JP2003286330A - 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途 - Google Patents

硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Info

Publication number
JP2003286330A
JP2003286330A JP2002091900A JP2002091900A JP2003286330A JP 2003286330 A JP2003286330 A JP 2003286330A JP 2002091900 A JP2002091900 A JP 2002091900A JP 2002091900 A JP2002091900 A JP 2002091900A JP 2003286330 A JP2003286330 A JP 2003286330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
group
general formula
range
ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002091900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3813105B2 (ja
Inventor
Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Kotaro Suzuki
孝太郎 鈴木
Sunao Maeda
直 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2002091900A priority Critical patent/JP3813105B2/ja
Publication of JP2003286330A publication Critical patent/JP2003286330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3813105B2 publication Critical patent/JP3813105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)2官能以上のエポキシ化合物また
は2官能以上のエポキシ樹脂、(B)硬化剤、および、
(C)硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物におい
て、前記(B)硬化剤が、一般式(I)で表されるエス
テル含有化合物またはエステル含有樹脂であり、前記
(C)硬化促進剤が、一般式(II)または(III)
で表されるフォスファゼン化合物を必須として全硬化促
進剤中に30〜100重量%を含むことを特徴とするエ
ポキシ樹脂組成物。 【効果】 本エポキシ樹脂組成物は、エステル基による
硬化でありながら、硬化性に優れるものであり、従来の
技術により得られたエポキシ樹脂組成物が使用されてい
る産業分野において、代替して使用することが可能であ
り、特に半導体の封止材として用いることにより、生産
性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業上非常に重要
な性質と言える、硬化性を改良したエポキシ樹脂組成物
に関し、より詳しくは半導体集積回路を封止する目的に
供するに充分な性能を有し、且つ工業生産において優位
となる、成型サイクルの高速化を可能にする、速硬化性
エポキシ樹脂組成物に関するものである。さらに、該エ
ポキシ樹脂の硬化物、および、該エポキシ樹脂により半
導体集積回路を封止してなる半導体装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】集積回路(IC)や大規模集積回路(L
SI)は、それを保護する封止材により、外部雰囲気の
ゴミや埃、熱、水分、あるいは光による誤作動等から守
られている。この封止材としては、金属やセラミックス
によるものから、近年では樹脂封止へと変遷しており、
現在ではエポキシ樹脂封止が主流である。特に、コスト
面と物性面のバランスから、フェノール樹脂を硬化剤と
したエポキシ樹脂組成物が多く使われており、中でも、
エポキシ樹脂としてはo−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂やビフェノール型エポキシ樹脂を、硬化剤とし
てフェノールノボラック樹脂やフェノールアラルキル樹
脂を用いた、エポキシ樹脂組成物が多く使われている。
しかし、この樹脂組成物は、封止材としての要求性能の
中で、耐熱性には優れるものの、耐湿性の点では劣ると
いう欠点を有していた。この問題に対し、様々な改良が
検討されてきたが、いずれにしてもフェノール性水酸基
によるエポキシ基の硬化反応である以上、化学式(XI
I)
【0003】
【化6】 に示すように水酸基が生成する反応である以上、水酸基
に起因する吸湿性が生じるため、低吸湿化には限界があ
ることは自明であった。
【0004】これに対し、この問題を解決する一つの手
法として、西久保ら出願の特開昭62−53327号公
報に示される様なエポキシ基とエステル基の反応が提案
され、更に本発明者らによりエポキシ/エステル付加反
応に対して高活性な、特に封止材用途に好適なフォスフ
ァゼン系硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物が提案され
ている。(特開2000−327751等)これらの提
案により、ある種の硬化剤を必須とするものではありな
がら、エポキシ樹脂に対する硬化剤として水酸基をエス
テル化した硬化剤を用いることで、従来のエポキシ樹脂
組成物に対し、圧倒的な低吸湿性を示す硬化物を得るこ
とが可能となった。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討により以
下の課題が明らかになった。すなわち、工業的な生産を
意図した成型サイクルを考慮したとき、その硬化速度、
特に金型からの離型が可能となるまでの時間に関与する
初期硬化の速度に限界があることが判明した。これは、
様々な硬化触媒も用いることが可能であるフェノール硬
化の場合は、要求される物性、硬化速度等に応じて様々
な種類の硬化触媒を取捨選択、あるいは併用することに
より対応することが可能であるのに対し、エステル硬化
に関しては硬化触媒が限られ、実質的に先の本発明者ら
の提案した、フォスファゼン型触媒に限られるため、硬
化速度の調整が出来ないことが原因である。唯一の方法
としては、硬化触媒量を増量することで対応することで
あるが、この方法は樹脂組成物の流動性を悪化させてし
まい、また高価なフォスファゼン触媒を大量に用いるこ
とはコストアップにも繋がるため、好ましい方法とは言
えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エス
テル基による硬化でありながら、硬化性に優れるエポキ
シ樹脂組成物を提供すること、およびそれを用いた硬化
物および半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、エステル基を有する硬化剤において、エステ
ル基に対し特定の位置に置換基を導入することで硬化速
度が向上する事を見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0008】すなわち、本発明は、以下の[1]〜[1
1]に記載した事項により特定される。
【0009】[1] (A)2官能以上のエポキシ化合
物または2官能以上のエポキシ樹脂、(B)硬化剤、お
よび、(C)硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物
において、前記(B)硬化剤が、一般式(I)で表され
るエステル含有化合物またはエステル含有樹脂であり、
前記(C)硬化促進剤が、一般式(II)または(II
I)で表されるフォスファゼン化合物を必須として全硬
化促進剤中に30〜100重量%を含むことを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物(一般式(I)中、Xは、炭素数
1〜7の脂肪族または芳香族アルデヒド残基、炭素数8
〜14のキシリレン誘導体残基または炭素数10〜15
の脂肪族ジエン残基を示し、R1は炭素数1〜6の直
鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アルコ
キシ基を示し、その置換位置はOA基に対しオルソ位ま
たはメタ位である。Aは水素原子もしくは炭素数2〜1
0の芳香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/ア
シル基のモル比が90/10〜0/100の範囲であ
る。繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布
し、その平均は1〜20の範囲である。一般式(II)
中、R2は水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環
状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アラルキ
ル基を示し、全て同一であっても異なっていてもよい。
また、Y-で示されるアニオンは、ハロゲンアニオン、
ヒドロキシアニオン、炭素数1〜8のアルコキシアニオ
ン、6〜18のフェノキシアニオン、炭素数1〜6の脂
肪族または芳香族カルボン酸から導かれる カルボキシ
アニオン、ナフトキシアニオンを示す。一般式(II
I)中、R3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分
岐、環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ア
ラルキル基を示し、全て同一であっても異なっていても
よい。)。
【0010】
【化7】
【0011】[2] (B)硬化剤が、一般式(I)に
おいて、Rがメチル基である、o−クレゾール、また
は、m−クレゾールから誘導されるエステル含有化合
物、または、エステル含有樹脂であることを特徴とす
る、[1]に記載したエポキシ樹脂組成物。
【0012】[3] (B)硬化剤が、一般式(IV)
で表される、o−クレゾール、または、m−クレゾール
ノボラックから誘導されるエステル含有化合物、また
は、エステル含有樹脂であることを特徴とする、[1]
に記載したエポキシ樹脂組成物(一般式(IV)中、A
は水素原子もしくは炭素数2〜10の芳香族または脂肪
族アシル基を示し、水素原子/アシル基のモル比が90
/10〜0/100の範囲である。繰り返し単位を示す
mは、1〜50の範囲に分布し、その平均は1〜20の
範囲である。)。
【0013】
【化8】
【0014】[4] (B)硬化剤が、一般式(V)で
表される、o−クレゾール、または、m−クレゾールア
ラルキル樹脂から誘導されるエステル含有化合物、また
は、エステル含有樹脂であるエポキシ樹脂組成物である
ことを特徴とする、[1]に記載したエポキシ樹脂組成
物(一般式(V)中、Aは水素原子もしくは炭素数2〜
10の芳香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/
アシル基のモル比が90/10〜0/100の範囲であ
る。繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布
し、その平均は1〜20の範囲である。)。
【0015】
【化9】
【0016】[5] (B)硬化剤が、一般式(VI)
で表される、o−クレゾール、または、m−クレゾール
−ジシクロペンタジエン樹脂から誘導されるエステル含
有化合物、または、エステル含有樹脂であることを特徴
とする、[1]に記載したエポキシ樹脂組成物(一般式
(VI)中、Aは水素原子もしくは炭素数2〜10の芳
香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/アシル基
のモル比が90/10〜0/100の範囲である。繰り
返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その平
均は1〜20の範囲である。)
【0017】
【化10】
【0018】[6] 一般式(I)で表されるエステル
含有化合物またはエステル含有樹脂のアシル基Aが、ア
セチル基またはベンゾイル基であることを特徴とする、
[1]乃至[5]の何れかに記載したエポキシ樹脂組成
物。
【0019】[7] 一般式(I)で表されるエステル
含有化合物またはエステル含有樹脂のアシル基Aが、ア
セチル基およびベンゾイル基であり、アセチル基/ベン
ゾイル基のモル比が99/1〜1/99であることを特
徴とする、[1]乃至[5]の何れかに記載したエポキ
シ樹脂組成物。
【0020】[8] (A)エポキシ樹脂が、一般式
(VII)で表されるジヒドロキシナフタレンから得ら
れるエポキシ樹脂、一般式(VIII)で表されるビフ
ェノール類から得られるエポキシ樹脂、一般式(IX)
で表されるノボラック型樹脂から得られるエポキシ樹
脂、一般式(X)から得られるフェノールアラルキル樹
脂から得られるエポキシ樹脂、および、一般式(XI)
で表されるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂から
得られるエポキシ樹脂からなる群から選択された少なく
とも一つのエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂成分中に20
重量%〜100重量%含むことを特徴とする、[1]乃
至[7]の何れかに記載したエポキシ樹脂組成物。(一
般式(VII)中、2,3−エポキシプロピル基の置換
位置は1,5位、1,6位、1,7位、2,6位、また
は2,7位である。一般式(VIII)中、R4は水素
原子またはメチル基を表し、全て同一でも異なっていて
もよい。一般式(IX)中、R5は水素原子またはメチ
ル基を示し、繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲
に分布し、その平均は1〜20の範囲である。一般式
(X)中、R6は水素原子またはメチル基を示し、繰り
返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その平
均は1〜20の範囲である。一般式(XI)中、R7は
水素原子またはメチル基を示し、繰り返し単位を示すm
は、1〜50の範囲に分布し、その平均は1〜20の範
囲である。)。
【0021】
【化11】
【0022】[9] [1]乃至[8]の何れかに記載
したエポキシ樹脂組成物に対し、(D)有機および/ま
たは無機充填材を、(A+B)100重量部に対し、1
00〜1900重量部を添加して得られるエポキシ樹脂
組成物。
【0023】[10] [1]乃至[9]の何れかに記
載したエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られるエポ
キシ樹脂硬化物。
【0024】[11] [1]乃至[9]の何れかに記
載したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封
止して得られる半導体装置。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を構成する(A)
(B)(C)および(D)成分について詳細に説明す
る。
【0026】(A)成分である2官能以上のエポキシ化
合物または2官能以上のエポキシ樹脂は、1分子中に2
つ以上のエポキシ基を有する物であれば全て用いること
が可能である。具体的に例示すれば、次のようなものを
挙げることが出来る。すなわち、オレフィン類の酸化
や、水酸基のグリシジルエーテル化、1,2級アミン類
のグリシジルアミン化、カルボン酸のグリシジルエステ
ル化等により得られるエポキシ基を有するものである。
【0027】これらエポキシ化され得る原料としては、
カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンの様なジヒド
ロキシベンゼン類;2,6−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、2−(3−ヒドロキシフェニル)−
2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノ
ールS)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルシクロヘキ
サン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンゼ
ン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシ−2,2’,6,6’−テトラメチルビフェ
ニル、4、4’ジヒドロキシジフェニルエーテル、6,
6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチ
ル−1,1−スピロビインダン、1,3,3−トリメチ
ル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−インダン−
6−オール等のビスフェノール類;テトラフェニロール
エタン、ナフトール−クレゾールレゾール縮合物等のオ
リゴフェノール類、一般式(XIII)
【0028】
【化12】 (但し、式中R8は炭素数1〜6の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し、繰
り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その
平均は1〜20の範囲である。)で表されるフェノール
ノボラック類、ノボラック類からビスフェノール体を除
いた残査物[トリフェノール体以上:以下VRと約
す]、一般式(XIV)
【0029】
【化13】 (但し、式中R9は炭素数1〜6の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し、繰
り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その
平均は1〜20の範囲である。)で表されるフェノール
アラルキル類、一般式(XV)
【0030】
【化14】 (但し、式中繰り返し単位を示すnは、1〜20の範囲
に分布し、その平均は1〜5の範囲である。)で表され
るナフトールアラルキル類、一般式(XVI)
【0031】
【化15】 (但し、式中R10は炭素数1〜6の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し、
繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、そ
の平均は1〜20の範囲である。)で表されるフェノー
ル−ジシクロペンタジエン共重合樹脂(DPR樹脂)等
のフェノール樹脂類;エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、4,4’
−ジアミノフェニルメタン(MDA)、4、4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン、2,2−ビス(4,4’−ジアミノフェニ
ル)プロパン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレ
ンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、一般式
(XVII)
【0032】
【化16】 (但し、式中R11は炭素数1〜6の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し、
繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、そ
の平均は1〜20の範囲である。)で表されるアニリン
アラルキル樹脂[商品名:Anilix、三井化学
(株)社製]等の脂肪族、芳香族アミン類;m−アミノ
フェノール、p−アミノフェノール、2−(4−アミノ
フェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4−アミノフェニル−4−ヒドロキシフェニル)メ
タン等のアミノフェノール類;フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒド
ロフタル酸、ダイマー酸、1,3−ジカルボキシシクロ
ヘキサン等のカルボン酸類;サリチル酸、4−ヒドロキ
シ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類等を挙げること
が出来る。
【0033】これらの活性水素を有する化合物のグリシ
ジル化は公知の方法により行うことができ、ハロゲン化
水素アクセプターの存在下、エピクロルヒドリンを反応
させることが最も一般的である。なお、グリシジルエス
テルを製造する際には、金属触媒、特にTlNO3、T
l(OCOCF3)3等のタリウム化合物を触媒とし、カ
ルボン酸メチルエステルとグリシドールとを反応させる
方法が好ましいことも知られている。
【0034】これらの中で、本発明の主な目的である半
導体集積回路の封止材として好ましいものとしては、フ
ェノール化合物、フェノール樹脂類から誘導されるグリ
シジルエーテル類であり、具体的には、上記の一般式
(VII)で表されるジヒドロキシナフタレンから誘導
されるエポキシ化合物、一般式(VIII)で表される
ビフェノール類から得られるエポキシ樹脂、一般式(I
X)で表されるフェノールノボラック樹脂から得られる
エポキシ樹脂、一般式(X)で表されるフェノールアラ
ルキル樹脂から得られるエポキシ樹脂、一般式(XI)
で表されるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂から
得られるエポキシ樹脂等である。
【0035】本発明を構成する各成分のうち、本発明の
特徴となるのは(B)硬化剤成分における置換基の導入
位置を限定したことである。すなわち、置換基の存在と
その置換位置による硬化性の関係を示すことにより本発
明がなされている。
【0036】本発明における(B)硬化剤は、一般式
(I)
【化17】 (但し、式中Xは、炭素数1〜7の脂肪族または芳香族
アルデヒド残基、炭素数8〜14のキシリレン誘導体残
基または炭素数10〜15の脂肪族ジエン残基を示し、
R1は炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アリール基、アルコキシ基を示し、その置換位置は
OA基に対しオルソ位またはメタ位である。Aは水素原
子もしくは炭素数2〜10の芳香族または脂肪族アシル
基を示し、水素原子/アシル基のモル比が90/10〜
0/100の範囲である。繰り返し単位を示すmは、1
〜50の範囲に分布し、その平均は1〜20の範囲であ
る。)で表されるエステル含有化合物またはエステル含
有樹脂である。これらをさらに具体的に例示すれば、一
般式(IV)に示される様な、o−、またはm−クレゾ
ールノボラック樹脂のエステル化物、あるいはo−、ま
たはm−クレゾールノボラックからビスフェノール体を
除去した残査物のエステル化物、o−、またはm−クレ
ゾールノボラックから単離されるビスフェノール体のエ
ステル化物、一般式(IV)に示される様な、o−、ま
たはm−クレゾールアラルキル樹脂のエステル化物、あ
るいはo−、またはm−クレゾールアラルキル樹脂から
ビスフェノール体を除去した残査物のエステル化物、o
−、またはm−クレゾールアラルキル樹脂から単離され
るビスフェノール体のエステル化物、一般式(V)に示
される様な、o−、またはm−クレゾール−ジシクロペ
ンタジエン樹脂のエステル化物、あるいはo−、または
m−クレゾール−ジシクロペンタジエン樹脂からビスフ
ェノール体を除去した残査物のエステル化物、o−、ま
たはm−クレゾール−ジシクロペンタジエン樹脂から単
離されるビスフェノール体のエステル化物を挙げること
が出来る。これらのo−またはm−クレゾール樹脂をエ
ステル化する方法は、公知の方法が用いられるが、具体
的には以下の通りである。すなわち、上述のような水酸
基をエステル化する際に用いるエステル化剤としては、
有機カルボン酸無水物、有機カルボン酸ハライド、有機
カルボン酸のいずれでもよい。誘導したいエステルの炭
素数によるエステル化剤の特徴により適宜選択すればよ
い。このエステル化剤を具体的に例示すれば、無水酢
酸、アセチルクロライド、アセチルブロマイド、酢酸、
無水プロピオン酸、プロピオン酸クロライド、プロピオ
ン酸ブロマイド、プロピオン酸、無水酪酸、酪酸クロラ
イド、酪酸、無水吉草酸、吉草酸クロライド、吉草酸ブ
ロマイド、吉草酸、ピバリン酸クロライド、ピバリン
酸、フェニル酢酸、フェニル酢酸クロライド、2−フェ
ニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、o−ト
リル酢酸、m−トリル酢酸、p−トリル酢酸、クメン
酸、無水安息香酸、安息香酸クロライド、安息香酸ブロ
マイド、安息香酸、o−メチル安息香酸クロライド、m
−メチル安息香酸クロライド、p−メチル安息香酸クロ
ライド、o−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p
−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4
−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,
6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、
3,5−ジメチル安息香酸、等を挙げることができる。
この中で好ましいものとしては、無水酢酸、アセチルク
ロライド、安息香酸無水物、安息香酸クロライドを挙げ
ることが出来る。これらのエステル化剤は単独あるいは
任意の2種類以上を併用して用いることも可能である。
【0037】その使用量は、水酸基に対して10モル%
以上で用いればよく、上限は特に限定されず、過剰に用
いて充分にエステル化を進行させた場合は、過剰のエス
テル化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的には反
応容積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し10倍
モル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは
3倍モル以下がよい。
【0038】具体的な方法は、エステル化剤の種類によ
って異なるが、それぞれについて述べれば、有機カルボ
ン酸無水物については、一般に用いられる方法でよい。
すなわち、水酸基に対しエステル化するべき任意の量の
有機カルボン酸無水物を反応させたのち、副成する有機
カルボン酸、過剰の有機カルボン酸無水物を常圧蒸留、
減圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水洗浄等任意の方法
もしくはそれらの組み合わせによって除去する事によ
り、目的とするエステル化合物を得るものである。部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち、本発明の樹脂組成物においては10モル%以上が
エステル化されたエステル化物を用いるので、10モル
%以上の有機カルボン酸無水物を用い、完全にエステル
化する際には、水酸基に対して等モル以上、溶剤を兼ね
ればその上限は特に制限されるものではないが、経済効
率、反応の容積効率を考慮すれば10倍モル%以下で用
いればよい。なお、この使用量は後述の有機カルボン酸
を用いた反応の際にも同様である。
【0039】一般にエステル化反応においては、ピリジ
ン、ピペリジン、トリエチルアミン等の反応に対しては
不活性な有機塩基の存在下において行うことが多いが、
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路の封止材
等の電気・電子分野に用いる場合、これらの含窒素有機
塩基が残存することを避けなければならない。このた
め、最終的には水洗行程を導入する事が望ましい。しか
しながら、これら有機塩基を用いなくとも充分反応は進
行するので、有機塩基を用いないことが最も望ましい。
【0040】反応温度は60℃〜200℃の範囲、望ま
しくは80℃〜180℃の範囲、特に望ましくは100
℃〜160℃の範囲が望ましい。反応時間は反応物の種
類や反応温度に大きく左右されるが、およそ1時間〜2
5時間の範囲であり、現実的には高速液体クロマトグラ
フィーやガスクロマトグラフィー等でエステル化剤の消
失や水酸基の消失などを追跡しつつ終点を決定すること
が望ましい。
【0041】反応における溶媒は用いても用いなくても
よい。原料とする水酸基を有する物質が反応温度に於い
て充分溶融し、且つエステル化剤が液体である場合、ま
た反応温度において溶融、あるいは樹脂に溶解し反応に
支障がない場合には無溶媒で反応を行えばよい。
【0042】溶媒を必要とするならば、反応に不活性な
溶媒であれば全て使用することが出来る。それらを例示
すれば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル等の芳
香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、等を単独
で、あるいは任意の組み合わせで用いることが出来る。
【0043】反応は常圧(大気圧)、加圧(オートクレ
ーブ中)、減圧のいずれでもよく、また反応系の雰囲気
は空気中、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中
のいずれでもよいが、好ましくは窒素雰囲気下がよい。
【0044】次に、エステル化剤として有機カルボン酸
ハライドを用いる場合における反応について説明する。
この場合も一般に用いられる手法を用いることが出来
る。すなわち、水酸基に対してエステル化するべき任意
の量の有機カルボン酸ハライドを反応させればよい。こ
の場合、副生するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペラ
ジン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を必要
量存在させて系内においてトラップする方法と、ガスと
して反応中に順次速やかに系外に放出し、反応系外に設
置された水またはアルカリトラップを用いて捕捉する場
合が考えられるが、先に示す理由により、含窒素化合
物、イオン性化合物の混入を避けるためハロゲン化水素
ガスは反応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。
この時、やはり反応に不活性なガスの気流下において反
応を行うとより好ましい。
【0045】有機カルボン酸ハライドの使用量は、部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、すな
わち本発明の樹脂組成物においては10モル%以上がエ
ステル化されたエステル化物を用いるので、10モル%
以上の有機カルボン酸ハライドを用い、完全にエステル
化する際には水酸基に対して等モルもしくは小過剰を用
いればよく、大過剰用いることは特に制限されるもので
はないが、経済効率、反応の容積効率、さらに反応後の
処理工程の煩雑さを考慮すれば水酸基に対して10倍モ
ル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ましくは3
倍モル以下の範囲で用いればよい。反応温度、反応にお
ける溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カルボ
ン酸無水物の場合に準じればよい。
【0046】また、エステル化剤として有機カルボン酸
を用いる場合は、ほぼ有機カルボン酸無水物に準じれば
よいが、反応に際して酸触媒を必要とする。それを例示
すれば、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;
p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンス
ルホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチルスルホン酸等
の有機スルホン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸に
代表される超強酸;アルカンスルホン酸型に代表される
酸性イオン交換樹脂;パーフルオロアルカンスルホン酸
型に代表される超強酸型イオン交換樹脂等である。
【0047】その使用量は、原料の重量に対して超強酸
の場合が0.00001〜5重量%、好ましくは0.0
001〜1重量%、より好ましくは0.001〜0.1
重量%の範囲、イオン交換樹脂類の場合が1〜100重
量%、好ましくは10〜50重量%の範囲、その他の場
合は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%の範囲である。この範囲を下まわると反応速度が低下
し、現実的な反応時間では完結しない。またこの範囲よ
り大きくなると、副反応が無視できなくなり、あるいは
触媒の除去の行程の煩雑さ等を含めてコストの増大に繋
がる。
【0048】以上、3種類のエステル化剤についてその
反応を説明してきたが、いずれの場合もより精製度の高
いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終了
後、水洗行程を導入すればよい。その場合はトルエン、
キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル等の水洗可能な溶媒を用いて、洗浄廃水
に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなるまで洗浄
すればよい。また、本発明においては、そのエステル化
率は10モル%〜100モル%の範囲であるが、好まし
くは50モル%〜100モル%、さらに好ましくは80
モル%〜100モル%の範囲である。
【0049】本発明において、更に必須となるものは
(C)硬化促進剤である。従来のエポキシ−フェノール
硬化に用いられてきた代表的な硬化促進剤、例えばトリ
フェニルホスフィンの様なホスフィン類、2−メチルイ
ミダゾールの様なイミダゾール類などは、エポキシ−エ
ステル付加反応においては触媒硬化を有さないことは、
既に本発明者らが明らかにしている。
【0050】(特開2000−327751等)本発明
においては、硬化促進剤として一般式(II)または
(III)で表されるフォスファゼン化合物を必須とし
て全硬化促進剤中に30〜100重量%を含むことを特
徴とするエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0051】
【化18】 一般式(II)中、R2は水素原子、炭素数1〜10の
直鎖、分岐、環状アルキル基、炭素数6〜10のアリー
ル基、アラルキル基を示し、全て同一であっても異なっ
ていてもよい。また、Y-で示されるアニオンは、ハロ
ゲンアニオン、ヒドロキシアニオン、炭素数1〜8のア
ルコキシアニオン、6〜18のフェノキシアニオン、炭
素数1〜6の脂肪族または芳香族カルボン酸から導かれ
る カルボキシアニオン、ナフトキシアニオンを示す。
一般式(III)中、R3は水素原子、炭素数1〜10
の直鎖、分岐、環状アルキル基、炭素数6〜10のアリ
ール基、アラルキル基を示し、全て同一であっても異な
っていてもよい。上記一般式(II)で表されるフォス
ファゼン化合物は、昇氏ら出願の特開平10−7728
9において、詳細に説明されている。また、上記一般式
(III)のフォスファゼン化合物もまた、昇氏ら出願
の特開2000−355595において、詳細に説明さ
れている。
【0052】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との配合比は、エポ
キシ基1当量に対して(B)硬化剤の(水酸基+エステ
ル基)が0.5〜1.5当量であり、好ましくは0.7
〜1.3当量である。当量比は、硬化物の最適物性が得
られる当量比を調整して用いることが好ましい。本発明
のエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂および
硬化剤はそれぞれ一種類づつ単独で用いてもよく、複数
を併用してもよい。
【0053】本発明のエポキシ樹脂組成物において、必
須の成分として用いる硬化触媒の使用量は、全エポキシ
樹脂組成物(樹脂成分:エポキシ樹脂と硬化剤の合計)
に対して、好ましくは重量で0.001〜25%の範囲
であり、さらに好ましくは0.01〜15%、最も好ま
しくは0.1〜5%の範囲である。
【0054】硬化触媒は先の一般式(II)のフォスフ
ァゼン化合物を必須とするが、本発明のエポキシ樹脂組
成物においては、それ以外の、一般に用いられる公知の
硬化促進剤、例えば、2−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類、トリエチルアミン等の3級アミン類、1,8−ジア
ザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビ
シクロ類、4−N,N−ジメチルピリジン等のピリジン
類等を、本発明の特徴が失われない範囲で用いても良
く、その使用量は全硬化触媒中に、フォスファゼン触媒
が30〜100重量部の範囲である。
【0055】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じて、有機および/または無機充填材やその他
の添加剤を用いることができる。特に半導体集積回路の
封止材に用いるときには、その機械的特性の向上や全体
のコストダウンのために有機および/または無機充填材
を、また光による誤動作を防ぐためにカーボンブラック
等の着色剤を、更には離型剤、カップリング剤、難燃剤
等を用いることが望ましい。
【0056】有機および/または無機充填材の使用量と
しては、(A+B)100重量部に対し、100重量部
以上、1900重量部以下の範囲であり、好ましくは2
50重量部以上、より好ましくは550重量部以上であ
る。
【0057】用いられる有機および/または無機充填材
としては、シリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タ
ルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ、ク
レー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊維、カーボン
繊維、アラミド繊維等の繊維体等が挙げられる。これら
の中で封止材用途において好ましいものは、結晶性シリ
カおよび/または溶融シリカであり、さらにその樹脂組
成物の成型時の流動性を考慮すると、その形状は球形ま
たは球形と不定形の混合物が望ましい。
【0058】さらに、機械的強度や耐熱性の面を考慮
し、各種添加剤を配合することが好ましい。例えば、樹
脂と無機充填材との接着性向上のためにはカップリング
剤を用いることが望ましく、かかるカップリング剤とし
ては、シラン系、チタネート系、アルミネート系、また
はジルコアルミネート系等を挙げることが出来る。なか
でも好ましいものとしては、シランカップリング剤であ
り、特にエポキシ基と反応する官能基を持つシランカッ
プリング剤が最も好ましい。
【0059】そのようなカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることが出来る。これらを単独で、あるい
は2種類以上組み合わせて使用することが出来る。これ
らのカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着あ
るいは、反応により固定化されていることが望ましい。
【0060】本発明のエポキシ樹脂硬化物とは、本発明
のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られる硬化物で
ある。
【0061】本発明の半導体装置とは、本発明のエポキ
シ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られ
るものである。半導体装置を作製する方法としては、低
圧トランスファー成型が最も一般的であるが、その他の
方法、例えば、インジェクション成型、圧縮成型、注型
成型等の方法も可能である。また、溶剤を用いるような
特殊な手法も可能である。本発明の半導体装置は、従来
提案されていた未置換のエステル化フェノール樹脂硬化
剤を用いた場合に比べ、硬化が速く、特に初期硬化性に
優れるという特徴を有する。
【0062】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0063】合成例1 温度計、滴下ロート、還流冷却器および攪拌装置を備え
たガラス製反応容器に、o−クレゾール:487g
(4.5mol)、シュウ酸:2.4g(0.5wt
%)を装入し、70℃において攪拌を行いながら35%
ホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液):250g
(3.0mol)を1時間で滴下した。若干の発熱が認
められたが、70℃をキープし滴下終了後、更に5時
間、攪拌、反応を行った。その後、昇温し、90℃で2
時間熟成して反応を完結した。続けて水および過剰のo
−クレゾールを最高170℃、2.7kPaの条件で減
圧留去し、残査として457gのo−クレゾールノボラ
ック樹脂を得た。このものの水酸基当量は、127.2
g/eqであった。GPCによる分子量(標準ポリスチ
レン換算)は、Mn=514、Mw=691であった。
このo−クレゾールノボラック樹脂:254.4g
(2.0mol=水酸基)を温度計、滴下ロート、還流冷
却器、窒素導入管、攪拌装置、減圧装置(ハンディアス
ピレーター)およびアルカリトラップを備えたガラス製
反応容器に装入し、120℃へ昇温した。120℃〜1
25℃を保ちながら、塩化ベンゾイル:272.7g
(1.94mol)を3時間で滴下した。滴下終了後、
1時間で160℃まで昇温し、同温度において12時
間、熟成を行った。尚、滴下中および熟成中は還流冷却
器の頭頂部より微減圧し、系内を70〜100kPa程
度に保つことで、発生する塩化水素ガスを速やかに系外
へ除去した。系外に除去された塩化水素ガスは、還流冷
却器頭頂部と減圧装置との間に設けられたアルカリトラ
ップ中によりほぼ完全に中和された。熟成終了後、ガス
クロマトグラフにより樹脂中に塩化ベンゾイルが完全に
消失していることを確認し、反応終了とした。その後、
減圧を解除し、窒素導入管より毎分5ml/minの流
速で窒素を導入しながら120℃まで冷却した。同温度
において攪拌を続けながら、反応器壁に付着残存してる
塩化ベンゾイルを完全に消失させるため、イソプロピル
アルコール:50gを30分で滴下しながら反応させ
た。常圧(大気圧)において留出するイソプロピルアル
コールはそのまま系外に留出させながら30分間攪拌を
続けた後、再び160℃まで昇温し、最後は最高70k
Paまで減圧し、揮発分を留去した後、SUS製のバッ
トに排出して、ほぼ完全にベンゾイル化樹脂432gを
得た。(収率95%)
【0064】合成例2 合成例1と同様の反応装置に、m−クレゾール:487
g(4.5mol)、シュウ酸:2.4g(0.5wt
%)を装入し、以下同様にして457gのm−クレゾー
ルノボラック樹脂を得た。このものの水酸基当量は、1
26.3g/eqであった。GPCによる分子量(標準
ポリスチレン換算)は、Mn=739、Mw=1304
であった。このm−クレゾールノボラック樹脂:25
2.6g(2.0mol=水酸基)を合成例1と同様に塩
化ベンゾイル:272.7g(1.94mol)と反応
させ、ベンゾイル化樹脂427を得た。(収率94%)
【0065】合成例3 合成例1と同様にしてo−クレゾールノボラック樹脂を
得た後、塩化ベンゾイル:272.7g(1.94mo
l)に変えて塩化ベンゾイル:196.8g(1.4m
ol)を用いた以外は同様にして、ノボラック樹脂の水
酸基がおよそ70%ベンゾイル化された樹脂:376g
を得た。(収率94%) このものの水酸基当量は、630.0g/eqであり、
68.5%の水酸基がベンゾイル化されている計算であ
った。
【0066】合成例4 合成例1と同様にしてo−クレゾールノボラック樹脂を
得た後、塩化ベンゾイル:272.7g(1.94mo
l)に変えて塩化ベンゾイル:140.6g(1.0m
ol)を用いた以外は同様にして、ノボラック樹脂の水
酸基がおよそ50%ベンゾイル化された樹脂:330g
を得た。(収率92%) このものの水酸基当量は、352.0g/eqであり、
49.3%の水酸基がベンゾイル化されている計算であ
った。
【0067】合成例5 合成例1と同様にしてo−クレゾールノボラック樹脂を
得た後、このo−クレゾールノボラック樹脂:254.
4g(2.0mol=水酸基)を粗く砕き、トルエン50
0gとともに温度計、滴下ロート、還流冷却器、窒素導
入管、攪拌装置、およびアルカリトラップを備えたガラ
ス製反応容器に装入し、スラリー状態で分散させた後、
30℃〜35℃において塩化アセチル:152.3g
(1.94mol)を2時間で滴下した。途中、反応の
進行と共に塩化水素ガスが流出し、徐々に樹脂がトルエ
ンに溶解して均一な溶液となった。反応とともに生成す
る塩化水素ガスは、系外に導かれ、アルカリトラップに
よりほぼ完全に中和された。滴下終了後、同温度により
3時間熟成した後、ガスクロマトグラフィーによって塩
化アセチルが完全に消失していることを確認し、反応終
了とした。その後、イソプロピルアルコール:50gを
系内に装入し、続けて窒素導入管より窒素導入管より毎
分5ml/minの流速で窒素を導入しながら、トルエ
ンおよびイソプロピルアルコールを系外に流出させなが
ら徐々に120℃まで昇温した。留出がほぼ止まった後
徐々に昇温および減圧を行い、最終的に160℃/70
kPamp条件で、揮発分を留去した後、SUS製のバ
ットに排出して、ほぼ完全にアセチル化された樹脂31
5gを得た。(収率94%)
【0068】合成例6 合成例1と同様の反応装置に、p−クレゾール:487
g(4.5mol)、シュウ酸:2.4g(0.5wt
%)を装入し、以下同様にして405gのp−クレゾー
ルノボラック樹脂を得た。このものの水酸基当量は、1
25.7g/eqであった。GPCによる分子量(標準
ポリスチレン換算)は、Mn=397、Mw=519で
あった。このp−クレゾールノボラック樹脂:251.
4g(2.0mol=水酸基)を合成例1と同様に塩化ベ
ンゾイル:272.7g(1.94mol)と反応さ
せ、ベンゾイル化樹脂421gを得た。(収率93%)
【0069】合成例7 合成例1と同様の反応装置に、フェノール:423g
(4.5mol)、シュウ酸:2.4g(0.5wt
%)を装入し、以下同様にして353gのフェノールノ
ボラック樹脂を得た。このものの水酸基当量は、10
9.7g/eqであった。GPCによる分子量(標準ポ
リスチレン換算)は、Mn=688、Mw=1358で
あった。このフェノールノボラック樹脂:219.4g
(2.0mol=水酸基)を合成例1と同様に塩化ベンゾ
イル:272.7g(1.94mol)と反応させ、ベ
ンゾイル化樹脂408を得た。(収率97%)
【0070】実施例1 エポキシ樹脂として、一般式(VIII)におけるR4
=メチルであるビフェノール型エポキシ樹脂[商品名:
YX4000H、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当
量193g/eq]を0.1グラム当量(19.3
g)、硬化剤として合成例1のo−クレゾールノボラッ
ク樹脂のベンゾイル化物[官能基当量228g/eq:
計算値]0.1グラム当量(22.8g)に、硬化促進
剤として、前記一般式(II)におけるR2が全てメチ
ル基、Y-がヒドロキシアニオンであるフォスファゼン
化合物(以下、PZN)0.842g(2%)、予め1
00℃/5分間溶融混練したものを、80℃において充
分溶融混練し、均一な樹脂混合物とした。このエポキシ
樹脂組成物のゲルタイムを測定したところ、175℃に
おいて48秒であった。また、キュラストメーター(日
合商事社製 CURELASTOMETER V型にて測
定。金型:P−200(樹脂用)、温度:175℃、振
動数:100サイクル/分、振幅角:±1°、サンプル
量:4.5g)によりこの樹脂組成物の硬化挙動を測定
した。測定温度は175℃とした。10%硬化までの時
間をt'c(10)、90%硬化までの時間をt'c(90)で表
し、結果を表−1に示す。
【0071】実施例2〜5 実施例1における硬化剤を、それぞれ合成例2〜5に変
えた以外は同様にして、エポキシ樹脂組成物を得、ゲル
タイムおよびキュラストメーターによる硬化挙動を測定
した。結果を表−1に示す。
【0072】実施例6〜10 実施例1〜4における硬化促進剤を、前記一般式(II
I)におけるR3が、全てメチル基であるフォスファゼ
ン化合物(以下PZO)2%に変えた以外は同様にし
て、エポキシ樹脂組成物を得、ゲルタイムおよびキュラ
ストメーターによる硬化挙動を測定した。結果を表−1
に示す。
【0073】実施例11〜12実施例1におけるエポキ
シ樹脂を、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂[商 品名:EOCN102S、日本化薬(株)社製、エポキ
シ当量210g/eq]およびフェノールアラルキル樹
脂型エポキシ樹脂[商品名:E−XLC−3L、三井化
学(株)社製、エポキシ当量238g/eq]に変えた
以外は同様にして、エポキシ樹脂組成物を得、ゲルタイ
ムおよびキュラストメーターによる硬化挙動を測定し
た。結果を表−1に示す。
【0074】比較例1〜2 実施例1における硬化剤を、合成例6のp−クレゾール
ノボラック樹脂のベンゾイル化物および、合成例7のフ
ェノールノボラック樹脂のベンゾイル化物に変えた以外
は同様にして、エポキシ樹脂組成物を得、ゲルタイムお
よびキュラストメーターによる硬化挙動を測定した。結
果を表−1に示す。
【0075】比較例3〜4 比較例2におけるエポキシ樹脂を、EOCN−102S
およびE−XLCに変えた以外は同様にして、エポキシ
樹脂組成物を得、ゲルタイムおよびキュラストメーター
による硬化挙動を測定した。結果を表−1に示す。
【0076】実施例13 エポキシ樹脂としてYX4000H、硬化剤として合成
例1のo−クレゾールノボラック樹脂のベンゾイル化
物、硬化促進剤としてPZNを2重量部用い、表−2に
示す割合で充填材およびその他の添加剤を配合し、ロー
ルによる加熱混練を行って封止材用成形材料を得た。
尚、シリカゲルは龍森(株)社製、商品名YXK−35
Rを用いた。こうして得られた成形材料を用い、175
℃/10min、150kg/cm2の条件下で硬化物
を得た後、175℃/8Hr(窒素雰囲気)の条件でア
フターキュアーをかけて、十分に硬化を進行させた。こ
の硬化物を用いて各物性を測定した。結果を表−2に示
す。尚、各種物性等の試験方法は以下の通りである。・
Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法[島津 TM
A−DRW DT−30]により測定。・曲げ強度、弾
性率:JIS K−6911による。・煮沸吸水率:1
00℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重量増加を測定。
【0077】比較例5 実施例13における硬化剤成分を、合成例7のフェノー
ルノボラック樹脂のベンゾイル化物に変えた以外は同様
にして、封止材用成型材料を得た後、同様にして各種硬
化物物性を測定した。結果を表−2に示す。
【0078】
【表1】 以上、実施例等により詳細に説明してきたが、本発明の
オルソ位またはメタ位に置換基を有するフェノール樹脂
のエステル化樹脂は、フォスファゼン型触媒を用いてエ
ポキシ樹脂と硬化反応させる際、無置換フェノール樹脂
のエステル化物と比較してゲルタイム、キュラストメー
ターで測定することが出来る初期硬化の時間が短縮され
る。例えば、実施例1と比較例2を比較すると、オルソ
クレゾールノボラック樹脂のベンゾイル化物を硬化剤と
して用いた実施例1は、フェノールノボラック樹脂のベ
ンゾイル化物を硬化剤に用いた比較例2よりゲルタイム
で68.6%まで短縮されている。(実施例1=48
秒、比較例2=70秒)また、キュラストメーターによ
る初期硬化(t‘c(10))を比較すれば、71.3
%まで短縮されている。(実施例1=0.72min、
比較例2=1.01min)。また、パラ位置換フェノ
ール樹脂のエステル化物は、比較例1に示す様に、硬化
性は非常に悪化している。この様に、置換基の位置によ
り硬化性に大きな差が特徴的に出ることを見出したのは
本発明が始めてである。また、実施例13に示すよう
に、本発明の置換基を有するフェノール樹脂のエステル
化物は、硬化後の物性においても、何ら遜色無く、充分
に硬化し物性を発揮する。このため、例えばIC封止材
等に用いる際には、硬化サイクルを速くすることが可能
であり生産性の面で工業的に寄与する効果は大きなもの
がある。
【0079】
【発明の効果】本発明により与えられるエポキシ樹脂組
成物は、エステル基による硬化でありながら、硬化性に
優れるものであり、従来の技術により得られたエポキシ
樹脂組成物が使用されている産業分野において、代替し
て使用することが可能であり、特に半導体の封止材とし
て用いることにより、生産性に優れるエポキシ樹脂組成
物を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AA01 AC01 AD07 AE05 AE07 AF06 DA04 DA05 DD07 FB06 FB08 JA07 4M109 AA01 EA02 EB02 EB04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)2官能以上のエポキシ化合物また
    は2官能以上のエポキシ樹脂、(B)硬化剤、および、
    (C)硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物におい
    て、前記(B)硬化剤が、一般式(I)で表されるエス
    テル含有化合物またはエステル含有樹脂であり、前記
    (C)硬化促進剤が、一般式(II)または(III)
    で表されるフォスファゼン化合物を必須として全硬化促
    進剤中に30〜100重量%を含むことを特徴とするエ
    ポキシ樹脂組成物(一般式(I)中、Xは、炭素数1〜
    7の脂肪族または芳香族アルデヒド残基、炭素数8〜1
    4のキシリレン誘導体残基または炭素数10〜15の脂
    肪族ジエン残基を示し、R1は炭素数1〜6の直鎖、分
    岐または環状のアルキル基、アリール基、アルコキシ基
    を示し、その置換位置はOA基に対しオルソ位またはメ
    タ位である。Aは水素原子もしくは炭素数2〜10の芳
    香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/アシル基
    のモル比が90/10〜0/100の範囲である。繰り
    返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その平
    均は1〜20の範囲である。一般式(II)中、R2は
    水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状アルキル
    基、炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基を示
    し、全て同一であっても異なっていてもよい。また、Y
    -で示されるアニオンは、ハロゲンアニオン、ヒドロキ
    シアニオン、炭素数1〜8のアルコキシアニオン、6〜
    18のフェノキシアニオン、炭素数1〜6の脂肪族また
    は芳香族カルボン酸から導かれる カルボキシアニオ
    ン、ナフトキシアニオンを示す。一般式(III)中、
    R3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状ア
    ルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基
    を示し、全て同一であっても異なっていてもよい。)。 【化1】
  2. 【請求項2】 (B)硬化剤が、一般式(I)におい
    て、Rがメチル基である、o−クレゾール、または、m
    −クレゾールから誘導されるエステル含有化合物、また
    は、エステル含有樹脂であることを特徴とする、請求項
    1に記載したエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)硬化剤が、一般式(IV)で表さ
    れる、o−クレゾール、または、m−クレゾールノボラ
    ックから誘導されるエステル含有化合物、または、エス
    テル含有樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載
    したエポキシ樹脂組成物(一般式(IV)中、Aは水素
    原子もしくは炭素数2〜10の芳香族または脂肪族アシ
    ル基を示し、水素原子/アシル基のモル比が90/10
    〜0/100の範囲である。繰り返し単位を示すmは、
    1〜50の範囲に分布し、その平均は1〜20の範囲で
    ある。)。 【化2】
  4. 【請求項4】 (B)硬化剤が、一般式(V)で表され
    る、o−クレゾール、または、m−クレゾールアラルキ
    ル樹脂から誘導されるエステル含有化合物、または、エ
    ステル含有樹脂であるエポキシ樹脂組成物であることを
    特徴とする、請求項1に記載したエポキシ樹脂組成物
    (一般式(V)中、Aは水素原子もしくは炭素数2〜1
    0の芳香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/ア
    シル基のモル比が90/10〜0/100の範囲であ
    る。繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布
    し、その平均は1〜20の範囲である。)。 【化3】
  5. 【請求項5】 (B)硬化剤が、一般式(VI)で表さ
    れる、o−クレゾール、または、m−クレゾール−ジシ
    クロペンタジエン樹脂から誘導されるエステル含有化合
    物、または、エステル含有樹脂であることを特徴とす
    る、請求項1に記載したエポキシ樹脂組成物(一般式
    (VI)中、Aは水素原子もしくは炭素数2〜10の芳
    香族または脂肪族アシル基を示し、水素原子/アシル基
    のモル比が90/10〜0/100の範囲である。繰り
    返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その平
    均は1〜20の範囲である。) 【化4】
  6. 【請求項6】 一般式(I)で表されるエステル含有化
    合物またはエステル含有樹脂のアシル基Aが、アセチル
    基またはベンゾイル基であることを特徴とする、請求項
    1乃至5の何れかに記載したエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(I)で表されるエステル含有化
    合物またはエステル含有樹脂のアシル基Aが、アセチル
    基およびベンゾイル基であり、アセチル基/ベンゾイル
    基のモル比が99/1〜1/99であることを特徴とす
    る、請求項1乃至5の何れかに記載したエポキシ樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 (A)エポキシ樹脂が、一般式(VI
    I)で表されるジヒドロキシナフタレンから得られるエ
    ポキシ樹脂、一般式(VIII)で表されるビフェノー
    ル類から得られるエポキシ樹脂、一般式(IX)で表さ
    れるノボラック型樹脂から得られるエポキシ樹脂、一般
    式(X)から得られるフェノールアラルキル樹脂から得
    られるエポキシ樹脂、および、一般式(XI)で表され
    るフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂から得られる
    エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも一つ
    のエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂成分中に20重量%〜
    100重量%含むことを特徴とする、請求項1乃至7の
    何れかに記載したエポキシ樹脂組成物。(一般式(VI
    I)中、2,3−エポキシプロピル基の置換位置は1,
    5位、1,6位、1,7位、2,6位、または2,7位
    である。一般式(VIII)中、R4は水素原子または
    メチル基を表し、全て同一でも異なっていてもよい。一
    般式(IX)中、R5は水素原子またはメチル基を示
    し、繰り返し単位を示すmは、1〜50の範囲に分布
    し、その平均は1〜20の範囲である。一般式(X)
    中、R6は水素原子またはメチル基を示し、繰り返し単
    位を示すmは、1〜50の範囲に分布し、その平均は1
    〜20の範囲である。一般式(XI)中、R7は水素原
    子またはメチル基を示し、繰り返し単位を示すmは、1
    〜50の範囲に分布し、その平均は1〜20の範囲であ
    る。)。 【化5】
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載したエポ
    キシ樹脂組成物に対し、(D)有機および/または無機
    充填材を、(A+B)100重量部に対し、100〜1
    900重量部を添加して得られるエポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載した
    エポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られるエポキシ樹
    脂硬化物。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至9の何れかに記載した
    エポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して
    得られる半導体装置。
JP2002091900A 2002-03-28 2002-03-28 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途 Expired - Fee Related JP3813105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002091900A JP3813105B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002091900A JP3813105B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003286330A true JP2003286330A (ja) 2003-10-10
JP3813105B2 JP3813105B2 (ja) 2006-08-23

Family

ID=29236873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002091900A Expired - Fee Related JP3813105B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3813105B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005154484A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2008201764A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Univ Nagoya リン酸エステルの製造方法
US8425226B2 (en) 2007-06-28 2013-04-23 Fujitsu Semiconductor Limited Heat treatment apparatus and method of manufacturing semiconductor device

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018720A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Mitsui Chemicals Inc 半導体装置用接着剤

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60260611A (ja) * 1984-06-08 1985-12-23 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 高分子量クレゾ−ルノボラツク樹脂の製造方法
JPS6377915A (ja) * 1986-09-22 1988-04-08 Nippon Kayaku Co Ltd フェノール類ノボラック組成物の製造法
JPH1077289A (ja) * 1996-02-20 1998-03-24 Mitsui Petrochem Ind Ltd ホスファゼニウム塩およびその製造方法ならびにポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11349662A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Mitsui Chem Inc エポキシ樹脂組成物およびその用途
WO2003029322A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Mitsui Chemicals, Inc. Curing agent composition for epoxy resins, epoxy resin composition and use thereof

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60260611A (ja) * 1984-06-08 1985-12-23 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 高分子量クレゾ−ルノボラツク樹脂の製造方法
JPS6377915A (ja) * 1986-09-22 1988-04-08 Nippon Kayaku Co Ltd フェノール類ノボラック組成物の製造法
JPH1077289A (ja) * 1996-02-20 1998-03-24 Mitsui Petrochem Ind Ltd ホスファゼニウム塩およびその製造方法ならびにポリアルキレンオキシドの製造方法
JPH11349662A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Mitsui Chem Inc エポキシ樹脂組成物およびその用途
WO2003029322A1 (en) * 2001-09-28 2003-04-10 Mitsui Chemicals, Inc. Curing agent composition for epoxy resins, epoxy resin composition and use thereof

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005154484A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4623484B2 (ja) * 2003-11-21 2011-02-02 日本化薬株式会社 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2008201764A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Univ Nagoya リン酸エステルの製造方法
US8425226B2 (en) 2007-06-28 2013-04-23 Fujitsu Semiconductor Limited Heat treatment apparatus and method of manufacturing semiconductor device
JP5304647B2 (ja) * 2007-06-28 2013-10-02 富士通セミコンダクター株式会社 熱処理装置、及び半導体装置の製造方法
US8889432B2 (en) 2007-06-28 2014-11-18 Fujitsu Semiconductor Limited Heat treatment apparatus and method of manufacturing semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3813105B2 (ja) 2006-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5754731B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の製造方法、及びその使用
JPH04217675A (ja) エポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物
KR20110109939A (ko) 다가 히드록시수지, 에폭시수지, 그들의 제조법, 그들을 사용한 에폭시수지 조성물 및 경화물
KR101408535B1 (ko) 변성 액상 에폭시 수지, 및 그것을 이용한 에폭시 수지 조성물 및 그 경화물
JP6476527B2 (ja) 液状多価ヒドロキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物、その硬化物およびエポキシ樹脂
JP2690825B2 (ja) 低軟化点ナフトールアラルキル樹脂およびその樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物
JP5616234B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物の製造方法およびその硬化物
JP3813105B2 (ja) 硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物、その硬化物およびその用途
JP5734603B2 (ja) フェノール性樹脂、エポキシ樹脂、それらの製造方法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP7240989B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP4493748B2 (ja) エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JPH11140167A (ja) ポリエステル化合物、その製造方法および用途
JPH08143642A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH06145309A (ja) ヒドロキシナフタレン共重合体、そのエポキシ化物、それらの製造方法および用途
JP3139825B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2013249280A (ja) フェノール系オリゴマー、その製法及び用途
JPH111546A (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品
JP3214745B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
KR960013126B1 (ko) 페놀아르알킬수지를 함유하는 에폭시수지조성물
JP3688120B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびその用途
KR960015341B1 (ko) 신규한 페놀아르알킬수지 및 그 제조방법
JP2004244526A (ja) 新規フェノール樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物
JP2004277717A (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JP4086630B2 (ja) 多価フェノール類化合物、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP3155038B2 (ja) エポキシ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees