JP2003261815A - 無溶剤型艶消し塗膜形成用光硬化型塗料組成物 - Google Patents

無溶剤型艶消し塗膜形成用光硬化型塗料組成物

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JP2003261815A
JP2003261815A JP2002061737A JP2002061737A JP2003261815A JP 2003261815 A JP2003261815 A JP 2003261815A JP 2002061737 A JP2002061737 A JP 2002061737A JP 2002061737 A JP2002061737 A JP 2002061737A JP 2003261815 A JP2003261815 A JP 2003261815A
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meth
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Riyou Imami
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Gen Maintenance Technology Inc GMT
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GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光硬化型塗料組成物で、安定した艶消し、かつ
耐水性が良い塗膜を提供すること。 【解決手段】無溶剤光硬化型樹脂組成物(艶消し剤を含
まないビヒクル)がウレタンアクリレート樹脂と艶消し
剤を含有し、該無溶剤光硬化型樹脂組成物の粘度(v)
とビヒクルに対する艶消し剤(f)の添加量の割合(v
/f)が2.0〜40であることを特徴とする艶消し塗
膜形成用無溶剤光硬化型塗料組成物を使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規にして有用な
る、艶消し塗膜を形成する無溶剤光硬化型塗料組成物に
関する。特に艶消し性に優れた光硬化型の塗膜を形成す
る、改良された無溶剤光硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紫外線などの光エネルギ−線を塗
膜の硬化手段として用いた硬化法が、在来の熱硬化法や
自然乾燥法に比べて、塗膜の硬化を短時間で、かつ、低
温で行うことができること等から、急速に伸びて来てい
る。また、長期に渡って木材塗装の用途として使用され
てきたアミノ−アルキッド樹脂が、焼き付け塗装時に毒
性の高いホルマリンを大量に放出することに対する規制
から、使用量が制限されて来ていることに付随し、アミ
ノ−アルキド系塗料の代替塗料として、光硬化型塗装料
の割合が増えつつある。従来の熱硬化法や自然乾燥法に
比べて、これら光硬化型塗料の硬化は短時間で、かつ低
温で行える等の利点がある。
【0003】更に、光硬化型塗料のメリットである有機
溶剤を使用しない無溶剤型塗料の特徴を出そうとした場
合、有機溶剤によって希釈した場合と比較して艶消し性
に優れた反応性希釈剤は見いだされていない。ゆえに艶
消し度の高い硬化塗膜を得るためには、大量の艶消し剤
を添加する必要があり、結果として対汚染性が劣化す
る。そのため、光硬化型塗料に適した艶消し処方の開発
が必要となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の公
知技術では、無溶剤型で艶消し安定性、汚染性に優れ
た、極めて有用性の高い、光硬化型塗料組成物を提供す
ることは困難である。そのために、本発明者は艶消し安
定性、汚染性に優れ、しかも無溶剤型光硬化型塗料組成
物を求めて研究を行った。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、艶消し
安定性および汚染性が従来の無溶剤光硬化型組成物に比
べ、大幅に優れた、光硬化型塗料組成物を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】無溶剤光硬化型組成物
で、安定した艶消し性かつ汚染性の優れた塗膜を得るた
めに、検討を重ねた結果、安定した艶消し効果を発現す
る塗膜は、ビヒクルに対する艶消し剤の添加量の割合が
同じ場合には、ビヒクルの粘度に大きく依存することを
見いだした。上記目的を達成するために、本発明は以下
の構成を特徴とする。 (1)無溶剤光硬化型樹脂組成物(艶消し剤を含まない
ビヒクル)がウレタンアクリレート樹脂を含有し、該無
溶剤光硬化型樹脂組成物の粘度(v)と、ビヒクルに対
する艶消し剤の添加量の割合 (f)の比率(v/f)が2.0〜40であることを特
徴とする艶消し塗膜形成用無溶剤光硬化型塗料組成物。 (2)(1)における無溶剤光硬化型樹脂組成物中の該
ウレタンアクリレート樹脂中1分子あたりの官能基数が
4以上であることを特徴とする艶消し塗膜形成用無溶剤
光硬化型塗料組成物。 (3)艶消し剤が粉末状シリカであることを特徴とする
上記1、2 記載の艶消し塗膜形成用無溶剤光硬化型塗
料組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】通常艶消し塗膜は、塗布液中にシ
リカなどの体質顔料、ポリエチレンワックス、ステアリ
ン酸塩等の艶消し剤成分を混合して塗布し、艶ありの表
面形状を粗くすることにより艶消し塗膜を形成すること
ができる。塗膜に添加された艶消し剤は塗膜表面で光を
乱反射させる微細な凹凸を形成するため、塗膜の艶消し
効果が得られると考えられている。
【0008】従来、塗膜の艶を調整するための方法とし
ては塗布液の艶消し剤濃度の調整や艶消し剤の形状等を
調整することにより所望の艶消し塗膜をうる方法が行な
われている。これらの方法を用いて塗膜の艶を調整する
場合、溶剤型塗料においては溶剤が揮発して行く過程で
艶消し剤が塗膜表面に移動しやすいために、艶が消えや
すいと推定されている。一方、無溶剤型塗料は揮発成分
がないため、艶消し剤を塗膜表面に移動させる効果が期
待できない。そのため、艶が消えにくい傾向があると推
定される。そのため、無溶剤型塗料において低い艶度合
いを形成させたい場合、艶消し剤を多量塗料中に添加す
る必要があり、そのため、この方法で形成された塗膜は
塗膜の耐汚染性、柔軟性を劣化させるとの欠点がある。
これら、艶消しメカニズムの考察をもとに無溶剤光硬化
型塗料の艶消し方法について研究した結果、以下に示す
発明に至った。
【0009】すなわち、艶消し塗膜を調整する方法とし
て、ビヒクルの粘度の低い無溶剤光硬化型樹脂組成物
が、艶消し剤の同じ添加量でも艶度合いが低く、ビヒク
ルの粘度が高いと、艶度合いが高くなることを見いだし
た。艶消し剤を含んだ無溶剤光硬化型塗料を塗布する
と、塗布後、一見、非常に艶の高い塗膜を形成している
とみえるが、そこに光照射することにより、艶の低い硬
化した塗膜を形成することが可能になる。本発明で言
う、艶消し塗膜とは、一般にセミグロスやローグロスと
言われる範囲の艶度合いとなる塗膜であって、光沢度計
(60度の鏡面反射率)で測定し光沢度が5−70未満
となる塗膜を言う。
【0010】ここでいうビヒクルの粘度(v)とは下記
の条件で測定したものである。測定装置 : 東機産業
社株式会社製TV−10型粘度計測定温度 : 塗料の
塗布時の温度
【0011】そのため、無溶剤光硬化型樹脂組成物の塗
膜の艶を調整するためには無溶剤光硬化型樹脂組成物の
粘度(v)とビヒクルに対する艶消し剤の添加量の割合
(f)がきわめて重要な要因となる。本発明者は研究の
結果、以下の驚くべき発明をした。すなわち、無溶剤光
硬化型樹脂組成物の粘度(v)とビヒクルに対する艶消
し剤の添加量の割合(f)の比率(v/f)が2.0−
40の範囲にあることが必要である。
【0012】本発明でいうエネルギ−線とは、電子線、
紫外線またはγ線などを指称するものであり、本発明の
光硬化型塗料組成物を紫外線を利用して硬化させる場合
には、通常、用いられる光重合開始剤や光増感剤が使用
することが出来る。以下、紫外線硬化型塗料組成物を例
として本発明の実施形態の説明を行うがこれらに限定さ
れるものではない。
【0013】1−1.光重合性樹脂 本発明における光重合性樹脂は、200〜800nmの
波長に感光することにより硬化する樹脂であればよい。
これらの例としては、ウレタン(メタ)アクリレート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリ
レート樹脂などが挙げられる。耐汚染性、柔軟性等の観
点よりウレタンアクリレートが好ましい。
【0014】ウレタンアクリレートの構造としては1分
子中に官能基を4以上有するものがさらに好ましい。こ
れらの例としては特願2000−180093において
開示されているものを使用することにより達成できる。
【0015】上記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と
は、分子中に(メタ)アクリロイル基(CH2=CHC
(O)−またはCH2=C(CH3)C(O)−)およ
びウレタン結合をそれぞれ少なくとも1つ含有する樹脂
のことであり、(メタ)アクリロイル基およびウレタン
結合はどのような割合で含有されていてもよい。本発明
のウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、通常のウレタン
(メタ)アクリレートの製造と同様な方法で製造するこ
とができ、例えば(1)イソシアネート化合物と分子内
に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物
とのウレタン化反応、あるいは(2)分子内に(メタ)
アクリロイル基を有するイソシアネート化合物とヒドロ
キシル化合物とのウレタン化反応により得ることが出来
る。
【0016】上記イソシアネート化合物としては、モノ
イソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリ
イソシアネート化合物などが挙げられ、ポリイソシアネ
ート化合物が好ましい。
【0017】上記モノイソシアネート化合物としては、
例えば脂肪族モノイソシアネート化合物、脂環族モノイ
ソシアネート化合物、芳香族モノイソシアネート化合物
などが挙げられ、好ましくは脂肪族モノイソシアネート
化合物が挙げられる。
【0018】上記脂肪族モノイソシアネート化合物の脂
肪部は、炭素数が好ましくは1〜36、より好ましくは
6〜16である直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基
である。脂肪族モノイソシアネート化合物の具体例とし
ては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、
n−ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソ
シアネート、n−ヘプチルイソシアネート、オクチルイ
ソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシア
ネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシア
ネート、トリデシルイソシアネート、テトラデシルイソ
シアネート、ペンタデシルイソシアネート、ヘキサデシ
ルイソシアネート、イコシルイソシアネート、トリアコ
ンチルイソシアネートなどが挙げられ、好ましくはn−
ヘキシルイソシアネートが挙げられる。
【0019】上記脂環族モノイソシアネート化合物の脂
環部は、炭素数が好ましくは3〜20、より好ましくは
6〜10である飽和脂環式炭化水素基である。当該脂環
部は、本発明の目的を阻害しなければ、1または2以上
の置換基で置換されていてもよい。当該置換基として
は、例えばイソホロニル、シクロヘキシルなどが挙げら
れる。脂環族モノイソシアネート化合物の具体例として
は、シクロプロピルイソシアネート、シクロブチルイソ
シアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロへ
キシルイソシアネート、シクロヘプチルイソシアネー
ト、シクロオクチルイソシアネートなどが挙げられ、好
ましくはシクロヘキシルイソシアネートである。
【0020】上記芳香族モノイソシアネート化合物の芳
香部は、好ましくはベンゼン、ナフタレンなどが挙げら
れ、より好ましくはベンゼンが挙げられ、当該芳香部は
2以上存在してもよく、その場合にはお互いが、炭素数
が好ましくは1〜10である直鎖状または分岐鎖状のア
ルキレン(特に好ましくは、メチレン)を介して結合し
ている。また、当該芳香部は、本発明の目的を阻害しな
ければ1または2以上の置換基で置換されていてもよ
い。当該置換基としては、例えば炭素数が好ましくは6
〜20、より好ましくは6〜12である直鎖状または分
岐鎖状アルキル、炭素数が好ましくは1〜26、より好
ましくは1〜12であるアルキレンなどが挙げられる。
芳香族モノイソシアネート化合物の具体例としては、フ
ェニルイソシアネート、ナフタレンイソシアネート、ヘ
キシルフェニルイソシアネート、ヘプチルフェニルイソ
シアネート、オクチルフェニルイソシアネート、ノニル
フェニルイソシアネート、デシルフェニルイソシアネー
ト、ウンデシルフェニルイソシアネート、ドデシルフェ
ニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェネ
チルイソシアネート、4,4'−ジフェニルメチレンイ
ソシアネートなどが挙げられ、好ましくはベンジルイソ
シアネートが挙げられる。
【0021】1−2.光重合開始剤 光重合開始剤としては、光を吸収してラジカル又はカチ
オンを生じる物質であれば特に限定はなく、高圧水銀
灯、低圧水銀灯等が放出する200−400nmの波長
の紫外線を強く吸収するものが好ましい。
【0022】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイ
ル系(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホ
リノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、4'−イソプロピル−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノンなど)、ホスフィンオキ
サイド系(例えば、ビスアシルホスフィンオキサイド、
アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−
ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイドなど)、ベンゾイ
ン系(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエ
ーテルなど)、アセトフェノン系(例えば、p−ter
t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−
ブチルジクロロアセトフェノン、アセトフェノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノ
ン、ヒドロキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4
−フェノキシアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系
(例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾ
フェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−ジメ
チル−4−メトキシベンゾフェノンなど)、
【0023】チオキサントン類(例えば、2−クロロチ
オキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキ
サントンなど)、アントラキノン類(例えば、アントラ
キノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアント
ラキノン、2−tert−ブチルアントラキノンな
ど)、ベンジル系(例えば、ベンジル、4,4'−ジメ
トキシベンジル、4,4'−ジクロロベンジルなど)、
安息香酸エステル系(例えば、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチルなど)、ジ
ケトン系(例えば、ビアセチル、フェニルグリオキシル
酸メチル、メチルベンゾイルホルメートなど)、ケター
ル系(例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェ
ノンジエチルケタールなど)、
【0024】ジベンゾシクロアルカノン系(例えば、1
0−ブチル−2−クロロアクリドン、ジベンゾスベロン
など)、アシロキシムエステル、カンファーキノン、3
−ケトクマリン、テトラメチルチウラムジスルフィド、
α,α'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)
−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイ
ミダゾール、アセナフセン、ベンザルアセトンなどが挙
げられる。
【0025】本発明の光重合開始剤の使用量は、光重合
性樹脂の、通常0.01〜20重量%であり、好ましく
は0.1〜10重量%である。
【0026】1−3.その他の成分本発明の紫外線硬化
型コーティング剤には、必須成分以外に、さらに一般公
知の反応性希釈剤を配合してもよい。上記反応性希釈剤
とは、不飽和結合を1個有する反応性希釈剤、不飽和結
合を2個有する反応性希釈剤、不飽和結合を3個以上有
する反応性希釈剤などが挙げられる。これらの反応性希
釈剤は、いずれも単独で用いることも、複数種組み合わ
せて用いることもできる。
【0027】反応性希釈剤の使用量は、光重合性樹脂1
00重量部に対して、通常400重量部以下が好まし
い。より好ましくは100重量部以下である。反応性希
釈剤の濃度が400重量部を超える場合には、硬化塗膜
の、耐汚染性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性が低下
するおそれがある。
【0028】当該不飽和結合を1つ有する反応性希釈剤
としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノア
ルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸カルビトール、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
【0029】上記(メタ)アクリル酸アルキルにおける
アルキル部は、炭素数が好ましくは1〜20、より好ま
しくは2〜10である直鎖状または分岐鎖状のアルキル
であって、ヒドロキシ基、フェノキシ基、グリシジル
基、カルボキシル基などで1またはそれ以上置換されて
いてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルの具体例とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルなどが挙げられ、好ま
しくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙
げられる。
【0030】上記(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノ
アルキルにおけるアルキル部は、炭素数が好ましくは1
〜20、より好ましくは2〜8である直鎖状または分岐
鎖状のアルキルであり、ジアルキル部のアルキルは、独
立して、同一または異なっていてもよく、炭素数が好ま
しくは1〜20、より好ましくは2〜8である直鎖状ま
たは分岐鎖状のアルキルである。(メタ)アクリル酸ジ
アルキルアミノアルキルの具体例としては、例えば、
(メタ)アクリル酸N,N'−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,'−ジエチルアミノエチルなど
が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸N,N'−
ジエチルアミノエチルが挙げられる。
【0031】不飽和結合を2つ有する反応性希釈剤とし
ては、例えばアルカンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0032】上記アルカンジオールジ(メタ)アクリレ
ートにおけるアルカン部は、炭素数が好ましくは1〜2
0、より好ましくは2〜8である直鎖状、分岐鎖状また
は環状の炭化水素であって、ヒドロキシ基、フェノキシ
基で1またはそれ以上置換されていてもよい。アルカン
ジオールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0033】上記ポリアルキレングリコールジ(メタ)
アクリレートにおけるアルキレンは、炭素数が好ましく
は1〜20、より好ましくは2〜10である直鎖状また
は分岐鎖状のアルキレンである。ポリアルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクタ
ム変性ジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好まし
くはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが
挙げられる。
【0034】不飽和結合を3つ以上有する反応性希釈剤
としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アク
リレート、N,N,N',N'−テトラキス(β−ヒドロ
キシエチル)エチルジアミンのアクリル酸エステルなど
が挙げられる。
【0035】また、不飽和ウレタン化合物の不飽和結合
がアリル基に由来する場合の反応性希釈剤としては、例
えば、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、
ジアリルアジペートなどが挙げられる。
【0036】また、不飽和ウレタン化合物の不飽和結合
がビニル基に由来する場合の反応性希釈剤としては、例
えば、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニ
ルトルエン、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0037】本発明における光硬化型組成物には、本発
明の目的を阻害しなければ、通常用いられる添加剤をさ
らに配合しても良く、例えば、着色剤、顔料、消泡剤、
脱泡剤、湿潤剤、ベリング剤、帯電防止剤、粘度調整
剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひ
び割れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質
顔料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤
等が挙げられる。
【0038】本発明の艶消し剤としては、シリカ(SiO
2)、珪藻土(SiO2.nH2O)、珪酸カルシウム(CaSiO3n
H2O)アルミナ等の体質顔料や低分子または中分子ポリ
エチレン微粒子、ステアリン酸塩、ポリエチレン、ポリ
アミド等の一般に公知慣用の艶消し剤類が挙げられる
が、粉末状シリカは、中分子ポリエチレンやポリエチレ
ン、ポリアミドに比べ、ビヒクルへの添加、分散が容易
であること、艶消し効果が高いため特に好ましい。
【0039】本発明の紫外線硬化型塗料組成物は、基材
に直接塗布しても、適切なプライマーを先に基材へ塗布
後、プライマー層上に塗布してもどちらでもよい。
【0040】本発明組成物は、所望の塗装粘度に調整さ
れ、次いで、かくして得られる塗料を被塗物に塗装さ
せ、しかるのち、光エネルギー線を照射することによっ
て硬化せしめることができる。艶消し形成用無溶剤塗料
組成物の塗布方法としては、公知の方法に従って行えば
良く、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、ムー
トン、刷毛、ローラー、モップ、静電・ 電着塗装等に
より塗布すればよい。
【0041】かくして得られる本発明の艶消し形成用無
溶剤光硬化型塗料組成物は、基材としては特に限定はな
く、例えば、木材、塩化ビニル材、ポリエステル化粧
板、メラミン化粧板、その他のプラスチック、石材、セ
ラミック、金属、紙、布等が挙げられる。
【0042】
【実施例】以下に本発明における実施例を説明する。 (1)ビヒクルの作成方法および粘度の測定方法 表2からなる成分を、表1に示した重量割合で混合し攪
拌機で撹拌した後、1〜12までの粘度の異なるビヒク
ルを作成した。それらについて、東機産業社株式会社製
TV−10型粘度計を用いて、塗布時の温度(本実施例
では20℃)における粘度を測定した。なお粘度は、1
0〜100mPasはM1ローターを用い、回転数を6
0rpm設定し、また100〜500mPasは、回転
数を12rpmに設定して測定した値である。 (2)料組成物の作成方法および粘度の測定方法 作成した1〜12のビヒクルおよび比較例用にr1〜r
6のビヒクルに対して、艶消し剤A〜Dの艶消し剤を別
表2の割合になるように添加し、5分間分散後塗料組成
物とした。(実施例1〜18) (3)料組成物の評価用塗膜の形成方法 作成した塗料組成物を、ポリエステル化粧板に、25μ
mのアプリケーターで塗布し、直ちに高圧水銀灯で光照
射し(アイグラフィック社製 H05−L21420m
J/cm2)塗膜を形成させた。硬化が不充分のもの
は、同様にして光照射を繰り返し、硬化塗膜を形成させ
た。 (4)塗料組成物からなる塗膜の評価方法 硬化塗膜の艶消し度合いの評価方法 形成した塗膜表面を、グロスチェッカー(商品名 IG
−330;(株)堀場製作所製)で光沢度を測定し、以
下のように評価した。 光沢度 5〜70 …○ 光沢度 71以上または5未満 …× 硬化性の評価 形成した塗膜表面について、表面を指でさわり塗布液が
付着するかで塗膜の硬化性を調べた。硬化してない塗膜
は、硬化するまでの上記光照射を繰り返し、硬化するま
での回数を調べた。 1回の照射で硬化した。 …○ 2回の照射で硬化した。 …△ 硬化させるのに3回以上照射する必要であった。…× 耐汚染性 形成した塗膜に、油性黒インク(マジックインキ)を付
着させ、室温で3時間放置後、石油ベンジンで拭き取り
その痕跡を観察した。 痕跡がほとんど認められない …○ はっきりとその痕跡が認められる …× 耐水性 形成した塗膜に、水道水を適量垂らし、蒸発しないに様
に時計皿で覆い、そのまま24時間放置後、拭き取った
後直ちに、痕跡を観察した。 痕跡がほとんど認められない …○ 白化や膨潤が認められる …×
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【比較例】(1) ビヒクルの作成方法および粘度の測
定方法 表2からなる成分を、表3に示した重量割合で混合し攪
拌機で撹拌し均一にし、1〜12までの試料を作成し
た。それらについて、東機産業社株式会社製TV−10
型粘度計を用いて、塗布時における温度(本実施例では
20℃)における粘度を測定した。なお粘度は、10〜
100mPasはM1ローターを用い、回転数を60r
pmに設定し、また100〜500mPa.sは、回転
数を12rpmに設定して測定した値である。 (2)塗料組成物の作成方法および粘度の測定方法 作成した比較例用にr1〜r6のビヒクルに対して、艶
消し剤A〜Dの艶消し剤を別表3の濃度になるように添
加し、5分間分散後、塗料組成物とした。(比較例1〜
12) (3)塗料組成物の評価用塗膜の形成方法 作成した塗料組成物を、ポリエステル化粧板に、25μ
mのアプリケーターで塗布し、直ちに高圧水銀灯で光照
射し(アイグラフィック社製 H05−L21、同社
UV METER : UVP-301Gを用いた測定結果 420mJ
/cm2)塗膜を形成させた。硬化が不充分のものは、
同様にして繰り返し光を照射し、硬化塗膜を形成させ
た。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】このように、本発明の無溶剤硬化型塗料
組成物は、とりわけ、塗膜の艶消し性に優れ、極めて実
用性の高いものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無溶剤光硬化型樹脂組成物(艶消し剤を含
    まないビヒクル)がウレタンアクリレート樹脂を含有
    し、該無溶剤光硬化型樹脂組成物の粘度(v)と、ビヒ
    クルに対する艶消し剤の添加量の割合(f)の比率(v
    /f)が2.0〜40であることを特徴とする艶消し塗
    膜形成用無溶剤光硬化型塗料組成物。
  2. 【請求項2】請求項1における無溶剤光硬化型樹脂組成
    物中の該ウレタンアクリレート樹脂中1分子あたりの官
    能基数が4以上であることを特徴とする艶消し塗膜形成
    用無溶剤光硬化型塗料組成物。
  3. 【請求項3】請求項1、2において、艶消し剤が粉末状
    シリカであることを特徴とする艶消し塗膜形成用無溶剤
    光硬化型塗料組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010005799A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 撥水撥油性木質建材
JP2020026466A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 東洋インキScホールディングス株式会社 化粧材用コーティング剤
JP6919110B1 (ja) * 2020-12-25 2021-08-18 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化性組成物、およびそれを用いた積層体

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