JP2003257867A - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents

気相成長装置及び気相成長方法

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JP2003257867A
JP2003257867A JP2002052511A JP2002052511A JP2003257867A JP 2003257867 A JP2003257867 A JP 2003257867A JP 2002052511 A JP2002052511 A JP 2002052511A JP 2002052511 A JP2002052511 A JP 2002052511A JP 2003257867 A JP2003257867 A JP 2003257867A
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JP2002052511A
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Ryota Isono
僚多 磯野
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】反応炉内のサセプタ中心部分から基板到達直前
までの領域の温度を厳密に制御して、電子移動度の向上
を図ると共に、基板面内の電子移動度のバラツキを抑
え、また原料効率を高めることを可能にする。 【解決手段】板状のサセプタ2に、複数の基板3を、サ
セプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且
つ面をガス流路4側に向けて支持し、その基板3の裏面
側からサセプタ1をヒータ5で加熱し、サセプタ中心部
分から放射状に原料ガスを流し、加熱された基板3上で
半導体結晶をエピタキシャル成長させる気相成長装置に
おいて、サセプタ中心部分から半径方向外方にかけて複
数個の独立に制御可能な成長用加熱ヒータ5a〜5eを
順次配設すると共に、上記成長用加熱ヒータ5a〜5e
により、サセプタ中心部分から基板3までの領域の温度
を、基板3上の温度よりも低く制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気相成長装置及び気
相成長方法に係り、特にサセプタ内の温度を領域毎に精
密に制御して基板面内の電子移動度等の特性のバラツキ
をなくし、且つ原料の消費を抑える技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体には、Si(シリコン)、GaA
s(ガリウム砒素)、InGaAs(インジウムガリウ
ム砒素)等がある。GaAsやInGaAsなどの化合
物からなる半導体は化合物半導体と呼ばれ、Si半導体
に比べて、電子移動度が高いという特長がある。この特
長をいかして、GaAsやInGaAsは高速動作や高
効率動作を要求されるデバイスに多く用いられている。
代表例としてHEMT(High Electron Mobility Trans
istor)が挙げられる。HEMTは衛星放送用受信アン
テナに用いられており、衛星からの微弱な高周波信号を
低雑音で増幅できる。
【0003】HEMTのおおまかな構造を図4に示す。
このHEMTは、基板上に結晶成長したバッファ層、チ
ャネル層、スペーサ層、キャリア供給層、及びコンタク
ト層よりなる。コンタクト層は電極を形成するための層
である。キャリア供給層はn型ドーパントがドーピング
されており、発生した自由電子をチャネル層へ供給す
る。スペーサ層はチャネル層の自由電子がキャリア供給
層のn型不純物によりイオン散乱されるのを防ぐ働きが
ある。チャネル層は自由電子が流れる層であり、高純度
である必要がある。バッファ層は基板表面の残留不純物
による、デバイス特性劣化を防ぐ働きがある。基板は単
結晶成長するための下地である。
【0004】表1に示したHEMTエピタキシャルウェ
ハの従来の成長方法を以下に述べる。
【0005】図3は、気相成長に用いられる従来の成長
炉であり、基板はサセプタと呼ばれる板の下側にフェイ
スダウンでセットされ、真上にある基板加熱用ヒータ5
で加熱される。サセプタ1は、成長中、回転している。
下から上に向かう原料ガス6が、サセプタ1の下を、そ
のサセプタ中心部から半径方向外側に流れ、加熱された
基板上で分解し、基板に結晶成長する。
【0006】この成長炉は、軸2を中心として回転する
板状のサセプタ1に、半導体ウェハから成る複数の基板
3を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配
設し、且つ面をガス流路4側に向けて支持し、その基板
3の裏面側のサセプタ1の上方に基板加熱用ヒータ(成
長用加熱ヒータ)5を配置し、このヒータ5でサセプタ
1を加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガス6
を流し、加熱された基板3上で半導体結晶をエピタキシ
ャル成長させる気相成長装置として構成されている。
【0007】エピタキシャル層を成長させる基板3をサ
セプタ1にセットし、成長炉内で加熱する。成長炉内に
原料ガス6を供給すると、原料ガス6が熱により分解
し、基板3上にエピタキシャル層が成長する。
【0008】原料として、i−GaAsを成長する場合
には、Ga原料のGa(CH33(トリメチルガリウ
ム)とAs原料のAsH3(アルシン)を基板に供給す
る。なお、Ga原料として他にGa(CH3CH2
3(トリエチルガリウム)がある。As原料として他に
As(CH33(トリメチル砒素)、TBA(ターシャ
リーブチルアルシン)がある。
【0009】i−Al0.25GaAsを成長する場合に
は、Ga(CH33、AsH3、及びAl原料のAl
(CH33(トリメチルアルミニウム)を基板に供給す
る。なお、Al原料として他にAl(CH3CH2
3(トリエチルアルミニウム)がある。Al0.25GaA
sとはAl0.25Ga0.75Asを略したものであり、Al
とGaの比が0.25:0.75であることを意味す
る。
【0010】i−In0.20GaAsを成長する場合に
は、Ga(CH33、AsH3、及びIn原料のIn
(CH33(トリメチルインジウム)を基板に供給す
る。In0. 20GaAsとはIn0.20Ga0.80Asを略し
たものであり、InとGaの比が0.20:0.80で
あることを意味する。
【0011】n−GaAsを成長する場合には、Ga
(CH33、AsH3及びn型ドーパントを基板に供給
する。n型ドーパントの元素としてはSiやSe(セレ
ン)がある。Si原料としてSiH4(モノシラン)、
Si26(ジシラン)がある。Se原料としてはH2
e(セレン化水素)がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、反応炉内に一体型の基板加熱用ヒータしか備え
ていないため、各領域での温度制御をすることが出来な
かった。すなわち、従来の気相成長装置の場合、図3に
示したように、一体型の基板加熱用ヒータ5が、サセプ
タ1の直径を覆う大きさで設けられ、基板の存在しない
中心部分から基板までの領域も、基板の存在する領域
も、この一つの基板加熱用ヒータ5で共通に加熱すると
いう構成となっていた。
【0013】ところが、このような従来の気相成長装置
において、反応炉内の温度を一括で制御すると、表2の
左側に「成長炉内一括温度制御」の欄として示すよう
に、電子移動度の基板面内のバラツキが±6.1%もあ
り、均一性に問題があった。なお、電子移動度とは、電
子が半導体結晶中を動く速度であり、単位はcm2・V-1
・s-1である。電子移動度はvan der Pauw法によるホー
ル測定で求められる。
【0014】また従来技術では、反応炉内の温度がほぼ
同じになるため、原料ガス及び希釈用ガスを原料供給口
であるサセプタ中心部から基板に到達するまでの領域で
分解してしまうことになり、基板に到達する前に原料を
消費してしまう。表3に同じ原料使用量での成長速度の
違いの具体例を示した。すなわち、従来の成長炉内一括
温度制御(表3の左側欄)の場合、i−GaAsとi−
Al0.25GaAsでの原料効率(%)が5.5%、5.
4%にとどまっている。
【0015】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、半導体製造装置の反応炉内のサセプタ中心部分から
基板到達直前までの領域の温度を厳密に制御し、これに
より電子移動度の向上と、基板面内の電子移動度のバラ
ツキを抑えると共に、原料効率を高めて生産性を向上さ
せることを可能にした気相成長装置及び気相成長方法を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。
【0017】請求項1の発明に係る気相成長装置は、板
状のサセプタに、複数の基板を、サセプタ中心から少し
離れた位置にて周方向に配設し、且つ面をガス流路側に
向けて支持し、その基板の裏面側からサセプタをヒータ
で加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流
し、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成
長させる気相成長装置において、サセプタ中心部分から
半径方向外方にかけて複数個の独立に制御可能な成長用
加熱ヒータを順次配設すると共に、上記成長用加熱ヒー
タを制御して、サセプタ中心部分から基板までの領域の
温度を、基板上の温度よりも低く保持する制御手段を設
けたことを特徴とする。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載の気相成
長装置において、上記成長用加熱ヒータの一つが、サセ
プタ中心部分から基板までの領域に対応する半径方向幅
の部分ヒータとして構成され、上記制御手段がこの部分
ヒータを制御して、サセプタ中心部分から基板上に到達
するまでの領域の温度を、基板上の温度よりも低く保持
することを特徴とする。
【0019】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
気相成長装置において、上記制御手段が、サセプタ中心
部分から基板に到達するまでの領域を400〜550℃
の温度に制御することを特徴とする。
【0020】請求項4の発明に係る気相成長方法は、板
状のサセプタに、複数の基板を、サセプタ中心から少し
離れた位置にて周方向に配設し、且つ面をガス流路側に
向けて支持し、その基板の裏面側からサセプタをヒータ
で加熱し、サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流
し、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成
長させる気相成長方法において、サセプタ中心部分から
基板までの領域の温度を、基板上の温度よりも低くした
状態で原料ガスを流すことを特徴とする。
【0021】この気相成長方法には、板状のサセプタ
に、複数の基板を、サセプタ中心から少し離れた位置に
て周方向に配設し、且つ面をガス流路側に向けて支持
し、その基板の裏面側からサセプタをヒータで加熱し、
サセプタ中心部分から放射状に原料ガスを流し、加熱さ
れた基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる気
相成長方法であって、原料ガス及び希釈用ガスを供給す
るサセプタ中心部分から半径方向外方にかけて複数個の
独立に制御可能な成長用加熱ヒータを配設し、上記成長
用加熱ヒータを制御して、サセプタ中心部分から基板ま
での領域の温度を、基板の温度よりも低く保持する形態
が含まれる。
【0022】請求項5の発明は、請求項4記載の気相成
長方法において、原料ガス及び希釈用ガスがサセプタ中
心部分から基板上に到達するまでの領域を、400〜5
50℃の温度に保つことを特徴とする。
【0023】請求項6の発明は、請求項4記載の気相成
長方法において、原料ガス及び希釈用ガスがサセプタ中
心部分から基板上に到達するまでの領域を、400℃を
下回る加熱温度に保つことを特徴とする。
【0024】請求項7の発明は、請求項4〜6のいずれ
かに記載の気相成長方法において、V族原料として、A
sH3(アルシン)、As(CH33(トリメチル砒
素)、TBA(ターシャリーブチルアルシン)、PH3
(ホスフィン)またはTBP(ターシャリーブチルホス
フィン)を用い、III族原料として、Al(CH3
3(トリメチルアルミニウム)、Ga(CH33(トリ
メチルガリウム)、In(CH33(トリメチルインジ
ウム)、Al(CH3CH23(トリエチルアルミニウ
ム)、Ga(CH3CH23(トリエチルガリウム)又
はIn(CH3CH23(トリエチルインジウム)を用
い、希釈用ガスとして、H2(水素)、N2(窒素)また
はAr(アルゴン)を用いることを特徴とする。
【0025】<発明の要点>本発明の要点は反応炉内に
複数の成長用ヒータを設けたことにある。従来技術で
は、反応炉内には一体型のヒータしかなく、炉内の領域
毎に厳密な温度制御を行うことが出来なかった。本発明
では、複数の基板加熱用ヒータを設けたため、それぞれ
の領域の温度を制御することが出来る。特にサセプタ中
心部から基板までの領域の温度を、基板上の温度よりも
低く制御することにより、基板面内の電子移動度のバラ
ツキが少なく、原料効率の良い成長が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。
【0027】本発明は、半導体製造装置反応炉内のサセ
プタ中心部分から基板到達直前までの領域の温度を、基
板温度よりも低くなるように、厳密に制御することによ
り、基板面内の電子移動度のバラツキを抑える。これに
より、表2の右側欄「成長炉内領域毎に温度制御」に示
すように、電子移動度を向上させ、またその基板面内バ
ラツキを±3.9%に抑える。
【0028】また、サセプタ中心部分から基板到達直前
までの領域の温度を、基板温度よりも低く制御すること
は、表3に示すように成長速度の改善による生産性の向
上にも繋がるものである。
【0029】本発明では、サセプタ内の温度を領域毎に
厳密に制御するために複数の成長用加熱ヒータを設け
る。
【0030】詳述するに、図1に示す気相成長装置は、
板状のサセプタ1に、複数(ここでは4枚)の半導体ウ
ェハから成る基板3を、サセプタ中心から少し離れた位
置にて周方向に配設し、且つ成長させる基板面をガス流
路側に向けて支持している。この基板3の裏面側におい
て、サセプタ1の上方には基板加熱用ヒータ5が設けて
あり、この基板加熱用ヒータ5によりサセプタ1を基板
3の裏面側から加熱している。そして、下方の供給口か
らサセプタ中心部分に向けて下方から上方へと供給され
る原料ガスを、サセプタの下面に沿ってサセプタ中心部
分から半径方向外側に向けて放射状に流し、上記基板加
熱用ヒータ5により加熱された基板3上で半導体結晶を
エピタキシャル成長させる構成となっている。
【0031】上記基板加熱用ヒータ5は、従来技術と異
なり、サセプタ1の中心部分から半径方向外方にかけて
順次配設した複数個の環状の成長用加熱ヒータ5a〜5
eから構成されており、各成長用加熱ヒータ5a〜5e
は独立に通電制御が可能となっている。
【0032】これらの成長用加熱ヒータ5a〜5eのう
ち、サセプタ中心部分に位置する最内側の環状ヒータ5
aは、サセプタ中心部分から基板3までの領域に対応す
る半径方向幅を有する部分ヒータとして構成されてい
る。そして、図示してない温度制御装置(制御手段)が
こられの成長用加熱ヒータ5a〜5eに与える電力を制
御して、各成長用加熱ヒータ5a〜5eに対応するサセ
プタ1の領域の温度を厳密に制御する。この場合、特に
部分ヒータ5aについては、サセプタ中心部分から基板
上に到達するまでの領域の温度が、基板3上の温度より
も低くなるように電力制御される。
【0033】例えば、成長時の基板温度を700℃とす
ると、サセプタ中心部分から基板に到達するまでの領域
は、これより低い400〜550℃の温度に制御され
る。しかし、原料の分解する温度である400℃を下回
る加熱温度に保つことも可能である。
【0034】従来技術の気相成長装置(図3)では、反
応炉内に一体型の基板加熱用ヒータしかないため各領域
での温度制御をすることが出来なかった。しかし、本実
施例の気相成長装置では、図1のように複数個の成長用
加熱ヒータ5a〜5eをサセプタ1の中心部分から半径
方向外方に順次配設しているため、サセプタ1内の領域
を複数の領域に区分けすることができ、これにより各領
域毎に温度を制御することができる。そして、特にサセ
プタ中心部分から基板に到達するまでの領域は、基板よ
り低い400〜550℃の温度に制御することにより、
電子移動度等の特性について基板面内のバラツキをなく
し、且つ原料の消費を抑えることができる。
【0035】<実施例>次に、図1の気相成長装置を用
いて、HEMTエピタキシャルウェハを成長させる実施
例について説明する。
【0036】
【表1】
【0037】ここでは、表1に示す縦断面構造を持つH
EMTエピタキシャルウェハを試作対象とした。すなわ
ち、半絶縁性GaAs基板上に、バッファ層として、i
−GaAs(厚さ1000nm、キャリア濃度1×10
15cm-3以下)を設け、更に、チャネル層としてi−In
0.20GaAs(厚さ20nm、キャリア濃度1×10 16
cm-3以下)を設ける。その上に、スペーサ層として、i
−Al0.25GaAs(厚さ3nm、キャリア濃度1×1
16cm-3以下)を設ける。その上に更に、キャリア供給
層として、n−Al0.25GaAs層(厚さ250nm、
キャリア濃度3×1018cm-3)、i−Al0.25GaAs
層(厚さ50nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)
を設け、その上にコンタクト層としてn−GaAs(厚
さ100nm、キャリア濃度3×1018cm-3)を設け
た。なお、結晶成長のことをエピタキシャルと言う。エ
ピタキシャル層名称のn−、i−はエピタキシャル層が
それぞれn型、半絶縁性であることを表している。厚さ
の単位はnm(10-9m)である。キャリア濃度の単位
はcm-3である。
【0038】図1に示すように、基板3はサセプタと呼
ばれる板の下側にフェイスダウンでセットされ、真上に
ある基板加熱用ヒータ5a〜5eで加熱される。サセプ
タ1は、成長中、回転している。原料ガス6は中心から
放射状に外側へ流れ、基板加熱用ヒータ5a〜5eによ
って加熱され、分解し、基板3上に結晶成長する。
【0039】本発明の気相成長装置における作用効果を
次の手順で調べた。従来技術の反応炉(図3)内にて
HEMTを成長し、その電子移動度の大きさ、基板面内
バラツキ、原料効率等の特性を調べる。本発明の反応
炉(図1)内にてHEMTを成長し、その電子移動度の
大きさ、基板面内バラツキ、原料効率等の特性を調べ
る。個々のヒータ温度を制御してやることにより、上記
の特性の変化を調べる。反応炉を加熱するヒータ温度
は、400〜1200℃である。
【0040】HEMTの成長条件は以下の通りである。
成長時の基板温度は700℃、成長炉内圧力は76To
rr、希釈用ガスは水素である。サセプタ回転数は10
回転/分である。基板には、GaAs基板を用いた。
【0041】i−GaAs層の成長にはGa(CH33
とAsH3を用いた。Ga(CH3 3の流量は10.5c
m3/分である。AsH3の流量は315cm3/分である。
【0042】i−Al0.25GaAs層の成長にはGa
(CH33、Al(CH33及びAsH3を用い、それ
らの流量はそれぞれ5.3cm3/分、1.43cm3/分及
び630cm3/分とした。i−In0.20GaAs層の成
長にはGa(CH33、In(CH33及びAsH3
用い、それらの流量はそれぞれ5.3cm3/分、2.0
9cm3/分及び500cm3/分とした。
【0043】n−Al0.25GaAs層の成長には、i−
Al0.25GaAsの成長に使用したGa(CH33、A
l(CH33、AsH3に加えてSi26使用した。S
2 6の流量は7.78×10-3cm3/分である。Si2
6以外の流量はi−Al0.25GaAs層の場合と同じ
である。
【0044】n−GaAs層の成長には、i−GaAs
の成長に使用したGa(CH33、AsH3に加えてS
26を用いた。Si26の流量は1.47×10-4cm
3/分である。Si26以外の流量はi−GaAs層の
場合と同じである。
【0045】そして、本発明に従い、基板加熱用ヒータ
5a〜5eの温度は、サセプタ中心部から基板までの領
域の温度が、基板3の温度(約700℃)よりも低い温
度(400〜550℃)となるように制御した。
【0046】表3は従来技術および本実施例それぞれの
反応炉による成長速度を示す表である。
【0047】
【表3】
【0048】従来技術では、反応炉内の温度がほぼ同じ
になるため、原料ガス及び希釈用ガスを原料供給口であ
るサセプタ中心部から基板に到達するまでの領域で分解
してしまうことになり、基板に到達する前に原料を消費
してしまう。表3は同じ原料使用量での成長速度の違い
を示す。
【0049】すなわち、従来の成長炉内一括温度制御
(表3の左側欄)の場合、i−GaAsとi−Al0.25
GaAsでの原料効率(%)が5.5%、5.4%にと
どまっている。これに対し、本実施例により、サセプタ
中心部から基板までの領域の温度を、基板3の温度(約
700℃)よりも低い温度(400〜550℃)に制御
した場合、表3の右側欄「成長炉内領域毎に温度制御」
に示すように、i−GaAsとi−Al0.25GaAsで
の原料効率(%)が6.2%、6.0%と高くなる。
【0050】要するに、サセプタ中心部から基板までの
領域を基板温度よりも低い温度に制御することにより、
基板到達までの原料分解速度を遅らせることができ、表
3の右側欄「成長炉内領域毎に温度制御」に示すよう
に、表3の左側欄「成長炉内一括温度制御」の場合に較
べ、原料効率が約10%アップとなる。従って、生産性
の向上が期待できる。
【0051】次に、サセプタ中心部から基板までの領域
の温度を厳密に制御することにより、HEMTの電子移
動度が向上し、且つ電子移動度の基板面内バラツキが抑
えられる、という関係を調べた。HEMTの電子移動度
が高いほど、且つ電子移動度の基板面内バラツキが小さ
いほど良質のHEMTが作られているといえる。
【0052】HEMTの成長条件は上記とほぼ同じで以
下の通りである。
【0053】すなわち、成長時の基板温度は700℃、
成長炉内圧力は76Torr、希釈用ガスは水素であ
る。サセプタ回転数は10回転/分である。基板には、
GaAs基板を用いた。
【0054】i−GaAs層の成長にはGa(CH33
とAsH3を用いた。Ga(CH3 3の流量は10.5c
m3/分である。AsH3の流量は315cm3/分である。
【0055】i−Al0.25GaAs層の成長にはGa
(CH33、Al(CH33及びAsH3を用い、それ
らの流量はそれぞれ5.3cm3/分、1.43cm3/分及
び630cm3/分である。
【0056】i−In0.20GaAs層の成長にはGa
(CH33、In(CH33及びAsH3を用い、それ
らの流量はそれぞれ5.3cm3/分、2.09cm3/分及
び500cm3/分である。
【0057】n−Al0.25GaAs層の成長には、i−
Al0.25GaAsの成長に使用したGa(CH33、A
l(CH33、AsH3に加えてSi26使用した。S
2 6の流量は7.78×10-3cm3/分である。Si2
6以外の流量はi−Al0.25GaAs層の場合と同じ
である。
【0058】n−GaAs層の成長には、i−GaAs
の成長に使用したGa(CH33、AsH3に加えてS
26を用いた。Si26の流量は1.47×10-4cm
3/分である。Si26以外の流量はi−GaAs層の
場合と同じである。
【0059】ただし、サセプタ中心部から基板までの領
域の温度については、この領域に対応する半径方向幅の
部分ヒータである基板加熱用ヒータ5aを電力制御する
ことによって、図2に示すように、350℃〜600℃
までの範囲で変化させ、サセプタ中心部から基板までの
領域の温度と電子移動度の基板面内バラツキとの関係を
調べた。
【0060】図2から分かるように、サセプタ中心部か
ら基板までの領域の温度と電子移動度の基板面内バラツ
キとの関係は、上記した400〜550℃の範囲におい
て、電子移動度の基板面内バラツキが小さくなることが
分かる。これに対し、上記した400〜550℃の範囲
以外の温度においては、図2に示す通り電子移動度の面
内均一性の改善は見られない。
【0061】そこで、次に、サセプタ中心部から基板ま
での領域の温度を、基板温度(約700℃)よりも低い
温度(400〜550℃)のうちの、ある一定の温度で
ある500℃に固定して、成長炉内の温度制御方式の違
いによる電子移動度と電子移動度の面内バラツキの変化
を調べた。なお、電子移動度とは、電子が半導体結晶中
を動く速度である。電子移動度の単位は、cm2・V-1
-1である。電子移動度はvan der Pauw法によるホール
測定で求めた。この結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2は従来技術および本実施例それぞれの
反応炉によるHEMT電子移動度の基板面内バラツキを
示す表である。表2の右側の「成長炉内領域毎に温度制
御」欄は本実施例の結果を示すもので、本発明に従いサ
セプタ中心部から基板までの領域の温度を500℃に制
御したときの、電子移動度と電子移動度の面内バラツキ
を示す。本実施例の場合、表2の左側の「成長炉内一括
温度制御」欄(従来技術)に較べ、電子移動度が向上
し、且つ電子移動度の面内バラツキが小さく抑えられて
いることが分かる。
【0064】すなわち、従来技術の場合、反応炉内には
一体型のヒータしかなく、炉内の領域毎に厳密な温度制
御を行うことが出来なかったため、表2の左側欄に示す
ように、電子移動度は6234cm2・V-1・s-1、電子
移動度の基板面内バラツキが±6.1%となる。
【0065】これに対し、本実施例の反応炉では、複数
の基板加熱用ヒータを設けているため、それぞれの領域
の温度を制御することができる。特にサセプタ中心から
基板までの領域を厳密に制御することにより、表2の右
側欄に示すように、本実施例の場合、電子移動度が64
18cm2・V-1・s-1と向上し、電子移動度の基板面内
バラツキについても±3.9%に抑えられ、特性が改善
される。
【0066】また、サセプタ中心部から基板までの領域
の温度を基板温度よりも低い温度(400〜550℃)
に制御することにより、基板到達までの原料分解速度を
遅らせることができることから、表3のように原料効率
が約10%アップとなり、生産性の向上が期待できる。
【0067】<他の実施例、変形例>上記実施例では、
エピタキシャル層の成長中、サセプタ中心部から基板ま
での領域を400〜550℃に制御したが、400℃以
下で制御するようにヒータを制御することもできる。そ
の理由として、通常、原料は400℃以上の温度で分解
する。つまり、400℃以下で加熱しているヒータは成
長に寄与しておらず、基板表面上で初めて原料が分解さ
れる。従って、原料効率を高め、電子移動度のバラツキ
を抑えることができる。
【0068】上記実施例では、サセプタが、成長中、回
転しているが、サセプタが回転するだけでなく、基板自
体も自転する、いわゆる自転公転型として構成すること
もできる。
【0069】また上記実施例では、図3は従来の成長炉
であり、下から上に向かう原料ガス5がサセプタ中央か
ら半径方向外側に流れ、且つ基板2がフェイスダウンで
設けられるタイプについて説明したが、本発明は、上か
ら下に向かうガスがサセプタ中央から半径方向外側に流
れ、且つ基板がフェイスアップで設けられるタイプにも
適用することができる。
【0070】さらに上記実施例では、HEMTを成長す
る場合について説明したが、本発明はこれに限らず、半
導体装置の反応炉内において半導体結晶をエピタキシャ
ル成長する用途に適用することができ、HEMTやFE
Tといったデバイスの特性を向上することができる。ま
た原料効率が約10%アップとなり、生産性も向上させ
ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、サ
セプタ中心部から基板までの領域の温度を、基板温度よ
りも低い温度、例えば400〜550℃に制御すること
により、電子移動度を高め、且つ電子移動度の基板面内
バラツキを小さく抑えることができる。また基板到達ま
での原料分解速度を遅らせることができるため、原料効
率を高め、生産性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る気相成長装置を示す構
造図である。
【図2】サセプタ中心部から基板までの領域の温度変化
させたときの移動度の基板面内バラツキを示す図であ
る。
【図3】従来技術の気相成長装置を示す構造図である。
【図4】本発明の気相成長装置による試作対象としたH
EMTの縦断面図である。
【符号の説明】
1 サセプタ 2 軸 3 基板 4 ガス流路 5、5a〜5e ヒータ 6 原料ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K058 AA71 AA86 AA88 BA14 CE18 CE21 4G077 AA03 BE41 DB01 EA01 EG16 TJ03 4K030 AA05 AA08 AA09 AA11 AA16 AA17 AA18 BA02 BA08 BA11 BA25 BB02 BB12 CA04 EA06 GA01 JA04 JA10 KA23 LA15 5F045 AA04 AB10 AB17 AC01 AC08 AC09 AC15 AC16 AD08 AD09 BB02 BB16 CA07 DP15 EK22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状のサセプタに、複数の基板を、サセプ
    タ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ面
    をガス流路側に向けて支持し、その基板の裏面側からサ
    セプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状
    に原料ガスを流し、加熱された基板上で半導体結晶をエ
    ピタキシャル成長させる気相成長装置において、 サセプタ中心部分から半径方向外方にかけて複数個の独
    立に制御可能な成長用加熱ヒータを順次配設すると共
    に、 上記成長用加熱ヒータを制御して、サセプタ中心部分か
    ら基板までの領域の温度を、基板上の温度よりも低く保
    持する制御手段を設けたことを特徴とする気相成長装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の気相成長装置において、 上記成長用加熱ヒータの一つが、サセプタ中心部分から
    基板までの領域に対応する半径方向幅の部分ヒータとし
    て構成され、 上記制御手段がこの部分ヒータを制御して、サセプタ中
    心部分から基板上に到達するまでの領域の温度を、基板
    上の温度よりも低く保持することを特徴とする気相成長
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の気相成長装置におい
    て、 上記制御手段が、サセプタ中心部分から基板に到達する
    までの領域を400〜550℃の温度に制御することを
    特徴とする気相成長装置。
  4. 【請求項4】板状のサセプタに、複数の基板を、サセプ
    タ中心から少し離れた位置にて周方向に配設し、且つ面
    をガス流路側に向けて支持し、その基板の裏面側からサ
    セプタをヒータで加熱し、サセプタ中心部分から放射状
    に原料ガスを流し、加熱された基板上で半導体結晶をエ
    ピタキシャル成長させる気相成長方法において、 サセプタ中心部分から基板までの領域の温度を、基板上
    の温度よりも低くした状態で原料ガスを流すことを特徴
    とする気相成長方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の気相成長方法において、 原料ガス及び希釈用ガスがサセプタ中心部分から基板上
    に到達するまでの領域を、400〜550℃の温度に保
    つことを特徴とする気相成長方法。
  6. 【請求項6】請求項4記載の気相成長方法において、 原料ガス及び希釈用ガスがサセプタ中心部分から基板上
    に到達するまでの領域を、400℃を下回る加熱温度に
    保つことを特徴とする気相成長方法。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載の気相成長
    方法において、 V族原料として、AsH3(アルシン)、As(CH3
    3(トリメチル砒素)、TBA(ターシャリーブチルア
    ルシン)、PH3(ホスフィン)またはTBP(ターシ
    ャリーブチルホスフィン)を用い、 III族原料として、Al(CH33(トリメチルアルミ
    ニウム)、Ga(CH33(トリメチルガリウム)、I
    n(CH33(トリメチルインジウム)、Al(CH3
    CH23(トリエチルアルミニウム)、Ga(CH3
    23(トリエチルガリウム)又はIn(CH3CH2
    3(トリエチルインジウム)を用い、 希釈用ガスとして、H2(水素)、N2(窒素)またはA
    r(アルゴン)を用いることを特徴とする気相成長方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008060292A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Furukawa Co Ltd 気相成長装置
US7862657B2 (en) 2006-07-24 2011-01-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Crystal growth method and apparatus

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