JP2021046805A - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】自転防止孔における摩耗粉の堆積を抑制するスクロール型流体機械を提供する。【解決手段】流体機械1は、旋回スクロール20に設けられた自転防止孔51と、自転防止孔51の内側において自転防止孔51に対して旋回する棒状部52とを備える。自転防止孔51は、外部側吸入口34から圧縮室38に至る流下流路の一部として設けられている。自転防止孔51に流入した作動流体は自転防止孔51から圧縮室38へ向けて流出する構成である。この流体機械1によれば、自転防止孔51における摩耗粉を作動流体によって移動させて、摩耗粉の堆積を抑制することができる。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、スクロール型流体機械に関する。
特許文献1には、旋回スクロールの自転を防止するために、自転防止孔内で旋回するピンを含む自転防止機構が開示されている。
スクロール型流体機械では、ピンまたはピン外周に対して摺動する介装部材と、自転防止孔との摺動に伴い、自転防止孔に摩耗粉が堆積することがある。また、スクロール型流体機械におけるスラスト摺動面で発生した摩耗粉が自転防止孔に堆積することがある。このような摩耗粉の堆積は、装置の機能を阻害し、装置の不具合を引き起こし得る。例えば、油潤滑の使用下である場合でも、自転防止孔に侵入した摩耗粉は油とともに自転防止孔の外へ排出していくことがあるが、十分に排出できない。特に無給油使用の場合は、油による排出作用がないため、自転防止孔における摩耗粉の堆積が顕著になる。摩耗粉の処理は、スクロール型流体機械における課題である。
この明細書に開示する目的は、自転防止孔における摩耗粉の堆積を抑制するスクロール型流体機械を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示されたスクロール型流体機械の一つは、固定スクロール(33)と、固定スクロールに対して軸方向に対向して設けられて、固定スクロールとの間において作動流体を圧縮する圧縮室(38)を形成する旋回スクロール(20;120;220)と、旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられた自転防止孔(51)と、旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられて、自転防止孔の内側において自転防止孔に対して旋回する棒状部(52)と、を備え、
自転防止孔は、作動流体を流体機械の内部に吸入する外部側吸入口(34)から圧縮室に至る流下流路の一部として設けられており、自転防止孔に流入した作動流体は自転防止孔から圧縮室へ向けて流出する。
自転防止孔は、作動流体を流体機械の内部に吸入する外部側吸入口(34)から圧縮室に至る流下流路の一部として設けられており、自転防止孔に流入した作動流体は自転防止孔から圧縮室へ向けて流出する。
この流体機械によれば、作動流体は外部側吸入口から流下する途中で自転防止孔に流入して圧縮室に向けて自転防止孔を流出する。これにより、自転防止孔に留まろうとする摩耗粉を作動流体によって自転防止孔から排出することが可能である。流体機械は、このような特有の流下流路を備えることにより、自転防止孔における摩耗粉の堆積を抑制できる。
開示されたスクロール型流体機械の一つは、固定スクロール(33)と、固定スクロールに対して軸方向に対向して設けられて、固定スクロールとの間に作動流体を圧縮する圧縮室(38)を形成する旋回スクロール(20;120;220)と、旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられた自転防止孔(51)と、旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられて、自転防止孔の内側において自転防止孔に対して旋回する棒状部(52)と、固定スクロールに対する旋回スクロールの旋回運動により圧縮室で圧縮された作動流体の一部が背圧導入通路(25)を経由して供給される背圧室(39)と、自転防止孔と背圧室とを連通する連通通路(136c,136d)と、を備える。
この流体機械によれば、圧縮室から背圧導入通路を介して背圧室に供給された作動流体は、連通通路を介して、自転防止孔に対して流入し流出することができる。流体機械は、背圧室と自転防止孔とを連通する流路を備えることにより、自転防止孔における摩耗粉の堆積を抑制できる。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
スクロール型流体機械の一例を開示する第1実施形態について図1〜図3を参照しながら説明する。スクロール型流体機械は、流体を圧縮する機械または流体を膨張する装置を含んでいる。第1実施形態に開示する流体機械1は、作動流体として採用される液体、気体、気液混合流体等を圧縮または膨張して外部へ流出させることができる。例えば作動流体は、空気、水、各種の冷媒等である。流体機械1は、閉じられたループ回路に設けられる装置ではなく、流体機械1から流出する流体は開放された外部へ供給される。
スクロール型流体機械の一例を開示する第1実施形態について図1〜図3を参照しながら説明する。スクロール型流体機械は、流体を圧縮する機械または流体を膨張する装置を含んでいる。第1実施形態に開示する流体機械1は、作動流体として採用される液体、気体、気液混合流体等を圧縮または膨張して外部へ流出させることができる。例えば作動流体は、空気、水、各種の冷媒等である。流体機械1は、閉じられたループ回路に設けられる装置ではなく、流体機械1から流出する流体は開放された外部へ供給される。
流体機械1は、固定スクロール33と旋回スクロール20とを備えるスクロール型流体機械である。流体機械1は、オイルレスで使用することができる。流体機械1は、オイルセパレータなどの付属装置が不要にできる。流体機械1は、例えば医療用エアや工場用エアなど、クリーンな空気を供給する空気圧源として適用することができる。以下には、流体機械1が作動流体とする例について説明する。
図1を参照して流体機械1の構成について説明する。図1に示すように、流体機械1は、ハウジング30、固定スクロール33、旋回スクロール20およびモータ部40等を備えている。ハウジング30は、第1ハウジング31と第2ハウジング32を含んで構成されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、流体機械1において、可動する旋回スクロール20に対して、静止している固定側部材である。第1ハウジング31と第2ハウジング32はいずれも、例えばアルミニウム、その合金など、熱伝導性の高い金属により形成されている。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、ボルト締めまたは溶接等により固定されている。
第1ハウジング31と第2ハウジング32はそれぞれの外壁が大気に露出するように設置されている。第1ハウジング31、第2ハウジング32は、旋回スクロール20よりも熱伝導率が高い材質で形成されている。また、第1ハウジング31と第2ハウジング32は、少なくとも一部が金属により形成されていればよい。第1ハウジング31と第2ハウジング32は、少なくとも一部が大気に露出するように構成されていればよい。この構成によれば、旋回スクロール20との摺動面において発生する熱は、ハウジングを通じて拡散し、流体機械1の外部に放出されやすい。
流体機械1は、ハウジング30に一体に固定されているカバー7を備える。カバー7と第1ハウジング31は、ボルト締めまたは溶接等により固定されている。カバー7と第1ハウジング31は、軸方向に積層するように設置されている。カバー7は、第1ハウジング31よりも、軸方向外側にまたは旋回スクロール20とは反対側に位置している。カバー7は、例えば旋回スクロール20よりも熱伝導率が高い材質で形成されている。カバー7は、外壁が大気に露出するように設置されている。旋回スクロール20との摺動面において発生する熱は、ハウジング30を通じて拡散して外部に放出され、またはハウジング30からカバー7を介して外部に放出される。
カバー7は、カバー基盤部71と、カバー基盤部71の周縁部からカバー基盤部71を取り囲むように流体機械1の軸方向に突出する筒状壁73とを備える。カバー基盤部71には、軸方向に貫通する下流側吐出口72が設けられている。下流側吐出口72は、流体機械1の外部へ流体を吐出する下流側吐出通路に相当する。筒状壁73は、第1ハウジング31と固定スクロール33に結合されている。筒状壁73の固定スクロール33側の端面は、第1ハウジング31と固定側基盤部330とに接触している。筒状壁73と固定側基盤部330との接触部分は、Oリングなどのパッキン材によって流体が外部に洩れないように封止されている。
固定側基盤部330には、軸方向に貫通する上流側吐出口35が設けられている。上流側吐出口35と下流側吐出口72との間には、作動流体を通過させて異物等を捕集可能なフィルタ部材62が設置されている。上流側吐出口35は、圧縮室38から吐出される流体が流下する上流側吐出通路に相当する。
ハウジング30の内側には、固定スクロール33と旋回スクロール20が収容されている。また、固定スクロール33は、第1ハウジング31の一部として構成されている形態でもよい。つまり、固定スクロール33と第1ハウジング31は一つの部材をなす構成でもよい。以下、固定スクロール33と旋回スクロール20とを合わせて、両スクロール部材ということがある。両スクロール部材は、作動流体の一例である空気を吸入し圧縮し、吐き出すための圧縮機構部を構成している。
固定スクロール33の材質には、金属、樹脂などを用いることができる。固定スクロール33は、樹脂材料によって形成されている構成でもよい。固定スクロール33は、円盤状の固定側基盤部330と、固定側基盤部330から突出している固定側歯部331とを備えている。固定側歯部331は、固定スクロール33に設けられた固定側ラップであり、固定スクロール33を軸方向に視て渦巻状に形成されている。固定側基盤部330の外周縁から延びる外周壁部332は、第1ハウジング31の内壁に対し、圧入などによって固定されている。外周壁部332は、固定側歯部331の径外側を囲むように設けられている。
固定側基盤部330には、圧縮室38から空気を吐き出す上流側吐出口35が設けられている。上流側吐出口35は、フィルタ部材62を介して下流側吐出口72に連通している。フィルタ部材62は、自転防止孔51よりも下流側の流路に設置されている下流側フィルタ部の一例である。
旋回スクロール20は、円盤状の旋回側基盤部21と、旋回側基盤部21に設けられる旋回側歯部22とを有している。旋回スクロール20の材質には、金属、樹脂などを用いることができる。旋回スクロール20は、樹脂材料によって形成されている構成でもよい。旋回スクロール20が樹脂材料によって形成されている場合、熱伝導率が低いため、旋回スクロール20からの放熱が期待できない。このため、相手側の摺動面における放熱を効果的に行うことが摺動部の温度上昇を抑制し、信頼性の確保に重要となる。樹脂製の旋回スクロール20である場合、旋回スクロール20の遠心力による振動を低減でき、振動面および騒音面で有利になる。
旋回側歯部22は、旋回スクロール20に設けられた旋回側ラップであり、旋回スクロール20を軸方向に視て渦巻状に形成されている。圧縮室38は、固定側ラップと旋回側ラップとの間に流体を吸入、圧縮および吐出する流体室である。圧縮室38は、軸方向に視て三日月状に形成されている。
固定側歯部331は、旋回側歯部22における径方向外側部位よりもさらに径外側に位置する渦巻き状部を有している。旋回側基盤部21のうち圧縮室38とは反対側には、円筒状のボス部24が設けられている。
流体機械1は、旋回スクロール20の自転を防止するための自転防止機構50を備えている。自転防止機構50は、凹部によって形成された自転防止孔51と、自転防止孔51の内周壁に規制されつつ自転防止孔51の内側において旋回する棒状部52とを備える。自転防止機構50は、棒状部52と自転防止孔51の間に介在するリング状の介装部材53を含んでもよい。流体機械1は、複数の自転防止機構50を備えている。複数の自転防止機構50は、旋回スクロール20の中心軸の周りに略等間隔に設けられている。略等間隔とは、等間隔である構成と、所定の寸法公差の範囲で等間隔に対してずれている構成とを含む意味である。例えば、所定の寸法公差は±5度程度である。
自転防止孔51は、円形状の内周壁によって形成された穴部、または底面を有する凹部である。自転防止孔51は、例えば旋回スクロール20の旋回側基盤部21において、固定スクロール33とは反対側に設けられた所定の深さをもつ凹部である。自転防止孔51は、軸方向に対して直交する第2ハウジング32の端面に対向している。自転防止孔51は、円形の開口端を有する内周壁と内周壁の固定スクロール33側を閉じている底部とを有した構成である。凹部を形成する内周壁と底部とは、樹脂製である旋回側基盤部21の一部である。
棒状部52は、第2ハウジング32に固定された被固定部520と、自転防止孔51の底面に向けて突出する先端側部分としての摺動部521とを有している。棒状部52は鉄または鉄を含む合金によって形成されている。棒状部52はピン部とも呼ばれる。被固定部520は、第2ハウジング32に形成された円柱状凹部320に圧入された状態で固定されている。棒状部52は、摺動部521の先端および介装部材53の先端と自転防止孔51の底面とが離間した状態で第2ハウジング32に固定されている。
棒状部52には、自転防止孔51に対して摺動する先端側部分に介装部材53が装着されている。介装部材53は、棒状部52の先端側部分の外側において回転可能に設置されている。この実施形態の自転防止機構50は、棒状部52に対して回転可能である介装部材53を含んでいる。摺動部521は、介装部材53を介して自転防止孔51の内周壁に対して規制されながら摺動する。自転防止機構50において摺動部521と介装部材53は、自転防止孔51の内周壁に対して規制されながら摺動する摺動構造を構成する。
介装部材53は、表面硬さが旋回スクロール20よりも硬い素材によって形成されている構成でもよい。介装部材53は、例えば金属によって形成されている。介装部材53は、旋回スクロール20の公転に伴い、自転防止孔51の内周壁に規制されつつ自転防止孔51の内側を棒状部52に対して回転しながら旋回する。介装部材53の構成によれば、自転防止孔51と介装部材53との摺動速度を低減することができる。さらに摺動部521の摩耗を抑制し、また摺動部分において焼き付き状態に至りにくい流体機械1を提供できる。
例えば、介装部材53の材質は、表面硬さが棒状部52の表面硬さよりも低い材質である。介装部材53は、棒状部52よりも摩耗しやすい材質によって形成されている。さらに棒状部52の表面粗さは介装部材53の内周部の表面粗さよりも小さい。この構成により、旋回スクロール20の旋回運動において、棒状部52の外周部と介装部材53の内周部との摺動に伴い、棒状部52よりも介装部材53の方が摩耗するようになる。
介装部材53は、銅または錫を含む金属によって形成されていることが好ましい。銅または錫を含む金属は、固体潤滑作用を有する金属であるため、流体機械1において摺動部分の摩擦抵抗を低減する機能を発揮する。また、介装部材53は、鉄を含む金属によって形成されている構成でもよい。この構成によれば、無給油の流体機械1において摺動部分の摩擦抵抗を低減する顕著な効果を奏する。
介装部材53は、多孔質体によって形成されかつ含油されていることが好ましい。この構成によれば、自己保持された油の潤滑効果により磨耗を低減できる。介装部材53を形成する多孔質体は、例えば、焼結金属、プラスチック焼結多孔質体である。焼結金属は、金属粉を溶融点前後の温度によって焼き固めた物質であり、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属粉を用いることができる。プラスチック焼結多孔質体は、精製したプラスチック粉末を焼結、成形して製造することができる。介装部材53は、固体潤滑剤を含んでいることが好ましい。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、黒鉛、有機モリブデン化合物、フッ素化合物等を用いることができる。
また、介装部材53は、銅または錫を含む金属によって形成され、かつ固体潤滑剤を含んでいることが好ましい。
介装部材53の軸方向における一方端部と自転防止孔51の底面とは、離間した位置関係にある。介装部材53の一方端部は、圧縮室38または固定スクロール33側に位置し軸方向に対して直交する端面である。摺動部521および介装部材53は、旋回スクロール20が公転する際に、自転防止孔51の内周壁を沿うように滑りながら円形状を描いて変位する。棒状部52は、両端に位置する、被固定部520と介装部材53および摺動部521とにおいて、固定側部材である第2ハウジング32と可動側部材である旋回スクロール20とによって支持されている。棒状部52は、一方端部側において固体側部材に固定され、先端である他方端部側において自転防止孔51に摺動しながら支持されている。
流体機械1が流体を膨張する膨張機である場合は、流体室が固定スクロール33の中心部から外端部へ向かって移動する構成を有する。この場合、外部側吸入口34が吐出口として機能し、下流側吐出口72を吸入口として機能させることができる。これにより、流体室の容積が増大していくように変化し、中心部側から流体室に取込まれた流体が膨張するようになる。
第2ハウジング32には、第1ハウジング31とは反対側においてモータ部40が一体に設けられている。モータ部40は、モータケース41の内側にヨーク45、ステータ42、ロータ43およびシャフト44等を有している。ステータ42は、ロータ43の外周を覆っている。ヨーク45は、ステータ42の外周を覆っている。モータ部40として、ブラシ付モータまたはブラシレスモータなど、種々のモータを採用することが可能である。シャフト44は、モータケース41またはヨーク45の内側に設けられた軸受部441と、軸受部442とにより回転可能に設けられている。
シャフト44は、モータ部40が与える駆動力によって回転駆動される。シャフト44の端部は、第2ハウジング32の内側に挿入されている。シャフト44の端部には、偏心部46が固定されている。偏心部46の中心軸は、シャフト44の回転軸に対してずらした位置に設置されている。偏心部46は、旋回スクロール20の旋回側基盤部21に設けられたボス部24の内側に軸受部47を介して回転可能に設けられている。偏心部46は、旋回スクロール20の中心軸部である。シャフト44は、旋回スクロール20を旋回させる駆動軸である。シャフト44の端部、偏心部46の少なくとも一部は、中心軸部収容室82に収容されている。中心軸部収容室82は、第2ハウジング32の内部において、第2ハウジング32の外周壁部321と旋回スクロール20とによって囲まれた流体通路である。中心軸部収容室82は、旋回スクロール20に対してモータ部40側に設けられた流体通路である。中心軸部収容室82は、作動流体が圧縮室38に向けて流下する流下流路の一部である。
モータ部40に通電すると、シャフト44が回転軸周りに自転する。その際、モータ部40が出力するトルクは、偏心部46を介して旋回スクロール20のボス部24に伝達される。旋回スクロール20は、自転防止機構50によって自転を規制されつつ、シャフト44の回転軸の周りを公転する。公転半径は、偏心部46の中心軸とシャフト44の回転軸の距離と同等である。このとき、旋回スクロール20や自転防止機構50には、遠心力が作用する。
旋回スクロール20が公転すると、両スクロール部材の間に形成される圧縮室38は、径方向外側から径方向内側に向かって旋回しながら移動する。圧縮室側吸入通路12側に位置する圧縮室38は、シャフト44の回転角度が0度から360度に変化する間に、シャフト44の回転軸または上流側吐出口35に近づきながら、その容積が次第に縮小するように変化する。これにより、圧縮室側吸入通路12を通じて圧縮室38に供給された空気は圧縮され、この空気は下流側吐出口72から流体機械1の外部に吐き出される。
第1ハウジング31と第2ハウジング32が金属により形成され、両スクロール部材が樹脂により形成されている場合、ハウジングの熱膨張率より、両スクロール部材の熱膨張率は大きい。そこで、流体機械1は、温度が上昇したときに、両スクロール部材が互いに接触しないように構成されている。
固定側歯部331の先端と旋回側基盤部21との間には、所定の隙間が設けられている。旋回側歯部22の先端と固定側基盤部330との間には、所定の隙間が設けられている。固定側歯部331の先端と旋回側歯部22の先端には、それぞれチップシールが設けられている。このチップシールによって、前述の各隙間を通じて圧縮室38の空気がスラスト方向に漏れることを防いでいる。
両スクロール部材は、旋回スクロール20が公転する際、固定側歯部331の側面と旋回側歯部22の側面とが最も近づく箇所に所定の隙間が常に形成されるように構成されている。これにより、固定側歯部331の側面と旋回側歯部22の側面との摩耗や溶融凝着を抑制できる。
流体機械1は、旋回スクロール20とスラスト軸受部を構成する部位に、自己潤滑性を有するフッ素または二硫化モリブデンを含有するコーティング部を有する。フッ素を含有するコーティング部には、例えば、ポリテトラフルオロエチレンのコーティングが含まれる。このようなコーティング部は薄膜であるので、旋回スクロール20からハウジング30への伝熱を阻害しにくい効果を奏する。このようなコーティング部によれば、ハウジング側摺動面136aの摩擦係数を低くすることが可能である。このため、旋回側摺動面23とハウジング側摺動面136aとがより高荷重の下で摺動する場合でも摺動部の温度上昇を抑制することができる。旋回スクロール20とスラスト軸受部を構成する部位は、フッ素、ポリテトラフルオロエチレンなどを含有する材料を含んでいる構成でもよい。旋回スクロール20とスラスト軸受部を構成する部位には、ハウジング側摺動面136aが含まれる。
流体機械1は、ハウジング側摺動面136aを有する摺動プレート部材136を備える。摺動プレート部材136は、内周縁部と外周縁部とを有する環状の平板である。ハウジング側摺動面136aは、摺動プレート部材136において、旋回スクロール20に接触する面である。摺動プレート部材136の摺動面には前述のコーティング部が設けられている。摺動プレート部材136は、ハウジング側摺動面136aとは反対側の面において、第2ハウジング32の外周壁部321の端面に接触している。摺動プレート部材136は、摺動プレート部材136と外周壁部321の間に介在するクリアランス調整用の金属製シムを介して接触する構成でもよい。
作動流体は、基盤部収容室83から、圧縮室側吸入通路12を介して圧縮室導入部84に流入する。作動流体は、圧縮室導入部84から圧縮室38にかけて圧縮されて上流側吐出口35に吐出され、下流側吐出口72より外部に流出する。この流下流路によれば、摺動部分を含む、摺動プレート部材136および旋回スクロール20を作動流体によって冷却するため、流体機械1の冷却効率を高めることができる。この流下流路は、特に、振動に有利な樹脂製の旋回スクロールを有し、無給油で使用した流体機械において、摺動部を冷却する上で有用である。
流体機械1の内部において、外部側吸入口34から圧縮室側吸入通路12に至るまでの作動流体の流下通路について、図1〜図3を参照しながら説明する。モータケース41はモータ部40の外郭を構成する。モータケース41には、シャフト44の端部と軸受部441とを覆う部位に単数または複数の外部側吸入口34が設けられている。外部側吸入口34は、モータケース41を軸方向に貫通する通路であり、流体機械1の内部に作動流体を取り入れる入口部である。
モータケース41は、第1筒状部411と、第1筒状部411よりも圧縮室38側に位置する第2筒状部412とを備える。モータケース41は、第2筒状部412の端部が第2ハウジング32に結合する構成により、第2ハウジング32に一体に固定されている。第2筒状部412は、第1筒状部411よりも外径が大きく、第1筒状部411に一体に形成されている。第1筒状部411は、ステータ42やロータ43における外部側吸入口34側の部分を覆っている。第2筒状部412は、ステータ42やロータ43を覆っている。第1筒状部411は、ヨーク45の外周面よりも径外側の位置でヨーク45を覆っている。
第1筒状部411の内周面とヨーク45の外周面との間には、モータ外側通路80が設けられている。モータ外側通路80は、第2筒状部412の内側までわたっている。モータ外側通路80は、ヨーク45の外側に設けられた筒状をなす通路である。モータ外側通路80は、作動流体が圧縮室38に向けて流下する流下流路の一部である。モータ外側通路80には、フィルタ部材61が設置されている。フィルタ部材61は、自転防止孔51よりも上流側の流路に設置されている上流側フィルタ部の一例である。フィルタ部材61は、第2筒状部412に支持されている。作動流体は、モータ外側通路80を軸方向に流下しながら、ヨーク45、ステータ42、ロータ43などを冷却する。
モータ外側通路80は、モータ部40を冷却する主要な流体通路である。モータ外側通路80は、軸方向に延びる連絡通路81を介して中心軸部収容室82に連通している。連絡通路81は、外周壁部321を軸方向に貫通する通路である。モータ外側通路80は、通路横断面積が連絡通路81や外部側吸入口34よりも大きい。圧縮室38で圧縮された空気の一部は、外部側吸入口34側へ圧力波として逆流して脈動騒音を生じさせる。この構成によれば、連絡通路81を逆流した空気はモータ外側通路80で膨張し、速度と圧力が低減する。減衰した圧力波のエネルギの一部は、外部側吸入口34から外部に排出されるため、圧力波による脈動騒音を抑制できる。また、外部側吸入口34は、ハウジングを貫通し、モータ外側通路80を介さず直接に中心軸部収容室82に連通する通路として構成してもよい。
第1筒状部411は、第1ハウジング31や第2ハウジング32よりも外径が小さい。このため、フィルタ部材61やモータ外側通路80の堆積を確保しつつ、体格を抑制できる。
摺動プレート部材136の内周縁部よりも内側には、作動流体が流通可能な内周側連通通路136cが設けられている。内周側連通通路136cは摺動プレート部材136を貫通する通路でもある。内周側連通通路136cは、上流側に位置する中心軸部収容室82と自転防止孔51とを連通させる連通通路である。自転防止孔51は、中心軸部収容室82に向かって開口している。自転防止孔51は、内周側連通通路136cを介して中心軸部収容室82に連通している。流体機械1は、作動流体が内周側連通通路136cを介して中心軸部収容室82から自転防止孔51へ流下可能なように構成されている。内周側連通通路136cと自転防止孔51は、作動流体が圧縮室38に向けて流下する流下流路の一部である。
作動流体は、中心軸部収容室82から内周側連通通路136cを流下しながら、第2ハウジング32の外周壁部321等に接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は第2ハウジング32を通じて効率的に放熱するため、摺動部分の温度が低下する。
旋回スクロール20と摺動プレート部材136との間には、作動流体が流通する自転防止孔流出通路11が設けられている。自転防止孔流出通路11は、作動流体が自転防止孔51内から流出して基盤部収容室83に向けて流下する通路である。自転防止孔流出通路11は、旋回スクロール20において自転防止孔51を形成する内周面から外周面21aまで径方向に延びるように形成された溝部の内側に設けられている。自転防止孔流出通路11は、自転防止孔51よりも径外側において、旋回側摺動面23に対して凹む溝部の内側に設けられた通路である。自転防止孔流出通路11は、各自転防止孔51に対して単数また複数設けられている。自転防止孔流出通路11は、内周面から外周面21aまで延びる溝部とハウジング側摺動面136aとで囲まれた通路である。自転防止孔流出通路11は、旋回スクロール20の旋回運動において、介装部材53が摺動しない部位に設けられていることが好ましい。この構成によれば、自転防止孔51において自転防止孔流出通路11の周囲の摩耗を抑制できる。
作動流体は、自転防止孔流出通路11を流下しながら、旋回スクロール20の溝部とハウジング側摺動面136aに接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は摺動プレート部材136、ハウジング、旋回スクロール20等を通じて効率的に放熱するため、摺動部分の温度が低下する。
図3に示すように、外周壁部332と旋回スクロール20における旋回側基盤部21の外周縁との間には、圧縮室側吸入通路12が設けられている。圧縮室側吸入通路12は、圧縮室導入部84に作動流体を吸入する吸入部である。圧縮室側吸入通路12は、旋回スクロール20の外周面21aから、外周壁部332の内周面よりも内側まで径方向に延びるように形成された溝部によって形成されている。圧縮室側吸入通路12は、上流端部が基盤部収容室83に臨み、下流端部が圧縮室導入部84に臨んでいる。圧縮室側吸入通路12は、旋回側基盤部21における固定スクロール33側の面に対して凹む溝部の内側に設けられた通路である。圧縮室側吸入通路12は、単数また複数設けられている。圧縮室側吸入通路12は、図3に示すように、周方向について自転防止孔51に対応する位置に設けられていることが好ましい。
作動流体は、圧縮室側吸入通路12を流下しながら、旋回スクロール20の溝部と外周壁部332に接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は、旋回スクロール20、固定スクロール33等を通じて効率的に放熱するため、摺動部分の温度が低下する。
圧縮室側吸入通路12は、旋回側基盤部21を収容する基盤部収容室83と圧縮室導入部84とを連絡する通路である。基盤部収容室83は、旋回側基盤部21の外周面21aとハウジングの内周面との間に形成される筒状の通路である。圧縮室側吸入通路12は、流体機械1の軸方向に対して直交する方向に流体を吸入する通路を形成する。圧縮室側吸入通路12は、旋回側基盤部21の外周縁において複数箇所に設けられている。圧縮室側吸入通路12は、旋回スクロール20の旋回運動に伴って、固定スクロール33に対して変位する。圧縮室導入部84は、圧縮室38において外周側に位置し、内周側の空間よりも圧力が低い低圧空間である。圧縮室導入部84は、固定スクロール33の外周壁部332と旋回スクロール20における旋回側歯部22との間に形成されている。
上記構成により、流体機械1において作動流体は、外部側吸入口34、モータ外側通路80、フィルタ部材61、連絡通路81、中心軸部収容室82の順に流下する。作動流体は、中心軸部収容室82から、内周側連通通路136c、自転防止孔51、自転防止孔流出通路11、基盤部収容室83、圧縮室側吸入通路12の順に流下する。さらに作動流体は、圧縮室側吸入通路12から、圧縮室導入部84、圧縮室38の順に流下する。流体は、この流体経路を流れる過程において、各部の冷却を図りつつ、特に摺動部分の熱を効果的に放出することに寄与する。
第1実施形態の流体機械1がもたらす作用効果について説明する。流体機械1は、固定スクロール33と、固定スクロール33との間に圧縮室38を形成する旋回スクロール20と、旋回スクロール20の自転防止機構50とを備える。自転防止機構50は、自転防止孔51と、自転防止孔51の内側において自転防止孔51に対して旋回する棒状部52とを備える。自転防止孔51は、作動流体を流体機械1の内部に吸入する外部側吸入口34から圧縮室38に至る流下流路の一部として設けられている。自転防止孔51に流入した作動流体は自転防止孔51から圧縮室38へ向けて流出する。
この流体機械1によれば、作動流体は外部側吸入口34から流下する途中で自転防止孔51に流入して圧縮室38に向けて自転防止孔51を流出する。これにより、自転防止孔51に留まろうとする摩耗粉を作動流体によって自転防止孔51から排出することが可能である。流体機械1は、このような特有の流下流路を備えることにより、自転防止孔51における摩耗粉の堆積を抑制可能である。
自転防止孔51は、基盤部収容室83と圧縮室側吸入通路12とを介して圧縮室38に連通している。この構成によれば、作動流体は自転防止孔51から基盤部収容室83、圧縮室側吸入通路12を経由して圧縮室38に流下する。この経路により、作動流体によって、摩耗粉を自転防止孔51から排出できるとともに旋回側摺動面や旋回スクロール20を冷却することができる。
さらに自転防止孔51は、中心軸部収容室82に連通している。この構成によれば、作動流体は中心軸部収容室82から自転防止孔51に流入して圧縮室38に向けて流下する。この経路により、作動流体によって、旋回スクロール20の中心軸部や駆動軸を冷却できるとともに摩耗粉を自転防止孔51から排出することができる。
流体機械1は、流下流路において自転防止孔51よりも上流に設けられた上流側フィルタ部を備える。この構成によれば、流体機械1の外部から自転防止孔51に侵入する異物を抑制でき、異物によって自転防止孔51等において異常摩耗が発生することを防止できる。
流体機械1は、外部へ流体を吐出する下流側吐出通路よりも上流であって自転防止孔51よりも下流に設けられた下流側フィルタ部を備える。この構成によれば、作動流体によって自転防止孔51から排出した摩耗粉等が流体機械1の外部へ流出することを抑制できる。これにより、クリーンな作動流体を供給する流体機械1を提供できる。
自転防止機構50は、棒状部52の外周面を覆うリング状の介装部材53をさらに備える。介装部材53の外周面は、自転防止孔51の内周面に対して摺動する。この構成によれば、介装部材53によって、材料の摺動表面が摩擦熱によって変形または溶融する限界PV値が良化するため、自転防止孔51での摩耗粉の発生を抑制できる。
流体機械1において、空気である作動流体は所定の閉回路を循環することなく、開放された外部へ供給され、かつ外部からの給油が無い条件下において使用される。これによれば、外部からの給油が無い無給油条件下において使用される装置において高い耐久性を発揮する。
旋回スクロール20に対して摺動する摺動面には、自己潤滑性を有するフッ素または二硫化モリブデンを含有するコーティング部が設けられている。この構成によれば、自己潤滑性を有するが故に摺動面において摩耗粉が発生しやすく、かつ自転防止孔51から摩耗粉を排出できるため、この装置において特に有益である。
(第2実施形態)
第2実施形態について図4を参照して説明する。第2実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、下流側フィルタ部の配置箇所が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態について図4を参照して説明する。第2実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、下流側フィルタ部の配置箇所が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、下流側フィルタ部であるフィルタ部材63は、スクロール外通路85と基盤部収容室83の間に設置されている。フィルタ部材63には、基盤部収容室83からスクロール外通路85に向けて軸方向に流下する作動流体が通過する。第1ハウジング31の内周面と固定スクロール33の外周面との間には、スクロール外通路85が設けられている。スクロール外通路85は、圧縮室側吸入通路332aを介して圧縮室導入部84に繋がっている。スクロール外通路85は、固定スクロール33の外周壁部332によって圧縮室38とは隔てられた通路である。圧縮室側吸入通路332aは、圧縮室導入部84に作動流体を吸入する吸入部である。圧縮室側吸入通路332aは、外周壁部332を径方向に貫通する通路によって形成されている。圧縮室側吸入通路332aは、上流端部がスクロール外通路85に臨み、下流端部が圧縮室導入部84に臨んでいる。圧縮室側吸入通路332aは、単数また複数設けられている。
作動流体は、スクロール外通路85と圧縮室側吸入通路332aを流下しながら、第1ハウジング31と外周壁部332に接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は、第1ハウジング31、固定スクロール33等を通じて効率的に放熱するため、流体機械1の冷却効率を高めることができる。
第2実施形態の下流側のフィルタ部材63は、流下流路において自転防止孔51と圧縮室38の間に設けられている。この構成によれば、作動流体によって自転防止孔51から排出した摩耗粉等が圧縮室38へ流出することを抑制できる。これにより、クリーンな作動流体を圧縮室38へ供給でき、両スクロール部材における異常摩耗の発生を防止できる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図5を参照して説明する。第3実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、自転防止孔流出通路111が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第3実施形態について図5を参照して説明する。第3実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、自転防止孔流出通路111が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、自転防止孔流出通路111は、旋回側基盤部21を径方向に貫通する通路である。自転防止孔流出通路111は、旋回スクロール20において自転防止孔51を形成する内周面から外周面21aまで径方向に延びるように形成されている。自転防止孔流出通路111は、各自転防止孔51に対して単数また複数設けられている。作動流体は、自転防止孔51から自転防止孔流出通路111を流下しながら、摩耗粉を排出しつつ、旋回側基盤部21に接触して冷却する。
(第4実施形態)
第4実施形態について図6を参照して説明する。第4実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、圧縮室側吸入通路13が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第4実施形態について図6を参照して説明する。第4実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、圧縮室側吸入通路13が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、圧縮室側吸入通路13は、旋回側基盤部21を軸方向に貫通する通路である。圧縮室側吸入通路13は、旋回スクロール20において自転防止孔51を形成する底面から固定スクロール33に対向する面まで軸方向に延びるように形成されている。圧縮室側吸入通路13は、各自転防止孔51に対して単数また複数設けられている。作動流体は、自転防止孔51から圧縮室側吸入通路13を流下しながら、摩耗粉を排出しつつ、旋回側基盤部21に接触して冷却する。
(第5実施形態)
第5実施形態について図7を参照して説明する。第5実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、自転防止孔流出通路136bが相違する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第5実施形態について図7を参照して説明する。第5実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、自転防止孔流出通路136bが相違する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、自転防止孔流出通路136bは、摺動プレート部材136の外周縁よりも径内側であって内周側連通通路136cよりも径外側を貫通する通路である。自転防止孔流出通路136bは、自転防止孔51に連通している。第2ハウジング32の外周壁部321には、自転防止孔流出通路136bと基盤部収容室83と連絡する連絡通路14が設けられている。連絡通路14は、摺動プレート部材136との接触面に対してモータ部40側に凹む凹部によって形成されている。自転防止孔流出通路136bは、各自転防止孔51に対して単数また複数設けられている。作動流体は、自転防止孔51から自転防止孔流出通路136b、連絡通路14の順に流下して基盤部収容室83に流入する。作動流体は、この流路を流下しながら、摩耗粉を排出しつつ、旋回側基盤部21、摺動プレート部材136および第2ハウジング32に接触してこれらを冷却する。
(第6実施形態)
第6実施形態について図8を参照して説明する。第6実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、プレート状部材9を備える点が相違する。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第6実施形態について図8を参照して説明する。第6実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、プレート状部材9を備える点が相違する。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、第6実施形態の流体機械1は、複数のリング部91が一体に設けられたプレート状部材9を備える。プレート状部材9は、環状の基板部90と、基板部90において周方向に並ぶ複数のリング部91とを備える。棒状部52は、プレート状部材9に設けられた穴部に挿通されている。リング部91は、内周面によって穴部を形成している。リング部91は自転防止孔51に入りこんでいる。リング部91は、棒状部52の外周面が摺動する内周面を有し自転防止孔51に嵌まる外周面を有する。リング部91は、自転防止孔51に対して、部分的または全体的に接触して、嵌り合っている。リング部91は、リング部91と自転防止孔51の間に隙間が形成された状態で、自転防止孔51に嵌まる構成でもよい。リング部91は、自転防止孔51を補強する補強部として機能する。プレート状部材9は、例えば金属によって形成されている。プレート状部材9は、金属板をプレス加工することによって製造することができる。リング部91は、バーリング加工によって形成することができる。
基板部90は、旋回側基盤部21におけるモータ部40側の端面と摺動プレート部材136との両方に対面している。ハウジング側摺動面136aは、基板部90に対して摺動する部分である。
旋回スクロール20と基板部70との間には、作動流体が流通する自転防止孔流出通路11が設けられている。自転防止孔流出通路11は、自転防止孔51を形成する内周面から外周面21aまで径方向に延びるように形成された溝部と基板部70との間に設けられている。作動流体は、自転防止孔流出通路11を流下しながら、旋回スクロール20の溝部と基板部70に接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は、プレート状部材9、旋回スクロール20等を通じて効率的に放熱するため、摺動部分の温度が低下する。
複数のリング部91は、プレート状部材9において周方向に沿うように並んで配置されている。この構成によれば、複数のリング部91の周方向移動をロックする効果がさらに高められた流体機械1を提供できる。
第6実施形態によれば、自転防止機構50に含まれるリング部91を有するプレート状部材9により、自転防止孔51の摩耗を抑えることができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について図9を参照して説明する。第7実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、旋回スクロール120の構成が相違する。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第7実施形態について図9を参照して説明する。第7実施形態の流体機械1は、第1実施形態に対して、旋回スクロール120の構成が相違する。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、第7実施形態の流体機械1は、二つの部材が一体に結合された構成である旋回スクロール120を備える。ここでの結合とは、遊嵌も含まれる。旋回スクロール120は、旋回スクロール20と同様の構成である第1構成部と、旋回側基盤部21に一体に結合された第2構成部121とを備える。旋回スクロール120は、第1構成部と第2構成部121とが一体に結合して形成されている。第1構成部は、固定スクロール33との間に圧縮室38を形成する。第2構成部121は、第1構成部とは別個の部品であって自転防止孔51を形成する内周壁を有する。自転防止孔51は、第2構成部121を貫通する穴部と第1構成部の旋回側基盤部21におけるモータ部40側の端面とによって形成されている。第2構成部121は、ハウジング側摺動面136aに対して摺動する旋回側摺動面121bを有している。第2構成部121は、第1構成部よりも、摩耗しにくい材質によって形成され、または硬い表面を備えている。
自転防止孔流出通路112は、旋回スクロール120において自転防止孔51を形成する内周面から外周面121aまで径方向に延びるように形成されている。自転防止孔流出通路112は、各自転防止孔51に対して単数また複数設けられている。自転防止孔流出通路112は、自転防止孔51よりも径外側において、第1構成部との結合面に対して凹む溝部の内側に設けられた通路である。自転防止孔流出通路112は、内周面から外周面21aまで延びる溝部と第1構成部における第2構成部121との結合面とで囲まれた通路である。外周壁部332におけるモータ部40側の端面と第1構成部の旋回側基盤部21における外周縁との間には、圧縮室側吸入通路332bが設けられている。圧縮室側吸入通路332bは基盤部収容室83と圧縮室導入部84とを連通する。
作動流体は、自転防止孔51、自転防止孔流出通路112を流下しながら、摩耗粉を排出しつつ、第1構成部と第2構成部121とに接触して冷却する。この冷却作用によれば、摺動部分で発生した熱は摺動プレート部材136、ハウジング、旋回スクロール120等を通じて効率的に放熱するため、摺動部分の温度が低下する。
第7実施形態によれば、旋回スクロール120を構成する第2構成部121を耐摩耗性の高い材質で形成することにより、摩耗粉の発生を抑制できる。
(第8実施形態)
第8実施形態について図10を参照して説明する。第8実施形態の流体機械201は、前述の実施形態に対して、自転防止孔51を流通する作動流体の経路と、背圧導入通路25を備える点とが相違する。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第8実施形態について図10を参照して説明する。第8実施形態の流体機械201は、前述の実施形態に対して、自転防止孔51を流通する作動流体の経路と、背圧導入通路25を備える点とが相違する。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、流体機械201は、モータ外側通路80と基盤部収容室83とを連通する連絡通路15を備える。連絡通路15は、第2ハウジング32を軸方向に貫通する通路である。作動流体は、外部側吸入口34、モータ外側通路80、連絡通路15、基盤部収容室83、圧縮室側吸入通路12、圧縮室導入部84、圧縮室38の順に流下する。
流体機械201は、背圧室39と自転防止孔51とを連通させる連通通路を有する。連通通路は、内周側連通通路136cと外周側連通通路136dとを含む。外周側連通通路136dは、摺動プレート部材136の外周縁よりも径内側であって内周側連通通路136cよりも径外側を貫通する通路である。外周側連通通路136dは、自転防止孔51と背圧室39とに連通している。
旋回側基盤部21における固定スクロール33とは反対側の面と第2ハウジング32におけるシャフト44側の壁との間には、背圧室39が設けられている。背圧室39には、圧縮室38で圧縮された空気の一部が、旋回側基盤部21を貫通する背圧導入通路25を経由して供給される。背圧導入通路25は、圧縮室38と背圧室39とを連通する通路である。これにより、旋回スクロール20は、背圧室39に供給された空気の圧力によって固定スクロール33側に付勢されている。
旋回側基盤部21における固定スクロール側の面のうち、旋回側歯部22よりも径方向外側の部位には、旋回側摺動面123が設けられている。第1ハウジング31のうち旋回側摺動面123に対向する部位には、旋回側摺動面123と摺動するハウジング側摺動面36が設けられている。旋回側摺動面123とハウジング側摺動面36は、旋回スクロール20の旋回運動において摺動する。
旋回スクロール20が公転する際、背圧室39の空気の圧力により旋回スクロール20は固定スクロール33側に付勢される。このため、旋回側摺動面123とハウジング側摺動面36とは、常に接した状態で摺動する。ハウジング側摺動面36は、旋回スクロール20の軸方向の荷重を受けるためのスラスト軸受部として機能する。ハウジング側摺動面36は、旋回スクロール20に対して摺動する固定部材の部分に相当する。旋回スクロール20は、スラスト軸受部としてのハウジング側摺動面36に支持されつつ公転する。
旋回側摺動面123とハウジング側摺動面36との間に隙間が生じた場合、圧縮室38から背圧室39に供給された高圧の空気がその隙間を通り固定スクロール33の内側の圧縮室導入部84に漏れることが考えられる。この実施形態では、旋回スクロール20は背圧室39の空気の圧力により固定スクロール33側に付勢される。この付勢により、旋回側摺動面123とハウジング側摺動面36とが接した状態で摺動する。したがって、背圧室39の高圧の空気が低圧空間である圧縮室導入部84に漏れることを防ぐ効果がある。この流体機械1によれば、空気の圧縮効率の低下を防ぐことができる。
背圧導入通路25を通じて背圧室39に導入された作動流体は、内周側連通通路136cを通じて自転防止孔51に流入する。自転防止孔51に流入した作動流体は、外周側連通通路136dを通じて背圧室39に流入する。このように、自転防止孔51と背圧室39とを循環する流路により、自転防止孔51から摩耗粉を排出することが可能な流体流れを形成できる。
第8実施形態の流体機械201がもたらす作用効果について説明する。流体機械201は、旋回スクロール20の旋回運動により圧縮室38で圧縮された作動流体の一部が背圧導入通路25を経由して供給される背圧室39を備える。流体機械201は、自転防止孔51と背圧室39とを連通する連通通路をさらに備える。
流体機械201によれば、圧縮室38から背圧導入通路25を介して背圧室39に供給された作動流体は、連通通路を介して自転防止孔51に対して流入し流出できる。流体機械201は、背圧室39と自転防止孔51とを連通する流路を備えることにより、自転防止孔51における摩耗粉の堆積を抑制できる。
(第9実施形態)
第9実施形態について図11を参照して説明する。第9実施形態の流体機械は、前述の実施形態に対して、作動流体を対流させる対流促進機構16を備える点が相違する。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第9実施形態について図11を参照して説明する。第9実施形態の流体機械は、前述の実施形態に対して、作動流体を対流させる対流促進機構16を備える点が相違する。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、流体機械は、背圧室39に設けられて、作動流体を機械的に強制対流させる対流促進機構16を備える。この対流促進機構16は、例えば、ファンの回転によって、作動流体を搬送する流体搬送装置である。この流体搬送装置は、シャフト44に固定されている。流体搬送装置は、モータ部40が与える駆動力によってシャフト44を回転軸として回転し、シャフト44の回転に連動する機構を備える。これにより、流体搬送装置は、旋回スクロール20の旋回運動とともに回転して、背圧室39の流体を内周側連通通路136cへ搬送する。作動流体は、背圧室39から内周側連通通路136cを通じて自転防止孔51に流入し、外周側連通通路136dを通じて背圧室39に還流する。
第9実施形態の流体機械は、背圧室39において作動流体を機械的に強制対流させる対流促進機構16を備える。この流体機械によれば、連通通路を介した背圧室39と自転防止孔51とにおける作動流体の循環を促進することができる。これにより、自転防止孔51からの摩耗粉の排出性能を向上することができる。
対流促進機構16は、旋回スクロール20の旋回運動に連動して回転する流体搬送装置である。これによれば、摩耗粉の排出性能を向上できるとともに、上の新たな動力源を必要としない対流促進機構16を提供できる。
(第10実施形態)
第10実施形態について図12を参照して説明する。第10実施形態は、前述の実施形態に対して、自転防止孔51および被固定部520の位置が相違する。第10実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第10実施形態について図12を参照して説明する。第10実施形態は、前述の実施形態に対して、自転防止孔51および被固定部520の位置が相違する。第10実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図12に示すように、被固定部520は、旋回スクロール220に固定されている。被固定部520は、旋回スクロール220に形成された円柱状凹部に圧入された状態で固定されている。旋回スクロール220は、例えば金属によって形成されている。自転防止孔51は、旋回スクロール220に対向する第2ハウジング132において、所定の深さをもつ凹部である。自転防止孔51は、旋回スクロール220の旋回側基盤部21における、シャフト44の回転軸に直交する端面に対向している。自転防止孔51は、円形の開口端を有する内周壁と内周壁のモータ部40側を閉じている底部とを有した構成である。凹部を形成する内周壁と底部とは、第2ハウジング132の一部である。
第10実施形態によれば、棒状部52は、旋回スクロール220に固定された被固定部520を有する。自転防止孔51は、旋回スクロール220に対向する固定部材に設けられている。自転防止孔51は、前述の実施形態同様に、作動流体が圧縮室38に向けて流下する流下流路の一部である。これによれば、作動流体の流下によって、自転防止孔51における摩耗粉の堆積を抑制可能である。さらに自転防止孔51が形成された固定部材は、金属によって形成されている。これによれば、自転防止孔51の摩耗を抑制できる流体機械を提供できる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
第9実施形態に記載した対流促進機構16は、第10実施形態、第1実施形態〜第7実施形態のそれぞれの流体機械に適用可能である。
前述の実施形態において固定スクロール33はハウジングとは別個の部材であるが、ハウジングの一部であってもよい。この場合、前述実施形態における固定スクロール33に関するすべての構成は、ハウジングに関する構成として読み替えるものとする。
前述の実施形態は、介装部材53を有しているが、介装部材53を備えない流体機械に適用することも可能である。摺動部521は、自転防止孔51を形成する内周壁に対して規制されながら摺動する。また、流体機械は、自転防止孔51の内側に設置されたリング部を備える構成でもよい。摺動部521は、このリング部の内周面に対して規制されながら摺動する。
20,120…旋回スクロール、 25…背圧導入通路、 33…固定スクロール
34…外部側吸入口、 38…圧縮室、 39…背圧室、 51…自転防止孔
52…棒状部、 136c…内周側連通通路(連通通路)
136d…外周側連通通路(連通通路)
34…外部側吸入口、 38…圧縮室、 39…背圧室、 51…自転防止孔
52…棒状部、 136c…内周側連通通路(連通通路)
136d…外周側連通通路(連通通路)
Claims (13)
- 固定スクロール(33)と、
前記固定スクロールに対して軸方向に対向して設けられて、前記固定スクロールとの間において作動流体を圧縮する圧縮室(38)を形成する旋回スクロール(20;120;220)と、
前記旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられた自転防止孔(51)と、
前記旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられて、前記自転防止孔の内側において前記自転防止孔に対して旋回する棒状部(52)と、
を備え、
前記自転防止孔は、作動流体を流体機械の内部に吸入する外部側吸入口(34)から前記圧縮室に至る流下流路の一部として設けられており、前記自転防止孔に流入した作動流体は前記自転防止孔から前記圧縮室へ向けて流出するスクロール型流体機械。 - 前記旋回スクロールの旋回側基盤部(21)が収容されている基盤部収容室(83)と、前記基盤部収容室と前記圧縮室とを連絡する圧縮室側吸入通路(12)と、を備え、
前記自転防止孔は、前記基盤部収容室と前記圧縮室側吸入通路とを介して前記圧縮室に連通している請求項1に記載のスクロール型流体機械。 - 前記旋回スクロールの中心軸部の少なくとも一部が収容されている中心軸部収容室(82)を備え、
前記自転防止孔は、前記中心軸部収容室に連通している請求項2に記載のスクロール型流体機械。 - 前記流下流路において前記自転防止孔よりも上流に設けられた上流側フィルタ部(61)を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。
- 流体機械の外部へ流体を吐出する下流側吐出通路(72)よりも上流であって前記自転防止孔よりも下流に設けられた下流側フィルタ部(62;63)を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。
- 前記下流側フィルタ部(63)は、前記流下流路において前記自転防止孔と前記圧縮室の間に設けられている請求項5に記載のスクロール型流体機械。
- 固定スクロール(33)と、
前記固定スクロールに対して軸方向に対向して設けられて、前記固定スクロールとの間に作動流体を圧縮する圧縮室(38)を形成する旋回スクロール(20;120;220)と、
前記旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられた自転防止孔(51)と、
前記旋回スクロールの自転運動を阻止するために設けられて、前記自転防止孔の内側において前記自転防止孔に対して旋回する棒状部(52)と、
前記固定スクロールに対する前記旋回スクロールの旋回運動により前記圧縮室で圧縮された作動流体の一部が背圧導入通路(25)を経由して供給される背圧室(39)と、
前記自転防止孔と前記背圧室とを連通する連通通路(136c,136d)と、
を備えるスクロール型流体機械。 - 前記背圧室において前記作動流体を機械的に強制対流させる対流促進機構(16)を備える請求項7に記載のスクロール型流体機械。
- 前記対流促進機構は、前記旋回スクロールの旋回運動に連動して回転する流体搬送装置である請求項8に記載のスクロール型流体機械。
- 前記固定スクロールとの間に前記圧縮室を形成する第1構成部と、前記第1構成部とは別個の部品であって、前記自転防止孔を形成する内周壁を有する第2構成部(121)と、を備え、
前記旋回スクロール(120)は、前記第1構成部と前記第2構成部とが一体に結合して形成されている請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。 - 前記棒状部の外周面を覆うリング状の介装部材(53)をさらに備え、
前記介装部材の外周面は、前記自転防止孔の内周面に対して摺動する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。 - 空気である作動流体は所定の閉回路を循環することなく、開放された外部へ供給され、かつ外部からの給油が無い条件下において使用される請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。
- 前記旋回スクロールに対して摺動する摺動面には、自己潤滑性を有するフッ素または二硫化モリブデンを含有するコーティング部が設けられている請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のスクロール型流体機械。
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JP2019168786A JP2021046805A (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | スクロール型流体機械 |
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