JP2007265996A - 高分子電解質膜の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いプロトン伝導性を示す高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】高分子電解質を含む溶媒溶液を、基材に流延塗付し、溶媒を除去することによる高分子電解質膜の製造方法において、溶媒として、低級アルコール及びエーテルアルコール類から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い、ハロアルカン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有する混合溶媒を用いる製造法によって得られた高分子電解質膜
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質膜の製造法に関し、詳しくは、高分子電解質を含む溶媒溶液を、基材に流延塗付し、溶媒を除去することによる高分子電解質膜の製造法に関するものである。
近年、環境負荷の少ないエネルギー源を模索する試みが種々なされている。なかでも燃料電池、特に固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質型燃料電池は、排出物質は水のみである等の利点から、自動車等の動力源としての応用が期待されている。
かかる固体高分子電解質型燃料電池用の高分子電解質として、ナフィオン(Nafion、デュポン社登録商標)に代表されるパーフルオロアルキルスルホン酸等の高分子電解質から得られる膜など種々の高分子電解質膜が提案されている。
これらの高分子電解質膜に第一に要求される特性として、高プロトン伝導度を有することが挙げられる。これは、プロトン伝導度の高い膜を用いることにより、燃料電池作動において、高電流密度で電圧降下が小さくなり、高い電池出力を引き出すことができることによるものである。
これらの高分子電解質膜の製造技術としては、高分子電解質と有機溶媒等との溶液を基材上に流延塗布し、高温で該溶媒を除去して膜を得るというキャスト法が、標準的な製膜法として採用されている。
例えば、キャスト溶媒として、メタノール等の沸点が100℃以下のアルコールとN−メチル‐2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド等の沸点が100℃を超える有機溶媒からなる混合溶媒を用いる方法が知られている(特許文献1)。
一方、このようなキャスト法により得られる高分子電解質膜のプロトン伝導性を向上させる方法も知られている。例えば、キャスト溶媒として水とプロパノールからなる混合溶媒を用い、得られた高分子電解質膜を、水中または飽和水蒸気下で加熱処理する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2002−12744号公報 特開平9−199144号公報
しかしながら、前者の方法では、得られた高分子電解質膜のプロトン伝導性が十分ではないという問題が、後者の方法では、一旦得られた高分子電解質膜を、さらに処理するという二段工程を必要とし、製造方法が迂遠であるという問題があった。
本発明者は、簡便でしかもプロトン伝導性に優れた高分子電解質膜を与える高分子電解質膜の製造法を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、キャスト溶媒として、アルコール及び水から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有するという特定の混合溶媒を用いることにより、得られた高分子電解質膜を、水中または飽和水蒸気下で加熱処理することなしでも、一挙に高いプロトン伝導性を示す高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、高分子電解質を含む溶媒溶液を、基材に流延塗付し、溶媒を除去することによる高分子電解質膜の製造法において、溶媒として、低級アルコール及びエーテルアルコール類から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い、ハロアルカン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有する混合溶媒を用いる製造法により得られた高分子電解質膜を提供するものである。
本発明によれば、キャスト法における溶媒として、低級アルコール及びエーテルアルコール類から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い、ハロアルカン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有するという特定の混合溶媒を用いることにより、得られた高分子電解質膜を水中や飽和水蒸気下で加熱するという工程なしでも、一挙に高いプロトン伝導性を示す高分子電解質膜が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、高分子電解質としては、イオン交換基、例えば、−SO3H、−COOH、−PO(OH)2、−POH(OH)、−SO2NHSO2−、−Ph(OH)(Phはフェニル基を表す)等の陽イオン交換基、−NH2、−NHR、−NRR'、−NRR'R''+、−NH3 +等(R、R'、R''は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等を表す)等の陰イオン交換基を有し、溶媒に可溶な高分子が通常使用される。これらの基は、その一部または全部が対イオンとの塩を形成していても良い。
かかる高分子電解質の代表例としては、例えば(A)主鎖が脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(B)主鎖が一部の水素原子がフッ素で置換された脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有する高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(D)主鎖に実質的に炭素原子を含まないポリシロキサン、ポリフォスファゼンなどの高分子にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(E)(A)〜(D)のスルホン酸基および/またはホスホン酸基導入前の高分子を構成する繰り返し単位から選ばれるいずれか2種以上の繰り返し単位からなる共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基を導入した高分子電解質;(F)主鎖あるいは側鎖に窒素原子を含み、硫酸やリン酸等の酸性化合物をイオン結合により導入した高分子電解質等が挙げられる。
上記(A)の高分子電解質としては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸、等が挙げられる。
また上記(B)の高分子電解質としては、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成されるスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、例えば特開平9−102322号公報)や、炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β-トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜としたスルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜(例えば、米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号)等が挙げられる。
上記(C)の高分子電解質としては、主鎖が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであってもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・エーテル)、ポリイミド、ポリ((4-フェノキシベンゾイル)-1,4-フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の単独重合体のそれぞれにスルホン酸基が導入されたもの、スルホアリール化ポリベンズイミダゾール、スルホアルキル化ポリベンズイミダゾール、ホスホアルキル化ポリベンズイミダゾール(例えば、特開平9−110982)、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)(例えば、J. Appl. Polym. Sci., 18, 1969 (1974) )等が挙げられる。
また上記(D)の高分子電解質としては例えば、ポリフォスファゼンにスルホン酸基が導入されたもの、Polymer Prep., 41, No.1, 70 (2000) に記載の、ホスホン酸基を有するポリシロキサン等が挙げられる。
上記(E)の高分子電解質としては、ランダム共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、交互共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでも、ブロック共重合体にスルホン酸基および/またはホスホン酸基が導入されたものでもよい。ランダム共重合体にスルホン酸基が導入されたものとしては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン-ジヒドロキシビフェニル共重合体が挙げられる(例えば、特開平11−116679号公報。)
また上記(F)の高分子電解質としては例えば、特表平11−503262号公報に記載の、リン酸を含有せしめたポリベンズイミダゾール等が挙げられる。
上記(E)の高分子電解質に含まれるブロック共重合体において、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックの具体例としては、例えば特開2001−250567号公報に記載のスルホン酸基および/またはホスホン酸基を持つブロックが挙げられる。
上記のような高分子電解質の中では、(C)、(E)の高分子電解質が好ましく、とりわけ単独重合体、ランダム共重合体および交互共重合体のいずれかにスルホン酸基を導入した構造を有し、高分子主鎖が芳香環を有するものが好ましい。
本発明に使用される高分子電解質の数平均分子量は、通常1000〜1000000程度、好ましくは10000〜100000程度である。数平均分子量が1000より小さいと膜強度が低下することがあり好ましくなく、1000000より大きいと溶媒への溶解に時間がかかったり、溶液粘度が高くなり過ぎたりして製膜が困難になる傾向があり好ましくない。
また本発明に使用される高分子電解質のイオン交換基当量重量は、通常500〜5000g/モル程度である。イオン交換基当量重量が500g/モルよりも低いと、得られる膜の耐水性が低くなり好ましくない。
本発明は、キャスト溶媒として、低級アルコール及びエーテルアルコール類から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い、ハロアルカン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有する混合溶媒を用いることを特徴とするものであるが、第一の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの低級アルコール類、2−メトキシエタノール(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類、それらの混合物が挙げられる。
また第二の溶媒である非アルコール系有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロアルカン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、またはそれらの混合物が挙げられる。
上記のような第二の溶媒は、第一の溶媒との組合わせにおいて、第一の溶媒よりも沸点の低いものが選定される。また第一の溶媒と第二の溶媒の少なくとも一方が複数の溶媒の混合物である場合、第二の溶媒の中で最も沸点の高い溶媒が、第一の溶媒中の最も沸点の低い溶媒よりも低い沸点を有するように選定される。
本発明におけるキャスト溶媒の具体例としては、例えば、メタノールとジクロロメタンとの混合溶媒、エタノールとジクロロメタンとの混合溶媒、1−プロパノールとジクロロメタンとの混合溶媒、2−プロパノールとジクロロメタンとの混合溶媒、2−メトキシエタノールとジクロロメタンとの混合溶媒、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒、エタノールとクロロホルムとの混合溶媒、1−プロパノールとクロロホルムとの混合溶媒、2−プロパノールとクロロホルムとの混合溶媒、2−メトキシエタノールとクロロホルムとの混合溶媒、メタノールとジエチルエーテルとの混合溶媒、エタノールとテトラヒドロフランとの混合溶媒、1−プロパノールとテトラヒドロフランとの混合溶媒、2−プロパノールとテトラヒドロフランとの混合溶媒、メタノールとアセトンとの混合溶媒、エタノールとアセトンとの混合溶媒、2−メトキシエタノールとアセトンとの混合溶媒、1−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合溶媒、2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合溶媒、2−メトキシエタノールとアセトニトリルとの混合溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとジメチルアセトアミドとの混合溶媒などが挙げられる。
好ましくは、メタノールとジクロロメタンとの混合溶媒、メタノールとクロロホルムとの混合溶媒、エタノールとクロロホルムとの混合溶媒、2−メトキシエタノールとアセトンとの混合溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとジメチルアセトアミドとの混合溶媒などである。
第一の溶媒と第二の溶媒の使用比率は、通常、第一の溶媒が1〜40重量%、第二の溶媒が60〜99重量%、好ましくは第一の溶媒が3〜30重量%、第二の溶媒が70〜97重量%であり、より好ましくは、第一の溶媒が5〜25重量%、第二の溶媒が75〜95重量%である。
上記のようなキャスト溶媒と高分子電解質は、通常、後者が前者に溶解した状態すなわち後者が前者中に分子レベルで一様に分散した状態、後者がナノメーターからマイクロメーターのレベルで凝集体を形成し、その凝集体が前者中に分散した状態で使用される。
本発明において、高分子電解質を含む溶媒溶液は、基材に流延塗付され、次いで溶媒が除去されるが、基材としては、溶媒への耐性があり、製膜後に膜が剥離できるものであれば特に制限はなく、通常ガラス板、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、テフロン板、ステンレス板、ステンレスベルト、シリコンウエハ等が用いられる。これらの基材は、必要に応じて、表面が離型処理、エンボス加工、つや消し加工等がなされているものも使用し得る。
溶媒溶液の塗布量は特に制限はないが、製膜して得られる膜の厚みが、通常5〜200μm、好ましくは8〜60μm、より好ましくは15〜40μmになるように流延塗布される。実用に耐える膜の強度を得るには、5μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには200μmより薄い方が好ましい。膜厚は、溶液濃度あるいは基材上への塗付厚により制御できる。
尚、高分子電解質を含む溶媒溶液としては、必要に応じ、通常使用される可塑剤、安定剤、離型剤、保水剤等の添加剤を、プロトン伝導能を著しく妨げない範囲内で含有しているものも使用し得る。
溶媒の除去は、通常の加熱条件で実施される。溶媒を除去する際の湿度は、大気の相対湿度、あるいはそれ以下である。また、溶媒の除去の温度は、溶媒を除去し製膜できれば特に限定はないが、通常室温以上溶媒の沸点未満の温度が採用される。
溶媒を除去するに当っては、通常、恒温槽が用いられる。
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、高分子電解質膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質膜と接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
特開平10−21943号公報の実施例1に記載の方法に従い、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを重縮合し、次いで得られた重縮合体をスルホン化することにより高分子電解質1を得た。このもののイオン交換基当量重量は909g/モルであった。
次いで、高分子電解質1を塩化メチレンとメタノールの混合溶媒(重量比 塩化メチレン:メタノール=87:13、体積比 塩化メチレン:メタノール=8:2)に溶解し、濃度15重量%の混合溶媒溶液とした。次いで、該溶液をガラス基材上に流延塗付し、80℃、約2時間かけて溶媒を除去し、高分子電解質膜1を得た。該膜を1モル/リットル塩酸で2時間処理し、さらに3時間脱イオン水洗浄した後、二枚の白金電極にて挟み、恒温恒湿槽中で交流法にてプロトン伝導度を測定した。
該膜1の80℃、各相対湿度下におけるプロトン伝導度を表1に示す。
実施例2
市販のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を濃硫酸に溶解し、室温下、1日間攪拌することによりスルホン化し、高分子電解質2を得た。このもののイオン交換基当量重量は556g/モルであった。
次いで、高分子電解質2を塩化メチレンとメタノールの混合溶媒(重量比 塩化メチレン:メタノール=87:13)に溶解し、濃度15重量%の混合溶媒溶液とした。次いで、該溶液をガラス基材上に流延塗付し、80℃、約2時間かけて溶媒を除去し、高分子電解質膜2を得た。該膜2を用いる以外は実施例1と同様にしてプロトン伝導度を測定した。
該膜2の80℃、各相対湿度下におけるプロトン伝導度を表1に示す。
比較例1
実施例1において、混合溶媒の代りにN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略称する。)を用いて、濃度15重量%の溶液を得た。該溶液をガラス基材上に流延塗付し、80℃、約5時間かけて溶媒を除去し、高分子電解質膜1’を得た。実施例1と同様の後処理を実施した後、同様の方法でプロトン伝導度を測定した。該膜1’のプロトン伝導度を測定した結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、混合溶媒の代りにDMAcを用いて、濃度20重量%の溶液を得た。該溶液をガラス基材上に流延塗付し、80℃、約5時間かけて溶媒を除去し、高分子電解質膜2’を得た。実施例1と同様の後処理を実施した後、同様の方法でプロトン伝導度を測定した。該膜2’のプロトン伝導度を測定した結果を表1に示す。
比較例3、4
実施例1、2における混合溶媒の代りに、DMAcとメタノールの混合溶媒(重量比 DMAc:メタノール=87:13)を用いて、ぞれぞれ同様に高分子電解質膜を得、同様にプロトン伝導度を測定した。該膜の80℃、各相対湿度下におけるプロトン伝導度を表1に示す。
比較例5、6
実施例1において、混合溶媒の代りに、メタノール、塩化メチレンにそれぞれ15重量%になるように溶液を調製しようとしたが、それぞれの溶媒に不溶であった。
比較例7、8
実施例2において、混合溶媒の代りにメタノール、塩化メチレンにそれぞれ15重量%になるように溶液を調製しようとしたが、それぞれの溶媒に不溶であった。
Figure 2007265996

Claims (2)

  1. 高分子電解質を含む溶媒溶液を、基材に流延塗付し、溶媒を除去することによる高分子電解質膜の製造法において、溶媒として、低級アルコール及びエーテルアルコール類から選ばれる少なくとも1種からなる第一の溶媒と、第一の溶媒よりも沸点の低い、ハロアルカン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類及び非プロトン性極性溶媒から選ばれる非アルコール系有機溶媒からなる第二の溶媒とを含有する混合溶媒を用いる製造法によって得られた高分子電解質膜
  2. 請求項1に記載の高分子電解質膜を用いてなることを特徴とする燃料電池
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