JP2003282715A - 半導体保護装置 - Google Patents
半導体保護装置Info
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Abstract
体保護装置を提供する。 【解決手段】 P型サブストレート1上に低濃度のN型
エピタキシャル層2を形成し、そのN型エピタキシャル
層2の第1領域および第2領域を包囲するようにトレン
チ溝4を形成し、その第1領域内の表面から均一な拡散
長で高濃度のP型拡散層5を浅く形成し、P型拡散層5
を内部回路16および入力端子17に接続する。また、
N型エピタキシャル層2の第2領域内にP型拡散層3を
深く形成して、P型サブストレート1を半導体装置の接
地端子(GND)に接続する。
Description
係り、特に集積回路の入力端子に印加される過電圧サー
ジから被保護内部回路の破壊、及び保護装置自体の破壊
を防止する半導体保護装置に関するものである。
て、集積化する半導体素子の微細化が進められており、
その半導体素子を静電気(過電圧サージ)から保護する
静電気保護素子に対する微細化も要求されている。しか
しながら、微細化にともなって半導体素子のサージ耐量
が小さくなるのは必然的であるにも拘わらず、半導体装
置として要求されるサージ耐量は従来と同じレベルであ
るため、静電気保護素子にはより強力な保護能力が要求
される。
保護素子は、過電圧サージが印加された時のPN接合部
の高い電界による雪崩降伏を利用しているため、すなわ
ち高電界で加速された電流が保護素子のコンタクト間を
一気に流れるため、保護素子自身が破壊しやすいという
問題があった。また保護素子のコンタクト間の離間距離
が小さいと、電流がエピタキシャル表面付近を集中的に
流れて、保護素子を破壊すると言う問題があり、保護素
子の微細化を阻んでいる。
保護素子に流れる電流が集中することを避け、できるだ
けサージ印加電流を均一に流そうとする種々の工夫がな
されている(特開平5−267588号公報)。
面を用いて説明する。図16は第1の従来技術における
半導体保護装置の断面図、図17はその等価回路図、図
18はその平面レイアウト図である。
路、17は半導体装置の入力端子、51はP型のサブス
トレート、52は高濃度のN型埋込層、53は低濃度の
N型エピタキシャル層、54は高濃度のP型分離層(図
では高濃度のP型埋込層と、エピタキシャル表面からの
高濃度のP型拡散層とを利用した上下分離法を用いてい
る)、55はエピタキシャル表面から高濃度のN型埋込
層に届くまで深く拡散された高濃度のN型拡散層、5
6,57はエピタキシャル表面から浅く拡散された高濃
度のP型拡散層、58はフィールド酸化膜、59及び6
1は高濃度のP型拡散層57及び56用の電極、60は
高濃度のN型拡散層55用の電極である。
層、高濃度のP型拡散層57を包囲する浅い高濃度のP
型拡散層56をコレクタ層、低濃度のN型エピタキシャ
ル層53をベース層、深い高濃度のN型拡散層55をベ
ースコンタクト部とするPNPトランジスタ64を構成
している。そして、エミッタ層(浅い高濃度のP型拡散
層57)は電極59を通して直接入力端子17と内部回
路16に繋がっており、エミッタ用の電極59とベース
用の電極60の間には抵抗63が接続されている。コレ
クタ層(浅い高濃度のP型拡散層56)は接地端子(図
ではGNDとしている)に繋がっている。また、コレク
タ層(56)とベース層(53)との間で寄生的に構成
される寄生ダイオード62が存在する。
半導体保護装置について、以下その動作を説明する。
れた場合、コレクタ層(56)とベース層(53)との
間の寄生ダイオード62が、逆バイアスされてアバラン
シェ降伏を起こし、その時の降伏電流がベース・エミッ
タ間の抵抗63に流れる。この降伏電流が抵抗63に流
れることによって、PNPトランジスタ64のベース・
エミッタ間が順方向バイアスされ、PNPトランジスタ
64が導通して、過電圧サージによる電流をエミッタ
(57)からコレクタ(56)へ逃がすことにより、内
部回路16を過電圧サージから保護する。
れた場合、コレクタ層(56)とベース層(53)との
間で構成される寄生ダイオード62または、P型のサブ
ストレート51と高濃度のN型埋込層52との間で構成
される寄生ダイオードが順バイアスされ、過電圧サージ
による電流を逃がし、内部回路16を過電圧サージから
保護する。
図19は半導体保護素子の断面図、図20はその等価回
路図、図21はその平面レイアウト図である。
路、17は半導体装置の入力端子、71はP型のサブス
トレート、72は高濃度のN型埋込層、73は低濃度の
N型エピタキシャル層、74は高濃度のP型分離層(こ
の図では高濃度のP型埋込層と、表面からの高濃度のP
型拡散層とを利用した上下分離法を用いた事例であ
る)、75はエピタキシャル表面から高濃度のN型埋込
層に届くまで深く拡散された高濃度のN型拡散層、76
は低濃度のN型エピタキシャル層73表面から拡散され
た浅い高濃度のP型拡散層であり、77は高濃度のP型
拡散層76内の表面から拡散された浅い高濃度のN型拡
散層、78はフィールド酸化膜、79は深い高濃度のN
型拡散層75用の電極、80は上記エピタキシャル表面
から拡散された高濃度のP型拡散層76用の電極、81
は高濃度のN型拡散層77用の電極である。
ミッタ層、浅い高濃度のP型拡散層76をベース層、低
濃度のN型エピタキシャル層73をコレクタ層、深い高
濃度のN型拡散層75をコレクタコンタクト部とするN
PNトランジスタ84を構成している。コレクタ用の電
極79は入力端子17と内部回路16に繋がっており、
エミッタ用の電極81とベース用の電極80の間には抵
抗83が接続されている。エミッタ用の電極81は接地
端子(図ではGNDとしている)に繋がっている。ま
た、ベース層(76)とコレクタ層(73)との間で構
成される寄生ダイオード82が存在する。
半導体保護装置について、以下その動作を説明する。
れた場合、コレクタ層(73)とベース層(76)との
間に在る寄生ダイオード82が、逆バイアスされアバラ
ンシェ降伏を起こし、その時の降伏電流がベース・エミ
ッタ間の抵抗83に流れる。この降伏電流が抵抗83に
流れることによって、NPNトランジスタ84のベース
・エミッタ間が順方向バイアスされ、NPNトランジス
タ84が導通して、過電圧サージによる電流をコレクタ
層(73)からエミッタ層(77)へ逃がして、内部回
路16を過電圧サージから保護する。
P型のサブストレート71と高濃度のN型埋込層72と
の間に存在する寄生ダイオードまたは、ベース層(7
6)とコレクタ層(73)との間に存在する寄生ダイオ
ード82が順バイアスされ、過電圧サージによる電流を
逃がし、内部回路16を過電圧サージから保護する。
来の構成では、正の過電圧サージ印加時に寄生ダイオー
ド62或いは寄生ダイオード82が逆バイアスされ、ア
バランシェ降伏することでベース・エミッタ間を順バイ
アスして、保護用のトランジスタを導通させて、過電圧
サージによる電流を逃がしている。このアバランシェ降
伏は、PN接合部のうち電界強度が一番高くなる箇所で
雪崩現象が発生して降伏する。従って、降伏電流はPN
接合部の高い電界で加速され、保護素子のコンタクト間
を一気に流れるため、保護素子が容易に破壊しやすいと
いう問題があった。
16,図18のc,dおよび図19,図21のe)を大
きくしないと、エピタキシャル表面付近を破壊電流が集
中的に流れ、保護素子を破壊するという問題もあった。
ので、平面レイアウト的なコンタクト間の離間距離を大
きくしなくても、過電圧サージに対する破壊耐量を向上
させる半導体保護装置を提供することを目的とする。
に、本発明の半導体保護装置は、サージ電流を逃がす方
法としてアバランシェ降伏よりも低い電界で電流を流す
ことのできるパンチスルー現象を使い、サージ電流が流
れるコンタクト間にトレンチ溝を設けることを特徴とす
る。
1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に形成され
た第2導電型のエピタキシャル層と、前記エピタキシャ
ル層表面から前記半導体基板まで到達する第1導電型の
拡散層と、前記エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層とを備
え、前記半導体基板まで到達する前記第1導電型の拡散
層の電極は内部回路に与えられる低電位電圧部に接続さ
れ、前記エピタキシャル層の表面から前記エピタキシャ
ル層中に拡散された前記第1導電型の拡散層の電極は入
力端子と前記内部回路に接続され、前記エピタキシャル
層の表面から前記エピタキシャル層中に拡散された前記
第1導電型の拡散層のPN接合端部が、前記エピタキシ
ャル層の表面から前記半導体基板まで到達するトレンチ
溝に囲まれた領域内に配置されていることを特徴とする
この構成によれば、面積が小さく、素子の破壊も無い保
護素子で、過電圧サージ印加耐量を向上させることがで
きる。
て、図面を参照しながら詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1におけ
る半導体保護素子の断面図であり、図2はその等価回路
図、図3はその平面レイアウト図である。保護素子とし
ては、図2に示したようなベースオープンのPNPトラ
ンジスタとなる。
レート、2は低濃度のN型エピタキシャル層、3はサブ
ストレート1とのコンタクトを取るために深く形成され
た高濃度のP型拡散層(図では高濃度のP型埋込層と、
表面から深く拡散した高濃度のP型拡散層とによって繋
ぐ方法を用いている)、4はN型エピタキシャル層2の
表面からP型のサブストレート1まで到達する深さをも
つトレンチ溝、5はN型エピタキシャル層2の表面から
浅く拡散された高濃度のP型拡散層、6はフィールド酸
化膜、7はP型拡散層5用の電極、8はP型拡散層3用
の電極、16は半導体装置内に集積化された内部回路、
17は半導体装置の入力端子である。なおここでは、半
導体装置の入力端子17が、内部回路16の入力端子で
あるものとして説明するが、内部回路16の出力端子で
ある場合にも、入力端子と出力端子とを兼用する場合に
も適用することができる。
層5をエミッタ層とし、P型のサブストレート1をコレ
クタ層とし、深く拡散された高濃度のP型拡散層3をコ
レクタコンタクト層とし、低濃度のN型エピタキシャル
層2をベース層とするPNPトランジスタ9を構成して
いる。エミッタ用の電極7は入力端子17と内部回路1
6とに繋がっており、コレクタ層(P型のサブストレー
ト1)はP型拡散層3および電極8を通って接地端子
(図ではGNDとしている)に繋がっている。
半導体保護装置について、以下その動作を説明する。
印加された場合、空乏層がP型のサブストレート1とN
型エピタキシャル層2との間のPN接合部に発生する。
そして、印加された電圧が上昇し、P型拡散層5の直下
のN型エピタキシャル層2を全て空乏化した時点で、パ
ンチスルー現象が起こり、過電圧サージによる電流がコ
レクタコンタクト層3を通って流れ、内部回路16を過
電圧サージから保護する。
エピタキシャル層2の濃度を適切に設定することによ
り、アバランシェ降伏が発生せず、かつ内部回路16か
ら要求される耐圧よりも高い最適な電圧値でパンチスル
ー現象を容易に発生させる構造を形成することができ
る。ここではアバランシェ降伏が発生していないため、
電界はさほど高くなく、素子の破壊は発生しにくい。ま
た、平面レイアウト的にはエミッタ用の電極7とコレク
タ用の電極8とのコンタクト間距離aは近いが、間にあ
るトレンチ溝には電流が流れないためサージ電流はエピ
タキシャル層2内部を縦方向に流れる。従って、表面の
コンタクト間距離aは近くても電流の流れる実質の距離
はトレンチ溝深さの2倍以上あり、破壊は起こりにく
い。そのため、コンタクト間距離を近くすることがで
き、保護素子の面積を小さくすることが可能となる。
ッタ間の抵抗も必要無く、さらに面積を小さくできる。
しかも、上記エピタキシャル表面から拡散された高濃度
のP型拡散層5における拡散横広がりの湾曲部分をトレ
ンチ溝内に配置しているため、湾曲部で発生する電界や
電流の集中による耐圧低下も無く、全てのサージ電流が
エピタキシャル内部を垂直に、かつ均一に流れる。従っ
て、本実施の形態1の保護素子はさらに破壊されにくい
構造となっている。
合、空乏層がエピタキシャル表面から拡散された高濃度
のP型拡散層5と低濃度のN型エピタキシャル層2のP
N接合部に発生する。印加された電圧が上昇し、P型拡
散層5の直下のN型エピタキシャル層2を全て空乏化し
た時点で、パンチスルー現象が起こり、過電圧サージに
よる電流がコレクタコンタクト層3を通って流れ、内部
回路16を保護する。この時、正の過電圧サージ印加時
と同様、低濃度のN型エピタキシャル層2の濃度を適切
に設定することにより、アバランシェ降伏が発生せず、
かつ内部回路16から要求される耐圧よりも高い最適な
電圧値でパンチスルー現象を発生させることが容易であ
る。
電界はさほど高くない時点でサージ電流を流すことがで
き、素子の破壊は発生しにくい。また、平面レイアウト
上やエピタキシャル内部を垂直にかつ均一に流れるのは
正の過電圧サージ印加時と全く同様である。従って、本
実施の形態1の保護素子は、正、負の過電圧サージに対
して破壊されにくく、保護素子の平面上の面積も小さく
できる。
は、サブストレート1まで到達する低濃度のN型拡散層
(例えばN型ウエル層)であっても同様の効果が得られ
る。
例を示したものであるが、P型拡散層5の直下における
P型のサブストレート1領域上に埋込層として高濃度の
P型埋込層10を設けたものであり、この構成において
も、上述した図1の構成と同様の効果が得られることは
明らかである。
態2について、図面を参照しながら説明する。図5は本
発明の実施の形態2における半導体保護装置の断面図で
ある。なお、等価回路は図2に示す実施の形態1と全く
同じであり、保護素子としてはベースオープンのPNP
トランジスタとなる。また、平面レイアウト図も実施の
形態1の図3と同じである。
の形態1と異なる点は、高濃度のP型拡散層5の直下
に、表面から深く拡散された高濃度のN型拡散層11が
存在することである。そして、浅い高濃度のP型拡散層
5をエミッタ層とし、P型のサブストレート1をコレク
タ層とし、深い高濃度のP型拡散層3をコレクタコンタ
クト層とし、低濃度のN型エピタキシャル層2および高
濃度のN型拡散層11をベース層としたPNPトランジ
スタ9を構成している。エミッタ用の電極7は入力端子
17と内部回路16に繋がっており、コレクタ層(P型
サブストレート1)はコンタクトを取るための深い高濃
度のP型拡散層3及び電極8を通って接地端子(図では
GNDとしている。)に繋がっている。
半導体保護装置は、実施の形態1と全く同じように動作
するが、新たに挿入された深い高濃度のN型拡散層11
が存在するために、低濃度のN型エピタキシャル層2の
濃度にはさほど影響されず、パンチスルー現象が発生す
る電圧を変更することできる。この点が実施の形態1と
は違う点である。
1は、高エネルギー注入を用いて高濃度のP型拡散層5
の直下の深い位置に形成しても良いし、表面から気相拡
散して形成しても良い。
例1を示したもので、図5に示すN型拡散層11の代わ
りに,エピタキシャル層表面に在る高濃度のP型拡散層
5から離間して、且つ高濃度のP型拡散層5とP型のサ
ブストレート1との間の深い位置にN型不純物を高エネ
ルギー注入して高濃度のN型埋込層12を形成しても良
い。
例2を示したもので、エピタキシャル層表面から拡散さ
れた高濃度のP型拡散層5の直下におけるP型のサブス
トレート1の領域上に高濃度のN型埋込層13を挿入し
た構造にしても良く、同様の効果が得られることは明ら
かである。
形例1,2の構成によれば、実施の形態1の保護素子と
同様に、正、負の過電圧サージに対して破壊されにく
く、素子面積も小さくできる構造となっており、さらに
保護するブレーク電圧をエピタキシャル層2の厚みや濃
度に左右されずに自由に設定できるという特徴をもって
いる。
態3について、図面を参照しながら説明する。図8は本
発明の実施の形態3における半導体保護装置の断面図で
あり、図9はその等価回路図、図10はその平面レイア
ウト図である。保護素子としては、図9に示すようにベ
ース・エミッタ間をショートしたPNPトランジスタと
なる。
4で包囲された低濃度のN型エピタキシャル層2内に形
成された高濃度のP型拡散層5に、その高濃度のP型拡
散層5が存在しない領域(平面形状が中抜きになった状
態)を作り、その領域に低濃度のN型エピタキシャル層
2表面から高濃度のP型拡散層5の拡散深さよりも浅く
拡散された高濃度のN型拡散層14が存在することであ
る。
ッタ層とし、P型のサブストレート1をコレクタ層と
し、深い高濃度のP型拡散層3をコレクタコンタクト層
とし、低濃度のN型エピタキシャル層2をベース層と
し、P型拡散層5の中抜き部分に浅く形成された高濃度
のN型拡散層14をベースコンタクト層としたPNPト
ランジスタ15を構成している。エミッタ層5とベース
コンタクト層(N型拡散層14)は同一電極7で接続さ
れ、入力端子17と内部回路16に繋がっている。コレ
クタ層(P型サブストレート1)はP型拡散層3及び電
極8を通って接地端子(図ではGNDとしている。)に
繋がっている。
半導体保護装置について、以下その動作を説明する。入
力端子17に正の過電圧サージが印加された場合、前記
実施の形態1と全く同じ動作をする。すなわち、空乏層
がP型サブストレート1とN型エピタキシャル層2のP
N接合部に発生する。印加された電圧が上昇し、N型エ
ピタキシャル層2表面に拡散されたP型拡散層5の直下
のN型エピタキシャル層2を全て空乏化した時点で、パ
ンチスルー現象が起こり、過電圧サージによる電流がコ
レクタコンタクト層(P型拡散層3)を通って流すこと
ができ、内部回路16を過電圧サージから保護すること
ができる。
拡散層5よりも浅いため、P型のサブストレート1から
延びてきた空乏層はN型拡散層14にはぶつからず、電
界が上がることは無い。また上記PN接合部では、低濃
度のN型エピタキシャル層2の濃度を適切に設定するこ
とにより、アバランシェ降伏が発生せず、かつ内部回路
16から要求される耐圧よりも高い最適な電圧値でパン
チスルー現象を発生させることが容易な構造となってい
る。ここではアバランシェ降伏が発生していないため、
電界はさほど高くなく、素子の破壊は発生しにくい。ま
た、平面レイアウト的にも前記実施の形態1と全く同一
となる。ただし、エミッタ層(P型拡散層5)の面積が
実施の形態1よりも小さくなるため、電流能力はその面
積分のみ不利となる。
合、コレクタ層となるP型のサブストレート1と、ベー
ス層となるN型エピタキシャル層2とで構成されたPN
接合ダイオードが導通し、過電圧サージによる電流がコ
レクタコンタクト層3からベースコンタクト層(N型拡
散層14)を通って流すことができ、内部回路16を過
電圧サージから保護することができる。この時は通常の
ダイオードが導通するので、電界は高くなく、サージ電
流を流すことができ、素子の破壊は発生しない。また、
平面レイアウト上は正の過電圧サージ印加時と全く同様
である。
正,負の過電圧サージに対して破壊されにくく、保護素
子面積も小さくできる構造となっている。
は、P型のサブストレート1にまで到達するN型の拡散
層であっても同様の効果が得られるのは前記実施の形態
1と同様である。
ように、P型拡散層5の直下のP型サブストレート1上
にP型埋込層を設けたり、P型拡散層5とP型サブスト
レート1との間にN型拡散層(または埋込層)を設けた
り、あるいはその両方を設けてもよいことはいうまでも
ない。
態4について、図面を参照しながら説明する。図11
は、本発明の実施の形態4における半導体保護装置の断
面図であり、図12はその等価回路図、図13は平面レ
イアウト図である。保護素子の等価回路としては図12
に示すようにベースオープンのNPNトランジスタとな
る。
ストレート21とP型エピタキシャル層23との界面に
形成された高濃度のN型埋込層、23は低濃度のP型エ
ピタキシャル層、24はP型エピタキシャル層23の表
面からP型エピタキシャル層23より深く形成されたト
レンチ溝、25はP型エピタキシャル層23表面からN
型埋込層22まで到達するように深く拡散された高濃度
のN型拡散層、26はP型エピタキシャル層23表面か
ら浅く拡散された高濃度のN型拡散層、27はフィール
ド酸化膜、28はN型拡散層26用の電極、29はN型
拡散層25用の電極である。
し、N型埋込層22をコレクタ層とし、深いN型拡散層
25をコレクタコンタクト層とし、P型エピタキシャル
層23をベース層としたNPNトランジスタ30を構成
している。エミッタ用の電極28は入力端子17と内部
回路16に繋がっており、コレクタ層22は高濃度のN
型拡散層25および電極29を通って接地端子(図では
GNDとしている。)に繋がっている。
導体保護装置について、以下その動作を説明する。入力
端子17に正の過電圧サージが印加された場合、空乏層
がエピタキシャル表面から拡散された高濃度のN型拡散
層26と低濃度のP型エピタキシャル層23のPN接合
部に発生する。印加された電圧が上昇し、エピタキシャ
ル表面から拡散された高濃度のN型拡散層26直下の低
濃度のP型エピタキシャル層23を全て空乏化した時点
で、パンチスルー現象が起こり、過電圧サージによる電
流がコレクタ層(N型埋込層22)、コレクタコンタク
ト層(N型拡散層25)を通って流れ、内部回路16を
保護する。
キシャル層23の濃度を適切に設定することにより、ア
バランシェ降伏が発生せず、かつ内部回路16から要求
される耐圧よりも高い最適な電圧値でパンチスルー現象
を容易に発生させる構造を形成することができる。ここ
ではアバランシェ降伏が発生していないため、電界はさ
ほど高くなく、素子の破壊は発生しにくい。
形態1と全く同様に、エミッタ用の電極28とコレクタ
用の電極29のコンタクト間距離bは近いが、間にある
トレンチ溝には電流が流れないためサージ電流はP型エ
ピタキシャル層23内部を縦に流れ、表面のコンタクト
間距離bは近くても電流の流れる実質の距離はトレンチ
溝深さの2倍以上あり、破壊は起こりにくい。そのた
め、コンタクト間距離を近くすることができ、保護素子
の面積を小さくすることが可能となる。
溝24とオーバーラップするように形成する点では、実
施の形態1と同様である。従って、高濃度のN型拡散層
26における平面方向の端部で湾曲部を生じないため、
湾曲部で生じる電界集中に起因した耐圧低下を防止する
一方、全てのサージ電流がエピタキシャル内部を垂直
に、かつ均一に流れる。従って、本発明の実施の形態4
の保護素子も破壊されにくい構造となっている。
合、空乏層が上記高濃度のN型埋込層22と低濃度のP
型エピタキシャル層23のPN接合部に発生する。印加
された電圧が上昇し、エピタキシャル表面から拡散され
た高濃度のN型拡散層26の直下の低濃度P型エピタキ
シャル層23を全て空乏化した時点で、パンチスルー現
象が起こり、過電圧サージによる電流がコレクタ層(N
型埋込層22)、コレクタコンタクト層(N型拡散層2
5)を通って流れ、内部回路16を保護する。
低濃度のP型エピタキシャル層23の濃度を適切に設定
することにより、アバランシェ降伏が発生せず、かつ内
部回路16から要求される耐圧よりも高い最適な電圧値
でパンチスルー現象を発生させることが容易である。こ
こでは正の過電圧サージ印加時と同様、電界はさほど高
くない時点でサージ電流を流すことができ、素子の破壊
は発生しにくい。また、N型エピタキシャル層2内部を
垂直にかつ均一に流れるのは正の過電圧サージ印加時と
全く同様である。従って、本実施の形態4の保護素子も
正、負の過電圧サージに対して破壊されにくく、素子面
積も小さくできる。
は、上記高濃度のN型埋込層22に到達するP型の拡散
層であっても同様の効果が得られる。
態5について、図面を参照しながら説明する。図14
は、本発明の実施の形態5における半導体保護装置の断
面図である。等価回路は実施の形態4と全く同じ図12
となる。すなわち保護素子としては図12に示すように
ベースオープンのNPNトランジスタとなる。
ャル表面から浅く拡散された高濃度のN型拡散層26の
直下にエピタキシャル表面から拡散された深い高濃度の
P型拡散層31が存在することである。高濃度のN型拡
散層26をエミッタ層とし、高濃度のN型埋込層22を
コレクタ層とし、高濃度のN型拡散層25をコレクタコ
ンタクト層とし、P型エピタキシャル層23及びP型拡
散層31をベース層としたNPNトランジスタ30を構
成している。エミッタ用の電極28は入力端子17と内
部回路16に繋がっており、コレクタ層22はN型拡散
層25及び電極29を通って接地端子(図ではGNDと
している。)に繋がっている。
半導体保護装置は、実施の形態4と同様の動作となる
が、新たに挿入された高濃度のP型拡散層31が存在す
るために、P型エピタキシャル層23の濃度にはさほど
影響されず、パンチスルー現象が発生する電圧を新たに
挿入した高濃度のP型拡散層31によって調節すること
が可能となる。この点が実施の形態4とは違う点であ
る。
れた深い高濃度のP型拡散層31は高エネルギー注入な
どを用いてエピタキシャル表面から拡散された高濃度の
N型拡散層26の直下に形成しても良い。
示したものであり、P型エピタキシャル層23表面に拡
散された高濃度のN型拡散層26から離間するように、
P型エピタキシャル層23表面から深い位置に、高エネ
ルギー注入などを用いて高濃度のP型埋込層32を形成
した構造であり、このような構成でも同様の効果が得ら
れることは明らかである。
形例の構成によれば、本発明の実施の形態4の保護素子
と同様、正、負の過電圧サージに対して破壊されにく
く、素子面積も小さくできる構造となっており、さらに
保護が作用するブレーク電圧の設定自由度が高いという
特徴をもっている。
過電圧サージによる電流を、電界の高くない状態すなわ
ちパンチスルー現象を使って保護素子内に集中すること
なく均一に流すことができ、また過電圧サージによる電
流が保護素子内を縦に流れるため、平面レイアウト上保
護素子の占める面積を小さくすることができる。
を効果的に流すことができ、保護素子の破壊や内部回路
の破壊を防ぐことができる。また保護素子の占有面積も
小さくできる優れた半導体保護素子を提供することがで
きる。
の断面図
形態2及びその変形例における半導体保護装置の等価回
路図
形態2及びその変形例における半導体保護装置の平面レ
イアウト図
保護装置の断面図
の断面図
体保護装置の断面図
体保護装置の断面図
の断面図
の等価回路図
置の平面レイアウト図
置の断面図
びにその変形例における半導体保護装置の等価回路図
びにその変形例における半導体保護装置の平面レイアウ
ト図
置の断面図
体保護装置の断面図
路図
イアウト図
路図
イアウト図
込層 11 エピタキシャル層2表面から深く拡散された高濃
度のN型拡散層 12 エピタキシャル層2表面から深い位置に形成され
た高濃度のN型埋込層 13 サブストレート1とN型エピタキシャル層2との
界面に形成された高濃度のN型埋込層 14 高濃度のN型拡散層(ベースコンタクト層) 16 内部回路 17 入力端子 22 N型埋込層(コレクタ層) 23 P型エピタキシャル層(ベース層) 25 N型拡散層(コレクタコンタクト層) 26 N型拡散層(エミッタ層)
Claims (18)
- 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、前記半導体
基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層表面から前記半導体基板まで到達
する第1導電型の拡散層と、前記エピタキシャル層の表
面から前記エピタキシャル層中に拡散された第1導電型
の拡散層とを備え、前記半導体基板まで到達する前記第
1導電型の拡散層の電極は内部回路に与えられる低電位
電圧部に接続され、前記エピタキシャル層の表面から前
記エピタキシャル層中に拡散された前記第1導電型の拡
散層の電極は入力端子と前記内部回路に接続され、前記
エピタキシャル層の表面から前記エピタキシャル層中に
拡散された前記第1導電型の拡散層のPN接合端部が、
前記エピタキシャル層の表面から前記半導体基板まで到
達するトレンチ溝に囲まれた領域内に配置されているこ
とを特徴とする半導体保護装置。 - 【請求項2】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の半導体基板上
に、PN接合端部を有する第1導電型の埋込拡散層を備
えたことを特徴とする請求項1記載の半導体保護装置。 - 【請求項3】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の前記エピタキシ
ャル層内に、前記第1導電型の拡散層に接して、PN接
合端部を有する第2導電型の拡散層を備えたことを特徴
とする請求項1記載の半導体保護装置。 - 【請求項4】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の前記エピタキシ
ャル層内に、前記第1導電型の拡散層から離れた深さに
PN接合端部を有する第2導電型の埋込層を備えたこと
を特徴とする請求項1記載の半導体保護装置。 - 【請求項5】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の前記半導体基板
上に、PN接合端部を有する第2導電型の埋込層を備え
たことを特徴とする請求項1記載の半導体保護装置。 - 【請求項6】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の半導体基板上に
PN接合端部を有する第1導電型の埋込拡散層と、前記
エピタキシャル層内に、前記第1導電型の拡散層に接し
てPN接合端部を有する第2導電型の拡散層を備えたこ
とを特徴とする請求項1記載の半導体保護装置。 - 【請求項7】 エピタキシャル層の表面から前記エピタ
キシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層の直下で
あって、トレンチ溝に囲まれた領域内の半導体基板上に
PN接合端部を有する第1導電型の埋込拡散層と、前記
エピタキシャル層内の前記第1導電型の拡散層から離れ
た深さの領域にPN接合端部を有する第2導電型の拡散
層を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体保護
装置。 - 【請求項8】 半導体基板上に形成された第2導電型の
エピタキシャル層が、前記半導体基板上に形成された第
2導電型の拡散層であることを特徴とする請求項1から
請求項7のいずれか1項に記載の半導体保護装置。 - 【請求項9】 第1導電型の半導体基板と、前記半導体
基板上に形成された第2導電型のエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層表面から前記半導体基板まで到達
する第1導電型の拡散層と、前記エピタキシャル層の表
面から前記エピタキシャル層中に拡散された第1導電型
の拡散層と、前記第1導電型の拡散層の少なくとも一部
に、前記エピタキシャル層の表面から前記エピタキシャ
ル層中に拡散され前記第1導電型の拡散層よりも拡散深
さが浅い第2導電型の拡散層を備え、前記半導体基板ま
で到達する前記第1導電型の拡散層の電極は内部回路に
与えられる低電位電圧部に接続され、前記エピタキシャ
ル層の表面から前記エピタキシャル層中に拡散された前
記第1導電型の拡散層と前記第2導電型の拡散層の各電
極は共に入力端子と前記内部回路に接続され、前記エピ
タキシャル層の表面から前記エピタキシャル層中に拡散
された前記第1導電型の拡散層のPN接合端部が、前記
エピタキシャル層の表面から前記半導体基板まで到達す
るトレンチ溝に囲まれた領域内に配置されていることを
特徴とする半導体保護装置。 - 【請求項10】 エピタキシャル層の表面から前記エピ
タキシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層及び前
記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2導電型
の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲まれた領域内
の半導体基板上に、PN接合端部を有する第1導電型の
埋込拡散層を備えたことを特徴とする請求項9記載の半
導体保護装置。 - 【請求項11】 エピタキシャル層の表面から前記エピ
タキシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層及び前
記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2導電型
の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲まれた領域内
の前記エピタキシャル層内に、前記第1導電型の拡散層
及び前記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2
導電型の拡散層に接して、PN接合端部を有する第2導
電型の拡散層を備えたことを特徴とする請求項9記載の
半導体保護装置。 - 【請求項12】 エピタキシャル層の表面から前記エピ
タキシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層及び前
記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2導電型
の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲まれた領域内
の前記エピタキシャル層内に、前記第1導電型の拡散層
及び前記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2
導電型の拡散層から離れた深さに、PN接合端部を有す
る第2導電型の埋込層を備えたことを特徴とする請求項
9記載の半導体保護装置。 - 【請求項13】 エピタキシャル層の表面から前記エピ
タキシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層及び前
記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2導電型
の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲まれた領域内
の半導体基板上にPN接合端部を有する第1導電型の埋
込拡散層と、前記エピタキシャル層内に、前記第1導電
型の拡散層及び前記第1導電型の拡散層よりも拡散深さ
が浅い第2導電型の拡散層に接して、PN接合端部を有
する第2導電型の拡散層を備えたことを特徴とする請求
項9記載の半導体保護装置。 - 【請求項14】 エピタキシャル層の表面から前記エピ
タキシャル層中に拡散された第1導電型の拡散層及び前
記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが浅い第2導電型
の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲まれた領域内
の半導体基板上にPN接合端部を有する第1導電型の埋
込拡散層と、前記エピタキシャル層内の前記第1導電型
の拡散層及び前記第1導電型の拡散層よりも拡散深さが
浅い第2導電型の拡散層から離れた深さの領域にPN接
合端部を有する第2導電型の拡散層を備えたことを特徴
とする請求項9記載の半導体保護装置。 - 【請求項15】 半導体基板上に形成された第2導電型
のエピタキシャル層が、前記半導体基板上に形成された
第2導電型の拡散層であることを特徴とする請求項9か
ら請求項14のいずれか1項に記載の半導体保護装置。 - 【請求項16】 第1導電型の半導体基板と、前記半導
体基板上の少なくとも一部に形成された第2導電型の埋
込層と、少なくとも前記第2導電型の埋込層の上に形成
された第1導電型のエピタキシャル層と、前記エピタキ
シャル層表面から前記第2導電型の埋込層まで到達する
第2導電型の拡散層と、前記エピタキシャル層の表面か
ら前記エピタキシャル層中に拡散された第2導電型の拡
散層とを備え、前記第2導電型の埋込層まで到達する前
記第2導電型の拡散層の電極は内部回路に与えられる低
電位電圧部に接続され、前記エピタキシャル層の表面か
ら拡散された第2導電型の拡散層の電極は入力端子と前
記内部回路に接続され、前記エピタキシャル層の表面か
ら拡散された前記第2導電型の拡散層のPN接合端部
が、前記エピタキシャル層の表面から前記第2導電型の
埋込層まで到達するトレンチ溝に囲まれた領域内に配置
されていることを特徴とする半導体保護装置。 - 【請求項17】 エピタキシャル層の表面から拡散され
た第2導電型の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲
まれた領域内の前記エピタキシャル層内に、前記第2導
電型の拡散層に接して、PN接合端部を有する第1導電
型の拡散層を備えたことを特徴とする請求項16記載の
半導体保護装置。 - 【請求項18】 エピタキシャル層の表面から拡散され
た第2導電型の拡散層の直下であって、トレンチ溝に囲
まれた領域内の前記エピタキシャル層内に、前記第2導
電型の拡散層から離れた深さにPN接合端部を有する第
1導電型の拡散層を備えたことを特徴とする請求項16
記載の半導体保護装置。
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