JP2009180198A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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和孝 末藤
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Abstract

【課題】 自転防止機構およびスラスト荷重を支持する機構を小型化する。
【解決手段】 ケーシング1と旋回スクロール4との間には、3個のボールカップリング機構15を設ける。また、ボールカップリング機構15は、ケーシング1と旋回スクロール4とにそれぞれ取付けられた一対の支持部材16,17と、支持部材16,17の中心側に設けられた自転防止機構18と、自転防止機構18を取囲んで支持部材16,17間に設けられた複数のボール21と、支持部材16,17にそれぞれ設けられ各ボール21の転動範囲を規制する円環状溝22,23とによって構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空気圧縮機、真空ポンプ等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えば固定スクロールに対して旋回スクロールを旋回駆動させることによって、両スクロールの間の圧縮室内で空気等の流体を連続的に圧縮する構成としたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機は、ケーシングに固定して設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールと対向してケーシング内に旋回可能に設けられ鏡板に該固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールの背面側と前記ケーシングとの間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構等とにより構成されている。
特開2003−322149号公報 特開2000−161250号公報
ところで、上述した特許文献1には、保持リングの貫通孔にピンを挿入して自転防止機構を構成するのに加えて、旋回スクロールのスラスト方向の荷重(スラスト荷重)を支持する荷重支持機構を設けた構成が開示されている。しかし、旋回スクロールの駆動軸を取囲んで自転防止機構と荷重支持機構とが周方向に環状に設けられているため、これら2つの機構が占める面積が大きくなる。この結果、荷重支持機構にグリス潤滑を用いる場合には、グリスのシールが難しい傾向がある。また、旋回スクロールの背面に冷却風を通して旋回スクロールの冷却を行う場合には、自転防止機構および荷重支持機構が邪魔になって、通風の抵抗となり、冷却効果を阻害するという問題もある。
一方、特許文献2には、スライダとガイドとを用いて自転防止機構を構成すると共に、四角形状のスライダをガイドを用いて2軸方向に案内して旋回スクロールの自転を防止する構成が開示されている。また、引用文献2には、スライダ内にスラスト荷重を支持するボールを設けた構成も開示されている。しかし、ガイドが2軸方向に延びているから、ガイドとスライダとの摺動面に潤滑剤を供給するためには、ガイドを含めた全体に潤滑剤を保持する機構を設ける必要があり、潤滑剤の保持機構が大型化し易い。
また、スライダの外周面がガイドに沿って摺動変位するため、スライダの摺動抵抗が大きい。このため、自転防止機構による動力損失が大きくなるという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、自転防止機構およびスラスト荷重を支持する機構を小型化することができるスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、ケーシングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、鏡板にラップ部が立設され該固定スクロールのラップ部と重ねた状態で旋回運動することによって各ラップ部間の流体室で流体を圧縮または膨張する旋回スクロールと、該旋回スクロールとケーシングまたは固定スクロールとの間に設けられスラスト荷重を支持する複数のボールカップリング機構とを備えてなるスクロール式流体機械に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ボールカップリング機構のうち少なくとも1つは、前記旋回スクロールとケーシングまたは固定スクロールとの間でボール支持面を対面させて設けられた一対の支持部材と、該一対の支持部材の中心側に位置して前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構と、該自転防止機構の周囲に位置して前記一対の支持部材間に設けられスラスト方向の荷重を支持する複数のボールと、前記一対の支持部材のボール支持面側に位置して該各ボールの数に対応して設けられ該各ボールが転動する範囲を規制するボール規制手段とによって構成したことにある。
請求項2の発明では、前記自転防止機構は、一方の支持部材の中心側に固定されスラスト方向に延びるピンと、他方の支持部材の中心側に配設され該ピンが挿入される挿入穴とからなり、該挿入穴の内周面に前記ピンが摺接することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としている。
請求項3の発明では、前記自転防止機構は、前記一対の支持部材の中心側に固定してそれぞれ設けられスラスト方向に延びる一対のピンと、前記一対の支持部材の間に配設され該一対のピンが両方とも挿入されるリング部材とからなり、該リング部材の内周面に前記一対のピンが転がり接触することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としている。
請求項4の発明では、前記自転防止機構は、前記一対の支持部材の中心側にそれぞれ設けられ環状に突出した一対の環状突起部と、前記一対の支持部材の間に配設され該一対の環状突起部内に設けられたボールとからなり、該ボールが前記一対の環状突起部の内周面に転がり接触することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としている。
請求項5の発明では、前記ボールカップリング機構は、3箇所に配置する構成とし、前記旋回スクロールの中心位置を通る直線上を除いた位置で前記旋回スクロールの周方向に間隔をもって少なくとも2箇所に前記自転防止機構を配置する構成としている。
請求項1の発明によれば、ボールカップリング機構は、一対の支持部材の中心側に設けられた自転防止機構を備える構成とした。このため、自転防止機構を用いて、旋回スクロールの自転を防止することができる。また、ボールカップリング機構は、自転防止機構の周囲に位置して一対の支持部材間に設けられた複数のボールと、一対の支持部材のボール支持面側に設けられたボール規制手段とを備える構成とした。このため、複数のボールを用いて、スラスト方向の荷重を支持することができる。
また、複数のボールカップリング機構のうち少なくとも1つは、旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構と、スラスト方向の荷重を支持する複数のボールとを別個に備える構成とした。このとき、自転防止機構にはスラスト方向の荷重が作用しないから、自転防止機構は、旋回スクロールの自転力だけが作用する。このため、旋回スクロールの慣性モーメントの大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合でも、自転防止機構を用いて自転力を確実に支持することができる。この結果、旋回スクロールの自転方向の挙動が安定し、自転防止を確実にできる。
また、ボールカップリング機構は、旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構と、スラスト方向の荷重を支持する複数のボールとを別個に備える構成とした。このため、自転防止機構とボールとを用いることによって、自転を防止する機能とスラスト荷重を支持する機能とを分離することができる。このため、自転防止機構は、自転力の大きさのみに基づいて設計することができる。一方、ボールやボール規制手段は、スラスト荷重の大きさのみに基づいて設計することができる。この結果、旋回スクロールのスラスト荷重の支持と自転防止との2つの機能を兼用した場合に比べて、自転防止機構、ボール、ボール規制手段等の寸法公差を緩めることができるから、製造コストおよび管理コストを低減することができる。
さらに、ボールカップリング機構は、一対の支持部材間に自転防止機構の周囲に位置して複数のボールを設けると共に、一対の支持部材のボール支持面側にボール規制手段を設ける構成とした。このため、複数のボールは一対の支持部材間から逸脱することがないから、一対の支持部材間にグリス等の潤滑剤を保持することによって、ボールおよび自転防止機構の両方に潤滑剤を供給することができる。そして、一対の支持部材間に潤滑剤を保持すればよいから、例えば旋回スクロールの背面側に全周に亘って自転防止機構および荷重支持機構を設けた場合や、互いに対向した一対のガイドの内側にスライダを配置した場合に比べて、潤滑剤の保持機構を小さくすることができる。
また、ボールカップリング機構は旋回スクロールとケーシング側との間に複数個設ける構成としたから、複数のボールカップリング機構の間を通じて旋回スクロールに冷却風を供給することができる。このため、例えば旋回スクロールの背面側に全周に亘って自転防止機構および荷重支持機構を設けた場合に比べて、旋回スクロールに冷却風を容易に供給することができる。
請求項2の発明によれば、自転防止機構は、一方の支持部材の中心側に固定されスラスト方向に延びるピンと、他方の支持部材の中心側に配設され該ピンが挿入される挿入穴とによって構成した。このため、挿入穴の内周面にピンが摺接することによって旋回スクロールの自転を防止することができる。このとき、ピンおよび挿入穴の断面形状はいずれも円形に形成するから、ピンと挿入穴の内周面との間の摺動抵抗を小さくすることができる。この結果、例えばガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構の動力損失を低減することができる。
請求項3の発明によれば、自転防止機構は、一対の支持部材の中心側に固定してそれぞれ設けられスラスト方向に延びる一対のピンと、一対の支持部材の間に配設され該一対のピンが両方とも挿入されるリング部材とによって構成した。このため、リング部材の内周面に一対のピンが転がり接触することによって、旋回スクロールの自転を防止することができる。この結果、例えばガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構の動力損失を低減することができる。
請求項4の発明によれば、自転防止機構は、一対の支持部材の中心側にそれぞれ設けられ環状に突出した一対の環状突起部と、一対の支持部材の間に配設され該一対の環状突起部内に設けられたボールとによって構成した。このため、ボールが一対の環状突起部の内周面に転がり接触することによって、旋回スクロールの自転を防止することができる。この結果、例えばガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構の動力損失を低減することができる。
請求項5の発明によれば、ボールカップリング機構は、旋回スクロールの中心位置を通る直線上を除いた位置で旋回スクロールの周方向に間隔をもって少なくとも3箇所に配置し、このうち2箇所に自転防止機構を配置した。このため、例えば全ての方向の自転トルクを2個の自転防止機構を用いて確実に支持することができ、ボールカップリング機構の数をできるだけ少なくすることができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、無給油式の空気圧縮機に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1はスクロール式空気圧縮機の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング1は、図1に示す如く軸方向一側が開口した有底筒状体として形成されている。また、ケーシング1の軸方向他側には、軸線O1−O1上に後述の出力軸8Aを有した電動モータ8が着脱可能に取付けられている。
この場合、ケーシング1は、軸方向一側(後述の固定スクロール2側)が開口した筒部1Aと、該筒部1Aの軸方向他側に一体形成され径方向内向きに延びた環状の底部1Bと、該底部1Bの内周側から軸方向一側に向けて突出した筒状の軸受取付部1Cとから大略構成されている。そして、ケーシング1の筒部1A内には、後述の旋回スクロール4、偏心ブッシュ12、バランスウェイト13、ボールカップリング機構15等が収容されている。
また、ケーシング1の底部1B側には、後述の旋回スクロール4に付加される軸方向(スラスト方向)のスラスト荷重をボールカップリング機構15を介して受承する複数の台座部1D(図1、図2中に1個のみ図示)が設けられ、これらの台座部1Dは、ケーシング1の周方向に所定の間隔をもって配設されている。そして、各台座部1Dには、後述するボールカップリング機構15のボール21を収容するグリス収容部24が設けられている。
2はケーシング1(筒部1A)の開口端側に固定して設けられた固定スクロールで、該固定スクロール2は、ケーシング1と共に固定側部材を構成している。そして、固定スクロール2は、図1に示す如く軸線O1−O1を中心として円板状に形成された鏡板2Aと、該鏡板2Aの表面に立設された渦巻状のラップ部2Bと、該ラップ部2Bを取囲む位置で鏡板2Aの外周側に設けられ、複数のボルト3等によりケーシング1(筒部1A)の開口端側に締結された筒状の支持部2Cとにより大略構成されている。
4は固定スクロール2と軸方向に対向する位置でケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示している。そして、該旋回スクロール4は、図1中に示すように軸線O2−O2を中心とする円板状の鏡板4Aと、該鏡板4Aの表面に立設された渦巻状のラップ部4Bと、鏡板4Aの背面(ラップ部4Bと反対側の面)側に突設され、後述の偏心ブッシュ12に旋回軸受14を介して取付けられる筒状の連結軸部4Cとにより大略構成されている。
また、旋回スクロール4の背面部の外径側には、後述するボールカップリング機構15の支持部材17が取付けられる複数の取付凹部4D(図1、図2中に1個のみ図示)が、旋回スクロール4の周方向に間隔をもって設けられている。そして、これらの取付凹部4Dは、ケーシング1の各台座部1D(取付凹部1E)と軸方向で対向する位置に配設されている。
ここで、旋回スクロール4の連結軸部4Cは、その中心となる軸線O2−O2が固定スクロール2の中心となる軸線O1−O1に対して、後述の偏心ブッシュ12により予め決められた所定の寸法δ分だけ径方向に偏心して配置されている。この状態で、旋回スクロール4のラップ部4Bは、固定スクロール2のラップ部2Bと重なり合うように配置され、これらのラップ部2B,4Bの間には、複数の圧縮室5(流体室)が画成されている。
そして、旋回スクロール4は、電動モータ8により後述の回転軸9と偏心ブッシュ12とを介して駆動され、後述のボールカップリング機構15によって自転を規制された状態で固定スクロール2に対し旋回運動を行う。即ち、旋回スクロール4は、固定スクロール2の軸線O1−O1に対して前記寸法δ分の旋回半径をもって旋回動作するものである。
これにより、複数の圧縮室5のうち外径側の圧縮室5は、固定スクロール2の外周側に設けられた吸込口6から空気を吸込み、この空気は各圧縮室5内で旋回スクロール4の旋回動作に伴って連続的に圧縮される。そして、内径側の圧縮室5は、固定スクロール2の中心側に設けられた吐出口7から圧縮空気を外部に向けて吐出するものである。
8はケーシング1の底部1B側に設けられた駆動源としての電動モータで、該電動モータ8は、その出力軸8Aが後述の回転軸9に一体的に連結されている。そして、電動モータ8の出力軸8Aは、図1に示す軸線O1−O1を中心として回転することにより、旋回スクロール4を後述の回転軸9、偏心ブッシュ12等を介して旋回駆動するものである。
9はケーシング1の軸受取付部1C内に軸受10等を介して回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸9は、図1に示す如く基端側が電動モータ8の出力軸8Aに着脱可能に固着され、電動モータ8によって回転駆動される。また、回転軸9の先端側には、偏心ブッシュ12と旋回軸受14とを介して旋回スクロール4の連結軸部4Cが旋回可能に連結されている。
また、回転軸9の基端側には、図1に示すように径方向外向きに延びるサブウェイト11が一体形成され、このサブウェイト11は、後述のバランスウェイト13と旋回スクロール4とが回転するときにそれぞれ生じる遠心力が回転軸9等を傾ける方向の外力(モーメント力)となって作用するのを打消す機能を有するものである。
12は回転軸9の先端側に設けられた段付筒状の偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ12は、旋回スクロール4の連結軸部4C側を回転軸9に後述の旋回軸受14を介して偏心状態で連結している。そして、偏心ブッシュ12は、回転軸9と一体に回転し、その回転を旋回スクロール4の旋回動作に変換するものである。また、偏心ブッシュ12の外周側には、旋回スクロール4の旋回動作を安定させるためにバランスウェイト13が一体に形成されている。
14は旋回スクロール4の連結軸部4Cと偏心ブッシュ12との間に配設された旋回軸受を示している。そして、旋回軸受14は、旋回スクロール4の連結軸部4Cを偏心ブッシュ12に対して旋回可能に支持し、旋回スクロール4が回転軸9の軸線O1−O1に対して旋回半径(寸法δ)をもって旋回動作するのを補償する。
15はケーシング1の底部1Bと旋回スクロール4の背面側との間に設けられた複数(例えば3個)のボールカップリング機構で、該各ボールカップリング機構15は、ケーシング1の各台座部1Dと旋回スクロール4の各取付凹部4Dとの間にそれぞれ位置して、例えば軸線O1−O1を中心にして周方向に等間隔(例えば120度間隔)に配置されている。これら3個のボールカップリング機構15は、旋回スクロール4の自転を防止すると共に、各圧縮室5の圧力によって旋回スクロール4に作用するスラスト荷重を支持する。そして、ボールカップリング機構15は、後述する支持部材16,17、自転防止機構18、ボール21、円環状溝22,23によって構成されている。
16はケーシング1の台座部1Dに設けられたケーシング側支持部材である。このケーシング側支持部材16は、例えば圧入等の手段を用いてグリス収容部24の奥部に回転不能に嵌合されている。また、ケーシング側支持部材16は、例えば段付円筒状に形成され、小径側のボール支持面16Aは、後述のボール21に当接している。
17は旋回スクロール4の取付凹部4Dに設けられた旋回スクロール側支持部材である。この旋回スクロール側支持部材17は、例えば取付凹部4Dに半分程度まで圧入等の手段を用いて回転不能に嵌合されている。ここで、旋回スクロール側支持部材17は、例えば段付円柱状に形成され、大径な基端側が取付凹部4D内に挿嵌されている。一方、旋回スクロール側支持部材17のうち小径な先端側は、ケーシング1のグリス収容部24内に挿入されると共に、その先端面がケーシング側支持部材16のボール支持面16Aとの間でボール21を挟持するボール支持面17Aとなっている。
また、旋回スクロール側支持部材17は、大径部分と小径部分との間に段部17Bが形成されている。このとき、段部17Bは、軸方向でグリス収容部24の開口付近に位置している。そして、段部17Bには、後述のシール部材26が取付けられている。
18は各支持部材16,17の中心側に設けられた自転防止機構で、該自転防止機構18は、旋回スクロール側支持部材17の中心側に固定されスラスト方向に延びる円柱状のピン19と、ケーシング側支持部材16の中心側に配設され該ピン19が挿入される断面円形の挿入穴20とによって構成されている。このとき、挿入穴20の内径寸法φ1は、ピン19の外径寸法φ2よりも旋回半径の2倍(寸法δ×2)だけ大きな値に設定されている。そして、旋回スクロール4が旋回運動するときには、ピン19は、挿入穴20の内周面に接触しつつ挿入穴20の内周面に沿って変位する。これにより、自転防止機構18は、挿入穴20の内周面にピン19が摺接することによって、旋回スクロール4の自転を防止している。
なお、本実施の形態では、旋回スクロール側支持部材17にピン19を設け、ケーシング側支持部材16に挿入穴20を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、旋回スクロール側支持部材17に挿入穴を設け、ケーシング側支持部材16にピンを設ける構成としてもよい。
21は自転防止機構18の周囲に位置してケーシング側支持部材16のボール支持面16Aと旋回スクロール側支持部材17のボール支持面17Aとの間に設けられた複数のボールである。これらのボール21は、例えば鋼球等の高い剛性をもった材料からなる球体によって形成され、自転防止機構18を取囲んで周方向に等間隔に例えば6個設けられている。また、各ボール21は、後述の円環状溝22,23に沿って転動することにより、該各円環状溝22,23によって転動する範囲が規制された状態となっている。
22,23は支持部材16,17のボール支持面16A,17Aにそれぞれ複数設けられた円環状溝である。ここで、旋回スクロール4の旋回動作に伴ってボール21は予め決められた円軌跡に沿って転動するから、円環状溝22,23は、ボール21の円軌跡に沿って設けられている。
そして、円環状溝22,23は、ボール21のうちスラスト方向の両端側と転がり接触すると共に、接触箇所の断面が円弧状に形成されている。このとき、円環状溝22,23の断面の曲率半径は、ボール21の半径(直径D1の半分)よりも大きな値に設定されている。これにより、円環状溝22,23は、支持部材16,17とボール21との接触応力を低減している。
また、円環状溝22,23は、その溝深さが浅く形成され、ボール21のうちスラスト方向の両端側以外の箇所とは殆ど接触しない。このため、旋回スクロール4に対して自転力が作用したときに、ボール21等に比べて、自転防止機構18が受ける自転力の方が大きい構成となっている。
24はケーシング1の台座部1Dに設けられたグリス収容部で、該グリス収容部24は、図2および図3に示すように台座部1Dに凹設された有底穴によって形成されている。また、グリス収容部24の底面側には、ケーシング側支持部材16が取付けられている。そして、グリス収容部24の内部には、ケーシング側支持部材16に加えて、旋回スクロール側支持部材17のボール支持面17A、自転防止機構18およびボール21が収容されると共に、潤滑剤としてのグリスGが収容されている。これにより、グリス収容部24は、ボール21の周囲に位置してボール21を取囲むと共に、その内部にグリスGを収容するためのグリス収容空間25を画成している。
26は旋回スクロール側支持部材17の外周側に設けられたシール部材である。このシール部材26は、例えば樹脂材料を用いて円形の鍔状に形成され、軸方向に対してグリス収容部24の開口部と旋回スクロール側支持部材17の段部17Bとの間に挟持されている。これにより、シール部材26は、内部のグリスGが漏れ出さないように、グリス収容部24の開口部と旋回スクロール側支持部材17の外周との間をシールする。また、このシール部材26は、グリス収容部24に対して旋回スクロール側支持部材17が旋回動作した場合でも、グリス収容部24を閉塞できるように、その径寸法が設定されている。
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、電動モータ8に外部から給電して出力軸8Aにより、軸線O1−O1を中心として回転軸9と偏心ブッシュ12とを回転駆動すると、例えば3組のボールカップリング機構15によって自転が規制された状態で、旋回スクロール4は所定の旋回半径(図1中の寸法δ)をもった旋回動作を行う。
これにより、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール4のラップ部4Bとの間に画成された各圧縮室5は、外径側から内径側に向けて連続的に縮小される。そして、これらの圧縮室5のうち外径側の圧縮室5は、固定スクロール2の外周側に設けた吸込口6から空気を吸込み、この空気を各圧縮室5内で連続的に圧縮しつつ、内径側の圧縮室5から吐出口7を介して圧縮空気が外部に向けて吐出される。
また、このような圧縮運転時には、各圧縮室5内で圧縮された空気の圧力が旋回スクロール4の鏡板4Aにスラスト荷重となって作用する。しかし、ケーシング1の底部1Bと旋回スクロール4の背面側との間には、例えば3組のボールカップリング機構15が配置され、これらのボールカップリング機構15は、一対の支持部材16,17の間で転動する複数のボール21を備える構成している。
このため、旋回スクロール4の鏡板4Aに付加されるスラスト荷重は、支持部材16,17とボール21との間で受承することができる。これにより、旋回スクロール4がケーシング1の軸方向に変位したり、固定スクロール2に対して斜めに傾いたりするのを防ぎ、旋回スクロール4の旋回動作を安定させることができる。
一方、旋回スクロール4の自転力は、ピン19と挿入穴20からなる自転防止機構18で受承することができる。これにより、旋回スクロール4の慣性モーメントの大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合でも、自転防止機構18を用いて旋回スクロール4の自転力を確実に支持することができる。この結果、旋回スクロール4の自転方向の挙動が安定し、自転防止を確実にできる。
かくして、本実施の形態によれば、ボールカップリング機構15は、一対の支持部材16,17の中心側に設けられた自転防止機構18を備える構成とした。このため、自転防止機構18を用いて、旋回スクロール4の自転を防止することができる。また、ボールカップリング機構15は、自転防止機構18の周囲に位置して一対の支持部材16,17間に設けられた複数のボール21と、一対の支持部材16,17のボール支持面16A,17A側に設けられた円環状溝22,23とを備える構成とした。このため、複数のボール21を用いて、スラスト方向の荷重を支持することができる。
また、ボールカップリング機構15は、旋回スクロール4の自転を防止する自転防止機構18と、スラスト方向の荷重を支持する複数のボール21とを別個に備える構成とした。このとき、自転防止機構18にはスラスト方向の荷重が作用しないから、自転防止機構18は、旋回スクロール4の自転力だけが作用する。このため、旋回スクロール4の慣性モーメントの大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合でも、自転防止機構18を用いて自転力を確実に支持することができる。この結果、旋回スクロール4の自転方向の挙動が安定し、自転防止を確実にできる。
また、ボールカップリング機構15は、旋回スクロール4の自転を防止する自転防止機構18と、スラスト方向の荷重を支持する複数のボール21とを別個に備える構成とした。このため、自転防止機構18とボール21とを用いることによって、自転を防止する機能とスラスト荷重を支持する機能とを分離することができる。このため、自転防止機構18は、自転力の大きさのみに基づいて設計することができる。一方、ボール21や円環状溝22,23は、スラスト荷重の大きさのみに基づいて設計することができる。この結果、旋回スクロール4のスラスト荷重の支持と自転防止との2つの機能を兼用した場合に比べて、自転防止機構18、ボール21、円環状溝22,23等の寸法公差を緩めることができるから、製造コストおよび管理コストを低減することができる。
さらに、ボールカップリング機構15は、一対の支持部材16,17間に自転防止機構18の周囲に位置して複数のボール21を設けると共に、一対の支持部材16,17のボール支持面16A,17A側に円環状溝22,23を設ける構成とした。このため、複数のボール21は一対の支持部材16,17間から逸脱することがないから、グリス収容部24内にボールカップリング機構15を収容して一対の支持部材16,17間にグリスGを保持することによって、ボール21および自転防止機構18の両方にグリスGを供給することができる。そして、一対の支持部材16,17間にグリスGを保持すればよいから、例えば特許文献1のように、旋回スクロールの背面側に全周に亘って自転防止機構および荷重支持機構を設けた場合や、特許文献2のように、互いに対向した一対のガイドの内側にスライダを配置した場合に比べて、グリス収容部24を小さくすることができる。
また、ボールカップリング機構15は旋回スクロール4とケーシング1との間に複数個設ける構成としたから、複数のボールカップリング機構15の間を通じて旋回スクロール4に冷却風を供給することができる。このため、例えば特許文献1のように、旋回スクロール4の背面側に全周に亘って自転防止機構および荷重支持機構を設けた場合に比べて、旋回スクロール4に冷却風を容易に供給することができる。
さらに、自転防止機構18は、旋回スクロール側支持部材17の中心側に固定されたピン19と、ケーシング側支持部材16の中心側に配設され該ピン19が挿入される挿入穴20とによって構成した。このため、挿入穴20の内周面にピン19が摺接することによって、旋回スクロール4の自転を防止することができる。このとき、ピン19および挿入穴20の断面形状はいずれも円形に形成するから、ピン19と挿入穴20の内周面との間の摺動抵抗を小さくすることができる。この結果、例えば特許文献2のように、ガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構18の動力損失を低減することができる。
次に、図5および図6は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、自転防止機構を、一対の支持部材にそれぞれ設けられた一対のピンと、一対の支持部材の間に配設され該一対のピンが両方とも挿入されるリング部材とによって構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は本実施の形態による自転防止機構を示し、該自転防止機構31は、第1の実施の形態で述べた自転防止機構18と同様に、一対の支持部材16,17の中心側に配置されている。但し、自転防止機構31は、一対の支持部材16,17にそれぞれ設けられた一対のピン32,33と、一対の支持部材16,17の間に配設され該一対のピン32,33が両方とも挿入されるリング部材34とによって構成されている点で、第1の実施の形態による自転防止機構18とは異なる。
ここで、ピン32は、ケーシング側支持部材16の中心側に固定され、旋回スクロール4に向けてスラスト方向に延びている。一方、ピン33は、旋回スクロール側支持部材17の中心側に固定され、ケーシング1に向けてスラスト方向に延びている。そして、ピン32,33は、一対の支持部材16,17の間で互いに交差している。
また、リング部材34は、ピン32,33を取囲む円筒状に形成されている。ここで、リング部材34の内径寸法は、ピン32,33をリング部材34の径方向両端に位置して内周面に接触させたときに、ピン32の中心軸とピン33の中心軸とが旋回半径(寸法δ)だけ離間した位置となる値に設定されている。具体的には、リング部材34の内径寸法は、旋回半径にピン32の半径寸法とピン33の半径寸法とを加えた値に設定されている。
そして、旋回スクロール4が旋回運動するときには、ピン32,33は、リング部材34の内周面に転がり接触しつつ、リング部材34の内周面に沿って変位する。これにより、自転防止機構31は、リング部材34の内周面に一対のピン32,33が転がり接触することによって、旋回スクロール4の自転を防止している。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、自転防止機構31は、一対の支持部材16,17にそれぞれ設けられた一対のピン32,33と、一対の支持部材16,17の間に配設され該一対のピン32,33が両方とも挿入されるリング部材34とによって構成した。このため、リング部材34の内周面に一対のピン32,33が転がり接触することによって、旋回スクロール4の自転を防止することができる。この結果、例えばガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構31の動力損失を低減することができる。
次に、図7および図8は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、自転防止機構を、一対の支持部材にそれぞれ設けられ環状に突出した一対の環状突起部と、一対の支持部材の間に位置して該一対の環状突起部内に設けられた自転防止用ボールとによって構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は本実施の形態による自転防止機構を示し、該自転防止機構41は、第1の実施の形態で述べた自転防止機構18と同様に、一対の支持部材16,17の中心側に配置されている。但し、自転防止機構41は、一対の支持部材16,17にそれぞれ設けられた一対の環状突起部42,43と、一対の支持部材16,17の間に配設され該一対の環状突起部42,43内に設けられた自転防止用ボール44とによって構成されている点で、第1の実施の形態による自転防止機構18とは異なる。
ここで、環状突起部42,43は、支持部材16,17のボール支持面16A,17Aに円環状に突出して形成され、その内部に円形溝を形成している。これにより、環状突起部42,43の内部には、円形平面からなる底面42A,43Aが形成されている。そして、環状突起部42,43の内周面は、自転防止用ボール44のうちスラスト方向から傾斜した方向の両端側と転がり接触すると共に、接触箇所の断面が直線状に形成されている。
これにより、環状突起部42,43は、自転防止用ボール44に対して、スラスト方向と直交する方向(径方向や周方向)の力を作用させることができる。このため、自転防止用ボール44および環状突起部42,43を用いることによって、ケーシング1の底部1B側で旋回スクロール4の自転力を支持することができる。
そして、環状突起部42,43は、旋回スクロール4の旋回動作に伴って自転防止用ボール44を予め決められた円軌跡に沿ってガイドする。このとき、自転防止用ボール44は、例えば環状突起部42,43と転がり接触する箇所が自転軸と直交した赤道位置に該当している。
また、自転防止用ボール44は、スラスト荷重を支持するボール21と同様に例えば鋼球等の高い剛性をもった材料からなる球体によって形成されている。さらに、自転防止用ボール44の直径D2は、底面42A,43A間の離間寸法Tよりも小さい値(D2<T)に設定されている。一方、ボール21の直径D1は、支持部材16,17の円環状溝22,23の底面と常に接触する値に設定されている。これにより、自転防止用ボール44のスラスト方向の両端側は底面42A,43Aから離間している。そして、自転防止機構41は、自転防止用ボール44が一対の環状突起部42,43の内周面に転がり接触することによって、旋回スクロール4の自転を防止している。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、自転防止機構41は、一対の支持部材16,17にそれぞれ設けられた一対の環状突起部42,43と、一対の支持部材16,17の間に配設され該一対の環状突起部42,43内に設けられた自転防止用ボール44とによって構成した。このため、自転防止用ボール44が一対の環状突起部42,43の内周面に転がり接触することによって、旋回スクロール4の自転を防止することができる。この結果、例えばガイドとスライダを摺動させる自転防止機構に比べて、自転防止機構41の動力損失を低減することができる。
次に、図9および図10は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、自転防止機構は、旋回スクロールの中心位置を通る直線上を除いた位置で旋回スクロールの周方向に間隔をもって2箇所に配置する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
また、本実施の形態では、電動モータ8と回転軸9とを連結する部分に遠心ファンからなる冷却ファン51が取付けられているものの、他の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。さらに、冷却ファン51は、ファンケーシング52内に収容されると共に、該ファンケーシング52の内部はケーシング4の外周側に取付けられたダクト53に連通している。これにより、冷却ファン51は、ファンケーシング52およびダクト53を通じて、ケーシング1内に位置する旋回軸受9等に向けて冷却風を供給するものである。
61は本実施の形態によるボールカップリング機構を示し、該ボールカップリング機構61は、第1の実施の形態によるボールカップリング機構15とほぼ同様に、支持部材16,17、自転防止機構18、ボール21、円環状溝22,23によって構成されている。
但し、第1の実施の形態による自転防止機構18は旋回スクロール4の周方向に等間隔に3個配置されているのに対し、本実施の形態による自転防止機構18は、旋回スクロール4の中心位置を通る直線上を除いた位置で旋回スクロール4の周方向に間隔をもって2箇所に配置されている点で異なる。
具体的には、ボールカップリング機構61は、旋回スクロール4の周方向に等間隔な3箇所のうち2箇所に配置されているものの、残余に1箇所には自転防止機構を省いた他のボールカップリング機構62が配置されている。
即ち、ボールカップリング機構61は、ケーシング1の軸受取付部1Cの外周側に位置して、軸受取付部1Cを中心として周方向に離間した位置に配置されている。また、2個のボールカップリング機構61と軸受取付部1Cの中心とが形成する角度は、例えば120度程度に設定されている。これにより、2個のボールカップリング機構61と旋回スクロール4の中心位置とが一直線に並ばないように配置されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、3個のボールカップリング機構61,62を3箇所に配置すると共に、ボールカップリング機構61の自転防止機構18は、旋回スクロール4の中心位置を通る直線上を除いた位置で旋回スクロール4の周方向に間隔をもって2箇所に配置する構成とした。
ここで、例えば2個の自転防止機構を旋回スクロール4の中心位置を挟んで径方向の反対側に配置した場合には、2個の自転防止機構と旋回スクロール4の中心位置とが一直線に並ぶ。この場合、この直線と直交する方向の自転トルク(自転力)は、これら2個の自転防止機構では支持できなくなる。
これに対し、本実施の形態では、2個の自転防止機構18は、旋回スクロール4の中心位置を通る直線上を除いた位置で旋回スクロール4の周方向に間隔をもって2箇所に配置した。このため、全ての方向の自転トルクを2個の自転防止機構18を用いて確実に支持することができ、旋回スクロール4の自転を防止することができる。
また、本実施の形態では、2個のボールカップリング機構61とは周方向の異なる位置に他のボールカップリング機構62を設けたから、旋回スクロール4のスラスト荷重は、ボールカップリング機構61,62を用いて3箇所で支持することができる。このため、旋回スクロール4の挙動を安定させることができる。
なお、前記第4の実施の形態では、ボールカップリング機構61は、第1の実施の形態による自転防止機構18を備える構成としたが、第2,第3の実施の形態による自転防止機構31,41を備える構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、ボールカップリング機構15,61は6個のボール21を備える構成としたが、本発明はこれに限らず、2〜5個のボールを備える構成としてもよく、7個以上のボールを備える構成としてもよい。
また、前記第1〜第3の実施の形態では、ボールカップリング機構15は、周方向に間隔をもった3箇所に設ける構成としたが、4箇所以上に設ける構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、支持部材16,17は取付対象となるケーシング1、旋回スクロール4とは別部材によって形成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば支持部材を取付対象となるケーシング、旋回スクロール等と一体に形成する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、ボールカップリング機構15,61はケーシング1と旋回スクロール4との間に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば旋回スクロールと固定スクロールとが接近する方向に向けてスラスト荷重が作用するときには、旋回スクロールと固定スクロールとの間にボールカップリング機構を設ける構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にもスクロール式流体機械として広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 図1中のボールカップリング機構を拡大して示す要部縦断面図である。 図2中のボールカップリング機構を拡大して示す拡大縦断面図である。 ボールカップリング機構を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 第2の実施の形態によるボールカップリング機構を拡大して示す図3と同様位置の拡大縦断面図である。 ボールカップリング機構を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。 第3の実施の形態によるボールカップリング機構を拡大して示す図3と同様位置の拡大縦断面図である。 ボールカップリング機構を図7中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図である。 第4の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を図10中の矢示IX−IX方向からみた縦断面図である。 第4の実施の形態によるケーシングおよび自転防止機構の一部を図9中の矢示X−X方向からみた右側面図である。
符号の説明
1 ケーシング
2 固定スクロール
4 旋回スクロール
2A,4A 鏡板
2B,4B ラップ部
5 圧縮室(流体室)
15,61 ボールカップリング機構
16 ケーシング側支持部材(支持部材)
17 旋回スクロール側支持部材(支持部材)
16A,17A ボール支持面
18,31,41 自転防止機構
19,32,33 ピン
20 挿入穴
21 ボール
22,23 円環状溝(ボール規制手段)
34 リング部材
42,43 環状突起部
44 自転防止用ボール

Claims (5)

  1. ケーシングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、鏡板にラップ部が立設され該固定スクロールのラップ部と重ねた状態で旋回運動することによって各ラップ部間の流体室で流体を圧縮または膨張する旋回スクロールと、該旋回スクロールとケーシングまたは固定スクロールとの間に設けられスラスト荷重を支持する複数のボールカップリング機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記ボールカップリング機構のうち少なくとも1つは、
    前記旋回スクロールとケーシングまたは固定スクロールとの間でボール支持面を対面させて設けられた一対の支持部材と、
    該一対の支持部材の中心側に位置して前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構と、
    該自転防止機構の周囲に位置して前記一対の支持部材間に設けられスラスト方向の荷重を支持する複数のボールと、
    前記一対の支持部材のボール支持面側に位置して該各ボールの数に対応して設けられ該各ボールが転動する範囲を規制するボール規制手段とによって構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記自転防止機構は、一方の支持部材の中心側に固定されスラスト方向に延びるピンと、他方の支持部材の中心側に配設され該ピンが挿入される挿入穴とからなり、該挿入穴の内周面に前記ピンが摺接することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記自転防止機構は、前記一対の支持部材の中心側に固定してそれぞれ設けられスラスト方向に延びる一対のピンと、前記一対の支持部材の間に配設され該一対のピンが両方とも挿入されるリング部材とからなり、該リング部材の内周面に前記一対のピンが転がり接触することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記自転防止機構は、前記一対の支持部材の中心側にそれぞれ設けられ環状に突出した一対の環状突起部と、前記一対の支持部材の間に配設され該一対の環状突起部内に設けられたボールとからなり、該ボールが前記一対の環状突起部の内周面に転がり接触することによって前記旋回スクロールの自転を防止する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記ボールカップリング機構は、3箇所に配置する構成とし、前記旋回スクロールの中心位置を通る直線上を除いた位置で前記旋回スクロールの周方向に間隔をもって少なくとも2箇所に前記自転防止機構を配置する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載のスクロール式流体機械。
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