JP2003265324A - 製パン機 - Google Patents

製パン機

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JP2003265324A
JP2003265324A JP2002071116A JP2002071116A JP2003265324A JP 2003265324 A JP2003265324 A JP 2003265324A JP 2002071116 A JP2002071116 A JP 2002071116A JP 2002071116 A JP2002071116 A JP 2002071116A JP 2003265324 A JP2003265324 A JP 2003265324A
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Japan
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bread
making
temperature
kneading
cooling
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JP2002071116A
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Ikuko Tanaka
郁子 田中
Yoshitaka Kawasaki
良隆 川崎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Manufacturing And Processing Devices For Dough (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製パン時の雰囲気温度や機器温度などの環境
温度条件に左右されず、食感と風味に優れたパンを安定
的に製造できる製パン機を提供する。 【解決手段】 製パン材料を混捏する工程と発酵させる
工程の少なくとも一方で製パン材料を冷却する送風機9
などの冷却手段を配備する。これにより、パンの品質を
左右するグルテン生成と有機酸生成とを決定づける混捏
時および発酵時に、パン材料の温度を最適制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製パン機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭で、自動制御によって製
パンできる製パン機が利用されるようになってきた。こ
の種の製パン機では、加熱手段を備えた容器内にパン材
料(小麦粉、水と砂糖、食塩、バター、脱脂粉乳などの
副材料およびイースト)を投入し、スタートスイッチな
どをオンすると、自動的に混捏・発酵・焼成が行われ、
パンが仕上げられる。
【0003】その際の混捏工程においては、パン材料が
十分に練り上げられ、それにより小麦粉に含まれる蛋白
質が結合して、粘稠な組織体(以下、これをグルテンと
呼ぶ)が生成される。次の発酵工程においては、イース
トの作用によって、小麦粉および砂糖から二酸化炭素等
のガスが発生してパン生地が内部から膨化され、パンの
組織構造が形成されると同時に、小麦粉および砂糖(以
下、単に糖と呼ぶ)からアルコール、また糖から乳酸等
の有機酸が生成され、パンの構造と風味が形成される。
最後の焼成工程においては、前段の発酵工程で形成され
たパン構造が加熱昇温によって焼き上げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、出来の良い
おいしいパンとは、外形が整い、内部のキメが細かく孔
間の膜が薄く、こういった組織構造により舌触りのソフ
トさと弾力ある食感が得られるものであって、かつ風味
の良好なものとされている。そして、このような出来の
良いパンを焼き上げるには、グルテンが十分に生成され
て内部にガスを保持する保持力があること、また、イー
ストにより小麦粉や糖からガス発生とアルコール生成と
が十分になされて膨化力が高いこと、および糖から有機
酸生成が十分になされて風味あるパン生地が作られるこ
と、などが重要になる。そして、これらを実現するため
のポイントは各工程の温度管理にある。
【0005】混捏の工程においては、25〜28℃の温
度条件下で十分に練ることが望ましく、それによりグル
テンがよく生成されて、次の発酵工程で発生する二酸化
炭素等のガスを内包して膨張し、ボリュームのあるパン
となり得る。しかしこの混捏の工程では僅かながら温度
の上昇(8〜10℃/20分)が生じ、室温が高い場合
や、製パン機の再使用時など、スタート時の温度が高い
場合には、グルテン生成に最適な温度を越えてしまうこ
とにもなる。この傾向は外気温が高い夏期などに見ら
れ、グルテンが十分に生成されないうちに二酸化炭素等
のガスの発生が進み、膨化が十分なされないことにもな
る。この現象は、パン材料を製パン容器に投入してお
き、実際の製パン操作を所定時間後に行うように予約す
る、いわゆるタイマー制御を行うときに特に起こりがち
である。しかし、この工程で積極的に冷却を行なう冷却
手段を備えた一般家庭用自動製パン機はこれまでなく、
温度が高い場合には、製パン容器の外壁からの自然放熱
に頼るか、もしくは温度上昇で促進されるイースト発酵
を抑えるように操作時間を短縮する制御を行なうこと
で、二酸化炭素等のガス発生を適度に抑え、パン生地の
過剰な膨化、ガス抜けを抑えているのが現状である。
【0006】また、混捏の後に行われる発酵の工程にお
いては、27〜28℃程度の比較的低温で長時間発酵さ
せるのが望ましく、それにより適度な熟成を達成でき
る。この発酵工程での温度が高い場合には、図4に示す
ように、二酸化炭素の発生が増加しボリュームを得るに
は良好であるが、良好な風味を示す有機酸の乳酸が減少
し、代わりに異臭の因となる酪酸や酢酸の生成が増加す
る傾向となる。このためこの発酵の工程でも、イースト
発酵を抑えるように操作時間を短縮する制御を行なうこ
とによって、ボリュームと風味の妥協点で操作を終了さ
せているのが現状である。
【0007】本発明は上記問題を解決するもので、パン
の品質を決定する主要な因子である温度管理を最適なら
しめ、食感と風味に優れたパンを作り得る製パン機を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、製パン材料を混捏する工程と
発酵させる工程の少なくとも一方で製パン材料を冷却す
る冷却手段を備えたことを特徴とする。
【0009】また請求項2記載の発明は、製パン機を、
製パン材料を加熱する加熱手段と、製パン材料を混捏す
る混捏手段と、製パン材料の温度を検知する温度検知手
段と、製パン材料を冷却する冷却手段とを備えた構成と
したことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の製
パン機において、冷却手段は、製パン材料を混捏する工
程と発酵させる工程の少なくとも一方で、温度検知手段
が検知する温度またはその温度変化に応じて動作するよ
うに構成したことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項
3のいずれかに記載の製パン機において、冷却手段は、
製パン材料を30℃以下の所定温度範囲に維持するよう
に冷却することを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項
4のいずれかに記載の製パン機において、製パン材料の
加熱または冷却または温度検知の際に、製パン材料自
体、製パン材料を収容した製パン容器、または前記製パ
ン容器を収容した焼成室内の内部を動作対象としたこと
を特徴とする。
【0013】上記した各発明の構成により、パンの品質
を決定する食感(外形の形状および内部の組織構造によ
る)と風味(イースト発酵で生成する乳酸による味と香
り)とを決定づける混捏時および発酵時に、パン材料の
温度を最適制御することが可能になり、風味豊かで食感
も良好なパンを家庭で自動焼き上げすることが可能にな
った。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項5記載の製
パン機において、混捏および発酵の工程で製パン容器の
外面温度を低下させるよう冷却手段を動作させることを
特徴とするもので、製パン容器を介して容易に製パン材
料の温度を最適制御することができ、パンの食感と風味
を高品位なものとすることができる。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項5または請
求項6のいずれかに記載の製パン機において、製パン材
料の投入に先だって製パン容器の外面温度を低下させる
よう冷却手段を動作させることを特徴とするもので、雰
囲気温度や機器の連続使用による残熱の影響を、製パン
容器を介して容易に解消することができ、いつでも何度
でも、安定した品位のパンを焼き上げ可能である。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項5〜請求項
7のいずれかに記載の製パン機において、製パン材料の
投入後、混捏工程に移行するまでの待機時に、製パン容
器の外面温度を低下させるよう冷却手段を動作させるこ
とを特徴とするもので、特にタイマー制御にて製パンす
る際の待機時の過昇温を、製パン容器を介して容易に抑
制することができ、安定した品位のパンを焼き上げ可能
である。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項5〜請求項
8のいずれかに記載の製パン機において、冷却手段が、
製パン容器の外面に接触するよう焼成室内に外気を吸引
しつつ、焼成室内の空気を外部へ排出する吸排気手段で
あることを特徴とするもので、製パン容器の外面に接触
する気流によって製パン材料の過昇温を簡易かつ適切に
抑制できる。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
製パン機において、吸排気手段による外気吸引流路に冷
気発生手段を配置したことを特徴とするもので、雰囲気
温度にかかわらず常に最適な温度条件を維持確保するこ
とが可能である。よって、所望のときに遅滞なく確実
に、高品位のパンを焼き上げすることが可能である。
【0019】請求項11記載の発明は、製パン材料を混
捏し、発酵させ、焼成する製パン機に、前記製パン材料
を混捏する工程と発酵させる工程の少なくとも一方で製
パン材料を冷却する冷却ステップを実行させるためのプ
ログラムである。
【0020】請求項12記載の発明は、請求項11記載
のプログラムを記録した記録媒体である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1におけ
る製パン機の構成を示す断面図である。この製パン機は
一般家庭用のもので、製パン材料を混捏し、発酵させ、
焼成する。図中、1は製パン機の本体、2は本体1の内
部に設けられた焼成室、3は焼成室2を開閉可能に本体
1の上部に配置された蓋部である。本体1,蓋部3と
も、断熱性を有するように内外二重構造に作成されてい
る。
【0022】焼成室2内には、製パン材料を収容するパ
ンケース4が脱着自在に配備されており、パンケース4
の上方の蓋部3には、パンケース4内にイーストを投入
するためのイースト投入部3aが設けられている。パン
ケース4内には、製パン材料を混練する練り羽根5が回
転自在に配備されている。この練り羽根5は、パンケー
ス4の装着に伴って本体1外部の駆動源6に連結される
ようになっている。パンケース4の外部には、製パン材
料を加熱する熱源としてのヒータ7が、パンケース4の
下部をやや離れて取り巻くようにリング状に設置される
とともに、パンケース4の外表面に接触して温度を検知
する検温部8が設置されている。
【0023】焼成室2内におけるパンケース4の側方に
は、送風機9が設置されている。この送風機9は、本体
1の内壁,外壁間の間隙を上下に仕切る仕切板10の下
方に設置されており、その送風口は本体1の内壁に開口
し、吸気口は本体1の内壁,外壁間の間隙内に開口して
いる。この送風機9の近傍の本体1の外壁に外気取り入
れ用の吸気口11が形成され、またパンケース4の上部
側方であって仕切板10より上方の内壁,外壁に排気口
12が形成されていて、それにより、吸気口11〜送風
機9〜焼成室2〜排気口12という空気流路が形成され
ている。
【0024】イースト投入部3a,駆動源6,ヒータ
7,検温部8,送風機9は、図示を省略した信号ライ
ン,制御ラインによって制御部13に接続されている。
この制御部13は、製パンのためのプログラムや制御条
件などを予め記憶した記録媒体を有していて、本体1の
外面に設置された入力部14からの設定を受け付けて、
検温部8からの温度情報を参照しつつ、駆動源6,ヒー
タ7,送風機11,イースト投入部3aなどを駆動制御
するものである。
【0025】上記製パン機における自動製パンフロー
を、図2を参照しながら説明する。パンケース4にイー
スト以外の製パン材料(小麦粉、水、砂糖、バターな
ど)を投入し(S21)、入力部14に焼き上がり時刻
や好みのパン仕様(たとえば食パン、フランスパン)等
を入力する。このことにより、制御部13が動作を開始
し、駆動源6,ヒータ7,送風機11を以下のように駆
動制御する。
【0026】まず、焼き上がり時刻に見合った所定時刻
に駆動源6を運転開始させ、練り羽根5を20分程度回
転させて製パン材料を混捏し(S22:第1混捏工
程)、イースト投入部3aからのイースト投入(S2
3)の終了後に、練り羽根5を回転停止させて製パン材
料を20分程度静置し(S24:ねかし工程)、その後
に再び練り羽根5を20分程度回転させて製パン材料を
混捏し(S25:第2混捏工程)、それによりパン生地
を作る。
【0027】その際に、各工程(S22〜S25)にお
いて、検温部8で検出されるパンケース4の温度が所定
値(25〜28℃付近)となるように、必要に応じてヒ
ータ7を動作させる。また所定値(25〜28℃付近)
より高すぎる場合には、送風機9を動作させて、本体1
外の低温空気を焼成室2内に取り入れてパンケース4の
外面に吹き付け、それにより熱交換して昇温した空気を
本体1外へ放出する、という冷却の操作(C31:温調
1)を行う。これにより、パン生地を低い温度で上記し
たように十分時間混捏することが可能になり、グルテン
の生成を促し得る。
【0028】混捏の工程が終了したら、練り羽根5を約
60分間、停止させてパン生地を発酵・熟成(S26:
第1発酵)させ、次いで練り羽根5を軽く数回回転させ
てパン生地中の大きな気泡を除去する(S27:ガス抜
き)。これを繰り返し行い(S28:第2発酵/S2
9:ガス抜き/S30:第3発酵/S31:ガス抜
き)、最後に練り羽根5を停止させて、パン生地を発酵
させつつ膨化させる(S32:整形発酵)。
【0029】その際に、各工程(S26〜S32)にお
いて、検温部8で検出されるパンケース4の温度が所定
値(27〜28℃程度)となるように、必要に応じてヒ
ータ7を動作させる。また所定値(27〜28℃程度)
より高すぎる場合には、送風機9を動作させて、本体1
外の低温空気を焼成室2内に取り入れてパンケース4の
外面に吹き付け、それにより昇温した空気を本体1外へ
放出する、という放熱の操作(C32:温調2)を行
う。このことにより、パン生地を、風味を導く乳酸の生
成が多い低温領域で上記した十分時間保持しながら、二
酸化炭素の発生を促すことが可能になり、先の混捏の工
程で十分に生成されたグルテンのガス保持力を基に、ボ
リュームを確保できる。
【0030】最後に、整形発酵(S32)の工程で第1
混捏工程(S22)時の容積の3〜4倍容積まで膨化し
たパン生地を、ヒータ7の動作によって150℃前後ま
で昇温(S33:焼成)させ、パンとして焼き上げる。
【0031】このようにして焼き上げられたパンは、グ
ルテン、乳酸、二酸化炭素とも十分に生成されているた
め、食感および風味の優れたものとなる。なお、温度測
定は、上記したようにパンケース4の外面で行なうのが
簡便である。実際のパン生地の温度とパンケース4の外
面温度との相関を明らかにし、パンケース4の外面温度
に基く検温部8の制御設定温度を決定することで、実際
のパン生地を最適な条件で温度制御することができる。
焼成室2内の温度を測定する場合も同様である。
【0032】入力部14に入力する焼き上がり時刻によ
っては、実際の製パン動作(たとえば図2に示すような
制御動作)までに待機時間があるので、そのような待機
時間にも検出温度に応じて送風機9を動作させるように
構成しておくのが有効である。それにより、実際の製パ
ン動作を開始した時に、グルテンの生成を促し、パン生
地の軟化、膨化不十分を防止することができる。
【0033】また、製パンを連続して行う場合には、製
パンの初期段階、すなわち製パン材料の投入前か投入直
後のタイミングで送風機9を動作させるように構成して
おくのが有効である。そのようにしてパンケース4や焼
成室2を放熱しておくことで、前回の製パンの残熱の影
響を解消することができ、常に高品質なパンを得ること
が可能になる。 (実施の形態2)図3は、本発明の実施の形態2におけ
る製パン機の構成を示す断面図である。この製パン機は
上記実施の形態1の製パン機とほぼ同様の構成を有して
いるが、冷気発生手段としての冷風機15が送風機9の
近傍に設けられている点が相違している。冷風機15
は、熱電子(ペルチェ)作用によって接触空気を冷却す
るものである。
【0034】すなわち、焼成室2内におけるパンケース
4の側方に、送風機9が設置されている。この送風機9
は、本体1の内壁,外壁間の間隙を上下に仕切る仕切板
10の下方に設置されていて、その送風口9aは本体1
の内壁に開口し、吸気口(図示せず)は本体1の内壁,
外壁間の間隙内に開口している。ただし、送風機9の下
方の本体1の内壁に焼成室2内の空気を取り入れるため
の吸気口16が形成され、吸気口16の近傍の本体1の
外壁に上記した冷風機15が取り付けられていて、吸気
口16〜送風機9(冷風機15)〜焼成室2〜吸気口1
6という空気流路が形成されている。
【0035】そして、実施の形態1と同様にして行なわ
れる混捏の工程や発酵の工程において、検温部8で検出
されるパンケース4の温度が所定値より高すぎる場合
に、送風機9,冷風機15を動作させて、冷風機15で
冷却された低温空気を焼成室2内に取り入れてパンケー
ス4の外面に吹き付け、それにより昇温した空気を再び
冷風機15で冷却させる、という冷却の操作を行うよう
に構成されている。このような冷却操作によれば、微少
な温度差でも影響が顕著に現れる混捏や発酵の工程での
温度制御を、外気温度が30℃を越えるような環境にお
いても高精度に行える。
【0036】表1に、上記した製パン機において冷却操
作の「有」または「無」の状態で得られたパンのできば
えを示す。パン(食パン)の膨化状態(高さ)と風味を
○(良好)、△(やや劣る)、×(劣る)で評価した。
【0037】
【表1】 表1によれば、冷却操作を行なわなかった場合には、室
温26℃以下の雰囲気でも発酵温度(パンケースの温
度)は30℃を越え、そのため発酵時間はやや短い60
分となり(膨化特性を確保するためにその時点で停止せ
ざるを得ない/以下同様にして発酵時間を選択)、風味
はわずかに劣ると評価された。室温30℃前後になる
と、発酵温度が35℃付近まで上昇し発酵時間がより短
くなって、風味はやや劣り;室温32℃以上では、発酵
温度が35℃を越え発酵時間がさらに短くなって、風味
は完全に損なわれた。これに対して、室温32℃以上の
雰囲気で冷却操作を行なって発酵温度を27〜28℃に
維持した場合には、発酵時間を90分と長くすることが
でき、膨化高さはわずかに不満足であるものの、風味は
良好なパンを得ることができた。
【0038】この結果からわかるように、冷却操作によ
ってパン生地の過昇温を抑える温度制御を行うことによ
って、雰囲気温度に関わらず、パンの風味や品質を良好
かつ安定とする自動製パンが可能である。温度制御は、
風味に大きな影響を与える発酵工程で特に重要な意味を
持ち、表1からも明らかなように、30℃以下を目処に
制御するのが望ましいと言える。
【0039】この冷却操作は、外気などの温度条件によ
っては、冷風機15を有さない実施の形態1の製パン機
においても可能であり、上記と同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。冷風機15に代えて、たとえば水
の蒸発熱を利用する冷却手段や、冷水を循環させる冷却
手段、圧縮機と蒸発器を備えたヒートポンプサイクルを
用いた冷却手段など、他の冷却手段を任意に選択して用
いてもよく、いずれによっても上記と同様の効果を得る
ことができる。
【0040】また、上記した各実施の形態の製パン機で
は、本体1の内部で製パン材料の混捏、発酵、焼成を行
なうようにしたが、上記したようにして製パン材料の過
昇温を抑える冷却手段を、混捏工程、発酵工程、焼成工
程をそれぞれ独立した装置で行なう製パン機に具備する
ことも可能である。
【0041】さらに、製パン材料を加熱する際に、上記
したようにヒータ7によってパンケース4の周囲(した
がって焼成室2)を昇温させる他に、ヒータをパンケー
ス4に接触配置あるいは内蔵させてパンケース4を介し
て製パン材料を加熱したり、製パン材料の近傍にヒータ
を配置して製パン材料を直接に加熱してもよい。温度検
知手段をたとえばパンケース4の内面に設けて、製パン
材料自体の温度を検知するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の製パン機によれ
ば、焼成前の製パン材料の過昇温を冷却手段によって抑
制するようにしたため、風味豊かで食感も良好なパンを
自動焼き上げすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における製パン機の構成
を示す断面図
【図2】図1の製パン機による自動製パン工程のフロー
【図3】本発明の実施の形態2における製パン機の構成
を示す断面図
【図4】パンの出来ばえと発酵温度と成分生成量との関
係を説明する説明図
【符号の説明】
1 本体 2 焼成室 4 パンケース 5 練り羽根 6 駆動源 7 ヒータ 8 検温部 9 送風機 11 吸気口 12 排気口 13 制御部 15 冷風機 16 吸気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B031 CA09 CC09 CC19 CC27 CK10 CM03 4B040 AA03 AB05 AC01 AC15 AC16 AD07 AD12 AE04 AE05 CA05 CA18 NB03 NB08 NB14 NB24 4B053 AA01 BA12 BB02 BE04 BE13 BJ03 BJ07 BJ12 BL20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製パン材料を混捏する工程と発酵させる
    工程の少なくとも一方で製パン材料を冷却する冷却手段
    を備えた製パン機。
  2. 【請求項2】 製パン材料を加熱する加熱手段と、製パ
    ン材料を混捏する混捏手段と、製パン材料の温度を検知
    する温度検知手段と、製パン材料を冷却する冷却手段と
    を備えた製パン機。
  3. 【請求項3】 冷却手段は、製パン材料を混捏する工程
    と発酵させる工程の少なくとも一方で、温度検知手段が
    検知する温度またはその温度変化に応じて動作するよう
    に構成した請求項2記載の製パン機。
  4. 【請求項4】 冷却手段は、製パン材料を30℃以下の
    所定温度範囲に維持するように冷却する請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の製パン機。
  5. 【請求項5】 製パン材料の加熱または冷却または温度
    検知の際に、製パン材料自体、製パン材料を収容した製
    パン容器、または前記製パン容器を収容した焼成室内の
    内部を動作対象とした請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の製パン機。
  6. 【請求項6】 混捏および発酵の工程で製パン容器の外
    面温度を低下させるよう冷却手段を動作させる請求項5
    記載の製パン機。
  7. 【請求項7】 製パン材料の投入に先だって製パン容器
    の外面温度を低下させるよう冷却手段を動作させる請求
    項5または請求項6のいずれかに記載の製パン機。
  8. 【請求項8】 製パン材料の投入後、混捏工程に移行す
    るまでの待機時に、製パン容器の外面温度を低下させる
    よう冷却手段を動作させる請求項5〜請求項7のいずれ
    かに記載の製パン機。
  9. 【請求項9】 冷却手段が、製パン容器の外面に接触す
    るよう焼成室内に外気を吸引しつつ、焼成室内の空気を
    外部へ排出する吸排気手段である請求項5〜請求項8の
    いずれかに記載の製パン機。
  10. 【請求項10】 吸排気手段による外気吸引流路に冷気
    発生手段を配置した請求項9記載の製パン機。
  11. 【請求項11】 製パン材料を混捏し、発酵させ、焼成
    する製パン機に、前記製パン材料を混捏する工程と発酵
    させる工程の少なくとも一方で製パン材料を冷却する冷
    却ステップを実行させるためのプログラム。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のプログラムを記録し
    た記録媒体。
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