JP2003267456A - 酸素吸収性密封容器の膨れ防止方法 - Google Patents

酸素吸収性密封容器の膨れ防止方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】内側より熱可塑性樹脂からなるシーラント
層、鉄粉を主剤とした脱酸素剤を配合した熱可塑性樹脂
組成物からなる酸素吸収層、及び、蒸着フィルムまたは
金属箔からなるガスバリア層からなる酸素吸収多層フィ
ルムを少なくとも一部に使用してなる酸素吸収性保存容
器に、硫化物含有物品を、収納し加熱処理する。 【効果】酸素吸収樹脂層に配合した鉄系酸素吸収剤から
水素が発生しないので、容器や袋の形状又は外観が膨ら
むことが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封された物品の
風味劣化や色調変化を防止して、物品を長期にわたって
保存する方法に関する。詳しくは、酸素吸収性保存容器
に物品を収納し加熱処理してなる密封容器が膨れ変形す
ることを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品や医薬品等を脱酸素保存する
技術の一つとして、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を配合し
た樹脂組成物からなる酸素吸収層を配した、脱酸素機能
を備えた多層体材料からなる包装容器、すなわち脱酸素
容器の開発が行われていて、保存安定性に優れた包装材
料として各種の用途に用いられる。
【0003】脱酸素機能を備えた多層体材料は、通常、
酸素吸収樹脂組成物を配した酸素吸収層を中間層とし、
外側にガスバリア性のガスバリア層、内側に酸素透過性
の内層(シーラント層)を備えた酸素吸収多層フィルム
で構成される。酸素吸収多層フィルムの酸素吸収層に
は、酸素吸収剤が熱可塑性樹脂に配合された酸素吸収樹
脂組成物が使用される。酸素吸収剤には、通常、鉄系の
酸素吸収剤が使用される。また、ガスバリア層にはガス
バリア性を有する材料が使用されるが、ガスバリア性能
の高い材料としては、金属箔、あるいは、シリカ、アル
ミもしくはアルミナ等を蒸着した蒸着フィルムが知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸素吸収剤に
鉄系の酸素吸収剤を使用し、ガスバリア層に金属箔また
は蒸着フィルムを使用した酸素吸収多層フィルムを使用
してなる酸素吸収性保存容器に物品を収納し加熱処理し
てなる密封容器において、容器の膨れ変形が見られる場
合があった。容器の膨れ変形は、物品包装体としての商
品価値を下げるという点で問題となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
のメカニズムについて詳細に検討した結果、鉄と水分が
加熱により反応して水素が生成し、生成した水素がガス
バリア性能の高いガスバリア層で遮断されて容器内に蓄
積して容器の膨れが発生すること、かつ水素の生成が、
収納される物品が硫化物含有物品である場合に抑制され
る現象を見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、内側より熱可塑性樹
脂からなるシーラント層、鉄系酸素吸収剤を配合した熱
可塑性樹脂組成物からなる酸素吸収樹脂層、及びガスバ
リア性物質からなるバリア層からなる酸素吸収多層フィ
ルムを少なくとも一部に使用してなる酸素吸収性容器
に、硫化物含有物品を密封し、加熱する方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、内側より熱可塑性樹脂
からなるシーラント層、鉄粉を主剤とした脱酸素剤を配
合した熱可塑性樹脂組成物からなる酸素吸収層、及び、
蒸着フィルムまたは金属箔からなるガスバリア層からな
る酸素吸収多層フィルムを少なくとも一部に使用してな
る酸素吸収性保存容器に物品を収納し加熱処理してなる
密封容器において、収納される物品が硫化物含有物品で
あることを特徴とする、酸素吸収性密封容器の膨れ防止
方法である。本発明は、容器や袋の形状又は外観を保つ
上できわめて重要である。
【0008】本発明の酸素吸収性保存容器に使用される
酸素吸収多層フィルムは、内側表面から順に、熱可塑性
樹脂からなるシーラント層、鉄系酸素吸収剤を配合した
熱可塑性樹脂からなる酸素吸収樹脂層、ガスバリア性物
質からなるガスバリア層の少なくとも3層が積層された
酸素吸収性の多層フィルムである。
【0009】本発明の酸素吸収樹脂層は、鉄系酸素吸収
剤を配合した熱可塑性樹脂からなる。鉄系酸素吸収剤
は、公知の鉄粉系酸素吸収剤が用いられる。鉄粉には、
特に制限はなく、還元鉄粉、噴霧鉄粉、電解鉄粉が用い
られる。また、鉄系酸素吸収剤に用いる鉄粉の粒径は、
酸素吸収層の厚みを薄くするために細かい方がよく、平
均粒径は1〜150μmが好ましく、5〜100μmが
特に好ましい。
【0010】鉄系酸素吸収剤としては、前記した鉄粉と
ハロゲン化金属からなる組成物が好ましい。ハロゲン化
金属は鉄粉の酸素吸収反応に触媒的に作用するものであ
る。ハロゲン化金属としては、例えば、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属の塩化物、臭化物又はヨウ化物が用
いられ、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム又はバリウムの塩化物又はヨウ化物が好
ましく用いられる。ハロゲン化金属の配合量は、鉄粉1
00重量部当たり好ましくは0.1〜20重量部、より
好ましくは0.1〜5重量部である。
【0011】ハロゲン化金属は、鉄粉を主剤とした酸素
吸収剤の必須成分として鉄粉とともに使用されるが、鉄
粉に付着して容易に分離しないよう予め混合して添加す
ることが好ましい。例えば、ボールミル、スピードミル
等を用いてハロゲン化金属と鉄粉を混合する方法、鉄粉
表面の凹部にハロゲン化金属を埋め込む方法、バインダ
ーを用いてハロゲン化金属を鉄粉表面に付着させる方
法、ハロゲン化金属水溶液と鉄粉を混合した後乾燥して
鉄粉表面に付着させる方法等の方法がとられる。好まし
い鉄系酸素吸収剤は、鉄粉とハロゲン化金属を含む組成
物であり、特に好ましくは、鉄粉にハロゲン化金属を付
着させたハロゲン化金属被覆鉄粉からなる酸素吸収剤で
ある。本発明の酸素吸収性樹脂組成物には、鉄粉及びハ
ロゲン化金属以外の成分を配合することもできる。例え
ば、アルカリ物質を添加することにより鉄系酸素吸収剤
の水素発生の抑制作用を高めることができるが、鉄系酸
素吸収剤の酸素吸収をも阻害するため、その量は制限さ
れる。
【0012】本発明の酸素吸収樹脂層は、熱可塑性樹脂
に鉄系酸素吸収剤を配合することにより製造される。本
発明において熱可塑性樹脂に鉄系酸素吸収剤を配合する
量は、酸素吸収性樹脂組成物中、鉄系酸素吸収剤10〜
80重量%、好ましくは15〜70重量%となる量であ
る。この範囲より多いと、樹脂組成物の加工性に問題が
生じ、少ないと酸素吸収性能が低下する。
【0013】本発明における鉄系酸素吸収剤を配合する
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが好ましく用い
られる。ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及
び高密度ポリエチレンに例示されるポリエチレン類、ポ
リプロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体及びプロピレン−エチレンランダム共重合
体に例示されるポリプロピレン類、メタロセンポリエチ
レンやメタロセンポリプロピレン等のメタロセン触媒に
よるポリオレフィン類、ポリメチルペンテン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体やエチレン−αオレフィン共重合
体に例示されるエラストマー類あるいはこれらの混合物
が挙げられる。この中では、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合
体、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又
はメタロセンポリエチレンが特に好ましい。
【0014】本発明の酸素吸樹脂組成物を酸素吸収樹脂
層とし、容器外側にガスバリア層、容器内側に酸素透過
性でヒートシール性の内層(シーラント層)を配するこ
とにより、脱酸素機能を備えた脱酸素性多層体が構成さ
れる。
【0015】本発明において、シーラント層に用いる樹
脂としては、ポリオレフィンが好ましく用いられる。ポ
リオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリ
エチレンに例示されるポリエチレン類、ポリプロピレン
ホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体
及びプロピレン−エチレンランダム共重合体に例示され
るポリプロピレン類、メタロセンポリエチレンやメタロ
センポリプロピレン等のメタロセン触媒によるポリオレ
フィン類、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体やエチレン−αオレフィン共重合体に例示され
るエラストマー類あるいはこれらの混合物が挙げられ
る。この中では、プロピレン−エチレンランダム共重合
体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、低密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はメタロセン
ポリエチレンが特に好ましい。
【0016】シーラント層に用いる樹脂と酸素吸収層に
使用する熱可塑性樹脂は、上記の熱可塑性樹脂であれ
ば、異なっていても良いが、同種のものが接合性が高い
ので好ましい。酸素吸収樹脂層またはシーラント層に
は、酸化チタン、スリップ剤、酸化防止剤、消泡剤、活
性炭等の添加物を添加してもよい。
【0017】本発明において、ガスバリア層は、包装容
器とした場合に容器外部から侵入する酸素を遮断する層
である。中でも、ガスバリア層として、アルミ箔等の金
属箔、または、シリカ、アルミナもしくはアルミニウム
を蒸着した蒸着フィルムを使用した場合、ガスバリア性
が高く酸素吸収層から発生した水素がこの層を透過しな
いため、水素がシーラント側に集中的に移行する。した
がって、水素抑制効果が特に重要であるのは、ガスバリ
ア層として、アルミ箔等の金属箔、または、シリカ、ア
ルミナもしくはアルミニウムを蒸着した蒸着フィルムを
使用した場合である。
【0018】また、ガスバリア層の破損やピンホールの
発生を防ぐために、バリア層の外側表面に熱可塑性樹脂
からなる保護層を設けることが好ましい。保護層に用い
る樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン等のポリ
エチレン類、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体等のポリプロピレン類、ナイロン6、ナイロ
ン6,6等のポリアミド類、さらに、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル類およびこれらの組合せが
挙げられる。
【0019】本発明において、物品を収納する酸素吸収
性保存容器は、前記酸素吸収多層フィルムを少なくとも
一部に使用してなる脱酸素機能を備えた容器である。容
器形態に制限はなく、三方シール袋、四方シール袋、ス
タンディングパウチ、注ぎ口付パウチ等の袋が挙げられ
る。前記酸素吸収多層フィルムをカップ、トレイ、ボト
ル等のバリア性容器の部材、蓋材として使用してもよ
い。
【0020】本発明において収納される物品は、硫化物
含有物品である。硫化物含有物品は、食品では、たんぱ
く質やシスチン、シスチィン、メチオニン等の含硫アミ
ノ酸を含んだ食品が挙げられる。例えば、野菜類では、
アスパラガス、グリンピース、マッシュルーム、スィー
トコーン、カリフラワー等、水産物では、マグロ、サ
ケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、カニ、エビ、イカ、
タコ、アサリ、ホタテ貝、アワビ、ウニ、イクラ、クジ
ラ、蒲鉾等の水産練り製品、畜産物では鶏肉、コンビー
フ、牛肉、卵、うずらの卵、ハム、ソーセージ等、粥、
無洗米、調湿米、米飯等の米製品が挙げられる。これら
食品は、組み合わせや加工調理品でもよく、例えばコー
ンを含んだコーンスープ、アサリ、マッシュルーム、ツ
ナ、カニ等を含んだクリームソース、ツナ・鶏肉等を含
んだペットフード等が挙げられる。
【0021】本発明においては、酸素吸収性保存容器に
硫化物含有物品を収納して密封容器とした後、加熱処理
をする。加熱処理とは、ボイル処理やレトルト殺菌処理
等の公知の加熱処理が含まれる。本発明の方法は、物品
の品質を良好に保ち、脱酸素保存中の水素発生量を抑制
するため、容器や袋の形状又は外観が損なわれることを
防ぎ、物品包装体としての商品価値を維持するものであ
る。
【0022】
【実施例】本発明を実施例に沿ってさらに詳しく説明す
る。尚、本発明は実施例に必ずしも限定されない。
【0023】[実施例1]平均粒径30μmの鉄粉10
00kgを加熱ジャケット付き真空乾燥機中に投入し、
10mmHgの減圧下140℃で混合しつつ、塩化カル
シウム50重量%水溶液50kgを噴霧し、乾燥した
後、篩い分けし粗粒を除き、平均粒径30μmの鉄系酸
素吸収剤を得た。次に、ベント付き二軸押出機を用い
て、プロピレン系共重合体(チッソ(株)製エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体、商品名F8090)を押出
しながら、サイドフィードにて鉄系酸素吸収剤及び酸化
カルシウムを供給し、プロピレン系共重合体:鉄系酸素
吸収剤:酸化カルシウム=58:40:2重量比となる
ように、混練し、ストランドダイから押し出した後、冷
却、ペレタイザーにてペレット化し、酸素吸収性樹脂組
成物Aを得た。
【0024】次いで、2台の単軸押出機、Tダイ、冷却
ロール、スリッター及び巻取機からなるタンデム押出ラ
ミネーター装置を用い、繰り出される無延伸ポリプロピ
レンフィルム60μm(東レ合成(株)製、商品名ZK9
3FM)に酸素吸収層として、酸素吸収樹脂組成物Aを
厚さ30μmで押出ラミネートし、酸素吸収層表面をコ
ロナ放電処理した。コロナ放電処理した面に厚さ7μm
のアルミ箔、厚さ15μmのナイロンフィルム及び厚さ
12μmのPETフィルムをウレタン系接着剤を用いて
順次ドライラミネートし、酸素吸収多層フィルムを得
た。得られた酸素吸収多層フィルムの構成は、無延伸ポ
リプロピレン60μm/酸素吸収層30μm/アルミ箔
7μm/ナイロン15μm/PET12μmであった。
【0025】前記酸素吸収多層フィルムを折り畳んで無
延伸ポリプロピレン面同士をヒートシールし、内寸15
0mm×200mmの三方シール酸素吸収性袋を作製し
た。
【0026】作製した袋に、ヘッドスペース空気4cc
となるようにコーンスープ150gを充填、ヒートシー
ルにより密封し、124℃で20分間加熱した後、40
℃下に保存した。保存30日目にコーンスープの風味評
価、袋内部のガス分析及び袋の外観検査を行った。その
結果、コーンスープの風味が良好に保持されており、袋
内部の酸素濃度0.01%未満、水素濃度0.7%、炭
酸ガス濃度0.1%、窒素ガス濃度99.2%であっ
た。また、袋の外観に膨れ等の異常はなかった。
【0027】[実施例2]実施例1で作製した酸素吸収
フィルムの酸素吸収層の外側に全面印刷を施した厚さ1
5ナイロン及びアルミナ蒸着PET(凸版印刷(株)製、
商品名GL)をウレタン系接着剤を用いて順次ドライラ
ミネートし、無延伸ポリプロピレン50μm/酸素吸収
層30μm/ナイロン15μm全面印刷/アルミナ蒸着
PET12μmの構成の酸素吸収多層フィルムを得た。
鶏肉・ツナ入りペットフードを内容物とした以外は実施
例1と同様にして加熱、保存した。保存30日目にペッ
トフードの風味評価及び袋内部のガス分析、袋の外観検
査を行った。その結果、ペットフードの風味が良好に保
持されており、袋内部の酸素濃度0.01%未満、水素
濃度0.5%、炭酸ガス濃度0.3%、窒素ガス濃度9
9.2%であった。また、袋の外観に膨れ等の異常はな
かった。
【0028】[実施例3]酸素吸収多層フィルムの無延伸
ポリプロピレンを直鎖状低密度ポリエチレンフィルムに
替えた他は実施例2と同様にして直鎖状低密度ポリエチ
レン50μm/酸素吸収層30μm/ナイロン15μm
全面印刷/アルミナ蒸着PET12μmの構成の酸素吸
収多層フィルムを得た。内容物を調湿米150gとし、
袋内空気を12ccとなるようにして密封し、90℃・
30分間のボイル処理を行った以外は実施例1と同様に
して加熱、保存した。保存30日目に調湿米の風味評価
及び袋内部のガス分析、袋の外観検査を行った。その結
果、調湿米の風味が良好に保持されており、袋内部の酸
素濃度0.01%未満、水素濃度0.4%、炭酸ガス濃
度0.1%、窒素ガス濃度99.5%であった。また、
袋の外観に膨れ等の異常はなかった。
【0029】[実施例4]実施例1で作製した酸素吸収
性袋に、85℃、20分のボイル処理したツナ100g
とだし汁(ノンオイル)50gを密封し、121℃で4
0分間加熱した後、40℃下に保存した。保存30日目
に袋内部のガス分析及び内容物の色調、風味評価を行っ
た。その結果、袋内部のガス濃度は、酸素0.1%未
満、水素0.6%、炭酸ガス0.3%、窒素99.1%
であり、袋の膨張は無かった。また、ツナの色調、風味
は良好に保持されていた。
【0030】[実施例5]実施例1で作製した酸素吸収
フィルムを一方の面に用い、他方の面にアルミナ蒸着ポ
リエチレンテレフタレートフィルム12μm/ナイロン
15μm/無延伸ポリプロピレン70μmからなる透明
バリアフィルムを用いて作成した袋に、生のカニ100
gを充填後、脱気し、空気を5cc以下として密封した
以外は実施例1と同様にして加熱、保存した。保存30
日目に袋内部のガス分析及び内容物の色調、風味の評価
を行った。その結果、袋内部のガス濃度は、酸素0.1
%未満、水素0.4%、炭酸ガス0.5%、窒素99.
0%であり、袋の膨張は無かった。また、カニの色調、
風味は良好に保持されていた。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、酸素吸収樹脂層
に配合した鉄系酸素吸収剤から水素が発生することを防
ぐので、水素が容器内に蓄積して容器や袋の形状又は外
観が膨らむことが防止され、また、内容物に異臭を与え
ることもない。
【0032】本発明の方法は、酸素吸収層に鉄粉を主剤
とした脱酸素剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を使用
し、ガスバリア層にガスバリア性の高い蒸着フィルムま
たは金属箔を使用した酸素吸収多層フィルムを少なくと
も一部に使用してなる酸素吸収性保存容器に物品を収納
し加熱処理する場合において、水素発生を抑制し、安定
した長期保存性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 友孝 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 伊東 芳樹 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 岡田 聡史 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 BA12A BB14A BB25A BB26A CA04 EA06 EE25 EE31 FA01 FB12 GB13 GB20 GC02 4F100 AB02H AB10 AB33 AB33C AK01A AK01B AK01C AK07 AK42 AK48 AK51 AK64 AL03 AT00C BA03 BA07 CA09B DE01H EH23 EH66C EJ55 JB16A JB16B JD02C JD03B JD14B JL12A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側より熱可塑性樹脂からなるシーラント
    層、鉄粉を主剤とした脱酸素剤を配合した熱可塑性樹脂
    組成物からなる酸素吸収層、及び、蒸着フィルムまたは
    金属箔からなるガスバリア層からなる酸素吸収多層フィ
    ルムを少なくとも一部に使用してなる酸素吸収性保存容
    器に物品を収納し加熱処理してなる密封容器において、
    収納される物品が硫化物含有物品であることを特徴とす
    る、酸素吸収性密封容器の膨れ防止方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の酸素吸収多層フィルムのガ
    スバリア層が、シリカ、アルミナもしくはアルミを蒸着
    した蒸着フィルムであることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
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