JPH10259701A - 容積型流体機械 - Google Patents

容積型流体機械

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JPH10259701A
JPH10259701A JP9066075A JP6607597A JPH10259701A JP H10259701 A JPH10259701 A JP H10259701A JP 9066075 A JP9066075 A JP 9066075A JP 6607597 A JP6607597 A JP 6607597A JP H10259701 A JPH10259701 A JP H10259701A
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displacer
wall
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Shiyunichi Mitsuya
俊一 三津谷
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Koichi Inaba
恒一 稲場
Hiroaki Hatake
裕章 畠
Kenji Tojo
健司 東條
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/04Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents of internal-axis type

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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 前記旋回ピストン側壁面と前記シリンダ内壁面で複数の
作動室が形成されるように構成し、どうのような動作状
態においてもこれら作動室のうち前記作動流体を吸入す
る空間の間に前記作動流体を圧縮(吐出)する空間が形
成され、前記作動室と連通し前記旋回ピストンを軸方向
から挟み込む端板に形成した吸込口または吐出口と対向
する端板のそれぞれの部位に穴部を備えることにより、
作動室内部の圧力バランスを安定させるとともに吐出行
程時の流体損失を大幅に低減でき、高効率、高信頼性な
容積型流体機械を提供する。 【課題】旋回ピストン壁面とシリンダ内壁面で複数の作
動室が形成されるように構成された容積型流体機械にお
いて、作動室内部のピストン上下端に作用する圧力分布
がアンバランスになり旋回ピストンの不安定挙動が発生
し信頼性が低下するという課題を解決した容積型流体機
械を提供すること。 【解決手段】吸込口ならびに吐出口に対向する部位に穴
部を設けることにより達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ、圧
縮機、膨張機等に係り、特に容積型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積形の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械、円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械、端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が軸回転角
で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるため圧力
損失の増加による性能低下という問題、及び、ピストン
を往復させる運動を必要とするため回転軸系を完全にバ
ランスさせることができず振動や騒音が大きいという問
題がある。
【0004】また、ロータリ式流体機械は、吸入終了か
ら吐出終了までの行程は軸回転角で360°であるため
吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシプロ式
流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐出する
ものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大きくレ
シプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】さらに、スクロール式流体機械は、吸入終
了から吐出終了までの行程が軸回転角で360°以上と
長い(空調用として実用化されているものは通常900
°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、かつ、一般
に複数の作動室が形成されるためガス圧縮トルクの変動
も小さく振動及び騒音が小さいという利点がある。しか
し、ラップ噛み合い状態での渦巻状のラップ間のクリア
ランスや、端板とラップ歯先間のクリアランスの管理が
必要で、そのために精度の高い加工を施さねばならず加
工費用が高価になるという問題がある。また、吸入終了
から吐出終了までの行程が軸回転角で360°以上と長
いため圧縮過程の時間が長く内部漏れが増加するという
問題があった。
【0006】ところで、作動流体を移動させるデイスプ
レ−サ(旋回ピストン)が作動流体が吸入されたシリン
ダに対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公
転運動、すなわち旋回運動することにより作動流体を搬
送する容積型機械の一種が特開昭55−23353号公
報に提案されている。ここに提案されている容積型流体
機械は、複数の部材(ベーン)が中心より放射状に延び
ている花びら形状を有するピストンと、このピストンの
中心シリンダの中心を一致させたとき、ピストン外周と
シリンダ内周との間に旋回半径分の隙間が形成されるよ
うな中空部を有するシリンダとから構成され、このピス
トンがこのシリンダ内を旋回運動することによって、作
動流体を移動させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭55−23
353号公報に示された容積型流体機械は、レシプロ式
のように往復運動する部分を持たないため、回転軸系を
完全にバランスさせることができる。このため振動が小
さく、さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が
小さいので摩擦損失を比較的少なくできるといった容積
型流体機械として本質的に有利な特長を備えている。
【0008】しかしながら、運転時のピストンの挙動が
不安定になり、振動・騒音の増大、作動流体の漏れが増
大し性能が低下するといった問題がある。
【0009】また、吸込行程ならびに吐出行程時の通路
面積は、圧縮作動室内部の吸込口ならびに吐出口と旋回
ピストンで囲まれる部位になるが、ピストンの軸回転角
によりその面積が可変するため、必要十分な吸込通路な
らびに吐出通路が確保されにくく性能が低下するといっ
た問題もあった。
【0010】本発明の目的は、旋回ピストンの安定挙動
を確保し性能および信頼性向上が図れる容積型流体機械
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、端板間にデ
ィスプレーサとシリンダとを配置し、回転軸の回転中心
に前記ディスプレーサ中心を合わせたとき前記シリンダ
内壁面及び前記ディスプレーサ外壁面により1つの空間
が形成され、前記ディスプレーサ及び前記シリンダとの
位置関係を旋回位置においたときは複数の空間が形成さ
れた容積型流体機械において、前記旋回ディスプレーサ
を前記端板間で潤滑油を介して旋回させる手段を備える
ことにより達成される。
【0012】さらに詳しくは、上記旋回ディスプレーサ
を前記端板間で潤滑油を介して旋回させる手段として、
前記ディスプレーサの前記端板対向面に潤滑油を供給す
る手段と、前記吸入ポートが形成された端板に対向する
端板の前記吸入ポートに対向する位置に形成された穴部
と、前記吐出ポートが形成された端板に対向する端板の
前記吐出ポートに対向する位置に形成された穴部のうち
少なくとも一方の穴部とを備えることにより達成され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の特徴は以下
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の一
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明に係る
旋回形流体機械の構造を図1から図3を用いて説明す
る。図1は本発明に係る圧縮要素の平面図、図2は図1
の圧縮要素の圧縮動作を示す平面図、図3は図1の圧縮
要素を備えた密閉型圧縮機の縦断面図、図4は図2の圧
縮要素部拡大断面図、図5は圧縮要素部の斜視図であ
る。
【0014】図1の圧縮要素1は、同一輪郭形状が3組
組み合わされた3条ラップを示している。シリンダ2の
内周形状は、左巻き状の中空部2aが120°(中心
o’)毎に同一の形状が表れるように形成されている。
この個々の左巻き状をした中空部2aの端部には、内方
に向かって突出する複数(この場合は3つ)のベ−ン2
bを有する。旋回ピストン3は、このシリンダ2の内側
に配設されシリンダ2の内周壁2c(ベーン2bよりも
曲率が大きい部分)及びベ−ン2bと噛み合うように構
成されている。なお、シリンダ2の中心o’と旋回ピス
トン3の中心oを一致させると、両者の間には一定幅
(旋回半径)の隙間が形成される。
【0015】また、記号a,b,c,d,e,fはシリ
ンダ2の内周壁2c及びベ−ン2bと旋回ピストン3の
噛み合いの接点を表す。ここで、シリンダ2の内周壁2
c輪郭形状は、同じ曲線の組合せが3箇所連続して滑ら
かに接続されているが、このうちの1箇所に着目する
と、内周壁2c、ベ−ン2bを形作る曲線を、厚みのあ
る一つの渦曲線(ベーン2bの先端を渦の巻始めと考え
る)とみることができ、その外壁曲線(g−h)は巻き
角がほぼ360°(設計上は360°であるが製造誤差
のため丁度その値にはならないという意味である。以
下、同様)の渦曲線で、うち内壁曲線(h−i)は巻き
角がほぼ360°の渦曲線である。そして、上記1箇所
の内周壁2c輪郭形状は、外壁曲線、内壁曲線から形成
されている。これら3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設し、隣合う渦巻体の
外壁曲線と内壁曲線とは円弧等の滑らかな曲線(例え
ば、i−j)で結ぶことによって、シリンダの内周輪郭
形状が構成されている。旋回ピストン3の外周壁3a輪
郭形状も上記シリンダ2と同じ原理で構成されている。
【0016】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不当ピッチでもよい。
【0017】さて、このように構成されたシリンダ2と
旋回ピストン3による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。4aは吸入ポートであり、5aは吐出ポートであ
り、夫々3箇所に設けられている。駆動軸6を回転させ
ることにより、旋回ピストン3が固定側であるシリンダ
2の中心o’の周りを自転することなしに旋回半径ε
(=oo’)で公転運動し、旋回ピストン3の中心o周
りに複数の作動室7(シリンダ2内周輪郭(内壁)と旋
回ピストン3外周輪郭(側壁)とにより囲まれて密閉さ
れた複数の空間のうち、吸入が終了し圧縮(吐出)行程
となっている空間をいう。圧縮終了時点ではこの空間は
無くなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこの空間を
1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場合は、吐
出ポート5aを介して外部と連通している空間をいう)
が形成される。本実施の形態では常時3個の作動室が形
成される。すなわち、ベーンの数と同じ数の作動室が形
成されることとなる。例えば、ベーンの数(条数)が4
である場合、上記と同様の考え方で形状を決めるとやは
り作動室は4個形成される。すなわち、各条に一つの作
動室が形成されることで、圧縮による圧力が全て中心部
に向かうため、片当たりなどが少なくなると云う利点を
有する。この条数と作動室数との関係についての詳細は
後述する。
【0018】図2において、接点cと接点dで囲まれハ
ッチングが施された1つの作動室7(吸入終了時点では
2つに別れているが、圧縮行程が開始されると直ぐにこ
の2つの作動室7はつながって1つになる)に着目して
説明する。図2(1)が吸入ポ−ト4aからこの作動室
7への作動流体の吸入が終了した状態である。この状態
から90°駆動軸6が時計方向に回転した状態が図2
(2)で、回転が進み最初から180°回転した状態が
図2(3)で、さらに回転が進み最初から270°回転
した状態が図2(4)である。図2(4)から90°回
転すると最初の図2(1)の状態に戻る。これより、回
転が進むに従って作動室7はその容積を縮少し、吐出ポ
−ト5aは吐出弁8(図3に示す)で閉じられているた
め作動流体の圧縮作用が行われることになる。そして、
作動室7内の圧力が外部の吐出圧力よりも高くなると圧
力差で吐出弁8が自動的に開き、圧縮された作動流体は
吐出ポ−ト5aを通って吐き出される。吸入終了(圧縮
開始)から、吐出終了までの軸回転角は360°で、圧
縮、吐出の各行程が実施されている間に次の吸入行程が
準備されており、吐出終了時が次の圧縮開始となる。
【0019】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室7が旋回ピストン3の中心部に位置する駆動
軸6の周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各作動
室7は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、一
つの空間に着目すると吸入から吐出までは軸回転角で3
60°ではあるが、本実施形態の場合3個の作動室7が
形成され、これらが120°ずれた位相で吐出をするの
で、圧縮機として軸回転角で360°間に3回作動流体
を吐出することになる。このように作動流体の吐出脈動
を小さくし得る点がレシプロ式、ロータリ式及びスクロ
ール式にない点である。さて、圧縮動作を終了した瞬間
の空間(接点cとdによって囲まれた空間)を一つの空
間として見做すと、いずれの圧縮機動作状態において
も、吸入行程となっている空間と圧縮行程となっている
空間とが交互になるように設計されており、このため、
圧縮行程が終了した瞬間直ちに次の圧縮行程に移行する
ことができ、滑らかで連続的に流体を圧縮することがで
きる。
【0020】次に、このような形状をした旋回型の圧縮
要素1を組み込んだ圧縮機を図3から図5を用いて説明
する。図3において、旋回型の圧縮要素1は、上記詳述
したシリンダ2及び旋回ピストン3に加えて、旋回ピス
トン3の中心部の軸受部3bに偏心部6aが嵌合して旋
回ピストン3を駆動する駆動軸6、前記シリンダ2の両
端開口部を閉塞する端板と駆動軸6を軸支する軸受を兼
ねた主軸受4と副軸受5、前記主軸受4に形成された吸
入ポ−ト4a、前記副軸受5に形成された吐出ポ−ト5
a、この吐出ポ−ト5aを開閉するリ−ド弁形式(差圧
で開閉する)の吐出弁8を有する。前記旋回ピストン3
は、駆動軸6の偏心部6aにより旋回半径εだけずれて
シリンダ2の内周壁2cへと噛み合わされている。ま
た、9は主軸受4端面に取り付けられた吸込室10を形
成するための吸込カバ−、11は副軸受5端面に取り付
けられた吐出室12を形成するための吐出カバ−であ
る。
【0021】電動要素13は、固定子13aと回転子1
3bからなり、回転子13aは駆動軸6の一端に焼き嵌
め等で固定されている。この電動要素13は、電動機効
率向上のため、ブラシレスモータで構成され、3相イン
バータにより駆動制御される。ただし、他の電動機形
式、例えば、直流電動機や誘導電動機でも差し支えな
い。
【0022】14は密閉容器15の底部に溜められた潤
滑油で、この中に駆動軸6の下端部が浸かっている。1
6は吸入パイプ、17は吐出パイプ、7はシリンダ2の
内周壁2c及びベ−ン2bと旋回ピストン3の噛み合い
によって形成される前述した作動室である。また、吐出
室12はOリング(図示せず)等のシ−ル部材により密
閉容器15内の圧力と区画されている。
【0023】また、密閉容器15の底部に貯留されてい
る潤滑油14には、高圧の吐出圧力が作用するため、遠
心ポンプ作用により潤滑油14に浸接している駆動軸6
の下端部側から駆動軸6内部に形成された給油孔(図示
せず)へと導かれ、駆動軸6に形成した給油孔6bや給
油溝6cを介して、主軸受4や副軸受5ならびに作動室
7等の各摺動部へと供給され、摺動部の潤滑ならびに作
動室7間のシール性を向上させる役目をする。
【0024】電動要素13の回転子13bの前後端部な
らびに駆動軸6の下端部には、バランサ18がそれぞれ
設けてあり、回転時の不釣り合い量を完全に相殺してい
る。さらに、吐出カバー11の下端部には、駆動軸6の
下端部に取り付けたバランサ18の回転による潤滑油の
攪拌抵抗を低減するためのオイルカバー19が備えてあ
る。以上の構成により、縦置き型の密閉型圧縮機を構成
している。
【0025】作動流体(冷媒)の流れを図4により説明
する。図中に矢印で示すように、吸入パイプ16を通っ
て密閉容器15に入った作動流体は、主軸受4の端面に
取り付けられた吸込カバ−9内の吸込室10に入り吸入
ポ−ト4aを通って圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6
の回転によって旋回ピストン3が旋回運動を行い作動室
7の容積が縮少することにより圧縮される。圧縮された
作動流体は、副軸受5形成された吐出ポ−ト5aを通り
吐出弁8を押し上げて吐出室12内に入り、副軸受5、
シリンダ2、主軸受4ならびに吸込カバー9それぞれに
形成され前記吐出室12と連通する吐出口5b、2d、
4b、9aから電動要素2側の空間へと導かれ前記電動
要素2を冷却した後、吐出パイプ(図示せず)から圧縮
機外部へと放出される。
【0026】図5は、図4の旋回型圧縮要素部の斜視図
である。主軸受4には、その中央部に駆動軸を軸支する
主軸受部4cと、前記主軸受部4cの中心に対して円周
上に等ピッチで配置された吸込ポート4aが3箇所形成
されている。更に、副軸受5に形成されている吐出ポー
ト5aと対向する位置には、前記吐出ポート5aとほぼ
同径で座ぐり穴状の均圧孔4dが主軸受部4cの中心に
対して円周上に等ピッチで3箇所形成されている。4e
はシリンダ2および副軸受5を固定するためのネジ穴で
あり、4fはシリンダ2のベーン2b部を固定するため
のネジ穴である。また、主軸受4の外周部には油戻しの
ための切り欠き部4gが形成されている。4bは、副軸
受5に形成される吐出室12と連通する吐出口である。
【0027】シリンダ2は、主軸受4に取り付けられる
が、主軸受4に取り付けるための穴部2eとベーン2b
部の径方向の変形を防止するために主軸受4に固定する
ための穴部2fがそれぞれ形成されている。副軸受5に
形成した吐出ポート5aと当接するシリンダ2gの端面
には、傾斜流路2hが備えてある。さらに、外周部には
油戻しのための切り欠き部2iが形成されており、2d
は、副軸受5に形成される吐出室12と連通する吐出口
である。
【0028】旋回ピストン3は、シリンダ2に挿入され
る。旋回ピストン3の中心部には駆動軸6の偏心部6a
が挿入される軸受部3b、圧力連通孔3cが形成されて
いる。また、旋回ピストン3の上下端面には前記軸受部
3bから3箇所のベーン3dに添って油溝3eがそれぞ
れ形成されている。
【0029】副軸受5には、その中央部に駆動軸6を軸
支する副軸受部5cと、前記副軸受部5cの中心に対し
て円周上に等ピッチで配置された吐出ポート5aが3箇
所形成されている。主軸受4に形成されている吸込ポー
ト4aと対向する位置には、前記吸込ポート4aとほぼ
同径で座ぐり穴状の均圧孔5dが副軸受部5cの中心に
対して円周上に等ピッチで形成されている。5eは吐出
弁8を固定するためのネジ穴、5fは、シリンダ2のベ
ーン2b部を主軸受4へと取り付けるための穴部、5g
は副軸受5とシリンダ2を主軸受4へと固定するための
穴部である。外周部には油戻しのための切り欠き部5h
が形成されている。5bは、副軸受5に形成される吐出
室と12連通する吐出口である。
【0030】上記の構成により、主軸受4ならびに副軸
受5に形成した均圧孔4d、5dの配置により、吸込行
程時ならびに吐出行程時における主軸受4の端面と副軸
受5の端面とシリンダ2とで挟まれる空間に配置された
旋回ピストン3の上下端面へ作用する圧力が均一とな
り、圧縮機運転時の旋回ピストン3の安定挙動が得られ
る作用につき説明する。
【0031】シリンダ2の内壁、旋回ピストン3の外壁
と共に、シリンダ2及び旋回ピストン3を両側から挟み
込む部材(本実施例では、軸受と端板を兼用した主軸受
4及び副軸受5)によって吸入・圧縮(吐出)空間が形
成されている。旋回ピストン3は、シリンダ2の内壁及
びこれら挟み込む部材によって形成された空間内を旋回
運動するのである。摺動について考えると、旋回ピスト
ン3の両端部と主軸受4の端板として機能する部分(図
5において主軸受4の旋回ピストン3に対向する面)及
び副軸受5の端板として機能する部分(図5において副
軸受5の旋回ピストン3に対向する面)との摺動が大き
く占める。
【0032】ここの摺動が大きいと金属同士がこすれあ
って摩耗のため磨滅が激しくなり、この磨滅部分におい
て隣接する吸入空間と圧縮(吐出)空間同士がつながり
内部漏れが大きくなると云う問題や、金属同士が摺動す
ることによる機械損失が増大して全断熱効率が低下する
問題がある。
【0033】この問題は、旋回ピストン3の端板と対向
する面に給油する給油手段を備えることにより解決され
る。すなわち、本実施例では、軸から給油される潤滑油
を旋回ピストン3の両端面に供給する油溝3eを備える
ことにより、旋回ピストン3が両端板と非接触で旋回運
動することが可能となり、隣接空間間のシール性を向上
させている。
【0034】ところが、この油溝3eを備えただけで
は、旋回ピストン3とそれを挟み込む主軸受4ならびに
副軸受5の端面とが接触することが実験の結果判明し
た。このことを図4を用いて説明する。吐出ポート5a
では、作動室内の作動流体が外部圧力に抗して流出する
ため、外部から吐出ポート5aを介して旋回ピストン3
を吐出ポート3の反対面に押しつけようとする力が作用
する。このため、旋回ピストン3は、この場合、主軸受
4の端面に押し付けられて片当たりしてしまう。
【0035】また、吸入ポート4aでは、外部から流れ
込んでくる作動流体の流れにより旋回ピストン3を、こ
の場合副軸受5の端面に押し付けようとする力が作用す
る。このため、旋回ピストン3は副軸受に押し付けられ
て片当たりしてしまう。
【0036】この問題を解決するため本実施の形態で
は、主軸受4の副軸受5に形成されている吐出ポート5
aと対向する位置に、吐出ポート5aとほぼ同径で座ぐ
り穴状の均圧孔4dを設けた。これにより、吐出ポート
5aを介して旋回ピストン3を押し付けようとする力
は、作動流体を媒体として均圧孔4dに入り込み均圧孔
4d側からも旋回ピストン3を押し付ける力となって働
く。このため両力は相殺されて旋回ピストン3はいずれ
の端板にも接触せずに旋回運動することができる。この
ことは、吸入ポート4aと対向する位置に設けられた均
圧孔5dについても同様である。なお、押し付け力とこ
れを相殺する力とを均衡させるため、均圧孔4d,5d
の径は、それぞれ吐出ポート5a、吸入ポート4aと同
径とし、深さを均圧孔4d(吐出ポート5aに対向)よ
りも均圧孔5d(吸入ポート4aに対向)を深くした。
【0037】この結果、旋回ピストン3はそれを挟み込
む主軸受4ならびに副軸受5の端面に対して、油膜を介
在させながらそれぞれ同じ軸方向隙間を保つことができ
るため、片当たり等による摩擦、摩耗を発生させず端板
との間に潤滑油を介在させて旋回ピストンを旋回させる
ことができるので油供給手段単独よりもより信頼性の高
い容積型圧縮機を提供することができる。また、旋回ピ
ストン3とシリンダ2の摺動部における径方向隙間も一
定に保つことができるので、高性能な容積型圧縮機の提
供が可能となる。実験の結果によると、両均圧孔がない
場合に比べ全断熱効率が6%向上した。
【0038】また、前記均圧孔4d、5dの配置により
吸込ならびに吐出通路が確保され、吸込行程時ならびに
吐出行程時の流体損失を低減でき、容積型圧縮機の高効
率化が可能となる。以上説明した油供給溝及び均圧孔の
作用効果は、下記する実施例においても同様である。本
実施例では、吐出ポート5a及び吸入ポート4aの夫々
に均圧孔を設けるようにしたが、いずれか一方を設けて
もその効果はある。
【0039】さらに、シリンダ2の吐出ポート5a近傍
のベーン2b部には傾斜流路2hを配置しているので、
吐出行程時における圧力損失ならびに流体損失を大幅に
低減でき、容積型圧縮機の性能向上を図ることができ
る。また、本実施例の圧縮要素1の吐出行程区間は、従
来のローリングピストン型より長いため、吐出行程時の
作動流体の流速が遅くでき、更なる圧力損失ならびに流
体損失(過圧縮損失)の低減が可能となり、高性能な容
積型圧縮機を提供することが可能となる。
【0040】なお、本実施例においては、主軸受4なら
びに副軸受5にそれぞれ均圧孔4d、5dを備えた場合
について説明したが、同一部材例えば主軸受側に吸込ポ
ートならびに吐出ポートが形成されている場合には、副
軸受のそれぞれのポートに対向する位置に均圧孔を配置
しても、上記と同等の効果が得られる。また、均圧孔は
寸法上の規定により、旋回ピストン3ならびにシリンダ
2に配置しても差し支えない。
【0041】ここで前述の巻角θと吸入終了から吐出終
了までの軸回転角θcとの関係について詳細に説明す
る。巻角θを変えることにより軸回転角θcを変えるこ
とが可能である。例えば、巻角を360°よりも小さく
することによって吸入終了から吐出終了までの軸回転角
を小さくする場合、吐出ポートと吸入ポートが連通する
状態が生じ、吐出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入
された流体が逆流するといった問題が起こる。また、吸
入終了から吐出終了までの軸回転角を巻角360°より
も大きくすることによって軸回転角を大きくする場合、
吸入終了から吐出ポートのある空間に連通するまでの間
に大きさの異なるの2つの作動室が形成され、圧縮機と
して用いたとき、これら2つの作動室の圧力上昇が各々
異なるために両者合体時に不可逆的な混合ロスが生じ、
圧縮動力の増加になると共に旋回ピストンの剛性が低下
する。また、液体ポンプとして用いようとしても、吐出
ポートに連通しない作動室が形成されることからポンプ
としては成り立たなくなる。このため、巻角θは許容さ
れる精度の範囲内において極力360°が望ましいとい
える。
【0042】特開昭55−23353号公報(文献1)
に記載の流体機械における圧縮行程の軸回転角θcは、
θc=180゜であり、特開平5−202869号公報
(文献2)及び特開平6−280758号公報(文献
3)に記載の流体機械における圧縮行程の軸回転角θc
は、θc=210゜である。作動流体の吐出が終了して
から次の圧縮行程が始まる(吸入終了)までの期間は、
文献1においては軸回転角θcで180゜、文献2及び
文献3においては150゜である。
【0043】圧縮行程の軸回転角θcが210゜の場合
における軸の1回転中の各作動室(符号I、II、II
I、IVで示す)の圧縮行程線図を図16(a)に示
す。但し、条数N=4である。軸回転角θcが360゜
内には4個の作動室が形成されるが、ある角度において
同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3とな
っている。同時に形成される作動室数の最大値は条数よ
りも少ない3である。
【0044】同様に条数N=3であり圧縮行程の軸回転
角θcが210゜の場合を図17(a)に示す。この場
合も同時に形成される作動室数nは、n=1あるいは2
であり、同時に形成される作動室数の最大値は条数より
も少ない2である。
【0045】このような状態では、作動室が駆動軸の周
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、旋回ピストンに働く自転モーメントが過大になり、
旋回ピストンとシリンダとの接触荷重が増大し機械摩擦
損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による信頼性
低下の問題がある。
【0046】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、圧縮行程の軸回転角θcが、 (((N−1)/N)・360゜)<θc≦360゜(数1) を満たすように、旋回ピストンの外周輪郭形状及びシリ
ンダの内周輪郭形状を形成している。換言すると、前述
の巻角θが数式1の範囲になっている。図16(b)を
参照すると、圧縮行程の軸回転角θcが、270゜より
大きくなっており、同時に形成される作動室数nは、n
=3あるいは4となり、作動室数の最大値は4である。
この値は、条数N(=4)に一致する。また、図17
(b)では、圧縮行程の軸回転角θcが、240゜より
大きくなっており、同時に形成される作動室数nは、n
=2あるいは3となり、作動室数の最大値は3である。
この値は、条数N(=3)と一致する。
【0047】このように圧縮行程の軸回転角θcの下限
値を数式1の左辺の値よりも大きくすることにより、作
動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が駆動軸の
周りに分散して配置されるようになるため、力学的なバ
ランスがよくなり、旋回ピストンに働く自転モーメント
が低減され、旋回ピストンとシリンダとの接触荷重も低
減され機械摩擦損失の低減による性能向上と共に接触部
の信頼性を向上することができる。
【0048】一方、圧縮行程の軸回転角θcの上限は数
式1によると360゜となっている。この圧縮行程の軸
回転角θcの上限は360゜が理想である。前述したよ
うに、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行程が始
まる(吸入終了)までのタイムラグを0にすることがで
き、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内のガスの
再膨張による吸入効率の低下を防止することができると
共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動室の圧
力上昇が異なるために両者合体時に発生する不可逆的な
混合ロスを防止することができる。後者について図18
を用いて説明する。
【0049】図18に示された容積形流体機械の圧縮行
程の軸回転角θcは375゜となっている。図18
(a)は、図中網掛けが施された2つの作動室15aと
15bの吸入が終了した状態である。このとき2つの作
動室15aと15bの圧力は吸入圧力Psで両者等しく
なっている。吐出口8aは作動室15aと15bの間に
位置しており、両作動室とは連通していない。この状態
から軸回転角θcで15゜回転が進んだ状態を図18
(b)に示す。吐出口8aと両作動室15aと15bが
連通する直前の状態である。このとき作動室15aの容
積は図18(a)の吸入終了時よりも小さく圧縮が進行
しており圧力も吸入圧力Psよりも高い圧力になってい
る。これに対して、作動室15bの容積は逆に吸入終了
時よりも大きくなっており、膨張作用により圧力も吸入
圧力Psよりも低くなっている。次の瞬間作動室15a
と15bが合体(連通)する際に、図18(c)に矢印
で示すような不可逆的な混合が起こり、圧縮動力の増加
による性能低下が発生することとなる。従って、圧縮行
程の軸回転角θcの上限は360゜が理想的であると結
論される。
【0050】また、本実施例の圧縮要素1は、吸込終了
(圧縮開始)から吐出終了までの軸回転角は360°で
あり、圧縮、吐出の各行程が実施されている間に次の吸
込行程が準備されており、吐出終了時が次の圧縮開始と
なる。つまり、圧縮動作を行う作動室7が、旋回ピスト
ン3の中心oに対して等ピッチで分散されて配置されて
いるため、各作動室7は各々位相がずれて吸込、圧縮行
程を連続的に行うため、駆動軸6の1回転当たりのトル
ク脈動が小さくなり、容積型圧縮機の低振動、低騒音化
が図れる。
【0051】以上より、本実施例の圧縮要素1は、旋回
ピストン3の軸受部3bに挿入された駆動軸6の偏心6
a部周りに等ピッチで、吸込終了から吐出終了までの軸
回転角が360°となる作動室7を分配して配置してい
るため、自転モーメントの作用点を旋回ピストン3の中
心に近付けることができるため、旋回ピストン3に作用
する自転モーメントを形状的に極小になるよう構成して
いるという特長がある。また、本実施例の圧縮要素1
は、副軸受5に形成した吐出ポート5a近傍の旋回ピス
トン3ならびにシリンダ2の噛み合い円弧部の形状を十
分大きな曲率で構成しているため、吐出行程時のシール
性を確保し高効率な容積型圧縮機を提供することができ
る。また、本実施例の圧縮要素1は、自転モーメントが
作用する旋回ピストン3とシリンダ2の摺動部位を、温
度が低く油粘度の高い作動流体の吸込ポート4a近傍に
配置しているため、旋回ピストン3へ作用する自転モー
メントを更に低減できるともに、摺動部の機械摩擦損失
を低減でき、高効率な容積型圧縮機を提供することがで
きる。
【0052】また、本実施例の圧縮要素1は、短時間で
圧縮行程を終了できるため、作動流体の漏れを低減でき
容積型圧縮機の性能を向上させることができる。また、
本実施例の圧縮要素1は、スクロール型のような渦巻き
形状ならびに端板が不要なため、生産性の向上ならびに
原価低減が図れるとともに、端板が不要なためスクロー
ル型のようなスラスト荷重も作用しないため、容積型圧
縮機の性能向上が図ることができる。また、本実施例の
圧縮要素1は、肉薄にできるため打ち抜き加工等その加
工法の自由度は大きい。また、その形状により、軸方向
の精度管理も容易となるため、生産性の向上が図れる。
また、旋回ピストン3の外周壁3aならびにシリンダ2
の内周壁2cの少なくとも一方に、摺動特性の優れた被
膜処理を行うことにより、運転初期時における両部材の
摺動部における隙間管理を行うことができ、容積型圧縮
機の運転初期時における性能低下を防ぐことができる。
また、スクロ−ル式のオルダムリングのような旋回スク
ロ−ルの自転防止のために往復摺動する機構をもたない
ため、完全に回転軸系のバランスがとれ圧縮機の振動・
騒音を低減することができる。さらに圧縮機の小型、軽
量化にも寄与することができる。
【0053】さらに、前述した特開昭55−23353
号公報においては、隣接空間がつながって形成された一
つの空間(吸入空間)は、つながっている状態から作動
室が形成される際に、作動室を形成しようとするピスト
ンの旋回運動に伴ってこの吸入空間内部で流体の流れが
発生し、作動室が形成されようとしている空間から作動
流体が次に形成される隣接空間がつながって形成された
吸入空間の方に移動してしまい、作動室の最大容積より
も閉じ込められた流体体積が少なくなり、吸入効率が低
下するという問題がある。この吸入効率が低下すると圧
縮機能力やポンプ能力そのものが低下してしまう。これ
に対して、本実施形態では、吸入容積がほぼ最大となる
時点で閉じた空間(作動室7)を形成するので、この問
題も起こらない。
【0054】また、本実施例の容積型圧縮機は、密閉容
器15内が吐出圧力雰囲気となる高圧方式を採用してい
るが、これにより、潤滑油14に高圧(吐出圧力)が作
用するため、前述した遠心ポンプ作用により、潤滑油1
4が圧縮機内部の各摺動部に供給され易くなり、作動室
7間のシール性ならびに各摺動部の潤滑性を向上でき
る。
【0055】以上のように、本実施例では旋回ピストン
3の外周面形状ならびにシリンダ2の内周面形状を構成
する渦巻体の個数が3個の場合で説明したが、実用でき
る渦巻体の数(2〜10個)における圧縮要素1の形状
に応じた均圧孔4d、5dならびに傾斜流路2hの配置
は可能である。なお、旋回ピストン3の外周面形状なら
びにシリンダ2の内周面形状を構成する渦巻体の数が実
用できる範囲で次第に多くなるにしたがい、以下のよう
な利点がある。
【0056】(1)トルク変動が小さくなり、振動、騒
音が低減できる。
【0057】(2)シリンダ2の外径を同一とした場
合、同じ吸込容積を確保するためのシリンダ2の高さ寸
法を低くでき、圧縮要素1の小形軽量化が図れる。
【0058】(3)旋回ピストン3に作用する自転モー
メントが小さくなるとともに、旋回ピストン3とシリン
ダ2との摺動部での機械摩擦損失を低減でき信頼性が向
上できる。
【0059】(4)吸込、吐出配管内の圧力脈動が小さ
くなり、更なる低振動、低騒音化を図ることができる。
これにより、医療用や産業用で要求のある無脈流の流体
機械(圧縮機、ポンプ等)を実現できる。
【0060】また、ここでは旋回ピストン3及びシリン
ダ2の輪郭形状の構成方法として多円弧の組合せによる
方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく任意の(高次)曲線の組合せによっても同様の輪郭
形状を構成することができる。
【0061】図6は、本発明に係る容積型圧縮機の縦断
面図を示したものである。本実施例は、旋回型圧縮要素
の配置が図1と異なるものであり、この差異部分を重点
に説明する。図6において、前述の図3〜図5と同一符
号を付したものは同一部品であり、同一の作用をなす。
【0062】図6において、1は本発明に係る圧縮要素
でこれを駆動する電動要素13の上端部に配置されてい
る。圧縮要素1である旋回ピストン3は、シリンダ2の
ベーン2bと噛み合い、その中心部に駆動軸20の偏心
部20aと嵌合する軸受部3bが形成してある。駆動軸
20は、主軸受4に形成した主軸受部4cにより回転可
能に軸支され、駆動軸20の偏心部20aに挿入される
旋回ピストン3を片持ち支持しており、その下端部は密
閉容器21底部に貯留された潤滑油14に浸接してい
る。密閉容器21には、その外周部には吸込パイプ1
6、吐出パイプ17ならびに電流導入端子22がそれぞ
れ備えてある。旋回型の圧縮要素1の作動原理等は前述
した図3と同様なので説明は省略する。
【0063】また、作動流体の流れは図中の矢印で示す
ように、吸込パイプ16を通って密閉容器21内部に流
入した作動流体は、主軸受4の端面に取り付けられた吸
込カバー9と吸込ポート4aで形成される吸込室10を
経て圧縮要素1へと流入し、電動要素13により駆動軸
20が回転すると旋回ピストン3が旋回運動を行い、作
動室7の容積が縮小することにより圧縮動作が行われ
る。圧縮された作動流体は、吐出カバー23に形成され
た吐出ポート23aを介し吐出弁8を押し上げて密閉容
器21上部空間へと導かれ、吐出口24を通り、電動要
素13側の空間へと導かれ、吐出パイプ17から密閉容
器21外部へと放出される。
【0064】図7は、図6の旋回型圧縮要素部の斜視図
である。主軸受4には、吐出カバー23に形成されてい
る吐出ポート23aと対向する位置には、前記吐出ポー
ト23aとほぼ同径で座ぐり穴状の均圧孔4dが主軸受
4の中心に対して円周上に等ピッチで3箇所形成されて
いる。また、シリンダ2には、前記吐出カバー23に形
成した吐出ポート23aと当接するシリンダ2の端面2
gには、傾斜流路2hが備えてある。また、吐出カバー
23には、主軸受4に形成されている吸込ポート4aと
対向する位置に、前記吸込ポート4aとほぼ同径で座ぐ
り穴状の均圧孔23bが吐出カバー23の中心に対して
円周上に等ピッチで形成されている。
【0065】上記の構成により、図4で説明した同等の
効果が得られる。さらに、駆動軸20を片持ち支持構造
にできることにより、図4に開示した副軸受5等の部品
が不要となり、容積型圧縮機の部品数低減による低コス
ト化、生産性の向上ならびに小形、軽量化が図れる。
【0066】図8は、本発明に係る低圧方式の圧縮要素
部の縦断面図である。本実施例は、密閉容器内の圧力が
低圧方式である点が図4と異なるものであり、この差異
部分を重点に説明する。
【0067】1は本発明に係る圧縮要素、25は圧縮要
素1と電動要素13を収納した密閉容器である。主軸受
4の端面には吸込カバー26が配設されており、吸込室
10を形成している。また、前記吸込室10と電動要素
13が配置される密閉容器25内の空間とは連通してい
る。図4と同様に主軸受4に形成した吸込ポート4aと
対向する副軸受5の端面の位置には、前記吸込ポート4
aとほぼ同径で座ぐり穴状の均圧孔5dが、また、副軸
受5に形成した吐出ポート5aと対向する主軸受4の端
面の位置には、前記吐出ポート5aとほぼ同径で座ぐり
穴状の均圧孔4aがそれぞれ形成してある。更に、シリ
ンダ2のベーン2bの吐出ポート5a近傍の円弧部には
傾斜流路2hが備えられている。以上の構成により、作
動流体は図中の矢印で示すように、吸込パイプ16を通
って密閉容器25内に流入した作動流体は、主軸受4に
取り付けた吸込カバー26と吸込ポート4aで形成され
る吸込室10を経て圧縮要素1部へと流入し、電動要素
13により駆動軸6が回転することにより旋回ピストン
3が旋回運動を行い、作動室7の容積が縮小することに
より圧縮動作が行われる。圧縮された作動流体は、副軸
受5に形成した吐出ポート5aを介し吐出弁8を押し上
げて吐出室12へと流入し、吐出パイプ17から圧縮機
外部へと放出する。
【0068】この結果、図4と同様に均圧孔4d、5d
の作用により、旋回ピストン3の上下端における圧力が
均一状態となり、運転時の旋回ピストン3の安定挙動が
得られ、信頼性の高い容積型圧縮機の提供が可能とな
る。また、性能を左右する旋回ピストン3とシリンダ2
の摺動部における径方向隙間も一定に保つことができる
ので、高性能な容積型圧縮機の提供が可能となる。更
に、シリンダ2に配設した傾斜流路2hの効果により、
吐出行程における圧力損失ならびに流体損失を大幅に低
減でき、容積型圧縮機の性能向上を図ることができる。
【0069】また、吸込室10と密閉容器25内は連通
しているため、密閉容器25内部は吸込圧力(低圧)状
態となる。密閉容器25内の圧力を低圧方式とすること
により、以下の利点がある。
【0070】(1)圧縮された高温の作動流体による電
動要素13の加熱が低減され、モータ効率が向上し容積
型圧縮機の性能向上が得られる。
【0071】(2)フロン等の潤滑油14と相溶性のあ
る作動流体では、圧力が低くなるため潤滑油14中に溶
解する作動流体の割合が少なくなり、軸受部等における
潤滑油14の発泡現象が抑えられ信頼性が向上する。
【0072】(3)密閉容器25の耐圧を低くすること
ができ、圧縮機構成部品の薄肉化、軽量化が図れる。
【0073】なお、本実施例の低圧方式の圧縮要素1
は、旋回ピストン3の外周面形状ならびにシリンダ2の
内周面形状を構成する実用できる渦巻体の数(2〜10
個)における圧縮要素1ならびに片持ち支持型の容積型
圧縮機にも適用可能である。また、本実施例の低圧方式
への均圧孔4d、5dならびに傾斜流路2hの配置も適
用可能である。
【0074】以上、本発明の旋回型流体機械を用いた圧
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧方式、高圧方式どちらでも選択することが可能とな
り、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0075】図9は、本発明に係る自転防止機構を備え
た容積型圧縮機の縦断面図である。同図において、27
は本発明に係る圧縮要素、13はこれを駆動する電動要
素、28は圧縮要素27と電動要素13を収納した密閉
容器で、吸込パイプ16、吐出パイプ17ならびに電流
導入端子22が備えてある。圧縮要素27は、内周壁2
9aから内側に向かって突出する円弧状のベーン29b
を有し、駆動軸30を軸支する主軸受部29cを兼ね備
えたシリンダ29と、前記シリンダ29のベーン29b
と噛み合いその中心部に駆動軸30の旋回半径εだけ偏
心した偏心部30aと嵌合する軸受穴部31aを備えた
旋回ピストン31と、この噛み合ったシリンダ29と旋
回ピストン31の端面と当接し、駆動軸30を軸支する
副軸受部32aを備えた副軸受部材32と、前記シリン
ダ29に形成した吸込ポート29dと、前記副軸受部材
32に形成された吐出ポート32bと、前記吐出ポート
32bを開閉するリード弁形式の吐出弁8から構成され
ている。また、旋回ピストン31と副軸受部材32には
ピン方式の自転防止部材33が配置されている。なお、
34はシリンダ29のベーン29bと旋回ピストン31
とで形成される作動室34である。
【0076】また、9はシリンダ29の端面に取り付け
られた吸込カバー、35は副軸受部材32の端面に取り
付けられた吐出カバーであり、それぞれ密閉容器28内
部の電動要素13側ならびに潤滑油14側の空間とは遮
断されており、それぞれ吸込室10、吐出室12を形成
している。14は、密閉容器28の底部に貯溜された潤
滑油で、この中に駆動軸30の下端部が浸接している。
36は副軸受部材32の吐出室12と電動要素13側の
空間とを連通する連通路である。また、電動要素13
は、固定子13aと回転子13bからなり、回転子13
bは駆動軸30の一端に焼き嵌め等で固定されている。
さらに、前記回転子13bの前後端部ならびに駆動軸3
0の下端部にはバランサ37がそれぞれ設けてあり、こ
れらの作用により、回転時の不釣り合い量を完全に相殺
している。また、吐出カバー35の下端部には、駆動軸
30の下端部に取り付けてあるバランサ37の回転によ
る潤滑油の攪拌抵抗を低減するためのオイルカバー38
が備えてある。
【0077】図10は、図9の圧縮要素部27の斜視図
である。旋回ピストン31の外周面形状をみると、多円
弧曲線で構成される渦巻体の組み合わせが3箇所連続し
て滑らかに形成されている。このうちの1箇所に着目す
ると、外周壁31bとベーン31cを形作る曲線を厚み
のある一つの渦曲線とみることができ、その外壁曲線が
実質的な巻き角が360°の渦曲線で、内壁曲線の方は
実質的な巻き角が180°の渦曲線であり、この外壁曲
線と内壁曲線を結ぶ接線曲線から形成されている。シリ
ンダ29の内周壁29a形状も上記旋回ピストン31と
同じ原理で構成されている。
【0078】ピン方式の自転防止機構33は、軸受部材
33a、偏心部材33b、軸受部材33c、ピン部材3
3dから構成されている。軸受部材33aは、旋回ピス
トン31の中心から円周上に等ピッチの位置度を有して
形成された穴部31dの内部に嵌入され固定される。ま
た、偏心部材33bには、偏心した穴部33eが形成さ
れており、偏心部材33bの中心と穴部の中心との距離
は、駆動軸30の偏心部30aでの偏心距離ε(=旋回
半径)と同等に構成されており、偏心部材33bは軸受
部材33aの穴部に摺動可能な状態で挿入される。ま
た、偏心部材33bの穴部33eには軸受部材33cが
嵌入固定され、その中央に形成された穴部には、副軸受
部材32に固定されたピン部材33dが摺動可能な状態
で挿入される。ピン部材33dは、副軸受部材32の中
心に対して等ピッチで形成された穴部32cへと固定さ
れており、ピン部材33dと偏心部材33bの偏心した
穴部へと挿入される軸受部材33cの中央の穴部とは、
それぞれの軸心が同軸になっている。以上の構成によ
り、ピン方式の自転防止機構33を構成している。
【0079】副軸受部材32には、その中央部に駆動軸
30を軸支する副軸受部32aと、前記副軸受部32a
の中心に対して円周上に等ピッチで配置された吐出ポー
ト32bが形成されている。また、シリンダ29に形成
されている吸込ポート29dと対向する位置には、前記
吸込ポート29dとほぼ同径で座ぐり穴状の均圧孔32
dが副軸受部材32の中心に対して円周上に等ピッチで
形成されている。また、32eは副軸受部材32をシリ
ンダ29を固定するための穴部であり、32fは吐出弁
8を固定するためのネジ穴である。また、外周部には油
戻しのための切り欠き部32gが形成されている。ま
た、36は連通路である。
【0080】また、シリンダ29には、副軸受部材32
に形成されている吐出ポート32bと対向する位置に
は、前記吐出ポート32bとほぼ同径で座ぐり穴状の均
圧孔29eが主軸受29cの中心に対して円周上に等ピ
ッチで3箇所形成されている。また、シリンダ29に
は、副軸受部材32に形成した吐出ポート32bと当接
するシリンダ29の端面29fには、傾斜流路29gが
備えてある。
【0081】次に、作動流体の流れを説明する。図9の
矢印で示すように、吸込パイプ16を通って密閉容器2
8内部に流入した作動流体は、シリンダ29に形成した
吸込ポート29dと吸込カバー9で形成される吸込室1
0を経て圧縮要素27へと流入し、電動要素13により
駆動軸30が回転することにより、旋回ピストン31が
旋回運動を行い、作動室34の容積が縮小し圧縮動作が
行われる。圧縮された作動流体は、副軸受部材32に形
成した吐出ポート32bを介し吐出弁8を押し上げて吐
出室12へと導かれ、連通路36から電動要素13を通
って吐出パイプ17から圧縮機外部へと放出する。この
際、密閉容器28の底部に貯留されている潤滑油14に
は、高圧の吐出圧力が作用するため、遠心ポンプ作用に
より潤滑油14は駆動軸30内部に形成された給油孔
(図示せず)へと導かれ、駆動軸30内部の前記給油孔
と連通する給油孔30bや給油溝30cを介してシリン
ダ29の主軸受部29cや副軸受部材32、シリンダ2
9の内周壁29aならびに旋回ピストン31の外周壁3
1b等の摺動部へと供給される。さらに、前記各摺動部
を介して作動室34へと導かれた潤滑油14は、作動流
体に解けこみ吐出室12から連通路36を通り電動要素
13を冷却することにより、作動流体と分離され密閉容
器28の底部へと戻される給油経路を構成する。また、
自転防止機構33であるピン部材33dの内部には給油
孔が備えてあり、ピン部材33dの後端部側の吐出カバ
ー35に設けた給油穴を介して、密閉容器28の底部の
潤滑油14と連通しており、遠心ポンプ作用により、ピ
ン方式の自転防止機構33を構成する各部材の潤滑を行
う。
【0082】次に、圧縮要素27とピン方式の自転防止
機構33の動作を図11により説明する。旋回ピストン
31の軸受穴部31aには駆動軸30の偏心部30aが
挿入されており、旋回半径εだけずれて旋回ピストン3
1とシリンダ29は噛み合わされる。ここで、記号a、
b、c、d、e、fは、旋回ピストン31の外周面形状
とシリンダ29の内周面形状との噛み合いの接点を示し
ている。旋回ピストン31には、穴部31dが中心oに
対して等ピッチの位置度を有して円周上に等ピッチで3
箇所形成されている。また、前記穴部31dには、ピン
方式の自転防止機構33がそれぞれ配設されている。ま
た、記号o1は、旋回ピストン31の穴部31d、軸受
部材33aならびに偏心部材33bそれぞれの中心、記
号o1’は、偏心部材33bの穴部、軸受部材33cな
らびにピン部材33dそれぞれの中心であり、o1とo
1’の距離は、旋回ピストン31の中心oとシリンダ2
9の中心o’との距離である旋回半径εと同等になるよ
うに構成されている。
【0083】次に圧縮作用であるが、駆動軸30が回転
すると偏心部30aに挿入された旋回ピストン31は固
定されているシリンダ29の中心の周りを、旋回半径ε
で旋回運動し、これにより、旋回ピストンの中心周りに
複数の作動室34が形成される。
【0084】接点aと接点bで囲まれた空間の作動室3
4(吸込終了時点では吐出ポート32bを挟んで2つの
作動室34に別れているが、圧縮行程が開始されるとす
ぐに2つの作動室34はつながって1つになる)に着目
すると、図11(1)が吸込ポート29dからこの作動
室34への作動流体の吸込が終了した状態であり、この
状態から時計方向に90度、駆動軸30が回転した状態
が図11(2)、図11(2)から時計方向に90度、
駆動軸30が回転した状態が図11(3)、図11
(3)から時計方向に90度、駆動軸30が回転した状
態が図11(4)、さらに駆動軸30が時計方向に90
度回転すると、最初の図11(1)の状態に戻る。これ
により、駆動軸30の回転が進むに従い作動室はその容
積を縮小し、吐出ポート32bは吐出弁8で閉じられて
いるため、作動流体の圧縮作用が行われることになる。
【0085】そして、作動室内部の圧力が外部(密閉容
器内圧力)の吐出圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁
8が自動的に開き、圧縮された作動流体は吐出ポート3
2bを通って吐き出される。吸込終了(圧縮開始)から
吐出終了までの軸回転角は360°であり、圧縮、吐出
の各行程が実施されている間に次の吸込行程が準備され
ており、吐出終了時が次の圧縮開始となる。つまり、圧
縮動作を行う作動室34が、旋回ピストン31の中心o
に対して等ピッチで分散して配置されており、各作動室
34は各々位相がずれて吸込、圧縮行程を連続的に行う
ため、駆動軸30の1回転当たりのトルク脈動が小さく
なり、容積型圧縮機の低振動、低騒音化が図れる。
【0086】また、旋回ピストン31に配置されたピン
方式の自転防止部材33である偏心部材33bの穴部に
は、副軸受部材32の中心o’周りに等ピッチの位置度
を有し、旋回半径εと同方向に固定支持されたピン部材
32dが、摺動可能な状態で挿入されている。以上の構
成により、ピン部材32dを中心として旋回ピストン3
1の3箇所の穴部31dに挿入された偏心部材33b
は、軸受部材33aの穴部内部で滑りながら旋回ピスト
ン31の中心oとシリンダ29の中心o’との距離(=
旋回半径ε)で、図11の(1)→(2)→(3)→
(4)→(1)のように、旋回ピストン31と同様の旋
回運動を行うことになる。
【0087】この結果、ピン方式の自転防止機構33の
作用により、旋回ピストン31に対して確実な旋回運動
を与えることができるとともに、旋回ピストン31とシ
リンダ29との接点での隙間を一定に保てるので、摩
擦、摩耗が低減でき高信頼性な容積型圧縮機を提供する
ことができる。また、ピン方式の自転防止機構33を旋
回ピストン31ならびにシリンダ29で形成される作動
室34の内側に配置できるため、圧縮要素27の小径化
が図れる。
【0088】更に、シリンダ29の旋回ピストン31と
当接する底面部には、副軸受部材32に形成した吐出ポ
ート32bと対向する位置に均圧孔29eが、また、副
軸受部材32の旋回ピストン31と当接する端面にも、
シリンダ29に形成した吸込ポート29dと対向する位
置に均圧孔32dがそれぞれ形成しているため、吸込行
程ならびに吐出行程における旋回ピストン31の上下端
における圧力が均一となり、運転時の旋回ピストン31
の安定挙動が得られる。この結果、旋回ピストン31は
それを挟み込むシリンダ29ならびに副軸受部材32の
端面に対して、油膜を介在させながらそれぞれ同じ隙間
を保つことができるため、片当たり等による摩擦、摩耗
を発生させず信頼性の高い容積型圧縮機を提供すること
ができる。
【0089】また、シリンダ29のベーン29bの吐出
ポート32b近傍の円弧部には傾斜流路29gを配設し
ているので、吐出行程における圧力損失ならびに流体損
失を大幅に低減でき、容積型圧縮機の性能向上を図るこ
とができる。
【0090】また、本実施例の圧縮要素27は、旋回ピ
ストン31に嵌合された駆動軸30の偏心部30a周り
に等ピッチで、吸込終了から吐出終了までの軸回転角が
360°となる作動室34が分配されて配置しているた
め、自転モーメントの作用点を旋回ピストン31の中心
に近付けることがで、旋回ピストン31に作用する自転
モーメント自体は小さくなるという特徴がある。
【0091】また、本実施例でのシリンダ29は、図3
で示したシリンダ2と主軸受4を一体化した構造にして
おり、部品数の低減が可能であるとともに生産性が向上
する。
【0092】また、本実施例の容積型圧縮機は、密閉容
器28内部が吐出圧力状態となる高圧方式であるが、こ
の方式にすることにより、潤滑油14に高圧(吐出圧
力)が作用するため、前記した遠心ポンプ作用により、
潤滑油14が圧縮機内部の各摺動部に供給されやすくな
るため、作動室34のシール性ならびに各摺動部の潤滑
性を向上できる。
【0093】以上のように、本実施例では旋回ピストン
31の外周面形状ならびにシリンダ29の内周面形状を
構成する渦巻体の個数が3個の場合で説明したが、実用
できる渦巻体の数(2〜10個)における自転防止機構
33、均圧ポート29e、32dならびに傾斜流路29
gの配置の適用は可能である。
【0094】また、本実施例の圧縮要素27では、ピン
方式の自転防止機構33を開示したが、実用できる渦巻
体の数による圧縮要素の形状に応じて、クランクピン、
オルダムキーならびにボールカップリング方式の各種の
自転防止機構の適用が可能である。
【0095】図12に、本発明の容積型圧縮機を適用し
た空調システムを示す。このサイクルは冷暖房が可能な
ヒ−トポンプサイクルで、前述の図3で説明した本発明
の容積型圧縮機39、室外熱交換器40とそのファン4
1、膨張弁42、室内熱交換器43とそのファン44、
4方弁45から構成されている。一点鎖線は室外ユニッ
ト46、47は室内ユニットである。容積型圧縮機39
は、図2に示した作動原理図に従って動作し、容積型圧
縮機39を起動することによりシリンダ2と旋回ピスト
ン3間で作動流体(例えばフロンHCFC22やR40
7C,R410A等)の圧縮作用が行われる。
【0096】冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは実線矢印で示すように吐出パイプ17から4
方弁45をとおり室外熱交換器40に流入して、ファン
41の送風作用で放熱、液化し、膨張弁42で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器43で室
内の熱を吸熱してガス化された後、吸込パイプ16を経
て容積型圧縮機39に吸入される。一方、暖房運転の場
合は、破線矢印で示すように冷房運転とは逆に流れ、圧
縮された高温・高圧の作動ガスは吐出パイプ17から4
方弁45を通り室内熱交換器43に流入して、ファン4
4の送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁42で
絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室外熱交換器
40で外気から熱を吸熱してガス化された後、吸込パイ
プ16を経て容積型圧縮機39に吸入される。
【0097】図13は、本発明の旋回型圧縮機を搭載し
た冷凍システムを示す。このサイクルは冷凍(冷房)専
用のサイクルである。同図において、48は凝縮器、4
9は凝縮器ファン、50は膨張弁、51は蒸発器、52
は蒸発器ファンである。
【0098】容積型圧縮機39を起動することによりシ
リンダ2と旋回ピストン3間で作動流体の圧縮作用が行
われ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で示
すように吐出パイプ17から凝縮器48に流入して、フ
ァン49の送風作用で放熱、液化し、膨張弁50で絞ら
れ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器51で吸熱
ガス化された後、吸込パイプ16を経て容積型圧縮機3
9に吸入される。ここに、図12、図13ともに本発明
の容積型圧縮機39を搭載しているので、エネルギ効率
に優れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調シス
テムが得られる。なお、ここでは容積型圧縮機39とし
て高圧方式を例にあげて説明したが、低圧方式でも同様
に機能し、同様の効果を奏することができる。また、本
発明の容積型圧縮機39を搭載することにより、サイレ
ンサ等が不要となり、システムの低コスト化が可能とな
る。
【0099】図14は、本実施例を示す旋回ピストン5
3の平面図である。旋回ピストン53は、同一輪郭形状
が3組組み合わされた3条ラップを示している。前記旋
回ピストン53の外周面形状は、左巻き状の外周壁53
aが120°(中心o’)毎に同一の形状が表れるよう
に形成されている。この個々の左巻き状をした外周壁5
3aの端部には、内方に向かって突出する複数(この場
合は3つ)の略円弧形状のベ−ン53bを有する。ここ
で、旋回ピストン53を圧縮要素を構成するシリンダに
噛み合わせた場合に、自転モーメントにより荷重を受け
る旋回ピストン53の外周壁53c、53dの曲率が、
理想曲線に対して曲率が大きくなるように構成されてい
る。上記構成により、自転モーメントによる荷重が作用
することによる旋回ピストン53が中心周りに回転する
ことを防止することができる。この結果、旋回ピストン
53と圧縮要素を構成するシリンダの噛み合い接点にお
ける径方向の隙間を最適な値に保持することができ、高
効率な密閉型圧縮機の提供が可能となる。なお、上記外
周壁53c、53dの曲率は、旋回ピストン53と圧縮
要素を構成するシリンダの噛み合い接点における径方向
の隙間から決定される。
【0100】また、上記旋回ピストン53の外周壁部に
摺動特性に優れた表面処理を施したり、熱処理を施すこ
とにより、信頼性に優れた密閉型圧縮機の提供が可能と
なる。
【0101】なお、上記構成により、旋回ピストン53
の中心と圧縮要素を構成するシリンダの中心を一致させ
ると、両者の輪郭形状は図1で開示したような相似形と
はならない。
【0102】以上、本実施例における旋回ピストン53
の構造は、実用できる渦巻体の数(2〜10個)におけ
る旋回ピストン53の構造において適用可能である。
【0103】次に本発明の実施例に係る圧縮要素部の組
立方法について説明する。図15はこの説明図である。
同図において、主軸受4にシリンダ2を仮止めをする場
合、シリンダ2の内周壁2cを構成する3箇所の渦巻体
の任意の同心円2j(本実施例の3条ラップでは3箇所
存在する)よりも小さな3箇所の曲率部位54aを有す
る組立治具54を同図の旋回ピストンが挿入される空間
55に挿入する。前記組立治具54の3箇所の曲率部位
54aには、それぞれ径方向の隙間を測定するセンサ5
4bが構成されており、前記組立治具54を空間55に
挿入し、前記3箇所のセンサ54bの測定値が同等にな
る位置(3同心円の中心)にてシリンダ2を主軸受4に
仮止めすることにより、精密に位置決めをすることが可
能となる。この際、径方向の隙間の設定は、旋回ピスト
ンの外周壁、シリンダ2の内周壁2cならびに駆動軸の
偏心部の寸法公差により決定されるものである。なお、
本実施例は、図3で開示したシリンダ2と駆動軸6を軸
支する主軸受4が別体の場合に適用可能である。
【0104】また、本実施例では旋回ピストンの外周面
形状ならびにシリンダの内周面形状を構成する渦巻体の
個数が3個の場合で説明したが、実用できる渦巻体の数
(2〜10個)における本組立方法の適用は可能であ
る。
【0105】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室を配設
し、個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの軸回転
角をほぼ360°になるように構成するとともに均圧孔
の配置により、吐出過程の過圧縮損失を大幅に低減し、
かつ旋回ピストンの安定挙動を確保し、性能向上が図れ
かつ信頼性の高い容積型流体機械が得られる。また、こ
のような旋回型流体機械を冷凍サイクルに搭載すること
により、エネルギ効率に優れ、信頼性の高い冷凍・空調
システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素の平
面図である。
【図2】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素の動
作原理を示す平面図である。
【図3】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機の縦断
面図である。
【図4】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素部の
拡大断面図である。
【図5】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素部の
斜視図である。
【図6】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機の縦断
面図である。
【図7】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素部の
斜視図である。
【図8】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機の旋回
型圧縮要素部の拡大断面図である。
【図9】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機の縦断
面図である。
【図10】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素部
の斜視図である。
【図11】本発明に係る実施例を示す旋回型圧縮要素の
動作原理を示す平面図である。
【図12】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機を適
用した空調システムを示す図である。
【図13】本発明に係る実施例を示す容積型圧縮機を適
用した冷凍システムを示す図である。
【図14】本発明に係る旋回ピストンの平面図である。
【図15】本発明に係る旋回型圧縮要素の組立方法を説
明する図である。
【図16】4条ラップにおける軸回転角と作動室との関
係を示す図。
【図17】3条ラップにおける軸回転角と作動室との関
係を示す図。
【図18】圧縮要素の巻角が360゜より大きい場合の
動作説明図。
【符号の説明】
1…圧縮要素、2…シリンダ、2a…中空部、2b…ベ
ーン、2c…内周壁、2d…吐出口、2e、2f…穴
部、2g…端面、2h…傾斜流路、2i…切り欠き部、
2j…同心円、3…旋回ピストン、3a…外周壁、3b
…軸受部、3c…圧力連通孔、3d…ベーン、3e…油
溝、4…主軸受、4a…吸込ポート、4b…吐出口、4
c…主軸受部、4d…均圧孔、4e、4f…ネジ部、4
g…切り欠き部、5…副軸受、5a…吐出ポート、5b
…吐出口、5c…副軸受部、5d…均圧孔、5e…ネジ
穴、5f、5g…穴部、5h…切り欠き部、6…駆動
軸、6a…偏心部、6b…給油孔、6c…給油溝、7…
作動室、8…吐出弁、9…吸込カバー、9a…吐出口、
10…吸込室、11…吐出カバー、12…吐出室、13
…電動要素、13a…固定子、13b…回転子、14…
潤滑油、15…密閉容器、16…吸込パイプ、17…吐
出パイプ、18…バランサ、19…オイルカバー、20
…駆動軸、20a…偏心部、21…密閉容器、22…電
流導入端子、23…吐出カバー、23a…吐出ポート、
23b…均圧孔、24…吐出口、25…密閉容器、26
…吸込カバー、27…圧縮要素、28…密閉容器、29
…シリンダ、29a…内周壁、29b…ベーン、29c
…主軸受、29d…吸込ポート、29e…均圧孔、29
f…端面、29g…傾斜流路、30…駆動軸、30a…
偏心部、30b…給油孔、30c…給油溝、31…旋回
ピストン、31a…軸受穴部、31b…外周壁、31c
…ベーン、31d…穴部、32…副軸受部材、32a…
副軸受部、32b…吐出ポート、32c…穴部、32d
…均圧孔、32e…穴部、32f…ネジ穴、32g…切
り欠き部、33…自転防止部材、33a…軸受部材、3
3b…偏心部材、33c…軸受部材、33d…ピン部
材、34…作動室、35…吐出カバー、36…連通路、
37…バランサ、38…オイルカバー、39…容積型圧
縮機、40…室外熱交換器、41…ファン、42…膨張
弁、43…室内熱交換器、44…ファン、45…4方
弁、46…室外ユニット、47…室内ユニット、48…
凝縮器、49…凝縮器ファン、50…膨張弁、51…蒸
発器、52…蒸発器ファン、53…旋回ピストン、53
a…外周壁、53b…ベーン、53c、53d…外周
壁、54…組立治具、54a…曲率部位、54b…セン
サ、55…空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲場 恒一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 畠 裕章 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 東條 健司 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板間にディスプレーサとシリンダとを配
    置し、回転軸の回転中心に前記ディスプレーサ中心を合
    わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ
    外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレー
    サ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたと
    きは複数の空間が形成された容積型流体機械において、
    前記旋回ディスプレーサを前記端板間で潤滑油を介して
    旋回させる手段を備えた容積型流体機械。
  2. 【請求項2】端板間にディスプレーサとシリンダとを配
    置し、回転軸の回転中心に前記ディスプレーサ中心を合
    わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ
    外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレー
    サ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたと
    きは複数の空間が形成され、前記端板に吐出ポートを形
    成した容積型流体機械において、前記吐出ポートが形成
    された端板に対向する端板の前記吐出ポートに対向する
    位置に穴部を形成した容積型流体機械。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記端板の一方は主軸
    受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一体成
    形されるものである容積型流体機械。
  4. 【請求項4】端板間にディスプレーサとシリンダとを配
    置し、回転軸の回転中心に前記ディスプレーサ中心を合
    わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ
    外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレー
    サ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたと
    きは複数の空間が形成され、前記端板に吸入ポートを形
    成した容積型流体機械において、前記吸入ポートが形成
    された端板に対向する端板の前記吸入ポートに対向する
    位置に穴部を形成した容積型流体機械。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記端板の一方は主軸
    受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一体成
    形されるものである容積型流体機械。
  6. 【請求項6】端板間にディスプレーサとシリンダとを配
    置し、回転軸の回転中心に前記ディスプレーサ中心を合
    わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ
    外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレー
    サ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたと
    きは複数の空間が形成され、前記端板に吸入ポート及び
    吐出ポートを形成した容積型流体機械において、前記吸
    入ポートが形成された端板に対向する端板の前記吸入ポ
    ートに対向する位置に形成された穴部と、前記吐出ポー
    トが形成された端板に対向する端板の前記吐出ポートに
    対向する位置に形成された穴部とを有する容積型流体機
    械。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記端板の一方は主軸
    受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一体成
    形されるものである容積型流体機械。
  8. 【請求項8】端板間に設けられ断面形状が連続した曲線
    で構成される内壁を有するシリンダと、端板間に設けら
    れこのシリンダの内壁に対向するように設けられた外壁
    を有し、旋回運動したとき前記内壁とこの外壁とで複数
    の空間を形成するディスプレーサと、前記端板に設けら
    れ前記空間に連通する吸入ポートと、前記端板に設けら
    れ前記空間に連通する吐出ポートとを備えた容積型流体
    機械において、前記ディスプレーサの前記端板対向面に
    潤滑油を供給する手段と、前記吸入ポートが形成された
    端板に対向する端板の前記吸入ポートに対向する位置に
    形成された穴部とを備えた容積型流体機械。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記端板の一方は主軸
    受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一体成
    形されるものである容積型流体機械。
  10. 【請求項10】端板間に設けられ断面形状が連続した曲
    線で構成される内壁を有するシリンダと、端板間に設け
    られこのシリンダの内壁に対向するように設けられた外
    壁を有し、旋回運動したとき前記内壁とこの外壁とで複
    数の空間を形成するディスプレーサと、前記端板に設け
    られ前記空間に連通する吸入ポートと、前記端板に設け
    られ前記空間に連通する吐出ポートとを備えた容積型流
    体機械において、前記ディスプレーサの前記端板対向面
    に潤滑油を供給する手段と、前記吐出ポートが形成され
    た端板に対向する端板の前記吐出ポートに対向する位置
    に形成された穴部とを備えた容積型流体機械。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記端板の一方は
    主軸受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一
    体成形されるものである容積型流体機械。
  12. 【請求項12】端板間に設けられ断面形状が連続した曲
    線で構成される内壁を有するシリンダと、端板間に設け
    られこのシリンダの内壁に対向するように設けられた外
    壁を有し、旋回運動したとき前記内壁とこの外壁とで複
    数の空間を形成するディスプレーサと、前記端板に設け
    られ前記空間に連通する吸入ポートと、前記端板に設け
    られ前記空間に連通する吐出ポートとを備えた容積型流
    体機械において、前記ディスプレーサの前記端板対向面
    に潤滑油を供給する手段と、前記吸入ポートが形成され
    た端板に対向する端板の前記吸入ポートに対向する位置
    に形成された穴部と、前記吐出ポートが形成された端板
    に対向する端板の前記吐出ポートに対向する位置に形成
    された穴部とを備えた容積型流体機械。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記端板の一方は
    主軸受と一体成形されるものであり、他方は副軸受と一
    体成形されるものである容積型流体機械。
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