JP4825467B2 - スクロール式流体機械及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に用いられるスクロール式流体機械に関する。
一般にスクロール流体機械は、支持フレームとなるケーシングと、このケーシングにボルトにより固定される鏡板に渦巻状のラップが立設された固定スクロールと、ケーシングに回転可能に支持された駆動軸と、ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ鏡板に渦巻状のラップが立設された旋回スクロールとからなる(特許文献1参照)。
このようなスクロール流体機械の製造においては、旋回スクロールが旋回運動する際に、両者のラップが接触しないような位置に固定しなければならず、旋回スクロールと固定スクロールの径方向の位置関係が重要となる。
特許文献1の従来の技術の欄には、このスクロール式流体機械の製造方法としてまずケーシング内に駆動軸等を取付け、旋回スクロールをケーシング内に配置して駆動軸と連結し、そして、固定スクロールをケーシングの開口側に仮止め状態で取付け、この固定スクロールのラップを旋回スクロールのラップと組み合わせる。
次に、固定スクロールの径方向の位置合わせするため、旋回スクロールを固定スクロールに対して試験的に旋回運動させながら、旋回スクロールのラップと固定スクロールのラップを互いに接触させることによって、固定スクロールを径方向に移動させ、固定スクロールの径方向の位置を微調整するものが示されている。
また、特許文献1の発明の実施の形態には、上記従来の技術のように試験的な旋回運動させることなく組付けるものが示されている。
このものは、旋回スクロールがケーシングに対して所定の旋回位置となるように、旋回スクロールの外周面とケーシングに径方向に延びる位置合わせ穴を設け、この両位置合わせ穴に組立補助ピンを挿入することにより、所定の旋回位置とする。
そして、この所定の旋回位置において、旋回スクロールに対する固定スクロールの位置が理想的な位置となるように、旋回スクロールと固定スクロールとの両者を貫通する同径の位置合わせ穴をそれぞれ設け、この位置調整穴にこの穴と同径の組立補助ピンを挿入して両者の位置合わせを行う。この結果、ケーシングに対し固定スクロールが理想的な位置になるので、この状態でボルトで両者を固定するものが示されている。
特開2003−106266
しかし、特許文献1の従来の技術の欄に記載されたスクロール式流体機械では、旋回スクロールのラップと固定スクロールのラップとを接触させることによって、固定スクロールの径方向位置を調整し、ケーシングに固定するから、接触させた部分では、旋回スクロールのラップ側面と固定スクロールのラップ面で形成される隙間は殆どなくなり、運転中の各ラップの熱膨張により、この接触させた部分でラップが接触するという可能性があった。また、このような状態の場合、前記接触させた部分の180°反対側の各ラップ側面で形成される隙間は、過度に大きくなり、圧縮性能が低下するという課題があった。
また、特許文献1の発明の実施の形態に示されたスクロール式流体機械では、旋回スクロールのラップ側面を固定スクロールのラップ面に接触させることなく、固定スクロールの径方向の位置を調整しているが、旋回スクロールを所定の旋回位置に合わせ、さらに、複数の位置調整穴にこの穴とわずかな公差しかない同径の組立補助ピンを挿入する必要があり、このような細かい作業は人の手で行う必要があり、工数がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、固定スクロールのラップ側面と旋回スクロールのラップ側面を接触させることなく固定スクロールの径方向位置を調整することで、旋回スクロール及び固定スクロールのラップ側面で形成される隙間を、運転時による固定スクロール及び旋回スクロールの鏡板、ラップ等の熱膨張を許容し、かつ圧縮性能を低下させることのない間隔に設定することができ、さらに、固定スクロールをケーシングに搭載する際には、手間がかからず、容易に固定スクロールの径方向の位置を調整することができるスクロール式流体機械を提供する。
[課題を解決するための手段]
本発明は、上記課題を解決すべく、請求項1に記載のように、ケーシングと、鏡板上に渦巻状のラップが立設され前記ケーシングに固定手段により固定された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ鏡板上に前記固定スクロールのラップとの間に複数の圧縮室を画成するラップが立設された旋回スクロールと、前記ケーシングと前記旋回スクロールとの間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、前記固定スクロール側又は旋回スクロール側の一方に軸方向に伸びる位置調整穴を少なくとも2箇所に設けると共に、前記固定スクロール側又は旋回スクロール側の他方に前記位置調整穴に係合する位置調整凸部を少なくとも2箇所に設け、前記位置調整穴と位置調整凸部との形状及び配置を、前記固定手段により固定を行なわず前記ケーシングに対して前記固定スクロールを径方向に移動可能に搭載した状態で前記旋回スクロールを旋回運動させた際に、前記固定スクロールのラップと前記旋回スクロールのラップが接触しない範囲で移動可能となるようにし、前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記位置調整穴と位置調整凸部により前記固定スクロールの径方向の位置を調整するようにしたことを特徴とするスクロール式流体機械を提供するものである。
本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のスクロール式流体機械において、前記位置調整穴の内側面又は位置調整凸部の外側面の少なくとも一方に低摩擦層又は柔軟層を設けたことを特徴とするスクロール式流体機械を提供するものである。
本発明は、請求項に記載のように、請求項1または2に記載のスクロール式流体機械において、前記固定スクロール又は旋回スクロールに前記位置調整凸部を着脱可能に支持する嵌挿穴を設け、前記位置調整凸部は前記固定スクロールの径方向の位置調整後に離脱されることを特徴とするスクロール式流体機械を提供するものである。
本発明は、請求項に記載のように、請求項に記載のスクロール式流体機械において、前記位置調整穴を前記固定スクロールに貫通して設け、該位置調整穴に、該位置調整穴を閉塞する閉塞部材を嵌挿したことを特徴とするスクロール式流体機械を提供するものである。
本発明は、請求項に記載のように、請求項1記載のスクロール式流体機械を製造する方法であって、前記ケーシングに前記駆動軸と前記自転防止機構の一端側とを取り付け、前記旋回スクロールに前記自転防止機構の他端側を取り付けると共に、前記駆動軸の先端側に前記旋回スクロールを旋回可能に取り付ける旋回スクロール取付工程と、前記位置調整凸部に前記位置調整穴を係合させて、前記固定スクロールを前記ケーシングに対して径方向に移動可能に搭載する固定スクロール搭載工程と、前記旋回スクロールを旋回運動させて、前記ケーシングに対する前記固定スクロールの径方向位置を調整し、前記固定手段により、前記ケーシングに前記固定スクロールを固定する径方向位置調整工程とからなることを特徴とするスクロール式流体機械の製造方法を提供するものである。
本発明は、請求項に記載のように、請求項記載のスクロール式流体機械を製造する方法であって、前記ケーシングに前記駆動軸と前記自転防止機構の一端側とを取り付け、前記旋回スクロールに前記自転防止機構の他端側を取り付けると共に、前記駆動軸の先端側に前記旋回スクロールを旋回可能に取り付ける旋回スクロール取付工程と、前記位置調整凸部に前記位置調整穴を係合させて、前記固定スクロールを前記ケーシングに対して径方向に移動可能に搭載する固定スクロール搭載工程と、前記旋回スクロールを旋回運動させて、前記ケーシングに対する前記固定スクロールの径方向位置を調整し、前記固定手段により、前記ケーシングに前記固定スクロールを固定する径方向位置調整工程と、前記位置調整凸部を離脱し、前記位置調整穴に前記閉塞部材を嵌挿する位置調整凸部離脱工程とからなることを特徴とするスクロール式流体機械の製造方法を提供するものである。
本発明に係るスクロール式流体機械は、請求項1によれば、前記位置調整穴と位置調整凸部との形状及び配置を、前記固定手段により固定を行なわず前記ケーシングに対して前記固定スクロールを径方向に移動可能に搭載した状態で前記旋回スクロールを旋回運動させた際に、前記固定スクロールのラップと前記旋回スクロールのラップが接触しない範囲で移動可能となるように構成したので、組み立てる際に、旋回スクロール及び固定スクロールのラップを接触させることなく、両ラップが最接近した際の隙間を、運転時による固定スクロール及び旋回スクロールの鏡板、ラップ等の熱膨張を許容し、かつ圧縮性能を低下させることのない間隔に設定することができる。さらに、固定スクロールをケーシングに搭載する際には、前記位置調整穴に位置調整凸部を容易に係合できるから、固定スクロールの径方向の位置を容易に調整することができる。また、前記位置調整穴及び前記位置調整凸部を少なくとも2箇所に設けてある構成としているので、前記旋回スクロールの旋回動作により前記位置調整穴内で前記位置調整凸部を移動させて前記固定スクロールの径方向位置をより正確に調整できる。
また、請求項2に記載の発明によると、前記位置調整穴の内側面又は位置調整凸部の外側面の少なくとも一方に低摩擦層を設けた構成としているので、前記旋回スクロールの旋回動作により前記位置調整凸部が熱変形し、前記位置調整穴と過度に接触した場合でも低摩擦層により前記旋回スクロールを円滑に運動させることができる。
また、請求項に記載の発明によると、固定スクロールの径方向位置を調整した後に前記位置調整凸部を離脱することができる構成としているので、運転時に固定スクロール及び旋回スクロールが熱により変形しても前記位置調整凸部が旋回スクロールの旋回動作に影響を与えることを防止できる。
また、請求項に記載の発明によると、前記位置調整穴を前記固定スクロールに貫通して設け、該位置調整穴に、該位置調整穴を閉塞する閉塞部材を嵌挿した構成としてあるので、位置調整穴から粉塵や液体など故障の原因となる物質が入り込むことを防止できる。
また、請求項に記載の発明によると、ケーシングに対する固定スクロールの位置調整を容易に行なえ、組立作業を効率良く行うことができると共に、組立作業の自動化を容易に実現することができる。
また、請求項に記載の発明によると、ケーシングに対する固定スクロールの位置調整を容易に行なえ、組立作業を効率良く行うことができ、位置調整穴から粉塵や液体など故障の原因となる物質が入り込むことを防止できる。

以下、本発明に係るスクロール式流体機械の実施の形態を図1乃至図6に示し説明する。1は軸方向一端側が開口した有底筒状のケーシングで、該ケーシング1は、軸方向他端側に位置してケーシング1の底部をなす環状板部1Aと、環状板部1Aの中心側に設けられ主軸受7が収容されたボス部1Bと、環状板部1Aの外周側から軸方向一端側に向けて延びる筒部1Cと、該筒部1Cの先端に設けられ固定スクロール3が取付けられるフランジ部1Dとによって大略構成されている。ケーシング1の軸方向他端側には、電動モータ2が取付けられている。
3はケーシング1に固定手段としての固定ボルト5により取り付けられた固定スクロールで、固定スクロール3は、円板状の鏡板3Aと、この鏡板3Aの表面に立設された渦巻状のラップ3Bと、鏡板3Aの外縁側からケーシング1に向けて軸方向に突出した筒部3Cとにより構成されている。該筒部3Cの先端面は、ラップ3Bの歯先面とほぼ同一平面となるように形成され、ラップ3Bの歯先には紐状のチップシール4が取付けられている。また、固定スクロール3の外縁側には、固定スクロール3の径方向位置を合わせる半径Rの円形の位置調整穴3Eが2箇所設けてある。
前記固定ボルト5によるケーシング1への固定スクロール3の固定は、固定スクロール3の筒部3Cに複数ボルト挿通孔3Dを旋設し、さらに、このボルト挿通孔3Dと対向するケーシング1のフランジ部1Dにねじ孔1Eを設け、固定ボルト5をボルト挿通孔3Dに挿入し、ねじ孔1Eに螺合することにより固定される。
ここで、ボルト挿通孔3Dの孔径Kは、固定ボルト5の外径Lよりも寸法αだけ大きい値に設定してある(K=L+α)。一般にねじ孔にボルトを螺合する場合、ねじ孔の中心軸とボルトの中心軸は、それぞれのねじ山間に隙間があるため、少しずれる。このずれはねじの種類によって異なるが100μ以上ずれる可能性がある。
よって、固定スクロールと旋回スクロールのラップが最接近した際の隙間が20μのものにあっては、ボルト挿通孔3Dの孔径Kを固定ボルト5の外径Lと同径にした場合は、この固定ボルト5のずれにより、ラップ同士が接触してしまう。
よって、寸法αは、このようなねじの径方向のずれを許容する程度の寸法、例えば500μ程度とする必要がある。
この寸法αにより、固定スクロール3をケーシング1に固定する際に、固定ボルト5を仮止めした状態では、固定スクロール3は、ケーシング1のラジアル方向(径方向)に対して寸法αだけ変位可能となる。
6はケーシング1のボス部1B内に主軸受7を介して回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸6は、基端側が電動モータ2の回転軸2Aに対して螺着され、電動モータ2によって回転駆動される。また、駆動軸6の基端側には大径の段部6Aが形成されると共に、駆動軸6の先端側には略円筒状をなす偏心ブッシュ8が取付けられている。偏心ブッシュ8の基端側には駆動軸6の先端側を収容する駆動軸穴8Aが形成される。該駆動軸穴8Aの周囲には駆動軸6側に向けて突出した円環状の凸部8Bが形成されている。
一方、図3に記載するように、偏心ブッシュ8の先端側には旋回軸受13を収容する旋回軸受穴8Cが形成され、この旋回軸受穴8Cの中心軸線P−Pは、駆動軸穴8Aの中心軸線O−Oに対して旋回半径Tだけ偏心してある。
そして、偏心ブッシュ8は、止め輪9とボルト10とを用いて駆動軸6の先端に固定されている。これにより、主軸受7は偏心ブッシュ8の凸部8Bと駆動軸6の段部6Aとの間に挟みつけられるから、駆動軸6はケーシング1に対して傾斜せずに回転可能な構成となっている。
11は固定スクロール3と対向して駆動軸6の先端側に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール11は、円板状に形成された鏡板11Aと、該鏡板11Aの表面側に立設された渦巻状のラップ11Bとにより大略構成され、該ラップ11Bの歯先には固定スクロール3と同様にチップシール12が取付けられている。また、旋回スクロール11の外縁側に、固定スクロール3の径方向位置を調整する位置調整凸部である半径rの円柱形の位置調整ピン19と、これを着脱可能に支持する嵌挿穴11Cが2箇所設けられている。
ここで、位置調整穴3Eと位置調整ピン19の配置、即ち、位置調整穴3Eの中心Mと位置調整ピン19の旋回中心の位置は、旋回スクロール11が固定スクロール3に対して旋回運動する際に、固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bの隙間を理想位置関係(図3に示すラップ11Bとラップ3B1の外側隙間Hiと、ラップ11Bとラップ3B2の内側隙間Hjの最小値(最接近したときの隙間)が常に同じ値になる位置関係の状態)に調整するように設定してある。
即ち、旋回スクロール11が旋回運動をした際に、固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bの隙間が実質的に理想位置関係になるように固定スクロール3と旋回スクロール11とを位置した状態で、位置調整穴3Eの中心Mと位置調整ピン19の旋回中心が実質的に一致するように位置調整穴3Eと位置調整ピン19との位置を設計段階で予め設定する。
これにより、旋回スクロール11の旋回運動により、位置調整穴3E内で位置調整ピン19が旋回運動することで固定スクロール3の径方向の位置を調整して固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bの隙間を実質的に理想位置関係に調整することができる。
次に、位置調整穴3Eと位置調整ピン19の寸法関係について図2乃至図4に基づき説明する。
図4に示すように、旋回半径Tで旋回スクロール11が旋回運動すると、旋回スクロール11に一体に固定された位置調整ピン19の中心mは、固定スクロール3の位置調整穴3E内で旋回半径Tの軌道円上を旋回運動することになる。
よって、位置調整ピン19の軌跡の外径は、旋回半径T+位置調整ピン19の半径r(T+r)図中二点鎖線となり、理論的な位置調整穴3Eの半径RはT+rとなる。
しかし、現実には、位置調整穴3Eの内側面及び位置調整ピン19の外側面の機械加工の公差などを許容する必要があるので、これを許容するだけの寸法βだけ大きく設定する必要がある(R=T+r+β)。この結果、固定スクロール3と旋回スクロール11の位置関係は、前記理想位置関係からβだけ径方向にずれた位置となる。
ここで、前述の外側隙間Hiと内側隙間Hjの最小値は、各ラップ3B、11Bの加工公差や作動時の熱変形を許容するための隙間γに、この径方向のずれ分βを加えた値(β+γ)に設定することが好ましい。
また、上記βの値とは、0.5〜1.0μ程度の極微小な値であるから、上記最小値(β+γ)は、スクロール式流体機械の圧縮性能を低下させることのない値である。
また、位置調整穴3Eと位置調整ピン19とを一対とした2つの対の配列は、この位置調整ピン19を位置調整穴3Eに挿入(係合)させて、ケーシング1に固定スクロール3を仮止めした状態で、ケーシング1に対して固定スクロール3及び旋回スクロール11をどの位置に移動させてもラップ3B、11B同士が接触しない条件を満たせば、上記実施の形態に示す配列に限定されるものではない。
図1に記載するように、旋回スクロール11の鏡板11Aの背面側には、その中央部位に位置して円筒状のボス部11Dが突設されている。そして、ボス部11Dの外周側には旋回軸受13が取り付けられる。また、旋回軸受13は偏心ブッシュ8の旋回軸受穴8C内に挿入されている。このとき、旋回軸受13と旋回軸受穴8Cとの間には僅かな隙間が形成されている。これにより、旋回スクロール11は、旋回軸受13と一緒に軸方向に変位可能となっている。
また、旋回スクロール11にラップ11Bは、固定スクロール3のラップ3Bに対して重なり合うように配設され、両者のラップ3B,11B間には複数の圧縮室14,14…が画成される。また、固定スクロール11の外周側には、最外周の圧縮室14に空気を吸込ための吸込口15が設けられ、また、中央部には、中心の圧縮室14内の圧縮された圧縮空気を外部に吐出する吐出口16が設けられている。
20は、旋回スクロール11が自転するのを防止すると共に、旋回スクロール11のスラスト方向(軸方向)の荷重を受ける自転防止機構としてボールカップリングで、120度毎に3箇所設けられている。このボールカップリング20は、カップ部21、22、ボール23等から構成され、ケーシング1に形成されたケーシング側収容穴18にカップ部21(一端側)を挿入し、旋回スクロール11の背面に設けられた旋回スクロール側収容穴17にカップ部22(他端側)を挿入することにより取り付けられる。
24,25は各カップ部21,22間に封入された潤滑グリースを保持するためのカバー部材で、このカバー部材24,25は、略筒状に形成され、ボール23を取り囲んだ状態でカップ部21,22の外周側に回転可能に取付けられている。
本発明に係るスクロール式流体機械は、上述の如き構成を有するもので、電動モータ2によって駆動軸6を回転駆動すると、駆動軸6の回転は、偏心ブッシュ8から旋回軸受13を介して旋回スクロール11に旋回運動として伝えられる。これにより、旋回スクロール11は、ボールカップリング20によって自転運動が防止された状態で駆動軸6を中心に旋回運動する。このとき、固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bとの間に画成された圧縮室14は、連続的に縮小する。この結果、スクロール式流体機械は、吸込口15から吸込んだ外気を各圧縮室14で順次圧縮し、この圧縮空気を吐出口16から外部の空気タンク(図示せず)等に向けて吐出する。
次に、本実施の形態によるスクロール式流体機械の製造方法について説明する。
まず、旋回スクロール取付工程では、まず、電動モータ2の回転軸2Aに駆動軸6を螺合させ、主軸受7が取付けられたケーシング1に軸方向一端側から電動モータ2を取付ける。
次に、駆動軸6の先端側に、旋回軸受13が取付けられた偏心ブッシュ8を止め輪9とボルト10により固定する。
その後、ボールカップリング20を組立体として、ケーシング1に形成されたケーシング側収容穴18にカップ部21(一端側)を挿入することにより、ケーシングに取付ける。
この状態のケーシング1の組立体に旋回スクロール11を取付ける。この際、旋回スクロール11の背面に設けられた旋回スクロール側収容穴17にカップ部22(他端側)を挿入し、旋回軸受13にボス部11Dを挿入することにより取り付けられる(ケーシング組立工程)。
ここで、旋回スクロール11は、鏡板11A表面(歯底面)がケーシング1のフランジ部1D端面と略同一面をなす位置に配置されたときに、旋回スクロール11の鏡板11A表面が固定スクロール3のラップ3B歯先に設けられたチップシール4に接触すると共に、固定スクロール3の鏡板3A表面が旋回スクロール11のラップ11B歯先に設けられたチップシール12に接触するように設計されているので、旋回スクロール11の鏡板11A表面とケーシング1のフランジ部1D端面との軸方向位置が一致するように、旋回スクロール11の位置を調整する(スラスト調整工程)。
この調整は、例えば、旋回スクロール側収容穴17の底にシムを入れ、このシムの厚みを変更することにより調整することができる。これにより、ラップ3B,11Bと鏡板11A,3Aとの間のスラスト隙間を調整することができる。
その後、旋回スクロール11の嵌挿穴11Cに位置調整ピン19を嵌挿する(位置調整凸部嵌挿工程)。
以上が本発明の旋回スクロール取付工程である。
次に、固定スクロール搭載工程を行なう。
固定スクロール搭載工程では、この位置調整ピン19に固定スクロール3の位置調整穴3Eを通して固定スクロール3をケーシング1上に搭載する(搭載工程)。
このとき、旋回スクロール11の嵌挿穴11Cにより立設された位置調整ピン19に位置調整穴3Eを余裕をもって通すことができ、位置調整ピン19に位置調整穴3Eの位置関係からラップ3Bとラップ11Bが接触することなく容易に固定スクロール3をケーシング1に合わせることができる。
次に、固定ボルト5を、固定スクロール3のボルト挿通孔3Dに通し、ケーシング1のねじ孔1Eに軽くねじ込む。これにより、固定スクロール3がケーシング1及び旋回スクロール11に対して径方向に移動できる仮止め状態とすることができる(固定スクロール仮止め工程)。
以上が固定スクロール搭載工程である。
次に、径方向位置調整工程では、固定スクロール3の仮止め状態で、旋回スクロール11を低速で旋回動作させることにより、位置調整ピン19を位置調整穴3Eの内側面に沿って旋回動作させ、固定スクロール3を適正な径方向位置に移動させる(移動工程)。そして、仮止め状態の固定ボルト5を徐々に締付けて固定スクロール3を適正な径方向位置でケーシング1に対して変位不能な状態で固定する(固定工程)。
この移動工程においては、位置調整穴3E内で位置調整ピン19の最外側面が図4に示す円軌道Qで回転する。そして、位置調整穴3Eと位置調整ピン19が接触しながら移動し、最終的に位置iでのみ接触(殆ど接触しない)する適正な径方向位置となる。
以上が径方向位置調整工程である。
次の位置調整凸部離脱工程では、位置調整ピン19を引き抜き、図6に示すように固定スクロール3の位置調整穴3Eに、この位置調整穴3Eを閉塞する閉塞部材としてゴム栓26を嵌挿する。
以上が位置調整凸部離脱工程である。
かくして、本実施の形態では、位置調整穴3E内と位置調整ピン19により、ケーシングに対する固定スクロール3の移動範囲が規制されるので、組み立て時に固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bが接触せずに組み立てができ、旋回スクロール11を旋回運動させることにより、固定スクロール3の径方向位置を容易に調整できるから、固定スクロール3及び旋回スクロール11のラップ3B、11Bの側面を磨耗或いは変形させることなく良好な状態で組み合わせることができる。また、運転時には、固定スクロール3及び旋回スクロール11の鏡板3A、11A、ラップ3B、11B等が熱により変形しても旋回スクロール11のラップ11B側面と固定スクロール3のラップ3B側面が接触しないから、圧縮性能や耐久性を維持できる。
また、固定スクロール3の径方向位置を調整した後に上記位置調整凸部である位置調整ピン19を嵌挿穴11Cから取り外すことができるから、運転時に固定スクロール3及び旋回スクロール11が熱により変形しても位置調整ピン19が旋回スクロール11の旋回動作に影響を与えることを防止できる。
また、固定スクロール3の径方向位置を調整した後に嵌挿穴11Cに嵌挿された位置調整ピン19を引き抜き、図6に示すように固定スクロール3の位置調整穴3Eに、この位置調整穴3Eを閉塞するゴム栓26を嵌挿するから、位置調整穴3Eから粉塵や液体など故障の原因となる物質が入り込むことを防止できる。
なお、前記実施の形態では、旋回スクロール11の嵌挿穴11Cに位置調整ピン19を嵌挿する構成としたが、本発明はこれに限らず、位置調整ピン19を筒状のパイプとし、旋回スクロール11の外縁側に前記パイプの内径と略同径の外径を持つ凸部を設け、この凸部にパイプを結合させる構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、位置調整ピン19を着脱可能としたが、これに限らず、位置調整ピン19を旋回スクロールに一体的(着脱不能)に設けてもよい。この場合、位置調整ピン19を短くして位置調整穴3Eを貫通させない構成とすることができ、ゴム栓26等を不要にすることができる。
但し、この場合、運転中に位置調整ピン19が熱変形すると位置調整穴3Eの内周面と過度に接触して機械損失の原因となるので、位置調整ピン19の材質を固定スクロール3よりやわらかい材質(例えば樹脂材)の柔軟層を設けるか、または、位置調整ピン19と位置調整穴3Eとの摺動面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、二硫化モリブデン等から構成され耐熱性及び低摩擦抵抗などに優れた低摩擦層を設けることが望ましい。これら、柔軟層や低摩擦層は、少なくとも表面のみに設けていればよく、表面だけでなく、芯まで同一の材質としてもよい。
前記実施の形態では、位置調整凸部として円柱形の位置調整ピン19を用いたが、本発明はこれに限らず、例えば、三角柱形や四角柱形の位置調整凸部としても良い。この場合、前記位置調整穴の形状は、前記三角柱形や四角柱形の位置調整凸部の旋回運動による軌跡の最外周線の形状とすればよい。
また、前記実施の形態では、位置調整穴の形状は、円形形状としたが、本発明はこれに限らず、例えば、三角形状や四角形状のように前記位置調整穴内にほぼ等間隔に3箇所以上の位置調整点を持つものであってもよい。この場合、前記位置調整凸部が前記位置調整穴内で旋回運動する際に、前記位置調整点に前記位置調整凸部が3箇所以上において接触するので、一対の前記位置調整穴と位置調整凸部で固定スクロール3の径方向の位置を調整することができる。
例えば、図7の第1の変形例に記載したように前記位置調整穴の形状を位置調整ピン19が旋回運動する際の軌跡Xに外接する正三角形とすることができる。この場合、正三角形の位置調整穴3H内に120°間隔に3箇所の位置調整点sがあるので、位置調整ピン19が位置調整穴3H内で旋回運動する際に、位置調整点sに位置調整ピン19が3箇所において接触し、一対の位置調整穴3Hと位置調整ピン19で固定スクロール3の径方向の位置を調整することができる。
なお、この図7に記載した実施の形態では、一対の位置調整穴3Hと位置調整ピン19が図7の下方側に設けられているだけであるため、旋回スクロール11の旋回運動により固定スクロール3の位置を調整する際に、固定スクロール3に位置調整穴3Hと位置調整ピン19との位置を中心とした回転が生じてこの回転方向に位置がずれる可能性がある。このようなずれが生じると、ラップ3Bとラップ11Bの隙間を変化させて圧縮性能に影響を与える位置に固定スクロール3が移動してしまうことになる。この場合、一対の位置調整穴3Hと位置調整ピン19との位置から最も遠い位置にある上方側が特に位置ずれが大きくなる。本発明では、この特にずれが大きくなる上方側の固定ボルト5の外周とボルト挿通孔3Dの内周との間の隙間の寸法αを極力小さく設定することで、固定スクロール3が位置調整ピン19を中心に回転してラップ3Bとラップ11Bの隙間が変化しても圧縮性能に影響を与えることのない位置に固定スクロール3を調整するように構成してある。
よって、固定スクロール3は、上述したように位置調整ピン19の中心に回転する方向が規制された状態で径方向の位置を調整することができる。
また、前記実施の形態では、固定スクロール3に位置調整穴3Eを、旋回スクロール11に位置調整ピン19を配置した構成を示したが、本発明はこれに限らず、旋回スクロール11に上記位置調整穴を設け、固定スクロール3に上記位置調整ピンを配置してもよい。
この場合、位置調整穴と位置調整ピンの配置、即ち、位置調整穴の旋回中心と位置調整ピンの中心の位置を次のように合わせる必要がある。つまり、旋回スクロール11が旋回運動をした際に、固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bの隙間が実質的に理想位置関係になるように固定スクロール3と旋回スクロール11とを位置した状態で、位置調整穴の旋回中心と位置調整ピンの中心が実質的に一致するように前記位置調整穴と位置調整ピンとの位置を設計段階で予め設定する。
これにより、旋回スクロール11の旋回運動により、前記位置調整ピンを中心に位置調整穴が旋回運動することで固定スクロール3の径方向の位置を調整して固定スクロール3のラップ3Bと旋回スクロール11のラップ11Bの隙間を実質的に理想位置関係に調整することができる。
また、本実施の形態では、位置調整穴3Eと位置調整ピン19とを小径の構成とし、外周部に2箇所設けた例を示したが、これに限らず、例えば図8に示す第2の変形例のように(図1と同一構成については、同一の符号を付す。)、固定スクロール3の筒部3Cの外周側に段部3Fを設け、この内周面3Gを本発明の位置調整穴とする。そして、旋回スクロール11の円形の外周を本発明の位置調整凸部とし、固定スクロール3の内周面3Gと旋回スクロール11の外周面11Gとが接触することにより、位置を調整するようにしてもよい。
この場合、前述の位置調整ピンを着脱不能としたときと同様に、内周面3Gまたは外周面11Gに低摩擦層又は柔軟層を設けることが望ましい。
また、図8に記載した実施の形態では、固定スクロール3の内周面3Gと旋回スクロール11の外周面11Gとが接触することにより、固定スクロール3の径方向の位置を調整するように構成したが、これに限らず、例えば、図9の第3の変形例に記載するように構成してもよい。
図9に記載する実施の形態では、前記位置調整穴を旋回スクロール11の旋回中心に対応する固定スクロール3の中心から同心円とした円弧状の内径側面3Iaと円弧状の外径側面3Ibが旋回スクロール11の旋回直径の距離だけ離間して位置する弓型状の位置調整穴3Iとし、この位置調整穴3Iをほぼ等間隔に少なくとも3箇所設ける。この位置調整穴3Iの内径側面3Iaと外径側面3Ibにおいて、旋回スクロール11の旋回運動により位置調整ピン19が旋回運動する際の軌跡Xと接触する点である位置調整点ti、toに位置調整ピン19を接触させ、固定スクロール3の径方向の位置を調整するように構成してある。
この場合、旋回スクロール11の旋回運動により位置調整ピン19が位置調整穴3I内の内径側面3Iaの位置調整点tiと外径側面3Ibの位置調整点toに断続的に接触することで徐々に固定スクロール3の径方向の位置を調整することができる。なお、この位置調整穴3Iは、内径側面3Iaと外径側面3Ibとが径方向に離れる距離を大きくし、内径側面3Iaの位置調整点tiの3箇所のみ、または、外径側面3Ibの位置調整点toの3箇所のみに位置調整ピン19が当たるように構成してもよく、この場合でも、3箇所で位置決めされるので、固定スクロール3の径方向の位置を調整することができる。
なお、図8、図9に記載した実施の形態では、旋回スクロール11の旋回運動により固定スクロール3の位置を調整する際に、固定スクロール3が回転軸2Aの回転中心を中心としてその回転方向に回転してラップ3Bとラップ11Bの隙間を変化させて圧縮性能に影響を与える位置に固定スクロール3が移動する場合がある。本発明では、この回転方向の回転を規制するため、3箇所あるうちの少なくとも1つの固定ボルト5の外周とボルト挿通孔3Dの内周との間の隙間の寸法αを極力小さく設定することで、固定スクロール3が回転軸2Aの回転方向に回転し、ラップ3Bとラップ11Bの隙間が変化しても圧縮性能に影響を与えることのない位置に固定スクロール3を調整するように構成してある。
よって、固定スクロール3は、上述したように回転軸2Aの回転方向が規制された状態で径方向の位置を調整することができる。
また、上記実施の形態では、仮止め手段として固定ボルト5を用いたが、本発明はこれに限らず、固定ボルト5とは別にケーシング1のフランジ部1Dに固定スクロール3の筒部3Cに向かって突出した突起部を設け、また固定スクロール3の筒部3Cにこの突起部をある程度緩い状態で嵌合する嵌合孔を設け、この突起部と嵌合孔とを嵌合させて仮止め手段としてもよい。
また、前記各実施の形態では、ケーシング1と旋回スクロール11の背面との間には、旋回スクロール11の自転を防止する自転防止機構20として、オルダムリング、補助クランク等を設けることも可能である。
また、前記各実施の形態では、ラップ3B,11Bの歯先にチップシール4,12を
取付ける構成としたが、ラップ3B,11Bのうち両方または一方のチップシールを省
く構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できるものである。
本発明に係るスクロール式流体機械の組立て途中を示す概略縦断面図。 その実施の形態の図1の矢示a−a方向からみた概略横断面図。 その実施の形態の図2の矢示b−b方向からみた概略縦断面図。 本発明の要部を示す概略平面図。 その実施の形態を示す概略平面図。 本発明の最終状態を示す概略縦断面図。 本発明の第1の変形例を示す概略縦断面図。 本発明の第2の変形例を示す概略横断面図。 本発明の第3の変形例を示す概略横断面図。
符号の説明
1 ケーシング
3 固定スクロール
3A 鏡板
3B ラップ
3E 位置調整穴
5 固定ボルト(固定手段)
6 駆動軸
11 旋回スクロール
11A 鏡板
11B ラップ
14 圧縮室
19 位置調整ピン(位置調整凸部)
20 自転防止機構
26 閉塞部材

Claims (6)

  1. ケーシングと、
    鏡板上に渦巻状のラップが立設され前記ケーシングに固定手段により固定された固定スクロールと、
    前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、
    該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ鏡板上に前記固定スクロールのラップとの間に複数の圧縮室を画成するラップが立設された旋回スクロールと、
    前記ケーシングと前記旋回スクロールとの間に設けられ該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記固定スクロール側又は旋回スクロール側の一方に軸方向に伸びる位置調整穴を少なくとも2箇所に設けると共に、前記固定スクロール側又は旋回スクロール側の他方に前記位置調整穴に係合する位置調整凸部を少なくとも2箇所に設け、
    前記固定手段による固定を行なわず前記ケーシングに対して前記固定スクロールを径方向に移動可能に搭載した状態で前記旋回スクロールを旋回運動させた際に、前記固定スクロールのラップと前記旋回スクロールのラップとが接触しないで旋回運動可能となるように前記位置調整穴と前記位置調整凸部を配置し、前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記位置調整穴と前記位置調整凸部により前記固定スクロールの径方向の位置を調整可能としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 請求項1に記載のスクロール式流体機械において、前記位置調整穴の内側面又は位置調整凸部の外側面の少なくとも一方に低摩擦層又は柔軟層を設けたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  3. 請求項1または2に記載のスクロール式流体機械において、前記固定スクロール又は旋回スクロールに前記位置調整凸部を着脱可能に支持する嵌挿穴を設け、前記位置調整凸部は前記固定スクロールの径方向の位置調整後に離脱されることを特徴とするスクロール式流体機械。
  4. 請求項に記載のスクロール式流体機械において、前記位置調整穴を前記固定スクロールに貫通して設け、該位置調整穴に、該位置調整穴を閉塞する閉塞部材を嵌挿したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  5. 請求項1記載のスクロール式流体機械を製造する方法であって、
    前記ケーシングに前記駆動軸と前記自転防止機構の一端側とを取り付け、前記旋回スクロールに前記自転防止機構の他端側を取り付けると共に、前記駆動軸の先端側に前記旋回スクロールを旋回可能に取り付ける旋回スクロール取付工程と、
    前記位置調整凸部に前記位置調整穴を係合させて、前記固定スクロールを前記ケーシングに対して径方向に移動可能に搭載する固定スクロール搭載工程と、
    前記旋回スクロールを旋回運動させて、前記ケーシングに対する前記固定スクロールの径方向位置を調整し、前記固定手段により、前記ケーシングに前記固定スクロールを固定する径方向位置調整工程とからなることを特徴とするスクロール式流体機械の製造方法。
  6. 請求項記載のスクロール式流体機械を製造する方法であって、
    前記ケーシングに前記駆動軸と前記自転防止機構の一端側とを取り付け、前記旋回スクロールに前記自転防止機構の他端側を取り付けると共に、前記駆動軸の先端側に前記旋回スクロールを旋回可能に取り付ける旋回スクロール取付工程と、
    前記位置調整凸部に前記位置調整穴を係合させて、前記固定スクロールを前記ケーシングに対して径方向に移動可能に搭載する固定スクロール搭載工程と、
    前記旋回スクロールを旋回運動させて、前記ケーシングに対する前記固定スクロールの径方向位置を調整し、前記固定手段により、前記ケーシングに前記固定スクロールを固定する径方向位置調整工程と、
    前記位置調整凸部を離脱し、前記位置調整穴に前記閉塞部材を嵌挿する位置調整凸部離脱工程とからなることを特徴とするスクロール式流体機械の製造方法。
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