JP2008019195A - 油性粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化亜鉛粒子の漏出が抑制される油性粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】油性粒子の製造方法は、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する分散液調製工程と、粒子化した油性成分からなる油性粒子を35〜65℃で保持する熟成工程と、を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、油性粒子及びその製造方法、並びに、ハイドロゲル粒子の製造方法に関する。
化粧品の成分として、固体脂や液体油を含有する油性粒子が広く用いられている。
特許文献1には、油性成分が粒子の内容組成物として、平均粒子径が100μm 以上の油性粒子として粒子化された状態で、水性溶媒中に分散している油性粒子含有組成物であって、粒子の内容組成物に、融点が45〜75℃の両親媒性物質が、粒子の内容組成物の5〜40質量%含有され、かつ、水性溶媒に水溶性高分子が含有されているものが開示されている。
特許文献2には、デキストリン脂肪酸エステル及び液状油分を含有する油性粒子が水相に分散されてなる外用組成物であって、全質量に対するデキストリン脂肪酸エステルの含有量が5〜40質量%で、平均粒径が0.05〜10mmであるものが開示されている。
特許文献3には、融点以上の温度に保たれて液状となっている油分を、55〜75℃の温度が保たれて攪拌されている水性溶媒に添加し、その際、当該水性溶媒に対する当該油分の比重が0.90〜2.3であり;次いで、当該水性溶媒を、前記攪拌状態を保ちながら当該油分の融点未満の温度に冷却して、当該油分の油性粒子を当該水性溶媒中で造粒する油性粒子の製造方法が開示されている。
特開2003−73230号公報 特開2005−36001号公報 特開2005−336119号公報
ところで、油性粒子に紫外線防御能を有する酸化亜鉛粒子を含有させた場合、酸化亜鉛粒子外部が外部に漏出すると、油剤等の他の成分と反応して、粘度が増減したり、異臭を発生したり、或いは、変色等を起こすといった問題を生じる。
本出願は、酸化亜鉛粒子の漏出が抑制される油性粒子及びその製造方法、並びに、ハイドロゲル粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る油性粒子の製造方法は、
固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する分散液調製工程と、
上記粒子化した油性成分からなる油性粒子を35〜65℃で保持する熟成工程と、
を備える。
本発明に係るハイドロゲル粒子の製造方法は、非架橋型ハイドロゲルからなる連続相に油性成分からなる油性粒子の分散相が多数分散したものを製造するものであって、
固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル形成剤を水に溶解させた水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する分散液調製工程と、
上記分散液を液滴化させ、その液滴を冷却固化させてハイドロゲル粒子を形成するハイドロゲル粒子形成工程と、
を備え、
上記粒子化した油性成分の油性粒子を35〜65℃で保持する熟成工程をさらに備える。
本発明によれば、油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持することにより、油性粒子表面にZnO漏出規制構造が構成され、それによって、油性粒子内部からの酸化亜鉛粒子の漏出を抑制することができる。
以下、実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る油性粒子の製造方法は、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を水性成分に分散させて粒子化させ、その粒子化した油性成分からなる油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持するものである。
この製造方法によれば、油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持するので、油性粒子表面にZnO漏出規制構造が構成され、それによって、油性粒子内部からの酸化亜鉛粒子の漏出を抑制することができる。
<準備工程>
実施形態1に係る油性粒子の製造方法では、まず、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分と水性成分とを準備する。
(1)油性成分
油性成分は、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する。なお、油性成分は、形態が特に限定されるものではなく、例えば、油中水滴型エマルジョン等であってもよい。
−固体脂−
本出願で油性成分を構成する固体脂とは、融点が35℃以上の油脂をいう。
固体脂としては、例えば、固体のセラミド、固体のスフィンゴ脂質、固形パラフィン、固体の高級アルコール、ワセリン、固体のシリコーン、固体の油剤及び固体の香料等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中では、酸化亜鉛粒子の漏出を抑制する観点から、固体の高級アルコール、特に、炭素数14〜22の固体の高級アルコールが好ましい。また、固体脂として固体の高級アルコールを用いる場合、酸化亜鉛粒子の漏出を抑制する観点から、固形パラフィンを併用することが好ましく、固形iso-パラフィンの併用が特に好ましい。
固体のセラミドとしては、分散安定性が良好であるという観点から、N−(2−ヒドロキシ−3−ヘキサデシロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカナミドが好ましい。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
固体の高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、アラキディルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中では、酸化亜鉛粒子の水への溶解を抑制するという観点から、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキディルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましく、これらの高級アルコールのうち2種類以上を併用することがより好ましい。
固形パラフィンとしては、例えば、JIS K 2235に記載されているパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、セレシン、軟ロウ、日本薬局方のパラフィン等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
固体のシリコーンとしては、例えば、アルキル変性シリコーン、高分子シリコーン・アルキル共変性アクリル樹脂等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
固体の油剤としては、例えば、硬化油や高級脂肪酸が挙げられる。硬化油としては、例えば、原料油がヤシ油やパーム油や牛脂である硬化油が挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
固体の香料としては、例えば、メントールやセドロール等が挙げられる。固体脂として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
油性成分における固体脂の含有量は、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合の皮膚上での延ばしやすさの観点から、1〜80質量%とすることがが好ましく、6〜80質量%とすることがより好ましく、10〜70質量%とすることがさらに好ましく、19〜50質量%とすることが特に好ましい。
固体脂の融点は、油性成分の漏出を抑制するという観点から、40〜120 ℃であることが好ましく、50〜90℃であることがより好ましく、50〜80℃であることがさらに好ましい。
−液体油−
本出願で油性成分を構成する液体油とは、融点が35℃未満の油脂をいう。
液体油としては、例えば、液体の皮膚保護剤、液体の油剤及び液体の香料等が挙げられる。なお、液体油には、皮膚を保護する観点から、液体の皮膚保護剤が含有されていることが望ましい。
液体の皮膚保護剤は、皮膚を柔軟にしたり、或いは、平滑にすることにより、肌荒れを防止する成分である。液体の皮膚保護剤としては、例えば、液体のパラフィン、液体のエステル油、液体の高級アルコール、液体のスクワラン、液体のグリセライドなどの液体油脂類;セチロキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミドなどの液体のセラミド;1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソステアリルオキシ−2−プロパノールなどの液体のスフィンゴ脂質が挙げられる。液体油として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
液体の油剤としては、例えば、液体の炭化水素油、液体の植物油、液体の脂肪酸等;液体のエチレングリコールジ脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12〜36)、液体のジアルキルエーテル(炭素数は12〜36)などの液体の油脂類;液体のシリコーン類等が挙げられる。液体の油剤は、揮発性であっても、また、不揮発性であってもいずれでもよい。液体の植物油としては、例えば、大豆油、ヤシ油、パーム核油、アマニ油、綿実油、ナタネ油、キリ油、ヒマシ油等が挙げられる。液体の脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリル酸等が挙げられる。液体のシリコーン類としては、シラノール骨格を有するものであればよく、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。また、液体の油剤としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルなどの有機紫外線吸収剤も挙げられる。液体油として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
液体の香料としては、従来から使用されている一般的なものが挙げられる。液体油として、それらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
油性成分における液体油の含有量は、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合の皮膚上での延ばしやすさの観点から、50〜99質量%とすることが好ましく、20〜94質量%とすることがより好ましく、30〜90質量%とすることがさらに好ましく、50〜81質量%とすることが特に好ましい。
−酸化亜鉛粒子−
油性成分を構成する酸化亜鉛粒子は、紫外線防御能を有するものである。紫外線防御能を有するとは、領域が280〜400nmの範囲の紫外線、特に280〜340nmのUVB、UVAIIを吸収または散乱する効果を有することをいう。
油性成分における酸化亜鉛粒子の含有量は、紫外線防御能の観点から、5〜60質量%とすることが好ましく、10〜60質量%とすることがより好ましく、10〜50質量%とすることがさらに好ましい。
酸化亜鉛粒子の一次粒子の平均粒子径は、塗布時の使用感の点から0.001μm以上であることが好ましく、0.005μm以上であることがさらに好ましく、0.01μm以上であることが特に好ましい。また、平均粒子径は、化粧料を塗布したときの透明性の点から0.1μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることがさらに好ましく、0.06μm以下であることが特に好ましい。なお、特に指定のない限り、平均粒子径は、電子顕微鏡写真で測定した粒子径の数平均値である。
−任意成分−
油性成分には、その他、着色剤、防腐剤等の成分を含有させてもよい。
着色剤としては、例えば、顔料及び染料が挙げられる。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン等の無機顔料、タール色素等の有機顔料が挙げられる。
染料としては、例えば、油溶性染料、建染染料、レーキ染料等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、イソプロピルメチルフェノール、エタノール、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸及びその塩類等が挙げられる。
また、油性成分には、化粧品、医薬品、医薬部外品等に適用される保湿剤、制汗剤、抗菌剤、殺菌剤、粉体等の成分を含有させてもよい。
さらに、油性成分には、紫外線防御能を有する酸化チタン微粒子を含有させてもよい。
(2)水性成分
水性成分は、例えば、イオン交換水である。
水性成分に所望の液性を付与するために、かかる水性成分を増粘させることが可能な水溶性高分子化合物を含有させてもよい。
水溶性高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子化合物;デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等の変性デンプン類;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の変性セルロース類;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸類;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシメチルポリマー(BFGoodrich 社製、商品名:CARBOPOL941等)等のビニル系高分子化合物、ポリオキシエチレン系高分子化合物、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子化合物、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー;ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機物;特開平11-71435号公報に記載のカチオン性架橋共重合体;特開平9−235301号公報及び特開平10−25301号公報に記載の水溶性多糖類等が挙げられる。これらは単独で又は組合せて使用することができる。
その他、水性成分中には、一般的な水性溶媒、具体的には、水、エタノール、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール等の他に、他の水溶性成分、例えば、アルブチン、アスコルビン酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体などの水溶性薬剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、色素、香料などを含有させることができる。
(3)乳化剤・分散剤
油性成分及び/又は水性成分には、油性成分を水性成分に分散させた分散液の安定性の観点から、予め乳化剤、或いは、分散剤を添加しておいてもよく、特に、水性成分に予め添加しておくことが好ましい。
乳化剤・分散剤の添加量は、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合の使用時の感触が良好であり、水中油型分散液の安定性の観点から、分散液全量100質量部に対して0.001〜20質量部となる量が好ましく、0.01〜5質量部となる量がより好ましい。
乳化剤・分散剤としては、例えば、高分子乳化分散剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。乳化分散剤として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
乳化剤・分散剤の中では、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合の皮膚上での延ばしやすさの観点と、洗浄時及び化粧品等への配合時のハンドリング性が良好であることの観点とから、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は、両性界面活性剤と高分子乳化分散剤との併用が好ましく、非イオン性界面活性剤と高分子乳化分散剤との併用がより好ましく、高分子乳化分散剤単独で用いることがさらに好ましい。乳化分散剤として高分子乳化分散剤を用いる場合、界面活性剤の添加を低減又はなくすことができるので、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合に皮膚に塗布した際の界面活性剤によるべとつきを低減させることができる。
高分子乳化分散剤としては、例えば、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、特開平7−100356号公報に記載された両性高分子化合物と高級脂肪酸とから合成される複合体、特開平8−252447号公報及び特開平9−141079号公報にそれぞれ記載された水溶性両親媒性高分子電解質、特開平9−141080号公報及び特開平9−141081号公報にそれぞれ記載された水溶性架橋型両親媒性高分子電解質、特開平10−53625号公報に記載されたアクリル酸系共重合体、特許第3329689号、特開平10−330401号公報及び特開平11−106401号公報にそれぞれ記載された多糖誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール或いはその誘導体、ポリアクリルアミド、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン付加物などの合成高分子化合物、グアヤガム、カラヤガム、トラガントガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カゼインなどの天然高分子化合物等が挙げられる。高分子乳化分散剤として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
高分子乳化分散剤の中では、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合に皮膚に塗布した際のべとつきを低減させる観点から、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体(例えば、日光ケミカルズ(株)製、商品名:PEMULEN等)、ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業(株)製、商品名:ゴーセノール等)、特許第3329689号公報に記載された多糖誘導体を用いることが好ましく、ポリビニルアルコールと特許第3329689号公報に記載された多糖誘導体とを併用することがより好ましい。
また、乳化性及び分散性を向上させる観点から、中和された高分子乳化分散剤を添加してもよく、分散前又は分散後の油性成分及び/又は水性成分に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を添加して高分子乳化分散剤を中和してもよい。中和後のpHは、通常、4〜8、好ましくは6〜7であることが望ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミン酸等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤のHLBが10以下のものを用いることが好ましく、8以下のものを用いることがより好ましく、5以下のものを用いることがさらに好ましく、3以下のものを用いることが特に好ましい。HLBは、「乳化・可溶化の技術」工学図書(株)(昭59−5−20)p.8−12に記載の計算式に基づいて求めることができる。
これらの非イオン性界面活性剤の中では、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合に皮膚刺激性が小さいという観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルを用いることが好ましく、ソルビタンモノステアレートを用いることがより好ましい。また、非イオン性界面活性剤の中では、融点が35℃以上であるものを用いることが好ましく、40〜90℃のものを用いることがより好ましく、50〜90℃のものを用いることがさらに好ましく、60〜80℃のものを用いることが特に好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、レシチン等が挙げられる。
<分散液調製工程>
実施形態1に係る油性粒子の製造方法では、油性成分を水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する。
油性成分を水性成分に分散させるに際しては、予め、油性成分を加熱溶解させると共に、水性成分を油性成分の融点以上の温度に調温しておく。
油性成分を水性成分に分散させる方法は、特に限定されるものではなく、両者を混合し、各種攪拌機、分散機等を用いた公知の技術により行うことができる。なお、油性成分を水性成分に分散させて得られる分散液は、油相が水相に分散した水中油型分散液である。
油性成分と水性成分との混合割合(質量比)は、水中油型分散液を保つ範囲であれば特に限定されないが、0.1/99.9〜50/50とすることが好ましく、1/99〜40/60とすることがより好ましく、10/90〜30/70とすることがさらに好ましい。
そして、分散液を調製した後は、それを冷却し、油性成分を固化させる。このときの冷却は、急冷であっても徐冷であってもいずれでもよい。
分散液中に得られる油性成分からなる油性粒子の体積基準平均粒径は、製造される油性粒子を化粧品等に適用した場合に皮膚上で滑らかに延ばすことができる観点、及び、油性成分の皮膚へのなじみ性の向上の観点から、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。油性粒子の粒径制御は、例えば、攪拌時の機械的強度の調製や乳化剤、分散剤の種類、濃度を変えることによって行うことができる。
<熟成工程>
実施形態1に係る油性粒子の製造方法では、粒子化した油性成分の油性粒子を含む分散液を所定温度条件下で所定時間保持する。つまり、油性粒子を熟成させる。
保持温度は、油性成分の一部のみが融解する温度以上であって、しかも、完全融解する温度未満であることが好ましい。この保持温度の下限は、昇温時のDSCにおいて、最も低温側の吸熱ピークの吸熱開始温度で、また、上限は、昇温時のDSCにおいて、面積が最大の吸熱ピークの吸熱終了温度で、それぞれ特定し得る。一般的には、この保持温度を35〜65℃とすることが好ましく、40〜60℃とすることがより好ましく、45〜55℃とすることがさらに好ましい。
保持時間は、保持温度との関係で定まる。一般的には、この保持時間を0.1〜200時間とすることが好ましく、0.5〜72時間とすることがより好ましく、1〜24時間とすることがさらに好ましい。
以上のようにして熟成が終了して製造される分散液中の油性粒子は、表面にZnO漏出規制構造が構成され、熟成工程前のものに比較して、粒子内部からの酸化亜鉛粒子の漏出が抑制される。
そして、油性粒子が分散した分散液は、例えば、化粧料や皮膚外用剤の構成成分として用いられる。
(実施形態2)
実施形態2に係るハイドロゲル粒子の製造方法は、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル形成剤を水に溶解させた水性成分に分散させて粒子化させた分散液を液滴化させ、その液滴を冷却固化させるものである。また、このハイドロゲル粒子の製造方法は、粒子化した油性成分の油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持するものである。
この製造方法によれば、油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持するので、油性粒子表面にZnO漏出規制構造が構成され、それによって、油性粒子内部からの酸化亜鉛粒子の漏出を抑制することができる。
なお、本出願でハイドロゲル粒子とは、非架橋型ハイドロゲルの連続相とその連続相に分散した多数の分散相とを備えた1個又は複数個の粒子をいう。なお、このハイドロゲル粒子の概念には、外層である外皮と内層である芯成分とからなる、内層と外層とが同心状のカプセルは含まれない。
<準備工程>
実施形態2に係るハイドロゲル粒子の製造方法では、まず、固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分と、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル形成剤を水に溶解させた水性成分と、を準備する。
(1)油性成分
油性成分及び乳化分散剤の構成は、実施形態1と同一である。
(2)水性成分
水性成分は、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル形成剤を水に溶解させた水溶液(ゾル)である。
本出願で非架橋型ハイドロゲルとは、ゲル形成剤と水とから得られるゲルであって、ゲル形成剤が寒天である場合のようにゾル−ゲルの熱可逆性によってゲル化が生じるものをいう。また、本出願でゲル形成剤とは、水溶性有機化合物であって、これを水に溶解させた水溶液がゲル化点を境にゾル−ゲル転移を生じるものをいう。
ゲル形成剤としては、例えば、寒天、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、ハイメトキシルペクチン等の水溶性高分子が挙げられる。ゲル形成剤として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
ゲル形成剤として、寒天を用いることがより好ましい。また、製造されるハイドロゲル粒子を化粧品等に適用した場合の使用時の感触がよいという観点からは、ゼリー強度が147kPa(1500g/cm)以下である寒天を用いることが好ましく、19.6kPa(200g/cm)〜127kPa(1300g/cm)である寒天を用いることがより好ましい。なお、ゼリー強度は、日寒水式法により求めることができる。具体的には、ゼリー強度は、ゲル形成剤の1.5質量%水溶液を調製し、その水溶液を20℃で15時間放置して凝固させたゲルに、日寒水式ゼリー強度測定器((株)木屋製作所製)により荷重をかけ、20℃においてゲルが20秒間その荷重に耐えるときの表面積1cm あたりの最大質量(g)として求めることができる。ここで、本出願で寒天とは、ガラクトースの1,3結合及び1,4結合からなるガラクターンを含むヘミセルロースをいう。
ゲル形成剤は、ゲル化点(凝固点)が30〜50℃であるものが好ましく、30〜45℃であるものがより好ましい。なお、ゲル化点(凝固点)は、具体的には、ゲルが溶解した水溶液(ゾル)約10mlを中型試験管(径1.5cm×16cm)に採って温度計を挿入し、時々試験管を斜めに傾けて、その表面が固定して動かないようになったときの温度をゲル化点(凝固点)として求めることができる。
ゲル形成剤の濃度は、0.1〜8.0質量%とすることが好ましく、0.3〜7.0質量%とすることがより好ましく、0.4〜6.0質量%とすることがさらに好ましく、0.5〜5.0質量%とすることが特に好ましい。
ゲル形成剤を溶解させるときには、水をゲル形成剤の溶解温度以上であって且つ水の沸点以下に昇温保持する必要があり、ゲル形成剤が寒天の場合には、水を75〜100℃とすることが好ましく、80〜100℃とすることがより好ましい。なお、ゲル形成剤の溶解を促進するため、水を加圧して100℃以上に昇温してもよい。
水性成分には、その他、実施形態1の油性成分の任意成分として挙げた着色剤や防腐剤等を含有させてもよい。
<分散液調製工程>
実施形態2に係るハイドロゲル粒子の製造方法では、油性成分を水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する。
油性成分を水性成分に分散させるに際しては、予め、油性成分を加熱溶解させると共に、水性成分をゲル化温度以上で且つ油性成分の融点以上の温度に調温しておく。
水性成分水溶液に油性成分を分散させる方法は、実施形態1と同一である。
水性成分水溶液と油性成分との混合割合(質量比)は、分散液を保つ範囲であれば特に限定されないが、99/1〜40/60とすることが好ましく、92.5/7.5〜45/55とすることがより好ましく、90/10〜50/50とすることがさらに好ましい。製造されるハイドロゲル粒子を化粧品等に適用した場合の使用時の感触がよいという観点、及び、ハイドロゲル粒子の製造時および商品への配合時の壊れを防止する観点からは、分散液におけるゲル形成剤の含有量が0.1〜8.0質量%となるようにすることが好ましく、0.3〜7.0質量%となるようにすることがより好ましく、0.4〜6.0質量%となるようにすることがさらに好ましく、0.5〜5.0質量%となるようにすることが特に好ましい。また、分散液における油性成分の含有量が1〜60質量%となるようにすることが好ましく、7.5〜55質量%となるようにすることがより好ましく、10〜50質量%となるようにすることがさらに好ましい。
そして、分散液を調製した後は、それを冷却し、油性成分を固化させる。このときの冷却は、急冷であっても徐冷であってもいずれでもよい。但し、分散液の温度は、ゲル化が進行しないように、ゲル化温度以上に保持する必要があり、ゲル形成剤が寒天の場合、45〜100℃とすることが好ましく、50〜95℃とすることがより好ましく、60〜90℃とすることがさらに好ましい。
分散液中に得られる油性成分からなる油性粒子の体積基準平均粒径は、製造されるハイドロゲル粒子を化粧品等に適用した場合に皮膚上で滑らかに延ばすことができる観点、及び、油性成分の皮膚へのなじみ性の向上の観点から、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。油性成分の粒径制御は、例えば、機械的強度の調製や乳化剤、分散剤の種類、濃度を変えることによって行うことができる。
なお、分散液には、分散液調製後に、実施形態1の油性成分の任意成分として挙げた着色剤や防腐剤等を含有させてもよい。
<ハイドロゲル粒子形成工程>
実施形態2に係るハイドロゲル粒子の製造方法では、分散液を液滴化させ、その液滴を冷却固化させてハイドロゲル粒子を形成する。
分散液を液滴下させ、それを冷却固化させる方法は、特に限定されるものではなく、一般的な滴下法、噴霧法、或いは、攪拌法により行うことができる。但し、ハイドロゲル粒子からの油性成分の漏出を抑制する観点からは、攪拌法よりも滴下法、或いは、噴霧法で行うことが好ましい。
滴下法は、孔から分散液を吐出させ、吐出された分散液がその表面張力又は界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を空気等の気相中又は液相中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を形成する方法である。なお、粒径の均一なハイドロゲル粒子を形成する観点から、孔から吐出される分散液に振動を与えることが好ましい。
噴霧法は、噴霧ノズルを用い、噴霧ノズルから分散液を気相に噴霧させると共に、その表面張力によって液滴を形成させ、その液滴を気相で冷却させて固化させてハイドロゲル粒子を形成する方法である。
攪拌法は、分散液と実質的に混じり合わない性状を有し且つゲル化温度以上の温度に調製した液に分散液を投入し、攪拌による剪断力により分散液を微粒化し、界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を分散液と実質的に混じり合わない液中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を形成する方法である。
滴下法、噴霧法及び攪拌法のいずれの場合も、吐出時、噴霧時、或いは、投入時の分散液の温度を、ゲル化温度以上で且つ100℃以下の温度とすることが好ましい。また、美観に優れた球状の粒子を容易に製造することができるという観点からは、分散液の温度を、ゲル化温度+10℃以上とすることが好ましく、ゲル化温度+20℃以上とすることがより好ましい。なお、この温度の上限は、水の沸点である100℃である。
以上のようにして形成されたハイドロゲル粒子を必要に応じてさらに粉砕等により、微細なハイドロゲル粒子にしてもよい。
<熟成工程>
実施形態2に係る油性粒子の製造方法では、粒子化した油性成分からなる油性粒子を所定温度条件下で所定時間保持する。つまり、油性粒子を熟成させる。
この熟成工程は、分散液調製工程とハイドロゲル粒子形成工程との間で実行しても、また、ハイドロゲル粒子形成工程に続いて実行してもいずれでもよい。
保持温度及び保持時間は、実施形態1と同一である。
以上のようにして製造されるハイドロゲル粒子は、内部に含まれる油性粒子の表面にZnO漏出規制構造が構成され、油性粒子内部からの酸化亜鉛粒子の漏出が抑制される。
そして、油性粒子が分散したハイドロゲル粒子は、例えば、化粧料や皮膚外用剤の構成成分として用いられる。
(ハイドロゲル粒子)
以下の粒子1〜4のハイドロゲル粒子を作製した。それぞれの詳細については表1にも示す。
<粒子1>
固体脂:高級アルコール(花王(株)社製 商品名:カルコール220−80)5.00質量%、液体油:デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学工業(株)社製 商品名:KF−995)5.00質量%、及び、酸化亜鉛粒子:酸化亜鉛微粒子分散液(信越化学工業(株)社製 商品名:SPD−Z5)25.00質量%を油性成分とし、ゲル形成剤:寒天(伊那食品工業(株)社製 商品名:UP−16,ゼリー強度58.8kPa)1.00質量%、ポリビニルアルコール0.50質量%、多糖誘導体(花王(株)社製 商品名:SPS−S)0.10質量%、及び、イオン交換水(残部質量%)を水性成分とし、合計量が500gとなるように油性成分及び水性成分のそれぞれを調製し、前者を80℃及び後者を90℃でそれぞれ加熱溶解させた後、後者をを80℃に冷却し、それから両者を80℃でアンカー式攪拌機で攪拌して混合液を得た。
次いで、この混合液を乳化機〔特殊機化(株)製、商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型〕を用いて回転数8000rpmで1分間攪拌して分散液を調製した。
そして、この分散液を80℃に調温したまま、噴霧ノズル((株)いけうち社製 商品名:K010・・・液圧力を0.3MPaとしたときの噴量が0.10L/min)を用い、液流量11.0kg/h及び液圧力0.4MPaとして、室温下の大気相中に鉛直下向きに噴霧し、噴霧ノズルの下方3.4mの位置で、噴霧により形成された分散液の液滴が冷却固化されたハイドロゲル粒子を回収した。このハイドロゲル粒子を粒子1とした。
<粒子2>
固体脂として、高級アルコール(花王(株)社製 商品名:カルコール220−80)2.50質量%、及び、固形パラフィン(日本精蝋(株)製 商品名:HiMic1045)2.50質量%を用いたことを除いて粒子1と同様に作製したハイドロゲル粒子を粒子2とした。
<粒子3>
固体脂として、高級アルコール(花王(株)社製 商品名:カルコール220−80)2.25質量%、固形パラフィン(日本精蝋(株)社製 商品名:HiMic1045)2.25質量%、及び、ソルビタントリステアレート(花王(株)社製 商品名:レオドールSP−S30V)0.30質量%を用いたことを除いて粒子1と同様に作製したハイドロゲル粒子を粒子3とした。
<粒子4>
固体脂として、高級アルコール(花王(株)社製 商品名:カルコール220−80)2.50質量%、固形パラフィン(日本精蝋(株)社製 商品名:HiMic1045)2.50質量%、及び、バチルアルコール(東京化成工業(株)社製)0.10質量%を用いたことを除いて粒子1と同様に作製したハイドロゲル粒子を粒子4とした。
(化粧料)
以下の実施例1〜10及び比較例1〜5の化粧料を調合した。調合処方については表2及び3に示す。
−実施例1−
表2に示すように、50℃の温度下で7日間熟成させた粒子1のハイドロゲル粒子10.0質量%、アクリル酸共重合体(日光ケミカルズ(株)社製 商品名:カーボポール ETD2020)0.3質量%、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体(日光ケミカルズ(株)社製 商品名:PEMULEN TR−2)、メチルパラベン0.2質量%、エタノール15.0質量%、及び、精製水(残部質量%)を調合して得られた化粧料を実施例1とした。
−比較例1−
熟成させていない粒子1を用いたことを除いて実施例1と同様に調合して得られた化粧料を比較例1とした。
−実施例2−
粒子2を用いたことを除いて実施例1と同様に調合して得られた化粧料を実施例2とした。
−比較例2−
熟成させていない粒子2を用いたことを除いて実施例2と同様に調合して得られた化粧料を比較例2とした。
−実施例3−
表3に示すように、40℃の温度下で3時間熟成させた粒子2のハイドロゲル粒子50.000質量%、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体(日光ケミカルズ(株)社製 商品名:PEMULEN TR−1)0.150質量%、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(BASFジャパン(株)社製 商品名:ユビナールMC80)8.500質量%、メチルパラベン0.200質量%、フェノキシエタノール(東邦化学工業(株)社製 商品名:ハイソルブEPH)0.300質量%、液体苛性カリ(48%)0.0035質量%、及び、精製水(残部質量%)を調合して得られた化粧料を実施例3とした。
−実施例4−
粒子2の熟成条件を40℃の温度下で1日間としたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例4とした。
−実施例5−
粒子2の熟成条件を40℃の温度下で3日間としたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例5とした。
−実施例6−
粒子2の熟成条件を50℃の温度下で3時間としたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例6とした。
−実施例7−
粒子2の熟成条件を50℃の温度下で1日間としたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例7とした。
−実施例8−
粒子2の熟成条件を50℃の温度下で3日間としたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例8とした。
−比較例3−
熟成させていない粒子2を用いたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を比較例3とした。
−実施例9−
50℃の温度下で3時間熟成させた粒子3を用いたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例9とした。
−比較例4−
熟成させていない粒子3を用いたことを除いて実施例9と同様に調合して得られた化粧料を比較例4とした。
−実施例10−
50℃の温度下で3時間熟成させた粒子4を用いたことを除いて実施例3と同様に調合して得られた化粧料を実施例10とした。
−比較例5−
熟成させていない粒子4を用いたことを除いて実施例10と同様に調合して得られた化粧料を比較例5とした。
(試験評価方法)
実施例1及び比較例1のそれぞれについて、調合初期及び保存10日後のそれぞれのpHを測定した。
実施例2及び比較例2のそれぞれについて、調合初期及び保存25日後のそれぞれのpHを測定した。
実施例3〜10及び比較例3〜5のそれぞれについて、調合初期及び保存20日後のそれぞれのpHを測定した。
なお、保存はいずれも室温下で行った。
(試験評価結果)
実施例1及び比較例1の試験結果を表4に、実施例2及び比較例2の試験結果を表5に、実施例3〜8及び比較例3の試験結果を表6に、実施例9及び比較例4の試験結果を表7に、そして、実施例10及び比較例5の試験結果を表8にそれぞれ示す。
熟成させたハイドロゲル粒子を用いたものと熟成させていないハイドロゲル粒子を用いたものとを比較した、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3〜8と比較例3、実施例9と比較例4、及び、実施例10と比較例5のそれぞれの比較から、ハイドロゲル粒子を熟成させた実施例の方が比較例よりも経日後のpHの上昇が小さいことが分かる。
これは、図1(a)に示す熟成させていないハイドロゲル粒子内の油性粒子表面構造と図1(b)に示す熟成させたハイドロゲル粒子内の油性粒子表面構造とを比較しても分かるように、ハイドロゲル粒子内の油性粒子を熟成させることにより、その表面性状が変化し、粒子表面に酸化亜鉛粒子の粒子外への漏出を規制するZnO漏出規制構造が構成されるためではないかと考えられる。
より具体的には、熟成させていないハイドロゲル粒子内の油性粒子は、図2(a)に示すように均一構造であるが、熟成させることにより、ハイドロゲル粒子内の油性粒子は、図2(b)に示すように、粒子表面に固体脂の層が形成されて、固体脂で被覆された構造が構成され、その結果、内部の酸化亜鉛粒子の粒子外への漏出が規制されるのではないかと推測される。
本発明は、油性粒子及びその製造方法、並びに、ハイドロゲル粒子の製造方法について有用である。
(a)は、熟成させていないハイドロゲル粒子内の油性粒子表面を示すAFM位相イメージであり、(b)は、熟成させたハイドロゲル粒子内の油性粒子表面を示すAFM位相イメージである。 (a)は、熟成させていないハイドロゲル粒子内の油性粒子の構造を示す模式図であり、(b)は、熟成させたハイドロゲル粒子内の油性粒子の構造を示す模式図である。

Claims (6)

  1. 固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する分散液調製工程と、
    上記粒子化した油性成分からなる油性粒子を35〜65℃で保持する熟成工程と、
    を備えた油性粒子の製造方法。
  2. 上記固体脂が炭素数14〜22の高級アルコールを含む請求項1に記載された油性粒子の製造方法。
  3. 上記固体脂がさらに固形パラフィンを含む請求項2に記載された油性粒子の製造方法。
  4. 上記液体油がシリコーンを含む請求項1〜3のいずれかに記載された油性粒子の製造方法。
  5. 上記熟成工程を0.1〜200時間行う請求項1に記載された油性粒子の製造方法。
  6. 非架橋型ハイドロゲルからなる連続相に油性成分からなる油性粒子の分散相が多数分散したハイドロゲル粒子の製造方法であって、
    固体脂と液体油と酸化亜鉛粒子とを含有する油性成分を、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル形成剤を水に溶解させた水性成分に分散させて粒子化させた分散液を調製する分散液調製工程と、
    上記分散液を液滴化させ、その液滴を冷却固化させてハイドロゲル粒子を形成するハイドロゲル粒子形成工程と、
    を備え、
    上記粒子化した油性成分の油性粒子を35〜65℃で保持する熟成工程をさらに備えたハイドロゲル粒子の製造方法。
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