JP2003248087A - 放射線増感スクリーン及びその製造方法 - Google Patents

放射線増感スクリーン及びその製造方法

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JP2003248087A
JP2003248087A JP2002049718A JP2002049718A JP2003248087A JP 2003248087 A JP2003248087 A JP 2003248087A JP 2002049718 A JP2002049718 A JP 2002049718A JP 2002049718 A JP2002049718 A JP 2002049718A JP 2003248087 A JP2003248087 A JP 2003248087A
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phosphor
radiation
intensifying screen
phosphor layer
layer
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Noriyuki Mishina
紀之 三科
Akihiro Maezawa
明弘 前澤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度及び鮮鋭性の劣化がなく、粒状度に優れ
る画像を形成する放射線増感スクリーン及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、蛍光体粒子及びSiOx
(0≦x≦2.0)を含有する蛍光体層を有することを
特徴とする放射線増感スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用X線撮影に
用いる放射線増感スクリーン及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療診断用放射線像及び各種物体の非破
壊での放射線画像を得、これを診断、深傷検査などに用
いる手法として、主にハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に放射線写真フィルムとも呼称する)と放射線増
感スクリーン(以下、単にスクリーンとも呼称する)の
組み合わせである放射線写真法や、放射線エネルギーを
吸収した後、可視光や赤外線などの電磁波で励起するこ
とにより蓄積していた放射線エネルギーを蛍光の形で放
出する輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換法が挙げら
れる。
【0003】放射線写真法は、被写体を透過した、或い
は被写体から発せられた放射線を放射線増感スクリーン
に照射して励起することにより近紫外光乃至可視光に変
換せしめて放射線写真フィルムに放射線画像を形成せし
めて診断、検査するものである。これらの放射線画像
は、支持体の両面又は片面にハロゲン化銀乳剤層を有す
る放射線写真フィルムにスクリーンを両面又は片面に密
着せしめ、被写体を介して放射線を照射して像様露光し
放射線画像が形成される。
【0004】放射線増感スクリーンは、基本構造とし
て、支持体と、その片面に設けられた蛍光体層及び保護
層とからなるものである。蛍光体層は蛍光体粒子とそれ
を分散状態で保持する結合剤からなるものであり、この
蛍光体粒子は、X線等の放射線によって励起されたとき
に高輝度の発光を示す性質を有するものである。従っ
て、被写体を通過した放射線の量に応じて蛍光体は高輝
度の発光を示し、放射線増感スクリーンの蛍光体層の表
面に接するように重ね合わせて置かれた放射線写真フィ
ルムは、この蛍光体の発光によっても感光するため、比
較的少ない放射線量で放射線写真フィルムの十分な感光
を達成し、放射線画像を形成することができる。
【0005】一般に撮影系によって得られる放射線画像
の画質は、その系に組み込まれた放射線増感スクリーン
の特性に起因することが大きく、その放射線増感スクリ
ーンとしては画質の優れた画像を与えるものであること
が望まれている。
【0006】上述のような放射線増感スクリーンにより
画質を向上させるために様々な手段がとられている、特
開昭58−1776号には、粒子径の違うGd22S:
Tbから成る蛍光体粒子を混合して、鮮鋭性と粒状性
(粒状度ともいう)のバランスを向上させる手法が提案
されている。又特開昭63−179300号には、増感
スクリーン表層側の蛍光体の粒子径を小さくし、鮮鋭性
及び粒状性を改善するという手法が提案されている。
【0007】特開昭58−1776号記載の放射線増感
スクリーンの手法は、蛍光体層中の蛍光体粒子の粒子径
規定が不明確であるため、向上効果がほとんど得られな
い場合があるという問題がある。又特開昭63−179
300号記載の手法は、表層部分の蛍光体粒子を小さく
すると、蛍光体粒子の発光量が低下し、又蛍光体粒子に
よる発光の散乱が増加して、蛍光体層内の発光が表面に
届きにくくなるため、感度が低下するという問題があ
る。特に、放射線画像の画質は、粒状度の劣化が放射線
画像をボケさせる要因となり、満足する放射線画像を得
ることが難しく、輝度及び鮮鋭性の劣化のない粒状度の
優れた画像を形成出来る放射線増感スクリーンが強く要
望されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、その第1の目的は、医療用X線
撮影に用いる、輝度及び鮮鋭性の劣化のない粒状性に優
れる画像を形成する放射線増感スクリーンを提供するこ
とにある。第2の目的はその放射線増感スクリーンの製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の構成により解決することができた。
【0010】1.支持体上に、蛍光体粒子及びSiOx
(0≦x≦2.0)を含有する蛍光体層を有することを
特徴とする放射線増感スクリーン。
【0011】2.SiOxを10〜500ppm含有す
ることを特徴とする前記1記載の放射線増感スクリー
ン。
【0012】3.前記1又は2記載の放射線増感スクリ
ーンを製造するに当たり、蛍光体層塗布液を、支持体又
は支持体上の下塗層表面に均一塗布し塗膜形成すること
を特徴とする放射線増感スクリーンの製造方法。
【0013】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明の放射線増感スクリーン(以降、単にスクリーンと
もいう)は、スクリーンフィルムシステムで用いられ、
ハロゲン化銀感光材料と写真組体を形成している。
【0014】一般に、単純X線撮影ではX線を効率よく
捕獲するため、2枚のスクリーンを支持体の両面にハロ
ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料の前後に
配置させている。実際には、スクリーンを添付したフィ
ルムカセッテにハロゲン化銀感光材料を装填し、X線撮
影に用いられる。
【0015】本発明の放射線増感スクリーンは、主に支
持体とその片面に設けられた蛍光体層及び保護層とから
なるものである。蛍光体層は、蛍光体粒子とそれを分散
状態で含有支持する結合剤、及びSiOx(0≦x≦
2.0)とからなるものであり、この蛍光体粒子は、X
線等の放射線によって励起されたときに高輝度の発光を
示す性質を有する。
【0016】特に、蛍光体は発光輝度が高く、比較的少
ない放射線量で放射線画像を形成せしめるため、被検体
の放射線被曝量を低減できるが、放射線増感スクリーン
の発光強度や画像の鮮鋭性、粒状性等は、蛍光体粒子の
大小、蛍光体の分散性、蛍光体の均一性、充填率等に左
右される。
【0017】始めに、蛍光体層について説明する。本発
明において、蛍光体層に含有するSiOxは、蛍光体塗
布液分散時、即ち蛍光体層を構成する素材(蛍光体粒
子、結合剤、溶媒など)を分散する際に添加される。放
射線増感スクリーンの粒状性の劣化は、蛍光体層中に存
在する凝集した蛍光体が起因であり、この凝集物は蛍光
体層塗布液作製時の蛍光体粒子の分散性が悪いこと、及
び蛍光体層形成時の乾燥工程における加熱によることが
原因で発生する。
【0018】本発明は上述した放射線増感スクリーンの
粒状性の劣化の問題に対処するためになされたものであ
り、本発明者らは鋭意検討の結果、蛍光体層塗布液にS
iOxを添加することによりSiOxが蛍光体粒子間に
入り込んでスペーサーとして作用し、蛍光体塗布液作製
時、及び蛍光体層形成時における蛍光体粒子の凝集を防
ぎ、それに伴ない粒状性が改善することを見出し本発明
に至ったものである。
【0019】本発明において、SiOxとしては例えば
SiO2が用いられ、蛍光体層中の含有量として10〜
500ppmが好ましい。含有量10ppm未満では、
SiO2が少量でありスペーサーとして働くには量が不
足であり、又含有量500ppmを超えると蛍光体層中
のSiO2量が多いため蛍光体の発光を阻害し放射線増
感スクリーンの輝度を劣化させることもある。
【0020】次に蛍光体粒子について説明する。本発明
において、蛍光体粒子の結晶形状は特に制限はないが、
好ましくは平板より立方体、立方体より14面体、14
面体より球体の順番である。特に、球状蛍光体粒子を用
いることにより、後述の充填効率が上がるため好まし
い。
【0021】本発明では、蛍光体粒子の平均粒径は0.
1〜5.0μmであることが好ましく、更に好ましくは
0.1〜3.0μmである。
【0022】蛍光体の粒径の測定は、蛍光体を水中に適
当な界面活性剤を用いて分散し、光散乱法粒子径測定装
置(例えば、LA−910 堀場製作所製)を使用して
粒径を測定して求めることができる。
【0023】又、本発明に係る蛍光体粒子は、粒径分布
として、より単分散であることが好ましい。蛍光体の粒
径分布の測定方法は、コールターカウンタ等の容積解析
法、顕微鏡を用いた影像解析法、重力及び遠心による沈
降法、カスケードインパクタ及びサイクロン等の慣性力
法、コゼニー・カルマン法及びヌードセン法等の表面積
解析法、BET法、X線回折を用いたウィルソン法及び
流動法等の吸着法、光回折法等の電磁波の散乱を利用し
た方法などがある。
【0024】蛍光体粒子の粒径分布は、その変動係数で
定義することができ、球換算直径で表した粒径分布の標
準偏差(粒径分布の標準偏差)及び上記方法で求めた平
均粒径値(粒径平均値)から下式によって算出される値
である。
【0025】粒径分布の変動係数(%)=(粒径分布の
標準偏差/平均粒径)×100 によって定義されるものである。
【0026】本発明においては、上記変動係数が20%
以下であることが好ましく、更に好ましくは16%以下
である。
【0027】本発明の放射線増感スクリーンに用いられ
る好ましい蛍光体としては、以下に示すものが挙げられ
る。
【0028】テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体
〔Y22S:Tb、Gd22S:Tb、La22S:T
b、(Y,Gd)22S:Tb、(Y,Gd)O2S:
Tb,Tm等〕、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体
(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb
等)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、La
OCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、LaOCl:
Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、G
dOCl:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲ
ン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm
等)、硫酸バリウム系蛍光体〔BaSO4:Pb、Ba
SO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等〕、希
土類酸化物系蛍光体〔(Y,Gd,Eu)23、(Y,
Gd,Tb)23等〕、2価のユーロピウム賦活アルカ
リ土類金属燐酸塩系蛍光体〔Ba3(PO42:E
2+、Ba3(PO42:Eu2+等〕、2価のユーロピ
ウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体
〔BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFC
l:Eu2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF
2・BaCl2・KCl:Eu 2+、(Ba,Mg)F2
BaCl2・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(C
sI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、
硫化物系蛍光体〔ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:A
g、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:C
u,Al等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27
Cu等)、タンタル酸塩系蛍光体〔YTaO4、YTa
4:Tm、YTaO4:Nb、(Y,Sr)Ta
4-x:Nb、LuTaO4、LuTaO4:Nb、(L
u,Sr)TaO4-x:Nb、GdTaO4:Tm、Gd
23・Ta25・B23:Tb等〕、但し本発明に用い
られる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射
線の照射によって可視又は近紫外領域の発光を示す蛍光
体であれば使用できる。
【0029】本発明においては、蛍光体層中の蛍光体の
充填率が60%以上であることが好ましく、更に好まし
くは65%以上である。尚、蛍光体層の製造上、蛍光体
層の充填率の上限は、好ましくは100%以下、更に好
ましくは85%以下である。
【0030】蛍光体の充填率を上げるには、蛍光体の結
晶系又は結晶粒子を充填効率の高いものとする、即ち、
平板<立方体<14面体<球体の順で充填効率が上がる
ため球体が特に好ましく用いられる。ここで球状とは、
走査型電子顕微鏡を用いて撮影した蛍光体粒子の撮影写
真から、球体結晶又は球状粒子の長径(a)と短径
(b)を求め、前記長径と短径の比:(a)/(b)が
0.98〜1.02の範囲であることと定義される。但
し、球状粒子は、必ずしも球体結晶の集合体ではなくて
もよく、その他の結晶形態をとる粒子の集合体が結果的
に球状粒子を形成する場合も含む。
【0031】又、本発明の蛍光体層は圧縮しても良い。
蛍光体層を圧縮することによって蛍光体の充填密度を向
上させ、更に鮮鋭性、粒状性を向上させることができ
る。圧縮の方法としてはプレス機やカレンダーロール等
を用いることが挙げられる。
【0032】本発明において、蛍光体層中の蛍光体の充
填率測定は、放射線増感スクリーンの保護層を除去し、
有機溶剤等を使用して蛍光体層全体を剥離又は溶出し、
濾過及び乾燥した後、電気炉を使って600℃で1時間
焼成して表面の樹脂を除去した輝尽性蛍光体の質量をM
(g)、溶出前の蛍光体層膜厚をP(cm)、溶出に使
用した蛍光体シート面積Q(cm2)、蛍光体比重をR
(g/cm3)としたとき、 蛍光体充填率=〔M/(P×Q×R)〕×100(%) によって算出して求めることができる。
【0033】本発明の放射線増感スクリーンに用いられ
る蛍光体層の膜厚は、20〜400μmであることが好
ましく、更に好ましくは30〜300μmであることが
望ましい。膜厚20μm未満の蛍光体層では充分な輝度
が得られず、400μmを超える蛍光体層では厚膜化に
よる鮮鋭性の劣化が大きいためである。
【0034】本発明の放射線増感スクリーンに使用でき
る結合剤としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステ
ル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチ
レン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹
脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。中でもポリ
ウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリ
ビニルブチラール、ニトロセルロースを使用することが
好ましい。
【0035】結合剤の重量平均分子量は5,000〜2
00,000が特に好ましい。中でも、本発明の放射線
増感スクリーンでより好ましく用いられる結合剤は、親
水性極性基を有する樹脂を含有することである。親水性
極性基が蛍光体表面に吸着することによって蛍光体粒子
の分散性を良くし、かつ蛍光体粒子の凝集を防止して塗
布安定性、鮮鋭性、粒状性を向上させる。
【0036】本発明の放射線増感スクリーンに好ましく
用いられる親水性極性基を有する樹脂のうち、特に好ま
しいのは−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO
(OM′)2及び−OPO(OM′)2(但し、M及び
M′は水素原子又はLi、K、Na等のアルカリ金属原
子)からなる親水性極性基(陰性官能基)を1種以上有
する樹脂である。
【0037】通常、放射線増感スクリーンには、後述す
る支持体に接する側と反対側の蛍光体層の表面を物理
的、化学的に保護するための保護層が設けられる。この
ような保護層は、本発明についても設置することが好ま
しい。保護層の膜厚は一般に2〜20μmの範囲にあ
る。
【0038】保護層は、例えば、酢酸セルロース、ニト
ロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメチ
ルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボ
ネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマーなどの合成高分子物質を適当な溶剤に溶解して調
製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成
することができる。これらの高分子物質は、単独でも混
合しても使用できる。又、保護層を塗布で形成する場合
は塗布の直前に架橋剤を添加することが望ましい。
【0039】或いはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミドなどからなるプラスチックシートを接
着剤を用いて接着するなどの方法で形成することができ
る。
【0040】本発明で用いられる保護層としては、特に
有機溶媒に可溶性の弗素系樹脂を含む塗布膜により形成
されることが好ましい。弗素系樹脂とは、弗素を含むオ
レフィン(フルオロオレフィン)の重合体、若しくは弗
素を含むオレフィンを共重合体成分として含む共重合体
をいう。弗素系樹脂の塗布膜により形成された保護層は
架橋されていてもよい。弗素系樹脂による保護層は、触
手や感光材料などとの接着で脂肪分、感光材料などから
出る可塑剤などの汚れが保護層内部に染み込みにくいの
で、拭き取りなどによって容易に汚れを除去することが
できる利点がある。又、膜強度の改良等の目的で、弗素
系樹脂と他の高分子物質を混合してもよい。
【0041】又、保護層は蛍光体層上に形成された厚さ
10μm以下の合成樹脂層であることが好ましい。この
ような薄い保護層を用いることにより、特に放射線増感
スクリーンの場合は蛍光体からハロゲン化銀乳剤までの
距離が短くなるため、得られる放射線画像の鮮鋭性の向
上に寄与することになる。
【0042】本発明の放射線増感スクリーンに用いられ
る支持体としては、各種高分子材料、ガラス、金属等が
用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上可撓
性のあるシート或いはウェブに加工できるものが好まし
い。この点から、例えばセルロースアセテートフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィル
ム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等のプラスティックフィルム、アルミニウム箔、アル
ミニウム合金箔、鉄、銅、クロムなどの金属シート或い
は該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが好まし
い。
【0043】又、これら支持体の層厚は用いる支持体の
材質等によって異なるが、一般的には3〜1000μm
であり、取り扱い上の点から、更に好ましくは80〜5
00μmである。
【0044】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面
としてもよい。
【0045】支持体と蛍光体層の結合を強化するため支
持体表面にポリエステル又はゼラチンなどの高分子物質
を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感
度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸
化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、若しく
はカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層
などを設け、その上に蛍光体層塗布液を塗布、乾燥して
形成することが好ましい。それらの構成は目的、用途な
どに応じて任意に選択することができる。
【0046】放射線増感スクリーンの製造方法について
詳述する。蛍光体層塗布液の調製は、ボールミル、サン
ドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラ
ー分散機、Kadyミル、及び超音波分散機などの分散
装置を用いて行なわれる。調製された塗布液をドクター
ブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布
液を用いて支持体上に塗布し、乾燥することにより蛍光
体層が形成される。前記塗布液を保護層上に塗布し、乾
燥した後に蛍光体層と支持体とを接着してもよい。
【0047】蛍光体層塗布液には、該塗布液中における
蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、又、形成後
の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を
向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合され
ていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例
としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油
性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;
グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチ
ルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そし
て、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエス
テル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステ
ルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸との
ポリエステルなどを挙げることができる。
【0048】蛍光体層塗布液に使用される溶剤の例とし
ては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコー
ル;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩
素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチ
レングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルなどのエーテル;トルエン;トリオー
ル、キシロールなどの芳香族化合物、そして、それらの
混合物を挙げることができる。これら蛍光体層塗布液の
溶剤は、少ない方が蛍光体層の比重を高める上で好まし
い。具体的には、塗布液中の溶剤量は25質量%以下、
より好ましくは20質量%以下である。又、塗布後の乾
燥をゆっくり行い、緻密な膜とするには、シクロヘキサ
ンのような高沸点溶媒を塗布液の溶剤として用いること
が好ましく、溶剤を混合系溶剤とする場合は、高沸点溶
媒の比率を40質量%以上、好ましくは50質量%以上
とすることである。
【0049】上記のようにして調製された塗布液を、支
持体又は支持体上の下塗層表面に均一塗布することによ
り塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗
布手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、
ナイフコーターなどを用いることにより行なうことがで
きる。次いで、形成された塗膜を徐々に加熱することに
より乾燥して、蛍光体層の形成を完了する。
【0050】本発明で用いることのできるハロゲン化銀
写真感光材料としては、透明支持体の少なくとも一方の
面にハロゲン化銀感光性層を有するハロゲン化銀感光材
料、透明支持体の一方の面にのみハロゲン化銀感光性層
を有するハロゲン化銀感光材料或いは透明支持体を挟ん
で両面にハロゲン化銀感光性層を有するハロゲン化銀写
真感光材料の何れをも用いることができる。
【0051】
〔蛍光体層の形成〕
(蛍光体層塗布液の調製)蛍光体粒子として希土類酸化
物蛍光体(Y,Gd,Eu)23を用い、下記の各添加
物を攪拌混合して分散し、粘度が40Pa・s(25
℃)の蛍光体層塗布液を調製した。
【0052】尚、本実施例ではSiOxとしてSiO2
を使用し、表1に記載のように含有量を変化させて調製
を行なった。
【0053】 蛍光体粒子 (Y,Gd,Eu)23 75部 東洋紡製ポリエステル樹脂バイロン630 5部 有機溶媒:シクロヘキサノン 20部 SiO2 表1記載 (蛍光体層塗布液の粒度測定)上記調製した蛍光体層塗
布液を、粒度ゲージ(Grindometer Cat
−No.1512 BYK Gardner製)を用い
て凝集粒子の測定を行なった。粒度ゲージ評価は0〜1
00μmの範囲で傾斜する溝を有し、溝に沿って蛍光体
層塗布液を充填塗布することにより、蛍光体層中に存在
する凝集蛍光体の大きさを測定する方法である。 (蛍光体層の塗布)調製した蛍光体層塗布液を300μ
mのギャップのあるナイフコーターにて支持体PET
(東レ製188X−30)上に塗設し、この支持体PE
T上の塗膜を110℃にて20分間乾燥した後、2μm
のPETフィルムを塗膜上にラミネートした後所定の大
きさに断裁して放射線増感スクリーン1を作製した。同
様にして、表1に記載のようにSiO2含有量を変更し
て放射線増感スクリーン2〜6を作製した。 〔放射線増感スクリーンの評価〕以下のように、輝度、
粒状度、鮮鋭性を評価した。得られた結果をまとめて表
1に示す。 (輝度の測定)上記作製した各放射線増感スクリーンと
感光材料(LP−633 コニカ社製)とからなる写真
組体を形成し、シングルバック法による感度の測定を行
なった。シングルバック法とは、感光材料に対して増感
スクリーンをX線管から離れた側(感光材料のバック
面)に位置させて撮影する方法である。
【0054】放射線増感スクリーンに管電圧80kV
p、50mAのX線を照射し、露光済み感光材料の現像
処理を行なった。現像処理は、自動現像機(TCX−7
01コニカ社製)、処理液(SR−DF コニカ社製)
を用い、現像温度35℃、定着温度33℃で45秒処理
を行なった。
【0055】上記作製した各現像処理済み感光材料に形
成された銀画像濃度を、濃度計(PDA−65 コニカ
社製)を用いてビジュアルフィルターを選択して測定
し、縦軸濃度―横軸露光量(X線照射線量)からなるそ
れぞれ対応する特性曲線1〜6を作製した。
【0056】次いで、上記特性曲線において、カブリ
(最小濃度)+1.00の濃度を得るに要するX線照射
線量の逆数を輝度として定義し、放射線増感スクリーン
1の輝度を1.00とし、それぞれの放射線増感スクリ
ーンの輝度を算出した。 (粒状度の評価)シングルバック法により、粒状度の評
価を行なった。
【0057】感光材料(LP−633 コニカ社製)と
放射線増感スクリーン1〜6とをそれぞれ組み合わせて
撮影カセッテ(MOカセッテ コニカ社製)に入れ、現
像処理後の光学濃度が1.0±0.1になるような距離
で80kVpでX線を照射した。
【0058】得られた画像をマイクロデンシトメータを
用いて、10μmのアパーチャー径での透過光を受光
し、空間周波数4.0lp/mmの粒状度を評価した。
尚、粒状度は放射線増感スクリーン1を100とした相
対値で表示し、値が大きいほど粒状度が良いことを示
す。 (鮮鋭性の評価)シングルバック法により、鮮鋭性の評
価を行なった。
【0059】感光材料(LP−633 コニカ社製)と
放射線増感スクリーン1〜6とをそれぞれ組み合わせて
撮影カセッテ(MOカセッテ コニカ社製)に入れ、カ
セッテ表面にMTF測定用矩形チャート(type7
極光製)を貼り付け、管電圧80kVp、50mAのX
線を照射した。
【0060】次いで前記と同様の方法で現像処理を施し
た後、得られたチャート画像をマイクロデンシトメータ
(PDM6 コニカ社製)を用いて走査による濃度測定
を行った。作製した濃度プロファイルの周波数ごとの矩
形波の山と谷の濃度を測定し、4.0lp/mmの周波
数におけるMTF値(%)を算出し、放射線増感スクリ
ーン1のMTF値を1.00とした相対値で表示した。
尚、値が高いほど鮮鋭性が優れていることを示してい
る。
【0061】
【表1】
【0062】表1から明らかなように、SiOxを含有
する放射線増感スクリーンは、輝度及び鮮鋭性の劣化が
なく、粒状度に優れた画像を形成出来るという顕著に優
れた効果を奏する。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、医療用X線撮影で用い
る輝度及び鮮鋭性の劣化がなく、粒状度に優れた画像が
得られる放射線増感スクリーンを提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA02 BB01 DD06 DD12 EE02 EE03 EE08 2G088 EE01 FF02 GG10 JJ37 2H016 AA03 4H001 CA01 CA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、蛍光体粒子及びSiOx
    (0≦x≦2.0)を含有する蛍光体層を有することを
    特徴とする放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】 SiOxを10〜500ppm含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の放射線増感スクリー
    ン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の放射線増感スクリ
    ーンを製造するに当たり、蛍光体層塗布液を、支持体又
    は支持体上の下塗層表面に均一塗布し塗膜形成すること
    を特徴とする放射線増感スクリーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016524135A (ja) * 2013-05-08 2016-08-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. ガンマ線検出装置

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