JP2003243318A - 気相エピタキシャル成長装置 - Google Patents

気相エピタキシャル成長装置

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JP2003243318A
JP2003243318A JP2002045527A JP2002045527A JP2003243318A JP 2003243318 A JP2003243318 A JP 2003243318A JP 2002045527 A JP2002045527 A JP 2002045527A JP 2002045527 A JP2002045527 A JP 2002045527A JP 2003243318 A JP2003243318 A JP 2003243318A
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epitaxial growth
vapor phase
substrate
phase epitaxial
growth apparatus
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Takashi Takeuchi
隆 竹内
Masaharu Higashiya
雅春 東谷
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】デバイスのさらなる性能向上、主に電気特性の
均一性向上、電子移動度の向上の為に、気相エピタキシ
ャル成長装置において結晶中への不純物混入を抑えるこ
とを可能にする。 【解決手段】加熱した基板4上にIII族およびV族原料
ガス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板
4上に化合物半導体結晶を気相成長する気相エピタキシ
ャル成長装置において、基板4がセットされる部分周辺
の治具、例えば均熱板7の表面に、III−V族化合物半
導体結晶薄膜71をコートする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FET(Field Eff
ect Transistor)やHEMT(High Electron Mobility T
ransistor)、HBT(Hetero junction Bipolar Transis
tor)などの電子デバイスに用いられる化合物半導体結晶
成長用の気相エピタキシャル成長装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体結晶を用いたFETやHE
MTは、シリコン半導体に比べて電子移動度が高いた
め、近年携帯電話や衛星放送受信機などの高速動作や高
効率が要求される高周波機器の増幅器などに幅広く使用
され、その需要はさらに伸びると思われる。
【0003】化合物半導体結晶を成長する方法の一つに
有機金属気相成長法(MetalorganicVapor Phase Epitax
y 、以下MOVPE法)がある。MOVPE法は、III
族有機金属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャ
リアガスとの混合ガスとして反応炉内に導入し、反応炉
内で加熱された基板付近で原料が熱分解され、基板上に
化合物半導体結晶がエピタキシャル成長する。
【0004】基板上に半導体結晶をエピタキシャル成長
させた基板(以下エピウェハと呼ぶ)の代表例としてH
EMTの構造を図9に示す。
【0005】このHEMT構造を得るには、まず半絶縁
性基板上に高抵抗の単層以上のバッファ層を成長する。
バッファ層は基板上の残留不純物によるデバイス特性劣
化を抑える働きがある。その上に高純度のチャネル層の
結晶を成長する。その上に自由電子を発生し、チャネル
層に電子を供給するキャリア供給層を成長する。チャネ
ル層とキャリア供給層の間にはスペーサ層を成長する。
スペーサ層はチャネル層を流れる自由電子が、キャリア
供給層のn型不純物によって散乱されるのを防ぐ働きを
持つ。更に、ソース・ドレイン電極とオーミック接合す
るコンタクト層を成長する。HEMTはキャリア供給層
に隣接したチャネル層に二次元電子ガス(2 Dimension
Electron Gas:2DEG)を形成することによりイオン
化不純物散乱を受けにくい高移動度の電子を利用する。
【0006】ここで従来の主なMOVPE装置が採用し
ているリアクター(反応炉)を構成する方式を図10に
示す。図10(a)はサセプタ31の角錐斜面に半導体
基板(ウェハ)4を保持したバレル型、図10(b)は
ガスが反応管2の一側から他側に向かって一方向に流
れ、且つ基板4がサセプタ32の開口部内にフェイスダ
ウンで設けられるタイプ(横型フェイスダウン)、図1
0(c)は上から下に向かうガスがサセプタ33の中央
から半径方向外側に流れ、且つ基板4がサセプタ33の
開口部内にフェイスアップで設けられるタイプ(自転公
転型フェイスアップ)、そして図10(d)は下から上
に向かうガスがサセプタ34中央から半径方向外側に流
れ、且つ基板4がサセプタ34の開口部内にフェイスダ
ウンで設けられるタイプ(自転公転型フェイスダウン)
を示す。
【0007】これらの反応炉内で、基板4をセットする
部分周辺には主にカーボン・石英等の治具が用いられて
いる。図10(b)〜図10(d)に示すように、基板
4を均一に熱するために、均熱板7と呼ぶ治具を基板に
隣接してセットする場合もある。成長する結晶の純度に
は、これら治具の純度も影響を及ぼす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デバイ
スのさらなる高性能化・特性の安定化の為に、高純度な
結晶が求められている。先に述べた炉内治具の純度が低
い時、特に意図しない酸素が多く混入している場合は、
アンドープエピタキシャル成長のバックグラウンドの
不安定性、エピウェハの電気特性のバラツキ増大、
HEMT構造における移動度の低下等、様々な悪影響が
出てくる。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、デバイスのさらなる性能向上、主に電気特性の均一
性向上、電子移動度の向上の為に、結晶中への不純物混
入を抑えることを可能にした気相エピタキシャル成長装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。
【0011】請求項1の発明に係る気相エピタキシャル
成長装置は、加熱した基板上にIII族およびV族原料ガ
ス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上
に化合物半導体結晶を気相成長する気相エピタキシャル
成長装置において、基板がセットされる部分周辺の治具
の表面に、III−V族化合物半導体結晶薄膜をコートし
たことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の気相エ
ピタキシャル成長装置において、前記基板がセットされ
る部分周辺の治具が、基板を均一に熱するために基板に
隣接して加熱源との間にセットされた均熱板から成り、
該均熱板にIII−V族化合物半導体結晶薄膜をコートし
たことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明に係る気相エピタキシャル
成長装置は、加熱装置で加熱され、且つIII族およびV
族原料ガスが流通する反応管内に又は反応管の壁の一部
として板状のサセプタを設け、このサセプタに設けた開
口部内に気相エピタキシャル成長の対象である基板を、
その表面を反応管の内側に向けて支持すると共に、前記
開口部内に基板の裏面に対接して均熱板をはめ込んだ気
相エピタキシャル成長装置において、前記均熱板にIII
−V族化合物半導体結晶薄膜をコートしたことを特徴と
する。
【0014】本発明において、リアクターのタイプとし
ては、(1) ガスが反応管の一側から他側に向かって一方
向に流れ、且つ基板がフェイスダウンで設けられるタイ
プ(図10(b))の他に、(2) 上から下に向かうガス
がサセプタ中央から半径方向外側に流れ、且つ基板がフ
ェイスアップで設けられるタイプ(図10(c))及び
(3) 下から上に向かうガスがサセプタ中央から半径方向
外側に流れ、且つ基板がフェイスダウンで設けられるタ
イプ(図10(d))を含む。
【0015】また、均熱板のタイプとしては、(1) サセ
プタの開口部内に入り込み基板と共に開口部下部の内向
フランジで支持される構成のもの(図1(a))と、
(2) 均熱板と基板との厚さの和がサセプタより厚くなる
ようにし、且つ均熱板の基板と接触しない面側に外周を
半径方向に広げたつば状部を形成し、該つば状部により
基板とサセプタ間の隙間を覆う構成のもの(図1
(b))とを含む。
【0016】請求項4の発明に係る気相エピタキシャル
成長装置は、加熱装置で加熱され、且つIII族およびV
族原料ガスが流通する反応管内に又は反応管の上部壁の
一部として板状のサセプタを設け、このサセプタに気相
エピタキシャル成長の対象である基板とほぼ同じ形状に
開口部を開け、この開口部内に基板の表面を下向きに支
持すると共に、前記基板を加熱する加熱源に面するよう
に前記開口部に均熱板をはめ込んだ気相エピタキシャル
成長装置において、前記均熱板にIII−V族化合物半導
体結晶薄膜をコートしたことを特徴とする。 これは図
10(b)と(d)のタイプの気相エピタキシャル成長
装置を特定したものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の気相エピタキシャル成長装置において、前記
コートされるIII−V族化合物半導体結晶薄膜の物質
が、GaAs、AlGaAs、InGaAs、GaP、
InGaP、AlInP、AlGaInP、GaN、A
lN、AlGaN、GaNAs、InSbのいずれかで
あることを特徴とする。
【0018】請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の気相エピタキシャル成長装置において、前記
コートされるIII−V族化合物半導体結晶薄膜の物質
が、AlGaAs、InGaAs、InGaPなどの三
元系の結晶であることを特徴とする。
【0019】請求項7の発明は、請求項5又は6に記載
の気相エピタキシャル成長装置において、前記コートさ
れるIII−V族化合物半導体結晶薄膜のコート厚が0.
1μm以上であることを特徴とする。なお、好ましくは
0.1μm〜20μmのコート厚さとするとよい。
【0020】請求項8の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載の気相エピタキシャル成長装置において、基板
がセットされる部分周辺の治具又は均熱板がカーボン、
SiC、SiN、Al23、BaN、石英、Moのいず
れかから成ることを特徴とする。
【0021】<発明の要点>本発明は、上記目的のため
に、基板がセットされる部分周辺の治具表面に、III−
V族化合物半導体結晶薄膜をコートするものである。化
合物半導体結晶の純度は、ごく微量の不純物の混入によ
って犯されてしまう。そこで、炉内および治具自体に残
存する不純物が基板や成長する結晶に影響を及ぼさない
よう、基板をセットする周辺治具、例えば均熱板の表面
にIII−V族化合物半導体結晶をコートする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。
【0023】図4に示す気相エピタキシャル成長装置
は、原料ガス供給口2aからガス排気口2bへ原料ガス
が流通する反応管2の上部壁に板状のサセプタ3を設
け、これをモータ10で回転可能に構成すると共に、こ
のサセプタ3に、図5、図6の如く、気相エピタキシャ
ル成長の対象である半導体基板4とほぼ同じ形状に開口
部5を開け、この開口部5内に基板4の表面を下向きに
収納し、下面を露出させた状態で支持すると共に、上記
基板4を加熱する加熱源たるメインヒータ21に面して
前記開口部5に均熱板7をはめ込んだ気相エピタキシャ
ル成長装置である。なお、9は磁気シールドユニット、
21は外周ヒータである。
【0024】サセプタ3は図5に示すように円板形をし
ており、その円板面内には同一円上に均等に6つの円形
の開口部5がサセプタを上下に貫いて設けられ、各々の
開口部5内には、半導体基板4がその表面を下にして収
納配置され、更にその上に均熱板7が重ねられて収納配
置される。この半導体基板4を開口部5内に載置し支持
する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、図6
に示すように開口部5の中心方向に張り出した段差から
成る基板支持部6が一体に形成されており、半導体基板
4は、この基板支持部6に外周部が支えられて開口部5
の下面に保持される。
【0025】本発明に従い、上記均熱板7には、図1
(a)に示すように、III−V族化合物半導体結晶薄膜
71がコートされている。このIII−V族化合物半導体
結晶薄膜71の物質としては、GaAs、AlGaA
s、InGaAs、GaP、InGaP、AlInP、
AlGaInP、GaN、AlN、AlGaN、GaN
As、InSbのうちの一つが用いられる。III−V族
化合物半導体結晶薄膜71のコート厚は0.1μm以
上、好ましくは0.1μm〜20μmに施される。
【0026】図7に他の構成の気相エピタキシャル成長
装置を示す。
【0027】図7において、2はMOVPE装置の横型
の反応管であり、図4の場合と同様に、気相エピタキシ
ャル成長装置1の上下方向の中間部に配置されており、
その片側には原料ガス供給口2aが、反対側にはガス排
気口2bが設けられている。また、その反応管2の中心
部には、複数の半導体基板4を保持するサセプタ3が縦
軸線(回転軸8)のまわりに回転可能に配設されてい
る。
【0028】上記サセプタ3は、図4の場合と同様に、
その回転軸8が上方に延在して反応管2の外に露出して
おり、この回転軸8に磁気シールドユニット9を介して
接続されたモータ10により回転される。
【0029】サセプタ3はカーボン製で円板形をしてお
り、その円板面内にはサセプタ3の縦軸線のまわりに同
一円上に均等に4つの円形の開口部5がサセプタを上下
に貫通して設けられ、各々の開口部5内には、エピタキ
シャル成長の対象である結晶成長用の半導体基板(ウェ
ハ)4がその表面を下にして収納配置され、更にその上
に半導体基板4から若干離して又は接触するように均熱
板7がはめ込まれている。
【0030】この半導体基板4を開口部5内に載置し支
持する構造を得るため、開口部5の下面周縁部には、図
6に示すように開口部5の中心方向に一部が張り出した
金属製の爪等から成る基板支持部(内向フランジ)6が
設けられており、この基板支持部6に半導体基板4の外
周部が支えられ、半導体基板4の下面が開口部5の下面
から露出する。
【0031】一方、気相エピタキシャル成長装置1の内
部には、サセプタ3の上方に輻射型ヒータから成る長方
形のメインヒータ21が、サセプタ3の領域を被う大き
さで設けられると共に、図7には示してないが、原料の
流下方向にみてサセプタ3の側方(両側)に、外周ヒー
タ22(図4参照)が円弧状に設けられている。
【0032】この両ヒータ21、22の熱を半導体基板
4に均一に付与するため、上記開口部5には均熱板7が
はめ込まれる。この均熱板7は、図8に示すように、基
板4と接触しない面側に外周を半径方向に広げたつば状
部7aを有し、該つば状部7aがサセプタ3の表面と接
触して、両者の間を気密に維持する関係になっている。
この実施形態の場合、均熱板7は半導体基板4から若干
浮かして位置され、またこの均熱板7と基板4との厚さ
の和がサセプタ3より厚くなるように構成されている。
しかし、均熱板7は半導体基板4の上面(非処理面)の
上に接触させ又は重ねるように位置させることもでき
る。
【0033】図8に示す均熱板7はカーボングラファイ
ト製であり、輻射加熱によるフェイスダウン式、つまり
図7のように成長炉内への基板のセット方式として、板
状のサセプタに開けた基板と同じ形状の開口部5に基板
表面が下向きになるように固定し、更にこの基板4の裏
面側に前記サセプタ開口部にはめ込める形状を有する均
熱板を設置するフェイスダウン方式の成長装置で使用す
るもので、基板裏面に置くタイプのものである。
【0034】本発明に従い、上記均熱板7には、図1
(b)に示すように、III−V族化合物半導体結晶薄膜
71がコートされている。このIII−V族化合物半導体
結晶薄膜71も、上記図4の場合と同様に、物質とし
て、GaAs、AlGaAs、InGaAs、GaP、
InGaP、AlInP、AlGaInP、GaN、A
lN、AlGaN、GaNAs、InSbのうちの一つ
が用いられる。III−V族化合物半導体結晶薄膜71の
コート厚は0.1μm以上、好ましくは0.1μm〜2
0μmに施される。
【0035】上記図1(a)又は(b)のように、均熱
板7から成る治具表面にIII−V族化合物半導体結晶薄
膜71をコートする方法は、通常のMOVPE法(有機
金属気相成長法)のように反応炉内において行う。すな
わち、通常のMOVPE法であれば、サセプタ上に基
板をセットする、基板の裏面側に均熱板をセットす
る、ヒータで加熱し、ドーピング原料及びキャリアガ
スを供給する、といった手順で行われるが、ここでの均
熱板7へのコートは、例えば図3に示すように、サセ
プタ3上に均熱板7をセットする、メインヒータ2
1、外周ヒータ22から成る加熱装置で加熱し、ドーピ
ング原料及びキャリアガスを供給する、といった手順で
行われる。
【0036】なお、均熱板7に加えて、他の炉内治具を
コートすることも有効である。
【0037】
【実施例】次に、上記図4の気相エピタキシャル成長装
置を用いて有機金属気相成長法を実施する例について説
明する。
【0038】上述した図4の反応炉内に、III族有機金
属原料ガスとV族原料ガスを、高純度水素キャリアガス
との混合ガスとして導入する。これにより、反応炉内で
加熱された基板4付近で原料が熱分解され、基板4上に
エピタキシャル成長する。この有機金属気相成長法にお
いて、基板4をセットする周辺治具たる均熱板7の表面
に、un−Al0.20Ga0.80Asを4.0μmコート
し、これを用いた装置を実施例とした。また、この均熱
板7にコートしない装置を従来例とした。
【0039】そして、この均熱板7をコートした装置
(実施例)としない装置(従来例)とを用い、それぞれ
n−Al0.26Ga0.74As単層2.0μmと、同一のH
EMT構造を、同一条件で成長した。n−、un−はそ
の結晶がそれぞれn型、半絶縁性であることを示してい
る。
【0040】
【表1】
【0041】表1に、本実施例の装置で実際に成長した
HEMT構造を示す。実施例の成長では、Ga原料とし
てTMG、Al原料としてTMA、As原料としてAs
3、Siの原料ガスとしてジシラン(Si26)を用
いた。
【0042】上記により成長したn−Al0.26Ga0.74
As単層を、液体窒素温度(以下77Kと略す)におい
てフォトルミネッセンス分光分析装置(以下PLと略
す)で測定した。その結果を図2に示す。
【0043】長波長側、718〜719nmのピークが
主に酸素、つまり不純物のピークを示す。このピークが
短波長側のピーク(AlAsピーク)と比べて相対的に
見て高ければ高いほど、結晶中に不純物として多くの酸
素を含んでいることを示す。図2(b)に示すコートな
し(カバー前)の従来例の場合の酸素ピークが、AlA
sピークとほぼ同じ高さであるのに対して、図2(a)
に示すコートした本実施例の場合は、驚くべきことに、
酸素ピークがほとんど見えない状態になった。グラフの
縦軸[=ピーク強度(intensity)]が、両者で大きく
異なる点は、サンプルのセット位置のズレ等、測定によ
る若干の差も含まれると思うが、結晶の純度が増したこ
とが大きな原因である。
【0044】次に本実施例にて実際に成長したHEMT
構造の評価結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】期待通り、シート抵抗・シートキャリア濃
度・移動度とも、バラツキが小さくなり、均一性は大幅
に向上した。特にウェハ周辺部のバラツキが減少した。
また移動度も向上した。
【0047】次に、(1) コートする結晶の厚さ、(2) コ
ートする結晶の種類、(3) ドーパントの有無について最
適条件を調べた。評価は上記実施例と同様、n−Al
0.26Ga0.74As単層、厚さ2.0μmを成長し、77
K下でPL測定を実施した。
【0048】まず、均熱板7にコートする結晶の厚さに
ついては、表3(a)に示すように、実施例を元に、
0.1μm、0.5μm、1.0μm、2.0μm、
4.0μm、8.0μm、20μmと変化させた。
【0049】また結晶の種類に関しては、表3(b)に
示すように、コート厚さを0.1μmに固定して、Ga
Asと、三元系のAlGaAs、InGaAs、InG
aPについて実施した。AlGaAs、InGaAs、
InGaPに関しては、それぞれ2通りの混晶比で実施
した。一方の混晶比について、ドーピングの有り無しに
ついて調べた。
【0050】結果を表3の(a)、(b)に示す。ここ
で「Intensity 比」とは、(酸素ピークのIntensity)
/(AlAsピークのIntensity)とし、酸素ピークの
AlAsピークと比べた相対的なピークの高さを表すた
めに記した。
【0051】
【表3】
【0052】コートする結晶の厚さ及び種類について、
それぞれの実験結果をまとめると次の通りであった。
【0053】まず、コートする結晶の厚さについては、
0.1μmでも効果が現れる。そして、0.5μm−
1.0μmと増やすにつれて酸素ピークは小さくなって
行き、2.0μm以上コートした場合にはほぼ見えない
状態になった。従って、コートされるIII−V族化合物
半導体結晶薄膜のコート厚は、0.1μm以上、好まし
くは0.1μm〜20μmであることが分かる。
【0054】次に、結晶の種類については、GaAsよ
りもAlGaAs、InGaAs、InGaPなどの三
元系の結晶の方が同じ厚さで有れば効果が大きかった。
InGaAs、InGaPについては組成の違いによる
差は少なかったが、AlGaAsについては、Al組成
の大きい方が効果が大きいことがわかった。
【0055】さらにドーパントの有無については、In
GaAsについてはドーピングした方の効果が大きかっ
たが、その他では差は見られなかった。
【0056】以上本発明の好ましい実施例について述べ
たが、本発明は、MOVPE成長法により製造する化合
物半導体エピタキシャルウェハすべてに利用できるもの
である。
【0057】また、上記実施例では、均熱板が一つづつ
独立している場合について述べたが、本発明は、均熱板
が一続きに一体化されている形態のものに対しても、適
用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
熱した基板上にIII族およびV族原料ガス、ドーピング
原料及びキャリアガスを供給し、基板上に化合物半導体
結晶を気相成長する気相エピタキシャル成長装置におい
て、基板がセットされる部分周辺の治具、例えば均熱板
の表面に、III−V族化合物半導体結晶薄膜をコートし
たので、従来と比べて安定して高純度な結晶を得ること
ができ、それによって、デバイスの電気特性の均一性の
向上、性能の向上を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により、III−V族化合物半導体結晶薄
膜を表面にコートした均熱板を示した断面図である。
【図2】Al0.26Ga0.74As単層のPL77K測定結
果を示した図であり、(a)は本発明の装置で成長した
場合を、(b)は従来の装置で成長した場合を示す。
【図3】本発明の気相エピタキシャル成長装置の均熱板
にコートを施す際の形態を示した断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る気相エピタキシャル
成長装置の構造を示した断面図である。
【図5】図4のサセプタの詳細を半導体基板及び均熱板
を装着した状態で示した平面図である。
【図6】図4の気相エピタキシャル成長装置におけるサ
セプタの開口部分の断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る気相エピタキシャ
ル成長装置の構造を示したもので、(a)は平面図、
(b)はその一部縦断面図である。
【図8】図7の実施形態に係る均熱板を示したもので、
(a)は平面図、(b)はその断面図である。
【図9】本発明の気相エピタキシャル成長装置で成長さ
せるHEMT構造の縦断を示した図である。
【図10】本発明を適用可能な気相エピタキシャル成長
装置の主なリアクター方式を示した図である。
【符号の説明】
1 気相エピタキシャル成長装置 2 反応管 2a 原料ガス供給口 2b ガス排気口 3 サセプタ 4 半導体基板 5 開口部 6 基板支持部 7 均熱板 7a つば状部 21 メインヒータ 22 外周ヒータ 71 III−V族化合物半導体結晶薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BE47 DB08 EG16 HA06 TB05 TF03 4K030 AA11 BA02 BA08 BA25 BB02 CA04 FA10 GA01 HA13 JA10 KA23 KA47 LA14 5F045 AA04 AB09 AB10 AB11 AB13 AB14 AB17 AB18 BB14 EB03 EM02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱した基板上にIII族およびV族原料ガ
    ス、ドーピング原料及びキャリアガスを供給し、基板上
    に化合物半導体結晶を気相成長する気相エピタキシャル
    成長装置において、 基板がセットされる部分周辺の治具の表面に、III−V
    族化合物半導体結晶薄膜をコートしたことを特徴とする
    気相エピタキシャル成長装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の気相エピタキシャル成長装
    置において、 前記基板がセットされる部分周辺の治具が、基板を均一
    に熱するために基板に隣接して加熱源との間にセットさ
    れた均熱板から成り、該均熱板にIII−V族化合物半導
    体結晶薄膜をコートしたことを特徴とする気相エピタキ
    シャル成長装置。
  3. 【請求項3】加熱装置で加熱され、且つIII族およびV
    族原料ガスが流通する反応管内に又は反応管の壁の一部
    として板状のサセプタを設け、 このサセプタに設けた開口部内に気相エピタキシャル成
    長の対象である基板を、その表面を反応管の内側に向け
    て支持すると共に、前記開口部内に基板の裏面に対接し
    て均熱板をはめ込んだ気相エピタキシャル成長装置にお
    いて、 前記均熱板にIII−V族化合物半導体結晶薄膜をコート
    したことを特徴とする気相エピタキシャル成長装置。
  4. 【請求項4】加熱装置で加熱され、且つIII族およびV
    族原料ガスが流通する反応管内に又は反応管の上部壁の
    一部として板状のサセプタを設け、このサセプタに気相
    エピタキシャル成長の対象である基板とほぼ同じ形状に
    開口部を開け、この開口部内に基板の表面を下向きに支
    持すると共に、前記基板を加熱する加熱源に面するよう
    に前記開口部に均熱板をはめ込んだ気相エピタキシャル
    成長装置において、 前記均熱板にIII−V族化合物半導体結晶薄膜をコート
    したことを特徴とする気相エピタキシャル成長装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の気相エピ
    タキシャル成長装置において、 前記コートされるIII−V族化合物半導体結晶薄膜の物
    質が、GaAs、AlGaAs、InGaAs、Ga
    P、InGaP、AlInP、AlGaInP、Ga
    N、AlN、AlGaN、GaNAs、InSbのいず
    れかであることを特徴とする気相エピタキシャル成長装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の気相エピ
    タキシャル成長装置において、 前記コートされるIII−V族化合物半導体結晶薄膜の物
    質が、AlGaAs、InGaAs、InGaPなどの
    三元系の結晶であることを特徴とする気相エピタキシャ
    ル成長装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は6に記載の気相エピタキシャ
    ル成長装置において、 前記コートされるIII−V族化合物半導体結晶薄膜のコ
    ート厚が0.1μm以上であることを特徴とする気相エ
    ピタキシャル成長装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載の気相エピ
    タキシャル成長装置において、 基板がセットされる部分周辺の治具又は均熱板がカーボ
    ン、SiC、SiN、Al23、BaN、石英、Moの
    いずれかから成ることを特徴とする気相エピタキシャル
    成長装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100341117C (zh) * 2005-06-09 2007-10-03 山东师范大学 一种p型杂质源的制备及掺杂工艺
JP2008258508A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Sharp Corp 気相成長装置及び気相成長方法

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