JP7263553B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP7263553B2
JP7263553B2 JP2021563493A JP2021563493A JP7263553B2 JP 7263553 B2 JP7263553 B2 JP 7263553B2 JP 2021563493 A JP2021563493 A JP 2021563493A JP 2021563493 A JP2021563493 A JP 2021563493A JP 7263553 B2 JP7263553 B2 JP 7263553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
scroll compressor
scroll
thrust plate
orbiting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021563493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021117137A5 (ja
JPWO2021117137A1 (ja
Inventor
具永 小山田
雅嗣 近野
裕一 柳瀬
遼太 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Original Assignee
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc filed Critical Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Publication of JPWO2021117137A1 publication Critical patent/JPWO2021117137A1/ja
Publication of JPWO2021117137A5 publication Critical patent/JPWO2021117137A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7263553B2 publication Critical patent/JP7263553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

本発明は、HFC系の冷媒、自然系の冷媒である空気や二酸化炭素、その他の圧縮性ガスを取扱うスクロール圧縮機に係り、特に、旋回スクロールの背面に設けた旋回軸受とフレームに設けた主軸受にすべり軸受を用いるスクロール圧縮機に関する。
空調機器等の性能向上及び省エネルギー消費化のため、スクロール圧縮機には吐出能力を広範囲に可変可能であることが求められている。吐出能力を広範囲に可変可能とするためには、スクロール圧縮機の運転速度範囲を拡大することが有効である。特に、最高運転速度を高めることにより、圧縮機の寸法を拡大せずに最大吐出能力を高めることが可能となる。これにより、小型で高能力のスクロール圧縮機を実現することが可能となる。
スクロール圧縮機の最高運転速度を高めるためには、旋回スクロールの旋回運動を支持する旋回軸受と、電動機の回転を伝達するクランク軸を支持する主軸受との軸方向の距離を短縮できる二重すべり軸受(ダブルスライドベアリング)構造が有効である。この二重すべり軸受構造とすることにより、主軸受に作用する荷重を軽減できると共に、クランク軸の変形を小さくできるため、すべり軸受の信頼性を向上することが可能になる。
この二重すべり軸受構造を有する従来のスクロール圧縮機としては、例えば特開昭59-141784号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1に記載されているスクロール圧縮機においては、揺動スクロール(旋回スクロール)を支承する上下2個のスラスト軸受を設け、その上部軸受は揺動スクロールの中心と一致して設けられ、下部軸受はクランク軸の回転中心と一致して設けられていることが記載されている。
また、前述した上下2個のスラスト軸受が、クランク軸と一体として設けられたツバ部分を介して、或いはクランク軸と別体として設けられた環状体を介して、スラスト力を支承することも記載されている。
特開昭59-141784号公報
上述した特許文献1のスクロール圧縮機においては、上から、旋回スクロール、上部のスラスト軸受、クランク軸のツバ部分(或いは環状体)、下部のスラスト軸受、フレーム(軸受支え)の摺動面の順に上下方向に配置され、各界面が摺動しながら旋回スクロール及びクランク軸を上下方向に支持している。
スクロール圧縮機においては、旋回スクロールに作用する遠心力やガス荷重、バランスウェイトに作用する遠心力等により、クランク軸はたわみ変形を生じる。特に遠心力は速度の二乗に比例して増加するため、高速運転化するとクランク軸の変形もそれに従って拡大する。このクランク軸のたわみ変形に加え、クランク軸の回転を支持する軸受(主軸受等)の隙間やミスアライメント等により、スラスト軸受の軸受面とそれと摺動するクランク軸側の摺動面とは完全なる平行を維持することは困難であり、両者は傾斜した、いわゆる片当たり状態で摺動する。片当たり状態で摺動すると、スラスト軸受の摺動面に油膜が形成され難くなると共に、傾斜方向の局部では固体接触が生じ易くなるため、摩耗が進行し易い課題がある。
本発明の目的は、クランク軸の変形や傾斜等により、クランク軸を上下方向に支持するスラスト軸受の摺動界面が片当たり状態になっても、摩耗を低減できるスクロール圧縮機を得ることにある。
本発明の他の目的は、製造コストを低減でき、油溝位置が調整可能で、主軸受の軸受隙間も適切に維持できるスクロール圧縮機を得ることにある。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、密閉容器と、前記密閉容器に固定されたフレームと、前記密閉容器内に設けられ、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有する固定スクロールと、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有し、前記固定スクロールと噛み合って圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回運動させるクランク軸を備えるスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられた旋回軸と、前記クランク軸の端部に設けられ前記旋回軸が挿入される偏心穴と、前記旋回軸と前記偏心穴との間に設けられた旋回軸受と、前記クランク軸と前記フレームとの間で且つ前記旋回軸受と軸方向にほぼ同位置に設けられた主軸受と、前記クランク軸の端部に設けられた軸スラストプレートと、前記フレームに設けられ前記軸スラストプレートと摺動して前記クランク軸に作用するスラスト力を支持するスラスト軸受と、前記軸スラストプレートにおける前記スラスト軸受と摺動する面に設けられた油溝と、を備え、前記油溝は、前記クランク軸における前記偏心穴の方向を0°としたとき、前記0°の位置からクランク軸の回転方向前方180°以内の位置に径方向に形成されていることにある。
本発明の第2の特徴は、密閉容器と、前記密閉容器に固定されたフレームと、前記密閉容器内に設けられ、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有する固定スクロールと、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有し、前記固定スクロールと噛み合って圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回運動させるクランク軸を備えるスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられた旋回軸と、前記クランク軸の端部に設けられ前記旋回軸が嵌合される偏心穴と、前記旋回軸と前記偏心穴との間に設けられた旋回軸受と、前記クランク軸と前記フレームとの間で且つ前記旋回軸受と軸方向にほぼ同位置に設けられた主軸受と、前記クランク軸の端部に設けられた軸スラストプレートと、前記フレームに設けられ前記軸スラストプレートと摺動して前記クランク軸に作用するスラスト力を支持するスラスト軸受と、前記軸スラストプレートにおける前記スラスト軸受と摺動する面に設けられた油溝と、を備え、前記軸スラストプレートは、前記クランク軸とは別体で構成されて前記クランク軸の端部に固定されると共に、前記クランク軸の端部には前記偏心穴よりも旋回スクロール側に前記軸スラストプレートを嵌合するための穴部を備え、前記軸スラストプレートの内径側には前記クランク軸の穴部内周面と嵌合する凸部を有し、前記凸部の位置と前記主軸受の位置は、クランク軸の軸方向に重複しない位置となるように構成されていることにある。
上記第1の特徴を有する本発明によれば、クランク軸の変形や傾斜等により、クランク軸を上下方向に支持するスラスト軸受の摺動界面が片当たり状態になっても、摩耗を低減できるスクロール圧縮機を得ることができる効果がある。
また、上記第2の特徴を有する本発明によれば、製造コストを低減でき、油溝位置が調整可能で、主軸受の軸受隙間も適切に維持できるスクロール圧縮機を得ることができる効果が得られる。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図。 図1に示すクランク軸の頂部付近の要部拡大断面図。 図2に示す軸スラストプレートを下方から見た斜視図。 図1に示すクランク軸の上部を下方から見た斜視図。 図2に示す軸スラストプレートの変形例1を示す図で図3に相当する図。 図2に示す軸スラストプレートの変形例2を示す図で図3に相当する図。 図2に示す軸スラストプレートの変形例3を示す図で、軸スラストプレートを上方から見た斜視図。 図7に示す軸スラストプレートを用いたスクロール圧縮機を示す図で、図2に相当する図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例2を示す縦断面図。 図9に示すクランク軸の頂部付近の要部拡大断面図。
以下、本発明のスクロール圧縮機の具体的実施例を図面に基づいて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を図1~図4を用いて詳細に説明する。図1は本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図、図2は図1に示すクランク軸の頂部付近の要部拡大断面図、図3は図2に示す軸スラストプレートを下方から見た斜視図、図4は図1に示すクランク軸の上部を下方から見た斜視図である。
まず、図1を用いて、本実施例1のスクロール圧縮機の全体構成を説明する。本実施例におけるスクロール圧縮機は、密閉容器内の圧力差を利用して潤滑油を摺動部に供給する差圧給油方式となっている。
スクロール圧縮機1は、圧縮機構部2と駆動部3を密閉容器4内に収納して構成されている。前記圧縮機構部2は、固定スクロール21、旋回スクロール22、前記密閉容器4に固定されたフレーム23及び前記旋回スクロール22の自転防止機構を構成するオルダム継手24等から構成されている。
前記固定スクロール21は、端板21aと該端板21aに垂直に立設された渦巻状のラップ(固定ラップ)21bを有し、且つ前記ラップ21bの中央部には吐出口21cが形成され、前記フレーム23に複数のボルト25により固定されている。
前記旋回スクロール22は、端板22aと、該端板22aに垂直に立設する渦巻状のラップ(旋回ラップ)22bを有し、前記端板22aの反ラップ側(背面側)の中央には概略円筒状の旋回軸22cが突出して設けられている。
前記固定スクロール21と前記旋回スクロール22を噛合わせることにより圧縮室26が形成され、旋回スクロール22が旋回運動することにより前記圧縮室26の容積が減少して圧縮動作が行なわれる。この圧縮動作では、旋回スクロール22の旋回運動に伴って、冷媒ガス等の作動流体が吸込口5から圧縮室26へ吸込まれ、吸込まれた作動流体は圧縮行程を経て固定スクロール21の吐出口21cから密閉容器4内の吐出空間6に吐出される。
吐出空間6に吐出された作動流体は、その後前記固定スクロール21の端板21a外周面及び前記フレーム23の外周面にそれぞれ形成されている流路(図示せず)を通過して前記駆動部3が配置されている空間7に流入し、更に吐出管8を介して密閉容器4内から冷凍サイクル等に吐出される。このように構成されていることにより、密閉容器4内の空間は概略吐出圧力に保たれている。
前記旋回スクロール22を旋回運動させる前記駆動部3は、密閉容器4に固定されているステータ31a及びロータ31bを備える電動機31、前記ロータ31bの中心に固定されて一体で回転し、前記旋回スクロール22を駆動するクランク軸32等により構成されている。
前記クランク軸32の端部を支持する主軸受27が前記フレーム23の内周面に設けられている。また、前記クランク軸32の端部には前記旋回スクロール22の旋回軸22cが挿入される偏心穴32bが設けられており、前記旋回軸22cと前記偏心穴32bとの間には旋回軸受28が設けられている。本実施例のスクロール圧縮機1は、前記主軸受27と前記旋回軸受28とが軸方向にほぼ同位置に設けられている二重すべり軸受構造に構成されている。軸方向にほぼ同位置であるとは、旋回軸受28の8割以上または全部が主軸受27の軸方向の位置と同じであることを意味する。
また、本実施例では、前記クランク軸32の上端部側は大径の主軸部32aに構成されており、この主軸部32aを前記主軸受27で回転支持している。また、前記クランク軸32の下端部側は副軸受9により回転支持されている。前記副軸受9は副軸受ハウジング10に設けられ、前記副軸受ハウジング10は密閉容器4に固定された副フレーム11に固定されている。
前記クランク軸32を回転自在に支持している前記主軸受27と前記副軸受9は、前記電動機31に対し、圧縮機構部2側と、密閉容器4の底部に設けられた油溜り部12側とにそれぞれ配置されている。
前記偏心穴32bは、前記主軸部32aに形成され、前記旋回スクロール22側に開口している。この偏心穴32bに前記旋回スクロール22の旋回軸22cが旋回軸受28を介して挿入されている。
前記クランク軸32が回転すると前記偏心穴32bが旋回運動し、これに伴い旋回スクロール22がオルダム継手24の働きで自転することなく旋回運動を行う。前記旋回軸22cは前記偏心穴32bに対し、軸方向に移動可能で且つ回転自在に係合している。
前記オルダム継手24は、旋回スクロール22とフレーム23などにより形成される背圧室29に配設され、旋回スクロール22とフレーム23に設けられているキー溝に係合して、旋回スクロール22の自転防止機構の役割を果たしている。即ち、前記オルダム継手24には直交する2組のキーが設けられており、1組がフレーム23に形成したキー溝を滑動し、残りの1組が旋回スクロール22の背面に形成したキー溝を滑動するように構成されている。
前記クランク軸32の下端部には給油パイプ32cが設けられ、油溜り部12の油を差圧で汲み上げてクランク軸32の中心に形成されている給油通路32dに供給するように構成されている。
次に、本実施例1のスクロール圧縮機におけるクランク軸32の頂部付近(主軸部32a付近)の構成を図2により詳細に説明する。図2は図1に示すクランク軸の頂部付近の要部拡大断面図である。
図2に示すように、クランク軸32の主軸部32aはフレーム23の内周側に設けた主軸受27に回転自在に支持されて摺動する。前記主軸部32aの内周側には上部に開口する偏心穴32bが主軸部32aの中心(クランク軸32の中心)に対して偏心した位置に形成されており、この偏心穴32bには、旋回スクロール22の旋回軸22cと、該旋回軸22cに固定された旋回軸受28が挿入されている。従って、前記偏心穴32bに対し前記旋回軸受28が摺動することにより、前記旋回軸22cは前記偏心穴32bに対して回転自在に係合している。これにより、クランク軸32の回転運動に伴い、旋回スクロール22が旋回運動するように構成されている。
本実施例では、前記クランク軸32の端部には、前記フレーム23に設けたスラスト軸受13と摺動して前記クランク軸32に作用するスラスト力を支持する軸スラストプレート14が固定されている。
この構成を具体的に説明する。前記クランク軸32の主軸部32aの端部には、前記偏心穴32bよりも旋回スクロール22側に、前記軸スラストプレートを嵌合するための浅い円形の穴部32eが形成されている。一方、前記軸スラストプレート14は前記スラスト軸受13と摺動してスラスト力が作用する円板部14aと、この円板部14aの内周側に設けられ軸方向に突出して前記穴部32eの内周面と嵌合する円筒状の凸部14bが設けられている。
このように構成し、前記凸部14bを前記穴部32eに圧入等の手段で嵌合させることにより、前記軸スラストプレート14をクランク軸32の頂部に固定することができる。前記軸スラストプレート14の円板部14a下面はフレーム23に設けられている前記スラスト軸受13と摺動し、これにより前記クランク軸32に作用するスラスト力は軸スラストプレート14を介して前記スラスト軸受13で支持される。
また、本実施例では、前記凸部14bの位置(嵌合部の位置)と前記主軸受27(及び前記旋回軸受28)の位置は、クランク軸の軸方向(延伸方向)に重複しない位置、即ち、前記凸部14bを前記主軸受27に対し軸方向にずらした位置となるように構成されている。
前記凸部14bと前記穴部32eとの嵌合部においては、クランク軸32が内側の軸スラストプレート14の凸部14bにより径方向に押されて径方向に膨張変形することがある。しかし、本実施例のように、クランク軸32と軸スラストプレート14の嵌合部の位置を、主軸受27及び旋回軸受28に対し軸方向にずらし、前記凸部14bの位置と前記主軸受27の位置を、クランク軸の軸方向に重複しない位置とすることにより、主軸受27や旋回軸受28において軸受隙間が変化するのを防止することができる。従って、前記主軸受等における軸受隙間を適切に維持できる効果が得られる。
即ち、本実施例では、クランク軸32の端部に、前記偏心穴32bよりも旋回スクロール側に軸スラストプレートを嵌合するための穴部32eを備え、前記軸スラストプレート14の内径側には前記クランク軸32の穴部32e内周面と嵌合する凸部14bを有し、前記凸部14bは主軸受27に対し軸方向に沿って重複しない位置に配設される構成としている。従って、軸スラストプレート14をクランク軸32の端部に圧入等で嵌合しても、主軸受27に対面するクランク軸32の外径が大きくなって軸受隙間が小さくなることを防止でき、適切な軸受隙間を維持できる効果が得られる。
前記クランク軸32の内部には給油通路32dが設けられている。スクロール圧縮機1の運転中において、油溜り部12の圧力は概略吐出圧力に保たれ、潤滑油は油溜り部12から給油通路32dを通じて主軸部32aの方向に吸い上げられ、偏心穴32bに到達する。潤滑油は、その後旋回軸受28の部分の隙間を通過して主軸部32aの上端部側に達した後、軸スラストプレート14に設けられている油溝14c等を通過し、主軸受27と主軸部32aの隙間を通過して最終的には前記フレーム23と前記旋回スクロール22等で形成されている前記背圧室29に流出する。
前記背圧室29は圧縮室26と一部が連通しており、圧縮機運転中は前記背圧室29の圧力は吐出圧力以下になっている。従って、偏心穴32bに到達した潤滑油は、前記旋回軸受28の摺動界面、前記スラスト軸受13と前記軸スラストプレート14との摺動界面、前記主軸受27の摺動界面を潤滑し、前記主軸受27の下部に形成されている油孔27a及び前記フレーム23に形成されている油孔23aを通って前記背圧室29に流れる。背圧室29に流入した潤滑油はオルダム継手24の摺動部等を潤滑した後、前記圧縮室26側に流れる。
なお、前記フレーム23と前記旋回スクロール22との間をシールするためにシール15が設けられており、このシール15の部分から潤滑油が背圧室29へ流出するのを制限している。
次に、前記軸スラストプレート14の具体的構成を、図3を用いて説明する。図3は図2に示す軸スラストプレート14を下方から見た斜視図である。この図3に示すように、軸スラストプレート14は、前記スラスト軸受13との摺動面を有する円板部14aと、クランク軸32端部の穴部32eと嵌合する円筒状の凸部14bを備えている。また、前記円板部14aの摺動面には、円板部14aの外周面と前記スラスト軸受13の内周側に形成されている空間とを連通するように、油溝14cが径方向に形成されている。即ち、前記油溝14cは、前記スラスト軸受13と前記軸スラストプレート14とのスラスト摺動界面を横切り、この摺動界面の外周側と内周側を連通して、潤滑油を前記円板部14aの外周側から前記主軸受27の方へ流すように構成されている。
前記油溝14cの好ましい位置について図4を用いて説明する。図4は図1に示すクランク軸の上部を下方から見た斜視図であり、軸スラストプレート14を固定しているクランク軸32の部分の図である。図4において、32fはクランク軸32の主軸部32aの外周面に軸方向に設けた平面カット部、18は前記クランク軸32におけるロータ31bの上部側に取り付けられたバランスウェイトである。
クランク軸32には、前記圧縮室26におけるガス圧縮荷重と、前記旋回スクロール22や前記バランスウェイト18等の遠心力が作用する。このため、クランク軸32は、偏心穴32bの方向を0°としたとき、この0°の位置から回転方向に対して後方側(逆回転方向)に90°の方向までの位置のいずれかの方向に傾斜した姿勢をとる。
図4に示す例では、前記平面カット部32fは主軸部32a外周面における偏心方向(クランク軸32の中心から偏心穴32bが設けられている方向)に設けられている。前記油溝14cも前記偏心方向に設けられており、クランク軸32に設けられている平面カット部32fと周方向に関して同位置に配設されている。
前記油溝14cや平面カット部32fは、図4に示す偏心方向に設けるものには限られず、スクロール圧縮機1が高速回転している高負荷時のクランク軸32の傾斜方向を基準にして決めると良い。即ち、クランク軸32の傾斜方向における前記スラスト軸受13の摺動界面に片当たりが発生し易いので、この片当たり部分における油膜形成を促進して傾斜方向の油膜圧力を保持するようにする。このため、クランク軸32の傾斜方向には前記油溝14cを設けず、傾斜方向からせん断油流の上流側に前記油溝14cを設けることが好ましい。
前記油溝14cを設ける位置について詳しく説明する。クランク軸32の主軸部において、偏心穴32bの偏心方向を0°としたとき、この0°の位置から回転方向に対し後方側(回転角度がマイナスの方向)に90°(-90°)までの位置はクランク軸32が傾斜する方向となる。即ち、クランク軸32の傾斜方向は、回転速度に応じて前述した0°の位置から-90°の位置までの範囲で変化する。
具体的に説明すると、低速回転時はクランク軸32の傾斜方向は、圧縮室26のガス荷重による影響が大きく、クランク軸32は-90°の方向に傾斜する。回転速度が上昇するに連れ、旋回スクロール22やバランスウェイト18の遠心力による影響が大きくなり、クランク軸32の傾斜方向は回転速度が上昇するほど前述した0°の位置の方向に近づく。
前記軸スラストプレート14についても、前記クランク軸32の傾斜に伴い同方向に傾斜した姿勢で、フレーム23に設けたスラスト軸受13と摺動する。
前記油溝14cを、クランク軸32の傾斜方向に対して上流側(回転方向の前方側)に1個以上設けることにより、クランク軸32の傾斜方向に油膜圧力保持面(油膜圧力が発生する部分)を確保することができると共に、前記油圧圧力保持面に潤滑油を流入し易くできる。
即ち、軸スラストプレート14の円板部14aの摺動面に前記油溝14cを設けていることにより、軸スラストプレート14に流れた潤滑油は前記油溝14cの部分を優先的に流れるので、ここを通過する潤滑油が、スラスト軸受13の摺動界面におけるせん断油流によって、クランク軸32の傾斜方向であるスラスト軸受13の片当たり部分に流入しやすくなり、前記片当たり部分の油膜形成が促進される。これにより前記片当たり部分に発生しやすい固体接触を減少させることができ、また、摩擦発熱による温度上昇も低減できるので、スラスト軸受13の摺動面における摩擦損失や摩耗を低減することができる。
また、軸スラストプレート14をクランク軸32の上端部に固定し、前記軸スラストプレート14の円板部14aの摺動面に前記油溝14cを配置することにより、クランク軸32の傾斜に伴い、軸スラストプレート14とスラスト軸受13との隙間は変動するが、前記油溝14cの断面積を十分に大きく確保することにより、クランク軸32が傾斜しても、前記軸スラストプレート14の摺動面及び前記主軸受27側に流れる潤滑油量の変動を小さく抑えることができるから、安定した給油が可能となる。
前記油溝14cの好ましい位置について、具体的に説明する。偏心穴32bの方向を0°としたとき、回転方向前方側に0°~270°の位置に前記油溝14cを設ければ、スクロール圧縮機1の運転時のクランク軸32の傾斜方向に油膜圧力保持面を形成することができる。ここで、前記油溝14cの位置に対し、前記クランク軸32の傾斜方向が、回転方向後方に向かって遠いほど前記油溝14cに供給された潤滑油がクランク軸の傾斜方向の部分(片当たり部分)に流入する効果が小さくなる。このため、前記油溝14cは、偏心穴32bの方向を0°としたとき、回転方向前方に0°~180°(更に好ましくは0°~90°)の位置に設けると、運転時におけるクランク軸32の傾斜方向の片当たり部分での油膜圧力保持効果をより向上させることができる。
また、前記油膜圧力保持面の範囲をクランク軸32の傾斜方向から±90°の範囲に確保すると、油膜圧力が発生する範囲を充分に確保できるので、この範囲に前記油溝14cや平面カット部32fが存在しないようにすることが好ましい。このため、前記油溝14cは、運転時におけるクランク軸32の傾斜方向から回転方向前方に90°~135°の範囲に設けられることが好ましい。特に、回転数可変型のスクロール圧縮機1の場合には、最も高負荷となる高速回転時でのクランク軸32の傾斜方向から回転方向前方に90°~135°の範囲に前記油溝を設けると良い。
このように本実施例によれば、前記軸スラストプレート14における前記スラスト軸受13と摺動する面に油溝14cを備え、前記油溝14cは、前記クランク軸32における前記偏心穴32bの方向を0°としたとき、前記0°の位置からクランク軸32の回転方向前方180°以内の位置に径方向に形成しているので、クランク軸32の変形や傾斜等により、クランク軸32を上下方向に支持するスラスト軸受13の摺動界面が片当たり状態になっても、摩耗を低減できるスクロール圧縮機を得ることができる。
なお、前記軸スラストプレート14に用いる材料はクランク軸32と同種の材料で構成しても良いが、軸スラストプレート14をクランク軸32よりもヤング率の小さい材料で構成することにより、クランク軸32が傾斜した際に、軸スラストプレート14が変形し易くなり、軸スラストプレート14のスラスト軸受13への片当たりを軽減できる。
また、本実施例では、前記軸スラストプレート14をクランク軸32とは別体で構成されて、スクロール圧縮機1の組立時に前記クランク軸32の端部に固定される構成としている。これにより、スクロール圧縮機1の組立時に、その機種に応じて油溝14cの位置が適切な位置になるように調整して組み立てることが可能となる。即ち、高速型のスクロール圧縮機や一定速型のスクロール圧縮機等の機種に応じて、或いは可変速型のスクロール圧縮機である場合にはその運転範囲を考慮して、それぞれに適した位置に前記油溝14cが配置されるように組み立てることができる。従って、同一の軸スラストプレート14を複数機種のスクロール圧縮機に対して採用することが可能となるから、製造コストを低減しつつ高効率で信頼性の高いスクロール圧縮機を実現できる。
このように、本実施例によれば、同一の軸スラストプレート14を複数機種のスクロール圧縮機1に採用することが可能となるから、部品数を低減して製造コストを低減しつつ、油溝14cの位置も適切な位置に調整可能となる。また、軸スラストプレート14の前記凸部14bの位置と前記主軸受27の位置を軸方向に重複しない位置としているので、主軸受27における軸受隙間も適切に維持できる。従って、性能の良いスクロール圧縮機を実現できる。
更に、前記軸スラストプレート14をクランク軸32と別体として組み立てることにより、組立時に、クランク軸32を下側からフレーム23に挿入することが可能となる。従って、スクロール圧縮機1の組立て時に、密閉容器4を反転させることなく組立てることが可能となり、圧縮機の組立て工数を低減できるから、この面からも製造コストの低減を図ることが可能となる。
(変形例1)
次に、上述した実施例1における変形例1を、図5を用いて説明する。図5は図2に示す軸スラストプレート14の変形例1を示す図で図3に相当する図である。
この変形例1において、軸スラストプレート14は、円板部14aと、凸部14bと、油溝14cを有する点では図3に示す軸スラストプレートと同じである。
この変形例1における軸スラストプレート14が図3に示すものと異なるところは、軸スラストプレート14に軸方向に貫通する貫通孔14dが設けられていることである。図3に示す例では、前記円板部14aの周方向にほぼ一定の間隔で複数の貫通孔14dを設けている。複数個の前記貫通孔14dを円板部14aに設けることにより、図2に示す旋回軸受28を潤滑した油を、旋回軸受28側から、油溝14cだけでなく前記貫通孔14dも通して主軸受27側へ流すことができる。このように、潤滑油の通路を追加確保することができるから、主軸受27側への給油量を充分に確保しつつ安定化させることができる効果が得られる。
また、本変形例1によれば、軸スラストプレート14の円板部14aに複数個の貫通孔14dを設けているので、軸スラストプレート14の剛性を下げることも可能となり、クランク軸32の傾斜時に、軸スラストプレート14が変形してスラスト軸受13に接することにより、スラスト軸受13への軸スラストプレート14の片当たりも軽減できる効果が得られる。
他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果も得られるものである。
(変形例2)
上述した実施例1における変形例2を、図6を用いて説明する。図6は図2に示す軸スラストプレートの変形例2を示す図で図3に相当する図である。
この変形例2においても、軸スラストプレート14は、円板部14aと、凸部14bと、油溝14cを有する点では図3に示す軸スラストプレートと同じである。
この変形例2における軸スラストプレート14が図3に示すものと異なるところは、軸スラストプレート14における円板部14aの摺動面側(下面)の周方向に剛性低減溝14eを設けていることである。なお、図6に示す例では、前記剛性低減溝14eを、1つの周方向溝で構成しているが、前記剛性低減溝14eを、前記円板部14aの摺動面側の周方向に複数設けられた底付き穴で構成しても良い。
本変形例2では、1つの前記剛性低減溝14eを設けたことにより、軸スラストプレート14の剛性を下げることができ、クランク軸32の傾斜時に、軸スラストプレート14が変形してスラスト軸受13に接することにより、スラスト軸受13への軸スラストプレート14の片当たりを軽減できる効果が得られる。
また、本変形例2によれば、図5に示す変形例1とは異なり、旋回軸受28側からの潤滑油が油溝14cに集中して流れ易くなるため、スラスト軸受13の摺動界面への給油を促進できる効果も得られる。
他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果も得られるものである。
(変形例3)
上述した実施例1における変形例3を、図7及び図8を用いて説明する。図7は図2に示す軸スラストプレートの変形例3を示す図で、軸スラストプレート14を上方から見た斜視図、図8は図7に示す軸スラストプレートを用いたスクロール圧縮機を示す図で、図2に相当する図である。
この変形例3においても、軸スラストプレート14は、円板部14aと、凸部14bと、油溝14cを有する点では図3に示す軸スラストプレートと同じである。
この変形例3における軸スラストプレート14が図3に示すものと異なるところを説明する。本変形例3における軸スラストプレート14は、前記凸部14bの端部(下端部)内周面に一体に取付板部14fを設けている。また、前記取付板部14fはその内周を主軸部32aに形成している前記偏心穴32bの径に合わせた形状としており、取付板部14fは全体として三日月形状に構成されている。
前記取付板部14fには、図7に示すように、複数個の取付穴14gが設けられている。前記軸スラストプレート14は、図8に示すように、前記取付板部14fを固定ねじ14hを用いてクランク軸32の端部に取り付けられている。従って、前記主軸部32aの端部には前記固定ねじ14hをねじ込むためのねじ穴も設けられている。
また、本変形例3においては、図5に示す変形例1と同様に、前記円板部14aの周方向にほぼ一定の間隔で複数の貫通孔14dも設けられている。
本変形例3によれば、軸スラストプレート14をクランク軸32の端部に固定ねじ14hにより強固に固定することができるため、スクロール圧縮機1をの信頼性を向上させることができ、長期使用に耐えうるスクロール圧縮機を得ることができる。また、本変形例3によれば、前記円板部14aの周方向に複数の貫通孔14dを設けているので、図5に示す変形例1と同様の効果も得ることができる。
他の構成は上述した実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果も得られるものである。
本発明のスクロール圧縮機の実施例2を、図9及び図10を用いて説明する。図9は本実施例2のスクロール圧縮機を示す縦断面図、図10は図9に示すクランク軸の頂部付近の要部拡大断面図である。なお、本実施例2の説明において、実施例1と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、同一部分については説明を省略し、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
図1に示す実施例1のスクロール圧縮機1は、油溜り部12の高圧圧力と、より低圧となる背圧室29との圧力差を用いて、油溜り部12の潤滑油を旋回軸受28や主軸受27等の各摺動部に供給する差圧給油方式について説明した。これに対し、本実施例2のスクロール圧縮機1は、クランク軸32の下端部に容積型ポンプ16を設けて強制給油方式としている点が実施例1とは異なる。
また、本実施例2においては、図2に示す油孔23aを設ける代わりに、フレーム23に、前記主軸受27の下部に一端側が連通する排油通路23bを設け、前記排油通路23bの他端側には図9に示すように排油パイプ17を接続して、前記主軸受27に供給された油の大部分を密閉容器4下部の油溜り部12に戻すように構成している。なお、本実施例では、前記容積型ポンプ16をトロコイドポンプにより構成しているが、これに限られるものではない。
本実施例において、他の構成は実施例1と同様であり、軸スラストプレート14の構成も図3に示すものと同様である。
このように構成することにより、スクロール圧縮機1が駆動され、クランク軸32が回転すると、クランク軸32の回転と共に前記容積型ポンプ16が作動し、油溜り部12の潤滑油は、前記容積型ポンプ16により前記クランク軸32の中心に設けた給油通路32dに供給される。ここから潤滑油はクランク軸32上端側に形成されている偏心穴32bに流入する。
偏心穴32bに流入した潤滑油は、旋回軸22cに挿入固定されている旋回軸受28の摺動界面を潤滑した後、その潤滑油の大部分は図10に示す軸スラストプレート14の円板部14a下面に形成されている油溝14c等を通り、軸スラストプレート14とスラスト軸受13との摺動界面を潤滑した後、主軸受27の摺動界面に流れる。この潤滑油は、主軸受27を潤滑した後、主軸受27の下部に形成されている油孔27a及びフレーム23に形成されている排油通路23bを通って、図9に示す前記排油パイプ17に流れ、この排油パイプ17を通過して前記油溜り部12へ排出される。
また、前記旋回軸受を潤滑後の油の一部は、フレーム23と旋回スクロール22との間に設けられているシール15を通り、背圧室29へ流出して、オルダム継手24などの摺動部を潤滑した後、圧縮室26側に流れる。
本実施例2によれば、クランク軸32で駆動される容積型ポンプ16により各摺動部への給油を行うように構成しているので、クランク軸32の回転速度が高くなるほど給油量を増加させることができ、特に、高速回転時におけるスラスト摺動界面への給油量を充分に確保できる。従って、摩擦発熱による温度上昇の低減等により、軸受摩耗を低減できるからスクロール圧縮機1の信頼性を更に向上することができる。
なお、上述した本発明の各実施例において、前記軸スラストプレート14及び前記スラスト軸受13は同種の材料で構成しても良いが、前記軸スラストプレート14及び前記スラスト軸受13における少なくとも摺動面の何れか一方に摺動性に優れた材料、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂材料、或いはそれらを含む複合材料を用いたり、焼結材、黄銅、青銅、カーボン材料などを用いても良い。このように構成することにより、スラスト軸受13の摺動界面に固体接触が生じた際の摩耗を低減することができる。
また、前記スラスト軸受13はフレーム23とは別体として前記フレーム23に取り付けるか、或いは、フレーム23をFC250(片状黒鉛鋳鉄)等の鋳鉄で構成している場合には、その一部を軸受として加工し、軸受摺動面としても良い。なお、フレーム23を構成する鋳鉄材としては、FCD(球状黒鉛鋳鉄)やCV黒鉛鋳鉄等を用いることもできる。フレーム23の構成部材そのものを軸受とする場合には、軸スラストプレート14側の摺動面を摺動性に優れた材料(樹脂、焼結材、黄銅、青銅、カーボン材料など)で構成することにより、スラスト摺動界面に固体接触が生じた際の摩耗を低減できる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
更に、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1…スクロール圧縮機、2…圧縮機構部、3…駆動部、4…密閉容器、5…吸込口、6…吐出空間、7…空間、8…吐出管、9…副軸受、10…副軸受ハウジング、11…副フレーム、12…油溜り部、13…スラスト軸受、14…軸スラストプレート、14a…円板部、14b…凸部、14c…油溝、14d…貫通孔、14e…剛性低減溝、14f…取付板部、14g…取付穴、15…シール、16…容積型ポンプ、17…排油パイプ、18…バランスウェイト、21…固定スクロール、21a…端板、21b…ラップ、21c…吐出口、22…旋回スクロール、21a…端板、22b…ラップ、22c…旋回軸、23…フレーム、23a…油孔、23b…排油通路、24…オルダム継手、25…ボルト、26…圧縮室、27…主軸受、27a…油孔、28…旋回軸受、29…背圧室、31…電動機、31a…ステータ、31b…ロータ、32…クランク軸、32a…主軸部、32b…偏心穴、32c…給油パイプ、32d…給油通路、32e…穴部、32f…平面カット部。

Claims (15)

  1. 密閉容器と、前記密閉容器に固定されたフレームと、前記密閉容器内に設けられ、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有する固定スクロールと、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有し、前記固定スクロールと噛み合って圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回運動させるクランク軸を備えるスクロール圧縮機であって、
    前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられた旋回軸と、前記クランク軸の端部に設けられ前記旋回軸が挿入される偏心穴と、前記旋回軸と前記偏心穴との間に設けられた旋回軸受と、前記クランク軸と前記フレームとの間で且つ前記旋回軸受と軸方向にほぼ同位置に設けられた主軸受と、
    前記クランク軸の端部に設けられた軸スラストプレートと、前記フレームに設けられ前記軸スラストプレートと摺動して前記クランク軸に作用するスラスト力を支持するスラスト軸受と、
    前記軸スラストプレートにおける前記スラスト軸受と摺動する面に設けられた油溝と、を備え、
    前記油溝は、前記クランク軸における前記偏心穴の方向を0°としたとき、前記0°の位置からクランク軸の回転方向前方180°以内の位置に径方向に形成され
    前記軸スラストプレートは、前記クランク軸とは別体で構成されて前記クランク軸の端部に固定されると共に、前記クランク軸の端部には前記偏心穴よりも旋回スクロール側に前記軸スラストプレートを嵌合するための穴部を備え、前記軸スラストプレートの内径側には前記クランク軸の穴部内周面と嵌合する凸部を有し、前記凸部の位置と前記主軸受の位置は、クランク軸の軸方向に重複しない位置となるように構成されている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油溝は、前記0°の位置からクランク軸の回転方向前方90°以内の位置に形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
    前記油溝は、スクロール圧縮機の運転時における前記クランク軸の傾斜方向から、回転方向前方に90°~135°の範囲に設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項3に記載のスクロール圧縮機において、
    前記スクロール圧縮機は回転数可変型であって、前記油溝は、最も高負荷となる高速回転時でのクランク軸の傾斜方向から、回転方向前方に90°~135°の範囲に設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 密閉容器と、前記密閉容器に固定されたフレームと、前記密閉容器内に設けられ、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有する固定スクロールと、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有し、前記固定スクロールと噛み合って圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回運動させるクランク軸を備えるスクロール圧縮機であって、
    前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられた旋回軸と、前記クランク軸の端部に設けられ前記旋回軸が嵌合される偏心穴と、前記旋回軸と前記偏心穴との間に設けられた旋回軸受と、前記クランク軸と前記フレームとの間で且つ前記旋回軸受と軸方向にほぼ同位置に設けられた主軸受と、
    前記クランク軸の端部に設けられた軸スラストプレートと、前記フレームに設けられ前記軸スラストプレートと摺動して前記クランク軸に作用するスラスト力を支持するスラスト軸受と、
    前記軸スラストプレートにおける前記スラスト軸受と摺動する面に設けられた油溝と、を備え、
    前記軸スラストプレートは、前記クランク軸とは別体で構成されて前記クランク軸の端部に固定されると共に、前記クランク軸の端部には前記偏心穴よりも旋回スクロール側に前記軸スラストプレートを嵌合するための穴部を備え、前記軸スラストプレートの内径側には前記クランク軸の穴部内周面と嵌合する凸部を有し、前記凸部の位置と前記主軸受の位置は、クランク軸の軸方向に重複しない位置となるように構成されている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1または5に記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートは、前記スラスト軸受との摺動面を有する円板部と、前記クランク軸の端部の穴部と嵌合する円筒状の凸部を備え、前記円板部の摺動面には、該円板部の外周面と前記スラスト軸受の内周側に形成されている空間とを連通するように、前記油溝が径方向に形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項1またはに記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートには、軸方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 請求項に記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートに設けられている前記貫通孔は、周方向に複数設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  9. 請求項に記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートの前記スラスト軸受側の摺動面に周方向の剛性低減溝が設けられ、前記剛性低減溝は、1つの周方向溝または周方向に複数設けられた底付き穴で構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  10. 密閉容器と、前記密閉容器に固定されたフレームと、前記密閉容器内に設けられ、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有する固定スクロールと、端板と該端板に立設する渦巻状のラップを有し、前記固定スクロールと噛み合って圧縮室を形成する旋回スクロールと、前記旋回スクロールを旋回運動させるクランク軸を備えるスクロール圧縮機であって、
    前記旋回スクロールの反ラップ側に突出して設けられた旋回軸と、前記クランク軸の端部に設けられ前記旋回軸が挿入される偏心穴と、前記旋回軸と前記偏心穴との間に設けられた旋回軸受と、前記クランク軸と前記フレームとの間で且つ前記旋回軸受と軸方向にほぼ同位置に設けられた主軸受と、
    前記クランク軸の端部に設けられた軸スラストプレートと、前記フレームに設けられ前記軸スラストプレートと摺動して前記クランク軸に作用するスラスト力を支持するスラスト軸受と、
    前記軸スラストプレートにおける前記スラスト軸受と摺動する面に設けられた油溝と、を備え、
    前記油溝は、前記クランク軸における前記偏心穴の方向を0°としたとき、前記0°の位置からクランク軸の回転方向前方180°以内の位置に径方向に形成され、
    前記軸スラストプレートの前記スラスト軸受側の摺動面に周方向の剛性低減溝が設けられ、前記剛性低減溝は、1つの周方向溝または周方向に複数設けられた底付き穴で構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  11. 請求項に記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートには、前記凸部の端部内周面に一体に取付板部が設けられ、該取付板部はその内周を前記偏心穴の径に合わせた形状とし、前記取付板部を、固定ねじを用いて前記クランク軸の端部に取り付けていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  12. 請求項1または5に記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートは、前記クランク軸よりもヤング率の小さい材料で構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  13. 請求項1またはに記載のスクロール圧縮機において、
    前記軸スラストプレートにおける少なくとも摺動面は、樹脂材料、焼結材、黄銅、青銅、カーボン材料の何れかで構成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  14. 請求項1またはに記載のスクロール圧縮機において、
    前記密閉容器の底部には油溜り部が形成され、この油溜り部の潤滑油を、前記密閉容器内の圧力差を利用した差圧給油方式で前記偏心穴に供給することを特徴とするスクロール圧縮機。
  15. 請求項1またはに記載のスクロール圧縮機において、
    前記密閉容器の底部には油溜り部が形成され、前記クランク軸の下端部には容積型ポンプが設けられて、前記油溜り部の潤滑油を、前記容積型ポンプによる強制給油方式で前記偏心穴に供給することを特徴とするスクロール圧縮機。
JP2021563493A 2019-12-10 2019-12-10 スクロール圧縮機 Active JP7263553B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/048309 WO2021117137A1 (ja) 2019-12-10 2019-12-10 スクロール圧縮機

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2021117137A1 JPWO2021117137A1 (ja) 2021-06-17
JPWO2021117137A5 JPWO2021117137A5 (ja) 2022-06-16
JP7263553B2 true JP7263553B2 (ja) 2023-04-24

Family

ID=76329967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021563493A Active JP7263553B2 (ja) 2019-12-10 2019-12-10 スクロール圧縮機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7263553B2 (ja)
WO (1) WO2021117137A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000064972A (ja) 1998-08-25 2000-03-03 Fujitsu General Ltd スクロール圧縮機
JP2002295382A (ja) 2001-03-28 2002-10-09 Mitsubishi Electric Corp 横形スクロール圧縮機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5772415A (en) * 1996-11-01 1998-06-30 Copeland Corporation Scroll machine with reverse rotation sound attenuation

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000064972A (ja) 1998-08-25 2000-03-03 Fujitsu General Ltd スクロール圧縮機
JP2002295382A (ja) 2001-03-28 2002-10-09 Mitsubishi Electric Corp 横形スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021117137A1 (ja) 2021-06-17
JPWO2021117137A1 (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4689050B2 (ja) スクロール式機械
JP6903826B2 (ja) スクロール圧縮機における動的半径方向コンプライアンス
KR20180080885A (ko) 로터리 압축기
JP5178612B2 (ja) スクリュー圧縮機
KR20180031389A (ko) 상호 회전형 스크롤의 회전력 전달 구조 및 이를 적용한 압축기
JP7263553B2 (ja) スクロール圧縮機
JP7010202B2 (ja) 流体機械
JP5334659B2 (ja) スクリュー圧縮機
JP5864883B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6679399B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2003021084A (ja) スクロール型圧縮機
JP2007146705A (ja) スクロール圧縮機
JP4013992B2 (ja) スクロール型流体機械
JP3874018B2 (ja) スクロール型流体機械
JP3574904B2 (ja) 密閉式容積形圧縮機
EP3705723B1 (en) Scroll compressor
JPH08232873A (ja) スクロール型圧縮装置
JP3976070B2 (ja) スクロール型流体機械
JPH07208356A (ja) スクロール圧縮機
JP2012082714A (ja) スクロール圧縮機
JP7218195B2 (ja) ロータリ圧縮機
US20230228267A1 (en) Scroll compressor
US20230228270A1 (en) Rotary compressor
JP5147489B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20100058821A (ko) 편심부시 및 이를 포함하는 스크롤 압축기

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220407

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7263553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150