JP2003252722A - ハイドロゲル粒子 - Google Patents

ハイドロゲル粒子

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JP2003252722A
JP2003252722A JP2002051805A JP2002051805A JP2003252722A JP 2003252722 A JP2003252722 A JP 2003252722A JP 2002051805 A JP2002051805 A JP 2002051805A JP 2002051805 A JP2002051805 A JP 2002051805A JP 2003252722 A JP2003252722 A JP 2003252722A
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hydrogel
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hydrogel particles
liquid
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JP2002051805A
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English (en)
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Kenji Kano
賢治 鹿野
Chitoshi Shigeno
千年 重野
Hideaki Kubo
英明 久保
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧品、医薬品、医薬部外品、食品等に適用さ
れる、それら用途に使用される油性成分を含むハイドロ
ゲル粒子であって、油性成分の漏出をなくし、更に、し
っとり感があり、べとつき感のない粒子を提供するこ
と。さらに、皮膚等に塗布した際の指等による崩壊をス
ムーズに行うことができる、延びが良好でカス残りのな
い崩壊性が良好で球形度が高い粒子を提供すること。 【解決手段】ハイドロゲルを含む連続相及び油性成分A
を含む分散相を有し、油性成分Aに、極性が油性成分A
よりも高い油性成分Bを含有してなるハイドロゲル粒
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロゲル粒子
に関する。更に詳しくは、化粧品、医薬品、医薬部外
品、食品等に適用しうる、それらの油性成分を有するハ
イドロゲル粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】油性成分を含有するハイドロゲル粒子と
しては、皮膜成分が寒天からなるハイドロゲル、芯成分
が油性成分であるソフトカプセルタイプのハイドロゲル
粒子が知られている(特開平1-193216号公報)。しかし
ながら、このソフトカプセルには、皮膚に適用したとき
に寒天のカスが皮膚上に残留するため、塗布感に違和感
が生じるという欠点がある。また、化粧品において、し
っとり感やべとつき感を改良するために、極性が高い油
性成分を用いた場合、芯成分の油性成分がカプセルの外
に漏出しやすいという欠点がある。
【0003】更に、油性成分を油相とする油中水型エマ
ルジョンを内包したカプセルであって、カプセルの皮膜
がカプセル全量に対して0.1 〜1.0 重量%であるアルギ
ン酸カルシウムからなるカプセル(特許第2619705 号明
細書)や、鉄、銀、ストロンチウム、アルミニウム、マ
ンガン、セレン、カルシウム及び亜鉛からなる群より選
ばれた1種以上の多価の金属塩の水溶液と、1種以上の
アルギン酸塩水溶液とからなるカプセル(特許第293489
9 号明細書)が知られている。
【0004】しかしながら、これらのカプセルは、水溶
性アルギン酸塩と水溶性カルシウム塩とを反応させ、不
水溶性のアルギン酸カルシウムの皮膜を生成させること
によって製造されているため、芯部分に2価以上の金属
イオンを含む界面活性剤、水溶性高分子化合物、無機塩
等を加えることが制限されている。また、カプセルは、
アルギン酸塩水溶液をノズルを介して多価金属塩の水溶
性に滴下することによって製造されているため、球形度
が高くて単分散性が良好なカプセルを製造することが困
難である。
【0005】また、前述したカプセルのいずれにも、油
性成分を高比率で含有させて安定に製造することが困難
であるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、化粧
品、医薬品、医薬部外品、食品等(以下「化粧品等」と
いう)に適用される、それら用途に使用される油性成分
を含むハイドロゲル粒子であって、油性成分の漏出をな
くし、更に、しっとり感があり、べとつき感のない粒子
を提供することにある。さらに、皮膚等に塗布した際の
指等による崩壊をスムーズに行うことができる、延びが
良好でカス残りのない崩壊性が良好で球形度が高い粒子
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハイドロゲル
を含む連続相及び油性成分Aを含む分散相を有し、油性
成分Aに、極性が油性成分Aよりも高い油性成分Bを含
有してなるハイドロゲル粒子に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のハイドロゲル粒子は、連
続相にハイドロゲルが含まれる点及び分散相に極性が油
性成分Aよりも高い油性成分Bが含まれる点に大きな特
徴がある。
【0009】かかる構成を有することにより、分散相中
で極性による分布が生じ、極性が高い油性成分Bは水を
含む連続相と接する分散相表面で濃度が高く、極性の低
い油性成分Aが分散相内部で濃度が高いカプセル構造と
なるので、ハイドロゲル粒子を崩壊させる際に、極性が
高い油性成分Bが優先的に肌と接触し、べとつき感を改
良しつつ、油性成分を塗布することができる。更に固体
脂を使用することにより、カプセル構造の維持を容易に
し、油性成分のべとつきを抑制することも可能となる。
【0010】本明細書にいう「ハイドロゲル粒子」と
は、ハイドロゲル中に油性成分を分散させた1個又は複
数個の粒子をいう。なお、ハイドロゲル粒子の概念に
は、外層である外皮と内層である芯成分とからなる、内
層と外層が同心状のカプセルは含まれない。
【0011】本明細書にいう「ハイドロゲル」とは、水
を溶媒としてゲル化剤から得られたゲルをいい、架橋型
ハイドロゲルと非架橋型ハイドロゲルがある。
【0012】「架橋型ハイドロゲル」とは、ゲル化剤が
アルギン酸である場合のように、ゲル化がイオン、例え
ば、バリウムイオンやカルシウムイオン等との反応によ
って生じるものをいう。また、「非架橋型ハイドロゲ
ル」とは、ゲル化剤が寒天である場合のようにゾル−ゲ
ルの熱可逆性によってゲル化が生じるものをいう。
【0013】架橋型ハイドロゲルのゲル化剤の例として
は、アルギン酸、カラギーナン、ジェランガム、ペクチ
ン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合し
て用いることができる。これらの中では、耐熱性及び耐
酸性の観点から、ジェランガムが好ましい。ジェランガ
ムには、脱アシル型ジェランガムとネイティブ型ジェラ
ンガムがあるが、使用時の感触の観点から、脱アシル型
ジェランガムがより好ましい。
【0014】このように、本発明のハイドロゲル粒子
に、非架橋型ハイドロゲルが使用されている場合には、
配合上の制約が解消するとともに、架橋型ハイドロゲル
粒子のように粒子内部よりも表面のほうが硬いというよ
うなことがなく、粒子内の硬度が均一であるので、皮膚
等に塗布した際に手指等で円滑に崩壊させることができ
る。
【0015】非架橋型ハイドロゲルのゲル化剤として
は、寒天、ゼラチン等が挙げられ、これらは単独で又は
2種以上を混合して用いることができる。これらの中で
は、寒天が好ましい。なお、寒天のゼリー強度は、使用
時の感触の観点から、68.6kPa(700g/cm2)以下が好まし
く、19.6kPa (200g/cm2)〜63.7kPa (650g/cm2)がより好
ましい。
【0016】ここで、ゼリー強度は、日寒水式法により
求められる。日寒水式法によれば、ゼリー強度は、ゲル
化剤の1.5 重量%水溶液を調製し、その水溶液を20℃で
15時間放置して凝固せしめたゲルに、日寒水式ゼリー強
度測定器〔(株)木屋製作所製〕により荷重をかけ、20
℃においてゲルが20秒間その荷重に耐えるときの表面積
1cm2 あたりの最大重量(g)である。
【0017】連続相を構成している非架橋型ハイドロゲ
ルには、特開2000-126586 号公報に記載の糖類、多価ア
ルコール、水溶性高分子化合物等の水溶性有機化合物や
以下に記載の着色剤、防腐剤、水溶性香料等が含有され
ていてもよい。しかし、非架橋型ハイドロゲルには、ア
ルギン酸ナトリウムやカラギーナン等の架橋型ハイドロ
ゲルが含まれていてはならない。
【0018】糖類としては、グルコース、ガラクトー
ス、フルクトース、マンノース、マンニトール、サッカ
ロース、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
【0019】多価アルコールとしては、グリセリン、ソ
ルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、オリゴサッカライド等が挙げられる。
【0020】水溶性高分子化合物としては、ポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン等
が挙げられる。
【0021】ハイドロゲル粒子中における連続相の含有
量は、ハイドロゲル粒子の洗浄時及び化粧品等への配合
時の壊れを防止する観点から、40〜99重量%が好まし
く、40〜92.5重量%がより好ましく、60〜90重量%が更
に好ましく、60〜80重量%が特に好ましい。
【0022】また、ハイドロゲル粒子中におけるハイド
ロゲルのゲル化剤の含有量は、使用時の感触をよくし、
ハイドロゲル粒子の洗浄時及び化粧品等への配合時の壊
れを防止する観点から、0.1 〜5.0 重量%、好ましくは
0.3 〜2.0 重量%が望ましい。
【0023】なお、連続相における非架橋型ハイドロゲ
ル以外の成分には、水及び必要に応じて用いられる後述
する着色剤、防腐剤等が用いられる。
【0024】分散相には、油性成分A及び油性成分Bが
含まれるが、その他に着色剤や防腐剤等が含まれていて
もよい。油性成分Aは固体脂又は液体油からなり、油性
成分Bは固体脂又は固体脂と液体油からなる。以下、
「油性成分A及び油性成分B」を「油性成分」という。
【0025】ここで、本明細書にいう固体脂とは、融点
が35℃以上である油性成分をいい、また液体油とは融点
が35℃未満である油性成分をいう。
【0026】油性成分Bは、ハイドロゲル粒子からの油
性成分が漏出することを防止する観点、及び油性成分A
が連続相中の水性成分と接触して加水分解することを防
止する観点から、油性成分Aよりも極性が高い固体脂又
は固体脂と液体油であることが好ましい。
【0027】ここで、本明細書にいう極性とは、有機概
念図に用いられている、化合物の性質を共有結合性を表
す有機性値とイオン結合性を表す無機性値とに分け、全
ての有機化合物を有機軸と無機軸と名づけた直交座標上
の1点ずつに位置づけて示したものであり、式: 〔無機性値/有機性値〕=tanα (単位:度, 分,
秒) に基づいて求められる「α」値に置き換えることによっ
て整理しやすくなる。そのα値が大きいほど、極性が高
く、より親水性に近い物性を示し、α値が小さいほど、
極性が低く、より親油性に近い物性を示す。
【0028】α値の異なるものを混合した場合、α値の
差の大きさに応じて濃度分布が変化する。
【0029】有機性値の決め方としては、-CH2- 基1個
を有機性値20と決め、それを基準として他の置換基の有
機性値を求めたものである。無機性値は、水酸基(-OH)
が沸点に及ぼす影響から、その無機性値を100 と決め、
それを基準として他の置換基の無機性値を求めたもので
ある(参考図書:有機概念図、甲田善生著、三共出版、
1984年)。
【0030】極性が高いものは、分散相のカプセル構造
を形成させる観点から、α値が10以上80未満が好まし
く、10以上50未満がより好ましく、10以上30未満が更に
好ましい。例えば、固体脂では、高級アルコールとして
ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルア
ルコール等が挙げられ、液体油では、ジカプリン酸ネオ
ペンチルグリコール、ラウロイルファルコシンイソプロ
ピル等が挙げられる。
【0031】極性が中程度のものは、α値が5以上10未
満が好ましく、例えば、ステアリン酸オクチル、オリー
ブ油等が挙げられる。
【0032】極性が低いものは、α値が5未満が好まし
く、β−カロチン、スクワレン、スクワラン、流動パラ
フィン、固形パラフィン、ステアロキシメチルポリシロ
キサン、アルキルメチルシロキサン等が挙げられる。
【0033】極性を比較して、極性が「高い」又は「低
い」とは、α値の差が0.1 以上の場合をいい、またα値
の差が0.1 未満の場合、極性が同じという。
【0034】なお、αの差が小さくても、混合する化合
物の組合せによっては、濃度分布が生じることなく、概
ね均一な状態で存在している場合もある。
【0035】分散相の融点は、保存時にハイドロゲル粒
子から油性成分Aが漏出するのを抑制する観点から、35
℃以上が好ましく、40〜90℃がより好ましく、45〜90℃
が更に好ましく、50〜80℃が特に好ましい。固体脂、液
体油及び油性成分の融点は、それぞれ、以下の実施例で
示された示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scann
ing Calorimetry)によって測定したときの値である。
【0036】固体脂の融点は、分散相の融点を35℃以上
とするものが好ましい。しかし、ハイドロゲル粒子から
の油性成分Aの漏出の抑制の観点から、固体脂の融点
は、好ましくは40〜120 ℃、より好ましくは50〜90℃、
特に好ましくは50〜80℃である。
【0037】固体脂としては、固体の高級アルコール、
固体のセラミド、固体のスフィンゴ脂質、固形パラフィ
ン、ワセリン、固体のシリコーン、固体の油剤及び固体
の香料からなる群より選ばれた1種以上であって、融点
が35℃以上であるものが挙げられる。これらのなかで
は、皮膚を保護する観点から、固体の高級アルコール、
固体のセラミド、ワセリン、固体のシリコーン及び固体
の香料が好ましく、固体の高級アルコールがより好まし
い。
【0038】固体の高級アルコールの例としては、ミリ
スチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリル
アルコール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデ
カノール及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれ
た1種以上が挙げられる。これらのなかでは、ハイドロ
ゲル粒子から油性成分Aが漏出するのを抑制する観点か
ら、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘ
ニルアルコールからなる群より選ばれた1種以上が好ま
しい。
【0039】固体のセラミドの例としては、糖セラミ
ド、タイプI〜タイプVIの天然セラミド、N−(2−ヒ
ドロキシ−3−ヘキサデシロキシプロピル)−N−2−
ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、N−(2−ヒドロ
キシ−3−ヘキサデシロキシプロピル)−N−2−ヒド
ロキシエチルデカナミド、N−(テトラデシロキシヒド
ロキシプロピル−N−ヒドロキシエチルデカナミド等の
セラミドの脂肪族アミド誘導体等が挙げられる。これら
のなかでは、分散安定性の向上、すなわちハイドロゲル
粒子からの油性成分Aが漏出するのを抑制する観点か
ら、N−(2−ヒドロキシ−3−ヘキサデシロキシプロ
ピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカナミドが
好ましい。
【0040】固形パラフィンの例としては、JIS K 2235
に記載されている120 パラフィン〜155 パラフィン、軟
ロウ及び日本薬局方のパラフィンからなる群より選ばれ
た1種以上が挙げられる。
【0041】固体のシリコーンの例としては、ステアロ
キシメチルポリシロキサン、オキサゾリン変性シリコー
ン、ポリエチレン−メチルポリシロキサン共重合体、ア
ルキル変性シリコーン、高分子シリコーン・アルキル共
変性アクリル樹脂、シリコーンゴム及びシリコーンビー
ズからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0042】固体の油剤としては、硬化油及び高級脂肪
酸が挙げられる。硬化油の例としては、原料油がヤシ
油、パーム油及び牛脂からなる群より選ばれた1種以上
である硬化油が挙げられる。
【0043】高級脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸及びステアリン
酸からなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0044】固体の香料としては、メントール及びセド
ロールから選ばれた1種以上が挙げられる。
【0045】液体油としては、液体の皮膚保護剤、液体
の油剤及び液体の香料からなる群より選ばれた1種以上
であって、べとつき感やしっとり感を補いやすくするも
ので、融点が35℃未満であるものが挙げられる。なお、
極性が高い油性成分Bには、皮膚を保護する観点から、
液体の皮膚保護剤が含有されていることが好ましい。さ
らに、ハイドロゲル粒子中の連続相との界面に位置する
ことによって油性成分を保護するという観点から、分散
相中の油性成分よりも極性が高い液体油が好ましい。
【0046】液体の皮膚保護剤は、皮膚を柔軟にした
り、平滑にすることにより、肌荒れを防止する成分であ
る。液体の皮膚保護剤の例としては、液体のパラフィ
ン、液体のエステル油、液体の高級アルコール、液体の
スクワラン、液体のグリセライド等の液体油脂類;液体
のセラミド;液体のスフィンゴ脂質;アクリル系、スチ
レン系、エーテル系、エステル系又はシリコーン系ポリ
マーのエマルジョン及びサスペンジョンからなる群より
選ばれた1種以上が挙げられる。
【0047】液体のセラミドの例としては、セチロキシ
プロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド等が
挙げられる。
【0048】液体のスフィンゴ脂質の例としては、1−
(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリル
オキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
【0049】液体の油剤は、揮発性及び不揮発性のいず
れであってもよい。その例としては、液体の炭化水素
油、液体の植物油、液体の脂肪酸等;液体のエチレング
リコールジ脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12〜3
6)、液体のジアルキルエーテル(炭素数は12〜36)等
の液体の油脂類;及び液体のシリコーン類からなる群よ
り選ばれた1種以上が挙げられる。
【0050】液体の植物油としては、大豆油、ヤシ油、
パーム核油、アマニ油、綿実油、ナタネ油、キリ油、ヒ
マシ油等が挙げられる。液体の脂肪酸としては、オレイ
ン酸、カプリル酸等が挙げられる。
【0051】液体のシリコーン類は、シラノール骨格を
有するものであればよい。液体のシリコーン類の例とし
ては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサン、高重合メチルポリシロキサン、シリコーン樹
脂、アミノ変性シリコーン及びアルキル変性シリコーン
からなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0052】液体の香料としては、従来使用されている
ものであればよく、特に限定がない。
【0053】分散相における液体油を用いる場合の含有
量は、油性成分が漏出するのを抑制する観点、しっとり
感を向上させ、べたつき感を抑制する観点及び皮膚上で
の延ばしやすさの観点及びハイドロゲル粒子中の連続相
との界面に位置することによって油性成分を保護する観
点から、20〜99重量%が好ましく、20〜94重量%がより
好ましく、30〜90重量%が更に好ましく、30〜81重量%
がもっとも好ましい。
【0054】油性成分の形態には、特に限定がなく、例
えば、油中水滴型エマルジョン等が挙げられる。
【0055】以下に示す着色剤及び防腐剤は、前記した
ように、分散相及び/又は連続相に含まれていてもよ
い。
【0056】着色剤としては、顔料及び染料が挙げられ
る。これらの着色剤は、それぞれ単独で又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0057】顔料としては、例えば、カーボンブラッ
ク、タルク、カオリン、雲母、雲母チタン、ベンガラ、
オキシ塩化ビスマス、珪酸マグネシウム、酸化チタン等
の無機顔料、及び赤色202 号、赤色204 号、赤色205
号、赤色206 号、赤色219 号、赤色228 号、赤色404
号、黄色205 号、黄色401 号、だいだい色401 号、青色
404号等の有機顔料が挙げられる。
【0058】染料としては、油溶性染料、建染染料、レ
ーキ染料等が挙げられる。油溶性染料としては、例え
ば、赤色505 号、赤色501 号、赤色225 号、黄色404
号、黄色405 号、黄色204 号、だいだい色403 号、青色
403 号、緑色202 号、紫色201 号等が挙げられる。建染
染料としては、例えば、赤色226 号、青色204 号、青色
201 号等が挙げられる。レーキ染料としては、例えば、
種々の酸性染料をアルミニウムやバリウムでレーキした
もの等が挙げられる。
【0059】防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチ
ル、イソプロピルメチルフェノール、エタノール、フェ
ノキシエタノール、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラオ
キシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パ
ラオキシ安息香酸ブチル、エチルアルコール等が挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。
【0060】分散相の平均粒径は、ハイドロゲル粒子の
粒子径の10%以下であることが好ましい。また、ハイド
ロゲル粒子を皮膚上で滑らかに延ばすことができるよう
にする観点から、分散相の平均粒径は、好ましくは500
μm以下、より好ましくは100 μm以下、更に好ましく
は50μm以下が望ましい。また、分散相の平均粒径は、
油性成分A及び油性成分Bの皮膚へのなじみ性の向上の
観点から、好ましくは0.5 μm以上、より好ましくは4
μm以上、更に好ましくは5μm以上である。これらの
事項を考慮すれば、分散相の平均粒径は、0.5 〜500 μ
mが好ましく、4〜100 μmがより好ましく、5〜50μ
mが更に好ましい。
【0061】なお、分散相の平均粒径は、以下の実施例
に記載の方法で測定した。
【0062】ハイドロゲル粒子における分散相の含有量
は、使用時における感触の向上、並びにハイドロゲル粒
子の洗浄時及び化粧品等への配合時の壊れの防止の観点
から、0.01〜60重量%が好ましく、7.5 〜60重量%がよ
り好ましく、20〜40重量%が更に好ましい。
【0063】分散相における油性成分の含有量は、使用
時における感触の向上の観点から、1〜100 重量%が好
ましく、50〜100 重量%がより好ましく、90〜100 重量
%が更に好ましい。なお、分散相における油性成分以外
の成分には、必要に応じて用いられる前記着色剤、防腐
剤等が用いられる。
【0064】油性成分における固体脂の含有量は、油性
成分がハイドロゲル粒子中の連続相中に漏出するのを抑
制する観点及び皮膚上での延ばしやすさやべとつき抑制
の観点から、1〜80重量%が好ましく、5.5 〜80重量%
がより好ましく、10〜70重量%が更に好ましく、13〜60
重量%がもっとも好ましい。
【0065】ハイドロゲル粒子の平均粒径は、外観及び
生産性の観点から、5 〜10000 μmが好ましく、100 〜1
0000 μm がより好ましく、200 〜5000μm が更に好ま
しく、500 〜3000μm が特に好ましい。なお、ハイドロ
ゲル粒子の平均粒径は、実施例に記載の方法で測定し
た。
【0066】また、ハイドロゲル粒子の形状は、特に限
定がないが、曲面で構成された回転体の形状を有するこ
とが好ましい。ここで、「曲面で構成された回転体」と
は、仮想軸及び連続的な曲線で構成された閉じた図を仮
想軸で回転させたものをいい、三角錐や円柱等の平面を
有する形状は含まない。ハイドロゲル粒子の形状は、美
観の観点から、球状体であることがより好ましい。
【0067】粒子の最長の径と最短の径の比(最長の径
/最短の径)は、美観を向上させる観点から、1.7 以
下、好ましくは1.5 以下、より好ましくは1.2 以下が望
ましい。
【0068】また、最長の径と最短の径の比(最長の径
/最短の径)が1.7 以下であるハイドロゲル粒子を80重
量%以上、好ましくは90重量%以上含有することが、美
観を向上させる観点から好ましい。最長の径と最短の径
は、以下に示す実施例に記載の球形度の測定方法によっ
て測定された値である。
【0069】また、使用時における感触の向上の観点か
ら、ハイドロゲル粒子の圧縮破断応力は、2〜40kPa 、
好ましくは5〜25kPa であり、ハイドロゲル粒子の弾性
率は、10〜150 kPa 、好ましくは30〜100 kPa が望まし
い。
【0070】圧縮破断応力が2kPa 以上である場合、ハ
イドロゲル粒子の洗浄時やハイドロゲル粒子を化粧品等
に配合する時にハイドロゲル粒子が壊れがたく、40kPa
以下である場合、皮膚上での伸びやなじみが良好であ
る。
【0071】弾性率が10kPa 以上である場合、ハイドロ
ゲル粒子の洗浄時やハイドロゲル粒子を化粧品等に配合
する時にハイドロゲル粒子が壊れがたく、洗浄時にハイ
ドロゲル粒子に分散させた油性成分A及び油性成分Bが
流れ出ることがない。また、弾性率が150 kPa 以下であ
る場合、ハイドロゲル粒子の皮膚での延びやなじみが良
好である。
【0072】圧縮破断応力及び弾性率は、試験機用スタ
ンド〔日本電産シンポ(株)製、商品名:FGS-50V-L 〕
に取り付けたデジタルフォースゲージ〔日本電産シンポ
(株)製、商品名:FGX-0.2R、最小測定荷重2mN〕を用
いて測定したときのハイドロゲル粒子の破断強度及び破
断前の荷重曲線の傾きより求めた。なお、測定子には、
平面形状のアダプタが用いられ、測定子の下降速度は10
mm/min、測定温度は25℃である。
【0073】ハイドロゲル粒子の圧縮破断応力及び弾性
率は、粒子の測定前の断面積を用いて求めた。
【0074】ハイドロゲル粒子は、以下のようにして製
造することができる。例えば、連続相として非架橋型ハ
イドロゲルをイオン交換水と混合し、その溶解温度以上
の温度に加熱して十分に溶解させる。別に油性成分Aと
油性成分Bを含む分散相を混合し、加熱溶解する。ゲル
化温度以上の温度で、連続相と分散相とを混合し、水中
油型分散液を調製する。水中油型分散液を調製する方法
には特に限定がない。水中油型分散液を調製する際に
は、各種攪拌機、分散機等を用いた公知の技術を用いる
ことができる。なお、分散液の安定性の観点から、連続
相及び/又は分散相に乳化分散剤を添加してもよい。連
続相に乳化分散剤を添加することが好ましい。
【0075】ここで、乳化分散剤としては、高分子乳化
分散剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる
群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0076】乳化分散剤のなかでは、粒子の延ばしやす
さと、洗浄時及び化粧品等への配合時のハンドリング性
の観点から、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からな
る群より選ばれた1種以上の界面活性剤と高分子乳化分
散剤との併用が好ましく、非イオン性界面活性剤と高分
子乳化分散剤の併用がより好ましい。油性成分の漏出防
止の観点から、高分子乳化分散剤単独が好ましい。高分
子乳化分散剤を使用した場合には、界面活性剤の添加を
低減又はなくすことができるので、皮膚上に塗布した際
の界面活性剤によるべとつき感を低減させることができ
る。
【0077】高分子乳化分散剤としては、特に限定がな
いが、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、特
開平7-100356号公報に記載の両性高分子化合物と高級脂
肪酸との化合物、特開平8-252447号公報及び特開平9-14
1079号公報に記載の水溶性両親媒性高分子電解質、特開
平9-141080号公報及び特開平9-141081号公報に記載の水
溶性架橋型両親媒性高分子電解質、特開平10-53625号公
報に記載のアクリル酸系共重合体、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリ
ルアミド、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物
の酸化エチレン付加物等の合成高分子化合物、グアヤガ
ム、カラヤガム、トラガントガム、アラビアガム、アラ
ビノガラクタン、カゼイン等の天然高分子化合物等が挙
げられる。これらの高分子乳化分散剤は、単独で又は2
種以上を混合して用いることができる。
【0078】高分子乳化分散剤の中では、水中油型分散
液を調製する観点からポリビニルアルコール〔日本合成
化学工業(株)製、商品名:ゴーセノール等〕、アクリ
ル酸−メタクリル酸アルキル共重合体〔日光ケミカルズ
(株)製、商品名:PEMULEN等〕、アクリル酸共
重合体〔日光ケミカルズ(株)製商品名:カーボポール
等〕等が好ましく、ポリビニルアルコールがより好まし
い。
【0079】乳化性及び分散性を向上させる観点から、
中和された高分子乳化分散剤を添加してもよく、分散前
又は分散後の水性成分及び/又は油性成分に、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、トリ
エタノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル
−1,3−プロパンジオール、アミノメチルプロパノー
ル、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、β−
アラニン、リシン等の1種又は2種以上の混合物を添加
し、高分子乳化分散剤を中和してもよい。中和後のpH
は、通常、4〜8、好ましくは6〜7が望ましい。
【0080】アニオン性界面活性剤としては、例えば、
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノール
アミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、半硬
化牛脂肪酸ナトリウム、半硬化牛脂肪酸カリウム、オレ
イン酸カリウム、ヒマシ油カリウム、アルキルナフタレ
ンスルホン酸ソーダ、ジアルキルスルホコハク酸ナトリ
ウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリ
ン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫
酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。こ
れらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0081】カチオン性界面活性剤としては、例えば、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルア
ンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウ
ムクロリド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムク
ロリド、ステアリルアミンオレエート、ステアリルアミ
ンアセテート、ステアリルアミン酸等が挙げられる。こ
れらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
【0082】非イオン性界面活性剤としては、例えば、
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロ
ピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これら
は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。これらの中では、皮膚刺激性が小さいことか
ら、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステルが好ましく、ソルビタンモノステ
アレートがより好ましい。
【0083】両性界面活性剤としては、例えば、アルキ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミ
ンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエ
チルイミダゾリウムベタイン、レシチン、ラウリルアミ
ノプロピオン酸、アルキルジアミノエチルグリシン等が
挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を
混合して用いることができる。
【0084】乳化分散剤の量は、特に限定がないが、使
用時の感触、分散液の安定性及びハイドロゲル粒子に分
散させた油性成分の漏出防止の観点から、分散液全量10
0 重量部に対して0.001 〜20重量部が好ましく、0.01〜
5重量部がより好ましい。
【0085】かくして得られた分散液から一般的な滴下
法及び攪拌法により、粒子を製造する。
【0086】滴下法は、孔から分散液を吐出し、吐出さ
れた液がその表面張力又は界面張力によって液滴になる
性質を利用して製造する方法である。滴下法により形成
された液滴は、空気等の気相中又は液相中で冷却固化さ
れ粒子となる。
【0087】滴下法において、液滴を生成させる場所
は、気相であってもよく、あるいは液相であってもよ
い。なお、液相で形成させる場合には、液流れのない静
液中で形成させてもよいが、液滴形成管を用いて下降
流、上昇流あるいは平行流に同伴させて形成させること
が好ましい。また、孔の端面は、気相及び液相のいずれ
の中に存在していてもよいが、液相中で液滴を形成させ
る場合には、液相中に存在していることが好ましい。
【0088】攪拌法は、分散液とは実質的に混じり合わ
ない性状を有し、かつ非架橋型ハイドロゲルのゲル化温
度以上の温度に調整した液に分散液を投入し、攪拌によ
るせん断力により分散液を微粒化させ、界面張力によっ
て液滴になる性質を利用して製造する方法である。攪拌
法により形成された液滴は、分散液とは実質的に混じり
合わない液中で冷却固化され粒子となる。
【0089】吐出時又は投入時の分散液の温度は、特に
限定されないが、非架橋型ハイドロゲルのゲル化温度以
上の温度でかつ100 ℃以下が好ましい。また、美観に優
れた球状の粒子の製造のしやすさの観点から、該分散液
の温度は、ゲル化温度+10℃以上、好ましくはゲル化温
度+20℃以上であることが望ましい。なお、温度の上限
値は、水の沸点以下である100 ℃であることが望まし
い。
【0090】分散液の粘度は、実施例に記載の測定法に
より測定することができる。分散液の粘度は、特に限定
されないが、その吐出時又は投入時の温度において、通
常、0.1 〜1000 mPa・s、好ましくは1〜800 mPa・s
であることが望ましい。
【0091】
【実施例】実施例1〜9及び比較例1〜3 表1及び表2に示した組成比の分散相成分を80℃で加熱
溶解させ、分散相成分溶液を調製した。また、表1に示
した組成比の連続相成分を90℃で加熱溶解し、80℃まで
冷却した後、分散相成分溶液を別容器にて80℃まで加熱
溶解後に加えてアンカー式攪拌機で攪拌し、混合液を得
た。加熱溶解前の分散相成分と連続相成分との合計量を
500gとした。更に、この混合液を乳化機〔特殊機化
(株)製、商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5 型〕に
て8000 r/minで1分間分散させ、表1に示す粘度(60
℃) を有する分散液を調製した。この分散液を80℃に加
熱しながら、5.0mL/min の流量で口径0.8 mmのノズルか
ら15℃に冷却したオイル〔メチルポリシロキサン:信越
化学工業(株)製、商品名:シリコーンKF-96A(20CS)〕
中に吐出させ、固液分離後、粒子表面のオイルを除去
し、ハイドロゲル粒子を得た。
【0092】実施例1の条件で生成した粒子の凍結乾燥
試料の割断面の走査電子顕微鏡写真(図1)を観ると、
分散相と連続相の界面に厚さの小さい層状の部分がある
ことを確認することができる。
【0093】これに対して、実施例2の条件で生成した
粒子の同様の割断面写真(図2)を観ると、分散相と連
続相の界面に層状の部分が存在していないことを確認す
ることができる。
【0094】比較例4 表2に示した組成比の分散相成分と連続相成分の合計量
500gを実施例1と同様にして分散液を調製したところ、
分散液が高粘度化し、ノズルからの粒子化が不可能であ
った。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた
分散液及びハイドロゲル粒子について、下記方法により
物性を評価した。その結果を表1〜3に示す。
【0098】(1) 分散相の融点 示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製、商品名:D
SC7示差走査カロリーメーター)で昇温速度2℃/mi
n、試料量10〜20mgで測定し、DSC曲線の融解ピー
ク温度を融点とした。油性成分の融点は、実施例1〜10
と同様にして調製した油性成分溶液について測定した。
【0099】(2) 分散相の平均粒径 粒子化前の分散液0.5 gを60℃の水50gで希釈し、レー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔堀場製作所(株)
製、型番:LA-910〕で測定し、その粒径に基づいて求め
られた体積平均粒径である。
【0100】(3) 分散液の粘度 分散液100gを60℃でB型粘度計〔トキメック(株)製)
ローターNo.2で測定した。
【0101】(4) ハイドロゲル粒子の平均粒径 ハイドロゲル粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱式
粒度分布測定装置〔堀場製作所(株)製、型番:LA-91
0、バッチ式、測定範囲:5〜1020μm 〕で測定し、そ
の粒子径に基づいて求められた体積平均粒径である。
【0102】(5) 皮膚上での延び 20人のパネラーにより、ハイドロゲル粒子を皮膚に塗布
したときの延ばしやすさを以下の評価基準で官能評価
し、その平均値を求め、4以上を○、2.5 以上4未満を
△、2.5 未満を×として示した。
【0103】〔評価基準〕 5:延ばしやすい 4:やや延ばしやすい 3:わずかに延ばしにくい 2:やや延ばしにくい 1:延ばしにくい
【0104】(6) しっとり感 20人のパネラーにより、各ハイドロゲル粒子を皮膚に塗
布したときのしっとり感を以下の評価で官能評価した。
平均値を求め、3以上を○、2.5 以上3未満を△、2.5
未満を×とした。
【0105】〔評価基準〕 4:充分しっとりする 3:しっとりする 2:少ししっとりする 1:しっとりしない
【0106】(7) べとつき感 20人のパネラーにより、各ハイドロゲル粒子を皮膚に塗
布したときのべとつきを以下の評価で官能評価した。平
均値を求め、4以上を○、2.5 以上4未満を△、2.5 未
満を×とした。
【0107】〔評価基準〕 5:べとつかない 4:あまりべとつかない 3:わずかにべとつく 2:ややべとつく 1:かなりべとつく
【0108】(8) 球形度 ハイドロゲル粒子数3gをサンプリングし、粒子が重な
らないようにシャーレ上に水で分散させ、カメラにて撮
影した。この写真に撮った約50個の各粒子の最長の径と
最短の径を測定し、最長の径と最短の径の比が1.7 以下
となる粒子を球形度が高い粒子とし、この球形度の高い
粒子が全体の80重量%以上を占めるものを○、50重量%
以上のものを△、50重量%未満のものを×として示し
た。
【0109】
【表3】
【0110】以上の結果から、実施例6と比較例2とを
対比して明らかなように、極性の高い固体脂を用いるこ
とにより、しっとり感がやや改善され、べとつき感が飛
躍的に改善されることがわかる。また、実施例2と比較
例1とを対比して明らかなように、極性の高い液体油を
用いると、しっとり感が飛躍的に向上することがわか
る。更に、実施例1及び3と比較例1〜3とを対比して
明らかなように、極性の高い固体脂及び極性の高い液体
油の両方を用いることにより、しっとり感及びべとつき
感が改善されていることがわかる。
【0111】
【発明の効果】本発明のハイドロゲル粒子は、化粧品、
医薬品、医薬部外品、食品等に適用される、それら用途
に使用される油性成分を含むハイドロゲル粒子であっ
て、皮膚等に塗布した際の指等による崩壊をスムーズに
行うことができるため、延びが良好である。また、本発
明のハイドロゲル粒子は、油性成分である分散相中に極
性が高い油性成分Bが用いられていることにより、しっ
とり感に優れたものである。これは、油水界面に極性の
差異による層状の部分を形成することに基づくものと考
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたハイドロゲル粒子
の顕微鏡写真である。
【図2】図2は、実施例2で得られたハイドロゲル粒子
の顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/30 A61K 47/44 47/44 B01F 17/52 B01F 17/52 A23L 1/04 (72)発明者 久保 英明 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4B035 LE01 LG12 LK12 LK13 4B041 LC10 LD01 LE10 LH10 LK17 LK18 4C076 AA08 AA31 BB31 EE01F EE51A 4C083 AA122 AC012 AC022 AC072 AC172 AC482 AC662 AD092 AD112 AD152 AD162 AD212 BB01 BB12 BB13 DD41 EE01 4D077 AA02 AA04 AA09 AC01 AC05 DD03Y DD15Y DD18Y DE08Y DE09Y

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロゲルを含む連続相及び油性成分
    Aを含む分散相を有し、油性成分Aに、極性が油性成分
    Aよりも高い油性成分Bを含有してなるハイドロゲル粒
    子。
  2. 【請求項2】 乳化分散剤を用いて油性成分Aを乳化又
    は分散させてなる請求項1記載のハイドロゲル粒子。
  3. 【請求項3】 乳化分散剤が高分子乳化分散剤を含有す
    る請求項2記載のハイドロゲル粒子。
  4. 【請求項4】 油性成分Bが、極性が油性成分Aよりも
    高い固体脂からなる請求項1〜3いずれか記載のハイド
    ロゲル粒子。
  5. 【請求項5】 極性成分Bが、更に極性が油性成分Aよ
    りも高い固体脂よりも極性が高い液体油を含有する請求
    項4記載のハイドロゲル粒子。
  6. 【請求項6】 油性成分Bが、更に極性が油性成分Aよ
    りも高い固体脂よりも極性が低く、かつ油性成分Aより
    も極性が高い液体油を含有する請求項4記載のハイドロ
    ゲル粒子。
  7. 【請求項7】 油性成分Bが、更に極性が油性成分Aよ
    りも低いか同じである液体油を含有する請求項4記載の
    ハイドロゲル粒子。
  8. 【請求項8】 油性成分Bが、極性が油性成分Aよりも
    低いか同じである固体脂と、極性が油性成分Aよりも高
    い液体油とからなる請求項1〜3いずれか記載のハイド
    ロゲル粒子。
  9. 【請求項9】 極性が油性成分Aよりも高い固体脂が、
    極性が高い高級アルコールである請求項4〜8いずれか
    記載のハイドロゲル粒子。
  10. 【請求項10】 油性成分A及び/又は油性成分Bの融
    点が35℃以上である請求項1〜3いずれか記載のハイド
    ロゲル粒子。
  11. 【請求項11】 油性成分A及び/又は油性成分B中の
    固体脂の含有量が5.5 重量%以上である請求項1〜9い
    ずれか記載のハイドロゲル粒子。
  12. 【請求項12】 ハイドロゲル粒子が非架橋型ハイドロ
    ゲルである請求項1〜11いずれか記載のハイドロゲル粒
    子。
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