JP2003245890A - 磁気記録媒体の裁断装置及び裁断方法 - Google Patents

磁気記録媒体の裁断装置及び裁断方法

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JP2003245890A
JP2003245890A JP2002046074A JP2002046074A JP2003245890A JP 2003245890 A JP2003245890 A JP 2003245890A JP 2002046074 A JP2002046074 A JP 2002046074A JP 2002046074 A JP2002046074 A JP 2002046074A JP 2003245890 A JP2003245890 A JP 2003245890A
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cutting
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JP2002046074A
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Shuhei Matsutani
修平 松谷
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の原反フィルムの裁断に際し
て、ハイエッジやクラック等による切口不良の発生や、
磁性層の脱落を防ぎ、良好な裁断面を得る。 【解決手段】 一定間隔で複数配設される上刃7と、こ
の上刃7に対向して一定間隔で複数配設される下刃9と
を備える。裁断装置1においては、上刃7の刃部7aが
下刃の刃面9aに係合し、これらの係合部位にて巻出し
部2より供給される原反フィルム20に剪断応力を付与
し、所定幅を有するテープ条の状態に裁断する。このと
き、裁断装置1の裁断部3においては、下刃9に原反フ
ィルム20の磁性層面20aが接触するように原反フィ
ルム20が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体原反
を所定幅に裁断する磁気記録媒体の裁断装置及び裁断方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープ、オーディオテープ
等の磁気記録媒体においては、非磁性支持体上に磁性塗
料を塗布し、乾燥させて磁性層を形成する塗布型の磁気
記録媒体が広く使用されている。これに対して、Fe系
やCo−Ni合金等の強磁性金属材料を、メッキや真空
薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング法、イオン
プレーティング法等)によって非磁性支持体上に直接被
着して磁性層とする、金属薄膜型の磁気記録媒体が提案
され、注目を集めている。この金属薄膜型の磁気記録媒
体は高密度磁気記録化、大容量化、さらには薄型化を達
成し得る。
【0003】上述したような磁気記録媒体を製造するに
際しては、幅広の原反フィルムを裁断して所定幅を有す
る複数条のテープ状の状態とすることが一般的に行われ
ている。この原反フィルムの裁断においては、従来か
ら、係合する上刃と下刃等からなる一対の刃部材の噛み
合いにより原反フィルムを裁断する裁断装置が用いられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に磁
性層に金属薄膜を用いて薄型化が図られた磁気記録媒体
においては、上述したような裁断装置による裁断面の切
り口が悪化傾向にある。このような金属薄膜等からなる
非常に薄い磁性層を裁断した際には、ハイエッジやクラ
ック等による切口不良が発生したり、金属薄膜の剥離に
よる磁性層の脱落の原因となっていた。また、上述した
ように裁断時に切口不良が生じると、オーディオカセッ
ト等の製品として再生装置内のメカデッキ等にて走行さ
せた際に、デッキのガイドフランジとの間に生じた応力
等によって裁断面にさらにクラックが生じ、磁性層の脱
落を引き起こしている。
【0005】そこで、本発明は、上述した事情に鑑み提
案されたものであり、磁気記録媒体の原反フィルムの裁
断に際して、ハイエッジやクラック等による切口不良の
発生や、磁性層の脱落を防ぎ、良好な裁断面を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した課
題を解決することを目的に種々の検討を行ってきた。そ
の結果、裁断装置に対して磁気記録媒体の原反フィルム
を供給する際の該原反フィルムの配置、又は刃部材の形
状を改良することで上記課題を解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、上述した課題を解決する本発明
に係る磁気記録媒体の裁断装置は、一定間隔で複数配設
される肉薄の第1の刃部材と、この第1の刃部材に対向
して一定間隔で複数配設される肉厚の第2の刃部材とを
備え、第1の刃部材の刃部が第2の刃部材の刃面に係合
し、これらの係合部位にて磁性層を有する磁気記録媒体
の原反フィルムを所定幅に裁断する。このとき、第2の
刃部材側には、原反フィルムの磁性層側の面が配される
ように原反フィルムが供給される。
【0008】また、本発明に係る磁気記録媒体の裁断方
法は、肉薄の第1の刃部材の刃部と、この第1の刃部材
に対向して配設される肉厚の第2の刃部材の刃面とが係
合し、これらの係合部位にて磁性層を有する磁気記録媒
体の原反フィルムを所定幅に裁断するものであり、第2
の刃部材側に上記原反フィルムの磁性層側の面を配して
原反フィルムを裁断する。
【0009】上述した本発明に係る磁気記録媒体の裁断
装置及び裁断方法は、磁気記録媒体の原反フィルムを所
定幅に裁断する際に、肉厚な第2の刃部材が原反フィル
ムの磁性層側の面に接触した状態で裁断が行われる。こ
のように、本発明では、切口不良の発生や、磁性層の脱
落の原因と考えられる裁断時の原反フィルムの配置を改
善し、肉厚な第2の刃部材側に比較的割れの起こしやす
い磁性層側の面を配することで、磁性層に加わる負荷が
抑えられ、良好な切り口での裁断を可能とする。
【0010】一方、本発明に係る他の磁気記録媒体の裁
断装置は、一定間隔で複数配設される肉薄の第1の刃部
材と、この第1の刃部材に対向して一定間隔で複数配設
される肉厚の第2の刃部材とを備え、第1の刃部材の刃
部が第2の刃部材の刃面に係合し、これらの係合部位に
て磁性層を有する磁気記録媒体の原反フィルムを所定幅
に裁断する。このとき、第1の刃部材は、刃部側が一定
の角度で折曲されたコーンタイプであり、コーン角度が
1°以下とされる。
【0011】また、本発明に係る他の磁気記録媒体の裁
断方法は、肉薄の第1の刃部材の刃部が、この第1の刃
部材に対向して配設される肉厚の第2の刃部材の刃面に
対して係合し、これらの係合部位にて磁性層を有する磁
気記録媒体の原反フィルムを所定幅に裁断するものであ
り、コーン角度が1°以下として刃部側が折曲されたコ
ーンタイプの第1の刃部材によって原反フィルムが裁断
される。
【0012】上述した本発明に係る磁気記録媒体の裁断
装置及び裁断方法は、磁気記録媒体の原反フィルムを所
定幅に裁断する際に、コーン角度が1°以下として刃部
側が折曲されたコーンタイプの第1の刃部材を用いて裁
断が行われる。このように、本発明では、切口不良の発
生や、磁性層の脱落の原因と考えられる刃部材の形状を
改善し、コーンタイプの第1の刃部材のコーン角度を1
°以下に規制することで、磁性層に加わる負荷が抑えら
れ、良好な切り口での裁断を可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の裁断装置及び裁断方法について、図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0014】裁断装置1は、幅広の磁気記録媒体の原反
フィルムを、所定幅を有する複数条のテープに裁断する
ものである。裁断装置1は、図1に示すように、磁気記
録媒体の原反フィルム20を繰り出す巻出し部2と、こ
の巻出し部2から繰り出された原反フィルム20を所定
幅を有する複数条の磁気テープ21a、21bに裁断す
る裁断部3と、これら磁気テープ21a、21bをそれ
ぞれ巻き取る巻取り部4とから構成されている。なお、
本実施の形態を示す図1においては、裁断後のテープ状
の媒体を2本(磁気テープ21a、21b)としている
が、さらに多くのテープ状の媒体に裁断し得ることは勿
論である。
【0015】裁断装置1には、上述した巻出し部2から
裁断部3への原反フィルム20の経路上に、この原反フ
ィルムに最適な張力を与えるロール材5aが、裁断部3
から巻取り部4への磁気テープ21a、21bの各経路
上に、これら磁気テープ21a、21bの走行方向をガ
イドするロール材5b及びこれらを駆動するロール材5
c、5dが配設されている。
【0016】巻出し部2は、コア2aを有し、このコア
2aに幅広の磁気記録媒体の原反フィルム20が巻回さ
れてなる。巻出し部2は、コア2aに巻回された原反フ
ィルム20を繰り出し、この原反フィルム20を裁断部
3に対して供給する。
【0017】このコア2aに巻回され、巻出し部2から
繰り出される原反フィルム20は、非磁性支持体となる
高分子フィルムの一方面にCoを主成分とした金属磁性
薄膜からなる磁性層が成膜されるとともに、高分子フィ
ルムの他方面にカーボンを主体とするバックコート層が
形成されてなるものである。原反フィルム20には、こ
の他に、例えば磁性薄膜層上に金属防錆層、保護膜層及
びトップコート層が成膜されてなる。原反フィルム20
は、後述するようにバックコート層側の面(以下、バッ
ク面20aと称する。)を図1中上方に、薄膜磁性層側
の面(以下、磁性層面20bと称する。)を同図中下方
側に向くように、裁断部3に対して供給される。なお、
本実施の形態においては、上述したように裁断する原反
フィルム20を、金属磁性薄膜を成膜して磁性層とする
金属薄膜型の磁気記録媒体について説明しており、本発
明は特にかかる場合における金属薄膜の剥離等の防止に
有効であるが、塗布型の磁気記録媒体についても適用し
得ることは勿論である。
【0018】裁断部3は、図2、図3(a)及び同図
(b)に示すように、回転軸6aに対しカラー6bを介
して取り付けられる肉薄の円形刃である上刃7と、回転
軸8aに対しカラー8bを介して取り付けられる肉厚の
円形刃である下刃9とによって構成されている。裁断部
3においては、これら上刃7の刃部7aの一部が下刃9
の刃面9aに対して係合するように配設されている。こ
の上刃7の刃部7aと下刃9の刃面9aとの係合幅は、
0.1mm以上、0.4mm以下の範囲とされることが
望ましい。上刃7と下刃9との係合幅が0.1mm未満
である場合には、原反フィルム20の裁断に支障が生
じ、また0.4mmを超えた場合には、裁断面にクラッ
クが入りやすくなる。
【0019】上刃7は、回転軸6aに一定間隔で取り付
けられており、下刃9の刃面9aに係合する刃部7a
を、刃面9a側に押圧する弾性部材、例えば皿バネ10
が配設されている。なお、弾性部材には、この皿バネ1
0に代えて、コイルバネや板バネ等を使用することがで
きる。
【0020】上刃7には、図3及び図4に示すように、
直線状の刃部7aを有するストレートタイプのもので、
かつその縁部分にしのぎ7bを有するものが使用され
る。上刃7の厚さtは、耐久性と切れ味とに大きな支
障が生じない限り限定はしないが、0.3mm以上、
2.0mm以下の厚さとすることが好ましい。この上刃
7の厚さtは、0.3mm未満だと刃の剛性が不足し
て切断幅に影響を及ぼす虞がある。また、上刃7の厚さ
は、厚ければ厚いほど刃の剛性が強くなるため上刃
7の振れが抑制されて、結果良好な切り口を得ることが
できるが、2.0mmより厚くなると被切断物、すなわ
ち原反フィルム20のエッジに品質的に支障が生じやす
くなる。
【0021】また、上刃7のしのぎ7aは、例えばしの
ぎ角度θを20°以上、60°以下とし、またしのぎ
量wを0.1mm以上、0.5mm以下として設けら
れることが好ましい。なお、上刃7には、上述したスト
レートタイプのものを使用することが好ましいが、図5
(a)及び(b)に示すように、刃部7a側が一定の角
度で折曲された、いわゆるコーンタイプのものを使用し
てもよい。
【0022】下刃9は、回転軸8aに一定間隔で取り付
けられている。この下刃9の取付け間隔sは、1mm
以下であることが好ましい。下刃9の取付け間隔s
1mmを超えた場合には、被切断物たる原反フィルム2
0が各下刃9間に落ち込む量が多くなり、原反フィルム
20のエッジ部分に品質的な支障が生じやすくなる。
【0023】これら上刃7と下刃9とに使用する材質に
ついては、この種の裁断分野で公知の材質のいずれを使
用してもよいが、上刃7及び下刃9とも超鋼材を使用す
ることが望ましい。
【0024】裁断部3においては、巻出し部2から供給
される原反フィルム20が、両刃の回転時の係合部位に
おける上刃7と下刃9との噛み合いによって裁断され
る。この裁断装置1においては、裁断部3を走行する際
の原反フィルム20(磁気テープ21a、21b)の張
力が低張力に、例えば幅12.65mmに上述した磁気
テープ21a、21bを裁断する場合、1本の磁気テー
プあたりにかかる張力が80g以上、120g以下とさ
れるよう制御される。また、裁断部3では、上刃7が原
反フィルム20のバック面20a側に、下刃9が磁性層
面20b側に接触して原反フィルム20を複数条の磁気
テープ21a、21bに裁断する。
【0025】巻取り部4は、上述したように裁断部3に
おいて所定幅に裁断された磁気テープ21a、21b
を、ハブ4aにそれぞれ巻き回して巻取りを行う。この
巻取り部4にて巻き取られた磁気テープ21a、21b
は、パンケーキ(所定の長さに切断される以前の長尺の
磁気テープが巻回された状態)22a、22bとされ
る。
【0026】なお、上述した裁断装置1にあっては、上
刃7に肉薄の円形刃を、下刃9に肉厚の円形刃を使用
し、下刃9が原反フィルム20の薄膜磁性層が形成され
た面に接触するように裁断部3に原反フィルム20を供
給して裁断しているが、本発明はこのような構成に限定
されるものではない。本発明においては、肉薄の円形刃
の刃部と肉厚の円形刃の刃部とが係合し、かつ肉厚の円
形刃が原反フィルム20の薄膜磁性層が形成された面に
接触して原反フィルム20を裁断するものであればよ
く、例えば図6(a)及び(b)に示すように、上刃7
と下刃9とに使用する円形刃を入れ替えて、すなわち上
刃7に肉厚の円形刃を使用し、下刃9に肉厚の円形刃を
使用するものであってもよい。このとき、裁断部3にお
いては、上刃7の刃面7cに対し、下刃9の刃部9bが
係合する構造とされる。このとき、裁断部3では、上刃
7が原反フィルム20の磁性層面20b側に、下刃9が
バック面20a側に接触して原反フィルム20を複数条
の磁気テープ21a、21bに裁断する。
【0027】上述した構成を有する裁断装置1を用いて
行われる原反フィルム20の裁断方法に関し以下に説明
する。なお、この裁断の前工程では、通常の磁気記録媒
体の製造において行われる磁性塗料の塗布、乾燥や、ス
パッタ法等による金属薄膜の成膜が行われる磁性層の形
成工程や、バックコート層等の形成工程が行われてい
る。
【0028】まず、巻出し部2から磁性層面20aを図
1中下方に向けて繰り出された原反フィルム20が裁断
部3に対して供給される。裁断部3に供給された原反フ
ィルム20は、係合する上刃7と下刃9との係合部位に
おいて、回転時の上刃7と下刃9との噛み合いにより裁
断される。このとき、肉薄の上刃7には原反フィルム2
0のバック面20bが、肉厚の下刃9には原反フィルム
20の磁性層面20aが接触している。そして、裁断部
3にて裁断された原反フィルム20は、多数条の磁気テ
ープ21a、21bとされ、これら磁気テープ21a、
21bが巻取り部4にてそれぞれ巻き取られ、パンケー
キ22a、22bとされる。なお、このようにパンケー
キ22a、22bとされた磁気テープ21a、21b
は、後工程にて所定の長さ、具体的にはビデオテープや
オーディオテープ等とされる際の一本分の長さに裁断さ
れる。
【0029】このように、裁断装置1及びこの裁断装置
1を用いた裁断方法では、切口不良の発生や、磁性層の
脱落の原因と考えられる裁断時の原反フィルム20を、
肉厚な下刃9側に比較的裁断時に割れを起こしやすい磁
性層面20bが接触するように配することで、磁性面に
加わる負荷を抑えることができ、良好な裁断面を得るこ
とができる。そして、このように良好な裁断面を得るこ
とで、磁性層の脱落を防止することができ、またメカデ
ッキ等にて走行させた場合でも良好な裁断面を維持する
ことが可能となる。
【0030】次に、本発明に係る磁気記録媒体の裁断装
置について、他の構成を有する実施の形態について説明
する。なお、以下に示す第2の実施の形態に係る裁断装
置31において、上述した裁断装置1と同一構成を有す
る部分については、同一符号を付して詳しい説明は省略
する。
【0031】裁断装置31は、図7に示すように、原反
フィルム20を繰り出す巻出し部2と、この巻出し部2
から繰り出された原反フィルム20を所定幅を有する複
数条の磁気テープ21a、21bに裁断する裁断部32
と、これら磁気テープ21a、21bをそれぞれ巻き取
る巻取り部4とから構成されている。この裁断装置31
においては、巻出し部2から繰り出される原反フィルム
20の向きがいずれでも、具体的には原反フィルム20
の磁性層面20bが同図中上方に向くように裁断部32
に供給されるものであっても、下方に向くように供給さ
れるものであってもよいが、後述する下刃36側に磁性
層面20bが向くように原反フィルム20が供給される
方が好ましい。
【0032】裁断部32は、図8に示すように、回転軸
33aに対しカラー33bを介して取り付けられる肉薄
の円形刃である上刃34と、回転軸35bに対しカラー
35bを介して取り付けられる肉厚の円形刃である下刃
36とによって構成されている。裁断部32において
は、上刃34の刃部34aが下刃36の刃面36aに対
して係合するように配設されている。この上刃34の刃
部34aと下刃36の刃面36aとの係合幅は、0.1
mm以上、0.4mm以下の範囲とされることが望まし
い。上刃34と下刃36との係合幅が0.1mm未満で
ある場合には、原反フィルム20の裁断に支障が生じ、
また0.4mmを超えた場合には、裁断面にクラックが
入りやすくなる。
【0033】上刃34は、回転軸33aに一定間隔で取
り付けられており、下刃36の刃面36aに係合する刃
部34aを刃面36a側に押圧する弾性部材、例えば皿
バネ37が配設されている。なお、弾性部材には、この
皿バネ37に代えて、コイルバネや板バネ等を使用する
ことができる。
【0034】上刃34には、図8及び図9に示すよう
に、刃部34a側が一定の角度で折曲された、いわゆる
コーンタイプで、縁部分にしのぎ34bを有するものが
使用される。この上刃34においては、刃部34a側が
折曲された角度、すなわちコーン角度θが1°以下と
される。上刃34においてコーン角度θが1°を超え
る場合には、原反フィルム20の裁断時に、ハイエッジ
等が生じて切り口不良が発生する。
【0035】このように、裁断装置31及びこの際断層
値31を用いた裁断方法では、切口不良の発生や、磁性
層の脱落の原因と考えられる一の刃部材の形状を、コー
ンタイプの刃部材におけるコーン角度を1°以下に規制
することで、磁性面に加えられる負荷を抑えることがで
き、良好な裁断面を得ることができる。そして、このよ
うに良好な裁断面を得ることで、磁性層の脱落を防止す
ることができ、またメカデッキ等にて走行させた場合で
も良好な裁断面を維持することが可能となる。
【0036】また、この上刃34の厚さtは、耐久性
と切れ味とに大きな支障が生じない限り限定はしない
が、0.3mm以上、1.0mm以下の厚さとすること
が好ましい。この上刃34の厚さtは、0.3mm未
満だと刃の剛性が不足して切断幅に影響を及ぼす虞があ
る。また、上刃34の厚さtは、厚ければ厚いほど刃
の剛性が強くなるため上刃34の振れが抑制されて、結
果良好な切り口を得ることができるが、1.0mmより
厚くなると被切断物、すなわち原反フィルム20のエッ
ジに品質的に支障が生じやすくなる。
【0037】また、上刃34のしのぎ34bは、例えば
しのぎ角度θを20°以上、60°以下とし、またし
のぎ量wを0.1mm以上、0.5mm以下として設
けられることが好ましい。
【0038】下刃36は、回転軸35aに一定間隔で取
り付けられている。この下刃36の取付け間隔sは、
1mm以下であることが好ましい。下刃36の取付け間
隔sが1mmを超えた場合には、被切断物たる原反フィ
ルム20が各下刃36間に落ち込む量が多くなり、原反
フィルム20のエッジ部分に品質的な支障が生じやすく
なる。
【0039】これら上刃34と下刃36に使用する材質
については、この種の裁断分野で公知の材質のいずれを
使用してもよいが、上刃34及び下刃36とも超鋼材を
使用することが望ましい。
【0040】裁断部32においては、巻出し部2から供
給される原反フィルム20が、両刃の回転時の係合部位
における上刃34と下刃36との噛み合いによって裁断
される。このとき、裁断部32では、上刃34が原反フ
ィルム20のバック面20a側に、下刃36が磁性層面
20b側に接触して原反フィルム20を複数条の磁気テ
ープ21a、21bに裁断する。
【0041】なお、上述した裁断装置31にあっては、
上刃34に肉薄の円形刃を、下刃36に肉厚の円形刃を
使用しているが、本発明はこのような構成に限定される
ものではない。本発明においては、肉薄の円形刃の刃部
と肉厚の円形刃の刃部とが係合し、かつ肉薄の円形刃に
コーン角度が1°以下とされたコーンタイプの刃部材を
使用するものであればよく、例えば図10に示すよう
に、上刃34と下刃36とに使用する円形刃を入れ替え
て、すなわち上刃34に肉厚の円形刃を使用し、下刃3
6に肉厚の円形刃を使用するものであってもよい。この
とき、裁断部32においては、上刃34の刃面34cに
対し、下刃36の刃部36bが係合する構造とされる。
このとき、裁断部32では、上刃34が原反フィルム2
0の磁性層面20b側に、下刃36がバック面20a側
に接触して原反フィルム20を複数条の磁気テープ21
a、21bに裁断する。
【0042】上述した構成を有する裁断装置31を用い
て行われる原反フィルム20の裁断方法に関し以下に説
明する。なお、この裁断の前工程では、通常の磁気記録
媒体の製造において行われる磁性塗料の塗布、乾燥や、
スパッタ法等による金属薄膜の成膜が行われる磁性層の
形成工程や、バックコート層等の形成工程が行われてい
ることは上述した裁断装置1を使用した裁断方法と同様
である。
【0043】まず、巻出し部2から磁性層面20bを図
7中下方に向けて繰り出された原反フィルム20が裁断
部32に対して供給される。裁断部32に供給された原
反フィルム20は、係合する上刃34と下刃36との係
合部位において、回転時の上刃34と下刃36との噛み
合いにより裁断される。このとき、コーンタイプの上刃
34には原反フィルム20のバック面20bが、肉厚の
下刃36には原反フィルム20の磁性層面20aが接触
している。そして、裁断部32にて裁断された原反フィ
ルム20は、多数条の磁気テープ21a、21bとさ
れ、これら磁気テープ21a、21bが巻取り部4にて
それぞれ巻き取られ、パンケーキ22a、22bとされ
る。なお、上述したようにパンケーキ22a、22bと
された磁気テープ21a、21bは、後工程にて所定の
長さ、具体的にはビデオテープやオーディオテープ等と
される際の一本分の長さに裁断される。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気記録媒体の裁断装置及び裁断方法によれば、切
口不良の発生や、磁性層の脱落の原因と考えられる裁断
時の原反フィルムの配置を、肉厚な第2の刃部材側に比
較的割れの起こしやすい磁性層側の面を配するようにす
ることで、磁性層に加わる負荷が抑えられ、良好な裁断
面を得ることができる。
【0045】また、本発明に係る磁気記録媒体の裁断装
置及び裁断方法によれば、上述した切口不良の発生や、
磁性層の脱落の原因と考えられる刃部材の形状を、コー
ンタイプの第1の刃部材のコーン角度を1°以下に規制
するように改善したことで、磁性層に加わる負荷が抑え
られ、良好な裁断面を得ることができる。
【0046】そして、このように磁気記録媒体の裁断に
おいて、良好な裁断面を得ることで、磁性層の脱落を防
止することができ、またメカデッキ等にて走行させた場
合でも良好な裁断面を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る裁断装置の概略構成を示す図であ
る。
【図2】同裁断装置の裁断部の要部断面図である。
【図3】同裁断部に配設された上刃と下刃を示す図であ
り、(a)は要部正面図、(b)は側面図である。
【図4】上刃の縁部近傍を示す要部拡大断面図である。
【図5】同裁断装置の裁断部の他の構成を示す図であ
り、(a)は要部正面図、(b)は側面図である。
【図6】同裁断装置の裁断部のさらに他の構成を示す図
であり、(a)は要部正面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明に係る他の裁断装置の概略構成を示す図
である。
【図8】同裁断装置の裁断部に配設された上刃と下刃を
示す図であり、(a)は要部正面図、(b)は側面図で
ある。
【図9】上刃の縁部近傍を示す要部拡大断面図である。
【図10】同裁断装置の裁断部の他の構成を示す図であ
り、(a)は要部正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、31 裁断装置,2 巻出し部,3、32 裁断
部,4 巻取り部,7、34 上刃,9、36 下刃,
10、37 皿バネ,20 原反フィルム,20a 磁
性層面,20b バック面

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定間隔で複数配設される肉薄の第1の
    刃部材と、該第1の刃部材に対向して一定間隔で複数配
    設される肉厚の第2の刃部材とを備え、上記第1の刃部
    材の刃部が上記第2の刃部材の刃面に係合し、該係合部
    位にて磁性層を有する磁気記録媒体の原反フィルムを所
    定幅に裁断する磁気記録媒体の裁断装置において、 上記第2の刃部材側に上記原反フィルムの磁性層側の面
    が配されるように上記原反フィルムが供給されることを
    特徴とする磁気記録媒体の裁断装置。
  2. 【請求項2】 上記磁性層は、金属磁性薄膜からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の裁断装
    置。
  3. 【請求項3】 上記第2の刃部材は、1mm以下の間隔
    で配設されていることを特徴とする特徴とする請求項1
    に記載の磁気記録媒体の裁断装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の刃部材には、上記第2の刃部
    材の刃面に対して刃部を押圧する弾性部材が取り付けら
    れることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の
    裁断装置。
  5. 【請求項5】 上記弾性部材は、皿バネであることを特
    徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体の裁断装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の刃部材は、直線状の刃部を有
    するストレートタイプであるとともに、縁部にしのぎを
    有することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体
    の裁断装置。
  7. 【請求項7】 上記第1の刃部材は、厚さが0.3mm
    以上、2.0mm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の磁気記録媒体の裁断装置。
  8. 【請求項8】 上記第1の刃部材と上記第2の刃部材と
    は、上記係合部位の幅が0.1mm以上、0.4mm以
    下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体の裁断装置。
  9. 【請求項9】 一定間隔で複数配設される肉薄の第1の
    刃部材の刃部と、該第1の刃部材に対向して一定間隔で
    複数配設される肉厚の第2の刃部材の刃面とが係合し、
    該係合部位にて磁性層を有する磁気記録媒体の原反フィ
    ルムを所定幅に裁断する磁気記録媒体の裁断方法におい
    て、 上記第2の刃部材側に上記原反フィルムの磁性層側の面
    を配して上記原反フィルムを裁断することを特徴とする
    磁気記録媒体の裁断方法。
  10. 【請求項10】 上記磁性層は、金属磁性薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体の裁断
    方法。
  11. 【請求項11】 一定間隔で複数配設される肉薄の第1
    の刃部材と、該第1の刃部材に対向して一定間隔で複数
    配設される肉厚の第2の刃部材とを備え、上記第1の刃
    部材の刃部が上記第2の刃部材の刃面に係合し、該係合
    部位にて磁性層を有する磁気記録媒体の原反フィルムを
    所定幅に裁断する磁気記録媒体の裁断装置において、 上記第1の刃部材は、刃部側が一定の角度で折曲された
    コーンタイプであり、コーン角度が1°以下とされるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体の裁断装置。
  12. 【請求項12】 上記磁性層は、金属磁性薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項11に記載の磁気記録媒体の裁
    断装置。
  13. 【請求項13】 上記第2の刃部材は、1mm以下の間
    隔で配設されていることを特徴とする特徴とする請求項
    11に記載の磁気記録媒体の裁断装置。
  14. 【請求項14】 上記第1の刃部材には、上記第2の刃
    部材の刃面に対して刃部を押圧する弾性部材が取り付け
    られることを特徴とする請求項11に記載の磁気記録媒
    体の裁断装置。
  15. 【請求項15】 上記弾性部材は、皿バネであることを
    特徴とする請求項14に記載の磁気記録媒体の裁断装
    置。
  16. 【請求項16】 上記第1の刃部材は、縁部にしのぎを
    有することを特徴とする請求項11に記載の磁気記録媒
    体の裁断装置。
  17. 【請求項17】 上記第1の刃部材は、厚さが0.3m
    m以上、1.0mm以下であることを特徴とする請求項
    11に記載の磁気記録媒体の裁断装置。
  18. 【請求項18】 上記第1の刃部材と上記第2の刃部材
    とは、上記係合部位の幅が0.1mm以上、0.4mm
    以下であることを特徴とする請求項11に記載の磁気記
    録媒体の裁断装置。
  19. 【請求項19】 一定間隔で複数配設される肉薄の第1
    の刃部材の刃部が、該第1の刃部材に対向して一定間隔
    で複数配設される肉厚の第2の刃部材の刃面に対して係
    合し、該係合部位にて磁性層を有する磁気記録媒体の原
    反フィルムを所定幅に裁断する磁気記録媒体の裁断方法
    において、 コーン角度が1°以下として刃部側が折曲されたコーン
    タイプの上記第1の刃部材によって上記原反フィルムが
    裁断されることを特徴とする磁気記録媒体の裁断方法。
  20. 【請求項20】 上記磁性層は、金属磁性薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項19に記載の磁気記録媒体の裁
    断方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007257695A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Fujifilm Corp 磁気テープの製造方法及び装置
JP2009238334A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Fujifilm Corp 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2009291845A (ja) * 2008-06-02 2009-12-17 Fujifilm Corp 裁断方法及び装置

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