受としたことに
ある。
【0086】なお、本実施の形態では、前記第1の実施
の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0087】51は本実施の形態に係る旋回軸で、該旋
回軸51についても、第1の実施の形態による旋回軸2
6とほぼ同様に、大径軸部52と、該大径軸部52の両
端から軸方向に突出した小径軸部53A,53Bとによ
って構成されている。
【0088】そして、旋回軸51は、大径軸部52と小
径軸部53Aとの間が段部54A,55Aとなってい
る。また、旋回軸51は、大径軸部52と小径軸部53
Bとの間が段部54B,軸受当接段部55Bとなってい
る。
【0089】56A1,56A2は回転軸13と旋回軸5
1との間に設けられた2個の第1の旋回軸受で、該旋回
軸受56A1,56A2は、ラジアル方向の荷重を受承す
るラジアル玉軸受により構成されている。
【0090】また、旋回軸受56A1,56A2のうち一
方の旋回軸受56A1は、回転軸13の偏心穴14A内
に嵌合して取付けられた外輪57A1と、旋回軸51の
小径軸部53Aに嵌合して取付けられた内輪58A1
と、外輪57A1と内輪58A1との間に設けられた球体
59A1とによって構成されている。
【0091】さらに、他方の旋回軸受56A2は、回転
軸13の偏心穴14A内に嵌合して軸受当接段部17A
に当接した外輪57A2と、旋回軸51の小径軸部53
Aに嵌合して取付けられた内輪58A2と、外輪57A2
と内輪58A2との間に設けられた球体59A2とによっ
て構成されている。
【0092】56B1,56B2は回転軸13と旋回軸5
1との間に設けられた2個の第2の旋回軸受で、該旋回
軸受56B1,56B2は、ラジアル方向とスラスト方向
の荷重を受承するアンギュラ玉軸受として形成され、第
1の実施の形態で述べた旋回軸受31A1,31A2とほ
ぼ同様に構成されている。
【0093】そして、旋回軸受56B1,56B2のうち
一方の旋回軸受56B1は、回転軸13の偏心穴14B
内に嵌合して取付けられた外輪57B1と、旋回軸51
の小径軸部53Bにすきま嵌めで取付けられた内輪58
B1と、該内輪58B1と外輪57B1との間に設けられ
た球体59B2とによって構成されている。
【0094】また、他方の旋回軸受56B2は、回転軸
13の偏心穴14B内に嵌合して取付けられ軸受当接段
部17Bに当接した外輪57B2と、旋回軸51の小径
軸部53Bにすきま嵌めで取付けられた内輪58B2
と、該内輪58B2と外輪57B2との間に設けられた球
体59B2とによって構成されている。
【0095】そして、これらのアンギュラ玉軸受からな
る旋回軸受56B1,56B2は、図7に示すように背面
合せで回転軸13の偏心穴14Bと旋回軸51との間に
取付けられている。
【0096】60は後述するナット62の外周側に装着
された軸シール、61は旋回軸受56B2側に位置して
旋回軸51の小径軸部53B外周に取付けられた軸シー
ルである。
【0097】62は旋回軸51の小径軸部53B外周側
に螺着して設けられた規制部材としてのナットで、該ナ
ット62は、旋回軸受56B1の内輪58B1に当接する
ことにより軸受当接段部55Bとの間で旋回軸受56B
1,56B2の内輪58B1,58B2に予圧を与えると共
に、旋回軸受56B1,56B2が回転軸13と旋回軸5
1との間で軸方向に相対移動するのを規制するものであ
る。
【0098】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に本実施の形態では、旋回軸受56
B1,56B2をアンギュラ玉軸受により構成している。
【0099】これにより、これらの旋回軸受56B1,
56B2をナット62と回転軸受13の軸受当接段部1
7Bとの間で確実に位置決めすることができ、旋回軸5
1の小径軸部53Bに対して旋回軸受56B1,56B2
をすきま嵌めで、容易に取付けることができる。
【0100】なお、各実施の形態では、2個の圧縮機4
A,4Bを用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、
本発明はこれに限ることなく、例えば図10に示す変形
例のように、連通管45を廃止して、一方を真空ポンプ
4A′とし、他方を圧縮機4B′として用いる構成とし
てもよい。
【0101】また、第1の実施の形態では、第1の回転
軸受18A1、18A2、第1の旋回軸受31A1,31
A2をアンギュラ玉軸受によって構成し、第2の回転軸
受18B、第2の旋回軸受31B1,31B2をラジアル
玉軸受によって構成した場合を例に挙げて説明した。し
かし、本発明はこれに限ることなく、例えば第2の回転
軸受、第2の旋回軸受をアンギュラ玉軸受によって構成
し、第1の回転軸受、第1の旋回軸受をラジアル玉軸受
によって構成してもよい。
【0102】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、第1,第2の回転軸受のうちいずれか一方の回転
軸受はスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な軸受と
し、他方の回転軸受はラジアル荷重を受承可能な軸受と
する構成とし、第1,第2の旋回軸受のうちいずれか一
方の旋回軸受はスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能
な軸受とし、他方の旋回軸受はラジアル荷重を受承可能
な軸受とする構成としたので、旋回軸と一体となった第
1,第2の旋回スクロールと第1,第2の固定スクロー
ルとの間のスラスト方向の隙間が変化するのを防止する
ことができ、圧縮効率を高めることができる。
【0103】また、請求項2の発明によれば、第1,第
2の固定スクロールのうちいずれか一方の固定スクロー
ルは対向する旋回スクロールとの間で低圧側の圧縮機を
構成し、他方の固定スクロールは対向する旋回スクロー
ルとの間で高圧側の圧縮機を構成したので、高圧側の圧
縮機から低圧側の圧縮機に向けてアンバランスなスラス
ト荷重が旋回軸の軸方向に作用するときには、このスラ
スト荷重をスラスト荷重とラジアル荷重が受承可能な回
転軸受と旋回軸受とにより受承でき、旋回軸の軸方向移
動を規制することができると共に、請求項1に記載の発
明と同様の効果を得ることができ、当該流体機械の性能
を高めることができる。
【0104】一方、請求項3の発明によれば、第1,第
2の固定スクロールのうちいずれか一方の固定スクロー
ルは対向する旋回スクロールとの間で真空ポンプを構成
し、他方の旋回スクロールは対向する旋回スクロールと
の間で圧縮機を構成したので、高圧側となる圧縮機から
低圧側となる真空ポンプに向けてアンバランスなスラス
ト荷重が旋回軸の軸方向に作用しても、このスラスト荷
重をスラスト荷重とラジアル荷重を回転軸受と旋回軸受
とにより受承でき、旋回軸の軸方向移動を規制すること
ができると共に、請求項1に記載の発明と同様の効果を
得ることができる。
【0105】さらに、請求項4の発明によると、スラス
ト荷重とラジアル荷重を受承可能な回転軸受は、その外
輪をケーシングにすきま嵌めで取付け、前記ケーシング
には、すきま嵌めした前記外輪がケーシングに対して相
対変位するのを規制する規制部材を設ける構成としたの
で、回転軸受の外輪がケーシングに対して軸方向に変位
するのを規制部材により規制でき、この回転軸受をケー
シングに対しすきま嵌めで容易に取付けることができる
と共に、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ること
ができる。
【0106】また、請求項5の発明は、スラスト荷重と
ラジアル荷重を受承可能な旋回軸受は、その外輪を回転
軸の内周にすきま嵌めで取付け、前記回転軸の内周に
は、すきま嵌めした前記外輪が回転軸に対して相対変位
するのを規制する規制部材を設ける構成としたので、ス
ラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な旋回軸受の外輪
が回転軸の内周に対して軸方向に変位するのを規制部材
により規制でき、この旋回軸受を回転軸の内周に対しす
きま嵌めで容易に取付けることができると共に、旋回軸
受を取付けるときの作業性を高めることができ、請求項
1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0107】さらに、請求項6の発明は、前記スラスト
荷重とラジアル荷重を受承可能な旋回軸受は、その内輪
を前記旋回軸の外周にすきま嵌めで取付け、前記旋回軸
の外周には、すきま嵌めとした前記内輪が旋回軸に対し
て相対変位するのを規制する規制部材を設ける構成とし
たので、スラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な旋回
軸受の内輪が旋回軸の外周に対して軸方向に変位するの
を規制部材により規制でき、この旋回軸受を旋回軸の外
周に対しすきま嵌めで容易に取付けることができると共
に、旋回軸受を取付けるときの作業性を高めることがで
き、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の回転軸受、回転軸、旋回軸受および旋
回軸等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図3】図2中の回転軸受、旋回軸受等を拡大して示す
要部拡大断面図である。
【図4】回転軸、旋回軸、補助クランク等を図1中の矢
示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】図2中のねじ筒を拡大して示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮装置を示す縦断面図である。
【図7】図6中の回転軸受、回転軸、旋回軸受および旋
回軸等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図8】回転軸、旋回軸、補助クランク等を図6中の矢
示VIII−VIII方向からみた断面図である。
【図9】図6中のナットを拡大して示す斜視図である。
【図10】本発明の変形例によるスクロール式流体機械
を示す縦断面図である。
【符号の説明】 1 ケーシング 3A,3B 軸受取付筒部 3A3,3B3 取付穴部 16A,16B,17A,17B,30A,30B 軸
受当接段部 4A,4B,4B′ 圧縮機 4A′ 真空ポンプ 5A,5B 固定スクロール 6A,6B,39A,39B 鏡板 7A,7B,40A,40B ラップ部 10 電動機 11 ステータ 12 ロータ 13 回転軸 14A,14B,15 偏心穴 18A1,18A2 第1の回転軸受 18B 第2の回転軸受 19A1,19A2 外輪 24 押え板(規制部材) 26,51 旋回軸 31A1,31A2 第1の旋回軸受 31B1,31B2 第2の旋回軸受 32A1,32A2 外輪 35 ねじ筒(規制部材) 38A,38B 旋回スクロール 42A,42B 圧縮室 45 連通管 56A1,56A2 第1の旋回軸受 56B1,56B2 第2の旋回軸受 58B1,58B2 内輪 62 ナット(規制部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末藤 和孝 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA09 AA15 AA16 AB03 BB44 CC17 3H039 AA02 AA06 AA14 BB04 CC09 CC10 CC23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングと、 該ケーシングの軸方向両端側にそれぞれ設けられ鏡板に
    渦巻状のラップ部が立設された第1,第2の固定スクロ
    ールと、 該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシ
    ング内に設けられ、中空のロータとステータとが前記ケ
    ーシングの軸線と同軸となるように配置された電動機
    と、 該電動機のロータと一体に回転するように該ロータを軸
    方向に貫通して設けられ、内周側が前記ケーシングの軸
    線から所定寸法だけ偏心した偏心穴となった中空筒状の
    回転軸と、 前記ケーシング内で該回転軸を回転可能に支持するため
    該回転軸の軸方向に離間して該回転軸の外周と前記ケー
    シングとの間に設けられた第1,第2の回転軸受と、 前記回転軸の偏心穴内に挿入して設けられ該偏心穴内を
    軸方向に貫通して延びる旋回軸と、 前記回転軸の偏心穴内で該旋回軸を相対回転可能に支持
    するため該旋回軸の軸方向に離間して前記回転軸の偏心
    穴と該旋回軸の外周との間に設けられ、該旋回軸と一緒
    に旋回運動する第1,第2の旋回軸受と、 前記第1,第2の固定スクロールと対向するように前記
    旋回軸の両端側にそれぞれ設けられ、鏡板に前記第1,
    第2の固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の
    圧縮室を画成するラップ部が立設された第1,第2の旋
    回スクロールとを備えたスクロール式流体機械におい
    て、 前記第1,第2の回転軸受のうちいずれか一方の回転軸
    受はスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な軸受と
    し、他方の回転軸受はラジアル荷重を受承可能な軸受と
    する構成とし、 前記第1,第2の旋回軸受のうちいずれか一方の旋回軸
    受はスラスト荷重とラジアル荷重を受承可能な軸受と
    し、他方の旋回軸受はラジアル荷重を受承可能な軸受と
    する構成としたことを特徴とするスクロール式流体機
    械。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の固定スクロールのうち
    いずれか一方の固定スクロールは対向する旋回スクロー
    ルとの間で低圧側の圧縮機を構成し、他方の固定スクロ
    ールは対向する旋回スクロールとの間で高圧側の圧縮機
    を構成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機
    械。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の固定スクロールのうち
    いずれか一方の固定スクロールは対向する旋回スクロー
    ルとの間で真空ポンプを構成し、他方の旋回スクロール
    は対向する旋回スクロールとの間で圧縮機を構成してな
    る請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 前記スラスト荷重とラジアル荷重を受承
    可能な回転軸受は、その外輪を前記ケーシングにすきま
    嵌めで取付け、前記ケーシングには、すきま嵌めした前
    記外輪がケーシングに対して相対変位するのを規制する
    規制部材を設けてなる請求項1,2または3に記載のス
    クロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 前記スラスト荷重とラジアル荷重を受承
    可能な旋回軸受は、その外輪を前記回転軸の内周にすき
    ま嵌めで取付け、前記回転軸の内周には、すきま嵌めし
    た前記外輪が回転軸に対して相対変位するのを規制する
    規制部材を設けてなる請求項1,2,3または4に記載
    のスクロール式流体機械。
  6. 【請求項6】 前記スラスト荷重とラジアル荷重を受承
    可能な旋回軸受は、その内輪を前記旋回軸の外周にすき
    ま嵌めで取付け、前記旋回軸の外周には、すきま嵌めし
    た前記内輪が旋回軸に対して相対変位するのを規制する
    規制部材を設けてなる請求項1,2,3または4に記載
    のスクロール式流体機械。
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