JP2003278320A - 瓦 - Google Patents

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JP2003278320A
JP2003278320A JP2002085655A JP2002085655A JP2003278320A JP 2003278320 A JP2003278320 A JP 2003278320A JP 2002085655 A JP2002085655 A JP 2002085655A JP 2002085655 A JP2002085655 A JP 2002085655A JP 2003278320 A JP2003278320 A JP 2003278320A
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roof
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tile
ridge
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Akihiko Kamiya
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SANSHU ISHIKAWA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 瓦桟の必要性を低減して、能率良く葺設され
得るようにする。 【解決手段】 左右の縁部のうちの一方に下側重合部3
0を有し他方に上側重合部40を有する瓦本体20と、
瓦本体20の裏面において瓦本体20の裏側に突出する
当接部26と、上側重合部40のおもて面の棟側の端部
において上側重合部40のおもて側に突出する突出被当
接部とを有する。当接部26は、葺設された際に軒側に
隣接する瓦10の突出被当接部に対して当接し、それに
よって当該瓦10の重量の少なくとも一部が軒側に隣接
する瓦10によって支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、瓦に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、家屋等の建物の屋根に葺設さ
れる瓦として、次のようなものがある。図10に示すよ
うに、その瓦110は、ほぼ平板状の瓦本体120を有
し、その左側部には下側重合部130が設けられ、その
右側には上側重合部140が設けられている。また、瓦
本体120の裏面のうちの棟側の端部には、一対の下方
突出部128が形成されている。各下方突出部128
は、瓦本体120の裏側に突出している。瓦本体120
の棟側の端部の近傍には釘孔部129が形成されてい
る。
【0003】瓦110は、屋根に対して次のように葺設
される。まず、図11(a)に示すように、屋根板Pに
瓦桟Bが固定される。瓦桟Bは、瓦110が葺設される
各行ごとに設けられる(瓦110の左右方向に対応する
方向を「行」ということとする)。すなわち、屋根板P
の軒側・棟側間の方向(以下、軒棟方向ともいう)に
は、屋根に葺設される瓦110の行数に対応した数の瓦
桟Bが取り付けられる。また、屋根板Pには、最も軒側
の瓦の行(その軒側端部の近傍)に対応して、支持材
(図示省略)が固定される。この支持材は、最も軒側の
瓦を所定の傾斜角度に維持するためのものである。
【0004】そして、図11(b)に示すように、各瓦
110は、下方突出部128において瓦桟Bに係止され
ることによって、屋根板Pに対して重力的に支持され
る。また、適宜、釘孔部129を通して釘が瓦桟Bに対
して打ち付けられることによって、各瓦110が固定さ
れる。このようにして、各瓦110は、左右方向には、
下側重合部130の上に上側重合部140が重ね合わさ
れて葺設される。また、軒棟方向には、軒棟方向におい
て隣接する瓦110が左右方向に瓦110の幅の約半分
の長さだけずれるようにして、軒側の瓦110の棟側縁
部の上に棟側の瓦110の軒側縁部が重ね合わされるよ
うにして、葺設される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
瓦110では、瓦桟Bに対して下方突出部128が係止
されることによって重力的に支持される。このため、上
述の従来の瓦110が葺設されるためには、屋根板Pに
対して各行ごとに瓦桟Bが取り付けられる必要がある。
しかしながら、瓦桟Bが各行ごとに取り付けられるので
は、その分、瓦の葺設作業の能率が悪く、コスト高とな
る。
【0006】そこで、本発明は、能率良く葺設され得る
瓦を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、左右の縁部のうちの一方
に下側重合部を有し他方に上側重合部を有する瓦本体
と、前記瓦本体の裏面において当該瓦本体の裏側に突出
する当接部とを有し、前記当接部は、葺設された際に軒
側に隣接する瓦に対して当接し、それによって当該瓦の
重量の少なくとも一部が当該軒側に隣接する瓦によって
支持されるものである、瓦である。
【0008】「葺設された際に軒側に隣接する瓦に対し
て当接し、」には、軒側に隣接する瓦の棟側の端部(端
面の場合を含む)に当接する場合が含まれる。すなわ
ち、棟側の端面が被当接部の場合がある。また、棟側の
端部のうち棟側の端面以外の部分に別個に被当接部が形
成されている場合がある。また、それらの両方に該当す
る場合もあり得る。ここで、「棟側の端面」とは、瓦の
棟側の端部において瓦のおもて面と裏面とをつなぐ面の
ことをいう。
【0009】この発明の瓦では、1つの瓦(以下、当該
瓦という)について着目して説明すると(以下同様)、
左右方向に隣接する瓦の下側重合部の上に当該瓦の上側
重合部が重ね合わされ、軒側に隣接する瓦の棟側縁部の
上に当該瓦の軒側縁部が重ね合わされて葺設される。そ
して、この発明の瓦では、軒側に隣接する瓦に対して当
該瓦の当接部が当接して、当該瓦の重量の少なくとも一
部が当該軒側に隣接する瓦によって支持される。このた
め、この発明の瓦では、屋根板に瓦の各行に対応して瓦
桟を設ける必要がなくなり(すなわち、瓦桟の数を屋根
に葺設される瓦の行数よりも少ない数とすることができ
る)、屋根板に対して瓦を葺設する作業の能率が向上す
る。
【0010】また、当接部が瓦本体の裏面において当該
瓦本体の裏側に突出しているため、当該瓦が葺設された
際に、当接部が看者に視認されない。このため、美観を
損ねることなく、上述の効果を得ることができる。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明の瓦であって、前記瓦本体又は前記上側重合部のおも
て面の棟側の端部又はその近傍において当該瓦本体又は
当該上側重合部のおもて側に突出する突出被当接部を有
し、前記当接部は、葺設された際に軒側に隣接する瓦の
前記突出被当接部に対して当接するものである、瓦であ
る。
【0012】すなわち、この発明を独立的に記載する
と、次のとおりとなる。「左右の縁部のうちの一方に下
側重合部を有し他方に上側重合部を有する瓦本体と、前
記瓦本体の裏面において当該瓦本体の裏側に突出する当
接部と、前記瓦本体又は前記上側重合部のおもて面の棟
側の端部又はその近傍において当該瓦本体又は当該上側
重合部のおもて側に突出する突出被当接部とを有し、前
記当接部は、葺設された際に軒側に隣接する瓦の前記突
出被当接部に対して当接し、それによって当該瓦の重量
の少なくとも一部が当該軒側に隣接する瓦によって支持
されるものである、瓦。」
【0013】「前記瓦本体又は前記上側重合部のおもて
面の棟側の端部又はその近傍において当該瓦本体又は当
該上側重合部のおもて側に突出する突出被当接部を有
し、」には、瓦本体又は上側重合部のおもて面の棟側の
端部において当該瓦本体又は当該上側重合部のおもて側
に突出する突出被当接部を有する場合が含まれる。そし
て、特にその場合には、「前記当接部は、葺設された際
に軒側に隣接する瓦の前記突出被当接部に対して当接す
るものである、」には、軒側に隣接する瓦の突出被当接
部のみに対して当接部が当接する場合と、軒側に隣接す
る瓦(瓦本体又は上側重合部)の棟側の端面及び突出被
当接部の双方に対して当接部が当接する(すなわち、棟
側の端面も被当接部である)場合とがある。
【0014】この発明の瓦では、請求項1に係る発明の
瓦の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。すな
わち、この発明の瓦では、突出被当接部は瓦本体又は上
側重合部のおもて側に突出しており、軒側に隣接する瓦
の突出被当接部に対して当該瓦の当接部が当接する。こ
のため、被当接部が瓦本体又は上側重合部のおもて側に
突出しておらず、軒側に隣接する瓦の棟側の端面に当接
する場合と比較して、当接部が瓦本体の裏側に突出する
突出度合いが小さくても、軒側に隣接する瓦(被当接
部)に当接し得る。このため、この発明では、その分、
当接部の突出度合いが小さくて済み、瓦の製造が容易で
あるとともに、瓦の強度が高く保たれる。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に係る発明の瓦であって、前記瓦本体のおもて面の
うちの左右方向における中央又はその近傍において当該
瓦本体のおもて側に突出する係合部と、前記上側重合部
の軒側の端部に形成され、葺設された際に軒側に隣接す
る瓦の前記係合部が係合する被係合部とを有する瓦であ
る。
【0016】この発明の瓦では、請求項1又は請求項2
に係る発明の瓦の作用効果に加えて、次の作用効果が得
られる。上側重合部の軒側の端部に形成された被係合部
が、軒側に隣接する瓦の係合部に係合される。このた
め、強風等によって当該瓦の上側重合部が浮き上がるこ
とが防止される。また、下側重合部は、左右方向に隣接
して当該下側重合部に重なる上側重合部を有する瓦の当
該上側重合部の下側に位置し、当該左右方向に隣接する
瓦に加わる重力によって押さえられる。このため、同時
に当該瓦の下側重合部の浮き上がりも防止される。こう
して、瓦全体について、強風等によって浮き上がること
が防止される。
【0017】また、上述のように、上側重合部の軒側の
端部に形成された被係合部が、軒側に隣接する瓦の係合
部に係合される。このため、当該瓦の位置ずれが防止さ
れる。
【0018】この発明の改良発明として、次のものが考
えられる。「請求項1又は請求項2に記載の瓦であっ
て、前記瓦本体のおもて面のうちの左右方向における中
央又はその近傍において当該瓦本体のおもて側に突出
し、当該瓦本体の軒棟方向に延び、当該瓦本体のおもて
面の上を流れる水が、軒側に隣接する2つの瓦の重なり
部分を避けるように流れるのをガイドする水流ガイド部
と、前記水流ガイド部の棟側の端部において前記瓦本体
のおもて面から離隔して前記瓦本体の棟側に突出する係
合部と、前記上側重合部の軒側の端部に形成され、葺設
された際に軒側に隣接する瓦の前記係合部が係合する被
係合部とを有する瓦。」
【0019】この場合は、次の作用効果が同時に得られ
る。軒棟方向において隣接する瓦が左右方向に瓦の幅の
約半分の長さだけずれるようにして葺設されることによ
って、水流ガイド部が、軒側に隣接する2つの瓦が重な
り合う部分(すなわち、一方の瓦の下側重合部の上に他
方の上側重合部が重なる部分)に対応することになる。
このような位置関係において、瓦本体のおもて面の上を
流れる雨水等は、水流ガイド部によってガイドされて流
れることによって、軒側に隣接する前記2つの瓦が重な
り合う部分を避けるように流れる。このため、その雨水
等が、その重なり合う部分から内部(瓦の下側)へ浸入
することが防止されるのである。以上のように、この発
明では、水流ガイド部によって、雨水等の浸入防止が図
られるとともに、その水流ガイド部に設けられた係合部
によって、瓦の浮き上がり及び位置ずれが防止されるの
である。
【0020】また、上記請求項3に係る発明及びその改
良発明に関連して、次の発明(関連発明)が考えられ
る。請求項3の関連発明:「左右の縁部のうちの一方に
下側重合部を有し他方に上側重合部を有する瓦本体と、
前記瓦本体のおもて面のうちの左右方向における中央又
はその近傍において当該瓦本体のおもて側に突出する係
合部と、前記上側重合部の軒側の端部に形成され、葺設
された際に軒側に隣接する瓦の前記係合部が係合する被
係合部とを有する瓦。」
【0021】請求項3の改良発明の関連発明:「左右の
縁部のうちの一方に下側重合部を有し他方に上側重合部
を有する瓦本体と、前記瓦本体のおもて面のうちの左右
方向における中央又はその近傍において当該瓦本体のお
もて側に突出し、当該瓦本体の軒棟方向に延び、当該瓦
本体のおもて面の上を流れる水が、軒側に隣接する2つ
の瓦の重なり部分を避けるように流れるのをガイドする
水流ガイド部と、前記水流ガイド部の棟側の端部におい
て前記瓦本体のおもて面から離隔して前記瓦本体の棟側
に突出する係合部と、前記上側重合部の軒側の端部に形
成され、葺設された際に軒側に隣接する瓦の前記係合部
が係合する被係合部とを有する瓦。」
【0022】これらの発明の瓦では、請求項3又はその
改良発明に独自の上述の作用効果が得られる。すなわ
ち、従来においては、上記請求項3の改良発明から係合
部及び被係合部を除去した態様の瓦が存在していた。し
かしながら、その瓦の上側重合部が軒側に隣接する瓦と
係合されず、その上側重合部が強風等によって浮き上が
ってしまうとともに、その瓦の位置がずれてしまうおそ
れがあった。しかしながら、これらの発明では、それが
適切に防止され得るのである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て、図1〜図9に基づいて説明する。図1及び図2に示
すように、この瓦10は、全体でほぼ正方形状をしてお
り、ほぼ平板状の瓦本体20を有している。瓦本体20
の左側の縁部には下側重合部30が形成され、瓦本体2
0の右側の縁部には上側重合部40が形成されている。
下側重合部30は、段差を介して瓦本体20よりも若干
下側に位置している。下側重合部30の軒側の端部(以
下、軒側端部ともいう)は、瓦本体20の軒側端部より
も棟側へ後退した位置にある。上側重合部40は、段差
を介して瓦本体20よりも若干上側に位置している。
【0024】図1に示すように、瓦本体20のおもて面
には、水流ガイド部50が形成されている。水流ガイド
部50は、瓦本体20のおもて面のうちの左右方向にお
けるほぼ中央の部分において上方(瓦本体20のおもて
側)に突出している。水流ガイド部50は、軒棟方向に
延びており、瓦本体20の軒側端部まで及んでいる。水
流ガイド部50は、そのうちの軒側端部の近傍の部分に
おいて、棟側から軒側に向かうにつれて左右均等に徐々
に横幅が広がっている。
【0025】瓦本体20及び上側重合部40のうちの軒
側端部及びその近傍は、軒側端部に向かうにつれて、徐
々に下方(瓦10の裏側の方向)に向かっている。水流
ガイド部50の軒側端部には、切欠状の被嵌合部23が
形成されている。被嵌合部23は、上側重合部40に対
応して形成されている。
【0026】水流ガイド部50の棟側の端部(以下、棟
側端部ともいう)には、係合部52が形成されている。
係合部52は、水流ガイド部50の棟側端部から、棟側
方向に突出している。すなわち、係合部52は、瓦本体
20のおもて面から離隔した位置において、水流ガイド
部50の棟側端部から、さらに棟側方向に向かって瓦本
体20のおもて面とほぼ平行に延びている。
【0027】上側重合部40の軒側端部には、被係合部
42が形成されている。被係合部42は、係合部52に
対応して窪んでいる。
【0028】図2に示すように、瓦10の裏面には、第
1略平面部12及び第2略平面部14が形成されてい
る。第1略平面部12は、瓦本体20及び下側重合部3
0に対応しており、ほぼ平面状をしている。第2略平面
部14は、上側重合部40に対応しており、ほぼ平面状
をしている。第1略平面部12には、凹状部16が形成
されている。凹状部16は水流ガイド部50に対応して
形成されており、瓦本体10のおもて面の側に向かって
窪んでいる。すなわち、凹状部16は、第1略平面部1
2の左右方向におけるほぼ中央部分において、軒棟方向
に向かって延びている。
【0029】瓦本体20の裏面(第1略平面部12)の
棟側端部には、左右一対の下方突出部28が形成されて
いる。各下方突出部28は、瓦本体20の裏側に突出し
ている。瓦本体20の棟側端部の近傍には、左右一対の
釘孔部29が形成されている。
【0030】図2及び図3に示すように、瓦本体20の
裏面の凹状部16のうちの軒側端部の近傍には、突出部
25が形成されている。突出部25は、凹状部16(そ
の底部)から瓦本体20の裏側の方向に突出している。
突出部25は、瓦本体20の棟側から軒側に向かうにつ
れて、その高さ(突出度合い)が徐々に大きくなってい
る。突出部25の軒側端部には当接部26が形成されて
いる。当接部26は、瓦本体20とほぼ直角の面であ
る。突出部25(そのうちの最大突出部分である当接部
26)の高さ(瓦10の裏側方向への突出度合い)は、
第1略平面部12よりも若干高くされている。なお、第
1略平面部12とほぼ面一、又は、第1略平面部12よ
りも低い(瓦10のおもて側に位置する)ようにされて
もよい。
【0031】図1及び図4に示すように、上側重合部4
0のおもて面の棟側端部には、突出部45が形成されて
いる(図4においては二点鎖線よりも上の部分であ
る)。突出部45は、突出被当接部46を有している。
突出被当接部46は、突出部45のうちの棟側の端面で
あり、上側重合部40の棟側の端面41と面一状に、上
側重合部40のおもて面とほぼ直角に形成されている。
すなわち、突出被当接部46は、上側重合部40の軒側
の端面において、上側重合部40のおもて側に突出して
いる。突出被当接部46(突出部45)は、上述の当接
部26(突出部25)に対応している。
【0032】次に、この瓦10の葺設方法及び作用効果
について説明する。図5に示すように、まず、屋根板P
には、瓦桟Bが固定される。瓦桟Bは、四角形断面を有
する棒状の木材であり、瓦10の左右方向(行の方向)
に沿って延びるように取り付けられる。瓦桟Bは、最も
軒側の瓦10の行(その棟側端部)に対応して設けられ
る。また、図5において二点鎖線で示すように、瓦桟B
は、屋根板Pの軒棟方向における途中部分に適宜設けら
れてもよい。また、図6に示すように、屋根板Pには、
最も軒側の瓦10の行(その軒側端部の近傍)に対応し
て、支持材Sが固定される(図5においては図示省
略)。支持材Sは、ほぼ三角形断面を有する棒状をして
いる。
【0033】そして、図6に示すように、瓦桟Bが設け
られている行(例えば、最も軒側の行)においては、瓦
10は、下方突出部28が瓦桟Bに係止され、必要に応
じて、適宜、釘孔部29を通して釘が瓦桟Bに対して打
ち付けられることによって、瓦桟Bに対して固定され
る。また、支持材Sによって、最も軒側の瓦10が所定
の傾斜角度に維持される。
【0034】そして、図7及び図8に示すように、瓦1
0は、屋根に対して、右から左へと順に葺設されていく
とともに、軒側から棟側へと順に葺設されていく。すな
わち、屋根のうち最も軒側の部分において右端部から左
端部へと順に葺設された後に、それより1つ棟側の部分
において右端部から左端部へと順に葺設されていく。そ
の際、軒棟方向において隣接する瓦10は、左右方向に
瓦10の幅の約半分の長さだけずれるようにして、葺設
される。以下同様に葺設される。
【0035】図7〜図9に基づいて、第1瓦10A〜第
5瓦10Eについて詳しく説明する。ある瓦10を第1
瓦10Aということとし、第1瓦10Aの棟側に隣接し
(すなわち、1つ棟側の行に位置し)、相互に左右に隣
接する瓦10のうち右側の瓦10を第2瓦10Bといい
(図7,図8)、左側の瓦10を第3瓦10Cというこ
ととする(図8)。また、第1瓦10Aと同じ行に位置
し第1瓦10Aの右側の瓦10を第4瓦10Dといい
(図7)、左側の瓦10を第5瓦10Eということとす
る(図8)。
【0036】まず、図7に示すように、第1瓦10A及
び第4瓦10Dに対して、第2瓦10Bを葺設する。そ
の際、第1瓦10Aの上側重合部40が第2瓦10Bの
被嵌合部23に嵌合するようにする。また、第2瓦10
Bの軒側の縁部(以下、軒側縁部ともいう)が第1瓦1
0A及び第4瓦10Dの棟側の縁部(以下、棟側縁部と
もいう)の上に重なるようにする。そして、図9に示す
ように、第2瓦10Bの当接部26が第1瓦10Aの突
出被当接部46に当接するようにする。こうして、第2
瓦10Bの重量(その一部)が第1瓦10Aによって支
持される。
【0037】次に、図8及び図9に示すように、第1瓦
10A、第2瓦10B及び第5瓦10Eに対して、第3
瓦10Cを葺設する。第3瓦10Cの上側重合部40を
第2瓦10Bの下側重合部30の上に重ねるとともに、
第3瓦10Cの軒側縁部を第1瓦10A及び第5瓦10
Eの棟側縁部の上に重ねる。その際、第3瓦10Cの被
係合部42を第1瓦10Aの係合部52に係合させる。
また、図9に示すように、前述と同様に、第3瓦10C
の当接部26が第5瓦10Eの突出被当接部に当接する
ようにする。こうして、第3瓦10Cの重量(その一
部)が第5瓦10Eによって支持される。
【0038】以上のような作業を繰り返して、屋根に多
数の瓦10を葺設していく。そして、見方を変えること
によって、原則として、すべての瓦10(縁端部のもの
を除く)が、第1瓦10A〜第5瓦10Eに該当する。
【0039】この瓦10では、次の効果が得られる。図
9に基づいて前述したように、棟側の瓦10(第2瓦1
0B,第3瓦10C)の当接部26が軒側の瓦10(第
1瓦10A,第5瓦10E)の突出被当接部46に当接
し、棟側の瓦10の重量(その一部)が軒側の瓦10に
よって支持される。このため、図5及び図6に示すよう
に、原則として瓦桟Bが瓦10の各行ごとに設けられる
必要がなくなる。
【0040】ただし、図5及び図6に示すように、最も
軒側の行に対応する瓦桟Bは必要であり、その瓦桟Bに
よって、原則としてその瓦桟Bよりも棟側のすべての瓦
10の重量が支持される。また、瓦10の行数が多い場
合には、前述したように、軒棟方向における途中部分に
も瓦桟Bが適宜設けられる(図5中、二点鎖線で示
す)。そして、その瓦桟Bによって、その瓦桟Bよりも
棟側の瓦10の重力が支持されることにより、その瓦桟
Bより軒側の瓦桟Bの負担が軽減される。
【0041】このように、この瓦10では、屋根板Pに
設けられる瓦桟Bの数を大きく軽減することが可能とな
り、屋根板Pに対して瓦10を葺設する作業の能率が大
きく向上する。
【0042】また、この瓦10では、次の効果も得られ
る。図8に示すように、第3瓦10Cの上側重合部40
は、その被係合部42に第1瓦10Aの係合部52が係
合しているために、強風等によっても浮き上がることが
防止される。第2瓦10Bの下側重合部30は、その上
に第3瓦10Cの上側重合部40が重なっているため、
その重力によって、同じく強風等による浮き上がりが防
止される。こうして、瓦10が強風等によって浮き上が
ることが防止される。
【0043】また、第3瓦10Cの被係合部42に第1
瓦の係合部52が係合しているために、第3瓦10Cの
位置ずれが防止される。すなわち、図9に基づいて前述
したように、第3瓦10Cは、その当接部26において
第5瓦10E(その突出被当接部46)に当接して重量
的に支持されて、軒棟方向への移動が阻止されている
(ただし、これによっては、当接部26を中心とする第
3瓦10Cの回動は阻止されない)。そして、それとと
もに、図8に示すように被係合部42において当該回動
が阻止されることによって、第3瓦10Cの位置がずれ
ることが防止されるのである。このようにして、瓦10
の位置ずれが防止される。
【0044】また、この瓦10では、水流ガイド部50
によって、次のような効果が得られる。図7に示すよう
に、軒棟方向において隣接する瓦10が左右方向に瓦1
0の幅の約半分の長さだけずれるようにして葺設される
ことによって、第2瓦10Bの水流ガイド部50が、軒
側に隣接する2つの瓦10A,10Dが重なり合う部分
(すなわち、第4瓦10Dの下側重合部30(図7中符
号なし)の上に第1瓦10Aの上側重合部40が重なる
部分)に対応する。このような位置関係において、第2
瓦10Bの上を流れる雨水等は、瓦本体20のうちの水
流ガイド部50以外の部分を軒側方向に流れる。そし
て、左右に幅が広がる水流ガイド部50の軒側端部近傍
の部分によってガイドされて流れることによって、第1
瓦10A及び第4瓦10Dにおいては、第1瓦10A及
び第4瓦10Dが重なり合う部分を避けるように流れ
る。このため、その雨水等が、その重なり合う部分から
内部(第1瓦10A及び第4瓦10Dの下側)へ浸入す
ることが防止される。
【0045】なお、上記のものはあくまで本発明の一実
施形態にすぎず、当業者の知識に基づき種々の変更を加
えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
例えば、突出部45(突出被係合部46)は必ずしも設
けられる必要はなく、当接部26が上側重合部40の棟
側の端面41に対して当接してもよい(すなわち、棟側
の端面41が被当接部となる)。また、突出部25(当
接部26)の突出度合いがより大きくされて、当接部2
6が突出部45の突出被係合部46及び上側重合部40
の棟側の端面41の双方にわたって当接する寸法関係で
あってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の瓦を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の瓦を示す斜視図である。
斜め下方から見た図である。
【図3】本発明の一実施形態の瓦の一部を示す縦断面図
である。
【図4】本発明の一実施形態の瓦の一部を示す斜視図で
ある。斜め後方から見た図である。
【図5】本発明の一実施形態の瓦を葺設する直前の状態
の屋根を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態の瓦の葺設状態を示す縦断
面図である。
【図7】本発明の一実施形態の瓦の葺設方法を示す図で
ある。第1段階を示す。雨水等の流れも示す。
【図8】本発明の一実施形態の瓦の葺設方法を示す図で
ある。第2段階を示す。
【図9】本発明の一実施形態の瓦の葺設状態を示す縦断
面図である。図6の部分拡大図である。
【図10】従来の瓦を示す図である。(a)は、斜め上
方から見た斜視図であり、(b)は、斜め下方から見た
斜視図である。
【図11】(a)は、従来の瓦を葺設する際の屋根板P
及び瓦桟Bを示す斜視図である。(b)は、従来の瓦の
葺設状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10(10A,10B,10C,10D,10E) 瓦 20 瓦本体 26 当接部 30 下側重合部 40 上側重合部 42 被係合部 46 突出被当接部 50 水流ガイド部 52 係合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の縁部のうちの一方に下側重合部を
    有し他方に上側重合部を有する瓦本体と、 前記瓦本体の裏面において当該瓦本体の裏側に突出する
    当接部とを有し、 前記当接部は、葺設された際に軒側に隣接する瓦に対し
    て当接し、それによって当該瓦の重量の少なくとも一部
    が当該軒側に隣接する瓦によって支持されるものであ
    る、瓦。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の瓦であって、 前記瓦本体又は前記上側重合部のおもて面の棟側の端部
    又はその近傍において当該瓦本体又は当該上側重合部の
    おもて側に突出する突出被当接部を有し、 前記当接部は、葺設された際に軒側に隣接する瓦の前記
    突出被当接部に対して当接するものである、瓦。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の瓦であっ
    て、 前記瓦本体のおもて面のうちの左右方向における中央又
    はその近傍において当該瓦本体のおもて側に突出する係
    合部と、 前記上側重合部の軒側の端部に形成され、葺設された際
    に軒側に隣接する瓦の前記係合部が係合する被係合部と
    を有する瓦。
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JP2007224540A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Hekinan Tokushu Kikai Kk 軽量フラット瓦
JP2016017304A (ja) * 2014-07-07 2016-02-01 株式会社コトガワ 平板瓦

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