JP2006336507A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 旋回軸受を用いて旋回軸の軸方向両側を支持することにより、旋回軸の中間部を小径化し、小型・軽量化を促進する。
【解決手段】 回転軸16の偏心ブッシュ18A,18B内には、旋回軸25を旋回可能に支持する旋回軸受35A,35Bを設ける。そして、圧縮機の運転時には、回転軸16を駆動し、旋回軸25の両端側に連結した旋回スクロール11A,11Bを固定スクロール5A,5Bに対して旋回運動させる。このとき、旋回スクロール11A,11Bから旋回軸25に加わるスラスト方向の荷重を、旋回軸受35A,35Bによって中間軸部26の外側で受承する。これにより、中間軸部26はスラスト方向の荷重を受けずに済むので、その外径寸法を小さくすることができ、回転軸16、回転軸受20A,20B等も小型化することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空気、冷媒等の圧縮機や真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、スクロール式流体機械としては、例えば1つの固定スクロールに対して旋回スクロールを旋回運動させるようにした単段型のスクロール式空気圧縮機が知られている。また、例えば2つの固定スクロールに対してそれぞれ異なる旋回スクロールを旋回運動させるようにした2段型(ツインラップ型)のスクロール式空気圧縮機も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−263604号公報
この種の従来技術によるスクロール式空気圧縮機として、ツインラップ型の圧縮機を例に挙げて述べると、この圧縮機は、略筒状に形成されたケーシングを有し、ケーシングの軸方向両側には、第1,第2の固定スクロールが互いに対向して設けられている。
また、ケーシング内には、第1,第2の固定スクロールと重なり合う位置に第1,第2の旋回スクロールが設けられている。これら4つのスクロールは、鏡板の表面に渦巻状のラップ部がそれぞれ立設され、第1の固定スクロールと第1の旋回スクロールとの間には、これらのラップ部が重なり合うことによって複数の圧縮室が画成されている。また、第2の固定スクロールと第2の旋回スクロールとの間にも、複数の圧縮室が画成されている。
一方、ケーシング内には、第1,第2の旋回スクロールの間に位置して筒状の回転軸が設けられ、この回転軸は、軸方向の両側に配置された回転軸受によって回転可能に支持されている。
ここで、回転軸の軸方向両側には、その回転中心に対して径方向に偏心した偏心穴が設けられ、これらの偏心穴には、例えば玉軸受等からなる旋回軸受が取付けられている。また、回転軸の内周側には、例えば段付状の金属ロッド等からなる旋回軸が挿通されている。そして、旋回軸は、軸方向の両側が旋回軸受によって支持されることにより、回転軸の内周側で旋回可能となっている。さらに、旋回軸の両端側は回転軸から突出して配置され、これらの突出端には第1,第2の旋回スクロールが連結されている。
そして、圧縮機の運転時には、電動モータ等の駆動源によって回転軸が回転駆動されると、この回転軸内に偏心状態で配置された旋回軸が第1,第2の旋回スクロールと一緒に旋回運動を行う。この結果、2つの旋回スクロールがそれぞれの固定スクロールに対して旋回運動を行うので、旋回軸の両側で空気、冷媒等の流体を同時に圧縮することができる。
ところで、上述した従来技術では、圧縮運転を行うときに、第1,第2の旋回スクロールが圧縮流体の圧力によって固定スクロールから離れる方向の押圧力を受ける。そして、これらの押圧力は、スラスト方向の荷重(スラスト荷重)となって各旋回スクロールから旋回軸の軸方向両側に付加される。
この結果、圧縮機の設計時には、旋回軸が軸方向の両側から大きなスラスト荷重を受けたとしても、その中間部位に撓み、屈曲等の変形が生じないように、旋回軸の外径寸法を十分に太くして強度を確保する必要がある。
このため、従来技術では、旋回軸だけでなく、その外周側に配置される回転軸、回転軸受等の部品も外径寸法や重量が増大し易くなり、これによって圧縮機の小型・軽量化が妨げられたり、圧縮運転時に回転軸受の摩擦抵抗が大きくなって機械的損失が増大するという問題がある。
一方、単段型のスクロール式空気圧縮機であっても、回転軸の内周側に旋回軸を配置している場合には、ツインラップ型の圧縮機と同様の問題が生じ易い。即ち、単段型の圧縮機では、例えば旋回軸の一端側に旋回スクロールを取付け、旋回軸の他端側にモータ、自転防止機構等の構造物を取付けることが多い。このため、旋回軸は、旋回スクロールと他の構造物との間で大きなスラスト荷重を受承する必要が生じ、その小型・軽量化が難しくなる。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、例えば回転軸、回転軸受、旋回軸等の部品を小さくすることができ、機械全体の小型・軽量化を促進できると共に、圧縮運転時の損失を抑えて運転効率を向上できるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、互いに対向して設けられた第1,第2の固定スクロールと、該第1,第2の固定スクロールと重なり合う位置に設けられ該各固定スクロールとの間に圧縮室を画成する第1,第2の旋回スクロールと、該第1,第2の旋回スクロールの間に回転可能に配置され軸方向の両側に偏心穴を有する筒状の回転軸と、該回転軸の内周側に挿通され両端側が該回転軸から突出して前記第1,第2の旋回スクロールに連結された旋回軸と、前記回転軸の各偏心穴に設けられ該旋回軸を軸方向の両側で旋回可能に支持する第1,第2の旋回軸受とを備えたスクロール式流体機械において、前記第1,第2の旋回軸受は、前記第1,第2の旋回スクロールから前記旋回軸の軸方向両側に加わるスラスト方向の荷重を前記回転軸に伝達することができる軸受によって構成したことを特徴としている。
また、請求項2の発明によると、前記旋回軸は、前記第1,第2の旋回軸受の間に位置する軸方向の中間部を軸方向の両側よりも小径に形成する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記第1,第2の旋回軸受は円錐ころ軸受によって構成している。
また、請求項4の発明によると、前記旋回軸は、前記回転軸の内周側に挿通される中間軸部と、該中間軸部の一端側に設けられ前記回転軸との間で前記第1の旋回軸受を締付けるフランジ部が配置された一側軸部と、前記中間軸部の他端側に取付けられ前記回転軸との間で前記第2の旋回軸受を締付けるフランジ部が配置された他側軸部とによって構成している。
また、請求項5の発明によると、前記旋回軸受に軸方向の予圧を与える弾性部材を設ける構成としている。
一方、請求項6の発明では、固定スクロールと、該固定スクロールと対向して設けられモータ、補助クランクとして用いられる構造物と、前記固定スクロールと重なり合う位置に設けられ該固定スクロールとの間に圧縮室を画成する旋回スクロールと、該旋回スクロールと前記構造物との間に回転可能に配置され軸方向の両側に偏心穴を有する筒状の回転軸と、該回転軸の内周側に挿通され両端側が該回転軸から突出して前記旋回スクロールと構造物とに連結された旋回軸と、前記回転軸の各偏心穴に設けられ該旋回軸を軸方向の両側で旋回可能に支持する第1,第2の旋回軸受とを備えたスクロール式流体機械において、前記第1,第2の旋回軸受は、前記旋回スクロールと構造物との間で前記旋回軸の軸方向両側に加わるスラスト方向の荷重を前記回転軸に伝達することができる軸受によって構成している。
請求項1の発明によれば、回転軸の各偏心穴内には、第1,第2の旋回軸受を配設することができ、これらの旋回軸受によって旋回軸の軸方向両側を旋回可能に支持することができる。そして、圧縮運転時には、回転軸を駆動することにより、旋回軸の両端側に連結された第1,第2の旋回スクロールを第1,第2の固定スクロールに対して旋回運動させ、流体を圧縮することができる。このとき、旋回軸は、第1,第2の旋回スクロールからスラスト方向の荷重を受けるが、これらのスラスト荷重を第1,第2の旋回軸受によって旋回軸の軸方向両側で受承でき、さらに各旋回軸受から回転軸にスラスト荷重を伝達することができる。
これにより、筒状に形成されているために十分な強度をもつ回転軸によってスラスト荷重を安定的に受承でき、旋回軸の軸方向中間部にはスラスト荷重が殆ど付加されないので、旋回軸の中間部を小径化することができ、この状態でも旋回軸に要求される強度を十分に確保することができる。従って、旋回軸の中間部だけでなく、この中間部の外周側に配置される回転軸や、回転軸を支持する回転軸受等の部品も小径化でき、機械全体の小型・軽量化を促進することができる。また、回転軸受を小型化することにより、その摩擦抵抗を低減して回転軸を円滑に回転させることができる。このため、圧縮運転時には、軸受の摩擦抵抗等による機械的な損失を減少させることができ、運転効率を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、旋回軸の軸方向中間部はスラスト荷重を殆ど受けないので、その強度を必要最低限に抑えることができる。このため、旋回軸の中間部を軸方向の両側よりも小径化することができ、旋回軸の小型・軽量化を図ることができる。
また、請求項3の発明によれば、旋回軸受として円錐ころ軸受を用いているので、旋回スクロールから大きなスラスト荷重が加わる場合でも、これを円錐ころ軸受によって安定的に受承することができ、この状態で旋回軸を円滑に旋回させることができる。
また、請求項4の発明によれば、例えば旋回軸の中間軸部、一側軸部及び他側軸部を2個または3個の組立部品に分けて形成することができる。そして、機械を組立てるときには、例えば第1,第2の旋回軸受を取付けた回転軸の内周側に対して、一側軸部を含む組立部品を軸方向の一側から挿通し、他側軸部を含む組立部品を軸方向の他側から挿通することができ、軸方向両側の組立部品を連結することによって旋回軸を組立てることができる。これにより、第1,第2の旋回軸受の外側に旋回軸の各フランジ部を配置することができ、このような配置であっても、旋回軸を複数の組立部品に分割した状態で軸方向の両側から別々に組付けることができるので、組立作業を効率よく行うことができる。
そして、旋回軸を組立てた状態では、一側軸部のフランジ部と回転軸との間で第1の旋回軸受を軸方向に締付けることができ、他側軸部のフランジ部と回転軸との間で第2の旋回軸受を軸方向に締付けることができる。これにより、旋回軸の各フランジ部によって第1,第2の旋回軸受に互いに近接する方向の予圧を付加することができ、例えば軸方向の予圧が必要な旋回軸受等を安定的に作動させることができる。また、フランジ部には、例えば旋回スクロールの一部を旋回軸受と反対側から当接させることができ、この場合には、フランジ部によって旋回スクロールから旋回軸受に荷重を安定的に伝達することができる。
また、請求項5の発明によれば、例えば旋回軸受の内輪と旋回軸との間に弾性部材を配設したり、旋回軸受の外輪と回転軸との間に弾性部材を配設することができ、この弾性部材によって旋回軸受に軸方向の予圧を与えることができる。これにより、例えば温度変化等によって回転軸や旋回軸が熱膨張、熱収縮し、旋回軸受の取付部位等が位置ずれした場合でも、この位置ずれを弾性部材の変形によって吸収でき、また弾性部材の弾性力によって旋回軸受に予圧を付加し続けることができる。従って、例えば回転軸、旋回軸の熱変形等に対して旋回軸受を安定的に作動させることができ、信頼性の高い機械を実現することができる。
さらに、請求項6の発明によれば、例えば旋回軸の一端側に固定スクロールと旋回スクロールとからなる1つの圧縮部が配置され、旋回軸の他端側にモータ、補助クランクとして用いられる構造物が配置された単段型のスクロール式流体機械に対して、第1,第2の旋回軸受を搭載することができる。そして、旋回スクロールと構造物との間で旋回軸に加わるスラスト荷重を第1,第2の旋回軸受によって受承でき、さらにスラスト荷重を各旋回軸受から回転軸に伝達できるので、請求項1の発明とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
また、例えば構造物を補助クランクとした場合には、補助クランクを旋回スクロールから離して配置でき、旋回スクロールを構成する鏡板等の外周側に補助クランクを配置しなくてもよいので、旋回スクロールを含めて機械全体を径方向に小型化することができる。さらに、旋回スクロール側で発生する熱が補助クランクに伝わるのを抑制できるので、補助クランクを構成する部品の熱変形や熱劣化等を防止でき、耐熱性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械について、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1ないし図7は第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、ツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を例に挙げて述べる。
図中、1はスクロール式空気圧縮機の外枠を構成する略筒状のケーシングで、該ケーシング1は、図1ないし図3に示す如く、略円筒状に形成され軸方向の両側が開口した中間ケース2と、該中間ケース2の軸方向一側(右側)に設けられた第1の外側ケース3Aと、中間ケース2の軸方向他側(左側)に設けられた第2の外側ケース3Bとによって構成されている。
ここで、外側ケース3A,3Bは、それぞれ外側に向けて開口する有底筒状体として形成され、その底部側は中間ケース2に取付けられている。また、外側ケース3A,3Bの底部中央には、後述の回転軸受20A,20Bが取付けられている。
そして、外側ケース3Aは、後述する第1の固定スクロール5A、第1の旋回スクロール11A等と共に低圧側の圧縮部4Aを構成し、外側ケース3Bは、第2の固定スクロール5B、第2の旋回スクロール11B等と共に高圧側の圧縮部4Bを構成している。この場合、低圧側と高圧側の圧縮部4A,4Bは互いにほぼ同一の構成要素を有しているので、以下の説明では、低圧側の構成要素に符号「A」を付して説明し、高圧側の構成要素については、符号「B」を付して説明すると共に、低圧側と重複する説明を省略するものとする。
5Aはケーシング1の外側ケース3Aに取付けられた低圧側の固定スクロールで、該固定スクロール5Aは、図2に示す如く、軸線O1−O1を中心として略円板状に形成された鏡板6Aと、該鏡板6Aの表面に立設された渦巻状のラップ部7Aと、鏡板6Aの外周側から軸方向に突出し、ラップ部7Aを取囲む位置で径方向外向きに延びた略筒状のフランジ部8Aとによって大略構成されている。
そして、鏡板6Aには、ラップ部7Aの径方向外側に位置して後述の圧縮室15A内に空気を吸込む吸込口9Aと、ラップ部7Aの中央に位置して圧縮空気を吐出する吐出口10Aとが設けられている。
一方、5Bはケーシング1の外側ケース3Bに取付けられた高圧側の固定スクロールで、該固定スクロール5Bは、図3に示す如く、低圧側の固定スクロール5Aとほぼ同様に、鏡板6B、ラップ部7B、フランジ部8B、吸込口9B、吐出口10B等によって構成され、固定スクロール5Aと軸方向で対向している。
そして、低圧側の吐出口10Aは、例えば配管、冷却器等を経由して高圧側の吸込口9Bに接続され、高圧側の吐出口10Bは、空気タンク(図示せず)等に接続される。これにより、空気圧縮機は、例えば圧縮部4A,4Bによって空気を順次圧縮する2段式の圧縮機として構成されている。
11Aは固定スクロール5Aと対面する位置でケーシング1内に旋回可能に設けられた低圧側の旋回スクロールで、該旋回スクロール11Aは、図2に示す如く、軸線O2−O2を中心として略円板状に形成され外側ケース3A内に収容された鏡板12Aと、該鏡板12Aの表面に立設された渦巻状のラップ部13Aと、鏡板12Aの裏面中央に軸方向に突出して設けられたボス部14Aとによって大略構成されている。
ここで、ボス部14Aは、図4に示す如く、例えば軸線O2−O2を中心とする有底の筒状体として形成され、平坦な環状の端面14aを有している。また、固定スクロール5Aと旋回スクロール11Aとは、互いのラップ部7A,13Aが重なり合った状態で配置され、これらのラップ部7A,13A間には複数の圧縮室15Aが画成されている。さらに、固定スクロール5Aと旋回スクロール11Aとの間には、後述の補助クランク41が設けられている。
一方、11Bは外側ケース3B内に設けられた高圧側の旋回スクロールで、該旋回スクロール11Bは、図3、図5に示す如く、低圧側の旋回スクロール11Aとほぼ同様に、鏡板12B、ラップ部13B、ボス部14B、端面14b等によって構成され、固定スクロール5Bのラップ部7Bとの間に複数の圧縮室15Bを画成している。
そして、旋回スクロール11A,11Bは、後述のモータ40により回転軸16、旋回軸25等を介して駆動され、補助クランク41により自転が防止された状態で、固定スクロール5A,5Bに対して旋回運動する。これにより、左,右の圧縮部4A,4Bは、吸込口9A,9Bから圧縮室15A,15B内に空気を吸込んで圧縮し、吐出口10A,10Bから圧縮空気を吐出する。
16はケーシング1内で旋回スクロール11A,11Bの間に設けられた回転軸で、該回転軸16は、例えば段付円筒状の金属ロッド等によって形成され、モータ40により軸線O1−O1を中心として回転駆動される。また、回転軸16は、その軸方向中間部を構成する後述の中間筒部17と、偏心ブッシュ18A,18Bとによって構成されている。
17は段付円筒状に形成された中間筒部で、該中間筒部17は、例えば軸方向の中間部位が両側よりも径方向に厚肉に形成され、この厚肉部位の両側には、径方向外向きに突出した環状段部17a,17bが設けられている。
18Aは中間筒部17の軸方向一側に設けられた偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ18Aは、図4に示す如く、例えば段付円筒状の金属筒体等によって形成され、中間筒部17の外周側に回転を規制した状態で嵌着されると共に、回転軸受20Aの外側(旋回スクロール11A側)に配置されている。
ここで、偏心ブッシュ18Aの内周側には、回転軸受20Aに向けて開口する円形状の軸嵌合穴18aと、該軸嵌合穴18aの一端側に段付状に拡径して形成され、旋回スクロール11Aに向けて開口する円形状の偏心穴18bとが設けられている。この場合、偏心穴18bの中心となる軸線O2−O2は、回転軸16(軸嵌合穴18a)の中心となる軸線O1−O1に対して一定の寸法だけ径方向に偏心している。
また、偏心ブッシュ18Aには、偏心穴18bの周壁から径方向内向きに突出する環状段部18cと、軸嵌合穴18aを取囲む端面の位置から回転軸受20Aの内輪22Aに向けて軸方向に突出する環状突起18dとが設けられている。
一方、18Bは中間筒部17の軸方向他側に嵌着して設けられた段付円筒状の偏心ブッシュで、該偏心ブッシュ18Bには、図5に示す如く、軸方向一側の偏心ブッシュ18Aとほぼ同様に、軸嵌合穴18e、偏心穴18f、環状段部18g、環状突起18h等が設けられている。
また、偏心ブッシュ18A,18Bの外周側には、回転軸16と一体に回転する冷却ファン19A,19Bが設けられ、これらの冷却ファン19A,19Bは、外側ケース3A,3Bに設けられた通気口、ダクト等を流通する冷却風を発生し、固定スクロール5A,5Bと旋回スクロール11A,11Bとを冷却する。
20A,20Bはケーシング1の外側ケース3A,3Bに設けられた回転軸受で、これらの回転軸受20A,20Bは、例えば玉軸受等を用いて構成され、回転軸16の軸方向両側を回転可能に支持している。ここで、軸方向一側の回転軸受20Aは、外輪21A、内輪22Aと、これらの外輪21Aと内輪22Aとを回転可能に連結する複数の鋼球23Aとによって構成されている。
そして、外輪21Aは、図4に示す如く、例えば円筒状のリテーナ24A等を用いて外側ケース3Aの底部中央に嵌合されている。また、内輪22Aは、回転軸16(中間筒部17)の環状段部17aと、偏心ブッシュ18Aの環状突起18dとの間で中間筒部17の外周側に挿嵌され、内輪22Aの端面は、これらの環状段部17a,環状突起18dに当接している。
一方、軸方向他側の回転軸受20Bも同様に、図5に示す如く、リテーナ24B等を用いて外側ケース3Bの底部中央に嵌合された外輪21Bと、中間筒部17の外周側に挿嵌された内輪22Bと、複数の鋼球23Bとによって構成され、内輪22Bの端面は、中間筒部17の環状段部17b,偏心ブッシュ18Bの環状突起18hに当接している。
このように、軸方向一側の偏心ブッシュ18A、回転軸受20Aと、軸方向他側の偏心ブッシュ18B、回転軸受20Bとは、回転軸16の環状段部17a,17bによって互いに近接する方向の変位を規制されている。
次に、25は回転軸16内に挿通して設けられた旋回軸を示し、該旋回軸25は、図1に示す如く、例えば段付円柱状の金属ロッド等として形成され、モータ40によって回転軸16が回転駆動されるときに、旋回スクロール11A,11Bを旋回運動させるものである。
そして、旋回軸25は、図7に示す如く、後述の中間軸部26、一側軸部27A及び他側軸部27Bによって構成されている。また、旋回軸25は、旋回軸受35A,35Bの組付を考慮して、後述の組立部品31,32を連結することによって組立てられている。
26は旋回軸25の軸方向中間部を構成する中間軸部を示し、該中間軸部26は、一側軸部27Aと他側軸部27Bとを一体的に連結する部位であり、回転軸16の中間筒部17内に径方向の隙間をもって挿通されている。そして、旋回軸25は、後述する補助クランク41の自転防止機能を低圧側の旋回スクロール11Aから高圧側の旋回スクロール11Bに作用させることができる。
また、中間軸部26は、図6に示す如く、一側軸部27A及び他側軸部27Bよりも小さな外径Dを有し、旋回軸受35A,35Bの間に位置して旋回軸25の最も小径な部位を構成している。
この場合、圧縮機の運転時には、左,右の旋回スクロール11A,11Bから旋回軸25にスラスト方向の荷重(スラスト荷重)が加わると、このスラスト荷重は左,右の旋回軸受35A,35B等によって中間軸部26の外側で受承される。このため、中間軸部26は、スラスト荷重に耐える必要がなく、例えば旋回スクロール11A,11Bの間で補助クランク41の自転防止機能を伝達するときに捩れない程度の強度をもてばよい。
従って、本実施の形態では、旋回軸25の軸方向中間部、即ち中間軸部26の外径寸法を従来技術よりも小さく形成する構成としている。また、旋回軸25を小径化することにより、回転軸16、回転軸受20A,20B等についても、従来技術と比べて小径な部品が用いられている。
27Aは例えば中間軸部26の一端側に設けられた一側軸部で、この一側軸部27Aは、例えば段付円柱状に形成され、後述の軸受取付部28A、フランジ部29A及びスクロール連結部30Aによって構成されている。
28Aは中間軸部26の一端側に一体形成された円柱状の軸受取付部で、該軸受取付部28Aは、図4に示す如く、旋回軸受35Aの内輪37Aを取付ける取付部位であり、フランジ部29Aと一緒に偏心ブッシュ18Aの偏心穴18b内に配置されている。
29Aは軸受取付部28Aとスクロール連結部30Aとの間に一体形成された環状のフランジ部で、該フランジ部29Aは、一側軸部27Aの軸方向中間部に配置され、軸受取付部28Aから径方向外向きに突出している。また、フランジ部29Aは、旋回スクロール11Aのボス部14Aの端面14aと、旋回軸受35Aの内輪37Aの端面37aとの間に挟まれ、これらの端面14a,37aに当接している。
これにより、フランジ部29Aは、図6に示す如く、旋回スクロール11Aのボス部14Aから加わるスラスト荷重を受承し、このスラスト荷重を旋回軸受35Aの内輪37Aに伝達する。また、フランジ部29Aは、偏心ブッシュ18Aの環状段部18cと協働して旋回軸受35Aを軸方向に締付けることにより、旋回軸受35Aに軸方向の適度な予圧を与える機能も有している。
30Aはフランジ部29Aを挟んで軸受取付部28Aの一端側に一体形成された円柱状のスクロール連結部で、該スクロール連結部30Aは、偏心ブッシュ18Aの偏心穴18bから軸方向に突出して配置されている。そして、スクロール連結部30Aは、例えば圧入等の手段によって回転を規制された状態で旋回スクロール11Aのボス部14A内に嵌合されている。
一方、27Bは後述の連結ねじ33によって中間軸部26の他端側に着脱可能に取付けられた円柱状の他側軸部で、この他側軸部27Bは、図5に示す如く、一側軸部27Aとほぼ同様に、旋回軸受35Bの内輪37Bが取付けられる軸受取付部28Bと、旋回軸受35Bを軸方向に締付けて予圧を与えるフランジ部29Bと、旋回スクロール11Bのボス部14B内に回転を規制した状態で嵌合されたスクロール連結部30Bによって構成されている。
このように、旋回軸25を構成する軸部26,27A,27Bのうち、例えば中間軸部26と一側軸部27Aとは、図7に示す如く、1つの組立部品31として一体形成され、他側軸部27Bは他の組立部品32を構成している。そして、これらの組立部品31,32は、例えば連結ねじ33が他側軸部27Bの端面側から挿入されて中間軸部26の端面側に螺着されることにより、互い回転を規制した状態で着脱可能に連結されている。
また、旋回軸25は、旋回スクロール11A,11B側のスラスト荷重をフランジ部29A,29Bによって受承するので、スクロール連結部30A,30Bの端面と、旋回スクロール11A,11Bのボス部14A,14Bの底面との間には、例えば温度変化等によってスクロール連結部30A,30Bが伸縮するのを許容する軸方向の隙間34A,34Bが設けられている。さらに、組立部品31,32の間にも、熱変形等を許す軸方向の隙間34B′が設けられている。
次に、35A,35Bは回転軸16の偏心ブッシュ18A,18B内に設けられた第1,第2の旋回軸受を示し、これらの旋回軸受35A,35Bは、図1に示す如く、例えば円錐ころ軸受(テーパころ軸受)等によって構成され、旋回軸25の軸方向両側を旋回可能に支持している。そして、旋回軸受35A,35Bは、旋回スクロール11A,11Bから旋回軸25の軸方向両側に加わるスラスト荷重を受承し、この荷重を回転軸16側に伝達するものである。
ここで、軸方向一側に配置された第1の旋回軸受35Aは、図4に示す如く、外輪36A、内輪37Aと、これらの外輪36Aと内輪37Aとを回転可能に連結する複数の転動体38Aとによって構成されている。この場合、旋回軸受35Aは、各転動体38Aが略円錐状に形成され、外輪36Aと内輪37Aとの間でスラスト方向の大きな荷重を受承することができる。
そして、外輪36Aは、偏心ブッシュ18Aの偏心穴18bの奥所に嵌合され、その内側の端面36aが偏心ブッシュ18Aの環状段部18cに当接している。また、内輪37Aは、旋回軸25の軸受取付部28Aの外周に嵌合され、その外側の端面37aがフランジ部29Aに当接している。さらに、偏心穴18bの開口側には、偏心穴18bとフランジ部29Aとの間をシールして旋回軸受35Aを異物の侵入等から保護する環状のシール部材39Aが設けられている。
一方、軸方向他側に配置された第2の旋回軸受35Bも同様に、図5に示す如く、偏心ブッシュ18Bの偏心穴18fに嵌合されて内側の端面36bが環状段部18gに当接する外輪36Bと、旋回軸25の軸受取付部28Bの外周に嵌合され、外側の端面37bがフランジ部29Bに当接する内輪37Bと、複数の転動体38Bとによって構成され、シール部材39Bによって保護されている。
そして、旋回軸受35A,35Bは、図6に示す如く、偏心ブッシュ18A,18Bの環状段部18c,18gによって中間筒部17側への変位を規制された状態で、フランジ部29A,29Bによって互いに近接する方向の適度な予圧を付加されている。これにより、旋回軸受35A,35Bは、大きなスラスト荷重を受承しつつ、回転動作を安定的に行うことができる。
次に、40は圧縮機の駆動源を構成する電動式のモータを示している。このモータ40は、図1に示す如く、中間ケース2の内周側に設けられた筒状のステータ40aと、回転軸16の外周側に固定された筒状のロータ40bとによって構成され、回転軸16を回転駆動するものである。
41は例えば低圧側の固定スクロール5Aと旋回スクロール11Aとの間に設けられた3個の補助クランク(1個のみ図示)を示し、これらの補助クランク41は、旋回軸25の周方向に間隔をもって配置されている。そして、補助クランク41は、各旋回スクロール11A,11Bが旋回軸25により一体に連結された状態で旋回運動するときに、これらの自転を防止すると共に、旋回スクロール11A,11Bを固定スクロール5A,5Bの間で軸方向に位置決めしている。
ここで、補助クランク41は、図2に示す如く、例えばクランク状に屈曲したクランク部材41aと、該クランク部材41aの軸方向一側を固定スクロール5Aに回転可能に取付ける軸受41bと、クランク部材41aの軸方向他側を旋回スクロール11Bに回転可能に取付ける軸受41cとによって構成され、個々の軸受41b,41cは、例えば2個のアンギュラ玉軸受等を組合わせることによって形成されている。
本実施の形態によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、圧縮機の製造時には、予め組立てた回転軸16に対して旋回軸25、旋回軸受35A,35B等の組付作業を行う。ここで、図7を参照しつつ、組付作業の一例について説明すると、この組付作業では、まず回転軸16の偏心ブッシュ18A,18B内に旋回軸受35A,35B、シール部材39A,39B等をそれぞれ挿嵌する。
次に、旋回軸25の組立部品31を、回転軸16の一端側から旋回軸受35Aの内周側に挿入し、フランジ部29Aを旋回軸受35Aの内輪37Aに当接させる。また、他の組立部品32を、回転軸16の他端側から旋回軸受35Bの内周側に挿嵌し、フランジ部29Bを旋回軸受35Bの内輪37Bに当接させる。
そして、連結ねじ33を用いて組立部品31,32を締結することにより、旋回軸25を回転軸16に組付けることができ、この状態では、フランジ部29A,29Bによって旋回軸受35A,35Bを軸方向に予圧することができる。
次に、空気圧縮機の作動について説明すると、まずモータ40が作動したときには、回転軸16がモータ40によって回転駆動され、その内周側に配置された旋回軸25が一定の旋回半径をもって旋回運動する。これにより、旋回スクロール11A,11Bは、補助クランク41によって自転を防止された状態で、旋回軸25と共に固定スクロール5A,5Bに対して旋回運動を行う。
この結果、低圧側の圧縮部4Aは、吸込口9Aから外気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室15A内で順次圧縮し、吐出口10Aから中間圧の圧縮空気を吐出する。そして、この中間圧の圧縮空気は、高圧側の圧縮部4Bに吸込まれて圧縮されることにより、高圧の圧縮空気となって吐出口10Bから吐出され、空気タンク等に貯留される。
このとき、左,右の旋回スクロール11A,11Bには、圧縮室15A,15B内の圧力が固定スクロール5A,5Bから離れる方向のスラスト荷重となって付加される。これらのスラスト荷重は、図6に示す如く、旋回スクロール11A,11Bのボス部14A,14Bから旋回軸25のフランジ部29A,29Bを介して旋回軸受35A,35Bの内輪37A,37Bに加わる。
そして、これらのスラスト荷重は、左,右の旋回軸受35A,35Bによって受承され、その外輪36A,36Bから偏心ブッシュ18A,18B、回転軸受20A,20Bの内輪22A,22B、回転軸16(中間筒部17)の環状段部17a,17bへと順次伝達される。
この結果、左,右のスラスト荷重は、筒状に形成されることによって十分な強度をもつ中間筒部17に対して、軸方向の両側から互いに逆向きに加わるようになり、例えばスラスト荷重の大部分は中間筒部17の位置で打消される。この場合、低圧側の圧縮部4Aと高圧側の圧縮部4Bではスラスト荷重の大きさが異なるため、中間筒部17の位置で打消されずに残った荷重は、補助クランク41によって受承される。
かくして、本実施の形態によれば、各旋回スクロール11A,11Bから旋回軸25の軸方向両側に加わるスラスト荷重を回転軸16に伝達する旋回軸受35A,35Bを用いる構成としたので、これらの旋回軸受35A,35Bは、旋回軸25の中間軸部26の外側でスラスト荷重をそれぞれ受承でき、これらのスラスト荷重を回転軸16に伝達することができる。
これにより、筒状に形成されているために十分な強度をもつ回転軸16によってスラスト荷重を安定的に受承でき、旋回軸25の中間軸部26にはスラスト荷重が殆ど付加されないので、中間軸部26の外径Dを小さくすることができ、この状態でも旋回軸25に要求される強度を十分に確保することができる。
従って、中間軸部26だけでなく、その外周側に配置される回転軸16、回転軸受20A,20B等の部品も小径化することができ、例えば2つの圧縮部4A,4Bを有するツインラップ型の圧縮機であっても、圧縮機全体の小型・軽量化を促進することができる。また、回転軸受20A,20Bを小型化することにより、その摩擦抵抗を低減して回転軸16を円滑に回転させることができる。このため、圧縮運転時には、軸受の摩擦抵抗等による機械的な損失を減少させることができ、運転効率を向上させることができる。
この場合、例えば旋回軸受35A,35Bとして円錐ころ軸受を用いているので、旋回スクロール11A,11Bから大きなスラスト荷重が加わる場合でも、これを円錐ころ軸受によって安定的に受承することができ、この状態で旋回軸25を円滑に旋回させることができる。
また、本実施の形態では、旋回軸25を、中間軸部26と、フランジ部29A,29Bを有する一側軸部27A,他側軸部27Bとによって構成し、これらの部位を2個の組立部品31,32に分けて形成している。
これにより、圧縮機の組立時には、旋回軸受35A,35Bを取付けた回転軸16の内周側に対して、組立部品31を軸方向の一側から挿通し、組立部品32を軸方向の他側から挿通することができ、軸方向両側の組立部品31,32を連結することによって旋回軸25を組立てることができる。
このため、旋回軸受35A,35Bの外側に旋回軸25の各フランジ部29A,29Bを配置することができ、このような配置であっても、旋回軸25を2個の組立部品31,32に分割した状態で軸方向の両側から別々に組付けることができるので、組立作業を効率よく行うことができる。
そして、旋回軸25を組立てた状態では、一側軸部27Aのフランジ部29Aと回転軸16の環状段部18cとの間で旋回軸受35Aを軸方向に締付けることができ、また他側軸部27Bのフランジ部29Bと回転軸16の環状段部18gとの間で旋回軸受35Bを軸方向に締付けることができる。
これにより、旋回軸25の各フランジ部29A,29Bによって旋回軸受35A,35Bに互いに近接する方向の適度な予圧を付加することができ、例えば円錐ころ軸受等の旋回軸受35A,35Bを安定的に作動させることができる。また、フランジ部29A,29Bには、旋回スクロール11A,11Bのボス部14A,14Bを旋回軸受35A,35Bと反対側から当接させることができ、これらのフランジ部29A,29Bによって旋回スクロール11A,11Bから旋回軸受35A,35Bにスラスト荷重を安定的に伝達することができる。
次に、図8は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、弾性部材によって旋回軸受に予圧を与える構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は例えば旋回軸25と旋回軸受35Bとの間に設けられた弾性部材としての皿ばねを示し、この皿ばね51は、例えば弾性(ばね性)を有する略環状の金属板等によって形成され、旋回軸25の軸受取付部28Bの外周側に挿通されている。
また、皿ばね51は、旋回軸25のフランジ部29B′の端面と、旋回軸受35Bの内輪37Bの端面37bとの間に装着され、これらの間で軸方向に圧縮されている。この場合、フランジ部29B′は、第1の実施の形態と比較して軸方向に薄肉に形成されている。
そして、皿ばね51は、旋回軸受35Bの内輪37Bを中間筒部17側に向けて軸方向に付勢し、フランジ部29B′と偏心ブッシュ18Bの環状段部18gとの間で旋回軸受35Bに適度な予圧を与えている。これにより、例えば旋回軸25の熱変形等によってフランジ部29B′が軸方向に位置ずれした場合でも、皿ばね51は、この位置ずれを吸収しつつ、旋回軸受35Bに付加する予圧を維持する構成となっている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、皿ばね51を設ける構成としたので、この皿ばね51によって旋回軸受35Bに軸方向の予圧を与えることができる。
これにより、例えば温度変化等によって旋回軸25が熱膨張、熱収縮し、フランジ部29B′等が位置ずれした場合でも、この位置ずれを皿ばね51の変形によって吸収でき、また皿ばね51の弾性力(ばね力)によって旋回軸受35Bに予圧を付加し続けることができる。従って、例えば旋回軸25の熱変形等に対して旋回軸受35Bを安定的に作動させることができ、信頼性の高い圧縮機を実現することができる。
次に、図9は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、単段型のスクロール式空気圧縮機に適用したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61はスクロール式空気圧縮機の外枠を構成するケーシングで、該ケーシング61は、例えば軸方向の両側が開口した筒部62と、該筒部62の片側の開口を施蓋する蓋部63とによって構成されている。そして、筒部62の他の開口側には後述の圧縮部64が設けられている。
64は空気を圧縮して吐出する圧縮部で、該圧縮部64は、第1の実施の形態の圧縮部4Bとほぼ同様に、固定スクロール5B、旋回スクロール11B等によって構成され、旋回スクロール11Bの裏面側には、回転軸16、回転軸受20A,20B、旋回軸25、旋回軸受35A,35B、モータ40等が配置されている。
しかし、旋回軸25の一側軸部27A′には、後述の補助クランク取付部65を用いて補助クランク41が設けられている。また、旋回軸25の軸方向他側には、第1の実施の形態とほぼ同様に、旋回スクロール11Bのボス部14Bが連結されている。
65は補助クランク取付部を示し、該補助クランク取付部65は、その中央部が旋回軸25の一側軸部27A′に回転を規制した状態で嵌合され、旋回軸25の位置から径方向外向きに延びている。そして、補助クランク取付部65の径方向外側とケーシング61の蓋部63との間には、構造物としての例えば3個の補助クランク41(2個のみ図示)が周方向に間隔をもって設けられている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、単段型のスクロール式空気圧縮機にも広く適用することができる。
また、本実施の形態では、補助クランク41を旋回スクロール11Bから離して配置することができ、例えば旋回スクロール11Bの鏡板12Bの外周側に補助クランクを配置しなくてもよいので、旋回スクロール11Bを含めて圧縮機全体を径方向に小型化することができる。
さらに、旋回スクロール11B側で発生する熱が補助クランク41に伝わるのを抑制できるので、例えばクランク部材41aの熱変形や軸受41b,41cの熱劣化等を防止することができ、耐熱性を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、回転軸16を中間筒部17と偏心ブッシュ18A,18Bとによって構成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す変形例のように構成してもよい。この場合、回転軸16′は、例えば実施の形態の中間筒部17と偏心ブッシュ18A,18Bとを一体化した段付の筒状体として形成され、その軸方向両側には偏心穴16a′,16b′等が設けられている。そして、回転軸16′の外周側には回転軸受20A′,20B′が取付けられている。
また、実施の形態では、旋回軸受35A,35Bとして円錐ころ軸受を用いる構成とした。しかし、本発明の旋回軸受は円錐ころ軸受に限らず、外輪と内輪との間でスラスト荷重を受承して回転軸16に伝達することが可能な各種の軸受を用いることができる。そして、このような軸受として、例えばアンギュラ玉軸受等を用いてもよく、2個のアンギュラ玉軸受を正面合わせまたは背面合わせで配置した軸受を用いる構成としてもよい。
また、実施の形態では、旋回軸25にフランジ部29A,29Bを一体に形成する場合を例に挙げて述べた。しかし、本発明はこれに限らず、例えばフランジ部29A,29Bに代えて旋回軸の外周側に金属筒等のスペーサ部材を設け、このスペーサ部材によって旋回スクロール11A,11Bのボス部14A,14Bから旋回軸受35A,35Bの内輪37A,37Bにスラスト荷重を伝達する構成としてもよい。さらに、旋回スクロール11A,11Bのボス部14A,14Bを長尺に形成し、その端面14a,14bを旋回軸受35A,35Bの内輪37A,37Bに直接当接させる構成としてもよい。
また、実施の形態では、旋回軸25を2個の組立部品31,32によって構成する場合を例示した。しかし、本発明の旋回軸はこれに限らず、例えば中間軸部26、一側軸部27A及び他側軸部27Bをそれぞれ別個の組立部品として形成し、これら3個の組立部品を連結することにより旋回軸を構成してもよい。
一方、第2の実施の形態では、皿ばね51を高圧側のフランジ部29Bと旋回軸受35Bの内輪37Bとの間に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、皿ばね等の弾性部材を偏心ブッシュ18Bの環状段部18gと旋回軸受35Bの外輪36Bとの間に設けてもよい。また、本発明では、皿ばね以外の弾性部材を用いてもよく、各種の弾性部材を低圧側のフランジ部29Aと旋回軸受35Aとの間に設けたり、低圧側と高圧側の両方に設ける構成としてもよい。
また、第3の実施の形態では、単段型のスクロール式空気圧縮機において、旋回軸25を挟んで両側に旋回スクロール11Bと補助クランク取付部65(補助クランク41)とを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばモータを構造物として用いることにより、旋回軸を挟んで両側に旋回スクロールとモータとを配置する構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、冷媒を圧縮する冷媒圧縮機、真空ポンプ等を含めて他のスクロール式流体機械に適用してもよい。
本発明の第1の実施の形態によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 低圧側の圧縮部を拡大して示す図1中の拡大断面図である。 高圧側の圧縮部を拡大して示す図1中の拡大断面図である。 図2中のa部を拡大して示す要部拡大断面図である。 図3中のb部を拡大して示す要部拡大断面図である。 各旋回スクロールから回転軸に至るまでのスラスト荷重の伝達経路を示す拡大断面図である。 回転軸、回転軸受、旋回軸、旋回軸受、旋回スクロール等を組立てる前の状態で示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を図5と同様位置からみた要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施の形態による単段型のスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。 本発明の変形例によるツインラップ型のスクロール式空気圧縮機を図6と同様位置からみた拡大断面図である。
符号の説明
1,61 ケーシング
4A,4B,64 圧縮部
5A,5B 固定スクロール
6A,6B,12A,12B 鏡板
7A,7B,13A,13B ラップ部
9A,9B 吸込口
10A,10B 吐出口
11A,11B 旋回スクロール
14A,14B ボス部
15A,15B 圧縮室
16,16′ 回転軸
17 中間筒部
17a,17b,18c,18g 環状段部
18A,18B 偏心ブッシュ
18a,18e 軸嵌合穴
18b,18f,16a′,16b′ 偏心穴
18d,18h 環状突起
20A,20B,20A′,20B′ 回転軸受
21A,21B,36A,36B 外輪
22A,22B,37A,37B 内輪
36a,36b,37a,37b 端面
25 旋回軸
26 中間軸部
27A,27A′ 一側軸部
27B 他側軸部
28A,28B 軸受取付部
29A,29B,29B′ フランジ部
30A,30B スクロール連結部
31,32 組立部品
35A,35B 旋回軸受
38A,38B 転動体
40 モータ
41 補助クランク(構造物)
51 皿ばね(弾性部材)
65 補助クランク取付部

Claims (6)

  1. 互いに対向して設けられた第1,第2の固定スクロールと、該第1,第2の固定スクロールと重なり合う位置に設けられ該各固定スクロールとの間に圧縮室を画成する第1,第2の旋回スクロールと、該第1,第2の旋回スクロールの間に回転可能に配置され軸方向の両側に偏心穴を有する筒状の回転軸と、該回転軸の内周側に挿通され両端側が該回転軸から突出して前記第1,第2の旋回スクロールに連結された旋回軸と、前記回転軸の各偏心穴に設けられ該旋回軸を軸方向の両側で旋回可能に支持する第1,第2の旋回軸受とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記第1,第2の旋回軸受は、前記第1,第2の旋回スクロールから前記旋回軸の軸方向両側に加わるスラスト方向の荷重を前記回転軸に伝達することができる軸受によって構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記旋回軸は、前記第1,第2の旋回軸受の間に位置する軸方向の中間部を軸方向の両側よりも小径に形成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記第1,第2の旋回軸受は円錐ころ軸受である請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記旋回軸は、前記回転軸の内周側に挿通される中間軸部と、該中間軸部の一端側に設けられ前記回転軸との間で前記第1の旋回軸受を締付けるフランジ部が配置された一側軸部と、前記中間軸部の他端側に取付けられ前記回転軸との間で前記第2の旋回軸受を締付けるフランジ部が配置された他側軸部とによって構成してなる請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記旋回軸受に軸方向の予圧を与える弾性部材を設けてなる請求項1,2,3または4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 固定スクロールと、該固定スクロールと対向して設けられモータ、補助クランクとして用いられる構造物と、前記固定スクロールと重なり合う位置に設けられ該固定スクロールとの間に圧縮室を画成する旋回スクロールと、該旋回スクロールと前記構造物との間に回転可能に配置され軸方向の両側に偏心穴を有する筒状の回転軸と、該回転軸の内周側に挿通され両端側が該回転軸から突出して前記旋回スクロールと構造物とに連結された旋回軸と、前記回転軸の各偏心穴に設けられ該旋回軸を軸方向の両側で旋回可能に支持する第1,第2の旋回軸受とを備えたスクロール式流体機械において、
    前記第1,第2の旋回軸受は、前記旋回スクロールと構造物との間で前記旋回軸の軸方向両側に加わるスラスト方向の荷重を前記回転軸に伝達することができる軸受によって構成したことを特徴とするスクロール式流体機械。
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