JP2003257261A - 改質された高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents
改質された高分子電解質膜の製造方法Info
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Abstract
解質膜の製造方法を提供する。 【解決手段】[1]加圧下で、高分子電解質膜に流体を
接触させることを特徴とする改質された高分子電解質膜
の製造方法。 [2]加圧下で、高分子電解質膜に流体を接触させるこ
とを特徴とする高分子電解質膜の改質方法。 [3]流体が、液状又は超臨界状態であることを特徴と
する上記[1]または[2]に記載の方法。 [4]流体が、アルコール類、炭化水素類、フロン類、
二酸化炭素、水素、窒素、不活性ガス類の群から選ばれ
ることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の方
法。 [5]圧力が0.5MPa以上であることを特徴とする上記
[1]〜[4]いずれかに記載の方法。 [6]接触温度T(℃)が、前記高分子電解質膜の融点
をTm(℃)とした時 0<T<Tm−5(℃) の範囲であることを特徴とする上記[1]〜[5]いず
れかに記載の方法。
Description
電解質膜の製造方法に関し、詳しくは、加圧下で、高分
子電解質膜に流体を接触させることを特徴とする改質さ
れた高分子電解質膜の製造方法に関する。
を有するナフィオン(デュポン社の登録商標)等のパー
フルオロスルホン酸系のものが、燃料電池としての特性
に優れることから固体高分子型燃料電池に用いられてい
る。一方、この高分子電解質は非常に高価であるため
に、この高分子電解質に替わり得る安価な高分子電解質
膜の開発が近年活発化してきている。なかでも耐熱性に
優れフィルム強度の高い芳香族ポリエーテルにスルホン
酸基を導入した高分子電解質が有望視されており、例え
ば、スルホン化ポリエーテルケトン系(特表平11−5
02249号公報)、スルホン化ポリエーテルスルホン
系(特開平10−45913号公報および特開平10−
21943号公報等)等の高分子電解質膜が提案されて
いる。
は、吸水し易く、水を多量に吸収することにより、場合
によっては膜の寸法変化が起こるという問題があり、こ
の点の改質が望まれていた。
率の低減等がなされた改質された高分子電解質膜の製造
方法、高分子電解質膜の改質方法を提供するものであ
り、また燃料電池に使用した際に吸水による寸法変化等
が抑制され高い信頼性を有する改質された高分子電解質
膜及びそれからなる燃料電池を提供するものである。
を達成するべく鋭意研究を行った結果、加圧下で、高分
子電解質膜に流体を接触させることにより、高分子電解
質膜が改質され、吸水率の低減のみならずプロトン伝導
度も向上した高分子電解質膜が得られることを見出し、
本発明を完成した。すなわち本発明は、加圧下で、高分
子電解質膜に流体を接触させることを特徴とする実用的
に優れた改質された高分子電解質膜の製造方法を提供す
るものである。
に流体を接触させることを特徴とする実用的に優れた高
分子電解質膜の改質方法を提供するののである。さらに
本発明は、上記の方法によって得られた改質された高分
子電解質膜および該膜を用いてなる燃料電池を提供する
ものである。
本発明の原料となる高分子電解質膜としては、通常、高
分子電解質を成膜することにより製造されたものが使用
される。ここで、高分子電解質としては、イオン交換
基、例えば、−SO3H、−COOH、−PO(OH)2、−POH(OH)、
−SO2NHSO2−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の
陽イオン交換基、−NH2、−NHR、−NRR'、−NRR'R''+、
−NH3 +等(R:アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基等を表す)等の陰イオン交換基を有し、溶媒に可溶
な高分子が通常使用される。これらの基は、その一部ま
たは全部が対イオンととの塩を形成していても良い。
えば(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子にスル
ホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子
電解質;(B)主鎖が一部の水素原子がフッ素で置換さ
れた脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基およ
び/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;
(C)主鎖が芳香環を有する高分子にスルホン酸基およ
び/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;
(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まないポリシロキサ
ン、ポリフォスファゼンなどの高分子にスルホン酸基お
よび/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;
(E)(A)〜(D)のスルホン酸基および/またはホ
スホン酸基導入前の高分子を構成する繰り返し単位から
選ばれるいずれか2種以上の繰り返し単位からなる共重
合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入
した高分子電解質;(F)主鎖あるいは側鎖に窒素原子
を含み、硫酸やリン酸等の酸性化合物をイオン結合によ
り導入した高分子電解質等が挙げられる。
ば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、
ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられ
る。また上記(B)の高分子電解質としては、炭化フッ
素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合
によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水
素系側鎖とから構成されるスルホン酸型ポリスチレン−
グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE、例えば特開平9−102322号公報)や、
炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマと
の共重合によって作られた膜に、α,β,β-トリフル
オロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基
を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポ
リ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜(例
えば、米国特許第4,012,303号及び米国特許第
4,605,685号)等が挙げられる。
が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであっ
てもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・
エーテル)、ポリイミド、ポリ((4-フェノキシベンゾ
イル)-1,4-フェニレン)、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニルキノキサレン等の単独重合体のそれぞ
れにスルホン酸基が導入されたもの、スルホアリール化
ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズ
イミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾー
ル(例えば、特開平9−110982)、ホスホン化ポ
リ(フェニレンエーテル)(例えば、J. Appl. Polym.
Sci., 18, 1969 (1974) )等が挙げられる。
えば、ポリフォスファゼンにスルホン酸基が導入された
もの、Polymer Prep., 41, No.1, 70 (2000) に記載
の、ホスホン酸基を有するポリシロキサン等が挙げられ
る。上記(E)の高分子電解質としては、ランダム共重
合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入
されたものでも、交互共重合体にスルホン酸基および/
またはホスホン酸基が導入されたものでも、ブロック共
重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導
入されたものでもよい。ランダム共重合体にスルホン酸
基が導入されたものとしては、例えば、スルホン化ポリ
エーテルスルホン-ジヒドロキシビフェニル共重合体が
挙げられる(例えば、特開平11−116679号公
報。)
えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン
酸を含有せしめたポリベンズイミダゾール等が挙げられ
る。上記(E)の高分子電解質に含まれるブロック共重
合体において、スルホン酸基および/またはホスホン酸
基を持つブロックの具体例としては、例えば特開200
1−250567号公報に記載のスルホン酸基および/
またはホスホン酸基を持つブロックが挙げられる。
まれるブロック共重合体、特に特開2001−2505
67に記載のものが好ましく使用される。高分子電解質
の重量平均分子量は、通常1000〜1000000程
度であり、イオン交換基当量重量は、通常500〜50
00g/モル程度である。
なる高分子電解質膜を用いるものであるが、該高分子電
解質膜は、通常、高分子電解質を成膜することにより製
造されたものが使用される。成膜する方法については、
何ら限定されるものではなく、溶融押出製膜法、ホット
プレス法、キャスト法等公知の方法を使用することがで
きるが、これらの中では溶液状態より製膜する方法であ
る溶液キャスト法が好ましい。溶液キャスト法において
は、高分子電解質を適当な溶媒に溶解し、その溶液を基
材上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜され
る。製膜に用いる溶媒は、高分子電解質を溶解可能であ
り、その後に除去し得るものであるならば特に制限はな
く、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジ
メチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタ
ノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルな
どが好適に用いられる。これらは単独で用いることもで
きるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いる
こともできる。中でも、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド等がポリマーの溶解性が高く好ましい。また溶
液キャスト法に用いる基材は、溶液により膨潤或いは溶
解することなく、かつ製膜後に得られる膜が剥離し得る
ものであるならば特に制限は無く、例えばガラス、ステ
ンレス材、ステンレスベルト、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム等が好適に用いられる。該基材
表面は必要に応じ離型処理、鏡面処理、エンボス処理、
或いは艶消し処理等施しても良い。また、前記高分子電
解質を多孔質状の支持体に保持させた膜でも本発明の効
果を十分享受できる。
は、特に制限はないが5〜200μmが好ましい。さら
に好ましくは8〜60μm、最も好ましくは15〜40
μmである。実用に耐えるフィルムの強度を得るには5
μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性
能の向上のためには200μmより薄い方が好ましい。
膜厚は溶液濃度あるいは基材上への塗布厚により制御で
きる。
常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤、等の
添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。
また、電解質を製造する際あるいは電解質を製膜等の加
工・成形する際に、ポリマー間を架橋することも好適な
態様である。
流体を接触させることを特徴とするものである。ここ
で、高分子電解質膜に接触させる流体としては、例えば
メタノール、エタノール等のアルコール類やブタン、ペ
ンタン等の炭化水素類、フロン類或いは二酸化炭素、水
素や、窒素等の他、ネオン、アルゴン等の不活性ガスが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。流体
はは2種以上混合しても良い。
0gに対して0.1〜20gの範囲であることが好まし
い。更に好ましくは0.1〜15gの範囲である。0.
1g未満では本発明の効果が低減する傾向にあり、また
20gを超えたばあいには、形状変形等の問題が発生し
やすくなる。
界状態が好ましい。処理する圧力は0.5MPa以上が
好ましく、さらには1.0〜50MPaの範囲が好まし
い。0.5MPa以下であると、高分子電解質膜に溶解
する流体の量が少なくなるためか、本発明の効果が低減
するけいこうにあり。また、50MPa以上であると、
操作が困難となり、装置にも莫大な費用を要するため好
ましくない。
子電解質膜の融点をTm(℃)とした時 0<T<Tm−5(℃) の関係を満たすことが好適である。特に二酸化炭素を用
いた場合、この温度範囲外で処理する場合、膜が変形す
る或いは発泡する等の問題が生じる傾向にあるため好ま
しくない。
走査熱量計(DSC)によって、10℃/minの昇温速
度で測定した吸熱曲線における最も高温側のピーク点に
対応する温度をいう。
る。圧力を常圧にまで降圧する時、温度は、融点(T
m)以下であれば良く、さらにはTmより100℃以下
の温度範囲が好ましい。また降圧の時間は内部に気泡が
生じない程度であれば特に制限は無いが、生産性を考え
ると早いほうが好ましい。
放および密閉可能な耐圧容器と、ポンプ等の前記耐圧容
器内に流体を導入するための手段と、耐圧容器内に圧入
されていた流体をバルブの開放により外部に放出するた
めの手段等を備えたバッチ式処理装置、或いは連続的に
流体で処理する装置等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
れるが、次にこれを用いた燃料電池について説明する。
燃料電池は、上記で得られた高分子電解質膜の両面に、
触媒および集電体としての導電性物質を接合することに
より製造することができる。該触媒としては、水素また
は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特
に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白
金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子はし
ばしば活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボ
ンに担持されたものが好ましく用いられる。集電体とし
ての導電性物質に関しても公知の材料を用いることがで
きるが、多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパ
ーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好まし
い。多孔質性のカーボン織布またはカーボンペーパーに
白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合
させる方法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合
させる方法については、例えば、J. Electro
chem. Soc.: Electrochemic
al Science and Technolog
y, 1988, 135(9), 2209 に記載
されている方法等の公知の方法を用いることができる。
本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるもので
はない。
た。 吸水率 高分子電解質膜を、100℃の脱イオン水に2時間浸漬
した後の高分子電解質膜の乾燥時に対する重量増加量
を、乾燥時の重量に対する百分率として求めた。
エーテルスルホンブロックとポリ(2−フェニル−1,
4−フェニレンオキシド)ブロックからなるブロック共
重合体を合成した。
重量%の濃度となるようにN,N−ジメチルアセトアミ
ドに溶解後、ガラス板上にキャスト製膜し、80℃で常
圧乾燥した。次いで、1モル/Lの塩酸に浸漬した後、
イオン交換水で洗浄することにより高分子電解質膜を製
造した。
し、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,
4’−ジヒドロキシビフェニルと4,4’−ジクロロジ
フェニルスルホンの比を7:3:10としたポリエーテ
ルスルホン共重合体を合成後、スルホン化した。得られ
たポリエーテルスルホン共重合体を用いて、20重量%
の濃度となるようにMeOH/CH2Cl2(7/3)
に溶解後、ガラス板上にキャスト製膜し、80℃で常圧
乾燥した。次いで1mol/Lの塩酸に浸漬した後、イ
オン交換水で洗浄することによって高分子電解質膜を製
造した。
処理層内に置き、流体として、二酸化炭素を用い、処理
圧力30Mpa、温度135℃で2時間接触処理を行っ
た。評価結果を表1に示した。
果を表1に示した。
中、温度135℃で2時間処理を行った。評価結果を表
1に示した。
施例1と同様に処理した。結果を表1に示した。
果を表1に示した。
る等の改質された高分子電解質膜が得られる。それ故、
本発明の改質された高分子電解質膜は、寸法安定性等に
優れるので、燃料電池のプロトン伝導膜等として好適と
なる。
Claims (8)
- 【請求項1】加圧下で、高分子電解質膜に流体を接触さ
せることを特徴とする改質された高分子電解質膜の製造
方法。 - 【請求項2】加圧下で、高分子電解質膜に流体を接触さ
せることを特徴とする高分子電解質膜の改質方法。 - 【請求項3】流体が、液状又は超臨界状態であることを
特徴とする請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】流体が、アルコール類、炭化水素類、フロ
ン類、二酸化炭素、水素、窒素、不活性ガス類の群から
選ばれることを特徴とする請求項1または2記載の方
法。 - 【請求項5】圧力が0.5MPa以上であることを特徴とす
る請求項1〜4いずれかに記載の方法。 - 【請求項6】接触温度T(℃)が、前記高分子電解質膜
の融点をTm(℃)とした時0<T<Tm−5(℃)の
範囲であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記
載の方法。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の方法によ
り得られた改質された高分子電解質膜。 - 【請求項8】請求項7記載の改質された高分子電解質膜
を使用してなることを特徴とする燃料電池。
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JP2006507653A (ja) * | 2002-11-07 | 2006-03-02 | ガス、テクノロジー、インスティチュート | プロトン交換メンブラン燃料電池用の高安定性メンブラン |
CN116387612A (zh) * | 2023-02-13 | 2023-07-04 | 北京纯锂新能源科技有限公司 | 一种聚合物电解质膜、制备方法及金属锂电池 |
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2002
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