JP2003282293A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置

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JP2003282293A JP2002086312A JP2002086312A JP2003282293A JP 2003282293 A JP2003282293 A JP 2003282293A JP 2002086312 A JP2002086312 A JP 2002086312A JP 2002086312 A JP2002086312 A JP 2002086312A JP 2003282293 A JP2003282293 A JP 2003282293A
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稔 前原
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正徳 三嶋
Takahiro Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色温度の変化を抑えて調光範囲を広げる。 【解決手段】 一対の電極を持つ高圧放電灯1と、高圧
パルス電圧を高圧放電灯1に印加してこれを始動する高
圧放電灯始動装置2と、高圧放電灯1に垂直の点灯位置
の状態で全点灯または調光点灯用の交流電力を供給する
安定器3とを備え、調光点灯時、高圧放電灯1の下方側
の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1
に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関係にす
る。これにより、下方側の電極の温度が低下する割合に
比べ上昇する割合が増えて、高圧放電灯1の最冷点の温
度が上昇し、その全体の温度が上昇することになるの
で、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極を持つ
高圧放電灯を垂直の点灯位置の状態で全点灯または調光
点灯する高圧放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図22は従来の高圧放電灯点灯装置の構
成図、図23は同高圧放電灯点灯装置の具体構成図、図
24は同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯始動装
置の具体構成図、図25は同高圧放電灯始動装置の動作
説明図、図26は同高圧放電灯点灯装置における高圧放
電灯始動装置の動作説明図である。
【0003】図22〜図24に示す従来の高圧放電灯点
灯装置は、一対の電極11,12を持つ高圧放電灯(H
IDランプ)1と、イグナイタと称される高圧放電灯始
動装置2と、電子式の安定器3Xとを備え、高圧放電灯
1を始動し、これを全点灯または調光点灯するものであ
る。ただし、図22では高圧放電灯始動装置2の図示を
省略してある。
【0004】高圧放電灯始動装置2は、図24に示すよ
うに、パルストランス20、コンデンサC2,C20、
抵抗R20およびスイッチ素子(図ではダイアック)Q
20により構成され、高圧パルス電圧を高圧放電灯1に
印加してこれを始動するものである。なお、図24中の
201,202は、それぞれパルストランス20の1次
巻線,2次巻線である。
【0005】安定器3Xは、高圧放電灯1に垂直の点灯
位置の状態で全点灯または調光点灯用の交流電力を供給
するものであり、図22,図23に示すように、整流回
路30と、電源回路としての昇圧チョッパ回路31と、
この昇圧チョッパ回路31用の制御回路32と、電力変
換回路としての降圧チョッパ回路33と、この降圧チョ
ッパ回路33用の制御回路34Xと、極性反転回路35
と、駆動回路36Xとにより構成されている。
【0006】整流回路30は、ダイオードブリッジDB
により構成され、商用交流電源Vsからの交流電圧を直
流電圧に全波整流するものである。
【0007】昇圧チョッパ回路31は、インダクタL3
1、スイッチ素子(図ではFET)Q31、ダイオード
D31および平滑コンデンサC31により構成され、制
御回路32の制御に従って、整流回路30から出力され
る直流電圧を所定電圧V31に昇圧するものである。制
御回路32は、検出回路321および制御回路322に
より構成され、検出回路321で昇圧チョッパ回路31
の出力を検出し、この出力が所定電圧V31になるよう
に制御回路322によってスイッチ素子Q31のオン/
オフ制御を行うものである。
【0008】降圧チョッパ回路33は、スイッチ素子
(図ではFET)Q33、ダイオードD33、インダク
タL33およびコンデンサC33により構成され、制御
回路34Xの制御に従って、昇圧チョッパ回路31から
出力される所定電圧V31を所定電圧V33(0<V3
3<V31)に調整し、所望の電力を高圧放電灯1に供
給するためのものである。制御回路34Xは、Vla検出
回路341および制御回路342Xにより構成され、V
la検出回路341で降圧チョッパ回路33の出力を検出
し、この出力が上記電圧V33になるように制御回路3
42Xによってスイッチ素子Q33のオン/オフ制御を
行うものである。
【0009】極性反転回路35は、スイッチ素子Q1〜
Q4およびコンデンサC1により構成され、駆動回路3
6Xの駆動信号に従って、降圧チョッパ回路33から出
力される電圧V33を低周波で矩形波状の交流電圧に変
換して自己の両出力端子間に印加するものである。駆動
回路36Xは、スイッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子
Q2,Q3とをそれぞれ組みにして数十〜数百Hzの低
周波で交互にオン/オフするものである。
【0010】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動時、商用交流電源Vsからの交流電圧は、整
流回路30で直流電圧に整流される。この直流電圧は、
図25に示すように、スイッチ素子Q31が数十〜百k
Hzでオン/オフする昇圧チョッパ回路31において所
定電圧V31に昇圧する。この電圧V31は、スイッチ
素子Q33が数十〜百kHzでオン/オフする降圧チョ
ッパ回路33において電圧V33に調整される。この電
圧V33は、スイッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子Q
2,Q3とが数十〜数百Hzの低周波で交互にオン/オ
フする極性反転回路35において、低周波で矩形波状の
交流電圧Vlaに変換され、その極性反転回路35の両出
力端子間に印加する。
【0011】このとき、高圧放電灯1が実質的に無負荷
状態にあるため、電圧V33が電圧V31とほぼ等しく
なるので、極性反転回路35の出力端子間には、図26
に示すように、振幅が昇圧チョッパ回路31の電圧V3
1のレベルとほぼ等しい矩形波状の交流電圧V35が印
加することになる。この交流電圧V35が図24に示す
高圧放電灯始動装置2に印加すると、コンデンサC20
がパルストランス20の1次巻線201および抵抗R2
0を介して充電され、電圧応答型のスイッチ素子Q20
の両端電圧VQ20 が上昇する。この後、交流電圧V35
の極性が反転した時点で、交流電圧V35にコンデンサ
C20の両端電圧が加わることにより、これらの合算電
圧がスイッチ素子Q20のオン電圧を超え、スイッチ素
子Q20がオンになる。つまり、上記合算電圧よりも低
く、交流電圧V35により充電されるコンデンサC20
の両端電圧よりも高いオン電圧のスイッチ素子Q20が
使用されるのである。
【0012】スイッチ素子Q20がオンになると、コン
デンサC20が放電し、このときに1次巻線201に印
加する電圧により2次巻線202に高圧パルス電圧V2
が発生し、ランプ電圧Vlaに重畳する。これにより、
高圧放電灯1が始動する。
【0013】高圧放電灯1が始動すると、制御回路34
Xが高圧放電灯1に点灯時の所定の電力を供給するよう
にスイッチ素子Q33の制御を切り替える。これによ
り、高圧放電灯1は点灯時の低周波の矩形波電力により
安定に点灯する。なお、安定点灯時、高圧放電灯1の両
端電圧が非点灯時のそれと比べて充分に低いので、スイ
ッチ素子Q20がオンになることはない。
【0014】図27は調光機能を有した従来の高圧放電
灯点灯装置の構成図である。この図に示す高圧放電灯点
灯装置は、上記高圧放電灯点灯装置との相違点として、
外部から調光制御するための調光器37をさらに備える
とともに、制御回路342に代えて、調光点灯時、Vla
検出回路341により検出された出力が調光器37から
の調光信号に対応する値になるようにスイッチ素子Q3
3のオン/オフ制御を行う制御回路342Yを備えてい
る。
【0015】ここで、一般に、高圧放電灯1の調光点灯
は、高圧放電灯1に流れる電流値を制御して、高圧放電
灯1に供給する電力を低減することにより行われてい
る。図27の高圧放電灯点灯装置では、調光器37によ
り制御回路342Yに調光電力を設定する調光信号を与
え、降圧チョッパ回路33の出力を制御することにより
出力電流を制御して、出力電力を低減させる。これによ
り、全点灯および調光点灯が可能になる。
【0016】なお、特開平10−312897号公報に
は、ランプの少なくとも1つに、入力電力を変化させて
も光色が略一定である調光可能なメタルハライドランプ
を使用することにより、広い入力範囲にわたり光色を変
えることなく発光量を可変できる照明装置が記載されて
いる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電力変
換回路の出力電流を調整して調光を行うと、調光量に応
じて、高圧放電灯から放出される光の色温度が上昇する
という問題が発生する。
【0018】例えば、沃化ジスプロシウム(DyI3
−沃化タリウム(TlI)−沃化ナトリウム(NaI)
が配合された高演色のHIDランプが近年よく使用され
ているが、このようなHIDランプを調光点灯すると、
光が緑色っぽく変化する。これは、調光により高圧放電
灯への電力が減少したとき、その発光管の温度が低下し
て、発光管内の圧力が低下することに起因する。ジスプ
ロシウム(Dy)−タリウム(Tl)−ナトリウム(N
a)は、全点灯時に圧力比が適正となるように配合され
ているため、調光時に発光管内の圧力が低下するとその
比率が崩れる。特に、図28に示すように、沃化タリウ
ム(TlI)の圧力が他の物質よりも低下しにくいため
に、それが全体の発光に多く寄与することになり、全体
の発光はタリウムの影響が突出した緑色っぽい光とな
る。この結果、光の色温度およびDUVが増加する。
【0019】色温度およびDUVが変化すると、物の見
え方や感覚に変化が生じ、使用用途によっては違和感を
生じることさえあり、このようなことを防止するために
は、調光範囲を狭くするなどして対応しなければならな
かった。
【0020】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げることが
できる高圧放電灯点灯装置を提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1記載の発明の高圧放電灯点灯装置は、一対の
電極を持つ高圧放電灯と、高圧パルス電圧を前記高圧放
電灯に印加してこれを始動する高圧放電灯始動装置と、
前記高圧放電灯に垂直の点灯位置の状態で全点灯または
調光点灯用の交流電力を供給する安定器とを備え、調光
点灯時、前記高圧放電灯の下方側の電極が陽極と陰極と
に交番する両期間に前記高圧放電灯に供給される交流電
力を、それぞれ大と小との関係にすることを特徴とす
る。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
圧放電灯点灯装置において、前記所定期間は前記交流電
力の半サイクルの期間であることを特徴とする。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極と陰極とに交番する両期間を、それぞれ長と
短との関係にすることにより、その下方側の電極が陽極
と陰極とに交番する両期間に前記高圧放電灯に供給され
る交流電力を、それぞれ大と小との関係にすることを特
徴とする。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極と陰極とに交番する両期間の交流電力の振幅
を、それぞれ大と小との関係にすることにより、その下
方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前記高圧
放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関
係にすることを特徴とする。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極となる期間に、前記高圧放電灯始動装置が高
圧パルス電圧を前記高圧放電灯に印加することにより、
その下方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前
記高圧放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小
との関係にすることを特徴とする。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、前記安定器が前記高圧放電
灯に矩形波電力を供給し、調光点灯時、前記下方側の電
極が陽極と陰極とに交番する両期間における前記矩形波
電力の立上り振幅を、それぞれ大と小との関係にするこ
とにより、その下方側の電極が陽極と陰極とに交番する
両期間に前記高圧放電灯に供給される交流電力を、それ
ぞれ大と小との関係にすることを特徴とする。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項3または4
記載の高圧放電灯点灯装置において、前記両所定期間に
おける前記高圧放電灯への交流電力は、1kHzもしく
はこれよりも低い低周波電力、または10kHzもしく
はこれよりも高い高周波電力であることを特徴とする。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項1から7の
いずれかに記載の高圧放電灯点灯装置において、前記垂
直の点灯位置の状態とは、鉛直方向に対する前記一対の
電極の角度が0度から45度の範囲内となる状態のこと
であることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明に
係る第1実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図2
は同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯の点灯位置
の一例を示す図、図3は同高圧放電灯点灯装置の始動・
点灯時の動作説明図、図4は同高圧放電灯点灯装置の全
点灯・調光点灯時の動作説明図である。
【0030】第1実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
1,図2に示すように、一対の電極11,12を持つ高
圧放電灯(HIDランプ)1と、イグナイタと称される
高圧放電灯始動装置2と、電子式の安定器3とを備え、
高圧放電灯1を始動し、これを全点灯または調光点灯す
るものである。なお、図2中の10は発光管である。
【0031】高圧放電灯始動装置2は、例えば従来と同
様に(図24参照)、パルストランス20およびスイッ
チ素子などにより構成され、高圧パルス電圧を高圧放電
灯1に印加してこれを始動するものである。
【0032】安定器3は、高圧放電灯1に垂直の点灯位
置の状態で全点灯または調光点灯用の交流電力を供給す
るものであり、図1では、整流回路30と、昇圧チョッ
パ回路31と、この昇圧チョッパ回路31用の制御回路
32と、降圧チョッパ回路33と、この降圧チョッパ回
路33用の制御回路34と、極性反転回路35と、駆動
回路36と、調光器37と、調光制御回路38とにより
構成されている。
【0033】整流回路30は、ダイオードブリッジDB
により構成され、商用交流電源Vsからの交流電圧を直
流電圧に全波整流するものである。
【0034】昇圧チョッパ回路31は、インダクタL3
1と、このインダクタL31をダイオードブリッジDB
の正極性出力端子側に介してその両出力端子間に接続さ
れるスイッチ素子(図ではFET)Q31と、インダク
タL31およびスイッチ素子Q31の接続点とアノード
が接続されるダイオードD31と、このダイオードD3
1を正極性端子側に介してスイッチ素子Q31と並列に
接続される平滑コンデンサC31とにより構成され、制
御回路32の制御に従ってスイッチ素子Q31がオン/
オフすることにより、整流回路30から出力される直流
電圧を所定電圧V31に昇圧するものである。
【0035】制御回路32は、昇圧チョッパ回路31の
出力(電圧)を検出する検出回路321と、この検出回
路321により検出された出力に応じてスイッチ素子Q
31を数十〜百kHzの高周波でオン/オフ制御する制
御回路322とにより構成され、昇圧チョッパ回路31
の出力が所定電圧V31になるようにスイッチ素子Q3
1のオン/オフ制御を行うものである。
【0036】降圧チョッパ回路33は、スイッチ素子
(図ではFET)Q33と、このスイッチ素子Q33を
平滑コンデンサC31の正極性端子側に介してそれと逆
並列に接続されるダイオードD33と、インダクタL3
3と、このインダクタL33をダイオードD33のカソ
ード側に介してそれと並列に接続されるコンデンサC3
3とにより構成され、制御回路34の制御に従ってスイ
ッチ素子Q33がオン/オフすることにより、昇圧チョ
ッパ回路31から出力される所定電圧V31を所定電圧
V33(0<V33<V31)に調整するものである。
【0037】制御回路34は、降圧チョッパ回路33の
出力(電圧=高圧放電灯1のランプ電圧Vla)を検出す
るVla検出回路341と、このVla検出回路341によ
り検出された出力が調光制御回路38からの目標値にな
るようにスイッチ素子Q33を数十〜百kHzの高周波
でオン/オフ制御する制御回路342とにより構成さ
れ、降圧チョッパ回路33の出力が電圧V33(0<V
33<V31)になるようにスイッチ素子Q33のオン
/オフ制御を行うものである。
【0038】極性反転回路35は、降圧チョッパ回路3
3の出力端子間に接続されるフルブリッジ構成のスイッ
チ素子(図ではFET)Q1〜Q4と、これらの両出力
端子間に直列に接続される高圧放電灯1および高圧放電
灯始動装置2に対し並列に接続されるコンデンサC1と
により構成され、駆動回路36の駆動信号に従ってスイ
ッチ素子Q1〜Q4がオン/オフすることにより、降圧
チョッパ回路33の出力を低周波で矩形波状の交流電圧
に変換して自己の両出力端子間に印加するものである。
【0039】駆動回路36は、調光制御回路38のタイ
ミングの指示に従って、スイッチ素子Q1,Q4とスイ
ッチ素子Q2,Q3とをそれぞれ組みにして数十〜数百
Hzの低周波で交互にオン/オフするものである。調光
器37は外部から調光制御するためのものであり、調光
信号を出力する。
【0040】調光制御回路38は、調光器37からの調
光信号を降圧チョッパ回路33の出力電力の目標値に変
換し、この目標値を制御回路342に出力するほか、ス
イッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミング、つま
り矩形波の極性反転のタイミングの指示を駆動回路36
に与えるものである。
【0041】ここで、このタイミングの指示について説
明すると、全点灯時には、スイッチ素子Q1,Q4のオ
ン期間とスイッチ素子Q2,Q3のオン期間とをほぼ等
しくするように、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフ
のタイミングの指示が与えられる。これに対し、調光点
灯時には、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極と陰
極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流
電力を、それぞれ大と小との関係にするように、指示が
与えられる。具体的には、スイッチ素子Q2,Q3のオ
ン期間とスイッチ素子Q1,Q4のオン期間とを、それ
ぞれ長と短との関係にして、電極12が陽極と陰極とに
交番する両期間を、それぞれ長と短との関係にするよう
に、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミング
の指示が与えられる。
【0042】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動時、商用交流電源Vsからの交流電圧は、整
流回路30で直流電圧に整流される。この直流電圧は、
図3に示すように、スイッチ素子Q31が数十〜百kH
zでオン/オフする昇圧チョッパ回路31において所定
電圧V31に昇圧する。この電圧V31は、スイッチ素
子Q33が数十〜百kHzでオン/オフする降圧チョッ
パ回路33において電圧V33に調整される。この電圧
V33は、スイッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子Q
2,Q3とが数十〜数百Hzの低周波で交互にオン/オ
フする極性反転回路35において、低周波で矩形波状の
交流電圧Vlaに変換され、その極性反転回路35の両出
力端子間に印加する。このとき、従来と同様に(図2
4,図26参照)、高圧放電灯始動装置2が動作し、交
流電圧Vlaに高圧パルス電圧V2が重畳する。
【0043】この後、高圧放電灯1が始動し、ランプ電
流Ilaが流れてランプ電圧Vlaが低下すると、制御回路
34が高圧放電灯1に点灯(例えば全点灯)時の所定の
電力を供給するようにスイッチ素子Q33の制御を切り
替える。これにより、高圧放電灯1は低周波の矩形波電
力により安定に点灯する。
【0044】この後、図4に示すように、調光器37の
出力が全点灯から調光点灯に切り替わると、降圧チョッ
パ回路33の出力が調光器37の出力から得られる目標
値になるように、スイッチ素子Q33がオン/オフす
る。これにより、高圧放電灯1に供給されるランプ電力
Wlaが低下し、高圧放電灯1が調光点灯する。
【0045】また、上記調光点灯に切り替わると、調光
制御回路38が駆動回路36を通してスイッチ素子Q
2,Q3のオン期間とスイッチ素子Q1,Q4のオン期
間とをそれぞれ長と短との関係にすることにより、電極
12が陽極と陰極とに交番する両期間を、それぞれ長と
短との関係にし、電極12が陽極と陰極とに交番する両
期間に高圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ
大と小との関係にする。
【0046】ここで、高圧放電灯1の発光管10内部に
は各種封入物が存在しているが、この各種封入物の圧力
比は全点灯時に適正となるように設定されているため、
調光点灯時には、全点灯時よりも発光管10内部の圧力
が低下し、高圧放電灯1の色特性が変化することにな
る。特に、図2に示すように、高圧放電灯1を垂直の点
灯位置の状態で点灯すると、発光管10内部の対流の影
響により、電極12近傍の領域Rが最冷点となり、また
電極12は、陽極となるとエネルギーを持った電子が衝
突して温度が上昇する一方、陰極となると温度が低下す
るので、電極12の陰極時における領域Rにおいて上記
圧力比が最も崩れやすくなる。
【0047】第1実施形態では、電極12が陽極と陰極
とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流電
力を、それぞれ大と小との関係にするので、電極12の
温度が低下する割合に比べ上昇する割合が増える。より
具体的には、電極12が陽極となる期間が陰極となる期
間よりも長くなり、エネルギーを持った電子が電極12
に衝突する時間が長くなってその温度が上昇する。これ
により、最冷点温度が上昇し、発光管10全体の温度低
下が抑制されるので、各種封入物の圧力比が崩れて調光
点灯時の色特性が変化するのを抑制することができる。
【0048】図5,図6に高圧放電灯の発光スペクトル
の特性図を示し、図7に高圧放電灯の色温度変化の特性
を示し、そして図8に高圧放電灯のDUVの特性を示
す。ただし、これらの図に係る高圧放電灯には、沃化ジ
スプロシウム(DyI3 )−沃化タリウム(TlI)−
沃化ナトリウム(NaI)が配合された高演色のメタル
ハライドランプを使用した。
【0049】図5,図6に示すように、全点灯および調
光点灯ともに、スイッチ素子Q2,Q3のオン期間とス
イッチ素子Q1,Q4のオン期間とを同一にした「Du
ty50−50」と比較して、電極12が陽極と陰極と
に交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流電力
を、それぞれ大と小との関係にした「Duty20−8
0」の方が、ナトリウムの蒸気圧の上昇時に見られるス
ペクトルのブロードが現れ、全体的に発光の比率が増加
し、その代わりに、タリウムやジスプロシウムの発光の
比率が減少している。
【0050】これにより、図7,図8に示すように、
「Duty50−50」と比較して、電極12が陽極と
陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交
流電力を、それぞれ大と小との関係にした「Duty4
0−60」,「Duty30−70」,「Duty20
−80」,「Duty10−90」の方が、より低い調
光レベル(電力比)の範囲まで、色温度変化およびDU
Vの双方の変化を抑制することができる。
【0051】なお、第1実施形態では、点灯位置は、図
2に示すように、鉛直方向に対する一対の電極11,1
2の角度が0度であるとしたが、これに限らず、鉛直方
向に対する一対の電極11,12の角度が0度から45
度の範囲内でも、第1実施形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0052】(第2実施形態)図9は本発明に係る第2
実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図10は同高
圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時の動作説明図で
ある。
【0053】第2実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
9に示すように、高圧放電灯1と、高圧放電灯始動装置
2とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施
形態との相違点として安定器3Aを備えてなり、この安
定器3Aを構成する駆動回路36Aおよび調光制御回路
38Aがそれぞれ第1実施形態の駆動回路36および調
光制御回路38と相違している。
【0054】駆動回路36Aは、図10に示すように、
全点灯および調光点灯の双方において、スイッチ素子Q
1,Q4とスイッチ素子Q2,Q3とをそれぞれ組みに
して数十〜数百Hzの低周波で交互にオン/オフすると
ともに、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミ
ング、つまり矩形波の極性反転のタイミングを示す極性
反転信号を調光制御回路38Aに出力するものである。
【0055】調光制御回路38Aは、調光器37の調光
信号から、降圧チョッパ回路33の出力電力の目標とな
る値であって、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極
と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される
交流電力を、それぞれ大と小との関係にする目標値を求
め、駆動回路36Aから出力される極性反転信号に応じ
てその目標値を制御回路342に出力するものである。
具体的には、調光点灯時、電極12が陽極と陰極とに交
番する両期間の交流電力(交流電圧Vlaないし交流電流
Ila)の振幅を、それぞれ大と小との関係にすることに
より、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧
放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と小との
関係にする目標値が求められる。
【0056】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動・点灯時の動作は第1実施形態と同様であ
り、全点灯から調光点灯に切り替わるときの動作が第1
実施形態と異なる。
【0057】すなわち、図10に示すように、調光器3
7から全点灯を調光点灯に切り替える調光信号が出力さ
れると、調光制御回路38Aにおいて、調光信号から目
標値が求められ、駆動回路36Aからの極性反転信号に
応じてその目標値が制御回路342に出力される。この
とき、スイッチ素子Q2,Q3のオン期間における交流
電圧Vlaないし交流電流Ilaの振幅とスイッチ素子Q
1,Q4のオン期間における交流電圧Vlaないし交流電
流Ilaの振幅とを、それぞれ大と小との関係にすること
により、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高
圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と小と
の関係にする目標値が制御回路342に出力される。
【0058】このように、第2実施形態では、調光点灯
時、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間の交流電
力の振幅を、それぞれ大と小との関係にすることによ
り、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放
電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関
係にするので、電極12の温度が低下する割合に比べ上
昇する割合が増えて、最冷点の温度が上昇し、発光管1
0全体の温度が上昇することになる。これにより、第1
実施形態と同様に、色温度変化およびDUVの双方の変
化を抑制することができる。
【0059】(第3実施形態)図11は本発明に係る第
3実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図12は同
高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯始動装置の構成
図、図13は同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯
時の動作説明図である。
【0060】第3実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
11に示すように、高圧放電灯1を第1実施形態と同様
に備えているほか、第1実施形態との相違点として、高
圧放電灯始動装置2Aと、安定器3Bとを備えている。
【0061】高圧放電灯始動装置2Aは、図12に示す
ように、1次巻線201および2次巻線202を有し、
この2次巻線202がコンデンサC1の両端間において
高圧放電灯1と直列に介設されるパルストランス20
と、スイッチ素子(図ではダイアック)Q21と、この
スイッチ素子Q21を介して1次巻線201と並列に接
続されるとともに、コンデンサC1および2次巻線20
2の接続点と一端が接続されるコンデンサC2と、コン
デンサC1および高圧放電灯1の接続点と一端が接続さ
れる抵抗R2と、コンデンサC2の他端と抵抗R2の他
端との間に、互いに逆並列で接続される一対のスイッチ
素子(図ではGTOサイリスタ)Q22,Q23とを備
え、安定器3Bからの制御信号をスイッチ素子Q22,
Q23の制御端子(ゲート)で受ける構成になってい
る。
【0062】安定器3Bは、第1実施形態の安定器3と
同様の、整流回路30、昇圧チョッパ回路31、制御回
路32、降圧チョッパ回路33、制御回路34、極性反
転回路35および調光器37と、安定器3とは異なる、
駆動回路36Aおよび調光制御回路38Bとにより構成
されている。
【0063】駆動回路36Aは、図13に示すように、
全点灯および調光点灯の双方において、スイッチ素子Q
1,Q4とスイッチ素子Q2,Q3とをそれぞれ組みに
して数十〜数百Hzの低周波で交互にオン/オフすると
ともに、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミ
ング、つまり矩形波の極性反転のタイミングを示す極性
反転信号を調光制御回路38Bに出力するものである。
【0064】調光制御回路38Bは、調光器37からの
調光信号を降圧チョッパ回路33の出力電力の目標値に
変換し、この目標値を制御回路342に出力するほか、
調光器37から調光点灯の調光信号を受けると、高圧放
電灯始動装置2Aのスイッチ素子Q22,Q23の制御
端子に対し、駆動回路36Aから出力される極性反転信
号に応じて、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極と
陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交
流電力を、それぞれ大と小との関係にする制御信号を出
力するものである。この制御信号は、調光点灯時、駆動
回路36Aからの極性反転信号に応じて、電極12が陽
極となる期間に、高圧放電灯始動装置2Aが高圧パルス
電圧を高圧放電灯1に印加するように出力される。
【0065】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動・点灯時の動作は、調光制御回路38Bの制
御により高圧放電灯始動装置2Aが動作する以外は第1
実施形態と同様であり、全点灯から調光点灯に切り替わ
るときの動作が第1実施形態と異なる。
【0066】すなわち、図13に示すように、調光器3
7から全点灯を調光点灯に切り替える調光信号が出力さ
れると、調光制御回路38Bにおいて、調光信号が目標
値に変換され、その目標値が制御回路342に出力され
る。これにより、高圧放電灯1に供給される電力Wlaが
低減し、調光点灯に移行する。
【0067】また、上記調光信号が出力されると、高圧
放電灯1の下方側の電極12が陽極と陰極とに交番する
両期間に高圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞ
れ大と小との関係にする制御信号が、スイッチ素子Q2
2,Q23の制御端子に出力される。図13の例では、
スイッチ素子Q2,Q3のオン期間の開始時点から所定
時間、スイッチ素子Q22,Q23をオンにする制御信
号が出力されている。この場合、コンデンサC2が抵抗
R2を介して充電され、そのコンデンサC2の両端電圧
が上昇する。そしてコンデンサC2の両端電圧がスイッ
チ素子Q21のオン電圧に達した時点でスイッチ素子Q
21がオンになり、コンデンサC2が放電する。このと
きに1次巻線201に印加する電圧により2次巻線20
2に高圧パルス電圧が発生する。
【0068】このように、第3実施形態では、調光点灯
時、駆動回路36Aからの極性反転信号に応じて、電極
12が陽極となる期間に、高圧放電灯始動装置2Aが高
圧パルス電圧を高圧放電灯1に印加することにより、電
極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1
に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関係にす
るので、電極12の温度が低下する割合に比べ上昇する
割合が増えて、最冷点の温度が上昇し、発光管10全体
の温度が上昇することになる。これにより、第1実施形
態と同様に、色温度変化およびDUVの双方の変化を抑
制することができる。
【0069】(第4実施形態)図14は本発明に係る第
4実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図15は同
高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時の動作説明図
である。
【0070】第4実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
14に示すように、高圧放電灯1と、高圧放電灯始動装
置2とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実
施形態との相違点として安定器3Cを備えてなり、この
安定器3Cを構成する駆動回路36Aおよび調光制御回
路38Cがそれぞれ第1実施形態の駆動回路36および
調光制御回路38と相違している。
【0071】駆動回路36Aは、図15に示すように、
全点灯および調光点灯の双方において、スイッチ素子Q
1,Q4とスイッチ素子Q2,Q3とをそれぞれ組みに
して数十〜数百Hzの低周波で交互にオン/オフすると
ともに、スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフのタイミ
ング、つまり矩形波の極性反転のタイミングを示す極性
反転信号を調光制御回路38Cに出力するものである。
【0072】調光制御回路38Cは、調光器37の調光
信号から、降圧チョッパ回路33の出力電力の目標とな
る値であって、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極
と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される
交流電力を、それぞれ大と小との関係にする目標値を求
め、駆動回路36Aから出力される極性反転信号に応じ
てその目標値を制御回路342に出力するものである。
具体的には、調光点灯時、電極12が陽極と陰極とに交
番する両期間における矩形波電力(矩形波状の交流電圧
Vlaないし交流電流Ila)の立上り振幅を、それぞれ大
と小との関係にすることにより、電極12が陽極と陰極
とに交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流電
力を、それぞれ大と小との関係にする目標値が求められ
る。
【0073】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動・点灯時の動作は第1実施形態と同様であ
り、全点灯から調光点灯に切り替わるときの動作が第1
実施形態と異なる。
【0074】すなわち、図15に示すように、調光器3
7から全点灯を調光点灯に切り替える調光信号が出力さ
れると、調光制御回路38Cにおいて、調光信号から目
標値が求められ、駆動回路36Aからの極性反転信号に
応じてその目標値が制御回路342に出力される。この
とき、スイッチ素子Q2,Q3のオン期間とスイッチ素
子Q1,Q4のオン期間とにおける矩形波電力(矩形波
状の交流電圧Vlaないし交流電流Ila)の立上り振幅
を、それぞれ大と小との関係にすることにより、電極1
2が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供
給される交流電力を、それぞれ大と小との関係にする目
標値が制御回路342に出力される。なお、別の見方を
すると、スイッチ素子Q2,Q3のオン期間における矩
形波電力の立上り振幅が立下り振幅よりも大きくなって
いる。
【0075】このように、第4実施形態では、調光点灯
時、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間における
矩形波電力の立上り振幅を、それぞれ大と小との関係に
することにより、電極12が陽極と陰極とに交番する両
期間に高圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ
大と小との関係にするので、電極12の温度が低下する
割合に比べ上昇する割合が増えて、最冷点の温度が上昇
し、発光管10全体の温度が上昇することになる。これ
により、第1実施形態と同様に、色温度変化およびDU
Vの双方の変化を抑制することができる。
【0076】また、調光を深くしていった場合、高圧放
電灯に流れる電流が小さいため、極性反転時に、電流が
0となる部分で休止区間が発生しやすく、放電が不安定
になり、立消えを生じる場合があるが、極性反転後の立
上り部分の電圧・電流値を大きくすることにより、休止
区間の発生を抑え、高圧放電灯の立消えを防止するとい
う効果もある。
【0077】(第5実施形態)図16は本発明に係る第
5実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図17は同
高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時の動作説明図
である。
【0078】第5実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
16に示すように、高圧放電灯1と、高圧放電灯始動装
置2とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実
施形態との相違点として安定器3Dを備えている。
【0079】この安定器3Dは、第1実施形態の安定器
3と同様の、整流回路30、昇圧チョッパ回路31およ
び調光器37と、安定器3とは異なる、制御回路32
A、極性反転回路35A、駆動回路36B、制御回路3
4Aおよび調光制御回路38Dとにより構成されてい
る。
【0080】制御回路32Aは、昇圧チョッパ回路31
の出力(電圧)を検出する検出回路321と、調光器3
7からの調光信号および検出回路321により検出され
た出力に応じて、スイッチ素子Q31を数十〜百kHz
の低周波でオン/オフ制御する制御回路322Aとによ
り構成され、昇圧チョッパ回路31の出力が調光器37
からの調光信号に対応する値になるようにスイッチ素子
Q31のオン/オフ制御を行うものである。なお、全点
灯時には、昇圧チョッパ回路31の出力が全点灯時に対
応する値になるように、スイッチ素子Q31のオン/オ
フ制御が行われることは言うまでもない。
【0081】極性反転回路35Aは、スイッチ素子Q1
〜Q4と、コンデンサC1とを第1実施形態の極性反転
回路35と同様に備えているほか、極性反転回路35と
の相違点として、コンデンサC1の一端とスイッチQ
3,Q4の接続点との間に介設されたインダクタL1を
備え、駆動回路36Bの駆動信号に従ってスイッチ素子
Q1〜Q4がオン/オフすることにより、昇圧チョッパ
回路31の出力を正弦波状の交流電圧に変換して自己の
両出力端子間に印加するものである。
【0082】駆動回路36Bは、制御回路34Aの制御
に従って、スイッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子Q
2,Q3とをそれぞれ組みにして数十〜数百kHzの高
周波で交互にオン/オフするものである。制御回路34
Aは、極性反転回路35Aの出力を監視しながら、駆動
回路36Bを通してスイッチ素子Q1〜Q4のオン/オ
フ制御を行うものである。
【0083】調光制御回路38Dは、調光点灯時、高圧
放電灯1の下方側の電極12が陽極と陰極とに交番する
両期間の交流電力(交流電圧Vlaないし交流電流Ila)
の振幅を、それぞれ大と小との関係にすることにより、
電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯
1に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関係に
するものである。具体的には、調光器37から調光信号
を受けたとき、交流電圧Vlaないし交流電流Ilaの負の
期間と正の期間とにおける振幅を、それぞれ大と小とに
する直流電力を極性反転回路35Aの出力間に供給する
ことにより、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間
に高圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と
小との関係にする。
【0084】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動時、商用交流電源Vsからの交流電圧は、整
流回路30で直流電圧に整流される。この直流電圧は、
スイッチ素子Q31が数十〜百kHzでオン/オフする
昇圧チョッパ回路31において所定電圧V31に昇圧す
る。この電圧V31は、スイッチ素子Q1,Q4とスイ
ッチ素子Q2,Q3とが数十〜数百kHzの高周波で交
互にオン/オフする極性反転回路35Aにおいて、正弦
波状の交流電圧Vlaに変換され、その極性反転回路35
Aの両出力端子間に印加する。このとき、高圧放電灯始
動装置2が動作し、交流電圧Vlaに高圧パルス電圧が重
畳する。これにより、高圧放電灯1が始動して点灯に至
る。
【0085】この後、図17に示すように、調光器37
の出力が全点灯から調光点灯に切り替わると、昇圧チョ
ッパ回路31の出力が調光器37からの調光信号に対応
する値になるようにスイッチ素子Q31がオン/オフす
る。図17の例では、スイッチ素子Q31のオンデュー
ティが低くなっている。これにより、昇圧チョッパ回路
31の出力(電圧V31)が低下し、高圧放電灯1が調
光点灯する。
【0086】また、上記調光点灯に切り替わるとき、交
流電圧Vlaないし交流電流Ilaの負の期間(図17では
波形が時間軸tよりも下側にくる期間)と正の期間とに
おける振幅を、それぞれ大と小とにする直流電力が、調
光制御回路38Dから極性反転回路35Aの出力間に供
給される。
【0087】このように、第5実施形態では、調光点灯
時、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極と陰極とに
交番する両期間の交流電力の振幅を、それぞれ大と小と
の関係にすることにより、電極12が陽極と陰極とに交
番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流電力を、
それぞれ大と小との関係にするので、電極12の温度が
低下する割合に比べ上昇する割合が増えて、最冷点の温
度が上昇し、発光管10全体の温度が上昇することにな
る。これにより、第1実施形態と同様に、色温度変化お
よびDUVの双方の変化を抑制することができる。
【0088】また、交流電圧Vlaおよび交流電流Ilaが
高周波となるので、電極の熱容量から、電極の温度変化
が極めて小さくなるから、矩形波点灯に比べ最冷点の温
度が上昇しやすくなる。さらに、正弦波状の波形によ
り、電子の持つエネルギーのピーク値も矩形波のそれよ
りも高くなるので、最冷点の温度をより一層上昇させる
ことができる。
【0089】なお、第5実施形態では、調光点灯時、全
周期に亘って直流電力を供給することにより、正負両期
間の交流電力の振幅をアンバランスにする構成になって
いるが、これに限らず、下方側の電極12が陽極となる
期間のみに、その期間における交流電力の振幅をより一
層大きくする直流電力を供給する構成でもよい。この構
成によれば、第5実施形態よりも最冷点温度を高めるこ
とができるので、色温度変化およびDUVの双方の変化
をより好適に抑制することができる。
【0090】(第6実施形態)図18は本発明に係る第
6実施形態の高圧放電灯点灯装置の構成図、図19は同
高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時の動作説明
図、図20は同高圧放電灯点灯装置の構成を上位概念的
に示す図、図21は同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調
光点灯時における動作を上位概念的に示す図である。
【0091】第6実施形態の高圧放電灯点灯装置は、図
18に示すように、高圧放電灯1と、高圧放電灯始動装
置2とを第5実施形態と同様に備えているほか、第5実
施形態との相違点として安定器3Eを備えている。
【0092】この安定器3Eは、第5実施形態の安定器
3Dと同様の、整流回路30、昇圧チョッパ回路31、
極性反転回路35Aおよび調光器37と、安定器3Dと
は異なる、制御回路32B、駆動回路36C、制御回路
34Bおよび調光制御回路38Eとにより構成されてい
る。
【0093】制御回路32Bは、昇圧チョッパ回路31
の出力(電圧)を検出する検出回路321と、調光制御
回路38Eからの目標値および検出回路321により検
出された出力に応じて、スイッチ素子Q31を数十〜百
kHzの高周波でオン/オフ制御する制御回路322B
とにより構成され、昇圧チョッパ回路31の出力が調光
制御回路38Eからの目標値になるようにスイッチ素子
Q31のオン/オフ制御を行うものである。
【0094】駆動回路36Cは、制御回路34Bおよび
調光制御回路38Eの制御に従ってスイッチ素子Q1〜
Q4をオン/オフするものである。
【0095】制御回路34Bは、調光制御回路38Eの
制御に従って、極性反転回路35Aの出力を監視しなが
ら、駆動回路36Cを通して、スイッチ素子Q1〜Q4
のオン/オフ制御を行うものである。このオン/オフ制
御では、第1の期間TM1の制御と第2の期間TM2の
制御とが交互に切り替えられる。期間TM1において
は、スイッチ素子Q2,Q3をオフにしたまま、スイッ
チ素子Q4を例えば数百Hz程度の低周波でオンにして
スイッチ素子Q1を例えば数十kHzの高周波でオン/
オフする制御と、スイッチ素子Q1,Q4をオフにした
まま、スイッチ素子Q2を低周波でオンにしてスイッチ
素子Q3を高周波でオン/オフする制御との少なくとも
一方が実行される。他方、期間TM2においては、スイ
ッチ素子Q1,Q4とスイッチ素子Q2,Q3とを組み
にして交互に例えば数十kHzの高周波でオン/オフす
る制御が実行される。
【0096】期間TM1において、スイッチ素子Q2,
Q3をオフにしたまま、スイッチ素子Q4をオンにして
スイッチ素子Q1をオン/オフする制御と、スイッチ素
子Q1,Q4をオフにしたまま、スイッチ素子Q2をオ
ンにしてスイッチ素子Q3をオン/オフする制御とが実
行される場合、前半の制御期間に着目すると、スイッチ
素子Q4がオン状態を保持するため、電圧V31を電源
に、スイッチ素子Q1、インダクタL1およびスイッチ
素子Q2の寄生ダイオードにより降圧チョッパ回路が構
成され、インダクタL1には三角波状の電流が流れる
(図19参照)。後半の制御期間では、電圧V31を電
源に、スイッチ素子Q2、インダクタL1およびスイッ
チ素子Q4の寄生ダイオードにより降圧チョッパ回路が
構成され、上記とは逆方向に三角波状の電流が流れる。
これにより、高圧放電灯1の両端に低周波で矩形波状の
交流電圧Vlaが発生する。また、制御回路34Bにおい
て、高圧放電灯1の電圧を検出し、回路に所定の電流が
流れるようにスイッチ素子Q1(Q3)のオン/オフ制
御を行えば、高圧放電灯1に供給される電力を調整する
ことができる。つまり、極性反転回路35A、駆動回路
36Cおよび制御回路34Bは、例えば第1実施形態に
おける降圧チョッパ回路33、制御回路34、極性反転
回路35および駆動回路36と同様の機能を有している
のである。
【0097】調光制御回路38Eは、調光器37からの
調光信号を昇圧チョッパ回路31の出力の目標値に変換
し、この目標値を制御回路322Bに出力するほか、調
光点灯時、駆動回路36Cおよび制御回路34Bを制御
して、高圧放電灯1の下方側の電極12が陽極と陰極と
に交番する両期間を、それぞれ長と短との関係にするこ
とにより、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に
高圧放電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と小
との関係にするものである。具体的には、期間TM1に
おいて、スイッチ素子Q2をオンにしてスイッチ素子Q
3をオン/オフする制御期間と、スイッチ素子Q4をオ
ンにしてスイッチ素子Q1をオン/オフする制御期間と
を、それぞれ長と短との関係にすることにより、電極1
2が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放電灯1に供
給される交流電力を、それぞれ大と小との関係にする。
この関係にする制御は、主に駆動回路36Cを通して実
行され、通常の調光制御は、制御回路32Bおよび制御
回路34Bを通して実行される。
【0098】ところで、上記高圧放電灯点灯装置は、概
念的には図20に示すブロック構成となる。すなわち、
昇圧チョッパ回路31による電源回路部Aと、極性反転
回路35A、制御回路34Bおよび駆動回路36Cによ
る、第1の電力変換部B、極性反転部Cおよび第2の電
力変換部Dと、調光器37と、調光制御回路38Eとを
備え、第1の電力変換部Bおよび極性反転部Cで矩形波
状の低周波(数十〜数百Hz)エネルギーを生成し(期
間TM1)、第2の電力変換部Dで正弦波状の高周波
(数十〜数百kHz)エネルギーを生成し(期間TM
2)、図21に示すように、低周波エネルギーと高周波
エネルギーとを時分割的に切り替えて、高圧放電灯1に
供給する構成となる。
【0099】このように構成される高圧放電灯点灯装置
では、始動・点灯時の動作は第5実施形態と同様であ
り、全点灯から調光点灯に切り替わるときの動作が第5
実施形態と異なる。
【0100】すなわち、図19に示すように、調光器3
7の出力が全点灯から調光点灯に切り替わると、昇圧チ
ョッパ回路31の出力が調光器37の出力から得られる
目標値になるように、スイッチ素子Q31がオン/オフ
する。これにより、昇圧チョッパ回路31の出力電圧V
31が低下し、高圧放電灯1が調光点灯する。
【0101】また、上記調光点灯に切り替わるとき、期
間TM1において、スイッチ素子Q1,Q4をオフにし
たまま、スイッチ素子Q2をオンにしてスイッチ素子Q
3をオン/オフする制御期間と、スイッチ素子Q2,Q
3をオフにしたまま、スイッチ素子Q4をオンにしてス
イッチ素子Q1をオン/オフする制御期間とを、それぞ
れ長と短にすることにより、電極12が陽極と陰極とに
交番する両期間に高圧放電灯1に供給される交流電力
を、それぞれ大と小との関係にする。
【0102】このように、第6実施形態では、調光点灯
時、期間TM1において電極12が陽極と陰極とに交番
する両期間を、それぞれ長と短との関係にすることによ
り、電極12が陽極と陰極とに交番する両期間に高圧放
電灯1に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関
係にするので、電極12の温度が低下する割合に比べ上
昇する割合が増えて、最冷点の温度が上昇し、発光管1
0全体の温度が上昇することになる。これにより、第5
実施形態と同様に、色温度変化およびDUVの双方の変
化を抑制することができる。
【0103】また、交流電圧Vlaおよび交流電流Ilaが
高周波となる期間TM2を含むので、電極の熱容量か
ら、電極の温度変化が極めて小さくなるから、矩形波点
灯に比べ最冷点の温度が上昇しやすくなる。
【0104】さらに、期間TM1の制御と期間TM2の
制御とを時分割的に切り替えることにより、音響的共鳴
現象の発生を抑制することができる。例えば、高圧放電
灯を高周波で点灯する場合、蛍光灯などの低圧放電灯点
灯装置でよく用いられる40〜50kHzの周波数で点
灯すると、音響的共鳴現象の発生する恐れがある。この
ような数十kHzの点灯周波数でも、高圧放電灯の発光
管の形状およびその内部圧力などから、音響的共鳴現象
の発生しない周波数を選択することは可能であるが、選
択した一の周波数で同一設計の全ての高圧放電灯につい
て音響的共鳴現象が発生しないようにすることは、高圧
放電灯の個体のバラツキなどから困難であり、実際には
個々の高圧放電灯について音響的共鳴現象の発生しない
周波数を個別に選択する必要がある。また、調光で発光
管内の圧力が変化すると、音響的共鳴現象の発生する周
波数も変化するという問題もある。
【0105】音響的共鳴現象は、理論的には、無限大の
周波数まで発生しうるが、実質的には、減衰する要因が
増えるため、数百kHz以上の周波数では観測されな
い。このため、数百kHz以上の周波数で高圧放電灯を
点灯させることにより、音響的共鳴現象を実質的に発生
させない手法が考えられる。しかしながら、このように
非常に高い周波数で高圧放電灯を点灯したとすると、電
力変換部でのスイッチ素子の損失が増大し、大きなスト
レスとなるので、高価なスイッチ素子の使用と放熱手段
の導入とが強いられ、コストが勢い増大する。
【0106】第6実施形態では、期間TM1の制御と期
間TM2の制御とを切り替えて、低周波点灯と高周波点
灯とに切り替えることにより、高周波点灯で数十kHz
の周波数が使用されたとしても、音響的共鳴現象が発生
する前に低周波点灯に切り替わるので、音響的共鳴現象
の発生を抑制することができる。また、全点灯時のロス
を低減することが可能となる。
【0107】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、一対の電極を持つ高圧放電灯
と、高圧パルス電圧を前記高圧放電灯に印加してこれを
始動する高圧放電灯始動装置と、前記高圧放電灯に垂直
の点灯位置の状態で全点灯または調光点灯用の交流電力
を供給する安定器とを備え、調光点灯時、前記高圧放電
灯の下方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前
記高圧放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小
との関係にするので、下方側の電極の温度が低下する割
合に比べ上昇する割合が増えて、高圧放電灯の最冷点の
温度が上昇し、その全体の温度が上昇することになり、
これにより、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げるこ
とができる。
【0108】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
圧放電灯点灯装置において、前記所定期間は前記交流電
力の半サイクルの期間であり、この構成でも、色温度の
変化を抑えて調光範囲を広げることができる。
【0109】請求項3記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極と陰極とに交番する両期間を、それぞれ長と
短との関係にすることにより、その下方側の電極が陽極
と陰極とに交番する両期間に前記高圧放電灯に供給され
る交流電力を、それぞれ大と小との関係にするので、下
方側の電極の温度が低下する割合に比べ上昇する割合が
増えて、高圧放電灯の最冷点の温度が上昇し、その全体
の温度が上昇することになり、これにより、色温度の変
化を抑えて調光範囲を広げることができる。
【0110】請求項4記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極と陰極とに交番する両期間の交流電力の振幅
を、それぞれ大と小との関係にすることにより、その下
方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前記高圧
放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関
係にするので、下方側の電極の温度が低下する割合に比
べ上昇する割合が増えて、高圧放電灯の最冷点の温度が
上昇し、その全体の温度が上昇することになり、これに
より、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げることがで
きる。
【0111】請求項5記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、調光点灯時、前記下方側の
電極が陽極となる期間に、前記高圧放電灯始動装置が高
圧パルス電圧を前記高圧放電灯に印加することにより、
その下方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前
記高圧放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小
との関係にするので、下方側の電極の温度が低下する割
合に比べ上昇する割合が増えて、高圧放電灯の最冷点の
温度が上昇し、その全体の温度が上昇することになり、
これにより、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げるこ
とができる。
【0112】請求項6記載の発明は、請求項2記載の高
圧放電灯点灯装置において、前記安定器が前記高圧放電
灯に矩形波電力を供給し、調光点灯時、前記下方側の電
極が陽極と陰極とに交番する両期間における前記矩形波
電力の立上り振幅を、それぞれ大と小との関係にするこ
とにより、その下方側の電極が陽極と陰極とに交番する
両期間に前記高圧放電灯に供給される交流電力を、それ
ぞれ大と小との関係にするので、下方側の電極の温度が
低下する割合に比べ上昇する割合が増えて、高圧放電灯
の最冷点の温度が上昇し、その全体の温度が上昇するこ
とになり、これにより、色温度の変化を抑えて調光範囲
を広げることができる。
【0113】請求項7記載の発明は、請求項3または4
記載の高圧放電灯点灯装置において、前記両所定期間に
おける前記高圧放電灯への交流電力は、1kHzもしく
はこれよりも低い低周波電力、または10kHzもしく
はこれよりも高い高周波電力であるので、いずれの構成
でも、色温度の変化を抑えて調光範囲を広げることがで
き、10kHzもしくはこれよりも高い高周波電力であ
る場合には、下方側の電極の温度変化がほとんど生じな
いから、より好適に色温度の変化を抑え、調光範囲をよ
り一層広げることができる。
【0114】請求項8記載の発明は、請求項1から7の
いずれかに記載の高圧放電灯点灯装置において、前記垂
直の点灯位置の状態とは、鉛直方向に対する前記一対の
電極の角度が0度から45度の範囲内となる状態のこと
であり、この構成でも、色温度の変化を抑えて調光範囲
を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の高圧放電灯点灯装
置の構成図である。
【図2】同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯の点
灯位置の一例を示す図である。
【図3】同高圧放電灯点灯装置の始動・点灯時の動作説
明図である。
【図4】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時の
動作説明図である。
【図5】高圧放電灯の発光スペクトルの特性図である。
【図6】高圧放電灯の発光スペクトルの特性図である。
【図7】高圧放電灯の色温度変化の特性を示す図であ
る。
【図8】高圧放電灯のDUVの特性を示す図である。
【図9】本発明に係る第2実施形態の高圧放電灯点灯装
置の構成図である。
【図10】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
の動作説明図である。
【図11】本発明に係る第3実施形態の高圧放電灯点灯
装置の構成図である。
【図12】同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯始
動装置の構成図である。
【図13】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
の動作説明図である。
【図14】本発明に係る第4実施形態の高圧放電灯点灯
装置の構成図である。
【図15】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
の動作説明図である。
【図16】本発明に係る第5実施形態の高圧放電灯点灯
装置の構成図である。
【図17】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
の動作説明図である。
【図18】本発明に係る第6実施形態の高圧放電灯点灯
装置の構成図である。
【図19】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
の動作説明図である。
【図20】同高圧放電灯点灯装置の構成を上位概念的に
示す図である。
【図21】同高圧放電灯点灯装置の全点灯・調光点灯時
における動作を上位概念的に示す図である。
【図22】従来の高圧放電灯点灯装置の構成図である。
【図23】同高圧放電灯点灯装置の具体構成図である。
【図24】同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯始
動装置の具体構成図である。
【図25】同高圧放電灯始動装置の動作説明図である。
【図26】同高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯始
動装置の動作説明図である。
【図27】調光機能を有した従来の高圧放電灯点灯装置
の構成図である。
【図28】高圧放電灯内の封入物の圧力比の具体例を示
す図である。
【符号の説明】
1 高圧放電灯 2 高圧放電灯始動装置 3,3A,3B,3C,3D,3E 安定器 30 整流回路 31 昇圧チョッパ回路 32,32A,32B 制御回路 33 降圧チョッパ回路 34,34A,34B 制御回路 35,35A 極性反転回路 36,36A,36B 駆動回路 37 調光器 38,38A,38B,38C,38D,38E 調光
制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三嶋 正徳 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 阿部 孝弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA13 AC01 AC04 AC11 BA05 BB01 CA16 CB06 CB10 DD07 DE04 DE05 GB03 GB18 3K098 CC24 CC37 CC41 DD06 DD09 DD22 DD37 DD42 DD43 EE31 EE40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極を持つ高圧放電灯と、高圧パ
    ルス電圧を前記高圧放電灯に印加してこれを始動する高
    圧放電灯始動装置と、前記高圧放電灯に垂直の点灯位置
    の状態で全点灯または調光点灯用の交流電力を供給する
    安定器とを備え、調光点灯時、前記高圧放電灯の下方側
    の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前記高圧放電
    灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関係に
    することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 前記所定期間は前記交流電力の半サイク
    ルの期間であることを特徴とする請求項1記載の高圧放
    電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 調光点灯時、前記下方側の電極が陽極と
    陰極とに交番する両期間を、それぞれ長と短との関係に
    することにより、その下方側の電極が陽極と陰極とに交
    番する両期間に前記高圧放電灯に供給される交流電力
    を、それぞれ大と小との関係にすることを特徴とする請
    求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 調光点灯時、前記下方側の電極が陽極と
    陰極とに交番する両期間の交流電力の振幅を、それぞれ
    大と小との関係にすることにより、その下方側の電極が
    陽極と陰極とに交番する両期間に前記高圧放電灯に供給
    される交流電力を、それぞれ大と小との関係にすること
    を特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 調光点灯時、前記下方側の電極が陽極と
    なる期間に、前記高圧放電灯始動装置が高圧パルス電圧
    を前記高圧放電灯に印加することにより、その下方側の
    電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前記高圧放電灯
    に供給される交流電力を、それぞれ大と小との関係にす
    ることを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装
    置。
  6. 【請求項6】 前記安定器が前記高圧放電灯に矩形波電
    力を供給し、調光点灯時、前記下方側の電極が陽極と陰
    極とに交番する両期間における前記矩形波電力の立上り
    振幅を、それぞれ大と小との関係にすることにより、そ
    の下方側の電極が陽極と陰極とに交番する両期間に前記
    高圧放電灯に供給される交流電力を、それぞれ大と小と
    の関係にすることを特徴とする請求項2記載の高圧放電
    灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 前記両所定期間における前記高圧放電灯
    への交流電力は、1kHzもしくはこれよりも低い低周
    波電力、または10kHzもしくはこれよりも高い高周
    波電力であることを特徴とする請求項3または4記載の
    高圧放電灯点灯装置。
  8. 【請求項8】 前記垂直の点灯位置の状態とは、鉛直方
    向に対する前記一対の電極の角度が0度から45度の範
    囲内となる状態のことであることを特徴とする請求項1
    から7のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置。
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