JP2004084304A - 屋根材の葺設構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋根材の取り替えを容易に行えるようにし、太陽電池内蔵屋根材を屋根材として用いた場合にも不具合のない屋根材の葺設構造を提供する。
【解決手段】野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置する。受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設する。上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設する。上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造である。屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面7を受金具3に形成する。固着具4を固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設する。
【選択図】 図1
【解決手段】野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置する。受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設する。上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設する。上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造である。屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面7を受金具3に形成する。固着具4を固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根材の野地への葺設構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、太陽光発電システムには、瓦などの屋根材2の野地への葺設後にこの屋根材2上に何らかの架台20を載設し、太陽光の受光によって発電する太陽電池パネル21を上記架台20に設置するといった屋根置きタイプのもの(たとえば、特開2001−303724(図4))や、太陽電池を屋根材本体に内蔵した太陽電池内蔵屋根材2aを野地1に葺設するといった建材一体タイプのもの(たとえば、特開2000−336874(図5))がある。この屋根置きタイプのものは、既設の屋根材2上に架台20や太陽電池パネル21を載設することから、部材点数も多く、また屋根への荷重負担も大きく、なおかつ外観も悪いといった欠点があり、近年では、これら屋根置きタイプの欠点を回避できる、つまり省部材、省施工、外観向上を図り得る建材一体タイプのものが普及するようになってきている。
【0003】
図6乃至図8には、建材一体タイプにおける太陽電池内蔵屋根材2aの野地1への葺設構造の例を示す。この葺設構造は、基本的に従来から行われる屋根材の葺設構造を踏襲したものである。つまり、屋根の水下側から水上側に屋根材2を複数段葺設するには、下段の屋根材2の水上側表面に上段の屋根材2の水下側裏面を載せるようにして上下段の屋根材2を一部積層するように葺設していくのである。詳述すると、積層する下段の屋根材2の水上側表面と上段の屋根材2の水下側裏面との間には受金具3を介在させる。この受金具3は屋根材2の水上側の表面に沿わせて配置され、屋根材2の水上側を野地1に固定する釘などの固着具4によって、屋根材2と一緒に野地1に固定される。なお、この固着具4は受金具3に略直交方向に挿通されて野地面に略直交して打設される。また、受金具3の水下側の端部には支持金具6が係止されて取付けられる。受金具3に取り付けた支持金具6は、受金具3から逆L字状に上方に突出するようになる。そして、上段の屋根材2を野地1に固定する際に、上段の屋根材2の水下側の端部を支持金具6に当接させ、ビス等の連結具5で支持金具6と上段の屋根材2とを固定させるのである。このように葺設した屋根材2は水上側及び水下側でそれぞれ固定されるようになり、強固に屋根に葺設されるようになっている。なお、図中8は太陽光にて発電を行う太陽電池である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来から行われる屋根材の葺設構造にあっては、一の屋根材2の取替を容易に行い得ることができないといった欠点を有するものであった。つまり、屋根材2の取り替えを行う際には、図8に示すように、ビス等の連結具5を外して支持金具6を受金具3から外し、一の屋根材2に対して上段の屋根材2の水下側の端部を持ち上げて、一の屋根材2と上段の屋根材2との間に隙間Sをつくり、この隙間Sから野地1に打設していた釘等の固着具4を抜く。そして、一の屋根材2を取り替え、一の新たな屋根材2を野地1に固定させるために釘等の固着具4を打設するのであるが、このとき固着具4は屋根材2や野地面に略直交するように立てた状態にして隙間Sの奥方に位置させねばならず、新たな屋根材2の表面と上段の屋根材2の裏面との間にこの固着具4がつかえてしまって、固着具4を打入位置に配置できない、または固着具4を打入する工具が入らない等の事態が生じてしまうのであった。なお、上記固着具4のつかえ等を生じさせないように隙間Sを大きくとろうとしても、上段の屋根材2は野地1に固定された状態であると共に更に上段の屋根材2が載っていることから、上段の屋根材2の持ち上げにも限度があって隙間Sを大きくとることは難しいのであり、上記事態を解決することはできないのである。
【0005】
ここで、太陽電池内蔵屋根材2aは、通常の屋根材2と違って機能を有することから、その発電機能部分や配電機能部分で故障などが発生し易く、取替の必要性にかられる場合が通常の屋根材2に比べて多いものである。しかして、太陽電池内蔵屋根材2aの葺設構造に上記屋根材の葺設構造を用いた場合には、故障した太陽電池内蔵屋根材2aのみの取替が困難であることから、太陽電池内蔵屋根材2a全体を葺設し直したりして太陽光発電システムの補修を行わねばならず、太陽光発電システムの補修にかかる費用や手間が莫大になってしまうという問題を有するものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、屋根材の取り替えを容易に行えるようにし、太陽電池内蔵屋根材を屋根材として用いた場合にも不具合のない屋根材の葺設構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る屋根材の葺設構造は、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設し、上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造において、屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面7を受金具3に形成し、固着具4を固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設したことを特徴とする。
【0008】
これによると、一の屋根材2に取替の必要が生じた場合には、一の屋根材2の上段にある屋根材2と支持金具6とを固定する連結具5を外し、支持金具6の受金具3への引っ掛け係止を解いて取り外し、上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、この隙間Sの開口から手や工具Kを突っ込んで受金具3の固着具打設面7に直交して野地1に打設されている固着具4を外し、一の屋根材2の野地1への固定を解除すると共に取付けられた受金具3を取り外し、一の屋根材2の水下側の端面に固定された支持金具6を連結具5を外して取り外すことで、一の屋根材2を屋根から取り外すことができる。そして、屋根から取り外した一の屋根材2の代わりに新たな屋根材2を葺設するのであるが、これは、新たな屋根材2の水下側の端部を連結具5にて支持金具6に固定し、この支持金具6を下段の屋根材2に固定されている受金具3に引っ掛け係止し、新たな屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、固着具4を上記受金具3の固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設し、上段の屋根材2の水下側の端面を当接させた支持金具6を新たな屋根材2に固定された受金具3に引っ掛け係止し、この支持金具6を上段の屋根材2の水下側の端面に連結具5にて固定することで、新たな屋根材2を既存の上下段の屋根材2の間に葺設し直すことができる。
【0009】
このように、上記屋根材の葺設構造における一の屋根材の取替施工にあっては、従来技術の屋根材の葺設構造における一の屋根材の取替施工で施工が困難であった新たな屋根材2の野地1への固定施工、すなわち固着具4の打設施工も、この固着具4が屋根の傾斜よりも急勾配にした受金具3の固着具打設面7に略直交させて打設されるようになっているので、固着具4の引抜・打設方向が、上方に持ち上げた上段の屋根材2の水下側の端部と一の屋根材2(新たな屋根材2)との隙間Sにおける開口から奥方への方向に近づくように設定されており、つまり固着具4の引抜・打設施工が上記隙間Sの開口からの作業で容易に行えるようになっているのである。したがって、上記屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工を容易に行うことができるのである。
【0010】
また、上記屋根材2に、太陽光を受光して発電する太陽電池8を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材2aを用いたことも好ましい。従来技術の項でも述べたが、屋根材2に太陽電池内蔵屋根材2aを用いた場合では、太陽電池内蔵屋根材2aが機能を有した屋根材2であるから故障などによって取替の必要性がしばしば生じるものであるが、上述した屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工が容易に行い得るようになっているので、太陽電池内蔵屋根材2aを屋根の葺設した場合には、特に上記屋根材の葺設構造における良好な取替施工性の利益を享受することができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
本発明の屋根材の葺設構造は、従来技術にもある、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設し、上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止して構成された基本構造を有したものであり(図6参照)、特に、屋根材2の取り替え施工を容易に行い得るようにしたものである。以下、詳述する。
【0013】
図1乃至図3には本発明の実施の形態の例を示す。本例に用いる受金具3や支持金具6は、それぞれ平板状の金属板を板金加工によって所定の形状に施したものである。受金具3にあっては、平板状の主体部9の水下側の端部に水上側にU字状に折り曲げて被係止部10が形成されており、上記主体部9の水下側と水上側との略中央部分に下方に略V字に凹ませた溝部11が形成されている。溝部11は水下側の斜面11a及び水上側の斜面11bで形成された略V字断面を有したものである。そして、この溝部11において、水下側に面する溝部11の水上側の斜面11bは釘等の固着具4が打設される固着具打設面7を構成しており、この固着具打設面7には固着具4を挿通させる固着具挿通孔(図示せず)が設けられている。この固着具挿通孔は固着具打設面7に直交する方向に穿設したものである。また、支持金具6は、水平板状の係止片12の水上側の端部から縦片13を上方に垂設し、この縦片13の上端から水上側に略水平に横片14を突設して形成された略Z字状の屈曲板状の金具である。この支持金具6はその係止片12を受金具3の被係止部10に係止させて取り付けることができるものであり、受金具3に取り付けた支持金具6は、受金具3から略垂直上方に縦片13が突出されると共にこの縦片13の上端から水上側に屋根材2の傾斜角と同等の傾斜角に横片14が突出されるようになって、逆L字状に受金具3の上方に突出するようになる。上記受金具3は屋根材2の水上側の表面に載せて取付けられるが、本例に用いる屋根材2の水上側の表面部分には下方に凹没させた収納用溝部15が設けられ、この収納用溝部15に受金具3の溝部11を収めるようにされている。
【0014】
本例の屋根材の葺設構造は、図1に示すように、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3の主体部9を沿わせて載置し、受金具3の上から木ネジで構成した固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、この屋根材2の上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の主体部9の表面上に積層して載設し、この上段の屋根材2の水下側の端面を支持金具6の縦片13に当接させ、縦片13の水下側から上段の屋根材2に木ネジで構成した連結具5を打設して上段の屋根材2に支持金具6を固定し、この支持金具6の係止片12を受金具3の被係止部10に挿入係止することで、屋根材2の水上側表面に上段の屋根材2の水下側裏面を載せるようにして屋根の水下側から水上側に複数の屋根材2を複数段葺設したものである。ここで、屋根材2に受金具3を載置するには、受金具3の溝部11を屋根材2の収納用溝部15に収めるようにして受金具3を屋根材2上に載置する。本例の収納用溝部15は受金具3の溝部11が嵌り込むように形成されており、受金具3を屋根材2上の所定位置に位置決めして載置できるようにされている。また、屋根材2に載置した受金具3を屋根材2と共に野地1に固定させる固着具4の打設施工にあっては、受金具3の固着具打設面7に対して直交する方向に打設されるのであり、屋根材2を通って野地面に対して斜めに打設されている。なお、この固着具4の頭部は受金具3の溝部11内に収まるようにされている。
【0015】
上述した構成を有する屋根材の葺設構造にあって、一の屋根材2を取り替える際には、図2,3に示すように、まず一の屋根材2の上段にある屋根材2と支持金具6とを固定する連結具5を外す。次いで支持金具6の受金具3への引っ掛け係止を解いて取り外す。次に上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、この隙間Sの開口から手や工具Kを突っ込んで受金具3の固着具打設面7に直交して野地1に打設されている固着具4を外す。この固着具4を外したことで、一の屋根材2の野地1への固定が解除されると共にこの屋根材2に取付けられた受金具3が取り外される。次に、一の屋根材2の水下側の端面に固定された支持金具6を連結具5を外して取り外す。これにより、一の屋根材2を屋根から取り外すことができる。
【0016】
そして、屋根から取り外した一の屋根材2の代わりに新たな屋根材2を葺設するのであるが、これはまず、新たな屋根材2の水下側の端部を連結具5にて支持金具6に固定する。次にこの支持金具6を下段の屋根材2に固定されている受金具3に引っ掛け係止する。次に上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、新たな屋根材2の水上側の表面に受金具3を載置し、固着具4を上記受金具3の固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設する。次に上段の屋根材2の水下側の端面を支持金具6の縦片13に当接させた状態でこの支持金具6を新たな屋根材2に固定された受金具3に引っ掛け係止する。最後に、連結具5にて上段の屋根材2と支持金具6とを固定させる。これにより、新たな屋根材2を既存の上下段の屋根材2の間に葺設し直すことができる。
【0017】
従来技術の屋根材の葺設構造では、新たな屋根材2の野地1への固定施工、すなわち固着具4の打設施工が特に困難で、これがために屋根材の取替施工を行うことができないものであったが、本例の屋根材の葺設構造では、特に、従来技術で施工困難であった固着具4の打設施工を容易に行わせることを可能としたことで、上述したように屋根材の取替施工が可能となっているものである。
【0018】
つまり、従来の固着具4は、野地面に対して略直交方向に打設されていたものであったが、本例の固着具4は、受金具3の固着具打設面7に略直交させて野地面に対して斜めに打設されているのである。溝部11の水上側の斜面11bから構成された固着具打設面7は、野地1に載置した屋根材2上に受金具3を載置したときには、屋根の傾斜よりも急勾配になるものであり、したがって固着具4の打設方向である固着具打設面7に略直交する方向は水平方向に近づくように設定されているのである。なお、屋根材の取替施工において固着具4の引抜・打設作業は、上述したように上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げ、上段の屋根材2と一の屋根材2(新たな屋根材2)との間に隙間Sをつくり、この隙間Sを作業スペースとして作業が行われるのである。上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げることは、上段の屋根材2を水平に近づけて保持することを意味するものである。しかして、水下側に開口する上記隙間Sにおいて手や工具Kなどの挿入方向である開口から奥方への方向は、水平方向に近い方向に設定されると共に、固着具4の打設方向に近い方向に設定されている。このように、固着具4の引抜・打設方向が、上方に持ち上げた上段の屋根材2と一の屋根材2(新たな屋根材2)との隙間Sにおける開口から奥方への方向に近づくように設定されていることから、固着具4の引抜・打設施工が上記隙間Sの開口からの作業で容易に行えるようになっており、屋根材の取替施工を可能にすると共にその施工作業の容易化も図られているのである。
【0019】
屋根材2の取替容易化が図られている本例の屋根材の葺設構造は、特に、屋根材2に、太陽光を受光して発電する太陽電池8を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材2aを用いた場合に有用なものである。なお、太陽電池内蔵屋根材2aは、上段の屋根材が積層されない表面部位に太陽電池8を敷設して構成された屋根材である(図6参照)。従来技術の項でも述べたが、太陽電池内蔵屋根材2aは機能部位の故障などをしばしば生じ、一の太陽電池内蔵屋根材2aの故障で太陽光発電システム全体のダウンを招くこともあるから、故障した一の太陽電池内蔵屋根材2aのみの取替が必要になる場合が多いものである。しかして、太陽電池内蔵屋根材2aの葺設構造に本例の屋根材の葺設構造を適用させることで、太陽電池内蔵屋根材2aが故障などした場合にも、故障した太陽電池内蔵屋根材2aのみを即座に取り替えることができるので、取替施工にかかる手間やコストを低減化できて好ましいものである。
【0020】
また、図示はしないが、溝部11の代わりに、受金具3の本体部に上方に突状に折り曲げた突部を設け、この突部の水下側の斜面を固着具打設面7としてもよい。この固着具打設面7も、屋根材2に受金具3を載置したときには、屋根の傾斜よりも急勾配になることから、先の実施の形態の例と同様の効果が奏し得られ、つまり屋根材2の取替容易化を図ることができるのである。なお、この突部を設けた受金具3を用いて屋根材2を葺設するには、屋根材2の水下側の裏面に上方に凹没させた収納用溝部を設け、この収納用溝部に受金具3の突部を収めるようにして行われるものである。
【0021】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、野地の上に載せた屋根材の水上側の表面に受金具を配置し、受金具の上から釘等の固着具を屋根材に通して野地に打設し、上段に配置した屋根材の水下側の裏面を受金具の上に積層して載設し、上段の屋根材の水下側の端面に当接させてビス等の連結具にて固定させた支持金具を受金具の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造において、屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面を受金具に形成し、固着具を固着具打設面に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設したので、一の屋根材の取替施工時において、一の屋根材の上段の屋根材の水下側の端部を上方に持ち上げたときに、上段の屋根材の水下側の端部と一の屋根材の水上側の表面との間にできる隙間における開口から奥方への方向に、固着具の引抜・打設方向を近づけることができ、つまり固着具の引抜・打設施工を上記隙間の開口からの作業にて容易に行わせることができ、したがって、上記屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工を容易に行わせることができるのである。
【0022】
また、本発明の請求項2記載の発明にあっては、上記屋根材に、太陽光を受光して発電する太陽電池を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材を用いたので、しばしば故障などで取替の必要が生じる太陽電池内蔵屋根材も容易に取替可能にでき、すなわち請求項1の効果である屋根材の取替容易化の利益を特に享受することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示す要部の側面断面図である。
【図2】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【図3】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【図4】従来技術の例を示す斜視図である。
【図5】従来技術の他例を示す斜視図である。
【図6】従来技術の更に他例を示す側面断面図である。
【図7】同上の要部の側面断面図である。
【図8】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 野地
2 屋根材
2a 太陽電池内蔵屋根材
3 受金具
4 固着具
5 連結具
6 支持金具
7 固着具打設面
10 被係止部
11 溝部
12 係止片
15 収納用溝部
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根材の野地への葺設構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、太陽光発電システムには、瓦などの屋根材2の野地への葺設後にこの屋根材2上に何らかの架台20を載設し、太陽光の受光によって発電する太陽電池パネル21を上記架台20に設置するといった屋根置きタイプのもの(たとえば、特開2001−303724(図4))や、太陽電池を屋根材本体に内蔵した太陽電池内蔵屋根材2aを野地1に葺設するといった建材一体タイプのもの(たとえば、特開2000−336874(図5))がある。この屋根置きタイプのものは、既設の屋根材2上に架台20や太陽電池パネル21を載設することから、部材点数も多く、また屋根への荷重負担も大きく、なおかつ外観も悪いといった欠点があり、近年では、これら屋根置きタイプの欠点を回避できる、つまり省部材、省施工、外観向上を図り得る建材一体タイプのものが普及するようになってきている。
【0003】
図6乃至図8には、建材一体タイプにおける太陽電池内蔵屋根材2aの野地1への葺設構造の例を示す。この葺設構造は、基本的に従来から行われる屋根材の葺設構造を踏襲したものである。つまり、屋根の水下側から水上側に屋根材2を複数段葺設するには、下段の屋根材2の水上側表面に上段の屋根材2の水下側裏面を載せるようにして上下段の屋根材2を一部積層するように葺設していくのである。詳述すると、積層する下段の屋根材2の水上側表面と上段の屋根材2の水下側裏面との間には受金具3を介在させる。この受金具3は屋根材2の水上側の表面に沿わせて配置され、屋根材2の水上側を野地1に固定する釘などの固着具4によって、屋根材2と一緒に野地1に固定される。なお、この固着具4は受金具3に略直交方向に挿通されて野地面に略直交して打設される。また、受金具3の水下側の端部には支持金具6が係止されて取付けられる。受金具3に取り付けた支持金具6は、受金具3から逆L字状に上方に突出するようになる。そして、上段の屋根材2を野地1に固定する際に、上段の屋根材2の水下側の端部を支持金具6に当接させ、ビス等の連結具5で支持金具6と上段の屋根材2とを固定させるのである。このように葺設した屋根材2は水上側及び水下側でそれぞれ固定されるようになり、強固に屋根に葺設されるようになっている。なお、図中8は太陽光にて発電を行う太陽電池である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来から行われる屋根材の葺設構造にあっては、一の屋根材2の取替を容易に行い得ることができないといった欠点を有するものであった。つまり、屋根材2の取り替えを行う際には、図8に示すように、ビス等の連結具5を外して支持金具6を受金具3から外し、一の屋根材2に対して上段の屋根材2の水下側の端部を持ち上げて、一の屋根材2と上段の屋根材2との間に隙間Sをつくり、この隙間Sから野地1に打設していた釘等の固着具4を抜く。そして、一の屋根材2を取り替え、一の新たな屋根材2を野地1に固定させるために釘等の固着具4を打設するのであるが、このとき固着具4は屋根材2や野地面に略直交するように立てた状態にして隙間Sの奥方に位置させねばならず、新たな屋根材2の表面と上段の屋根材2の裏面との間にこの固着具4がつかえてしまって、固着具4を打入位置に配置できない、または固着具4を打入する工具が入らない等の事態が生じてしまうのであった。なお、上記固着具4のつかえ等を生じさせないように隙間Sを大きくとろうとしても、上段の屋根材2は野地1に固定された状態であると共に更に上段の屋根材2が載っていることから、上段の屋根材2の持ち上げにも限度があって隙間Sを大きくとることは難しいのであり、上記事態を解決することはできないのである。
【0005】
ここで、太陽電池内蔵屋根材2aは、通常の屋根材2と違って機能を有することから、その発電機能部分や配電機能部分で故障などが発生し易く、取替の必要性にかられる場合が通常の屋根材2に比べて多いものである。しかして、太陽電池内蔵屋根材2aの葺設構造に上記屋根材の葺設構造を用いた場合には、故障した太陽電池内蔵屋根材2aのみの取替が困難であることから、太陽電池内蔵屋根材2a全体を葺設し直したりして太陽光発電システムの補修を行わねばならず、太陽光発電システムの補修にかかる費用や手間が莫大になってしまうという問題を有するものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、屋根材の取り替えを容易に行えるようにし、太陽電池内蔵屋根材を屋根材として用いた場合にも不具合のない屋根材の葺設構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る屋根材の葺設構造は、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設し、上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造において、屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面7を受金具3に形成し、固着具4を固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設したことを特徴とする。
【0008】
これによると、一の屋根材2に取替の必要が生じた場合には、一の屋根材2の上段にある屋根材2と支持金具6とを固定する連結具5を外し、支持金具6の受金具3への引っ掛け係止を解いて取り外し、上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、この隙間Sの開口から手や工具Kを突っ込んで受金具3の固着具打設面7に直交して野地1に打設されている固着具4を外し、一の屋根材2の野地1への固定を解除すると共に取付けられた受金具3を取り外し、一の屋根材2の水下側の端面に固定された支持金具6を連結具5を外して取り外すことで、一の屋根材2を屋根から取り外すことができる。そして、屋根から取り外した一の屋根材2の代わりに新たな屋根材2を葺設するのであるが、これは、新たな屋根材2の水下側の端部を連結具5にて支持金具6に固定し、この支持金具6を下段の屋根材2に固定されている受金具3に引っ掛け係止し、新たな屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、固着具4を上記受金具3の固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設し、上段の屋根材2の水下側の端面を当接させた支持金具6を新たな屋根材2に固定された受金具3に引っ掛け係止し、この支持金具6を上段の屋根材2の水下側の端面に連結具5にて固定することで、新たな屋根材2を既存の上下段の屋根材2の間に葺設し直すことができる。
【0009】
このように、上記屋根材の葺設構造における一の屋根材の取替施工にあっては、従来技術の屋根材の葺設構造における一の屋根材の取替施工で施工が困難であった新たな屋根材2の野地1への固定施工、すなわち固着具4の打設施工も、この固着具4が屋根の傾斜よりも急勾配にした受金具3の固着具打設面7に略直交させて打設されるようになっているので、固着具4の引抜・打設方向が、上方に持ち上げた上段の屋根材2の水下側の端部と一の屋根材2(新たな屋根材2)との隙間Sにおける開口から奥方への方向に近づくように設定されており、つまり固着具4の引抜・打設施工が上記隙間Sの開口からの作業で容易に行えるようになっているのである。したがって、上記屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工を容易に行うことができるのである。
【0010】
また、上記屋根材2に、太陽光を受光して発電する太陽電池8を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材2aを用いたことも好ましい。従来技術の項でも述べたが、屋根材2に太陽電池内蔵屋根材2aを用いた場合では、太陽電池内蔵屋根材2aが機能を有した屋根材2であるから故障などによって取替の必要性がしばしば生じるものであるが、上述した屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工が容易に行い得るようになっているので、太陽電池内蔵屋根材2aを屋根の葺設した場合には、特に上記屋根材の葺設構造における良好な取替施工性の利益を享受することができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
本発明の屋根材の葺設構造は、従来技術にもある、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3を配置し、受金具3の上から釘等の固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の上に積層して載設し、上段の屋根材2の水下側の端面に当接させてビス等の連結具5にて固定させた支持金具6を受金具3の水下側端部に引っ掛け係止して構成された基本構造を有したものであり(図6参照)、特に、屋根材2の取り替え施工を容易に行い得るようにしたものである。以下、詳述する。
【0013】
図1乃至図3には本発明の実施の形態の例を示す。本例に用いる受金具3や支持金具6は、それぞれ平板状の金属板を板金加工によって所定の形状に施したものである。受金具3にあっては、平板状の主体部9の水下側の端部に水上側にU字状に折り曲げて被係止部10が形成されており、上記主体部9の水下側と水上側との略中央部分に下方に略V字に凹ませた溝部11が形成されている。溝部11は水下側の斜面11a及び水上側の斜面11bで形成された略V字断面を有したものである。そして、この溝部11において、水下側に面する溝部11の水上側の斜面11bは釘等の固着具4が打設される固着具打設面7を構成しており、この固着具打設面7には固着具4を挿通させる固着具挿通孔(図示せず)が設けられている。この固着具挿通孔は固着具打設面7に直交する方向に穿設したものである。また、支持金具6は、水平板状の係止片12の水上側の端部から縦片13を上方に垂設し、この縦片13の上端から水上側に略水平に横片14を突設して形成された略Z字状の屈曲板状の金具である。この支持金具6はその係止片12を受金具3の被係止部10に係止させて取り付けることができるものであり、受金具3に取り付けた支持金具6は、受金具3から略垂直上方に縦片13が突出されると共にこの縦片13の上端から水上側に屋根材2の傾斜角と同等の傾斜角に横片14が突出されるようになって、逆L字状に受金具3の上方に突出するようになる。上記受金具3は屋根材2の水上側の表面に載せて取付けられるが、本例に用いる屋根材2の水上側の表面部分には下方に凹没させた収納用溝部15が設けられ、この収納用溝部15に受金具3の溝部11を収めるようにされている。
【0014】
本例の屋根材の葺設構造は、図1に示すように、野地1の上に載せた屋根材2の水上側の表面に受金具3の主体部9を沿わせて載置し、受金具3の上から木ネジで構成した固着具4を屋根材2に通して野地1に打設し、この屋根材2の上段に配置した屋根材2の水下側の裏面を受金具3の主体部9の表面上に積層して載設し、この上段の屋根材2の水下側の端面を支持金具6の縦片13に当接させ、縦片13の水下側から上段の屋根材2に木ネジで構成した連結具5を打設して上段の屋根材2に支持金具6を固定し、この支持金具6の係止片12を受金具3の被係止部10に挿入係止することで、屋根材2の水上側表面に上段の屋根材2の水下側裏面を載せるようにして屋根の水下側から水上側に複数の屋根材2を複数段葺設したものである。ここで、屋根材2に受金具3を載置するには、受金具3の溝部11を屋根材2の収納用溝部15に収めるようにして受金具3を屋根材2上に載置する。本例の収納用溝部15は受金具3の溝部11が嵌り込むように形成されており、受金具3を屋根材2上の所定位置に位置決めして載置できるようにされている。また、屋根材2に載置した受金具3を屋根材2と共に野地1に固定させる固着具4の打設施工にあっては、受金具3の固着具打設面7に対して直交する方向に打設されるのであり、屋根材2を通って野地面に対して斜めに打設されている。なお、この固着具4の頭部は受金具3の溝部11内に収まるようにされている。
【0015】
上述した構成を有する屋根材の葺設構造にあって、一の屋根材2を取り替える際には、図2,3に示すように、まず一の屋根材2の上段にある屋根材2と支持金具6とを固定する連結具5を外す。次いで支持金具6の受金具3への引っ掛け係止を解いて取り外す。次に上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、この隙間Sの開口から手や工具Kを突っ込んで受金具3の固着具打設面7に直交して野地1に打設されている固着具4を外す。この固着具4を外したことで、一の屋根材2の野地1への固定が解除されると共にこの屋根材2に取付けられた受金具3が取り外される。次に、一の屋根材2の水下側の端面に固定された支持金具6を連結具5を外して取り外す。これにより、一の屋根材2を屋根から取り外すことができる。
【0016】
そして、屋根から取り外した一の屋根材2の代わりに新たな屋根材2を葺設するのであるが、これはまず、新たな屋根材2の水下側の端部を連結具5にて支持金具6に固定する。次にこの支持金具6を下段の屋根材2に固定されている受金具3に引っ掛け係止する。次に上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げて一の屋根材2との間に水下側に開く隙間Sをつくり、新たな屋根材2の水上側の表面に受金具3を載置し、固着具4を上記受金具3の固着具打設面7に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設する。次に上段の屋根材2の水下側の端面を支持金具6の縦片13に当接させた状態でこの支持金具6を新たな屋根材2に固定された受金具3に引っ掛け係止する。最後に、連結具5にて上段の屋根材2と支持金具6とを固定させる。これにより、新たな屋根材2を既存の上下段の屋根材2の間に葺設し直すことができる。
【0017】
従来技術の屋根材の葺設構造では、新たな屋根材2の野地1への固定施工、すなわち固着具4の打設施工が特に困難で、これがために屋根材の取替施工を行うことができないものであったが、本例の屋根材の葺設構造では、特に、従来技術で施工困難であった固着具4の打設施工を容易に行わせることを可能としたことで、上述したように屋根材の取替施工が可能となっているものである。
【0018】
つまり、従来の固着具4は、野地面に対して略直交方向に打設されていたものであったが、本例の固着具4は、受金具3の固着具打設面7に略直交させて野地面に対して斜めに打設されているのである。溝部11の水上側の斜面11bから構成された固着具打設面7は、野地1に載置した屋根材2上に受金具3を載置したときには、屋根の傾斜よりも急勾配になるものであり、したがって固着具4の打設方向である固着具打設面7に略直交する方向は水平方向に近づくように設定されているのである。なお、屋根材の取替施工において固着具4の引抜・打設作業は、上述したように上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げ、上段の屋根材2と一の屋根材2(新たな屋根材2)との間に隙間Sをつくり、この隙間Sを作業スペースとして作業が行われるのである。上段の屋根材2の水下側の端部を上方に持ち上げることは、上段の屋根材2を水平に近づけて保持することを意味するものである。しかして、水下側に開口する上記隙間Sにおいて手や工具Kなどの挿入方向である開口から奥方への方向は、水平方向に近い方向に設定されると共に、固着具4の打設方向に近い方向に設定されている。このように、固着具4の引抜・打設方向が、上方に持ち上げた上段の屋根材2と一の屋根材2(新たな屋根材2)との隙間Sにおける開口から奥方への方向に近づくように設定されていることから、固着具4の引抜・打設施工が上記隙間Sの開口からの作業で容易に行えるようになっており、屋根材の取替施工を可能にすると共にその施工作業の容易化も図られているのである。
【0019】
屋根材2の取替容易化が図られている本例の屋根材の葺設構造は、特に、屋根材2に、太陽光を受光して発電する太陽電池8を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材2aを用いた場合に有用なものである。なお、太陽電池内蔵屋根材2aは、上段の屋根材が積層されない表面部位に太陽電池8を敷設して構成された屋根材である(図6参照)。従来技術の項でも述べたが、太陽電池内蔵屋根材2aは機能部位の故障などをしばしば生じ、一の太陽電池内蔵屋根材2aの故障で太陽光発電システム全体のダウンを招くこともあるから、故障した一の太陽電池内蔵屋根材2aのみの取替が必要になる場合が多いものである。しかして、太陽電池内蔵屋根材2aの葺設構造に本例の屋根材の葺設構造を適用させることで、太陽電池内蔵屋根材2aが故障などした場合にも、故障した太陽電池内蔵屋根材2aのみを即座に取り替えることができるので、取替施工にかかる手間やコストを低減化できて好ましいものである。
【0020】
また、図示はしないが、溝部11の代わりに、受金具3の本体部に上方に突状に折り曲げた突部を設け、この突部の水下側の斜面を固着具打設面7としてもよい。この固着具打設面7も、屋根材2に受金具3を載置したときには、屋根の傾斜よりも急勾配になることから、先の実施の形態の例と同様の効果が奏し得られ、つまり屋根材2の取替容易化を図ることができるのである。なお、この突部を設けた受金具3を用いて屋根材2を葺設するには、屋根材2の水下側の裏面に上方に凹没させた収納用溝部を設け、この収納用溝部に受金具3の突部を収めるようにして行われるものである。
【0021】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、野地の上に載せた屋根材の水上側の表面に受金具を配置し、受金具の上から釘等の固着具を屋根材に通して野地に打設し、上段に配置した屋根材の水下側の裏面を受金具の上に積層して載設し、上段の屋根材の水下側の端面に当接させてビス等の連結具にて固定させた支持金具を受金具の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造において、屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面を受金具に形成し、固着具を固着具打設面に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設したので、一の屋根材の取替施工時において、一の屋根材の上段の屋根材の水下側の端部を上方に持ち上げたときに、上段の屋根材の水下側の端部と一の屋根材の水上側の表面との間にできる隙間における開口から奥方への方向に、固着具の引抜・打設方向を近づけることができ、つまり固着具の引抜・打設施工を上記隙間の開口からの作業にて容易に行わせることができ、したがって、上記屋根材の葺設構造では屋根材の取替施工を容易に行わせることができるのである。
【0022】
また、本発明の請求項2記載の発明にあっては、上記屋根材に、太陽光を受光して発電する太陽電池を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材を用いたので、しばしば故障などで取替の必要が生じる太陽電池内蔵屋根材も容易に取替可能にでき、すなわち請求項1の効果である屋根材の取替容易化の利益を特に享受することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示す要部の側面断面図である。
【図2】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【図3】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【図4】従来技術の例を示す斜視図である。
【図5】従来技術の他例を示す斜視図である。
【図6】従来技術の更に他例を示す側面断面図である。
【図7】同上の要部の側面断面図である。
【図8】同上の屋根材の取替施工を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 野地
2 屋根材
2a 太陽電池内蔵屋根材
3 受金具
4 固着具
5 連結具
6 支持金具
7 固着具打設面
10 被係止部
11 溝部
12 係止片
15 収納用溝部
Claims (2)
- 野地の上に載せた屋根材の水上側の表面に受金具を配置し、受金具の上から釘等の固着具を屋根材に通して野地に打設し、上段に配置した屋根材の水下側の裏面を受金具の上に積層して載設し、上段の屋根材の水下側の端面に当接させてビス等の連結具にて固定させた支持金具を受金具の水下側端部に引っ掛け係止してなる屋根材の葺設構造において、屋根の傾斜よりも急勾配にした固着具打設面を受金具に形成し、固着具を固着具打設面に対して略直交させ且つ野地面に対して斜めに打設したことを特徴とする屋根材の葺設構造。
- 上記屋根材に、太陽光を受光して発電する太陽電池を屋根材本体に内蔵してなる太陽電池内蔵屋根材を用いたことを特徴とする請求項1記載の屋根材の葺設構造。
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JP2012077475A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Kmew Co Ltd | 屋根付加設備の支持具及び屋根付加設備の施工構造 |
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- 2002-08-27 JP JP2002246738A patent/JP2004084304A/ja not_active Withdrawn
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