JP2003289635A - 積層鉄心 - Google Patents
積層鉄心Info
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Abstract
に鉄心片の厚みが薄い場合でもっても、より強固にかし
め結合が可能な積層鉄心を提供する。 【解決手段】 上下の鉄心片12が1又は2以上のかし
め部16、17を介して積層された積層鉄心10におい
て、かしめ部16、17は、一方の端部22が鉄心片本
体21から切り落とされ、他方の端部23が鉄心片本体
21に連続して下方に折り曲げられた両側平行の片持ち
片18、19を備えている。
Description
等の電磁応用機器に使用する積層鉄心に関する。
製造にあっては、連続して搬送される珪素鋼板等からプ
レスによって連続的に鉄心片を打ち抜くと共に、2以上
のかしめ部をこの鉄心片に形成し、金型内で順次積層す
ることが行われていた。そして、かしめ部としては、一
方面に突出部を他方面に窪みを有する半抜き円形状のか
しめ部や、断面V字形状で半抜きするかしめ部が知られ
ている。一方、近年モータコア等においては効率アップ
を目的として、薄板化の傾向に向かっており、例えば、
板厚が0.15〜0.3mm程度あるいはこれ以下の厚
みの磁性鉄板が使用されている。
うに薄い磁性鉄板に、従来から使用されている半抜きタ
イプのかしめ部を適用すると、上下の鉄心片同士のかし
め部の接触面積が小さいので、コア強度不足となって、
モータの組み立て中に分解する等の支障を来している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鉄心片の
厚みが普通の場合は当然として、仮に鉄心片の厚みが薄
い場合でもっても、より強固にかしめ結合が可能な積層
鉄心を提供することを目的とする。
明に係る積層鉄心は、上下の鉄心片が1又は2以上のか
しめ部を介して積層された積層鉄心において、前記かし
め部は、一方の端部が鉄心片本体から切り落とされ、他
方の端部が前記鉄心片本体に連続して下方に折り曲げら
れた両側平行の片持ち片を備えている。これによって、
片持ち片が下方の鉄心片のかしめ孔の奥まで入りこみ、
接触面積が増加する。また、第2の発明に係る積層鉄心
は、第1の発明に係る積層鉄心において、前記片持ち片
は対向して2つ設けられ、その中央に幅狭の切り残し部
が設けられている。これによって、片持ち片の長さ方向
の荷重がバランスして上下の鉄心片が動くことなく安定
して結合される。
の発明に係る積層鉄心において、前記片持ち片は、その
全長が該片持ち片の切り抜き部の全長より長くなって、
かしめ時に下方の前記鉄心片本体にその先部が掛止して
いる。これによって、上下の鉄心片の結合力が更に強く
なる。そして、第4の発明に係る積層鉄心は、第1〜第
3の発明に係る積層鉄心において、それぞれの前記鉄心
片は、複数の極薄鉄心片が組合わさって構成されてい
る。これによって更に極薄の鉄心片を利用できる。そし
て、各極薄鉄心片の磁気的特性や物理的特性を異ならせ
ることができる。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る積層鉄心の部分断面図、図2は同積層鉄心の製
造方法を示す説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同
積層鉄心の最下部の鉄心片に形成されたかしめ部の説明
図、図4(A)、(B)はそれぞれ同積層鉄心の鉄心片
のかしめ部の説明図、図5は同積層鉄心の斜視図、図6
(A)〜(D)はそれぞれ他のかしめ部の説明図であ
る。
の形態に係る積層鉄心10は、モータの回転子(ロー
タ)であって、磁性鉄板からなる薄い(厚みが0.15
〜0.3mm程度)、底部の鉄心片11及びその上の鉄
心片12を所定枚数積層して形成されている。中心部の
ボス13には出力軸が通過する軸孔14が形成され、そ
の周囲には、9の磁極部15が設けられている。各磁極
部15にはかしめ部16がボス13には3のかしめ部1
7が形成されている。鉄心片11及びその上の鉄心片1
2、上下の鉄心片12同士は複数のかしめ部16、17
によって連結されている。
いるので、かしめ部16についてのみ以下に説明する。
かしめ部16は、図1、図4(A)、(B)に示すよう
に、鉄心片12の所定箇所(磁極部15)に打ち抜き形
成された片持ち片18、19を有し、片持ち片18、1
9はそれぞれ平面視して両側平行の長方形からなって、
幅狭の切り残し部20を中央にしてそれぞれの一方の端
部(先端部)22が対向して配置されている。片持ち片
18、19の一方の端部22は鉄心片本体21から切り
落とされ、他方の端部23は鉄心片本体21に連続して
下方に折り曲げられている。なお、鉄心片本体21は、
鉄心片12の平面主要部分をいう。
は更に下方の鉄心片に連結する必要がないので、かしめ
部は設けられておらず、図1、図3(A)、(B)に示
すように、代わりに上部の鉄心片12のかしめ部の片持
ち片18、19が嵌入するかしめ孔24、25を有し、
かしめ孔24、25の幅及び長さは、片持ち片18、1
9と同一となっている。かしめ孔24、25の中央には
切り残し部26が設けられ、かしめ孔24、25は鉄心
片本体27に形成されている。従って、この積層鉄心1
0は、最下部の鉄心片11の上に、鉄心片12が複数枚
積層されているが、最下部の鉄心片11のかしめ孔2
4、25内に、その上の鉄心片12のかしめ部16(1
7)の片持ち片18、19が下方に折れ曲がって突出し
た部分が嵌入している。そして、片持ち片18、19の
先部を図1に示すパンチ28の先部が押しつぶすことに
よって、片持ち片18、19の先部が延びて、その端部
が下方のかしめ孔24、25の端部に引っ掛かり抜けな
くなる。即ち、片持ち片18、19の全長が、この片持
ち片18、19の切り抜き部18a、19aの全長より
長くなっている。なお、このパンチ28には、切り残し
部20が嵌入する空隙28aが設けられている。この事
情は、鉄心片12の上に順次積層する鉄心片12におい
ても同様であり、下部の鉄心片12のかしめ部16(1
7)の対向する孔内に上部の鉄心片12のかしめ部16
(17)の片持ち片18、19の下方への突出部分が嵌
入する。このようにして、鉄心片11及びその上の鉄心
片12は強固に連結されて、図5に示す積層鉄心10が
形成されている。
10の製造方法について概略説明を行う。積層鉄心10
(この場合は、ロータ)の幅に合う薄板鉄心条材29を
用意し、ステーションAで、予め両側にパイロット孔3
0を所定間隔(L)、即ち、一つの鉄心片11、12の
加工ピッチで形成しておく。このパイロット孔30はこ
の薄板鉄心条材29の送りピッチを決めるものである。
次のステーションBで、図示しない鉄心片の中心位置を
中心にして9個のスロット孔31をパンチによって打ち
抜き、ステーションCで最下部の鉄心片11のかしめ孔
24、25(図3参照)を形成する。この対となるかし
め孔24、25は、鉄心片11において各磁極部15に
なる部分、及びボス13になる部分に形成するが、ボス
になる部分では3等分して3か所に形成されている。
に重ねる鉄心片12のかしめ部16、17(図4参照)
を形成する。形成する部分は、鉄心片11の位置と同じ
であり、磁極部15になる部分にそれぞれ1つと、ボス
13となる部分に均等で3個形成する。この場合、鉄心
片12がステーションCを通過する場合には、ステーシ
ョンCでのプレス加工は行われず、鉄心片11がステー
ションDを通過する場合には、ステーションDのプレス
加工は行われない。ステーションEでは、各鉄心片1
1、12の外形と軸孔14を打ち抜き、下部に設けられ
た金型内で積層する。なお、軸孔14の抜き加工はステ
ーションDで行ってもよい。この場合、ステーションD
で使用される内抜きパンチ(当然、下型のダイスはあ
る)には、単に外形と軸孔14を切り抜くためのカッタ
ーを設けたものであってもよいが、鉄心片12のかしめ
部16、17を鉄心片11のかしめ孔24、25に、そ
して、鉄心片12のかしめ部16、17の下層の鉄心片
12のかしめ部16、17に押し込む突出パンチを設け
たものであってもよい。この突出パンチの形状は図1に
2点鎖線で示すパンチと実質的に同一形状となる。これ
によって、上下の鉄心片11、12のかしめ部16、1
7による連結をより強固にできる。そして、この過程に
おいて、片持ち片18、19も拡幅し、長さ方向に延長
されるので、より強固なかしめができる。
鉄心10が自動的に製造される。なお、積層鉄心10が
組み立てられるステーションEにある下型には、回転機
構を設けて、一つの鉄心片12が積層された後、金型を
40度回転させることによって、鉄心片12の方向が均
等に変わっていき、薄板鉄心条材29に多少の厚みのバ
ラツキがあっても、均一高さの積層鉄心10が形成され
ると共に、各磁極部15の磁気的特性も均一になる。図
6(A)〜(D)は、複数枚の鉄心片を積層連結する場
合に使用するかしめ部の他の例を示すが、図に示すよう
に、かしめ部33〜36においては、それぞれの片持ち
片37〜40の先端(一方側の端部)の形状が直線では
なく中央側に窪み(A)、(B)、中央側に突出部
(C)を形成したり、ジグザク状(D)となっている。
これによって、中央の切り残し部41〜44との係合状
態がよくなって、より強固に上下の鉄心片がかしめ連結
される。
ではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更を行
うことができる。例えば、前記実施の形態では一枚の薄
板鉄心条材29に個々にプレス加工を行っていたが、最
初から複数枚の極薄鉄心片が組み合わさって積層されて
いる鉄心片を用いる場合も本発明は適用される。また、
前記実施の形態では、各かしめ部は2の片持ち片が対向
配置されているが、かしめ部に1の片持ち片を用いても
よいし、また場合によっては、2の片持ち片の向きを反
対にしてもよい。更には、前記実施の形態では具体的な
数字(例えば、板厚)を記載して説明したが、本発明は
これらの数字に限定されるものではない。そして、前記
実施の形態においては、積層鉄心はモータのロータを一
例としたが、モータのステータや、場合によってはトラ
ンス等であっても本発明は適用される。
部は、一方の端部が鉄心片本体から切り落とされ、他方
の端部が鉄心片本体に連続して下方に折り曲げられた両
側平行の片持ち片を備えているので、切り落とされた一
方の端部側の片持ち片がより多く直下の鉄心片のかしめ
部(最下部ではかしめ孔となる)に食い込むので、上下
の鉄心片の接触面積が増加し、積層鉄心の強度が向上す
る。特に、請求項2記載の積層鉄心は、片持ち片は対向
して2つ設けられ、その中央に幅狭の切り残し部が設け
られているので、かしめ部による水平方向の荷重を打ち
消し、安定したかしめ部を構成できる。請求項3記載の
積層鉄心は、片持ち片は、その全長が切り抜き部より長
くなって、かしめ時に下方の鉄心片本体にその先部が掛
止しているので、かしめ部の両側のみならず一方の端部
(先部)も掛止作用を発揮するので、上下の鉄心片がよ
り強固に連結される。そして、請求項4記載の積層鉄心
は、複数の極薄鉄心片が組合わさって構成されているの
で、特殊な鉄心片を組み合わせて積層鉄心を構成するこ
とが容易となる。
面図である。
の鉄心片に形成されたかしめ部の説明図である。
のかしめ部の説明図である。
図である。
4:軸孔、15:磁極部、16、17:かしめ部、1
8、19:片持ち片、18a、19a:切り抜き部、2
0:切り残し部、21:鉄心片本体、22、23:端
部、24、25:かしめ孔、26:切り残し部、27:
鉄心片本体、28:パンチ、28a:空隙、29:薄板
鉄心条材、30:パイロット孔、31:スロット孔、3
3〜36:かしめ部、37〜40:片持ち片、41〜4
4:切り残し部
Claims (4)
- 【請求項1】 上下の鉄心片が1又は2以上のかしめ部
を介して積層された積層鉄心において、前記かしめ部
は、一方の端部が鉄心片本体から切り落とされ、他方の
端部が前記鉄心片本体に連続して下方に折り曲げられた
両側平行の片持ち片を備えていることを特徴とする積層
鉄心。 - 【請求項2】 請求項1記載の積層鉄心において、前記
片持ち片は対向して2つ設けられ、その中央に幅狭の切
り残し部が設けられていることを特徴とする積層鉄心。 - 【請求項3】 請求項1及び2のいずれか1項に記載の
積層鉄心において、前記片持ち片は、その全長が該片持
ち片の切り抜き部の全長より長くなって、かしめ時に下
方の前記鉄心片本体にその先部が掛止していることを特
徴とする積層鉄心。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積
層鉄心において、それぞれの前記鉄心片は、複数の極薄
鉄心片が組合わさって構成されていることを特徴とする
積層鉄心。
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