JP3207308B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP3207308B2 JP31676293A JP31676293A JP3207308B2 JP 3207308 B2 JP3207308 B2 JP 3207308B2 JP 31676293 A JP31676293 A JP 31676293A JP 31676293 A JP31676293 A JP 31676293A JP 3207308 B2 JP3207308 B2 JP 3207308B2
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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0215Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form where only one member is moving
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクロール型圧縮機に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型圧縮機(以下、単に
圧縮機という。)としては、実公昭63−43424号
公報記載のものが知られている。この圧縮機では、フロ
ントハウジングとフロントエンドプレートとリアハウジ
ングとがハウジングとして外形を形成している。リアハ
ウジングには吸入口及び吐出口が形成されているととも
に、固定側板及び固定渦巻体からなる固定スクロールが
固定されている。この固定スクロールにはリアハウジン
グ内において可動側板及び可動渦巻体からなる可動スク
ロールが互いに180°位相をずらして噛合され、これ
により可動渦巻体の内壁側に内壁側圧縮室が形成され、
可動渦巻体の外壁側に外壁側圧縮室が形成されている。
そして、フロントエンドプレートには駆動軸が軸封装置
及び軸受を介して回転自在に支承され、駆動軸の後端に
は駆動ピンが突設されている。この駆動ピンにはラジア
ル軸受を介して可動スクロールを公転させる駆動ブッシ
ュが嵌合され、フロントエンドプレートと可動スクロー
ルの可動側板との間には可動スクロールの自転を防止す
る自転防止機構が備えられている。また、この圧縮機で
は、リアハウジングに吸入口から密閉される前の内壁側
圧縮室及び外壁側圧縮室に連通する主吸入通路が設けら
れているとともに、特徴的な構成として、フロントエン
ドプレート及びリアハウジングに主吸入通路から分岐さ
れて軸封装置に至る副吸入通路が設けられている。
【0003】この圧縮機では、駆動軸を回転駆動すれ
ば、駆動ブッシュが駆動ピンにより駆動されて回転す
る。駆動ブッシュの回転はラジアル軸受を介して可動ス
クロールに伝達され、可動スクロールが自転防止機構に
より自転を防止されていることから、可動スクロールは
公転運動のみ実行される。これによって内壁側圧縮室及
び外壁側圧縮室は、最外側から順次渦巻き中心方向に移
動されて密閉され、しかる後に容積を縮小させて単一の
圧縮室となり、これにより吸入口から吸入した冷媒ガス
を圧縮して吐出口より吐出させる。
【0004】この間、上記公報によれば、吸入口より主
吸入通路を経て吸入される冷媒ガスは、一部が副吸入通
路を経て軸封装置に導入可能になされているため、その
軸封装置を冷媒ガス自身で冷却するとともに冷媒ガスが
含有するミスト状の潤滑油で潤滑し、しかる後に軸受等
の潤滑も行うことが可能とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の圧
縮機では、吸入口と軸封装置とを副吸入通路によって連
通させているにすぎない。このため、冷媒ガスは、例え
軸封装置に至ったとしても、軸受の転動体間の間隙等を
介して、吸入実行段階である密閉される前の内壁側圧縮
室及び外壁側圧縮室に至らなければならず、軸封装置後
の通路抵抗が大きくなっている。また、吸入口近傍と軸
封装置、そして密閉される前の内壁側圧縮室及び外壁側
圧縮室とでは、ほとんど差圧を生じていない。こうし
て、冷媒ガスは、通路抵抗が高いことと差圧がほとんど
ないこととから、副吸入通路により軸封装置、軸受等を
介して内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室に供給されること
がほとんどなく、主吸入通路により内壁側圧縮室及び外
壁側圧縮室に供給される。このため、この圧縮機では、
軸封装置の冷却及び潤滑が不十分になるとともに、軸受
等の潤滑も不十分になるおそれがある。
【0006】また、実開昭60−170088号公報、
実開昭62−132287号公報及び特開平2−271
86号公報には、潤滑油を軸封装置等に供給可能な油分
離器やポンプ等を備えた圧縮機が開示されている。しか
し、これらの圧縮機では、油分離器やポンプ等を内装す
ることにより、体格の大型化を招来して車両等への搭載
性を損なうことになるとともに、製造コストの高騰化を
生じてしまう。
【0007】本発明は、圧縮機における体格の大型化及
び製造コストの高騰化を生じることなく、軸封装置の冷
却及び潤滑を充分に行うことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の圧縮機は、上記課題を解決するため、吸
入口を有するハウジングと、該ハウジングに内装された
軸封装置及び軸受を介して支承された駆動軸と、固定側
板及び固定渦巻体を有して該ハウジングに固定された固
定スクロールと、該ハウジング内に収容されて該固定ス
クロールと噛合する可動側板及び可動渦巻体を有し、該
可動渦巻体の内壁側に内壁側圧縮室を形成し、該可動渦
巻体の外壁側に外壁側圧縮室を形成する可動スクロール
と、該駆動軸の後端に突設された駆動ピンと係合し、ラ
ジアル軸受を介して該可動スクロールを公転させる駆動
ブッシュと、該ハウジング及び該可動スクロールの該可
動側板と係合し、該可動スクロールの自転を防止する自
転防止機構とを備え、該可動スクロールの公転運動によ
り、該内壁側圧縮室及び該外壁側圧縮室を順次渦巻き中
心方向に移動させて密閉させた後、容積を縮小させて単
一の圧縮室となし、これにより該吸入口から吸入した冷
媒ガスを圧縮して吐出させるスクロール型圧縮機におい
て、前記ハウジングには、前記吸入口から前記軸封装置
を経由し、密閉される前の最外の前記内壁側圧縮室及び
前記外壁側圧縮室の少なくとも一方に連通する吸入通路
が設けられているという新規な手段を講じている。
【0009】(2)本発明の圧縮機では、吸入通路は、
吸入口から密閉される前の最外の内壁側圧縮室及び外壁
側圧縮室の一方に連通する主吸入通路と、該主吸入通路
から分岐されて軸封装置を経由し、密閉される前の最外
の該内壁側圧縮室及び該外壁側圧縮室の他方に連通する
副吸入通路とからなることが好ましい。 (3)また、本発明の圧縮機では、吸入通路には、軸
受、ラジアル軸受及び自転防止機構の少なくともいずれ
かを経由するバイパス通路が設けられていることが好ま
しい。
【0010】
【作用】
(1)請求項1の圧縮機では、最外の内壁側圧縮室と外
壁側圧縮室とは、吸入実行段階である密閉される前には
吸入口の圧力より低圧である。このため、吸入口近傍の
冷媒ガスは、ハウジングに形成された吸入通路により、
最外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の少なくとも一方
に至る。
【0011】このとき、吸入通路は軸封装置を経由して
いるため、冷媒ガスは必ず軸封装置に供給される。な
お、最外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の一方に吸入
された冷媒ガスは、可動スクロールが固定スクロールと
互いに位相をずらして噛合されることにより、一方が他
方と必ず連通されるため、他方に吸入され、最外の内壁
側圧縮室及び外壁側圧縮室の両者に冷媒ガスが吸入され
る。
【0012】(2)請求項2の圧縮機では、吸入口近傍
の冷媒ガスは、ハウジングに形成された主吸入通路によ
り最外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の一方に至る。
また、主吸入通路内の冷媒ガスは、副吸入通路により最
外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の他方に至る。この
とき、副吸入通路は軸封装置を経由しているため、冷媒
ガスは必ず軸封装置に供給される。また、最外の内壁側
圧縮室及び外壁側圧縮室の一方には、軸封装置を経ない
冷媒ガスが吸入されるため、この際に吸入抵抗を受ける
ことがない。軸封装置を経ないで最外の内壁側圧縮室及
び外壁側圧縮室の一方に吸入された冷媒ガスは、可動ス
クロールが固定スクロールと互いに位相をずらして噛合
されることにより、一方が他方と必ず連通されるため、
他方に吸入される。
【0013】よって、この場合には、軸封装置への冷媒
ガスの供給が行われるとともに、吸入抵抗をほとんど受
けることなく最外の内壁側圧縮室又は外壁側圧縮室の両
者に冷媒ガスが吸入される。 (3)請求項3の圧縮機では、吸入口近傍の冷媒ガス
は、吸入通路に形成されたバイパス通路により、最外の
内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の少なくとも一方に至
る。
【0014】このとき、バイパス通路は軸受、ラジアル
軸受及び自転防止機構の少なくともいずれかを経由して
いるため、冷媒ガスは必ず軸受等に供給される。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、請求項1、2の圧縮機を具体化した
実施例1を図面を参照しつつ説明する。この圧縮機は、
図1に示すように、固定側板21と、この固定側板21
と一体に形成され外郭を形成するシェル部22と、固定
側板21の内側にインボリュート曲線等により形成され
た固定渦巻体23とからなる固定スクロール2が、可動
側板41と、この可動側板41の内側にインボリュート
曲線等により形成された可動渦巻体42とからなる可動
スクロール4と噛合することにより、圧縮室1を形成し
ている。
【0016】すなわち、図2に示すように、可動渦巻体
42の内壁が固定渦巻体23の外壁とともに内壁側圧縮
室1aを構成し、可動渦巻体42の外壁が固定渦巻体2
3の内壁とともに外壁側圧縮室1bを構成している。固
定スクロール2のシェル部22は、フロントハウジング
30及びリアハウジング38と通しボルト3(図2参
照)により締結されている。フロントハウジング30の
ボス内には、軸封装置31を介して駆動軸33が延在さ
れており、この駆動軸33の後方には大径部33aが形
成され、フロントハウジング30と大径部33aとの間
にはアンギュラコンタクト玉軸受32が介在されてい
る。
【0017】そして、駆動軸33の大径部33aの後端
には駆動ピン34が突設されている。この駆動ピン34
にはカウンタウェイト35及び駆動ブッシュ36が嵌合
され、駆動ブッシュ36にラジアル軸受37を介して可
動側板41のボスが支承されている。なお、駆動ピン3
4は駆動軸33の回転方向後方に傾斜した駆動面34a
を有しており、駆動ブッシュ36はこの駆動面34aに
沿って径方向に案内可能になされている。
【0018】フロントハウジング30と可動側板41と
の間には軸方向に延在する所定数の自転防止ピン51a
をもつ可動リング51が介在され、自転防止ピン51a
はフロントハウジング30に凹設された規制孔30aと
可動側板41に凹設された規制孔41aとにそれぞれ鋼
鉄製ライナを介して係合され、これにより駆動軸33及
び可動側板41より作用するラジアル力を受承して可動
側板41の自転を防止している。ここで、自転防止ピン
51aが設けられている可動リング51の前後面は、ラ
ジアル力を好適に受承するため、フロントハウジング3
0及び可動側板41との間に数十μmの間隙を有してい
る。一方、自転防止ピン51aが設けられていない可動
リング51の前後面はフロントハウジング30及び可動
側板41と摺動可能に当接されており、これにより可動
側板41より作用するスラスト力が受承されている。こ
れら自転防止ピン51a、可動リング51及び規制孔3
0a、41aにより自転防止機構が構成されている。
【0019】また、シェル部22及びフロントハウジン
グ30には、図2にも示すように、吸入フランジ62が
形成され、吸入フランジ62には外部冷凍回路と接続さ
れる吸入口62aが形成されている。吸入口62aは主
吸入通路62bによりシェル22の内壁及び固定渦巻体
23の内外壁が形成する渦巻き状の溝の端部に連通さ
れ、これにより吸入口62aは最外の内壁側圧縮室1a
及び外壁側圧縮室1bに連通可能になっている。
【0020】そして、シェル部22及びフロントハウジ
ング30では、主吸入通路62bから副吸入通路62c
が分岐され、この副吸入通路62cは軸封装置31を経
由し、密閉される前の最外の外壁側圧縮室1bに連通さ
れている。さらに、リアハウジング38内には吐出室3
9が形成されており、この吐出室39は固定側板21の
中央部分に貫設された吐出ポート2と吐出弁機構6を介
して連通されているとともに、図示しない吐出口で冷凍
回路と連通されている。
【0021】以上のように構成されたこの圧縮機では、
電磁クラッチにより駆動軸33を回転駆動すれば、駆動
ブッシュ36は駆動ピン34により駆動されて回転す
る。駆動ブッシュ36の回転はラジアル軸受37を介し
て可動側板41に伝達され、可動側板41が自転防止ピ
ン51a、可動リング51及び規制孔30a、41aに
より自転を防止されていることから、可動スクロール4
は公転円に沿って公転運動のみ実行される。これによっ
て固定側板21、固定渦巻体23、可動側板41及び可
動渦巻体42により形成された圧縮室1が順次容積を縮
小させながら渦巻き中心方向へ移動される。
【0022】つまり、図3(図3では、シェル部22の
一部及び吸入フランジ62を省略している。図4〜6も
同じ。)に示す公転角度では、最外の内壁側圧縮室1a
及び外壁側圧縮室1bはともに密閉される前、つまり吸
入実行段階である。このとき、最外の内壁側圧縮室1a
は吸入口62aに主吸入通路62bにより連通し、最外
の外壁側圧縮室1bは吸入口62aに主吸入通路62b
及び副吸入通路62cにより連通している。
【0023】そして、90°公転が進んだ図4に示す公
転角度においても、可動渦巻体42の外壁がシェル部2
2の内壁と微小な間隙を有していることから、最外の内
壁側圧縮室1a及び外壁側圧縮室1bはともに吸入実行
段階である。このとき、最外の内壁側圧縮室1aは吸入
口62aに主吸入通路62bにより連通し、最外の外壁
側圧縮室1bは吸入口62aに主として副吸入通路62
cにより連通している。
【0024】さらに、90°公転が進んだ図5に示す公
転角度においても、可動渦巻体42の外壁がシェル部2
2の内壁と微小な間隙を有していることから、最外の内
壁側圧縮室1a及び外壁側圧縮室1bはともに吸入実行
段階である。このとき、最外の内壁側圧縮室1aは吸入
口62aに主吸入通路62bにより連通し、最外の外壁
側圧縮室1bは吸入口62aに主として副吸入通路62
cにより連通している。
【0025】これらの間、最外の内壁側圧縮室1aと外
壁側圧縮室1bとは、吸入口62aの圧力より低圧であ
る。このため、吸入口62a近傍の冷媒ガスは主吸入通
路62bにより最外の内壁側圧縮室1aに至る。また、
主吸入通路62b内の冷媒ガスは、副吸入通路62cに
より最外の外壁側圧縮室1bに至る。このとき、副吸入
通路62cは軸封装置31を経由しているため、冷媒ガ
スは必ず軸封装置31に供給される。また、最外の内壁
側圧縮室1aには、軸封装置31を経ない冷媒ガスが吸
入されるため、この際に吸入抵抗を受けることがない。
軸封装置31を経ないで最外の内壁側圧縮室1aに吸入
された冷媒ガスは、可動スクロール4が固定スクロール
2と互いに位相をずらして噛合されることにより、内壁
側圧縮室1aが外壁側圧縮室1bと必ず連通されるた
め、外壁側圧縮室1bに吸入される。
【0026】よって、この圧縮機では、軸封装置31へ
の冷媒ガスの供給が行われるとともに、吸入抵抗をほと
んど受けることなく最外の内壁側圧縮室1a及び外壁側
圧縮室1bの両者に冷媒ガスが吸入される。そして、軸
封装置31に供給された冷媒ガスは、その軸封装置31
を冷媒ガス自身で冷却するとともに冷媒ガスが含有する
ミスト状の潤滑油で潤滑し、しかる後に軸受32、ラジ
アル軸受37、自転防止機構等を潤滑し、密閉される前
の最外の内壁側圧縮室1a及び外壁側圧縮室1bに吸入
される。
【0027】またさらに、90°公転が進んだ図6に示
す公転角度において、可動渦巻体42の内壁が固定渦巻
体23の外壁と当接し、可動渦巻体42の外壁が固定渦
巻体23の内壁と当接することから、最外の内壁側圧縮
室1a及び外壁側圧縮室1bは、吸入実行段階を終了し
て密閉され、吸入口62aとは連通しなくなる。ここ
で、可動渦巻体42はその外壁により新しい最外の外壁
側圧縮室1b’を構成せんとし、その内壁により新しい
内壁側圧縮室を構成せんとしているため、以降は図3に
戻って上記作用を繰り返す。
【0028】こうして、内壁側圧縮室1a及び外壁側圧
縮室1bは、最外側から順次渦巻き中心方向に移動され
て密閉され、しかる後に容積を縮小させて単一の圧縮室
1cとなり、これにより吸入口62aから吸入した冷媒
ガスは吐出ポート2、吐出弁機構3を介して吐出室39
へ吐出され、吐出口から外部冷凍回路に循環される。し
たがって、この圧縮機では、軸封装置31に冷媒ガスを
容易に供給することができるので、軸封装置31の冷却
及び潤滑を充分に行うことができる。このため、この圧
縮機では優れた耐久性を発揮することができる。
【0029】また、この圧縮機では、軸封装置31等の
潤滑のためにほとんど吸入抵抗を増大させることがない
ため、高い圧縮効率を維持することができる。さらに、
この圧縮機では、かかる効果を発揮するために従来のよ
うな油分離器やポンプ等を内装することはしていないた
め、体格の大型化を回避でき、車両等への優れた搭載性
を発揮することができるとともに、製造コストの低廉化
を実現することができる。
【0030】また、この圧縮機では、圧縮した冷媒ガス
中の潤滑油を軸封装置31に供給するものではないの
で、冷媒ガスの再膨脹、再圧縮を生じることがなく、高
い圧縮効率を維持することができる。加えて、この圧縮
機では、吸入口62aの通過面積を減少させることはな
いので、吸入口62aによる吸入抵抗の増大を生じるこ
とはなく、ひいては高い圧縮効率を確保することができ
る。 (実施例2)次に、請求項1〜3の圧縮機を具体化した
実施例2を図面を参照しつつ説明する。
【0031】この圧縮機は、図7に示すように、実施例
1の圧縮機にバイパス通路62dを設けた点以外は実施
例1にものと同一であるため、同一の構成については同
一の符号を付し、同一の作用及び効果については説明を
省略する。すなわち、この圧縮機では、フロントハウジ
ング30では、副吸入通路62cから分岐されたバイパ
ス通路62dが軸受32と可動側板41のボスとの間を
経て、再び副吸入通路62cに連結されている。
【0032】この圧縮機では、吸入口62a近傍の冷媒
ガスは、バイパス通路62dにより最外の外壁側圧縮室
1bに至る。このとき、バイパス通路62dは軸受3
2、ラジアル軸受37及び自転防止機構を経由している
ため、冷媒ガスは必ず軸受32等に供給される。そし
て、軸受32等に供給された冷媒ガスは、その軸受32
等を冷媒ガス自身で冷却するとともに冷媒ガスが含有す
るミスト状の潤滑油で潤滑し、しかる後に密閉される前
の最外の内壁側圧縮室1a及び外壁側圧縮室1bに吸入
される。
【0033】したがって、この圧縮機では、実施例1の
ものと同様の効果を発揮することができるとともに、軸
受32、ラジアル軸受37及び自転防止機構に冷媒ガス
を容易に供給することができるので、軸受32等の潤滑
を充分に行うことができる。このため、この圧縮機では
より優れた耐久性を発揮することができる。なお、上記
実施例1、2の圧縮機では、図8(A)に模式的に示す
ように、内壁側圧縮室1aと外壁側圧縮室1bとの間で
ほとんど吸入抵抗を生じない場合、吸入口62aから密
閉される前の最外の内壁側圧縮室1aに連通する主吸入
通路62bを設け、この主吸入通路62bから分岐され
て軸封装置31を経由し、密閉される前の最外の外壁側
圧縮室1bに連通する副吸入通路62cを設けている。
しかし、本発明の圧縮機は、上記構成に限定されるもの
ではない。すなわち、図8(B)に模式的に示すよう
に、吸入口62aから軸封装置31を経由し、密閉され
る前の最外の内壁側圧縮室1a又は外壁側圧縮室1bに
連通する吸入通路62eを設けることもできる。また、
図8(C)に模式的に示すように、吸入口62aから密
閉される前の最外の内壁側圧縮室1aに連通する吸入通
路62fを設け、吸入口62aから密閉される前の最外
の外壁側圧縮室1bに連通する吸入通路62gを設け、
吸入通路62fから分岐されて軸封装置31を経由し、
吸入通路62gに至る吸入通路62hを設けることもで
きる。さらに、図8(D)に模式的に示すように、内壁
側圧縮室1aと外壁側圧縮室1bとの間で吸入抵抗を生
じる場合でも、吸入口62aから密閉される前の最外の
内壁側圧縮室1aに連通する主吸入通路62bを設け、
この主吸入通路62bから分岐されて軸封装置31を経
由し、密閉される前の最外の外壁側圧縮室1bに連通す
る副吸入通路62cを設けることもできる。
【0034】また、上記実施例1、2では、図4及び図
5に示す公転角度において、可動渦巻体42の外壁がシ
ェル部22の内壁と微小な間隙を有することにより、最
外の内壁側圧縮室1a及び外壁側圧縮室1bをともに吸
入実行段階としたが、可動渦巻体42の外壁がシェル部
22の内壁と当接することにより、最外の内壁側圧縮室
1aを未だ吸入実行段階とする一方、最外の外壁側圧縮
室1bを密閉させることもできる。この場合には、最外
の内壁側圧縮室1aよりも最外の外壁側圧縮室1bの方
が圧力が高くなるため、外壁側圧縮室1b内の冷媒ガス
を副吸入通路62cを経て内壁側圧縮室1aに逆流させ
ることができる。このとき、軸封装置31に冷媒ガスを
供給することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の圧縮機で
は、特許請求の範囲記載の構成を採用しているため、軸
封装置に冷媒ガスを容易に供給することができるので、
軸封装置の冷却及び潤滑を充分に行うことができる。こ
のため、この圧縮機では優れた耐久性を発揮することが
できる。
【0036】また、この圧縮機では、かかる効果を発揮
するために油分離器やポンプ等を内装することはしてい
ないため、体格の大型化を回避でき、車両等への優れた
搭載性を発揮することができるとともに、製造コストの
低廉化を実現することができる。この圧縮機において、
吸入口から密閉される前の最外の内壁側圧縮室及び外壁
側圧縮室の一方に連通する主吸入通路と、この主吸入通
路から分岐されて軸封装置を経由し、密閉される前の最
外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の他方に連通する副
吸入通路とを設けた場合には、軸封装置に冷媒ガスを容
易に供給することができるとともに、吸入通路による吸
入抵抗をほとんど生ずることなく、最外の内壁側圧縮室
及び外壁側圧縮室の両者に冷媒ガスを吸入させることが
できる。このため、この圧縮機では、軸封装置等の潤滑
のために吸入抵抗を増大させることがないため、高い圧
縮効率を維持することができる。
【0037】また、この圧縮機において、吸入通路に軸
受、ラジアル軸受及び自転防止機構の少なくともいずれ
かを経由するバイパス通路を設けた場合には、軸受等に
冷媒ガスを容易に供給することができるので、軸受等の
潤滑をも充分に行うことができる。このため、この圧縮
機ではより優れた耐久性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のスクロール型圧縮機の縦断面図であ
る。
【図2】実施例1のスクロール型圧縮機に係り、図1の
II−II矢視断面図である。
【図3】実施例1のスクロール型圧縮機に係り、ある公
転角度における図2と同様の断面図である。
【図4】実施例1のスクロール型圧縮機に係り、図3の
状態から90度公転した状態における図2と同様の断面
図である。
【図5】実施例1のスクロール型圧縮機に係り、図4の
状態から90度公転した状態における図2と同様の断面
図である。
【図6】実施例1のスクロール型圧縮機に係り、図5の
状態から90度公転した状態における図2と同様の断面
図である。
【図7】実施例2のスクロール型圧縮機の縦断面図であ
る。
【図8】実施例1、2及び他の実施例の模式図である。
【符号の説明】
62a…吸入口 30…フロントハウ
ジング 22…シェル部 38…リアハウジング 2…固
定スクロール 31…軸封装置 32…軸受 33…
駆動軸 21…固定側板 23…固定渦巻体 4…可
動スクロール 41…可動側板 42…可動渦巻体 1…圧
縮室 1a…内壁側圧縮室 1b…外壁側圧縮室 34…
駆動ピン 37…ラジアル軸受 36…駆動ブッシュ 51a、51、30a、41a…自転防止機構(51a
…自転防止ピン、51…可動リング、30a、41a…
規制孔) 62b…主吸入通路 62c…副吸入通路 62d…バイパス通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 靖 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 深沼 哲彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 実開 昭59−24992(JP,U) 実開 平3−122289(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸入口を有するハウジングと、該ハウジン
    グに内装された軸封装置及び軸受を介して支承された駆
    動軸と、固定側板及び固定渦巻体を有して該ハウジング
    に固定された固定スクロールと、該ハウジング内に収容
    されて該固定スクロールと噛合する可動側板及び可動渦
    巻体を有し、該可動渦巻体の内壁側に内壁側圧縮室を形
    成し、該可動渦巻体の外壁側に外壁側圧縮室を形成する
    可動スクロールと、該駆動軸の後端に突設された駆動ピ
    ンと係合し、ラジアル軸受を介して該可動スクロールを
    公転させる駆動ブッシュと、該ハウジング及び該可動ス
    クロールの該可動側板と係合し、該可動スクロールの自
    転を防止する自転防止機構とを備え、該可動スクロール
    の公転運動により、該内壁側圧縮室及び該外壁側圧縮室
    を順次渦巻き中心方向に移動させて密閉させた後、容積
    を縮小させて単一の圧縮室となし、これにより該吸入口
    から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐出させるスクロール
    型圧縮機において、 前記ハウジングには、前記吸入口から前記軸封装置を経
    由し、密閉される前の最外の前記内壁側圧縮室及び前記
    外壁側圧縮室の少なくとも一方に連通する吸入通路が設
    けられていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】吸入通路は、吸入口から密閉される前の最
    外の内壁側圧縮室及び外壁側圧縮室の一方に連通する主
    吸入通路と、該主吸入通路から分岐されて軸封装置を経
    由し、密閉される前の最外の該内壁側圧縮室及び該外壁
    側圧縮室の他方に連通する副吸入通路とからなることを
    特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】吸入通路には、軸受、ラジアル軸受及び自
    転防止機構の少なくともいずれかを経由するバイパス通
    路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記
    載のスクロール型圧縮機。
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