JPH07208356A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH07208356A
JPH07208356A JP1994A JP1994A JPH07208356A JP H07208356 A JPH07208356 A JP H07208356A JP 1994 A JP1994 A JP 1994A JP 1994 A JP1994 A JP 1994A JP H07208356 A JPH07208356 A JP H07208356A
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oil
scroll
orbiting
orbiting scroll
revolving
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JP1994A
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English (en)
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Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Kazuo Sekigami
和夫 関上
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Isamu Tsubono
勇 坪野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スラスト力支持部に安定して給油できる潤滑構
造をもった、高性能のスクロール圧縮機を提供する。 【構成】スラスト軸受のしゅう動面に円弧形状もしくは
直線形状等からなる複数の油溝21を略等ピッチで配設
することにより、旋回スクロール部材6の旋回運動によ
って最も潤滑を必要とする、しゅう動面のスラスト力支
持部に確実に潤滑油を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容積形流体機械の一種
であるスクロール圧縮機、特に軸方向荷重を支持するス
ラスト面の潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷凍・空調分野では低振動で高効
率を実現できる圧縮機としてスクロール圧縮機が注目さ
れ、実用化が図られてきている。一般にスクロール圧縮
機は、互いに偏心して組み合わされた略同一形状の渦巻
体をもつ固定スクロールと旋回スクロールからなり、旋
回スクロール部材が固定スクロール部材に対して自転せ
ずに所定の半径で旋回運動することにより、渦巻体間に
形成される複数の三日月形状の作動室の容積が縮小し、
作動流体を圧縮するものである。このような圧縮原理か
らなるスクロール圧縮機では、圧縮要素内部の流体圧に
より両スクロール部材を分離させようとする軸方向の力
(スラスト力)が常に存在し、両渦巻体の端面における
シール作用を維持しながら如何にこのスラスト力を支持
するかが課題であった。この課題の解決方法として、大
別して二つの方法が提案されている。一つは、両スクロ
ール部材のかみ合いによって発生する軸方向流体力に対
抗して旋回スクロール部材の端板背面に圧力を付与し、
旋回スクロール部材を固定スクロール部材に押し付けて
両渦巻体の端面におけるシール作用を維持するととも
に、旋回スクロール部材と固定スクロール部材の端板外
周のしゅう動部で押し付けによるスラスト力を支持する
ものである。もう一つは、旋回スクロール部材の端板背
面にスラスト軸受を配設して両スクロール部材のかみ合
いによって発生するスラスト力を支持し、両渦巻体の端
面に配設したシール手段(チップシール等)あるいは軸方
向に移動可能な従順な固定スクロール部材によってシー
ル作用を維持するものである。いずれの方法において
も、長期間安定して圧縮機の運転を継続するためには、
大きい軸方向力を処理するスラストしゅう動面の潤滑が
重要となる。特に、近年成層圏におけるオゾン層破壊が
社会問題となり、長年作動流体として使用されてきたC
FC12,HCFC22といった塩素を含むフロンが使
用できなくなり、塩素の極圧剤的な作用が期待できない
ことから潤滑設計の重要性が再認識されてきている。
【0003】従来、スクロール圧縮機のスラストしゅう
動面の潤滑構造としては、例えば、米国特許第4065279
号には旋回スクロールの背面を支える流体潤滑のスラス
ト軸受が示され、油溝を格子状あるいは放射状に設け、
油溝のピッチをD、旋回半径をRとして、R<D<2R
の条件を満足するように油溝を設けることを示してい
る。また、特開昭57−46001 号公報には旋回スクロール
部材及びこれを支える軸受部の各しゅう動面のいずれか
に、平滑になっている方のしゅう動面から測った距離が
半径方向に関して異なる面を備えた油溝を形成すること
を示している。また、特開平5−106570 号公報には旋回
スクロールをしゅう動自在に支持するスラスト部に、そ
の内周縁から外周縁に向かう螺旋状の給油溝を設けるこ
とを示している。
【0004】上記提案によれば、給油溝あるいは油溝内
に潤滑油が存在する場合には安定した潤滑が維持される
が、給油圧が不足して潤滑油の供給が不十分になるとし
ゅう動面の摩擦・摩耗が大きくなり圧縮機の信頼性上問
題となる。特に、分子中に塩素を含まない代替フロンで
は、油切れを生じた場合には著しく摩擦・摩耗が増大す
ることが明らかにされており、大きな偏荷重が働くスク
ロール圧縮機のスラストしゅう動面の安定した潤滑構造
が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はスラス
ト力支持部に安定して給油できる潤滑構造を提示し、高
性能のスクロール圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスクロール圧縮機は、スラスト軸受のしゅ
う動面に旋回スクロール部材の旋回運動によって潤滑油
を供給する、円弧形状もしくは直線形状等からなる複数
の油溝をしゅう動面に略等ピッチで配設したことを特徴
とする。
【0007】
【作用】スラスト軸受のしゅう動面に円弧形状もしくは
直線形状等からなる複数の油溝を略等ピッチで配設する
ことにより、旋回スクロール部材の旋回運動によって最
も潤滑を必要とする、しゅう動面のスラスト力支持部近
傍に確実に潤滑油を供給することが可能になる。このた
め、偏荷重を伴うスラスト軸受しゅう動面の油切れの問
題が解消し、摩擦・摩耗が低減され、性能,信頼性とも
に優れたスクロール圧縮機を提供することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の構成等を図に示す実施例によ
って詳細に説明する。
【0009】はじめに、両スクロール部材のかみ合いに
よって発生する軸方向流体力に対抗して旋回スクロール
部材の端板背面に圧力を付与し、旋回スクロール部材を
固定スクロール部材に押し付けて両渦巻体の端面におけ
るシール作用を維持するとともに、旋回スクロール部材
と固定スクロール部材の端板外周のしゅう動部で、この
押し付けによるスラスト力を支持する場合の潤滑構造に
ついて説明する。
【0010】図1は、本発明に係るスクロール圧縮機の
縦断面図、図2は、本発明における固定スクロールの油
溝形状を示す平面図、図3は、図2のBーB断面に相当
する油溝断面図、図4は、旋回スクロールに働く荷重及
びモーメント説明図、図5は、本発明における油溝の給
油動作の説明図である。図において、符号1は本発明に
係るスクロール圧縮機で、密閉容器2内に圧縮要素3と
圧縮要素3を駆動する電動要素4を収納している。圧縮
要素3は固定スクロール5,旋回スクロール6及び旋回
スクロール6の自転を阻止するオルダムリング7からな
る。固定スクロール5,旋回スクロール6は各々螺旋形
状の渦巻体5a,6aと該渦巻体が直立する端板5b,
6bより構成されている。6cは旋回スクロール6の背
面ボス部に形成された旋回軸受部、5cは固定スクロー
ル5の略中心部に形成された吐出ポートである。8は旋
回スクロール6を駆動するクランク軸で一端には電動要
素4が嵌合固定されている。9はクランク軸8を軸支す
るフレームで、軸受部9a,9bを有するとともに旋回
スクロール6の端板6b背面空間に背圧室9cが形成さ
れている。10は密閉容器2の底面部に貯留されている
潤滑油、11は吐出弁、12は吐出カバー、12aは吐
出室、13は吐出パイプ、14は吸入パイプである。9
dはフレーム9に形成された給油孔、8aはクランク軸
8内に形成された給油孔である。
【0011】スクロール圧縮機の圧縮動作は、周知のよ
うに、旋回スクロール6が固定スクロール5に対して自
転することなしに公転運動することにより行われ、吸入
パイプ14より流入した作動流体は圧縮要素3内で圧縮
され、吐出ポート5cを通って吐出室12aに入り、密
閉容器2内から吐出パイプ13を通って外部の冷凍サイ
クルに流出する。圧縮動作を効率良く行うには、圧縮要
素3内部のしゅう動隙間を効果的にシールする必要があ
り、特に、スクロール圧縮機では漏れ流路面積の大きい
各渦巻体5a,6aの端面部における隙間(軸方向隙
間)からの漏れの低減は重要である。また、スクロール
圧縮機では、圧縮要素内部の流体圧により旋回スクロー
ル6を固定スクロール5から分離させようとする軸方向
の力(スラスト力)が常に存在し、両渦巻体の端面にお
けるシール作用を維持しながら如何にこのスラスト力を
支持するかが課題であった。本発明のスクロール圧縮機
1ではこの課題の解決方法として、両スクロール部材の
かみ合いによって発生する軸方向流体力に対抗するた
め、背圧室9cと圧縮要素3内部の作動室を連通孔(図
示せず)によって連通し、旋回スクロール6の端板6b
の背面に吸入圧と吐出圧の中間の圧力を付与し、旋回ス
クロール6を固定スクロール5に押し付けて両渦巻体5
a,6aの端面におけるシール作用を維持するととも
に、旋回スクロール6と固定スクロール5の端板5b,
6b外周のしゅう動部で押し付けによるスラスト力を支
持するようになっている。
【0012】各しゅう動部の潤滑動作は次のように行わ
れる。電動要素4に通電されると、クランク軸8が回転
し、圧縮要素3内で作動流体の圧縮動作が始まり、密閉
容器2内は吐出圧力に、背圧室9c内は吐出圧力よりも
低い中間圧力の状態になる。密閉容器2の底面部に貯留
されている潤滑油10は、この吐出圧力と中間圧力の差
圧によってフレーム9に形成された給油孔9dを通って
引き上げられ、クランク軸8を軸支するフレーム9の軸
受部9a,9bに供給される。また、潤滑油10の一部
はクランク軸8内に形成された給油孔8aを通って旋回
スクロール6の背面ボス部に形成された旋回軸受部6c
に供給される。各軸受部に供給された潤滑油10は、背
圧室9c内に流入してオルダムリング7のしゅう動部な
らびにスラスト力を受ける旋回スクロール6と固定スク
ロール5の端板5b,6b外周のしゅう動部に供給さ
れ、最後に、圧縮要素3内に入って内部を潤滑・シール
し、圧縮された作動流体とともに密閉容器2内に吐出さ
れて分離され、底面部に再び貯留される。上記した潤滑
油の循環サイクルにより安定した圧縮動作が継続され
る。
【0013】ここで、本発明の特徴であるスラスト力を
支持する固定スクロール5の端板5bの外周しゅう動部
に形成された油溝形状を図2,図3により説明する。図
において、20は環状の給油溝、21はこの環状給油溝
20に一端が開口した円弧形状の油溝で、しゅう動面に
略等ピッチで複数個配設され、各円弧状油溝21の円弧
の中心は固定スクロール5の中心Ofから偏った位置に
あり、全体として旋回スクロールの旋回運動方向と同方
向の螺旋形状を呈している。22は吸入ポートである。
環状給油溝20と円弧状油溝21のB−B断面形状は図
3のようになり、環状給油溝20の深さをH、円弧状油
溝21の深さをhとしたとき、両者の関係はH≧hにな
っており、差圧によって各軸受部に供給された潤滑油1
0は背圧室9c内に流入した後、旋回スクロール6の端
板6bの外側の空間に入り、環状給油溝20に溜った潤
滑油は旋回運動によって円弧状油溝21を通ってスラス
ト力を受ける旋回スクロール6と固定スクロール5の端
板6b,5b外周のしゅう動部の中でも最も潤滑を必要
とする、スラスト力支持部近傍に確実に供給される。
【0014】次に、このスラスト力支持部の位置と円弧
状油溝21の給油動作について、図4,図5により説明
する。図4は、旋回スクロールに働く荷重及びモーメン
トの説明図、図5は、本発明の特徴である円弧状油溝の
給油動作の説明図で、図4におけるC−C断面に相当す
る。旋回スクロール6には作動流体の圧縮にともない図
4に示すような荷重及びモーメントが作用する。図にお
いて、符号Ftは渦巻体高さの中央に働く圧縮要素の内
圧による接線方向流体力、Faは圧縮要素の内圧による
端板面に直角な軸方向流体力、Fbは背圧室9cの圧力
による軸方向流体力、Rjは旋回スクロール6を駆動す
る際に働く旋回軸受反力、RkはFbとFaの差で表わ
される旋回スクロール6の正味スラスト力の支持部反力
である。尚、荷重としてはここに記した以外に旋回運動
による旋回スクロール6の遠心力や圧縮要素の内圧によ
って紙面に直角な半径方向流体力が働くが、これらの値
は比較的小さいため省略している。ここで、接線方向流
体力Ftと旋回軸受反力Rjとの作用点が軸方向に離れ
ており、力の方向が正反対のため旋回スクロールにはモ
ーメントMが発生する。このモーメントMにより旋回ス
クロールは傾けられ(傾き角α)、力とモーメントの釣
合いからスラスト力支持部はクランク軸の偏心方向(固
定スクロール中心Ofと旋回スクロール中心Omを結ぶ
方向)から約90度位相が進んだ位置Eにあり、この位
置でスラスト荷重Rkを受けることになる。このスラス
ト力支持部Eは、旋回スクロールの旋回運動の進行にと
もなってスラストしゅう動面上を回転移動するが、クラ
ンク軸の偏心方向との位相関係は略上記関係が保たれ
る。従って、油切れを防止するには常にスラスト力支持
部Eの近傍に潤滑油を供給してやる必要がある。本発明
の円弧状油溝21は、図5に示すように、偏心方向Dか
ら始まり約90度位相が進んだスラスト力支持部Eまで
略円弧形状の油供給通路が形成されているため、旋回ス
クロール6の旋回運動によって円弧状油溝21に潤滑油
の粘性によるポンプ作用が働き、矢印で図示するように
油が運ばれて、潤滑の最も必要なスラスト力支持部Eの
近傍に常に潤滑油を供給することが出来る。これによ
り、偏ったスラスト荷重が作用するしゅう動面の油切れ
の問題が解消し、摩擦・摩耗が低減され、性能に優れた
スクロール圧縮機を提供することができる。
【0015】図6,図7は、本発明の他の実施例を示す
固定スクロールの油溝形状の平面図である。図6におい
て、23は環状給油溝20に一端が開口した直線形状の
油溝で、しゅう動面に略等ピッチで複数個配設され、各
々の油溝が連通するように構成されている。このような
直線状油溝23にも、図2に示した円弧状油溝21と同
様に旋回スクロール6の旋回運動によって直線状油溝2
3に潤滑油の粘性によるポンプ作用が働き、潤滑の最も
必要なスラスト力支持部の近傍に常に潤滑油を供給して
やることが出来る。図7は、図6と同様の直線状油溝2
4だが環状給油溝20に開口している部分の溝幅を拡大
し、潤滑油の供給の促進を図ったものである。尚、ここ
ではスラスト力支持部の近傍に潤滑油を供給してやる油
溝形状を示したが、流体潤滑による油圧発生を促進する
テーパランド部等をこれらの油溝に併設してもよい。
【0016】以上は、固定スクロールの端板しゅう動部
に形成する油溝形状について説明したが、同等の機能は
このしゅう動部に相対する旋回スクロールの端板しゅう
動部に油溝を形成しても実現することができる。図8
は、本発明における旋回スクロールの油溝形状を示す平
面図、図9は、図8のF−F断面図である。図におい
て、25は旋回スクロール6の端板6b外周しゅう動部
に形成された円弧状油溝で、しゅう動面に略等ピッチで
複数個配設され、各円弧状油溝25の円弧の中心は旋回
スクロール6の中心Omから偏った位置にある。固定ス
クロール5に形成された円弧状油溝21との相違は、旋
回スクロール6の円弧状油溝25では運動側の油溝にな
るため固定側とは逆方向に潤滑油の粘性によるポンプ作
用が働き、固定スクロール5に形成された円弧状油溝2
1とは逆方向になっている点で、図示するように、全体
として旋回運動方向と反対方向の螺旋形状を呈してい
る。このように旋回スクロール6に円弧状油溝25を形
成しても旋回スクロール6の旋回運動によって最も潤滑
を必要とする、しゅう動面のスラスト力支持部に確実に
潤滑油を供給することが可能になる。このため、偏荷重
を伴うスラスト軸受しゅう動面の油切れの問題が解消
し、摩擦・摩耗が低減され、性能に優れたスクロール圧
縮機を提供することができる。
【0017】次に、スクロール圧縮機におけるスラスト
力を支持するもう一つの方法である、旋回スクロール部
材の端板背面にスラスト軸受を配設して両スクロール部
材のかみ合いによって発生するスラスト力を支持する場
合のしゅう動面の潤滑構造について説明する。図10
は、旋回スクロールの端板背面でスラスト力を支持する
場合に働く荷重及びモーメントの説明図、図11は、本
発明におけるもう一つの実施例を示す油溝の給油動作説
明図で、図10におけるGーG断面に相当する。図にお
いて、26は旋回スクロール6の端板6b背面部に配設
された環状のスラスト軸受で、スラスト軸受26で作動
流体の圧縮にともなう軸方向流体力を受けることにな
る。Raはスラスト軸受26からの反力である。26a
はスラスト軸受26のしゅう動面に形成された円弧状油
溝である。図から明らかなように、スラスト軸受26で
支持する場合もモーメントMにより旋回スクロールは傾
けられるが(傾き角α)、力とモーメントの釣合いから
スラスト力支持部Eはクランク軸の偏心方向Dから、こ
れまでとは反対に約90度位相が遅れた位置になる。ま
た、軸受しゅう動部を潤滑した油はスラスト軸受26の
内周側に溜るようになる。従って、旋回スクロール6の
旋回運動によって円弧状油溝26aに潤滑油の粘性によ
るポンプ作用が働き、破線矢印で図示するようにスラス
ト軸受26の内周側から潤滑の最も必要なスラスト力支
持部Eの近傍に常に潤滑油を供給してやることができる
ため、性能,信頼性の優れたスクロール圧縮機を提供す
ることができる。
【0018】本発明の他の実施例を図12に示す。図1
2は、本発明のスクロール圧縮機を適用した冷凍サイク
ル構成を示している。この冷凍サイクルは、本発明のス
クロール圧縮機1,凝縮器30,膨張弁31,蒸発器3
2から構成されている。また、本発明のスクロール圧縮
機1は、前述したように、スラスト軸受のしゅう動面に
旋回スクロール部材の旋回運動によって潤滑油を供給す
る円弧形状もしくは直線形状等からなる複数の油溝をし
ゅう動面に略等ピッチで配設した潤滑構造となってい
る。
【0019】このように構成されたスクロール圧縮機に
おいて、圧縮要素3内で冷媒の圧縮作用が行われ、圧縮
された高温・高圧の冷媒は矢印のように吐出パイプ13
から凝縮器30に流入し、熱交換を行って液化し、膨張
弁31で絞られて断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発
器32により熱交換してガス化された後、吸入パイプ1
4を経てスクロール圧縮機1の圧縮要素3に吸入され
る。この冷凍サイクルは、冷凍あるいは冷房専用のサイ
クルであるが、本発明のスクロール圧縮機を搭載してい
るので、大きな偏荷重が働くスラストしゅう動面の油切
れの問題が解消され、作動流体として分子中に塩素を含
まない代替フロンを使用した場合でも、圧縮機の機能を
確保することができる。これにより、エネルギ効率に優
れた冷凍・空調システムが得られる。
【0020】これまでに述べた実施例では、主に冷凍・
空調システムに用いられるスクロール圧縮機を例に挙げ
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、これ以外にスクロール型の膨張機,ポンプ等にも適
用することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、旋回スクロール部材の
旋回運動によって最も潤滑を必要とする、スラストしゅ
う動面の荷重支持部に確実に潤滑油を供給することが可
能になる。このため、偏荷重を伴うスラスト軸受しゅう
動面の油切れの問題が解消し、摩擦・摩耗が低減され
る。
【0022】以上により、性能,信頼性ともに優れたス
クロール圧縮機を提供することができる。このようなス
クロール圧縮機を冷凍サイクルに搭載することにより、
エネルギ効率に優れた冷凍・空調システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスクロール圧縮機の縦断面図。
【図2】本発明における固定スクロールの油溝形状を示
す平面図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】旋回スクロールに働く荷重及びモーメントの説
明図。
【図5】本発明における油溝の給油動作の説明図。
【図6】本発明の他の実施例を示す固定スクロールの油
溝形状の平面図。
【図7】本発明の他の実施例を示す固定スクロールの油
溝形状の平面図。
【図8】本発明における旋回スクロールの油溝形状を示
す平面図。
【図9】図8のF−F断面図。
【図10】旋回スクロールの端板背面でスラスト力を支
持する場合に働く荷重及びモーメントの説明図。
【図11】本発明におけるもう一つの実施例を示す油溝
の給油動作の説明図。
【図12】本発明におけるスクロール圧縮機を適用した
冷凍サイクルの説明図。
【符号の説明】
1…スクロール圧縮機、2…密閉容器、3…圧縮要素、
4…電動要素、5…固定スクロール、5a…固定渦巻
体、5b…固定端板、5c…吐出ポート、6…旋回スク
ロール、6a…旋回渦巻体、6b…旋回端板、6c…旋
回軸受部、7…オルダムリング、8…クランク軸、8a
…給油孔、9…フレーム、9a、9b…軸受部、9c…
背圧室、9d…フレーム給油孔、10…潤滑油。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪野 勇 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された固定スクロール部材と旋回スクロール部材が前記
    渦巻体を内側に向けた状態で互いにかみ合い、前記旋回
    スクロール部材が前記固定スクロール部材に対して自転
    せずに所定の半径で旋回運動することにより作動流体を
    圧縮し、前記両スクロール部材のかみ合いによって発生
    する軸方向流体力に対抗して前記旋回スクロール部材の
    端板背面に圧力を付与するものにおいて、前記固定スク
    ロール部材もしくは前記旋回スクロール部材の端板しゅ
    う動面に前記旋回スクロール部材の旋回運動によって端
    板外周部から内側の荷重支持点の近傍に潤滑油を供給す
    る油溝を形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
JP1994A 1994-01-04 1994-01-04 スクロール圧縮機 Pending JPH07208356A (ja)

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JP1994A JPH07208356A (ja) 1994-01-04 1994-01-04 スクロール圧縮機

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100458161C (zh) * 2004-11-30 2009-02-04 日立空调·家用电器株式会社 涡旋式压缩机
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