JP7010202B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、スクロール型の流体機械に関するものである。
特許文献1にはスクロール型圧縮機が開示されている。この圧縮機は、ハウジングに設けられた複数の円環孔と、円環孔を形成する内周壁にそれぞれ規制されつつ円環孔の内側に旋回する複数のピンとを含む自転防止機構部を有している。各ピンと円環孔との間には、ピンに対して遊嵌して滑り接触および転がり接触可能な介装部材が設けられている。この圧縮機は、自転防止機構部が可動スクロール部材の自転を阻止しながら、旋回スクロール部材が固定スクロール部材に対して公転中心周りに旋回運動する。
特開平10-220367号公報
可動スクロールの旋回運動において、介装部材とピンとは、介装部材に対して相対回転するピンの回転半径が小さいため、ピンの相対回転速度が速くなる。これにより、ピンの摩耗速度が速くなるという課題がある。
この明細書に開示する目的は、自転防止機構部における突出部と介装部材の摩耗を抑制可能な流体機械を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された流体機械の一つは、渦巻き状の固定側ラップ(331)を有した固定スクロール(33)と、固定側ラップとの間に流体を吸入、圧縮および吐出する流体室(38)を形成する旋回側ラップ(22)を有した旋回スクロール(20)と、旋回スクロールの自転運動を阻止するために、円形状の内周壁を有する規制部(51;151;251;351)、規制部の内周壁に規制されつつ規制部の内側において旋回する突出部(52)、および突出部と内周壁の間に介在して突出部および内周壁に対して摺動するリング状の介装部材(53)をそれぞれ有する複数の自転防止機構部(50)と、を備え、介装部材は、表面硬さが突出部の表面硬さよりも低い材質によって形成されている。
この流体機械によれば、介装部材の表面硬さは突出部の表面硬さよりも低いため、介装部材における内周部が突出部における外周部よりも摩耗して、介装部材の内周部が突出部になじむようになる。介装部材と突出部との摺動部分がなじむようになると、介装部材と突出部との摺動抵抗が抑えられて、摩耗や焼き付きを抑えることができる。したがって、自転防止機構部における突出部の摩耗を抑制可能な流体機械を提供できる。
第1実施形態の流体機械の構成を示した縦断面図である。 旋回スクロール、摺動部および介装部材について、図1のII-II切断面を図示した部分断面図である。 第2実施形態における規制部の構成を示す部分平面図である。 第2実施形態における規制部の構成を示す部分縦断面図である。 第3実施形態における規制部の構成を示す部分平面図である。 第3実施形態における規制部の構成を示す部分縦断面図である。 第4実施形態における規制部の構成を示す部分平面図である。 第4実施形態における規制部の構成を示す部分縦断面図である。 第5実施形態における規制部と介装部材との位置関係を示す部分縦断面図である。 第6実施形態の流体機械の構成を示した部分縦断面図である。 第7実施形態の流体機械の構成を示した部分縦断面図である。 第8実施形態の流体機械の構成を示した部分縦断面図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
流体機械の一例を開示する第1実施形態について図1~図4を参照しながら説明する。明細書に開示の目的を達成可能な流体機械は、流体を圧縮する機械または流体を膨張する装置を含んでいる。第1実施形態に開示する流体機械1は、作動流体として採用される液体、気体、気液混合流体等を圧縮または膨張して外部へ流出させることができる。例えば作動流体は、空気、水、各種の冷媒等である。
流体機械1は、固定スクロール33と旋回スクロール20とを備えるスクロール型流体機械である。流体機械1は、少なくとも旋回スクロール20が樹脂製であり、さらにオイルレスで使用することができる。このため、流体機械1は、オイルセパレータなどの付属装置が不要である。流体機械1は、例えば医療用エアや工場用エアなど、クリーンな空気を供給する空気圧源として適用することができる。
図1を参照して流体機械1の構成について説明する。図1に示すように、流体機械1は、ハウジング30、固定スクロール33、旋回スクロール20およびモータ部40等を備えている。ハウジング30は、第1ハウジング31と第2ハウジング32を含んで構成されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、流体機械1において、可動する旋回スクロール20に対して、静止している固定側部材である。第1ハウジング31と第2ハウジング32はいずれも、例えばアルミニウムなど、熱伝導性の高い金属により形成されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、ボルト締めまたは溶接等により固定されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32はそれぞれの外壁が大気に露出するように設置されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、少なくとも一部が金属により形成されていればよい。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、少なくとも一部が大気に露出するように構成されていればよい。
ハウジング30の内側には、固定スクロール33と旋回スクロール20が設けられている。固定スクロール33は、第1ハウジング31の一部として構成されている。つまり、固定スクロール33と第1ハウジング31は一つの部材をなしている。以下、固定スクロール33と旋回スクロール20とを合わせて、両スクロール部材ということがある。両スクロール部材は、作動流体の一例である空気を吸入し圧縮し、吐き出すための圧縮機構部を構成している。固定スクロール33は、円盤状の固定側基盤部330と、固定側基盤部330から突出している固定側歯部331とを備えている。固定側歯部331は、固定スクロール33に設けられた固定側ラップであり、固定スクロール33を軸方向に視て渦巻状に形成されている。固定側基盤部330の外周縁部には、第1ハウジング31において第2ハウジング32に結合される筒状壁部332が設けられている。図1に示すように、筒状壁部332は、固定側基盤部330の外周縁部から固定側基盤部330を取り囲むように流体機械1の軸方向に突出している。
第1ハウジング31の固定側基盤部330には、両スクロール部材の間に形成される圧縮室38に空気を供給する吸入口34と、圧縮室38から空気を吐き出す吐出口35とが設けられている。旋回スクロール20は、円盤状の旋回側基盤部21と、旋回側基盤部21に設けられる旋回側歯部22とを有している。旋回側歯部22は、旋回スクロール20に設けられた旋回側ラップであり、旋回スクロール20を軸方向に視て渦巻状に形成されている。圧縮室38は、固定側ラップと旋回側ラップとの間に流体を吸入、圧縮および吐出する流体室である。圧縮室38は、軸方向に視て三日月状に形成されている。旋回側基盤部21のうち圧縮室38とは反対側には、円筒状のボス部24が設けられている。
固定側歯部331と旋回側歯部22は、巻き角度範囲が異なる非対称の渦巻き構造をなす関係にある。固定側歯部331の巻き角度範囲と旋回側歯部22の巻き角度範囲との差は、30度以上であることが好ましい。非対称の渦巻き構造を有する場合、スクロールの内外を有効に使え、吸い込み容積に対し体格を小さくできるからである。固定側歯部331は、旋回側歯部22における径方向外側部位よりもさらに径外側に位置する渦巻き状部を有している。固定側歯部331における、この渦巻き状部は、筒状壁部332に設けられている。筒状壁部332に設けられた渦巻き状部により、さらに固定側歯部331の巻き角度範囲は、旋回側歯部22の巻き角度範囲よりも170度~190度の範囲に含まれる角度分大きくなっていることが好ましい。
流体機械1が流体を膨張する膨張機である場合は、流体室が固定スクロール33の中心部から外端部へ向かって移動する構成を有する。この場合、吸入口34が吐出口として機能し、吐出口35が吸入口として機能することにより、流体室の容積が増大していくように変化し、中心部側から流体室に取込まれた流体が膨張するようになる。
旋回スクロール20は、樹脂製であるため、比重が小さいため、遠心力による振動を抑制できる。旋回スクロール20は、ハウジングを形成している材質よりも比重の小さい材質によって形成されている。固定スクロール33は樹脂によって形成してもよい。旋回スクロール20と固定スクロール33は、ともに樹脂で形成されていること好ましい。これは、線膨張係数が同等であるので、歯部の接触による可動性の阻害が発生しにくい。旋回側基盤部21のうち、旋回側歯部22よりも径方向外側の部位には、第1ハウジング31のハウジング側摺動面36と摺動する旋回側摺動面23が設けられている。
図1および図2に示すように、流体機械1は、旋回スクロール20の自転を防止するための自転防止機構部50を備えている。自転防止機構部50は、規制部51と、規制部51の内周壁に規制されつつ規制部51の内側において旋回する突出部52と、突出部52と規制部51の間に介在するリング状の介装部材53とを備える。図2に示すように、流体機械1は、4個の自転防止機構部50を備えている。4個の自転防止機構部50は、旋回スクロール20の中心軸に周りに略等間隔に位置している。略等間隔とは、等間隔である構成と、所定の寸法公差の範囲で等間隔に対してずれている構成とを含む意味である。例えば、所定の寸法公差は±5度程度である。また、流体機械1が備える自転防止機構部50は、3個または5個以上であってもよい。
規制部51は、円形状の内周壁によって形成された穴部、または底面を有する凹部である。規制部51は、例えば旋回スクロール20の旋回側基盤部21において、固定スクロール33とは反対側に設けられた所定の深さをもつ凹部である。規制部51は、第2ハウジング32において回転軸CL1に直交する端面に対向している。規制部51は、円形の開口端を有する内周壁と内周壁の固定スクロール33側を閉じている底部とを有した構成である。凹部を形成する内周壁と底部とは、樹脂製である旋回側基盤部21の一部である。
突出部52は、第2ハウジング32に固定された被固定部520と、規制部51の底面に向けて突出する先端側部分としての摺動部521とを有した棒状体である。突出部52は鉄または鉄を含む合金によって形成されている。突出部52はピンとも呼ばれる。被固定部520は、第2ハウジング32に形成された円柱状凹部320に圧入された状態で固定されている。突出部52は、摺動部521の先端および介装部材53の先端と規制部51の底面とが離間した状態で第2ハウジング32に固定されている。
突出部52には、規制部51に対して摺動する先端側部分に介装部材53が装着されている。介装部材53は、突出部52の先端側部分の外側において回転可能に設置されている。この実施形態の自転防止機構部50は、ピンに対して回転可能である介装部材53を含んでいる。摺動部521は、介装部材53を介して規制部51の内周壁に対して規制されながら摺動する。自転防止機構部50において摺動部521と介装部材53は、規制部51の内周壁に対して規制されながら摺動する摺動構造を構成する。
介装部材53は、表面硬さが旋回スクロール20よりも硬い素材によって形成されている構成でもよい。介装部材53は、例えば金属によって形成されている。介装部材53は、旋回スクロール20の公転に伴い、規制部51の内周壁に規制されつつ規制部51の内側をピンに対して回転しながら旋回する。介装部材53の構成によれば、規制部51と介装部材53との摺動速度を低減することができる。さらに摺動部521の摩耗を抑制し、また摺動部分において焼き付き状態に至りにくい流体機械1を提供できる。
介装部材53の材質は、表面硬さが突出部52の表面硬さよりも低い材質である。介装部材53は、突出部52よりも摩耗しやすい材質によって形成されている。さらに突出部52の表面粗さは介装部材53の内周部の表面粗さよりも小さい。この構成により、旋回スクロール20の旋回運動において、突出部52の外周部と介装部材53の内周部との摺動に伴い、突出部52よりも介装部材53の方が摩耗するようになる。介装部材53の内表面は、突出部52の良好な外周面の粗さになじむように摩耗していくので、摺動時の両者の表面抵抗が小さくなっていく。これにより、介装部材53の過度な摩耗を抑えることができる。介装部材53の表面硬さと摺動部521の表面硬さは、例えば、ビッカーズ硬さ試験方法を示したJIS Z 2244にしたがって測定することができる。
介装部材53は、銅または錫を含む金属によって形成されていることが好ましい。銅または錫を含む金属は、固体潤滑作用を有する金属であるため、流体機械1において摺動部分の摩擦抵抗を低減する機能を発揮する。また、介装部材53は、鉄を含む金属によって形成されている構成でもよい。この構成によれば、無給油の流体機械1において摺動部分の摩擦抵抗を低減する顕著な効果を奏する。
介装部材53は、多孔質体によって形成されかつ含油されていることが好ましい。この構成によれば、自己保持された油の潤滑効果により磨耗を低減できる。介装部材53を形成する多孔質体は、例えば、焼結金属、プラスチック焼結多孔質体である。焼結金属は、金属粉を溶融点前後の温度によって焼き固めた物質であり、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属粉を用いることができる。プラスチック焼結多孔質体は、精製したプラスチック粉末を焼結、成形して製造することができる。介装部材53は、固体潤滑剤を含んでいることが好ましい。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、黒鉛、有機モリブデン化合物、フッ素化合物等を用いることができる。
また、介装部材53は、銅または錫を含む金属によって形成され、かつ固体潤滑剤を含んでいることが好ましい。
介装部材53の軸方向における一方端部53aと規制部51の底面51aとは、離間した位置関係にある。一方端部53aは、介装部材53において、流体室または固定スクロール33側に位置し軸方向に対して直交する端面である。摺動部521および介装部材53は、旋回スクロール20が公転する際に、規制部51の内周壁を沿うように滑りながら円形状を描いて変位する。突出部52は、両端に位置する、被固定部520と介装部材53および摺動部521とにおいて、固定側部材である第2ハウジング32と可動側部材である旋回スクロール20とによって支持されている。突出部52は、一方端側の被固定部520において固体側部材に固定され、先端である他方端側の摺動部521および介装部材53において規制部51に摺動しながら支持されている。
第2ハウジング32には、第1ハウジング31とは反対側においてモータ部40が一体に設けられている。モータ部40は、モータケース41の内側にステータ42、ロータ43およびシャフト44等を有している。モータ部40として、ブラシ付モータまたはブラシレスモータなど、種々のモータを採用することが可能である。シャフト44は、モータケース41の内側に設けられた軸受45、軸受46により回転可能に設けられている。
シャフト44は、モータ部40によって回転駆動される。シャフト44の端部は、第2ハウジング32の内側に挿入されている。シャフト44の端部には、偏心部47が固定されている。偏心部47の中心軸CL2は、シャフト44の回転軸CL1に対して偏心した位置に設置されている。偏心部47は、旋回スクロール20の旋回側基盤部21に設けられたボス部24の内側に軸受48を介して設けられている。
モータ部40に通電すると、シャフト44が回転軸CL1周りに自転する。その際、モータ部40が出力するトルクは、偏心部47を介して旋回スクロール20のボス部24に伝達される。旋回スクロール20は、介装部材53を含む自転防止機構部50によって自転を規制されつつ、シャフト44の回転軸CL1の周りを公転する。公転半径は、中心軸CL2と回転軸CL1の距離と同等である。このとき、旋回スクロール20や自転防止機構部50には、遠心力が作用する。
旋回スクロール20が公転すると、両スクロール部材の間に形成される圧縮室38は、径方向外側から径方向内側に向かって旋回移動する。吸入口34側に位置する圧縮室38は、シャフト44の回転角度が0度から360度に変化する間に、回転軸CL1または吐出口35に近づきながら、その容積が次第に縮小するように変化する。これにより、流体機械1の外部から吸入口34を通じて圧縮室38に供給された空気は圧縮され、この空気は吐出口35から流体機械1の外部に吐き出される。
旋回側基盤部21における固定スクロール33とは反対側の面と、第2ハウジング32における回転軸CL1側の内壁である離間壁321との間には、背圧室39が設けられている。背圧室39には、圧縮室38で圧縮された空気の一部が、旋回側基盤部21を貫通する背圧導入通路25を経由して供給される。背圧導入通路25は、圧縮室38と背圧室39とを連通する通路である。これにより、旋回スクロール20は、背圧室39に供給された空気の圧力によって固定スクロール33側に付勢されている。
第1ハウジング31のうち旋回側摺動面23に対向する部位には、旋回側摺動面23と摺動するハウジング側摺動面36が設けられている。旋回スクロール20が公転する際、背圧室39の空気の圧力により旋回スクロール20は固定スクロール33側に付勢される。このため、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とは、常に接した状態で摺動する。ハウジング側摺動面36は、旋回スクロール20の軸方向の荷重を受けるためのスラスト軸受部として機能する。旋回スクロール20は、スラスト軸受部としてのハウジング側摺動面36に支持されつつ公転する。
旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36との間に隙間が生じた場合、圧縮室38から背圧室39に供給された高圧の空気がその隙間を通り固定スクロール33の内側の低圧空間に漏れることが考えられる。この実施形態では、旋回スクロール20は背圧室39の空気の圧力により固定スクロール33側に付勢されるので、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とが確実に接した状態で摺動する。このため、背圧室39の高圧の空気が固定スクロール33の内側の低圧空間に漏れることを防ぐ効果がある。この流体機械1によれば、空気の圧縮効率の低下を防ぐことができる。
ハウジング側摺動面36には、自己潤滑性を有するフッ素または二硫化モリブデンを含有するコーティング361が設けられていることが好ましい。これにより、ハウジング側摺動面36の摩擦係数を低くすることが可能である。フッ素コーティングとしては、ポリテトラフルオロエチレンによるコーティングが好ましい。また、このコーティングは薄膜であるので、旋回スクロール20からハウジング30への伝熱を阻害にくい効果を奏する。このため、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とがより高荷重の下で摺動する場合でも摺動部の温度上昇を抑制することができる。
第1ハウジング31には、ハウジング側摺動面36よりも径方向外側に、旋回スクロール20と離間するように凹む凹部37が設けられている。凹部37は、旋回スクロール20の旋回側摺動面23と接触しない部位である。
固定側歯部331の先端と旋回スクロール20の旋回側基盤部21との間には、隙間が設けられている。旋回側歯部22の先端と、固定スクロール33の固定側基盤部330との間には、隙間が設けられている。これにより、固定側歯部331の先端は、旋回側摺動面23およびハウジング側摺動面36よりも固定側基盤部330側に位置するので、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とが確実に接した状態で摺動する。背圧室39の高圧の空気が固定スクロール33の内側の低圧空間に漏れることを防ぐ効果を奏する。
モータ部40が出力するトルクにより旋回スクロール20が公転すると、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とが摺動する。この摺動により生じた熱は、その場所にこもることなく、第1ハウジング31および第2ハウジング32を通じて熱拡散し、ハウジングの外壁から大気に放熱される。これにより、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36の摺動による温度上昇が抑制されるので、旋回側摺動面23の耐摩耗性が向上するとともに、樹脂摺動面の溶融凝着を防ぐ効果を奏する。
第1実施形態の流体機械1がもたらす作用効果について説明する。流体機械1は、固定側ラップを有した固定スクロール33と、固定側ラップとの間に流体を吸入、圧縮および吐出する流体室を形成する旋回側ラップを有した旋回スクロール20とを備える。流体機械1は、周方向に略等間隔に配置された複数の自転防止機構部50を備える。自転防止機構部50は、円形状の内周壁を有する規制部51と、規制部51の内周壁に規制されつつ規制部51の内側において旋回する突出部52と、突出部52と内周壁の間に介在して摺動するリング状の介装部材53とを備える。介装部材53は、表面硬さが突出部52の表面硬さよりも低い材質によって形成されている。
この流体機械1によれば、介装部材53の表面硬さは突出部52の表面硬さよりも低いため、介装部材53における内周部が突出部52における外周部よりも摩耗して、介装部材53の内周部が突出部になじむようになる。介装部材53と突出部52とについて摺動する部分がなじむようになると、介装部材53と突出部52との摺動抵抗が抑えられて、摩耗や焼き付きを抑制できる。この流体機械1によれば、特に、オイルレス、無潤滑、例えば、外部からの給油なしの構成を有する装置において好適である。前述する従来の自転防止機構部は、ピン外径部と介装部材の内周部がすべり摺動であり周速が速いという傾向がある。この場合、無給油で使用することは実用化の難易度が高く、突出部と介装部材の異常磨耗という課題がある。この流体機械1はこのような課題を解決するために貢献できる。
さらに突出部52の表面粗さは介装部材53の内周部よりも小さく形成されている。突出部52の表面粗さの方を良くする理由は、突出部52の外周部は介装部材53の内周部よりも加工で面粗さを良くしやすいからである。この構成によれば、介装部材53における内周部が突出部52における外周部よりも摩耗して、介装部材53の内周部が面粗さの良い突出部になじむようになる。流体機械1は、銅または錫を含む金属によって形成されている介装部材53を有するため、この金属の固体潤滑作用によって、介装部材53と摺動部521との過度な摩耗を抑制し異常摩耗や焼き付きを抑制でき、さらに無給油タイプの流体機械1を実現可能となる。
流体機械1は、多孔質体によって形成されかつ含油されている介装部材53を有するため、自己保持油の流体潤滑作用によって、介装部材53と摺動部521との過度な摩耗を抑制し、異常摩耗や焼き付きを抑えることができる。また、無給油タイプの流体機械1において特に有益である。
流体機械1は、固体潤滑剤を含んでいる介装部材53を有するため、摩擦係数の低下によって、介装部材53と摺動部521との過度な摩耗を抑制し、異常摩耗や焼き付きを抑えることができる。
介装部材53は、内径寸法に対する外径寸法の比率が2以上になるように形成されている。この構成によれば、介装部材53について内周面摺動抵抗に対する外周面摺動抵抗の比率が大きくなるため、介装部材53と規制部51の内周壁との間の滑りが減少して介装部材53が転がりやすくなる。これにより、介装部材53と規制部51の内周壁との摩耗を抑制し、異常摩耗や焼き付きを抑えることができる。
規制部51の内周壁は旋回スクロール20の一部である。旋回スクロール20は繊維強化樹脂によって形成されている。この構成によれば、旋回スクロール20を比較的比重の小さい樹脂製とすることにより、振動を抑えた流体機械1を提供できる。旋回スクロール20を繊維強化樹脂で形成することにより、規制部51の内周壁における塑性変形、異常摩耗、凝着等を抑えることができる。繊維強化樹脂は、例えばガラス繊維やタルク材などを含有した樹脂材料である。流体機械1において、介装部材53は、銅または錫を含む金属によって形成され、かつ固体潤滑剤を含んでいる。さらに規制部51を形成する内周壁は、表面硬さが介装部材53の表面硬さよりも高い材質によって形成されている。規制部51の内周壁と介装部材53の外周部とは曲率差が大きく面圧が高くなる傾向がある。この構成を備える流体機械1によれば、介装部材53が規制部51の内周壁よりも摩耗しやすく、内周壁の表面粗さになじむようになる。さらに介装部材53が固体潤滑作用のある金属で形成され、かつ固定潤滑剤を含むので、介装部材53の摩擦係数が低い。これらにより、規制部51の内周壁と介装部材53の外周部との面圧を低減することができる流体機械1を提供できる。
流体機械の固定スクロールおよび旋回スクロール部材の材質をコストと振動に有利な樹脂とし、かつオイルレスにて使用する場合、自転防止機構部の他に、スラスト摺動部の耐摩耗性との両立が必要である。従来の流体機械の一つは、スクロール部材の摺動部位が樹脂のままではスラスト摺動部の耐磨耗性が保てないため、その摺動部位に金属製の耐磨耗材を設けている。この従来の流体機械の場合、固定スクロールの摺動部と旋回スクロールの摺動部のみに耐磨耗材を設けているので、耐磨耗材同士の摺動による発生した熱が外部に放熱されず、放熱が追い付かずに両スクロール部材の温度が上昇する構成になっている。そのため、スクロール部材の摺動部位に異常磨耗が生じるおそれがある。また、スクロール部材を形成する樹脂が融点の低いものであれば即、焼付きに至るおそれがある。そこで、流体機械1は、ハウジングのうち旋回側摺動面23に対向する部位に設けられ、旋回側摺動面23と摺動するハウジング側摺動面36を備える。旋回スクロール20は樹脂製であり、ハウジング側摺動面36は金属製である。ハウジングは、外壁が大気に露出するように設けられている。これによれば、旋回スクロール20の公転時に、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36とが摺動する。この流体機械1は、ハウジングの外壁が大気に露出しているので、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36の摺動により生じた熱は、金属製のハウジングに熱拡散し、ハウジングの外壁から大気に放熱される。そのため、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面36の摺動による温度上昇が抑制されるので、旋回側摺動面23の耐摩耗性が向上するとともに、樹脂摺動面の溶融凝着を防ぐことができる。この流体機械1は信頼性を向上することができ、自転防止機構部とスラスト摺動部の耐摩耗性が両立し、無給油の流体機械1として、より機能を果たすことができる。さらにハウジング側摺動面36には、自己潤滑性を有しフッ素または2硫化モリブデンを含有するコーティング361が施されているため、ハウジング側摺動面36の摩擦係数を低減することができる。コーティング361は薄膜であるため、旋回スクロール20からハウジングへの伝熱を大きく阻害することもない。したがって、この構成によれば、自転防止機構部とスラスト摺動部の耐摩耗性が両立し、無給油の流体機械1として、より機能を果たすことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図3および図4を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、規制部151の構成が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図3および図4に示すように、規制部151を形成する凹部には、介装部材53の軸方向における一方端部53aが対向する底面51aよりもさらに流体室側に凹む部分凹部1511が設けられている。部分凹部1511は、底面51aの周縁部全周にわたって設けられて環状を呈する円環状溝部である。また、部分凹部1511は、底面51aの周縁部において部分的に設けられた円弧状の溝部であってもよい。この場合、部分凹部1511は、底面51aの周縁部において設けられた単数または複数の円弧状溝部である。
第2実施形態によれば、規制部151は、介装部材53の軸方向における一方端部53aが対向する底面51aと、底面51aよりも介装部材53から離間する方向に部分的に凹んでいる部分凹部1511とを備えている。この構成によれば、介装部材53等から染み出た油や摩耗粉が混じったものを部分凹部1511によって蓄えることができる。これにより、介装部材53から染み出た摩耗粉等の異物によって介装部材53、旋回スクロール20または他の摺動物体が異常摩耗状態になることを抑制できる。部分凹部1511によれば、規制部151の内周壁近傍における油や異物等の回収量を向上できるので、遠心力によって内周壁側に移動する異物等の回収能力を高めることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図5および図6を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、規制部251の構成が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図5および図6に示すように、規制部251を形成する凹部には、底面51aよりもさらに流体室側に凹む部分凹部2511が設けられている。部分凹部2511は、底面51aにおける中心部から放射状に延びる溝部である。放射状の溝部は、底面51aにおける中心部から四方八方に延び出て規制部251の内周壁まで至っている。
第3実施形態によれば、規制部251は、介装部材53の一方端部53aが対向する底面51aと、底面51aよりも介装部材53から離間する方向に部分的に凹んでいる部分凹部2511とを備えている。この構成によれば、介装部材53等から染み出た油や摩耗粉が混じったものを部分凹部2511によって蓄えることができる。第3実施形態の流体機械1は、介装部材53から染み出た摩耗粉等の異物によって介装部材53、旋回スクロール20または他の摺動物体が異常摩耗状態になることを抑制できる。部分凹部2511によれば、規制部251の中心側と内周壁近傍との両方にわたって設けられているので、底面51aにおいて広範囲にわたる異物等の回収能力を高めることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について図7および図8を参照して説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して、規制部351の構成が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図7および図8に示すように、規制部351を形成する凹部には、介装部材53の軸方向における一方端部53aが対向する底面51aよりもさらに流体室側に凹む部分凹部3511が設けられている。部分凹部3511は、底面51aの周縁部において間隔をあけて並ぶ複数の円柱状凹部である。部分凹部3511は、底面51aの周縁部において略等間隔に設けられていることが好ましい。
第4実施形態によれば、規制部351は、介装部材53の一方端部53aが対向する底面51aと、底面51aよりも介装部材53から離間する方向に部分的に凹んでいる部分凹部3511とを備えている。この構成によれば、介装部材53等から染み出た油や摩耗粉が混じったものを部分凹部3511によって蓄えることができる。第4実施形態の流体機械1は、介装部材53から染み出た摩耗粉等の異物によって介装部材53、旋回スクロール20または他の摺動物体が異常摩耗状態になることを抑制できる。部分凹部3511によれば、規制部351の内周壁近傍における油や異物等の回収量を向上できるので、遠心力によって内周壁側に移動する異物等の回収能力を高めることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について図9を参照して説明する。第5実施形態は、介装部材53の一方端部53aと底面51aについて特定の位置関係がある。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、突出部52の外径寸法は介装部材53の内径寸法よりも大きく構成されている。介装部材53は、摺動部521に対して隙間が生じている状態で外側に嵌っている。この構成により、図9に示すように介装部材53が突出部52に対して最大限傾いた場合には、介装部材53の内周面の一部が摺動部521の外周面に接触することになる。この状態において、固定側部材の面322、介装部材53および底面51aは、介装部材53の一方端部53aと底面51aとの接触状態と、介装部材53の他方端部53bと固定側部材との接触状態との両方が生じないような位置関係に設けられている。
第5実施形態によれば、規制部51は、介装部材53の一方端部53aが対向する底面51aを備えている。底面51aと固定側部材とは、突出部52の外側に嵌っている状態の介装部材53が突出部52に対して最大限傾いた姿勢である場合に、介装部材53が底面51aと固定側部材との両方に接触しないように、設けられている。
これによれば、介装部材53の内径寸法が摺動部521の外径寸法よりも大きい構成において、介装部材53が突出部52に対して大きく傾いたときに、介装部材53の軸方向における端部が固定側部材や底面51aに接触したまま状態で摺動することを余抑えることができる。これにより、介装部材53、または固定側部材、底面51aにおける異常摩耗を異常摩耗や焼き付きを抑えることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について図10を参照して説明する。第6実施形態は、第1実施形態に対して、介装部材53の変位規制構造を有する点が相違する。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、プレート状部材54は、介装部材53の軸方向における他方端部53bと固定側部材との間に設けられている。プレート状部材54は、旋回側基盤部21における面210と第2ハウジング32における面322との間において、面210と面322の両方に対面するように設置されている。プレート状部材54は、流体機械1が有する複数の介装部材53のすべてに対して軸方向に対向するように設けられた一つの部材である。プレート状部材54は、介装部材53が軸方向に変位して規制部51から脱落することを防止する変位規制構造として機能し、例えば金属で形成されている。さらにプレート状部材54は、介装部材53や固定側部材の摩耗を抑制する耐摩耗性の板状部材として機能する。
第6実施形態によれば、突出部52は、一方端部側において介装部材53を介して規制部51の内周壁に規制されている摺動部521と、他方端部側において固定側部材に固定されている被固定部520とを有している。流体機械1は、介装部材53の軸方向における他方端部53bと固定側部材との間に設けられたプレート状部材54をさらに備える。この構成によれば、プレート状部材54によって介装部材53と固定側部材との接触を回避できるので、介装部材53と固定側部材との摩耗を抑制することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について図11を参照して説明する。第7実施形態は、第1実施形態に対して、介装部材53の旋回運動を規制するスリーブ部材60を有する点が相違する。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、前述の規制部51を形成する凹部には、筒状のスリーブ部材60が収容されている。スリーブ部材60は、凹部に対して固定されている構成でもよいし回転可能な構成でもよい。さらに摺動部521および介装部材53は、旋回スクロール20の公転に伴い、スリーブ部材60の内周壁に規制されつつスリーブ部材60の内側を旋回する。スリーブ部材60は、繊維強化樹脂または金属によって形成されていることが好ましい。
スリーブ部材60は、例えば金属によって形成されている。これらの構成により、旋回スクロール20は介装部材53の外周部と摺動する部材ではなくなる。これにより必要な耐摩耗性、表面硬さを考慮せず旋回スクロール20の材質選定が可能となる。
第7実施形態の流体機械1は、規制部51の内周壁と介装部材53との間に設置されている筒状のスリーブ部材60をさらに備える。スリーブ部材60は繊維強化樹脂または金属によって形成されている。この構成によれば、規制部51の内周壁を繊維強化樹脂に限らず、成型精度がよい材質によって形成することが可能になる。
(第8実施形態)
第8実施形態について図12を参照して説明する。第8実施形態は、第1実施形態に対して、固定スクロール33を第1ハウジング31とは別個の部材によって構成する点、チップシール70を備える点が相違する。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。図12に示すように、チップシール70は、固定側歯部331の先端部と旋回側歯部22の先端部とにそれぞれ設けられている。チップシール70は、固定スクロール33と旋回側歯部22の先端部との隙間や旋回スクロール20と固定側歯部331の先端部との隙間を通じて、圧縮室38の流体がスラスト方向に漏れることを抑制する効果を奏している。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
前述の実施形態において突出部はピンなどの棒状体であるが、明細書の開示する目的を達成可能な突出部は、内部に空洞があるような棒状体または筒状体であってもよい。また、介装部材53は、表面硬さが旋回スクロール20よりも柔らかい素材によって形成されている構成でもよい。
前述の実施形態において固定スクロール33は、第1ハウジング31の一部である構成は、第1ハウジング31とは別個の部材によって置き換えてもよい。別個の部材である固定スクロール33は第1ハウジング31に固定されることによって、第1ハウジング31と一体になる。また、固定スクロール33は、前述の実施形態においてアルミニウム等の金属によって形成されていると記載したが、樹脂材料によって形成されている構成でもよい。この場合、固定スクロール33は、第1ハウジング31の一部であってもよいし、第1ハウジング31に固定された別個の部材であってもよい。
前述の実施形態において固定側ラップと旋回側ラップは、巻き角度範囲が異なる非対称の渦巻き構造をなす関係であると説明したが、これらのラップは巻き角度範囲が同等である対称の渦巻き構造をなす関係であってもよい。
20…旋回スクロール、 22…旋回側歯部(旋回側ラップ)
32…第2ハウジング(固定側部材)、 33…固定スクロール
38…圧縮室(流体室)、 50…自転防止機構部
51,151;251;351…規制部、 51a…底面
52…突出部、 53…介装部材、 53a…一方端部、 53b…他方端部
54…プレート状部材、 60…スリーブ部材、331…固定側歯部(固定側ラップ)
520…被固定部、 521…摺動部、 1511,2511,3511…部分凹部

Claims (13)

  1. 渦巻き状の固定側ラップ(331)を有した固定スクロール(33)と、
    前記固定側ラップとの間に流体を吸入、圧縮および吐出する流体室(38)を形成する旋回側ラップ(22)を有した旋回スクロール(20)と、
    前記旋回スクロールの自転運動を阻止するために、円形状の内周壁を有する規制部(51;151;251;351)、前記内周壁に規制されつつ前記規制部の内側において旋回する突出部(52)、および前記突出部と前記内周壁の間に介在して前記突出部および前記内周壁に対して摺動するリング状の介装部材(53)をそれぞれ有する複数の自転防止機構部(50)と、
    を備え、
    前記介装部材は、表面硬さが前記突出部の表面硬さよりも低い材質によって形成されている流体機械。
  2. 前記突出部の表面粗さは前記介装部材の内周部よりも小さい請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記介装部材は、銅または錫を含む金属によって形成されている請求項1または請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記介装部材は、多孔質体によって形成されかつ含油されている請求項1または請求項2に記載の流体機械。
  5. 前記規制部は、前記介装部材の軸方向における一方端部(53a)が対向する底面(51a)と、前記底面よりも前記介装部材から離間する方向に部分的に凹んでいる部分凹部(1511;2511;3511)とを備えている請求項4に記載の流体機械。
  6. 前記介装部材は、固体潤滑剤を含んでいる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の流体機械。
  7. 前記突出部は、一方端部側において前記介装部材を介して前記規制部の前記内周壁に規制されている摺動部(521)と、他方端部側において固定側部材(32)に固定されている被固定部(520)とを有しており、
    前記規制部は、前記介装部材の軸方向における一方端部(53a)が対向する底面(51a)を備え、
    前記底面と前記固定側部材とは、前記突出部の外側に嵌っている状態の前記介装部材が前記突出部に対して最大限傾いた姿勢である状態において、前記介装部材が前記底面と前記固定側部材との両方に接触しないように、設けられている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の流体機械。
  8. 前記介装部材は、内径寸法に対する外径寸法の比率が2以上になるように形成されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の流体機械。
  9. 前記突出部は、一方端部側において前記介装部材を介して前記規制部の前記内周壁に規制されている摺動部(521)と、他方端部側において固定側部材(32)に固定されている被固定部(520)とを有しており、
    前記介装部材の軸方向における他方端部(53b)と前記固定側部材との間に設けられたプレート状部材(54)をさらに備える請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の流体機械。
  10. 前記規制部の前記内周壁は前記旋回スクロールの一部であり、
    前記旋回スクロールは繊維強化樹脂によって形成されている請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の流体機械。
  11. 前記規制部の前記内周壁と前記介装部材との間に設置されている筒状のスリーブ部材(60)をさらに備え、
    前記スリーブ部材は繊維強化樹脂または金属によって形成されている請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の流体機械。
  12. 前記固定スクロールが固定されているとともに前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールを収容するハウジング(30)を備え、
    前記旋回スクロールは樹脂製であり、
    前記旋回スクロールは、前記旋回側ラップが突出する旋回側基盤部(21)と、前記旋回側基盤部のうち前記旋回側ラップよりも径方向外側の部位に設けられた旋回側摺動面(23)とを備え、
    前記ハウジングは、前記旋回側摺動面に対向する部位に、前記旋回側摺動面と摺動するハウジング側摺動面(36)を備え、
    前記ハウジング側摺動面は金属製であり、前記ハウジングは、外壁が大気に露出するように設けられている請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の流体機械。
  13. 前記ハウジング側摺動面には、自己潤滑性を有しフッ素または2硫化モリブデンを含有するコーティング(361)が施されている請求項12に記載の流体機械。
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