JP2009108821A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 旋回スクロールが旋回動作するときに自転方向に挙動を乱さずに安定して動作できるようにする。
【解決手段】 ケーシング3と旋回スクロール8との間には、周方向の3箇所に自転防止機構13を設け、この自転防止機構13は、対面する一対の支持部材14,18にスラスト荷重支持面16,20とラジアル荷重支持面17,21とを設け、このスラスト荷重支持面16,20とラジアル荷重支持面17,21に転がり接触するようにボール22を設ける構成とした。これにより、一対の支持部材14,18は、各スラスト荷重支持面16,20とボール22により旋回スクロール8に作用するスラスト荷重を支持でき、各ラジアル荷重支持面17,21とボール22により旋回スクロール8に作用するラジアル荷重、即ち自転力を支持できるから、旋回スクロール8を安定して旋回動作させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空気圧縮機または真空ポンプ等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えば電動モータ等の駆動源により旋回スクロールを固定スクロールに対し旋回駆動することによって、両スクロールの間の圧縮室内で空気等の流体を連続的に圧縮する構成としたスクロール式圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−45966号公報
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機は、ケーシングに固定して設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールと対面してケーシング内に旋回可能に設けられ鏡板に該固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールの背面側と前記ケーシングとの間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構等とにより構成されている。
そして、自転防止機構は、円環状のレースを旋回スクロールの外周側とケーシングとに対面して設け、該各レース間に複数個のボールを介在させる構成としている。これにより、従来技術では、旋回スクロールに作用するスラスト荷重を多くのボールに分散して受け止めることができる。
ところで、上述した特許文献1による自転防止機構は、各レースの対向面に複数個のボール転送溝を設け、該各ボール転送溝でボールを転動することによって、旋回スクロールに作用するスラスト荷重の支持と自転防止とを一緒に行っている。しかし、この構造を旋回スクロールの慣性モーメントが大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合、自転力を止めるための径方向の支持力が不足して、旋回スクロールの自転方向の挙動が不安定になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、旋回スクロールが自転方向に挙動を乱さずに旋回動作を安定して行えるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、自転防止機構は、旋回スクロールとケーシング側とに互いに対面して設けられた一対の支持部材と、該一対の支持部材間に転動可能に設けられたボールとからなり、前記一対の支持部材は、前記ボールを挟んで旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支持するスラスト荷重支持面と、前記ボールを挟んで旋回スクロールに作用するラジアル荷重を支持するラジアル荷重支持面とを備える構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、自転防止機構は、旋回スクロールに作用する慣性モーメントが大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合でも、一対の支持部材のラジアル荷重支持面とボールとによって、旋回スクロールに作用するラジアル荷重を確実に支持することができる。この結果、ラジアル荷重の主たるは旋回スクロールに作用する自転力であるから、旋回スクロールの自転方向の挙動を安定させることができ、運転性能を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械を、無給油式のスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1はスクロール式空気圧縮機の駆動源を構成する電動モータで、該電動モータ1の出力軸1Aは、回転駆動し、後述の圧縮機本体2を駆動するものである。
2は電動モータ1により駆動される圧縮機本体で、該圧縮機本体2は、その外枠を構成するケーシング3と、後述の固定スクロール4、駆動軸5、旋回スクロール8、自転防止機構13等により構成されている。
この場合、ケーシング3は、例えばアルミニウム等の金属材料を用いて形成され、軸方向一側が開口した有底筒状に形成されている。そして、ケーシング3は、筒部3Aと、該筒部3Aの軸方向他側に設けられた底部3Bと、該底部3Bの中央に大径な筒状部として形成された軸受取付部3Cとによって大略構成されている。
また、ケーシング3の底部3Bには、軸受取付部3Cを取囲む位置で後述する自転防止機構13のケーシング側支持部材14を取付けるための取付凹部3Dが設けられている。そして、取付凹部3Dは、図2に示すように円形状をなし、例えば周方向に間隔をもって3箇所に設けられている。
4はケーシング3と共に圧縮機本体2の固定側部材を構成する固定スクロールである。この固定スクロール4は、後述の旋回スクロール8と対向した状態でケーシング3の開口側に取付けられている。
そして、固定スクロール4は、後述する駆動軸5の軸線O1−O1を中心として配置された円板状の鏡板4Aと、該鏡板4Aの表面に立設された渦巻状のラップ部4Bと、該ラップ部4Bを取囲んで鏡板4Aの外周側に設けられ、ケーシング3の開口端側に取付けられたフランジ部4C等とにより構成されている。また、鏡板4Aの裏面側には複数の放熱フィン4Dが立設されている。さらに、ラップ部4Bの先端には、該ラップ部4Bの先端と旋回スクロール8の鏡板8Aとの間をシールするシール部材4Eが取付けられている。
5は軸線O1−O1を中心として回転する駆動軸で、該駆動軸5は、ケーシング3の軸受取付部3Cに軸受6を介して回転可能に支持されている。また、駆動軸5は、軸継手5Aを用いて電動モータ1の出力軸1Aに着脱可能に連結されている。さらに、駆動軸5の軸方向一側には、筒状のクランク部5Bが設けられ、該クランク部5B内には、駆動軸5の軸線O1−O1に対して所定の寸法εだけ偏心した位置に、後述する旋回スクロール8の連結軸部8Cおよび旋回軸受9を取付けている。また、駆動軸5の外周側には、旋回スクロール8の旋回動作を安定させるためにバランスウェイト5Cが一体的に形成されている。
7は遠心ファンからなる冷却ファンで、該冷却ファン7は、駆動軸5の外周側に位置して駆動軸5の軸方向他側に取付けられている。そして、冷却ファン7はファンケーシング7A内に収容されると共に、該ファンケーシング7Aの内部はケーシング3の外周側に取付けられたダクト7Bに連通している。これにより、冷却ファン7は、ファンケーシング7Aおよびダクト7Bを通じて、ケーシング3内に位置する後述の旋回軸受9等に向けて冷却風を供給する。
8はケーシング3内に位置して駆動軸5に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール8は、軸線O2−O2を中心とする円板状の鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8Aの裏面中央に突設され、旋回軸受9を介して駆動軸5のクランク部5Bに回転可能に取付けられた連結軸部8Cとにより構成されている。
ここで、旋回スクロール8の連結軸部8Cは、その中心となる軸線O2−O2が固定スクロール4の中心を通る軸線O1−O1に対して、駆動軸5のクランク部5Bにより予め決められた所定の寸法ε分だけ径方向に偏心して配置されている。また、ラップ部8Bの先端には、該ラップ部8Bの渦巻形状に沿って紐状に延びるシール部材8Dが取付けられている。そして、シール部材8Dは、ラップ部8Bの先端と固定スクロール4の鏡板4Aとの間をシールする。
さらに、旋回スクロール8の背面部の外径側には、後述する自転防止機構13のスクロール側支持部材18を取付けるための取付凹部8Eが設けられている。そして、取付凹部8Eは、円形状をなし、例えば周方向に間隔をもって3箇所に設けられている。また、各取付凹部8Eは、図3等に示すように、ケーシング3の各取付凹部3Dと対向した位置にそれぞれ配置されている。
ここで、図1に示す如く、固定スクロール4と旋回スクロール8との間には、各ラップ部4B,8B間に位置して流体室としての複数の圧縮室10が画成されている。そして、スクロール式空気圧縮機は、駆動軸5が回転駆動されると、旋回スクロール8が後述の自転防止機構13により自転が規制された状態で公転し、固定スクロール4に対して旋回運動を行う。これにより、空気圧縮機は、外周側の圧縮室10に吸込んだ空気を各圧縮室10内で順次圧縮しつつ、中心側に向けて移動する。
11は固定スクロール4の外周側に設けられた吸込口である。この吸込口11は、外周側の圧縮室10に連通し、該圧縮室10内に向けて外部の空気を流通させるものである。
12は固定スクロール4の中心側に設けられた吐出口で、該吐出口12は、中心側の圧縮室10に連通し、圧縮室10が外周側から中心側に移動するに従って圧縮された圧縮空気を外部に向けて吐出するものである。
次に、各圧縮室10による旋回スクロール8に作用するスラスト荷重を支持し、また旋回スクロール8が自転しようとするときの自転力を支持するための自転防止機構13について説明する。
13はケーシング3の底部3Bと旋回スクロール8の鏡板8Aとの間に設けられた自転防止機構を示している。この自転防止機構13は、旋回スクロール8に作用するスラスト荷重と、旋回スクロール8に作用するラジアル荷重、即ち自転力とを同時に支持するために設けられたものである。ここで、旋回スクロール8に作用する自転力とは、旋回スクロール8を旋回動作させたときに自転しようとして発生するトルクを駆動軸5のクランク部5Bの偏心量εの1/2で除した大きさの荷重である。
また、自転防止機構13は、後述のケーシング側支持部材14、スクロール側支持部材18およびボール22によりボールカップリング機構として構成されている。そして、自転防止機構13は、駆動軸5を中心とした周方向にほぼ等間隔(約120度の間隔)で3箇所に配設されている。
14はケーシング3の底部3Bに設けられたケーシング側支持部材で、該支持部材14は、スクロール側支持部材18と対面するように底部3Bの取付凹部3Dに取付けられている。また、支持部材14は、図4等に示す如く、中央に位置して厚肉な円板状に形成された底板部14Aと、該底板部14Aを取囲む位置に軸方向に突出して設けられた周壁をなす円筒部14Bとにより有底筒状に形成され、前記底板部14Aの内底面は対向面14Cとなっている。さらに、ケーシング側支持部材14には、対向面14Cに後述の円環状溝15(スラスト荷重支持面16)が設けられ、円筒部14Bの内周面が後述のラジアル荷重支持面17となっている。
15はケーシング側支持部材14の対向面14Cに設けられた円環状溝である。この円環状溝15は、後述するボール22のうちスラスト方向の両端側と転がり接触するものである。ここで、ボール22は、旋回スクロール8の旋回動作に伴って予め決められた円軌跡に沿って転動するから、この円環状溝15は、ボール22の円軌跡に沿って設けられている。また、円環状溝15の溝底面は後述のスラスト荷重支持面16を構成している。
16は円環状溝15の溝底面として形成されたスラスト荷重支持面である。このスラスト荷重支持面16は、ボール22が接触する接触箇所の断面が凹円弧状に形成されている。この場合、図4に示すように、スラスト荷重支持面16(円環状溝15)の断面の曲率半径R1は、ボール22の半径R2よりも大きな寸法に設定されている(R1>R2)。これにより、スラスト荷重支持面16は、断面を直線によって形成した場合に比べて、ボール22が接触したときの接触応力を低減することができる。
また、スラスト荷重支持面16は、その溝深さが浅く形成され、ボール22のうちスラスト方向の両端側以外の箇所とは殆ど接触しない。これにより、円環状溝15の荷重支持面16は、旋回スクロール8に対して自転力等のラジアル荷重が作用したときに、後述のラジアル荷重支持面17に多くの自転力を受承させることができる。さらに、荷重支持面16に対するボール22の疲労を防止して、動作性能等を向上することができる。
17はケーシング側支持部材14の一部をなし円筒部14Bの内周面として形成されたラジアル荷重支持面である。このラジアル荷重支持面17は、後述するスクロール側支持部材18のラジアル荷重支持面21と対面し、これらの間に挟んだボール22を介して旋回スクロール8に作用するラジアル荷重、即ち自転力を支持するものである。
ここで、ラジアル荷重支持面17は、底板部14Aから軸方向に突出した周壁となる円筒部14Bの内周面からなり、開口側に向けてテーパ状に拡開している。また、ラジアル荷重支持面17は、円筒部14Bを軸線に沿って断面にした場合、その断面が直線によって形成されている。これにより、ラジアル荷重支持面17は、ボール22のうちスラスト方向と異なる方向、例えばスラスト方向から任意の角度だけ傾斜した方向の両端側と転がり接触することができる。従って、ラジアル荷重支持面17は、ボール22に対し、スラスト方向とほぼ直交する方向の自転力を作用させることができ、旋回スクロール8が自転しないように支持することができる。
次に、18は旋回スクロール8側に設けられたスクロール側支持部材である。この支持部材18は、ケーシング側支持部材14と同様に形成され、該ケーシング側支持部材14と対面するように旋回スクロール8の取付凹部8Eに取付けられている。即ち、スクロール側支持部材18は、底板部18Aと円筒部18Bと対向面18Cとから有底円筒状に形成され、その対向面18Cに円環状溝19が設けられ、さらに円環状溝19の溝底面がスラスト荷重支持面20となっている。また、円筒部18Bの内周面はラジアル荷重支持面21となっている。
22はケーシング側支持部材14とスクロール側支持部材18との間に設けられたボールである。このボール22は、スラスト方向の荷重を支持すると共に旋回スクロール8の自転を防止するものである。また、ボール22は、例えば鋼材等の高い剛性をもった材料からなる球体によって形成されている。そして、ボール22は、旋回スクロール8の鏡板8A等に付加されるスラスト荷重を、支持部材14,18と共にケーシング3の底部3B側で受承する。また、ボール22は、支持部材14,18と共に旋回スクロール8の自転を防止することができる。
ここで、ボール22は、図4に示す如く、スラスト方向の両端側が円環状溝15,19のスラスト荷重支持面16,20に位置するA点に転がり接触するように当接している。同時に、ボール22は、スラスト方向と異なる方向、例えばスラスト方向から傾斜した方向の両端側がラジアル荷重支持面17,21に位置するB点に転がり接触するように当接している。従って、ボール22は、これらの4点の当接により、スラスト荷重とラジアル荷重、即ち旋回スクロール8の自転力との両方を同時に支持することができる。
なお、自転防止機構13には、各支持部材14,18間を移動自在に取囲むグリスカバー(図示せず)を設ける構成としてもよい。この場合、潤滑用のグリスをボール22の周囲に容易に保持することができる。
第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、電動モータ1に外部から給電して出力軸1Aにより、軸線O1−O1を中心として駆動軸5を回転駆動すると、例えば3箇所の自転防止機構13によって自転が規制された状態で、旋回スクロール8は所定の旋回半径(図1中の偏心寸法ε)をもった旋回動作を行う。
これにより、固定スクロール4のラップ部4Bと旋回スクロール8のラップ部8Bとの間に画成された各圧縮室10は、外径側から内径側に向けて連続的に縮小される。そして、これらの圧縮室10のうち外径側の圧縮室10は、固定スクロール4の外周側に設けた吸込口11から空気を吸込み、この空気を各圧縮室10内で連続的に圧縮しつつ、内径側の圧縮室10から吐出口12を介して圧縮空気が外部に向けて吐出される。
また、このような圧縮運転時には、各圧縮室10内で圧縮された空気の圧力が旋回スクロール8の鏡板8Aにスラスト荷重となって作用する。しかし、ケーシング3の底部3Bと旋回スクロール8の背面側との間には、例えば3箇所に自転防止機構13が配置されている。
ここで、第1の実施の形態では、旋回スクロール8の鏡板8Aに付加されるスラスト荷重は、自転防止機構13を構成する一対の支持部材14,18のスラスト荷重支持面16,20とボール22との間で受承することができる。従って、旋回スクロール8がケーシング3の軸方向に変位したり、固定スクロール4に対して斜めに傾いたりするのを防ぎ、旋回スクロール8の旋回動作を安定させることができる。
一方、旋回スクロール8のラジアル荷重、即ち自転力は、自転防止機構13を構成する一対の支持部材14,18のラジアル荷重支持面17,21とボール22との間で受承することができる。これにより、自転防止機構13を、旋回スクロール8が動作するときの慣性モーメントが大きい大型のスクロール式流体機械に適用した場合でも、旋回スクロール8の自転力を確実に支持することができる。
このように、第1の実施の形態によれば、自転防止機構13は、一対の支持部材14,18にスラスト荷重支持面16,20とラジアル荷重支持面17,21とを設けているから、旋回スクロール8からのスラスト荷重を支持するための機能と、旋回スクロール8のラジアル荷重、即ち自転を防止するための機能とを1つに纏めて配設することができる。従って、スラスト荷重と旋回スクロール8の自転力を支持する自転防止機構13を、小さな設置スペースに設けることができ、スクロール式空気圧縮機を小型化することができる。また、製造コストを低減することができる。
また、自転防止機構13を旋回スクロール8の慣性モーメントが大きい大型の空気圧縮機に適用した場合でも、一対の支持部材14,18とボール22とによって、旋回スクロール8の自転力を確実に支持することができる。この結果、旋回スクロール8の自転方向の挙動を安定させることができ、運転性能を向上することができる。
しかも、第1の実施の形態による自転防止機構13は、旋回スクロール8の自転を、底板部14A,18Aのスラスト荷重支持面16,20とは別部材で円筒部14B,18Bに設けたラジアル荷重支持面17,21によって支持することができる。これにより、自転防止機構13を、旋回スクロール8のスラスト荷重を支持する機能と自転力を支持する機能とを有した構造とした場合でも、大きな自転力を専用のラジアル荷重支持面17,21によって支持することができ、運転性能、信頼性を向上することができる。
また、自転防止機構13は、一対の支持部材14,18間にボール22を配置するという簡単な構造をもって構成できるから、例えば支持部材14,18間に亘ってゴム筒等を被せることにより、必要に応じて自転防止機構13毎にグリース等の潤滑剤を保持することができる。
また、自転防止機構13は、旋回スクロール8の外周側に位置して周方向に間隔をもって例えば3箇所に配置しているから、3箇所の自転防止機構13を用いて旋回スクロール8を安定的に支持することができ、該旋回スクロール8の挙動をより一層安定させることができる。
ここで、1つの円環状溝でスラスト荷重とラジアル荷重、即ち自転力を同時に支持した場合、この円環状溝の円弧形状には、旋回スクロールを円滑に動作させるために高い加工精度が必要になり、円環状溝を転がるボールにも高い加工精度が必要になる。しかし、第1の実施の形態では、自転防止機構13のボール22は、図4に示す如く、スラスト方向の両端側が支持部材14,18の底板部14A,18Aに設けた円環状溝15,19のスラスト荷重支持面16,20にA点で転がり接触してスラスト荷重を支持し、同時に、スラスト方向から傾斜した方向の両端側が支持部材14,18の円筒部14B,18Bに設けたラジアル荷重支持面17,21にB点で転がり接触して自転力を支持することができる。
この結果、円環状溝15,19は、ラジアル荷重、即ち自転力の支持には関係せず、スラスト荷重を支持するだけでよいから、加工精度を低く設定することができ、製作、管理上のコストの低減を図ることができる。また、例えばオルダム継手のように、ガイドとスライダとを滑り接触させて旋回スクロールの自転を防止する機構に比べて、動力損失を低減することができる。
また、スラスト荷重支持面16,20は、断面が凹円弧状の円環状溝15,19の溝底面により構成とした。これにより、凹円弧状をしたスラスト荷重支持面16,20でボール22を転がり接触させることができ、小さな転がり抵抗によって旋回スクロール8を円滑に旋回動作させることができる。また、断面が凹円弧状のスラスト荷重支持面16,20は、断面を直線状に形成した場合に比べて、ボール22が接触したときの接触応力を低減することができ、自転防止機構13の寿命を延ばすことができる。
しかも、スラスト荷重支持面16,20は、溝断面の曲率半径R1をボール22の半径R2よりも大きな値に設定している(R1>R2)から、疲労を生じることなくスラスト荷重支持面16,20でボール22を転動させることができ、動作性能、信頼性を向上できる。
一方、各支持部材14,18のラジアル荷重支持面17,21は、円筒部14B,18Bの内周面に軸方向の断面で直線となるように形成しているから、この断面直線状のラジアル荷重支持面17,21にボール22のうちスラスト方向と異なる方向の両端側を確実に転がり接触させることができ、旋回スクロール8の自転力を機械損失を抑えた状態で安定的に支持することができる。
さらに、1個の支持部材14,18には、スラスト荷重支持面16,20とラジアル荷重支持面17,21とを形成することにより、スラスト荷重の支持機能とラジアル荷重の支持機能とを一体化して設けることができる。これにより、支持部材14,18を製造するときに、スラスト荷重支持面16,20、ラジアル荷重支持面17,21等を正確な寸法で仕上げることができる。
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、支持部材は、スラスト荷重支持面を有するスラスト荷重支持部材と該スラスト荷重支持部材と別部材でラジアル荷重支持面を有するラジアル荷重支持部材とにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図6において、31は第2の実施の形態による自転防止機構を示している。また、32は自転防止機構31を構成する第2の実施の形態によるケーシング側支持部材で、該支持部材32は、前述した第1の実施の形態によるケーシング側支持部材14とほぼ同様に、後述のスラスト荷重支持面35、ラジアル荷重支持面37を有している。しかし、第2の実施の形態によるケーシング側支持部材32は、別部材からなる後述のスラスト荷重支持部材33とラジアル荷重支持部材36とによって構成されている点で、第1の実施の形態によるケーシング側支持部材14と相違している。
33はケーシング側支持部材32を構成するスラスト荷重支持部材である。このスラスト荷重支持部材33は、厚肉な円板状に形成され、旋回スクロール8側に円環状溝34が形成されている。また、円環状溝34の溝底面は、断面円弧状のスラスト荷重支持面35となっている。これらの円環状溝34、スラスト荷重支持面35の構成、機能は、前述した第1の実施の形態による円環状溝15、スラスト荷重支持面16と同様となっているので、その説明は省略するものとする。
36はケーシング側支持部材32を構成するラジアル荷重支持部材で、該ラジアル荷重支持部材36は、スラスト荷重支持部材33を取囲む円筒状の周壁として形成され、例えばスラスト荷重支持部材33の外周に圧入、螺合、溶接、接着等の手段を用いて取付けられている。また、ラジアル荷重支持部材36は、内周面がラジアル荷重、即ち自転力支持面37(以下、ラジアル荷重支持面37という)となっている。このラジアル荷重支持面37の構成、機能は、前述した第1の実施の形態によるラジアル荷重支持面17と同様となっているので、その説明は省略するものとする。
一方、38は旋回スクロール8側に設けられたスクロール側支持部材である。この支持部材38は、ケーシング側支持部材32と同様に形成されている。即ち、スクロール側支持部材38を構成するスラスト荷重支持部材39には、円環状溝40が設けられ、該円環状溝40の溝底面はスラスト荷重支持面41となっている。また、スクロール側支持部材38を構成するラジアル荷重支持部材42の内周面は、ラジアル荷重、即ち自転力支持面43(以下、ラジアル荷重支持面43という)となっている。
さらに、44はケーシング側支持部材32とスクロール側支持部材38との間に設けられたボールである。このボール44は、第1の実施の形態によるボール22と同様に、スラスト荷重を支持すると共に旋回スクロール8の自転を防止するものである。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、各支持部材32,38を別個のスラスト荷重支持部材33,39とラジアル荷重支持部材36,42とにより構成している。これにより、各支持部材32,38を製造する場合の加工費、材料費を低く抑えて製造コストを低減することができる。
なお、第1の実施の形態では、支持部材14,18は取付対象となるケーシング3、旋回スクロール8とは別部材によって形成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば支持部材を取付対象となるケーシング、旋回スクロール等と一体に形成する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
また、第1の実施の形態では、自転防止機構13を周方向に間隔をもって3箇所に配置した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば自転防止機構を周方向に間隔をもって4箇所、または5箇所以上に配置する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
一方、第1の実施の形態では、ラジアル荷重、即ち自転力支持面17,21は、支持部材14,18の円筒部14B,18Bの内周面として断面で直線状に形成した場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばラジアル荷重、即ち自転力支持面を軸方向の断面で曲線として構成してもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
また、第1の実施の形態では、自転防止機構13はケーシング3と旋回スクロール8との間に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば旋回スクロールと固定スクロールとが接近する方向に向けてスラスト荷重が作用するときには、旋回スクロールとケーシング側としての固定スクロールとの間に自転防止機構を設ける構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
さらに、各実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等のスクロール式流体機械にも広く適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を図2中の矢示I−I方向からみた縦断面図である。 第1の実施の形態によるケーシングおよび自転防止機構の一部を図1中の矢示II−II方向からみた右側面図である。 図1中の自転防止機構をケーシングと旋回スクロールの一部と一緒に拡大して示す要部拡大断面図である。 自転防止機構を拡大して示す拡大断面図である。 自転防止機構の支持部材を単体で拡大して示す外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による自転防止機構をケーシングと旋回スクロールの一部と一緒に拡大して示す要部拡大断面図である。
符号の説明
3 ケーシング
4 固定スクロール
4A,8A 鏡板
4B,8B ラップ部
8 旋回スクロール
10 圧縮室(流体室)
13,31 自転防止機構
14,32 ケーシング側支持部材
14A,18A 底板部
14B,18B 円筒部(周壁)
14C,18C 対向面
15,19,34,40 円環状溝
16,20,35,41 スラスト荷重支持面
17,21,37,43 ラジアル荷重支持面(自転力支持面)
18,38 スクロール側支持部材
22,44 ボール
33,39 スラスト荷重支持部材
36,42 ラジアル荷重支持部材
A,B ボールが転がり接触する点
R1 円環状溝の溝断面の曲率半径
R2 ボールの半径

Claims (9)

  1. ケーシングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、鏡板にラップ部が立設され該固定スクロールのラップ部と重ねた状態で旋回運動することによって各ラップ部間の流体室で流体を圧縮または膨張する旋回スクロールと、該旋回スクロールとケーシング側との間に設けられ、旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記自転防止機構は、前記旋回スクロールとケーシング側とに互いに対面して設けられた一対の支持部材と、該一対の支持部材間に転動可能に設けられたボールとからなり、
    前記一対の支持部材は、前記ボールを挟んで前記旋回スクロールに作用するスラスト荷重を支持するスラスト荷重支持面と、前記ボールを挟んで前記旋回スクロールに作用するラジアル荷重を支持するラジアル荷重支持面とを備える構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記自転防止機構は、前記旋回スクロールの外周側に位置して周方向に間隔をもって少なくとも3箇所に配置する構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記自転防止機構のボールは、スラスト方向の2点で前記一対のスラスト荷重支持面に転がり接触により当接し、スラスト方向と異なる方向の2点で前記一対のラジアル荷重支持面に転がり接触により当接する構成としてなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記一対の支持部材には、前記ボールのうちスラスト方向の両端側と転がり接触する断面が凹円弧状をなす円環状溝を設け、該円環状溝の溝底面は前記スラスト荷重支持面を構成してなる請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記円環状溝は、溝断面の曲率半径を前記ボールの半径よりも大きな値に設定してなる請求項4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 前記ラジアル荷重支持面は、軸方向の断面が直線によって形成してなる請求項1,2,3,4または5に記載のスクロール式流体機械。
  7. 前記1個の支持部材には前記スラスト荷重支持面とラジアル荷重支持面とを形成する構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載のスクロール式流体機械。
  8. 前記支持部材は、前記スラスト荷重支持面を有するスラスト荷重支持部材と該スラスト荷重支持部材と別部材で前記ラジアル荷重支持面を有するラジアル荷重支持部材とにより構成してなる請求項1,2,3,4,5または6に記載のスクロール式流体機械。
  9. 前記ラジアル荷重支持面は、前記旋回スクロールの自転力を支持する構成としてなる請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載のスクロール式流体機械。
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