JP3980718B2 - スクロール式流体機械およびそのスラスト隙間の調整方法 - Google Patents

スクロール式流体機械およびそのスラスト隙間の調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気圧縮機,真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関し、特に、自転防止機構として補助クランクを設けるようにしたスクロール式流体機械のスラスト隙間の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば無給油型のスクロール式空気圧縮機は、ケーシング、駆動軸、旋回スクロール、固定スクロールおよび補助クランク機構から大略構成されている。ここで、駆動軸の先端側はケーシング内に伸長してクランク部となると共に、駆動軸はケーシングの一端側に回転可能に設けられている。また、旋回スクロールは駆動軸のクランク部に旋回軸受を介して旋回可能に設けられると共に、固定スクロールは旋回スクロールに対向して前記ケーシングの他端側に設けられ、旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部との間には複数の圧縮室が形成されている。また、旋回スクロールと固定スクロールとの間には補助クランク機構が設けられ、この補助クランク機構は旋回スクロールの自転を防止している。
【0003】
ここで、前記補助クランク機構は、スクロール側軸部とケーシング側軸部とが前記駆動軸のクランク部と同一偏心距離を有する補助クランクと、前記旋回スクロールに対して補助クランクのスクロール側軸部を回転自在に軸支するスクロール側玉軸受と、前記ケーシングに対して補助クランクのケーシング側軸部を回転自在に軸支するケーシング側玉軸受とから構成されている。
【0004】
このような従来技術によるスクロール式空気圧縮機は、駆動軸をモータ等により回転駆動すると、この駆動軸の回転は、クランク部から旋回側軸受を介して旋回スクロールに伝えられ、該旋回スクロールは、各補助クランクによって自転運動を防止されつつ、駆動軸の軸線を中心として旋回運動する。そして、この旋回運動によって各スクロール間に形成される圧縮室は連続的に縮小し、これにより、当該スクロール式空気圧縮機は、吸込口から吸込んだ空気を各圧縮室で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出口から外部の空気タンク等に吐出するようになっている。
【0005】
ここで、各スクロールの摺動面となる鏡板前面とラップ部歯先との間に大きなスラスト隙間が存在するときには全圧縮室が連通状態となり、圧縮不能となってしまう。このため、固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間をできるだけ小さくする必要がある。
【0006】
そこで、例えば、特開昭63−50691号公報、特開平2−277984号公報には、補助クランク機構にスラスト隙間を調整する隙間調整機構を設けたスクロール式空気圧縮機が開示されている。これらの隙間調整機構は、ボルトとナット等からなり、ボルトとナットを締め付けることによって補助クランク等をその軸方向に微小に変位させると共に、補助クランクと一体となった旋回スクロールを固体スクロールに接近させ、スラスト隙間を調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来技術によるスクロール式空気圧縮機では、その製造時、組立時にボルトとナットとを締め付け、スラスト隙間の調整を行なうものである。このため、ボルトとナットとの締め付け具合が空気圧縮機毎に異なることがあり、一定寸法のスラスト隙間を与えることが難しいという問題がある。また、長期間の使用によってボルト等に緩みが生じ、スラスト隙間が変化してしまうおそれもある。
【0008】
さらに、スラスト隙間を正確に調整する場合には、ボルトとナットを僅かづつ締め付ける必要があるため、スクロール式空気圧縮機の組立時に膨大な時間を要し、生産性が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は製造時、組立時にスラスト隙間を適正に調整でき、長期間に亘って一定寸法のスラスト隙間を維持できると共に、生産性を向上できるようにしたスクロール式流体機械のスラスト隙間の調整方法を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項の発明は、筒状のケーシングと、該ケーシングの一端側に回転可能に設けられ先端側が該ケーシング内に伸長してクランク部となった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸のクランク部に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールに対向して前記ケーシングの他端側に設けられ鏡板に該旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップ部が立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記固定スクロールと旋回スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備え、前記補助クランク機構を、スクロール側軸部とケーシング側軸部とが前記駆動軸のクランク部と同一偏心距離を有する補助クランクと、前記旋回スクロールに対して補助クランクのスクロール側軸部を回転自在に軸支するスクロール側玉軸受と、前記ケーシングに対して補助クランクのケーシング側軸部を回転自在に軸支するケーシング側玉軸受とによって構成し、前記ケーシング側玉軸受の内輪と補助クランクに設けたフランジの間に固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間をその厚さ寸法により決定するスペーサを介挿してなるスクロール式流体機械のスラスト隙間調整方法に適用される。
【0021】
そして、請求項の発明が採用する構成の特徴は、旋回スクロールにスクロール側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪に補助クランクのスクロール側軸部を固定した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先が摺接する旋回スクロールの鏡板前面と前記スペーサが当接する補助クランクのフランジ端面との間の長さ寸法を測定する旋回スクロール側の長さ寸法測定工程と、ケーシングにケーシング側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪をケーシング側に付勢した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先と同一平面をなすケーシングの開口側端面と前記スペーサが当接するケーシング側玉軸受の内輪端面との間の長さ寸法を測定するケーシング側の長さ寸法測定工程と、旋回スクロール側の長さ寸法とケーシング側の長さ寸法との差を用いてスペーサの厚さ寸法を決めるスペーサの厚さ寸法決定工程とを含んでいることにある。
【0022】
このように構成したことにより、旋回スクロール側の長さ寸法測定工程によって旋回スクロールにスクロール側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪に補助クランクのスクロール側軸部を固定した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先が摺接する旋回スクロールの鏡板前面と前記スペーサが当接する補助クランクのフランジ端面との間の長さ寸法を測定することができる。
【0023】
また、ケーシング側の長さ寸法測定工程によってケーシングにケーシング側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪をケーシング側に付勢した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先と同一平面をなすケーシングの開口側端面と前記スペーサが当接するケーシング側玉軸受の内輪端面との間の長さ寸法を測定することができる。
【0024】
そして、スペーサの厚さ寸法決定工程によって旋回スクロール側の長さ寸法とケーシング側の長さ寸法との差が例えば予め決められた一定値となるようにスペーサの厚さ寸法を決めることができ、固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間を一定の寸法に調整することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明するに、図1ないし図5は本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としての空気圧縮機を示している。
【0026】
図中、1は段付筒状に形成されたスクロール式空気圧縮機のケーシングを示し、該ケーシング1は、大径筒部1Aと、該大径筒部1Aの一端側を縮径し、外側に向けて突出するように形成された小径な軸受筒部1Bと、該軸受筒部1Bと前記大径筒部1Aとの間に形成された環状部1Cとからなり、該環状部1Cの他面側には、後述する各補助クランク18のケーシング側軸部18Bがケーシング側玉軸受23を介して収容される3個の軸受収容穴1D(1個のみ図示)が周方向に所定間隔離間して複数個(例えば3個)形成されている。
【0027】
また、ケーシング1の他端側は開口すると共に、この開口側端面1Eには後述の固定スクロール本体11が当接している。そして、開口側端面1Eは固定スクロール10のラップ部11Bの歯先と同一平面をなしている。
【0028】
2はケーシング1の軸受筒部1B内に軸受3を介して回転可能に設けられた駆動軸を示し、該駆動軸2はその先端側がケーシング1の大径筒部1A内へと伸長するクランク部2Aとなり、該クランク部2Aはその軸線O2 −O2 が前記駆動軸2の軸線O1 −O1 に対して偏心量εだけ偏心するように配設され、該クランク部2Aは旋回軸受8を介して旋回スクロール4に連結されている。そして、該駆動軸2の基端側は、前記軸受筒部1Bから外部に突出し、その突出端がプーリ等を介して駆動源となる電動モータ(いずれも図示せず)に接続され、該電動モータにより回転駆動される。
【0029】
4はケーシング1の他端側に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示し、該旋回スクロール4は旋回スクロール本体5と、該旋回スクロール本体5に固着される支持プレート6とから大略構成されている。ここで、前記旋回スクロール本体5は円板状に形成された旋回側の鏡板5Aと、該鏡板5Aに中心側が巻始め端となり、外周側が巻終り端となって立設された渦巻状のラップ部5Bとから構成されている。
【0030】
また、前記支持プレート6は鏡板5Aの背面側にボルト7,7,…(2個のみ図示)によって固着され、中央には旋回軸受8を保持するボス部6Aが立設される。また、前記支持プレート6には、ボス部6Aの外周側には後述するスクロール側玉軸受19が収容される3個の軸受収容筒部6B,6B,…(一個のみ図示)が周方向に所定間隔をもって立設され、各軸受収容筒部6Bには有底の軸受収容穴6Cが形成されている。
【0031】
さらに、前記旋回スクロール本体5と支持プレート6との間には、スクロール本体5の鏡板5Aから支持プレート6に向けて複数本の放熱フィン9,9,…が突出形成されている。
【0032】
10はケーシング1の一端側に固定して設けられた固定スクロールを示し、該固定スクロール10は固定スクロール本体11と、該固定スクロール本体11に固着される蓋体12とから大略構成されている。
【0033】
ここで、前記固定スクロール本体11は、その中心が駆動軸2の軸線O1 −O1 と一致すると共に、旋回スクロール4の鏡板5Aに対向して配設された鏡板11Aと、該鏡板11Aから旋回スクロール4のラップ部5Bと同様に立設された渦巻状のラップ部11Bとからなる。
【0034】
また、前記蓋体12と鏡板11Aとの間には、該鏡板11Aから蓋体12に向けて複数本の放熱フィン13,13,…が突出形成されている。また、前記ラップ部11Bは、前記旋回スクロール4のラップ部5Bと所定角度だけずらして重なり合うように配設されることにより、前記旋回スクロール4が旋回するときに、ラップ部5Bとの間で連続的に縮小する複数の圧縮室14,14,…が形成される。なお、前記固定スクロール10はボルト(図示せず)によって、前記ケーシング1の大径筒部1Aに取付けられている。
【0035】
15,16は旋回スクロール4と固定スクロール10のラップ部5B,11B歯先側に装着されたシール部材としてのチップシールで、該チップシール15,16は弾性樹脂材料によって長尺の紐状に形成され、ラップ部5B,11Bの歯先に沿って渦巻状に延びている。そして、チップシール15,16は、旋回動作する間、相手方となる鏡板11A,5Aの前面11C,5Cに摺接することにより、各圧縮室14間を機密にシールし、高圧側の圧縮室14から低圧側の圧縮室14側に向けて圧縮空気が漏洩するのを防止している。
【0036】
また、チップシール15,16は、図4に示すように、ラップ部5B,11Bの歯先から突出し、ラップ部5B,11Bの歯先と鏡板11A,5Aの前面11C,5Cとの間には予め決められた一定寸法δa のスラスト隙間が形成されている。そして、このスラスト隙間を減少させることによって、チップシール15,16と鏡板11A,5Aとの摺接力が増加し、各圧縮室14の密閉性は向上する。一方、スラスト隙間を増加させることによって、チップシール15,16と鏡板11A,5Aとの摺接力が減少し、各圧縮室14の密閉性は低下するものである。
【0037】
17,17,…はケーシング1の環状部1Cと旋回スクロール4との間に周方向に離間して例えば3個配設された補助クランク機構(1個のみ図示)を示し、該補助クランク機構17は後述する補助クランク18、スクロール側玉軸受19およびケーシング側玉軸受23から大略構成されている。
【0038】
18,18,…は第1,第2,第3の補助クランク(1個のみ図示)で、該各補助クランク18は、図2に示す如く、旋回スクロール4の支持プレート6側に回転可能に取付けられたスクロール側軸部18Aと、該スクロール側軸部18Aよりも大径の円柱状に形成され、ケーシング1の環状部1C側に回転可能に取付けられたケーシング側軸部18Bと、スクロール側軸部18Aのケーシング側軸部18B側に形成されたスクロール側のフランジ部18Cと、ケーシング側軸部18Bのスクロール側軸部18A側に形成されたケーシング側のフランジ部18Dとから構成されている。そして、ケーシング側のフランジ部18Dのフランジ端面18Eは後述のスペーサ29に当接している。
【0039】
また、補助クランク18はスクロール側軸部18Aの軸線O3 −O3 に対してケーシング側軸部18Bの軸線O4 −O4 が、前記駆動軸2の偏心量εと等しい偏心量をもって形成されている。
【0040】
19は旋回スクロール4の支持プレート6の軸受収容穴6C内に収容されたスクロール側玉軸受を示し、該スクロール側玉軸受19は、旋回スクロール4のラップ部5B側を正面側としたときに、この正面側に位置した正面側アンギュラ玉軸受19Aと、背面側に位置した背面側アンギュラ玉軸受19Bとを正面合わせすることにより、正面組合せアンギュラ玉軸受として構成されている。
【0041】
ここで、前記正面側アンギュラ玉軸受19Aは、外輪19A1 ,内輪19A2 と、該外輪19A1 ,内輪19A2 間に配設された複数個の転動子となる鋼球19A3 とから構成されている。また、背面側アンギュラ玉軸受19Bは、外輪19B1 ,内輪19B2 と、該外輪19B1 ,内輪19B2 間に配設された複数個の転動子となる鋼球19B3 とから構成されている。
【0042】
そして、外輪19A1,19B1は支持プレート6の軸受収容穴6C内に僅かなクリアランスδ1を介して遊嵌されている。また、外輪19A1は軸受収容穴6Cの底面に当接すると共に、外輪19B1は後述する押え板20によって軸受収容穴6C内に予圧が与えられた状態で軸方向、周方向に変位不能に保持されている。さらに、内輪19A 2 ,19B 2 には、補助クランク18のスクロール側軸部18Aが圧入されている。
【0043】
20は軸受収容筒部6Bの開口部側に取付けられボルト21と共に固定部材となる押え板で、該押え板20は中心部に補助クランク18が挿通する挿通穴20Aが形成され、その外周部はボルト21(1個のみ図示)によってケーシング1に取付けられている。そして、該押え板20の挿通穴20A近傍には背面側アンギュラ玉軸受19Bの外輪19B1 が当接され、該スクロール側玉軸受19は軸受収容穴6C内で、軸方向、周方向に変位不能に固定されている。
【0044】
また、押え板20と支持プレート6の軸受収容筒部6Bの開口部端面との間には、押え板20をスクロール側玉軸受19の外輪19B1 に確実に予圧を与えるため、僅かなクリアランスδ2 が形成されている。
【0045】
これにより、スクロール側玉軸受19は、軸受収容穴6Cによって径方向に変位不能に固定され、軸受収容穴6Cの底面と押え板20によって軸方向に変位不能に固定されている。
【0046】
22は押え板20の挿通穴20A内に取付けられたシール部材で、該シール部材22は補助クランク18のフランジ部18Dに摺接すると共に、スクロール側玉軸受19の外輪19A1 ,19B1 と内輪19A2 ,19B2 との間の潤滑油が軸受収容穴6C内からケーシング1内に漏洩するのを防止している。
【0047】
23はケーシング1の軸受収容穴1D内に収容されたケーシング側玉軸受を示し、該ケーシング側玉軸受23は、旋回スクロール4のラップ部5B側を正面側としたときに、この正面側に位置した正面側アンギュラ玉軸受23Aと、背面側に位置した背面側アンギュラ玉軸受23Bとを背面合わせすることにより、背面組合せアンギュラ玉軸受として構成されている。
【0048】
ここで、前記正面側アンギュラ玉軸受23Aは、外輪23A1 ,内輪23A2 と、該外輪23A1 ,内輪23A2 間に配設された複数個の転動子となる鋼球23A3 とから構成されている。また、前記背面側アンギュラ玉軸受23Bは、外輪23B1 ,内輪23B2 と、該外輪23B1 ,内輪23B2 間に配設された複数個の転動子となる鋼球23B3 とから構成されている。
【0049】
そして、外輪23A1 ,23B1 は支持プレート6の軸受収容穴1D内に軸方向、周方向に変位不能に圧入されている。また、外輪23B1 は軸受収容穴1D底面側の環状段部1Fに当接すると共に、外輪23A1 は押え板20に当接し、軸受収容穴1D内に抜止め状態で固定されている。
【0050】
また、内輪23A2 ,23B2 は後述のボルト27によって予圧が与えられると共に、補助クランク18のケーシング側軸部18Bに対して軸方向、周方向に変位不能に保持されている。
【0051】
また、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 内には補助クランク18のケーシング側軸部18Bが僅かなクリアランスδ3 を介して遊嵌されている。そして、ケーシング側軸部18Bにボルト27が螺着されることによって、補助クランク18は内輪23A2 ,23B2 に固定されている。
【0052】
これにより、ケーシング側軸部18Bは前記ケーシング側玉軸受23を介してケーシング1の軸受収容穴1D内に回転可能に挿嵌され、スクロール側軸部18Aは前記スクロール側玉軸受19を介して旋回スクロール4側の軸受収容穴6Cに回転可能に挿嵌されている。
【0053】
また、前記各補助クランク18は、旋回スクロール4が駆動軸2の回転駆動により旋回されるとき、該旋回スクロール4が自転するのを防止すると共に、該旋回スクロール4を駆動軸2の軸線O1 −O1 を中心として一定の旋回半径をもって旋回させるように案内するものである。
【0054】
24は軸受収容穴1Dの他側に設けられた押え板で、該押え板24は、図3に示すように中心部に補助クランク18が挿通する挿通穴24Aが形成され、その外周部はボルト25,25,…(1個のみ図示)によってケーシング1に取付けられている。そして、該押え板24の挿通穴24A近傍には正面側アンギュラ玉軸受23Aの外輪23A1 が当接され、該ケーシング側玉軸受23は軸受収容穴1D内に抜止め状態で固定されている。
【0055】
また、押え板24とケーシング1の軸受収容穴1Dの開口部端面との間には、押え板24がケーシング側玉軸受23の外輪23A1 に確実に当接させるため、僅かなクリアランスδ4 が形成されている。
【0056】
これにより、ケーシング側玉軸受23は、軸受収容穴1Dによって径方向に変位不能に固定され、軸受収容穴1Dの底面と押え板24によって軸方向に変位不能に固定されている。
【0057】
26は押え板24の挿通穴24A内に取付けられたシール部材で、該シール部材26は補助クランク18のフランジ部18Dに摺接すると共に、ケーシング側玉軸受23の外輪23A1 ,23B1 と内輪23A2 ,23B2 との間に充填された潤滑油がケーシング1内に漏洩するのを防止している。
【0058】
27はケーシング側玉軸受23側に設けられワッシャ28と共に固定部材となるボルトを示し、該ボルト27は補助クランク18のケーシング側軸部18Bに螺着されると共に、ボルト27とケーシング側軸部18Bとの間にはワッシャ28が介挿されている。そして、ワッシャ28はケーシング側玉軸受23の内輪19B2 に当接している。このため、ボルト27を締め付けることによって、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 に予圧を与えつつ、内輪23A2 ,23B2 に補助クランク18のケーシング側軸部18Bを固定している。
【0059】
29は補助クランク18のフランジ部18Dとケーシング側玉軸受23の内輪23A2 との間に介挿されたスペーサで、該スペーサ29は、中心部に補助クランク18が挿通する挿通穴29Aが設けられ、リング状に形成されている。また、スペーサ29は、その内径寸法は内輪23A2 の内径寸法よりも僅かに小さく、外径寸法は内輪23A2 の内径寸法よりも僅かに大きくなっている。そして、スペーサ29は、その厚さ寸法L3A(L3B,L3C)を増減させることによって旋回スクロール4と固定スクロール10との間のスラスト隙間を調整するものである。
【0060】
30は軸受収容穴1Dの一側に設けられた有蓋筒状のカバーを示し、該カバー30は、軸受収容穴1Dの一側開口部を施蓋している。
【0061】
また、31は固定スクロール10の外周側に穿設された吸込口、32は固定スクロール10の鏡板11A中央側に穿設された吐出口をそれぞれ示し、該吸込口31は最外周側(最低圧側)の圧縮室14と連通し、吐出口32は最中央側(最高圧側)の圧縮室14と連通している。
【0062】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、駆動軸2をプーリ等を介して電動モータによって回転駆動すると、この駆動軸2の回転は、クランク部2Aから旋回軸受8を介して旋回スクロール4に伝えられ、該旋回スクロール4は、各補助クランク機構17によって自転運動を防止しつつ、前記駆動軸2の軸線O1 −O1 を中心として公転運動する。そして、この公転運動によって各ラップ部5B,11Bとの間に画成される圧縮室14,14,…は連続的に縮小し、これにより、当該スクロール式空気圧縮機は、吸込口31から吸込んだ空気を該各圧縮室14で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出口32から外部の空気タンク(図示せず)等に吐出するようになっている。
【0063】
次に、本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機のスラスト隙間の調整方法について説明する。
【0064】
まず、図5に示すようにケーシング1の軸受収容穴1D内にケーシング側玉軸受23の外輪23A 1 ,23B 1を圧入すると共に、ボルト25によって押え板24をケーシング1に取付け、ケーシング側玉軸受23を抜止め状態で軸受収容穴1D内に固定する。
【0065】
次に、旋回スクロール本体5に支持プレート6を固着し、旋回スクロール4を組立てる。そして、支持プレート6の軸受収容穴6C内にスクロール側玉軸受19の外輪19A 1 ,19B 1を遊嵌すると共に、ボルト21によって押え板20を軸受収容筒部6Bの開口部側に取付け、スクロール側玉軸受19を抜止め状態で軸受収容穴6C内に固定する。また、スクロール側玉軸受19の内輪19A 2 ,19B 2 には、補助クランク18のスクロール側軸部18Aを圧入する。
【0066】
そして、次なる旋回スクロール側の長さ寸法測定工程では、3個の補助クランク18のうち、第1の補助クランク18に対して旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cと補助クランク18のフランジ端面18Eとの間の長さ寸法L1Aを測定する。次に、第2,第3の補助クランク18に対しても、同様に旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cと補助クランク18のフランジ端面18Eとの間の長さ寸法L1B,L1Cをそれぞれ測定する。
【0067】
次に、ケーシング側の長さ寸法測定工程では、3個のケーシング側玉軸受23のうち、第1のケーシング側玉軸受23に対してケーシング1の開口側端面1Eとケーシング側玉軸受23の内輪23A2 端面との間の長さ寸法L2Aを測定する。
【0068】
ここで、補助クランク18が取付けられていないときには内輪23A2に予圧が与えらないから、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2は軸方向に僅かに変位可能となっている。そこで、長さ寸法L2Aを測定するときには、内輪23A2をケーシング1側に付勢しつつ測定を行なうものとする。
【0069】
次に、第2,第3のケーシング側玉軸受23に対しても、同様にケーシング1の開口端面1Eとケーシング側玉軸受23の内輪23A2 端面との間の長さ寸法L2B,L2Cをそれぞれ測定する。
【0070】
【表1】
Figure 0003980718
【0071】
そして、次なるスペーサ29の厚さ寸法決定工程では、例えば第1の補助クランク18に取付けるスペーサ29の厚さ寸法L3Aは、スクロール側の長さ寸法測定工程による長さ寸法L1Aと、ケーシング側の長さ寸法測定工程による長さ寸法L2Aとの差(L2A−L1A)に予め決められた一定寸法δa を減算することによって決定される。また、第2,第3の補助クランク18に取付けるスペーサ29の厚さ寸法L3B,L3Cも、同様に表1に示す如く決定する。
【0072】
即ち、各補助クランク18に取付けるスペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cは、以下に示す数1の関係式から求められる。
【0073】
【数1】
Figure 0003980718
【0074】
ここで、スペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cが負の値にならないように、長さ寸法L2A,L2B,L2C、長さ寸法L1A,L1B,L1Cおよび一定寸法δa との間には、以下に示す数2の関係が成り立つようにケーシング1と旋回スクロール4等は形成されている。
【0075】
【数2】
Figure 0003980718
【0076】
最後に、スペーサ29の厚さ寸法決定工程によって決定された厚さ寸法L3A,L3B,L3Cとなるスペーサ29を選択し、補助クランク18のケーシング側軸部18Bとケーシング側玉軸受23との間に介挿する。これにより、3個の補助クランク18によって、旋回スクロール4と固定スクロール10との間を予め決められた一定寸法δa のスラスト隙間に調整することができる。
【0077】
即ち、第1の補助クランク18に厚さ寸法L3Aのスペーサ29を介挿することによって、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 端面と補助クランク18のフランジ端面18Eとの間が厚さ寸法L3A分だけ離間する。このとき、補助クランク18は、スペーサ29を介挿しないときに比べて旋回スクロール4側に厚さ寸法L3A分だけ軸方向に変位させる。
【0078】
また、補助クランク18のフランジ部18Cはスクロール側玉軸受19の内輪19B2 に当接し、内輪19B2 は旋回スクロール4側に変位すると共に、内輪19B2 は内輪19A2 に当接し、鋼球19A3 を介して外輪19A1 を旋回スクロール4側に変位させる。そして、外輪19A1 は軸受収容穴6C内の底面に当接し、旋回スクロール4は固定スクロール10側に変位することになる。
【0079】
ここで、スペーサ29を介挿しないときには、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cはケーシング1の開口側端面1Eよりも寸法(L2A−L1A)だけケーシング1側寄りに変位する。このとき、ケーシング1の開口側端面1Eは固定スクロール10のラップ部11Bの歯先と同一平面をなすから、固定スクロール10のラップ部11Bの歯先と旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cとの間には寸法(L2A−L1A)のスラスト隙間が生じることになる。
【0080】
しかし、本実施の形態では、厚さ寸法L3Aのスペーサ29を補助クランク18のケーシング側軸部18Bとケーシング側玉軸受23との間に介挿したから、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cはスペーサ29を介挿しないときに比べて、厚さ寸法L3Aだけ固定スクロール10側に向けて変位する。このとき、スペーサ29の厚さ寸法L3Aは長さ寸法L2Aから長さ寸法L2Aと予め決められた一定寸法δa とを減算(L3A=L2A−L1A−δa )することによって決定されているから、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cは固定スクロール10のラップ部11B歯先から一定寸法δa だけ離間することになる。
【0081】
第2,第3の補助クランク18によっても同様に補助クランク18とケーシング側玉軸受23との間が厚さ寸法L3B,L3Cだけ離間するから、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cを固定スクロール10のラップ部11B歯先から一定寸法δa だけ離間させることができる。
【0082】
また、厚さ寸法L3A,L3B,L3Cよりも大きい厚さ寸法のスペーサ29を補助クランク18のケーシング側軸部18Bとケーシング側玉軸受23との間に介挿したときには、厚さ寸法L3A,L3B,L3Cのスペーサ29を介挿したときに比べて旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cを固定スクロール10側である矢示A方向に変位させることができる。これにより、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cと固定スクロール10のラップ部11B歯先との間のスラスト隙間を一定寸法δa よりも小さくすることができる。
【0083】
一方、厚さ寸法L3A,L3B,L3Cよりも小さい厚さ寸法のスペーサ29を補助クランク18のケーシング側軸部18Bとケーシング側玉軸受23との間に介挿したときには、厚さ寸法L3A,L3B,L3Cのスペーサ29を介挿したときに比べて旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cをケーシング1側である矢示B方向に変位させることができる。これにより、旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cと固定スクロール10のラップ部11B歯先との間のスラスト隙間を一定寸法δa よりも大きくすることができる。
【0084】
さらに、3個の補助クランク18にそれぞれスペーサ29を介挿し、少なくとも3か所で一定寸法δa だけ旋回スクロール4の鏡板5Aの前面5Cと固定スクロール10のラップ部11B歯先との間を離間させることができるから、旋回スクロール4の鏡板5A、ラップ部5B歯先と固定スクロール10のラップ部11B歯先、鏡板11Aとを平行に配設することができ、旋回スクロール4が旋回運動するときに旋回スクロール4と固定スクロール10とが部分的に強く摺接し、チップシール15,16やラップ部5B,11Bの歯先に偏摩耗が生じるのを防止することができる。これにより、チップシール15,16等の耐久性を向上できると共に、各圧縮室14を確実に密閉することができる。
【0085】
かくして、本実施の形態によれば、補助クランク18のフランジ部18Dとケーシング側玉軸受23の内輪23A2 との間にスペーサ29を介挿する構成としたから、補助クランク18とケーシング側玉軸受23との間をスペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cだけ離間させることができ、スペーサ29を介挿しないときに比べて旋回スクロール4を厚さ寸法L3A,L3B,L3Cだけ固定スクロール10側に変位させることができる。このため、スペーサ29の厚さ寸法を増,減させることによって、旋回スクロール4と固定スクロール10との間のスラスト隙間を小さく,大きくすることができ、スラスト隙間を調整することができる。
【0086】
また、補助クランク18のフランジ部18Dとケーシング側玉軸受23の内輪23A2 との間にスペーサ29を介挿することによってスラスト隙間を調整するから、従来技術による空気圧縮機のようにボルト等を徐々に締め付けてスラスト隙間を調整する必要がなく、空気圧縮機の組立性、生産性を向上できると共に、ボルト等の緩みによってスラスト隙間が変化するのを防止し、長期間に亘って予め決められた一定寸法δa のスラスト隙間を維持することができる。
【0087】
また、ケーシング側玉軸受23の外輪23A1 ,23B1 を軸受収容穴1D内に圧入して取付け、スペーサ29をケーシング側玉軸受23の内輪23A2 と補助クランク18のケーシング側軸部18Bに介挿した状態で、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 とケーシング側軸部18Bとを軸方向に変位不能に固定したから、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 と補助クランク18のケーシング側軸部18Bとの間にスペーサ29を軸方向、周方向に変位不能に取付けることができ、一定寸法δa のスラスト隙間を保持することができる。
【0088】
また、ケーシング側玉軸受23の外輪23A1 ,23B1 に対して回転自在取付けられたケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 に補助クランク18、スペーサ29を一体化させることができ、補助クランク18とケーシング側玉軸受23との間をスペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cだけ離間させつつ、補助クランク18をケーシング1に対して回転自在に支持することができる。
【0089】
また、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 に補助クランク18のケーシング側軸部18B遊嵌し、内輪23A2 ,23B2 にケーシング側軸部18Bをボルト27等によって固定する構成としたから、スペーサ29をケーシング側玉軸受23の内輪23A2 と補助クランク18のフランジ部18Dとの間に介挿した状態で、補助クランク18のケーシング側軸部18Bを内輪23A2 ,23B2 に容易に嵌入できると共に、ボルト27によって内輪23A2 ,23B2 にケーシング側軸部18Bを固定することができ、スペーサ29を容易に取付けることができる。
【0090】
また、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 はケーシング側軸部18Bとはボルト27によって予圧を与えられた状態で保持され、スクロール側玉軸受19の外輪19A1 ,19B1 は旋回スクロール4に押え板20等によって予圧を与えられた状態で保持される構成としたから、ケーシング側玉軸受23の内輪23A2 ,23B2 が内輪23A2 ,23B2 間のガタつきによって軸方向、周方向に変位するのを防止できると共に、スクロール側玉軸受19の外輪19A1 ,19B1 が外輪19A1 ,19B1 間のガタつきによって軸方向、周方向に変位するのを防止できる。これにより、旋回スクロール4と固定スクロール10との間のスラスト隙間を一定寸法δa に維持することができる。
【0091】
また、スペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cをスクロール側の長さ寸法測定工程による長さ寸法L1A,L1B,L1Cとケーシング側の長さ寸法測定工程による長さ寸法L2A,L2B,L2Cとの差を用いることによって決定したから、長さ寸法L1A,L1B,L1Cと長さ寸法L2A,L2B,L2Cとを容易に測定でき、スペーサ29の厚さ寸法L3A,L3B,L3Cを短時間で決定することができる。そして、厚さ寸法L3A,L3B,L3Cのスペーサ29を用いることによって旋回スクロール4と固定スクロール10との間に例えば予め決められた一定寸法δa のスラスト隙間を与えることができる。
【0092】
また、3個の補助クランク機構17でそれぞれスラスト隙間の調整を行ない、3か所でほぼ同一寸法のスラスト隙間を与えることができるから、旋回スクロール4の鏡板5A、ラップ部5B歯先を固定スクロール10のラップ部11B歯先、鏡板11Aに対して平行に配設することができ、旋回スクロール4が旋回運動するときに偏摩耗が生じるのを防止でき、チップシール15,16等の耐久性を向上させることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項の発明によれば、旋回スクロール側の長さ寸法測定工程では、旋回スクロールにスクロール側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪に補助クランクのスクロール側軸部を固定した状態で旋回スクロールの鏡板前面と補助クランクのフランジ端面との間の長さ寸法を測定する。また、ケーシング側の長さ寸法測定工程では、ケーシングにケーシング側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪をケーシング側に付勢した状態で、ケーシングの開口側端面とケーシング側玉軸受の内輪端面との間の長さ寸法を測定する。そして、スペーサの厚さ寸法決定工程では、これらのスクロール側の長さ寸法測定工程による長さ寸法とケーシング側の長さ寸法測定工程による長さ寸法との差を用いることによってスペーサの厚さ寸法を決定するから、スペーサの厚さ寸法を短時間で容易に決定することができ、旋回スクロールと固定スクロールとの間に一定寸法のスラスト隙間を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の補助クランクを拡大して示す縦断面図である。
【図3】実施の形態によるスクロール側玉軸受、ケーシング側玉軸受、補助クランクおよびスペーサ等を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図1中の旋回スクロールのラップ部と固定スクロールのラップ部を拡大して示す縦断面図である。
【図5】実施の形態によるケーシングからスペーサ、旋回スクロールを取外した状態で示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 駆動軸
2A クランク部
4 旋回スクロール
5 旋回スクロール本体
5A,11A 鏡板
5B,11B ラップ部
6 支持プレート
8 旋回軸受
10 固定スクロール
11 固定スクロール本体
14 圧縮室
17 補助クランク機構
18 補助クランク
18A スクロール側軸部
18B ケーシング側軸部
18C,18D フランジ部
18E フランジ端面
19 スクロール側玉軸受
19A1 ,19B1 ,23A1 ,23B1 外輪
19A2 ,19B2 ,23A2 ,23B2 内輪
19A3 ,19B3 ,23A3 ,23B3 鋼球
20 押え板(固定部材)
21 ボルト
23 ケーシング側玉軸受
27 ボルト(固定部材)
28 ワッシャ
29 スペーサ

Claims (1)

  1. 筒状のケーシングと、該ケーシングの一端側に回転可能に設けられ先端側が該ケーシング内に伸長してクランク部となった駆動軸と、前記ケーシング内に位置して該駆動軸のクランク部に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ鏡板にラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールに対向して前記ケーシングの他端側に設けられ鏡板に該旋回スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するラップ部が立設された固定スクロールと、前記旋回スクロールの自転運動を防止するために前記固定スクロールと旋回スクロールとの間に設けられた補助クランク機構とを備え、
    前記補助クランク機構を、スクロール側軸部とケーシング側軸部とが前記駆動軸のクランク部と同一偏心距離を有する補助クランクと、前記旋回スクロールに対して補助クランクのスクロール側軸部を回転自在に軸支するスクロール側玉軸受と、前記ケーシングに対して補助クランクのケーシング側軸部を回転自在に軸支するケーシング側玉軸受とによって構成し、
    前記ケーシング側玉軸受の内輪と補助クランクに設けたフランジの間に固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト隙間をその厚さ寸法により決定するスペーサを介挿してなるスクロール式流体機械のスラスト隙間の調整方法であって、
    前記旋回スクロールにスクロール側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪に補助クランクのスクロール側軸部を固定した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先が摺接する旋回スクロールの鏡板前面と前記スペーサが当接する補助クランクのフランジ端面との間の長さ寸法を測定する旋回スクロール側の長さ寸法測定工程と、
    前記ケーシングにケーシング側玉軸受の外輪を固定すると共に該玉軸受の内輪をケーシング側に付勢した状態で、前記固定スクロールのラップ部の歯先と同一平面をなすケーシングの開口側端面と前記スペーサが当接するケーシング側玉軸受の内輪端面との間の長さ寸法を測定するケーシング側の長さ寸法測定工程と、
    前記旋回スクロール側の長さ寸法とケーシング側の長さ寸法との差を用いてスペーサの厚さ寸法を決めるスペーサの厚さ寸法決定工程とを含んでなるスクロール式流体機械のスラスト隙間の調整方法。
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