JP7032917B2 - ハイドロゲル粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイドロゲル粒子及びその製造方法に関する。
化粧料、医薬品、医薬部外品等の配合材料として、非架橋型ハイドロゲルの連続相に各種の機能材料を分散させたハイドロゲル粒子が知られている。例えば、特許文献1には、非架橋型ハイドロゲルの連続相に固体脂及び液体油を含む分散相を分散させたハイドロゲル粒子であって、連続相がポリビニルアルコールを含むものが開示されている。特許文献2には、非架橋型ハイドロゲルの連続相に顔料等の固体粒子を分散させたハイドロゲル粒子であって、粒子内にポリビニルアルコールを含むものが開示されている。
特開2015-113308号公報 特開2010-131479号公報
ところで、本発明者らは、非架橋型ハイドロゲルの連続相に油性成分を含む分散相を分散させたハイドロゲル粒子では、分散相の含有量を高めると、ハイドロゲル粒子が凝集して粗大粒子を形成するという問題がある事を見出した。
本発明の課題は、油性成分を含む分散相の含有量が高いハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制することである。
本発明は、非架橋型ハイドロゲルの連続相と、前記連続相に分散した油性成分を含む分散相とを備え、前記分散相の含有量が40質量%以上のハイドロゲル粒子であって、前記連続相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含むと共に、粒子内における前記ポリビニルアルコールの含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下である。
本発明は、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル剤が溶解した水相に油相が分散し且つ前記油相の含有量が40質量%以上である分散液を冷却して固化させるハイドロゲル粒子の製造方法であって、前記水相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含むと共に、前記分散液内における前記ポリビニルアルコールの含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下である。
本発明によれば、油性成分を含む分散相の含有量が40質量%以上と高いものの、連続相に、粒子内における含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下となるように、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含有していることにより、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制することができる。
実施例1及び5並びに比較例1、2、及び5の粗大粒子割合を示すグラフである。 ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量と粗大粒子割合との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。
[ハイドロゲル粒子]
実施形態に係るハイドロゲル粒子は、例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品等の配合材料として用いられるものである。
実施形態に係るハイドロゲル粒子は、非架橋型ハイドロゲルの連続相と、その連続相に分散した油性成分を含む分散相とを備える。ハイドロゲル粒子内における分散相の含有量は40質量%以上である。そして、連続相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含む。すなわち、連続相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下で且つ鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコール(以下、「PVA-XY」という。)、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下で且つ鹸化度が82.0mol%よりも高いポリビニルアルコール(以下、「PVA-X」という。)、及び4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・sよりも高く且つ鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコール(以下、「PVA-Y」という。)のうちの少なくとも1種(以下、これを「特定PVA」という。)を含む。また、ハイドロゲル粒子内におけるこの特定PVAの含有量は0.6質量%以上2.7質量%以下である。
このような実施形態に係るハイドロゲル粒子によれば、油性成分を含む分散相の含有量が40質量%以上と高いものの、連続相に、ハイドロゲル粒子内における含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下となるように特定PVAを含有していることにより、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制することができる。
ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成原因について、ハイドロゲル粒子内における油性成分を含む分散相の含有量が高いと、分散相に含有される油性成分が粒子外に漏出し易く、そのような油性成分がバインダーとなってハイドロゲル粒子を凝集させるものであると考えられる。これに対し、実施形態に係るハイドロゲル粒子では、連続相が特定PVAを適量含むことにより、ハイドロゲルの骨格を強固にし、油性成分の粒子外への漏出が効果的に抑制されるものであると推測される。
ここで、本出願における「ハイドロゲル粒子」とは、非架橋型ハイドロゲルの連続相に油性成分を含む分散相が分散した1個又は複数個の粒子をいう。「非架橋型ハイドロゲル」とは、ゲル剤と水とから得られるゲルであって、例えばゲル剤が寒天である場合のようにゾル-ゲルの熱可逆性によって生じるゲルをいう。「ゲル剤」とは、水溶性有機化合物であって、これを水に溶解させた水溶液がゲル化点(凝固点)を境にゾル-ゲル転移を生じるものをいう。
実施形態に係るハイドロゲル粒子の形状は、特に限定されるものではないが、曲面で構成された回転体の形状であることが好ましい。この「曲面で構成された回転体」とは、仮想軸及び連続的な曲線で構成された閉じた図を仮想軸で回転させたものをいい、三角錐や円柱等の平面を有する形状は含まない。ハイドロゲル粒子の形状は、化粧料に配合した際の美観の観点から、球状又は楕円回転状であることがより好ましい。
実施形態に係るハイドロゲル粒子の体積基準平均粒径は、外観及び生産性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上であり、また、同様の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは130μm以下である。実施形態に係るハイドロゲル粒子の体積基準平均粒径は、好ましくは10μm以上300μm以下、より好ましくは30μm以上200μm以下、更に好ましくは50μm以上130μm以下である。ハイドロゲル粒子の体積基準平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製のLA-920)を用いたレーザー回折散乱法やふるい分け法により測定される。なお、粒径が1000μm以下の粒子の測定にはレーザー回折散乱法の適用が好ましく、粒径が1000μmを超える粒子の測定にはふるい分け法の適用が好ましい。
実施形態に係るハイドロゲル粒子における粒径が700μm以上の粗大粒子割合は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。この粗大粒子割合は、所定の初期質量のハイドロゲル粒子を水と混合し、それを目開きが700μmのメッシュに透過させ、そのときにメッシュ上の残存したハイドロゲル粒子の残存質量を測定し、その残存質量を初期質量で除して百分率に換算することにより求められる。
(連続相)
ハイドロゲル粒子内における連続相の含有量は、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、また、化粧料等への配合時におけるハイドロゲル粒子の崩壊を抑制する観点から、好ましくは58質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは52質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における連続相の含有量は、好ましくは20質量%以上58質量%以下、より好ましくは30質量%以上55質量%以下、更に好ましくは40質量%以上52質量%以下である。
連続相は、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル剤と特定PVAと水とを含む。
非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル剤としては、例えば、寒天、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、ハイメトキシルペクチン等の水溶性高分子が挙げられる。ゲル剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、寒天を用いることがより好ましい。なお、本出願における「寒天」とは、ガラクトースの1,3結合及び1,4結合からなるガラクタンを含むヘミセルロースをいう。
ゲル剤のゼリー強度は、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは19.6kPa(200g/cm)以上、より好ましくは50.0kPa(510g/cm)以上であり、また、同様の観点から、好ましくは147kPa(1500g/cm)以下、より好ましくは127kPa(1300g/cm)以下である。ゲル剤のゼリー強度は、好ましくは19.6kPa以上147kPa以下(200g/cm以上1500g/cm以下)、より好ましくは50.0kPa以上127kPa以下(510g/cm以上1300g/cm以下)である。ゲル剤のゼリー強度は、日寒水式法により求めることができる。具体的には、ゲル剤のゼリー強度は、ゲル剤の1.5質量%水溶液を調製し、その水溶液を20℃で15時間放置して凝固させた非架橋型ハイドロゲルに、日寒水式ゼリー強度測定器((株)木屋製作所製)により荷重をかけ、20℃において非架橋型ハイドロゲルが20秒間その荷重に耐えるときの表面積1cmあたりの最大質量(g)として測定される。
連続相内におけるゲル剤の含有量は、製造適性の観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.50質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。連続相内におけるゲル剤の含有量は、好ましくは0.10質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは0.30質量%以上6.0質量%以下、更に好ましくは0.50質量%以上3.0質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内におけるゲル剤の含有量は、製造適性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。ハイドロゲル粒子内におけるゲル剤の含有量は、好ましくは0.05質量%以上4.0質量%以下、より好ましくは0.15質量%以上3.0質量%以下、更に好ましくは0.25質量%以上1.5質量%以下である。
特定PVAは、ハイドロゲル粒子製造時の分散液における水相に油相を分散させるための乳化剤として有効である。
特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Xの4質量%水溶液の20℃での粘度は8.0mPa・s以下であるが、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制する観点から、好ましくは2.5mPa・s以上、より好ましくは3.5mPa・s以上、更に好ましくは4.5mPa・s以上であり、また、同様の観点から、好ましくは7.0mPa・s以下、より好ましくは6.5mPa・s以下、更に好ましくは6.0mPa・s以下である。特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Xの4質量%水溶液の20℃での粘度は、好ましくは2.5mPa・s以上7.0mPa・s以下、より好ましくは3.5mPa・s以上6.5mPa・s以下、更に好ましくは4.5mPa・s以上6.0mPa・s以下である。特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Xの4質量%水溶液の20℃での粘度は、JISK6726に規定された落球式粘度計法に基づいて測定される。
特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Yの鹸化度は82.0mol%以下であるが、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制する観点から、好ましくは50.0mol%以上、より好ましくは60.0mol%以上、更に好ましくは65.0mol%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは82.0mol%以下、より好ましくは80.0mol%以下、更に好ましくは78.0mol%以下である。特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Yの鹸化度は、好ましくは50.0mol%以上82.0mol%以下、より好ましくは60.0mol%以上80.0mol%以下、更に好ましくは65.0mol%以上78.0mol%以下である。特定PVAにおけるPVA-XY及びPVA-Yの鹸化度は、JISK6726-1994に規定された方法に基づいて測定される。
連続相内における特定PVAの含有量は、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制する観点から、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは1.8質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、より更に好ましくは2.3質量%以上、より更に好ましくは3.1質量%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは5.9質量%以下、より好ましくは5.5質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、より更に好ましくは4.8質量%以下、より更に好ましくは4.6質量%以下である。連続相内における特定PVAの含有量は、好ましくは1.5質量%以上5.9質量%以下、より好ましくは1.8質量%以上5.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下、より更に好ましくは2.3質量%以上4.8質量%以下、より更に好ましくは3.1質量%以上4.6質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における特定PVAの含有量は0.6質量%以上2.7質量%以下であるが、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制する観点から、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.15質量%以上、より更に好ましくは1.55質量%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは2.95質量%以下、より好ましくは2.75質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下、より更に好ましくは2.4質量%以下、より更に好ましくは2.3質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における特定PVAの含有量は、好ましくは0.75質量%以上2.95質量%以下、より好ましくは0.9質量%以上2.75質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上2.5質量%以下、より更に好ましくは1.15質量%以上2.4質量%以下、より更に好ましくは1.55質量%以上2.3質量%以下である。
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。
連続相は、その他に特定PVA以外の分散剤及び乳化剤のうちの少なくとも一方(以下、「分散剤等」という。)を含有していてもよい。
かかる分散剤等としては、例えば、高分子乳化分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
高分子乳化分散剤としては、例えば、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、特開平7-100356号公報に記載された両性高分子化合物と高級脂肪酸とから合成される複合体、特開平8-252447号公報及び特開平9-141079号公報にそれぞれ記載された水溶性両親媒性高分子電解質、特開平9-141080号公報及び特開平9-141081号公報にそれぞれ記載された水溶性架橋型両親媒性高分子電解質、特開平10-53625号公報に記載されたアクリル酸系共重合体、特許第3329689号、特開平10-330401号公報及び特開平11-106401号公報にそれぞれ記載された多糖誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物の酸化エチレン付加物などの合成高分子化合物、グアヤガム、カラヤガム、トラガントガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カゼインなどの天然高分子化合物等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミン酸等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、レシチン等が挙げられる。
連続相は、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、イソプロピルメチルフェノール、エタノール、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸及びその塩類のうちの1種又は2種以上の防腐剤を含有していてもよい。また、連続相は、ビタミンB、ビタミンCといった水溶性ビタミンを含有していてもよい。更に、連続相は、離水抑制剤、保湿剤、制汗剤、抗菌剤、及び殺菌剤のうちの1種又は2種以上を含有していてもよい。
(分散相)
ハイドロゲル粒子内における分散相の含有量は40質量%以上であるが、分散相による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは42質量%以上、より好ましくは44質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子の凝集による粗大粒子の形成を抑制する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における分散相の含有量は、好ましくは42質量%以上80質量%以下、より好ましくは44質量%以上70質量%以下、更に好ましくは45質量%以上65質量%以下である。
分散相は油性成分を含む。油性成分としては、固体脂及び液体油が挙げられる。ここで、本出願における「固体脂」とは、融点が35℃以上である油脂をいい、「液体油」とは、融点が35℃未満である油脂をいう。
分散相における油性成分の含有量は、油性成分による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは81質量%以下である。分散相における油性成分の含有量は、好ましくは20質量%以上99質量%以下、より好ましくは30質量%以上90質量%以下、更に好ましくは50質量%以上81質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における油性成分の含有量は、油性成分による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは81質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における油性成分の含有量は、好ましくは20質量%以上99質量%以下、より好ましくは30質量%以上90質量%以下、更に好ましくは50質量%以上81質量%以下である。
分散相は油性成分として固体脂を含んでいてもよい。固体脂としては、例えば、固体のセラミド、固体のスフィンゴ脂質、固形パラフィン、固体の高級アルコール、ワセリン、固体のシリコーン、固体の油剤、固体の香料等が挙げられる。
固体のセラミドとしては、例えば、N-(2-ヒドロキシ-3-ヘキサデシロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド等が挙げられる。固体のスフィンゴ脂質としては、例えば、フィトスフィンゴシン等が挙げられる。固形パラフィンとしては、例えば、JISK2235に記載されているパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、セレシン等が挙げられる。固体の高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキディルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。固体のシリコーンとしては、例えば、アルキル変性シリコーン、高分子シリコーン・アルキル共変性アクリル樹脂等が挙げられる。固体の油剤としては、例えば、硬化油や高級脂肪酸が挙げられる。硬化油としては、例えば、原料油がヤシ油やパーム油や牛脂である硬化油が挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸等が挙げられる。固体の香料としては、例えば、メントールやセドロール等が挙げられる。固体脂は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
分散相における固体脂の含有量は、固体脂による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは19質量%以上であり、また、生産の容易性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。分散相における固体脂の含有量は、好ましくは1質量%以上80質量%以下、より好ましくは10質量%以上70質量%以下、更に好ましくは19質量%以上50質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における固体脂の含有量は、固体脂による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは19質量%以上であり、また、生産の容易性の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における固体脂の含有量は、好ましくは1質量%以上80質量%以下、より好ましくは10質量%以上70質量%以下、更に好ましくは19質量%以上50質量%以下である。
分散相は油性成分として液体油を含んでいてもよい。液体油としては、例えば、液体の皮膚保護剤、液体の油剤、液体の香料等が挙げられる。
液体の皮膚保護剤としては、例えば、液体のパラフィン、液体のエステル油、液体の高級アルコール、液体のスクワラン、液体のグリセライドなどの液体油脂類;セチロキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミドなどの液体のセラミド;1-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-イソステアリルオキシ-2-プロパノールなどの液体のスフィンゴ脂質等が挙げられる。液体の油剤としては、例えば、液体の炭化水素油、液体の植物油、液体の脂肪酸等;液体のエチレングリコールジ脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数は12以上36以下)、液体のジアルキルエーテル(炭素数は12以上36以下)などの液体の油脂類;液体のシリコーン類等が挙げられる。液体油は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
分散相における液体油の含有量は、液体油による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは81質量%以下である。分散相における液体油の含有量は、好ましくは20質量%以上99質量%以下、より好ましくは30質量%以上90質量%以下、更に好ましくは50質量%以上81質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における液体油の含有量は、液体油による機能を有効に発現させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、化粧料等に配合したときの使用時の感触がよいという観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは81質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における液体油の含有量は、好ましくは20質量%以上99質量%以下、より好ましくは30質量%以上90質量%以下、更に好ましくは50質量%以上81質量%以下である。
ハイドロゲル粒子に紫外線散乱機能を付与する場合、分散相は、無機紫外線散乱剤を含むことが好ましい。
無機紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭化珪素等の微粒子が挙げられる。無機紫外線散乱剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、酸化チタンの微粒子を用いることがより好ましい。
分散相内における無機紫外線散乱剤の含有量は、紫外線散乱機能を有効に発現させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。分散相内における無機紫外線散乱剤の含有量は、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは8質量%以上50質量%以下、更に好ましくは10質量%以上45質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における無機紫外線散乱剤の含有量は、紫外線散乱機能を有効に発現させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における無機紫外線散乱剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上40質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上35質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以上30質量%以下である。
なお、分散相が例えば酸化チタン等の微粒子の無機紫外線散乱剤を含む場合、分散相は、それらの微粒子を分散させるための分散剤を含むことが好ましい。分散剤としては、連続相に含有させることができる上記に列挙した高分子乳化分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
ハイドロゲル粒子に紫外線吸収機能を付与する場合、分散相は、有機紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
有機紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ベンジルなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤;ヒドロキメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸などの安息香酸エステル系紫外線吸収剤;サリチル酸エチレングリコールなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジンなどのトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。有機紫外線吸収剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、液体油のケイ皮酸系紫外線吸収剤を用いることがより好ましく、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルを用いることが更に好ましい。有機紫外線吸収剤は液体油であることが好ましい。
分散相内における有機紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収機能を有効に発現させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは43質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。分散相内における有機紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは40質量%以上90質量%以下、より好ましくは43質量%以上85質量%以下、更に好ましくは45質量%以上80質量%以下である。
ハイドロゲル粒子内における有機紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収機能を有効に発現させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。ハイドロゲル粒子内における有機紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは3質量%以上80質量%以下、より好ましくは5質量%以上70質量%以下、更に好ましくは7質量%以上65質量%以下である。
更に、分散相は、無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤の両方を含むことがより好ましい。
分散相内における無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤の総含有量は、紫外線散乱及び吸収機能を有効に発現させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、より更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは99質量%以下である。分散相内における無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤の総含有量は、好ましくは10質量%以上100質量%以下、より好ましくは30質量%以上100質量%以下、より更に好ましくは50質量%以上99.5質量%以下、より更に好ましくは60質量%以上99.5質量%以下、より更に好ましくは70質量%以上99質量%以下、より更に好ましくは80質量%以上99質量%以下である。分散相内において、無機紫外線散乱剤の含有量は、有機紫外線吸収剤の含有量よりも少なくてもよく、また、有機紫外線吸収剤の含有量と同一であってもよく、更に、有機紫外線吸収剤の含有量よりも多くてもよい。
ハイドロゲル粒子内における無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤の総含有量は、紫外線散乱及び吸収機能を有効に発現させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、また、ハイドロゲル粒子外への漏出を抑制する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは49.75質量%以下、更に好ましくは49.5質量%以下である。分散相内における無機紫外線散乱剤及び有機紫外線吸収剤の総含有量は、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは15質量%以上50質量%以下、更に好ましくは25質量%以上49.75質量%以下、より更に好ましくは30質量%以上49.75質量%以下、より更に好ましくは35質量%以上49.5質量%以下、より更に好ましくは40質量%以上49.5質量%以下である。ハイドロゲル粒子内において、無機紫外線散乱剤の含有量は、有機紫外線吸収剤の含有量よりも少なくてもよく、また、有機紫外線吸収剤の含有量と同一であってもよく、更に、有機紫外線吸収剤の含有量よりも多くてもよい。
分散相は、その他に、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンを含有していてもよい。
(任意成分)
実施形態に係るハイドロゲル粒子は、連続相に分散相以外の分散粒子が分散していてもよい。かかる分散粒子としては、例えば、特開2010-131479号公報及び特開2011-136983号公報に開示されたカテキン類を含む水不溶性複合体や化粧料用粉体等が挙げられる。
[ハイドロゲル粒子の製造方法]
実施形態に係るハイドロゲル粒子の製造方法では、まず、非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル剤、特定PVA、油性成分、及び水を含む全成分から、水相に油相が分散した水中油型の分散液を調製する。このとき、水にゲル剤及び特定PVAを溶解させた液体の水相成分と、油性成分を含有させた液体の油相成分とを別々に調製し、これらをホモミキサー等の攪拌機を用いて混合することが好ましい。この分散液内において、油相の含有量は40質量%以上であり、特定PVAの含有量は0.6質量%以上2.7質量%以下である。
分散液のゲル化点(凝固点)は、室温での固化性の観点から、好ましくは30℃以上であり、製造時の溶解性の観点から、好ましくは50℃以下、好ましくは45℃以下である。分散液のゲル化点は、好ましくは30℃以上50℃以下、より好ましくは30℃以上45℃以下である。分散液のゲル化点は、約10mlの分散液を中型試験管(径1.5cm×16cm)に採って温度計を挿入し、時々試験管を斜めに傾けて冷却し、その表面が固定して動かないようになったときの温度として測定される。
分散液の温度は、粒子化したときに美観に優れた球状の粒子を容易に製造することができるという観点から、好ましくはゲル化点よりも10℃高い温度以上、より好ましくはゲル化点よりも20℃高い温度以上であり、また、同様の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。分散液の温度は、好ましくはゲル化点よりも10℃高い温度以上100℃以下、更に好ましくはゲル化点よりも20℃高い温度以上90℃以下である。
そして、調製した分散液から一般的な滴下法、噴霧法、或いは、撹拌法で粒子を形成することにより、水相が連続相となり且つ油相が分散相となったハイドロゲル粒子を製造する。
滴下法は、孔から分散液を吐出させ、吐出された分散液がその表面張力又は界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を空気等の気相中又は液相中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。なお、粒径の均一なハイドロゲル粒子を製造する観点から、孔から吐出される分散液に振動を与えることが好ましい。
噴霧法は、噴霧ノズルを用い、噴霧ノズルから分散液を気相に噴霧させると共に、その表面張力によって液滴を形成させ、その液滴を気相で冷却させて固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
攪拌法は、分散液と実質的に混じり合わない性状を有し且つゲル化点よりも高い温度に調温した液に分散液を投入すると共に、攪拌による剪断力により分散液を微粒化し、界面張力によって液滴になる性質を利用することによって、その液滴を分散液と実質的に混じり合わない液中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
また、分散液を冷却してゲル化させることにより形成された塊状の非架橋型ハイドロゲルを撹拌機で解砕したり、或いは、篩に通して解砕して粒子を形成することによってもハイドロゲル粒子を製造することができる。
以上のようにして製造されたハイドロゲル粒子は、必要に応じて更に粉砕等を行って微細化してもよい。
(ハイドロゲル粒子)
以下の実施例1~5及び比較例1~5のハイドロゲル粒子を作製した。それぞれの構成については表1及び2にも示す。
<実施例1>
ゲル剤の寒天(UP-16A 伊那食品工業社製)、乳化剤AのPVA-X(ゴーセノールEG05 日本合成化学社製、4質量%水溶液の20℃での粘度:4.8mPa・s以上5.8mPa・s以下(カタログ掲載値)、鹸化度:86.5mol%以上89.0mol%以下(カタログ掲載値))、乳化剤BのN-ステアロイルメチルタウリンナトリウム(ニッコールSMT 日光ケミカルズ社製)、離水抑制剤のローカストビーンガムとマルトデキストリンとの混合物(三菱化学フーズ社製)、及びイオン交換水を含む水相成分を調製した。このとき、ハイドロゲル粒子におけるそれぞれの含有量が、ゲル剤0.75%、乳化剤A 1.05質量%、乳化剤B 0.10質量%、離水抑制剤0.20質量%、及びイオン交換水47.90質量%となり、且つ水相成分によって形成される連続相におけるそれぞれの含有量が、ゲル剤1.50%、乳化剤A 2.10質量%、乳化剤B 0.20質量%、離水抑制剤0.40質量%、及びイオン交換水95.80質量%となるように配合を行った。水相成分の温度は90℃に保持した。
無機紫外線散乱剤の酸化チタンの微粒子(TTO-51 石原産業社製)、有機紫外線吸収剤のメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(ユビナールMC-80 BASFジャパン社製)、及び分散剤のポリヒドロキシステアリン酸(サラコスHS-6C 日清オイリオグループ社製)を含む油相成分を調製した。このとき、ハイドロゲル粒子におけるそれぞれの含有量が、無機紫外線散乱剤20.00質量%、有機紫外線吸収剤29.00質量%、及び分散剤1.00質量%となり、且つ油相成分によって形成される分散相におけるそれぞれの含有量が、無機紫外線散乱剤40.00質量%、有機紫外線吸収剤58.00質量%、及び分散剤2.00質量%となるように配合を行った。油相成分の温度は90℃に保持した。
続いて、水相成分及び油相成分を質量比50:50の割合となるように準備し、水相成分に油相成分を加えて80℃に保持し、その混合物をホモミキサー(TK-ROBOMICS、プライミクス社製)15000rpm、1分(1kgスケール)の条件で攪拌することにより水中油型の分散液を調製した。
そして、温度を80℃に保持した分散液を噴霧ノズル(2流体外部混合ノズルSUE45B、スプレーイングシステムジャパン社製)から15℃の空気中に噴霧(空気圧0.4MPa、分散液流量35kg/h)し、噴霧された分散液の液滴が冷却固化して形成されたハイドロゲル粒子を回収した。そのハイドロゲル粒子を実施例1とした。
<実施例2~4>
ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量が1.40質量%、1.75質量%、及び2.10質量%(連続相における乳化剤AのPVA-Xの含有量が2.80質量%、3.50質量%、及び4.20質量%)、並びにハイドロゲル粒子におけるイオン交換水の含有量が47.55質量%、47.20質量%、及び46.85質量%(連続相におけるイオン交換水の含有量が95.10質量%、94.40質量%、及び93.70質量%)となるように乳化剤AのPVA-Xの含有量を増やしたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、それぞれのハイドロゲル粒子を実施例2~4とした。
<比較例1及び2>
乳化剤AのPVA-Xの代わりに、ポリビニルアルコールC(160-11485 和光純薬工業社製、4質量%水溶液の20℃での粘度:25mPa・s以上33mPa・s以下(カタログ掲載値)、鹸化度:98mol%(カタログ掲載値))を用いたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、そのハイドロゲル粒子を比較例1とした。
乳化剤AのPVA-Xの代わりに、ポリビニルアルコールD(169-16335 和光純薬工業社製、4質量%水溶液の20℃での粘度:8.7mPa・s以上10mPa・s以下(カタログ掲載値)、鹸化度:86.0mol%以上90.0mol%以下(カタログ掲載値))を用いたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、そのハイドロゲル粒子を比較例2とした。
<比較例3及び4>
ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量が0.50質量%(連続相における乳化剤AのPVA-Xの含有量が1.00質量%)、及びハイドロゲル粒子におけるイオン交換水の含有量が48.45質量%(連続相におけるイオン交換水の含有量が96.90質量%)となるように乳化剤AのPVA-Xの含有量を減らしたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、それぞれのハイドロゲル粒子を比較例3とした。
ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量が3.00質量%(連続相における乳化剤AのPVA-Xの含有量が6.00質量%)、及びハイドロゲル粒子におけるイオン交換水の含有量が45.95質量%(連続相におけるイオン交換水の含有量が91.90質量%)となるように乳化剤AのPVA-Xの含有量を増やしたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、それぞれのハイドロゲル粒子を比較例4とした。
Figure 0007032917000001
(実施例5)
乳化剤AのPVA-Xの代わりに、乳化剤AのPVA-Y(MP-10 デンカ社製、4質量%水溶液の20℃での粘度:9.0mPa・s以上13mPa・s以下(カタログ掲載値)、鹸化度:70.5mol%以上74.5mol%以下(カタログ掲載値))を用いたことを除いて実施例1と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、そのハイドロゲル粒子を実施例5とした。
(比較例5)
乳化剤AのPVA-Yの代わりに、ポリビニルアルコールE(H-12 デンカ社製、4質量%水溶液の20℃での粘度:10mPa・s以上15mPa・s以下(カタログ掲載値)、鹸化度:95.0mol%以上96.5mol%以下(カタログ掲載値))を用いたことを除いて実施例5と同様にしてハイドロゲル粒子を作製し、そのハイドロゲル粒子を比較例5とした。
Figure 0007032917000002
(試験方法)
実施例1~5及び比較例1~5のそれぞれについて、初期質量140gのハイドロゲル粒子を60gの水と混合し、それを目開きが700μmのメッシュに透過させ、そのときにメッシュ上の残存したハイドロゲル粒子の残存質量を測定し、その残存質量を初期質量で除して百分率に換算することにより粒径が700μm以上の粗大粒子割合を算出した。
(試験結果)
試験結果を表1及び2に示す。また、図1は、実施例1及び5並びに比較例1~3の粗大粒子割合を示す。図2は、ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量と粗大粒子割合との関係を示す。
図1によれば、4質量%水溶液の20℃での粘度が4.8mPa・s以上5.8mPa・sである乳化剤AのPVA-Xを用いた実施例1、及び鹸化度が70.5mol%以上74.5mol%以下である乳化剤AのPVA-Yを用いた実施例5は、4質量%水溶液の20℃での粘度が25mPa・s以上33mPa・sで且つ鹸化度が98mol%であるポリビニルアルコールCを用いた比較例1、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.7mPa・s以上10mPa・sで且つ鹸化度が86.0mol%以上90.0mol%以下であるポリビニルアルコールDを用いた比較例2、及び4質量%水溶液の20℃での粘度が10mPa・s以上15mPa・sで且つ鹸化度が95.0mol%以上96.5mol%以下であるポリビニルアルコールEを用いた比較例5と比較して著しく粗大粒子割合が低いことが分かる。
図2によれば、ハイドロゲル粒子における乳化剤AのPVA-Xの含有量が少なすぎる場合や多すぎる場合には粗大粒子割合が高くなることが分かる。
本発明は、ハイドロゲル粒子及びその製造方法の技術分野について有用である。

Claims (9)

  1. 非架橋型ハイドロゲルの連続相と、前記連続相に分散した油性成分を含む分散相とを備え、前記分散相の含有量が44質量%以上のハイドロゲル粒子であって、
    前記連続相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含むと共に、粒子内における前記ポリビニルアルコールの含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下であるハイドロゲル粒子。
  2. 前記分散相が液体油を含む請求項1に記載されたハイドロゲル粒子。
  3. 前記液体油が有機紫外線吸収剤を含む請求項2に記載されたハイドロゲル粒子。
  4. 前記分散相が無機紫外線散乱剤を含む請求項1乃至3のいずれかに記載されたハイドロゲル粒子。
  5. 体積基準平均粒径が10μm以上300μm以下である請求項1乃至4のいずれかに記載されたハイドロゲル粒子。
  6. 粒径が700μm以上の粗大粒子割合が10質量%以下である請求項1乃至5のいずれかに記載されたハイドロゲル粒子。
  7. 前記ハイドロゲル粒子における前記分散相の含有量が80質量%以下である請求項1乃至6のいずれかに記載されたハイドロゲル粒子。
  8. 前記ハイドロゲル粒子内における前記ポリビニルアルコールの含有量が1.15質量%以上2.4質量%以下である請求項1乃至7のいずれかに記載されたハイドロゲル粒子。
  9. 非架橋型ハイドロゲルを形成するゲル剤が溶解した水相に油相が分散し且つ前記油相の含有量が44質量%以上である分散液を冷却して固化させるハイドロゲル粒子の製造方法であって、
    前記水相は、4質量%水溶液の20℃での粘度が8.0mPa・s以下であるポリビニルアルコール、及び/又は、鹸化度が82.0mol%以下であるポリビニルアルコールを含むと共に、前記分散液内における前記ポリビニルアルコールの含有量が0.6質量%以上2.7質量%以下であるハイドロゲル粒子の製造方法。
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