JP2004277717A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の構造を持つエポキシ樹脂も、封止材を初めとして積層板や塗料、接着剤等に用いられることは、既に、特公昭47−13782号公報、特公平07−053790号公報等により示されている。
一方、近年エポキシ樹脂に対する要望はその物性のみならず、低コスト化への要求が非常に強くなっている。
しかしながら、該公報により示されたエポキシ樹脂は、フェノールと一般式(5)
また、特公昭47−15111号公報には、実施例の記載は無いものの、その明細書中に上記一般式(2)のキシリレンジクロライド化合物をフェノール化合物と反応させて、上記一般式(3)のフェノールアラルキル樹脂を得ることが示されているが、しかしながら、該公報においては塩化第二錫を代表とする酸触媒が必要とされている。
さらにそのフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化することが記載されている特公昭47−13782号公報においては、この特公昭47−15111号公報において得られるフェノールアラルキル樹脂をエポキシ化するものであり、特に洗浄工程等を導入しなければ、反応に用いた酸触媒を含んだままエポキシ化反応を用いることになる。
(4)
で表されるフェノールアラルキル樹脂をエピハロヒドリンと反応させて得られるものであるが、一般式(5)
このため、本願で示す様に直接一般式(2)のキシリレンジクロライドをフェノール類と反応させて一般式(3)
すなわち、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−クロロフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等である。
これらのフェノール化合物は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
これらのフェノール化合物と反応させる、一般式(2)
フェノール化合物/キシリレンジクロライドの反応モル比は、1.3/1〜50/1(モル比)の範囲であり、好ましくは1.7/1〜25/1の範囲、より好ましくは2.0/1〜20/1(モル比)の範囲、さらに好ましくは5/1〜20/1の範囲である。
フェノール化合物の量が少なければ分子量は大きくなり、フェノール化合物の量が多ければ分子量は小さくなるが、20/1を越えるモル比で反応させても、フェノール化合物の増加に比べて分子量の低下の効果は小さく、実質的に50/1を超える範囲で反応させた場合、もはや分子量を低下させる効果はなく容積効率、未反応フェノールの処理等、工業的な生産を考えた場合は負の効果が大きいと言える。
この時、発生する塩化水素ガスは、速やかに系外に放出し、アルカリ水などにより中和、無害化することが望ましい。
反応時間は、実質的に塩化水素ガスの発生が無くなり、原料であるキシリレンジクロライドが消失し、且つキシリレンジクロライド由来の塩素分が検出されなくなるまでであり、反応温度にもよるが、一般的に1時間〜50時間程度である。
実際の反応においては、反応温度は速やかに塩化水素ガスが発生し、且つ安定して系外に放出できる程度にコントロールできる温度が望ましく、この様な反応温度において反応時間は1時間〜25時間程度である。
更にいえば、最終的に得られた樹脂の溶融粘度が変動しなくなるまでの条件を確認して決定することが望ましい。
ここでいう溶融粘度とは、ICIコーンプレート粘度計やB型粘度計、E型粘度計等、いずれの測定方法でも構わない。
この様にして得られた反応生成物には、未反応フェノール化合物が多量に残存しており、蒸留、水洗等任意の方法で未反応フェノールを除去することにより、一般式(3)
また、n=0成分が100area%の場合とは、n=0で示されるビスフェノール体の事を示し、一般式(3)のフェノールアラルキル樹脂からトルエン等の任意の溶媒により再結晶するか、減圧蒸留等の手段で単離することが可能である。
具体的には、水酸基の5倍当量〜10倍当量のエピクロルヒドリンにフェノールアラルキル樹脂を溶解させ、加熱還流させながら水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の水溶液を徐々に滴下していくものである。
この時、エピクロルヒドリンと共沸して還流する水は、ディーンスターク水分離器等により系外に排出し、エピクロルヒドリンは系内に戻すことが望ましい。
反応温度は、エピクロルヒドリンと水が共沸する温度を保つことが望ましく、80℃〜120℃、好ましくは100℃〜115℃、より好ましくは110〜115℃の温度である。
反応時間は、反応スケールにより異なる。すなわち、温度を保ちながら水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の水溶液を滴下していくため、水溶液の滴下時間に左右される。
水溶液の滴下終了後、水分が還流してこなくなるまで充分に熟成することが好ましい。
反応終了後、副生する塩を濾過し、過剰のエピクロルヒドリンを蒸留等の方法により留去することで、目的とするフェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物を得ることが出来るが、さらに目的により精製することが望ましい場合は、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等、水に不溶且つ、エポキシ基に対して不活性な溶媒を用いて水洗すれば良く、さらにわずかに残存しているクロルヒドリンエーテル体を閉環させる工程を水洗の前に導入しても良い。
例えば、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物を上記のような溶媒に溶解させた後、リン酸水素2ナトリウム等の弱塩基水溶液で充分閉環させた後、水洗を行えばよい。
その他、エポキシ化の方法にはオニウム塩等を触媒としてエピクロルヒドリンをフェノールアラルキル樹脂の水酸基に付加させる反応を充分に進行させた後、上記の様なハロゲン化水素アクセプタ−により脱水閉環させる方法等もあり、任意の方法を取ればよい。
例えば、ノボラック樹脂、一般式(3)のフェノールアラルキル樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン交互共重合樹脂等の、フェノール性水酸基を持つ樹脂や、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールZ等のビスフェノール類を始めとする多価フェノール類、各種酸無水物類、芳香族および脂肪族の各種多価アミン類などである。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、必要に応じて、エポキシ樹脂組成物に(D)成分として有機および/または無機充填剤やその他の添加剤を添加してもよい。
特に半導体集積回路の封止材に用いるときにはその機械的特性の向上や全体のコストダウンのために、有機および/または無機充填剤を、また、光による誤動作を防ぐためにカーボンブラック等の着色剤を、更には離型剤、カップリング剤、難燃剤等を用いることが望ましい。
用いられる有機および/または無機充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の繊維体等が挙げられる。これらの中で封止材用途において好ましいものは、結晶性シリカおよび/または溶融シリカであり、さらにその樹脂組成物の成型時の流動性を考慮すると、その形状は球形または球型と不定型の混合物が望ましい。
なかでも好ましいものとしてはシランカップリング剤であり、特にエポキシ基と反応する官能基を持つシランカップリング剤が最も好ましい。
これらのカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着あるいは、反応により固定化されていることが望ましい。
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、アルカリトラップを備え得たガラス製反応装置に、フェノール941.1g(10mol)、p−キシリレンジクロライド175.0g(1.0mol)を装入し、徐々に昇温した。70℃程度で塩化水素ガスの発生が確認された。そのまま昇温を続け、110℃〜120℃を保ちながら5時間反応を行った。反応中副生する塩化水素ガスは、還流冷却器の上部に4ふっ化エチレン樹脂製のチューブにより接続されたアルカリトラップ中で、すべて中和した。尚、反応中、窒素導入管より50ml/minの流量で窒素を通じ、塩化水素ガスを速やかに除去させた。
反応終了後、150℃まで昇温し、最大160℃/1〜2mmHgの条件でフェノールを減圧蒸留により留去した。
このようにして、残さとして得られたフェノールアラルキル樹脂の分子量は、Mn=469、Mw=559であり、一般式(3)におけるn=0のビスフェノール体の含有量は、70.7area%であった。(以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPCによる。移動層THF、流量0.75ml/min、カラム:ポリマーラボラトリー社製、PLgel(1110−6525、排除限界15000)2本直列、検出器:日本分光(株)社製、830RI)
収量は272gであり、水酸基当量は164.8g/eqであった。
その性状は、当初液状であったが、徐々に結晶が析出し、結晶と液状樹脂の混合している状態であった。
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管およびディーンスターク水分離器を備えた反応装置に、このフェノールアラルキル樹脂、164.8g(1.0mol)およびエピクロルヒドリン462.5g(5.0mol)装入し、120℃まで昇温した。反応液は、均一の溶液となった。
この中に、40%水酸化ナトリウム水溶液、110g(1.1mol)を3時間かけて徐々に滴下した。
滴下中、共沸してくる水はディーンスターク水分離器により系外に排出し、エピクロルヒドリンは系内に戻しながら反応を行った。
反応温度は、100℃〜115℃を保ちながら行った。
滴下終了後、さらに還流を続けながら、水の流出が無くなってから更に1時間、115℃〜120℃において熟成を行い、反応を終了とした。
反応液を室温まで冷却後、生成した塩を濾過により除去し、エピクロルヒドリンは最大で140℃/1mmHgの条件で減圧蒸留により留去した。
この様にして得られた粗フェノールアラルキル樹脂エポキシ化物を、メチルイソブチルケトン700gに溶解させ、均一の溶液とした。
この溶液に、2%リン酸水素2ナトリウム水溶液500gを加え、50℃において2時間撹拌を行った後、分液、さらに200gの純水にて3回水洗を行った。
メチルイソブチルケトンを、最大で150℃/1mmHgの条件で減圧留去した残渣として、精フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物を211g得た。
このもののエポキシ当量は、258.2g/eqであった。
実施例1におけるフェノールを470.6g(5.0mol)に替えた以外は同様にして、フェノールアラルキル樹脂、252gを得た。
この樹脂はMn=555、Mw=747であり、一般式(3)におけるn=0のビスフェノール体の含有量は、50.0area%であった。(以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPCによる。移動層THF、流量0.75ml/min、カラム:ポリマーラボラトリー社製、PLgel(1110−6525、排除限界15000)2本直列、検出器:日本分光(株)社製、830RI)
水酸基当量は165.2g/eqであった。
得られたフェノールアラルキル樹脂、165.2g(1.0mol)を用い、実施例
1と同様にして213gのエポキシ化物を得た。
このエポキシ化物のエポキシ当量は、255.8g/eqであった。
実施例1におけるフェノールを、o−クレゾール1081.3g(10mol)に替えた以外は同様にして、o−クレゾールアラルキル樹脂、334.7gを得た。
この樹脂はMn=445、Mw=515であり、一般式(3)におけるn=0のビスフェノール体の含有量は、74.9area%であった。(以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPCによる。移動層THF、流量0.75ml/min、カラム:ポリマーラボラトリー社製、PLgel(1110−6525、排除限界15000)2本直列、検出器:日本分光(株)社製、830RI)
水酸基当量は177.5g/eqであった。
得られたフェノールアラルキル樹脂、177.5g(1.0mol)を用い、実施例
1と同様にして228.3gのエポキシ化物を得た。
このエポキシ化物のエポキシ当量は、268.7g/eqであった。
実施例1におけるフェノールを254.1g(2.7mol)に替えた以外は同様にして、フェノールアラルキル樹脂、312gを得た。
この樹脂はMn=738、Mw=1290であり、一般式(3)におけるn=0のビスフェノール体の含有量は、28.8area%であった。(以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPCによる。移動層THF、流量0.75ml/min、カラム:ポリマーラボラトリー社製、PLgel(1110−6525、排除限界15000)2本直列、検出器:日本分光(株)社製、830RI)
水酸基当量は168.2g/eqであった。
得られたフェノールアラルキル樹脂、168.2g(1.0mol)を用い、実施例
1と同様にして210gのエポキシ化物を得た。
このエポキシ化物のエポキシ当量は、257.5g/eqであった。
実施例1におけるフェノールを188.2g(2.0mol)に替えた以外は同様にして、フェノールアラルキル樹脂、244gを得た。
この樹脂はMn=1018、Mw=2510であり、一般式(3)におけるn=0のビスフェノール体の含有量は、16.9area%であった。(以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー:GPCによる。移動層THF、流量0.75ml/min、カラム:ポリマーラボラトリー社製、PLgel(1110−6525、排除限界15000)2本直列、検出器:日本分光(株)社製、830RI)
水酸基当量は172.5g/eqであった。
得られたフェノールアラルキル樹脂、172.5g(1.0mol)を用い、実施例
1と同様にして205gのエポキシ化物を得た。
このエポキシ化物のエポキシ当量は、255.4g/eqであった。
Claims (8)
- 一般式(1)
- 一般式(1)
- 一般式(1)
- 一般式(1)
- (A)2官能以上のエポキシ樹脂、(B)2官能以上の硬化剤、(C)硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物において、(A)2官能以上のエポキシ樹脂が請求項2または請求項4のエポキシ樹脂であるエポキシ樹脂組成物。
- (A)2官能以上のエポキシ樹脂、(B)2官能以上の硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)有機および/または無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物において、(A)2官能以上のエポキシ樹脂が請求項2または請求項4のエポキシ樹脂であり、(D)有機および/または無機フィラーを、(A)+(B)100質量部に対し、100質量部以上1900質量部以下の範囲で含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項5または6のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られるエポキシ樹脂硬化物。
- 請求項6のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止して得られる半導体装置。
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