JP2003245823A - 歯車研削方法および歯車研削装置 - Google Patents
歯車研削方法および歯車研削装置Info
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Abstract
ことを可能にする。 【解決手段】歯車研削工具42の螺旋条43を前記被研
削用歯車22の歯溝23aに噛合させながら、被研削用
歯車22と歯車研削工具42を回転させる。被研削用歯
車22を切込方向に移動させて研削する切込研削では、
ZX研削画面302の移動軌跡線308に従い研削を行
う。また、被研削用歯車22と歯車研削工具42の位相
θを制御して研削する位相研削では、Zθ研削確認画面
304の移動軌跡線310に従い、切込研削と共働しな
がら研削を行う。
Description
び歯車研削装置に関し、特に、被研削用歯車に予め形成
されている歯を、螺旋条の研削部位を備えた歯車研削工
具を用いて研削する歯車研削方法および歯車研削装置に
関する。
に対して歯車研削工具500により研削加工を行う場合
を図26Aを参照して説明する。歯車研削工具500
は、周回する螺旋条501からなる砥石503を有す
る。一方、被研削用歯車502は、予め形成された歯5
04を有する(例えば、特開昭58−59727号公報
参照)。この構成によれば、歯車研削工具500の螺旋
条501を被研削用歯車502の歯溝部504cと噛合
させ、歯車研削工具500と被研削用歯車502とを同
期回転させながら、螺旋条501により被研削用歯車5
02の歯面504aおよび504bを研削する。ここ
で、図26Bのクロスハッチング部分は前記螺旋条50
1により同時に研削される前記歯面504a、504b
を示す。
どの目的により、歯筋に膨らみを持たせた形状に研削す
るクラウニング研削を行うことがある。クラウニング研
削を行う際には、被研削用歯車502の歯幅方向に従っ
て、歯車研削工具500と被研削用歯車502との噛合
深さを制御することによってクラウニング形状を形成す
る。
すように、従来技術を用いて、はすば歯車506の歯面
504a、504b両方を一挙に加工する際には、該歯
面504aおよび504bに沿った軌跡510aおよび
510bに従い研削を行う。ここで、歯車研削工具50
0がはすば歯車506の歯幅B0の端部508にさしか
かると、それまで軌跡510aおよび510bの両方に
沿って行っていた研削加工が、軌跡510bに関しては
端点508b以降負荷がなくなり、一方、軌跡510a
側の歯面504aでは端点508aに至るまで研削動作
が続行される。従って、端点508bを通過した時点で
前記軌跡510b側の負荷がなくなるために該はすば歯
車506に大きな負荷変動が生じ、はすば歯車506の
加工精度に悪影響を与える。
ング研削を行う状況について、図28を参照しながらよ
り詳細に説明する。図28において、研削軌跡512
は、螺旋条501(図26A参照)が歯溝部504cに
噛合しながら歯面504aおよび504bを研削する際
の、螺旋条501の頂部501a(図26A参照)が動
作する軌跡を示す。一点鎖線514aおよび514b
は、歯面504aおよび504bにおける所定の同じ高
さを結んだ、所謂、等高線である。また、破線516
は、はすば歯車506の設計上、歯面504aと歯面5
04bの対向する部分を模式的につないで示した線であ
る。
車502の端部508を研削する際には、研削軌跡51
2は負荷のない端点508bの方向にカーブする。この
カーブの形状は、研削負荷の大きさ、螺旋条501の剛
性などによって決まる。このように、端部508では、
研削軌跡512がカーブするために、所望の歯面形状が
得られない。具体的には、端点508aと一点鎖線51
4bとの距離t1が所望の長さより短くなり、端点50
8bと一点鎖線514aとの距離t2が所望の長さより
長くなる。
して使用するときには、軸心を中心として回転しながら
相手側の歯車と噛合するので、クラウニング形状も軸心
に対して直角な方向に対称であるとより確実に噛合する
ことができて望ましい。
4a、504bに対して直角に当接および摺動しながら
研削を行うので、破線516は、それぞれ歯面504
a、504bに直角となり、所謂、歯直角の研削となっ
て不都合である。
よび歯504(図26A参照)の歯筋形状は、螺旋条5
01の形状に依存することになるので、例えば、歯面5
04aおよび歯面504bとを非対称な形状に研削する
ことができない。
たものであり、歯車の歯面および歯筋を種々の形状に研
削することを可能にし、また、被研削用歯車の端部を研
削する際に研削負荷の不平衡による研削誤差を吸収する
ことを可能にする歯車研削方法および歯車研削装置を提
供することを目的とする。
法は、第1モータにより被研削用歯車を回転させ、第2
モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同期し
て回転させ、前記歯車研削工具の螺旋条を前記被研削用
歯車に噛合させ、前記被研削用歯車の軸心方向の移動
と、前記軸心方向に対して直角方向の移動と、前記被研
削用歯車と前記歯車研削工具との位相の変化とを共働さ
せて前記被研削用歯車を研削することを特徴とする。
の軸心方向の移動、軸心方向に対して直角方向の移動お
よび被研削用歯車と前記歯車研削工具との位相の変化と
いう3つのパラメータで表される3次元状の研削が行わ
れることとなり、歯車の歯面および歯筋を種々の形状に
研削することができる。
の不平衡による研削誤差に対して、該研削誤差を相殺す
る逆補正を行うように研削量を規定して研削を行うと、
研削負荷の不平衡に対して逆補正をかけることとなり研
削誤差を吸収することができる。
前記螺旋条により前記被研削用歯車の歯の左側歯面およ
び右側歯面を個別に研削すると、左側歯面および右側歯
面が相互の影響を受けずにより複雑な研削ができる。
における複数の分割点で、研削しようとするクラウニン
グ形状に基づく研削量を設定し、該研削量に基づいて前
記被研削用歯車を研削するようにしてもよい。
削量に基づいて前記移動経路上の任意の位置における補
間研削量を決定し、前記被研削用歯車を研削するように
してもよい。
削用歯車を軸心を中心にして回転させる第1モータと、
前記被研削用歯車の歯を研削する歯車研削工具と、前記
歯車研削工具を軸心を中心にして回転させる第2モータ
と、前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを相対的に
進退動作させる切込機構と、前記被研削用歯車を軸心方
向に進退動作させるトラバース機構と、前記被研削用歯
車の軸心方向の移動、前記軸心方向に対して直角方向の
移動および前記歯車研削工具との位相の変化を共働させ
て制御するコントローラとを有することを特徴とする。
および前記切込機構を制御するテーブル制御部と、前記
トラバース機構の状態に応じて前記第1モータおよび前
記第2モータを制御する同期制御部とを有すると、研削
時の処理をテーブル制御部と同期制御部とで分担するこ
とができる。
についてそれを実施する歯車研削装置との関係で好適な
実施の形態を挙げ、添付の図1〜図25を参照しながら
説明する。
する歯車研削装置は、基本的には、歯車研削工具の螺旋
条と被研削用歯車の歯溝を噛合させて、歯車研削工具と
被研削用歯車を互いに同期速度で回転させながらクラウ
ニング研削を行うものである。このとき、被研削用歯車
の歯幅方向の分割点を複数設定しておき、この分割点毎
に歯車研削工具と被研削用歯車との互いの位相θ(図3
参照)を制御することにより歯面を研削する。また、被
研削用歯車がはすば歯車であると、端部を研削するとき
に負荷の不平衡が生じるが、この不平衡に対して逆補正
をかけるデータを作成しておき、負荷の不平衡による研
削誤差を相殺するようにする。
使用する歯車研削装置10は、研削加工を行う研削加工
部10aと、該研削加工部10aの動作を制御する主制
御部(コントローラ)10bと、該主制御部10bと接
続されており且つクラウニング形状のデータを編集する
機能をもつデータ処理部10cを有する。
切込テーブル14が配設され、前記切込テーブル14は
切込モータ16の回転作用下に矢印Z方向(以下、Z軸
方向ともいう。)に進退動作する(切込機構)。前記切
込テーブル14の上面に配設されるトラバーステーブル
18はトラバースモータ20の回転作用下にZ軸方向と
直角の方向、すなわち、矢印X方向(以下、X軸方向と
もいう。)に進退動作する(トラバース機構)。
め歯形が歯切り形成された被研削用歯車22が着脱自在
に配設されるとともに、回転する前記被研削用歯車22
の歯の凸部を検出して所定のパルスを発生させる近接ス
イッチからなる歯先検出センサ24が設けられている。
被研削用歯車22はワークスピンドルモータ(第1のモ
ータ)26の回転作用下に回転し、この回転の軸心はト
ラバーステーブル18の進退方向(Z軸方向)と一致す
るように設定されている。
方向)であって、且つ、ベッド12上にはコラム28が
配設され、コラム28に旋回テーブル30が保持され
る。旋回テーブル30は前記コラム28内に配設された
旋回モータ31(図6参照)により矢印C方向に旋回自
在であり、さらに旋回テーブル30にはシフトテーブル
32が設けられ、このシフトテーブル32はシフトモー
タ34の作用下に矢印D方向に移動自在である。
2は、被研削用歯車22との相対的な位置を調節し、さ
らに、被研削用歯車22がはすば歯車である場合の歯2
3のねじれ角β(図4参照)に適合するように、矢印C
方向および矢印D方向に変位調整可能である。
ル32には工具スピンドルユニット36が設けられてい
る。この工具スピンドルユニット36は工具スピンドル
モータ(第2のモータ)38と、この工具スピンドルモ
ータ38によって回転する工具軸39とから基本的に構
成される。工具スピンドルモータ38の作用下に回転す
る歯車研削工具42は円柱形状であり、その周縁に被研
削用歯車22を研削するための砥石からなる螺旋条43
が設けられている。
シフトテーブル32に装着される。前記シフトテーブル
32はボールねじ35に連結され、該ボールねじ35は
シフトモータ34により回転される。従って、工具スピ
ンドルユニット36と歯車研削工具42は、シフトモー
タ34の駆動作用下にシフトテーブル32とともに矢印
D方向に変位する。
削する際には、被研削用歯車22の左側歯面である歯面
23bおよび右側歯面である歯面23cの間の歯溝23
aに、歯車研削工具42の螺旋条43が噛合しながら研
削を行う。ここで、歯面23bおよび歯面23cのう
ち、歯底部23dからみて時計回転方向の歯面23cを
右側歯面とし、反時計回転方向の歯面23bを左側歯面
として区別する。
い。すなわち、歯溝23aにおいて歯面23b、23c
に当接せずに歯底部23dに達するような細い形状であ
ってもよく、または歯面23b、23cの両方に当接す
るような形状であってもよい。研削を行うための基礎と
なるデータである第1リスト126および第2リスト1
28(図8、図9参照)は、螺旋条43の厚みを考慮し
て算出される。
車研削工具42の相対位置関係で、被研削用歯車22の
歯幅B0(図4参照)方向、つまり軸心方向を中心とし
て、差動修正研削と片歯面研削とを使い分けて研削を行
う。換言すれば、図4に示すように、ねじれ角がβであ
る被研削用歯車22の歯溝23aに対して歯車研削工具
42の螺旋条43(図3参照)を歯溝23aのほぼ中央
に噛合させながら且つ歯幅B0の両端部では緩いカーブ
を描くような軌跡Sに沿って研削を行う差動修正研削
と、歯23のうち歯面23bと歯面23cとを個別に研
削を行う片歯面研削とを使い分ける。
42の相対位置関係で、被研削用歯車22の径方向およ
び周方向の関係においては、切込テーブル14(図1参
照)を動作させることにより被研削用歯車22をX軸方
向に移動させ、螺旋条43により歯面23b、23cお
よび歯底部23dを研削する切込研削による方法と、位
相θを変更することにより図3のクロスハッチング部を
研削する位相研削とが設定可能である。実際の研削にお
いては、切込研削および位相研削を組み合わせて、前記
片歯面研削および差動修正研削を行う。
86(図3参照)と、歯溝23aの中心線89が一致す
る箇所を基準値(θ=0)として、この基準値に対して
螺旋条43と歯23が相対的に移動する移動量を示す。
位相θは、基準値を「0」として、プラス(+)の値と
マイナス(−)の値をとりうるものであり、同期制御部
60(図6参照)により制御される。
ワーク軸48の一端部に一組のクランプ治具50を介し
て着脱自在に軸支される。ワーク軸48の他端部側には
動力伝達機構であるトラクションドライブ51が連結さ
れ、このトラクションドライブ51は回転軸49を介し
てワークスピンドルモータ26に連結される。なお、前
記回転軸49には回転を安定させる機能を有するイナー
シャダンパ53が設けられている。
ークスピンドルモータ26と、工具スピンドルモータ3
8と、旋回モータ31とシフトモータ34とを制御する
同期制御部60と、切込モータ16と、トラバースモー
タ20とを制御するテーブル制御部61を有する。
6およびデータ処理部10cと電気的に接続されるとと
もに駆動回路68、70、72および74と光ファイバ
76を介して接続されている。また、この場合、前記同
期制御部60には第1パルス発生器80、第2パルス発
生器82、第3パルス発生器84および歯先検出センサ
24の出力信号が供給されている。このような構成によ
って、同期制御部60は、データ処理部10cで生成さ
れる第2リスト128(図9参照)に基づいて同期制御
を行う。
M91およびデータ処理部10cと電気的に接続される
とともに駆動回路93、94と光ファイバ96を介して
接続されている。
ファイバ76を経由して供給される指令信号によってそ
れぞれワークスピンドルモータ26、工具スピンドルモ
ータ38、旋回モータ31およびシフトモータ34を駆
動する。この場合、工具スピンドルモータ38と、旋回
モータ31とシフトモータ34は、指令信号によって従
動的に動作するので、フィードバック信号は不要であ
る。
由して供給される指令信号によってそれぞれ切込モータ
16と、トラバースモータ20を駆動する。
は、CPU100と、記憶部であるROM102および
RAM104と、ハードディスク106に対してデータ
のアクセスを行うハードディスクドライブ(HDD)1
08と、モニタ110の画面上における描画制御を行う
描画制御回路112を有する。さらに、データ処理部1
0cは、入力装置としてのキーボード114およびマウ
ス116が接続されるインタフェース回路118と、外
部記録媒体120(例えば、磁気ディスクやコンパクト
ディスク等)を制御する記録媒体ドライブ122と、主
制御部10bとの相互通信が可能なLAN制御部124
を有する。マウス116には、操作用ボタン116aが
備えられている。
14とトラバーステーブル18の研削時における相互関
係を記録する第1リスト126(図8参照)と、位相研
削による研削量とトラバーステーブル18の位置関係を
記録する第2リスト128(図9参照)と、第1リスト
126および第2リスト128を生成するクラウニング
編集プログラム130およびOS132が格納されてい
る。
に先立ち、第1リスト126および第2リスト128に
ついて、図8および図9を参照しながら説明する。
ストロークを単位としたデータの集合である。前記第1
リスト126は、第1〜第3ストロークを有する例を示
す。各ストロークはZ軸方向に沿う16の分割点Z1〜
Z16によって構成されており、各分割点Z1〜Z16
に対してX軸方向の切込量が記録される「切込量」欄1
26aと、各分割点Z1〜Z16におけるZ軸方向の移
動速度が記録される「スピード」欄126bを備える。
前記分割点Z1〜Z16に対して、位相研削によって歯
面23bの研削量を記録する「左歯面研削量」欄128
aと、位相研削によって歯面23cの研削量を記録する
「右歯面研削量」欄128bとを有する。さらに、前記
第2リスト128は、分割点Z1〜Z16のそれぞれの
間の区間T1〜T15においてクラウニング形状の傾斜
値を記録する「傾斜値」欄128cを有する。この「傾
斜値」欄128cは、歯面23bに関する傾斜値を記録
する「左歯面」欄128dと、歯面23cに関する傾斜
値を記録する「右歯面」欄128eからなる。
について、図10〜図17を参照しながら説明する。ク
ラウニング編集プログラム130は、被研削用歯車22
のクラウニング形状を設定するためのプログラムであ
り、キーボード114およびマウス116を用いて、モ
ニタ110の画面上で情報を確認しながら設定を行うも
のである。設定した情報は、第1リスト126および第
2リスト128としてハードディスク106に記憶させ
るとともに、第1リスト126はLAN制御部124を
経由して同期制御部60に供給され、また第2リスト1
28はLAN制御部124を経由してテーブル制御部6
1に供給される。
S132の制御下において、CPU100によって実行
されるものであり、図10に示すように、3つの画面、
すなわち数値入力画面140(図11も参照)、クラウ
ニング形状設定画面150(図12も参照)および切込
量確認画面300(図17も参照)を用いてクラウニン
グ形状の設定を行う。また、クラウニング編集プログラ
ム130は、クラウニング形状設定画面150において
設定されたクラウニング形状に基づいて、歯幅方向、つ
まりZ軸方向を16分割した点によりクラウニング形状
を表現する内部データ142(図14も参照)を作成す
る内部データ設定部143と、内部データ142から第
1および第2リスト126、128を生成するリスト作
成部144とを有する。さらに、クラウニング編集プロ
グラム130は、第2リスト128の「左歯面研削量」
欄128aおよび「右歯面研削量」欄128bに基づい
て、クラウニングの傾斜値を求めて第2リスト128に
記録するクラウニング傾斜算出部146と、第1リスト
126に対して螺旋条43の厚みによる加工誤差を補正
する工具補正部148を有する。
では、歯車研削工具42の条数NT、被研削用歯車22
の歯数NW、モジュールMo、歯幅B0、圧力角α、ねじ
れ角β、研削サイクル数Cy、螺旋条43の先端部半径
R(図3参照)、研削種別Tyおよび切込研削と位相研
削との研削分担割合Rtをそれぞれ入力する入力欄14
0a〜140jが設けられている。この中で、研削種別
Tyは、差動修正研削または片歯面研削のいずれかを選
択するための入力部であり、所謂、コンボボックス形式
の入力部である。
入力画面140、クラウニング形状設定画面150、切
込量確認画面300)に共通の領域であり、画面の表示
切り換えおよび所定の処理指示を与えるものである。
わち「CALC」ボタン180、「MACRO」ボタン
182、「TRACE」ボタン184、「CROWN」
ボタン186および「EXIT」ボタン188を有す
る。なお、これらのボタン180、182、184、1
86および188は、モニタ110の画面上に表示され
る仮想のボタンであり、マウス116の動作に連動する
カーソル170を合わせて、マウス116の操作用ボタ
ン116aを押すこと(以下、クリックという)により
次に述べる動作を行うものである。
ることにより数値入力画面およびクラウニング形状設定
画面150で設定したデータに基づいて、第1リスト1
26および第2リスト128を生成するボタンである。
「CALC」ボタン180がクリックされたときの詳細
な処理内容については後述する。
E」ボタン184および「CROWN」ボタン186
は、それぞれクリックすることにより数値入力画面14
0、切込量確認画面300およびクラウニング形状設定
画面150を表示させるボタンである。
ることによりクラウニング編集プログラム130を終了
させるボタンである。
50は、被研削用歯車22のクラウニング形状を設定す
るための入力および確認用の画面である。このクラウニ
ング形状設定画面150は、右側歯面である歯面23c
の形状を設定するための右側歯面設定領域152と、左
側歯面である歯面23bの形状を設定するための左側歯
面設定領域154と、Z軸の移動速度を設定するトラバ
ース速度設定領域156と、ボタン領域158とからな
る。ボタン領域158は、数値入力画面140において
表示されているものと同一である。
域154およびトラバース速度設定領域156について
は、横軸157a、157b、157cが被研削用歯車
22の軸心方向すなわちZ軸方向を示し、右側歯面設定
領域152、左側歯面設定領域154、トラバース速度
設定領域156を横断する直線160および162が被
研削用歯車22の歯幅B0を表す。
削用歯車22の歯幅B0より広い幅に対して動作設定を
行うことができ、これにより、歯幅B0の端部において
も削り残しの部分がなく確実に研削を行うことができ
る。
域154の縦軸152a、154aは切込量を表す。ク
ラウニング形状を形成するための切込量は微小値である
ため、横軸の縮尺に対して縦軸は拡大した縮尺が設定さ
れている。
設定領域152のクラウニング形状曲線164で表示さ
れており、ポップアップメニュー168の操作によって
クラウニング形状曲線164を変更することによりクラ
ウニング形状の設定が可能である。
164は2次曲線であり、歯幅B0の所定幅(例えば、
60%)における規定された研削量に基づいて表示され
る。また、クラウニング形状曲線164は、適用する被
研削用歯車22が平歯車およびはすば歯車のいずれであ
るかに拘わらず共通に適用されるものである。すなわ
ち、被研削用歯車22がはすば歯車であるときには、ね
じれ角β(図4参照)を差し引いた状態のクラウニング
形状が表示されることになる。
ニュー168a、168b、168c、168d、16
8e、168fからなる。この6つのメニュー168a
〜168fのいずれかをクリックすることにより初期状
態のクラウニング形状曲線164に対して修正を加える
ことができる。
ウニング形状曲線164の左側の曲率がプラス方向に変
更される。メニュー168bをクリックすると、クラウ
ニング形状曲線164の左側の曲率がマイナス方向に変
更される。メニュー168cをクリックすると、クラウ
ニング形状曲線164の左端部分をプラス方向に移動す
るように傾斜値を与える。メニュー168dをクリック
すると、クラウニング形状曲線164の右端部分をプラ
ス方向に移動するように傾斜値を与える。メニュー16
8eをクリックすると、クラウニング形状曲線164の
右側の曲率がプラス方向に変更される。メニュー168
fをクリックすると、クラウニング形状曲線164の右
側の曲率がマイナス方向に変更される。
ニュー168a〜168fがクリックされる回数に従い
変更の度合いが大きくなるように設定される。
のクラウニング形状を表すクラウニング形状曲線172
が表示されており、右側歯面設定領域152における操
作と同様の操作を行うことによって、クラウニング形状
曲線172を修正することができる。
6aは、研削加工時のトラバーステーブル18の移動速
度を示す。このトラバース速度設定領域156では、ポ
ップアップメニュー168と同様のメニュー(図示せ
ず)の操作によって速度曲線174を修正することがで
きる。速度曲線174は、複数回の研削ストロークに対
して個別に設定することも可能である。
ックしたときに第1リスト126および第2リスト12
8が生成される過程について図13〜図16を参照しな
がら説明する。
部データ設定部143(図10参照)により、右側歯面
設定領域152および左側歯面設定領域154で設定し
たクラウニング形状に基づいて歯面23bおよび23c
の形状を、トラバース方向つまりZ軸方向に16分割し
た点において表現する内部データ142(図14参照)
を作成し、RAM104内に記憶する。図14におい
て、折れ線200および202は歯面23bおよび23
cのクラウニング形状を表すものである。
く、クラウニング形状に基づいて任意の間隔に設定すれ
ばよい。また分割数も16である必要はなく、歯幅B0
に基づいて適切な数に設定すればよい。
部144(図10参照)は、内部データ142に基づい
て第1リスト126および第2リスト128を生成す
る。具体的には、まず、内部データ142から、各分割
点Z1〜Z16における歯面23bおよび歯面23cの
平均研削量Aveを求める。例えば、ある分割点におい
て歯面23bの研削量がGLであり歯面23cの研削量
がGRであるとすれば、この分割点における平均研削量
Aveは、Ave=(GL+GR)/2として求められ
る。
おけるX軸の切込量GXと位相研削による切込量Gθを
次の(1)式および(2)式によって求める。 GX=PCD−Ave/tan(α) …(1) Gθ=GθL−GθR …(2)
チ円周であり、歯数NW、モジュールMoおよびねじれ
角βから求められる。αは圧力角である。歯数NW、モ
ジュールMo、ねじれ角βおよび圧力角αは数値入力画
面140において入力された数値を使用する。また、G
θLは、各分割点における歯面23bの研削量の絶対値
であり、GθRは、各分割点における歯面23cの研削
量の絶対値である。
方向に表されている寸法を軸直角寸法の値に変換するこ
とができる。
分担割合Rtの値によって、按分される。つまり、研削
分担割合Rtが100[%]であるときには、位相研削
が支配的に研削し、研削分担割合Rtが0[%]である
ときには、切込研削が支配的に研削することとなる。
1〜Z16とX軸の切込量GXとの関係を第1リスト1
26の「切込量」欄126aに記録し、各分割点Z1〜
Z16と位相研削による切込量Gθとの関係を第2リス
ト128の「左歯面研削量」欄128a、「右歯面研削
量」欄128bに記録する。
力画面140の研削サイクル数Cyの入力値である。こ
の研削サイクル数Cyが「2」以上であるときには、X
軸の切込量GXを所定の割合ずつに分けて研削を行うよ
うに第1リスト126の「切込量」欄126aに記録す
る。例えば、X軸の切込量GXが10[μm]、研削サ
イクル数が「3」あったとすると、第1サイクルでは5
[μm]、第2サイクルでは3[μm]、そして第3サ
イクルでは2[μm]を研削し、合計として10[μ
m]を研削するようにする。このようにすることで、初
回のサイクルは粗研削、最終のサイクルは仕上げ研削と
して作用し、研削精度を向上させることができる。
において、片歯面研削が選択されているときには、内部
データ142(図14参照)の折れ線200で表される
研削量を第2リスト128の「左歯面研削量」欄128
aに記録し、折れ線202で表される研削量を「右歯面
研削量」欄128bに記録する。また、数値入力画面1
40の研削種別Tyにおいて、差動修正が選択されてい
るときには、「左歯面研削量」欄128aおよび「右歯
面研削量」欄128bの両方に、(2)式による切込量
Gθを記録する。
126bについては、トラバース速度設定領域156
(図12参照)の速度曲線174に基づいてトラバース
テーブル18の速度が決定されて記録される。
2リスト128とも仮の状態であり、以降のステップに
おいて補正を行う。
148によって、第1リスト126を、螺旋条43の先
端部半径Rを考慮して補正する。つまり、螺旋条43の
先端部43a(図3参照)を基準として生成されている
ものであるから、先端部半径Rをも考慮して補正する。
この補正について図15を参照しながら説明する。
端部分を近似したものであり、半径は螺旋条43の先端
部半径Rと同一に設定されている。工具補正部148で
は、この円201を、点P1と点P2を結ぶ線分203
と点P2において接する円201aに移動するように補
正する。点P1およびP2は、第1リスト126に記録
された分割点Z1〜Z16のうち、説明用として任意の
隣り合う2点を抽出したものである。
(Xa、Za)、点P2における螺旋条43の先端位置
が(Xb、Zb)として表される場合、点P2ではハッ
チング部分204が余分に研削されてしまう。これを補
正するために、まず次の(3)式によって傾斜角Ang
1を求める。 Ang1=Tan-1((Xb−Xa)/(Zb−Za)) …(3)
より工具接触角Ang2と同じ値となっている。次に、
工具接触角Ang2を用いて補正角Ang3を(4)式
により求める。 Ang3=Ang1/2=Ang2/2 …(4)
Z軸方向の補正量ΔZ、X軸方向の補正量ΔXを求め
る。 ΔZ=R・sin(Ang2) …(5) ΔX=ΔZ・tan(Ang3) …(6)
研削点P3は(Zb+ΔZ、Xb+ΔX)として求まる
ので、第2リスト128の「左歯面研削量」欄128a
の値をこの補正した研削点P3に更新する。
グ傾斜算出部146によって、前記分割点Z1〜Z16
毎のクラウニング形状の傾斜値を歯面23bおよび歯面
23cについて求める。
によって、研削量CL1〜CL16に基づいて区間T1
〜T15における歯面23bの傾斜値ATL1〜ATL
15を算出する手順について図16を参照しながら説明
する。
8の「左歯面研削量」欄128aに記録されたクラウニ
ング形状を示すものであり、16分割された分割点Z1
〜Z16におけるそれぞれの研削量を研削量CL1〜C
L16として表している。
区間T1では、傾斜値ATL1は次の(7)式によって
算出される。 ATL1=Tan-1((CL2−CL1)/(Z2−Z1)) …(7)
形成する両端の分割点Z2〜Z15および各分割点Z2
〜Z15における研削量を示す研削量CL2〜CL15
を用いて傾斜値ATL2〜ATL15を算出する。
それぞれ区間T1〜T15に対応させて第2リスト12
8の「左歯面」欄128dに記録する。
〜ATR15は、「右歯面研削量」欄128bに基づい
て同様に算出される。
ときには、傾斜値ATL1〜ATL15は、それぞれ対
応する区間T1〜T15に関して傾斜値ATR1〜AT
R15と同値になるので、その同値を「左歯面」欄12
8dおよび「右歯面」欄128eの両方に記録すればよ
い。
第2リスト128は、位相研削と切込研削とが共働して
研削する3次元状の研削を、分割点Z1〜Z16に基づ
いた簡便な表形式として生成されることとなる。しか
も、第1リスト126および第2リスト128は、クラ
ウニング編集プログラム130を用いることによって、
簡便な操作で生成することができる。
0も参照)は、生成された第1リスト126および第2
リスト128の内容を確認するための画面である。この
切込量確認画面300は、トラバーステーブル18の移
動量と切込テーブル14の移動量との関係を示すZX研
削画面302と、Zθ研削確認画面304と、ボタン領
域158とからなる。ボタン領域158は、数値入力画
面140において表示されているものと同一である。
面304における横軸306a、306bは、前記横軸
157a〜157c(図12参照)と同様に、被研削用
歯車22の軸心方向すなわちZ軸方向を示し、直線16
0および162は被研削用歯車22の歯幅B0を表す。
込テーブル14の移動量つまりX軸方向の移動量を示
し、移動軌跡線308は、トラバーステーブル18の移
動量と切込テーブル14の移動量との相互関係を表して
いる。また、縦軸302aは、図17の下方向が切り込
み方向であり、移動軌跡線308が下の方に位置するほ
ど研削量が大きいことを示す。
点308aから動作を開始し、折れ点308b、308
c、308dを経由し、「×」で表される終点308e
の順に動作することを表す。この例では、実際上は点3
08dと308eの間を1往復し、点308a、308
b、308c、308d、308e、308d、308
eの順に動作している。
よび移動軌跡線310は、位相研削による研削量を示し
ている。
点310aから動作を開始し、折れ点310bを経由し
て一度折れ点310aへ戻り、さらに310c、310
d、310eを経由し「×」で表される終点310fの
順に動作することを表す。
研削確認画面304の始点310aは同時刻の動作開始
を示し、終点308eと終点310fは同時刻の動作終
了を示す。また、移動軌跡線310および前記移動軌跡
線308は、同じ動作を繰り返す場合には、相当する線
上を往復するものとする。
について図18を参照しながら説明する。同期制御部6
0は、基本的には、被研削用歯車22と歯車研削工具4
2とを同期速度で回転させるものであり、研削時には第
2リスト128に基づいて歯車研削工具42の螺旋条4
3との相対的な位置関係を示す位相θ(図3参照)を制
御して被研削用歯車22を研削する。
具42が互いに同期速度ωWとωTで回転している状態に
おいて規定される。
用歯車22の同期速度ωWとの関係は、螺旋条43の条
数をNT、被研削用歯車22の歯数をNWとしたとき次の
(8)式で与えられる。 ωW=ωT・NT/NW …(8)
工具42は同期速度ωTで回転することにより、螺旋条
43は見かけ上、歯車研削工具42の軸心方向(矢印V
方向)へ移動する。一方、螺旋条43が1ピッチ移動す
る間に被研削用歯車22も歯23の1ピッチ相当分回転
するので、螺旋条43と歯23の上下方向の相対位置が
保持されることとなる。
によって同期速度ωTを求めた後、第3パルス発生器8
4の信号を参照および積算してトラバーステーブル18
のZ軸方向の移動量Zをリアルタイムに検出する。そし
て、次の(9)式により同期速度ωWの補正を行い補正
量ΔωWを求める。 ΔωW=Z・sinβ/(π・NW・Mo) …(9)
ールである。
は、第2リスト128の「左歯面」欄128dおよび
「右歯面」欄128eを参照して移動量Zに対応する左
歯面の傾斜値ATL1〜ATL15および右歯面の傾斜
値ATR1〜ATR15を取得する。例えば、移動量Z
がZ4からZ5の間であるときには区間T4に対応する
「左歯面」欄128dおよび「右歯面」欄128eを参
照すると、左歯面の傾斜値はATL4であり、右歯面の
傾斜値はATR4として取得する。
3bを研削するときには傾斜値ATL1〜ATL15を
選択し、右側の歯面23cを研削するときには傾斜値A
TR1〜ATR15を選択する。また、差動修正研削時
にはATLnとATRn(nは区間T1〜T15に対応
する番号1〜15を示す。以下、同様である。)は同値
となっているので、任意の一方を選択する。
し、補正量ΔωWを次の(10)式によって求める。 ΔωW=Z・sin(β+ATn)/(π・NW・Mo) …(10)
常の平歯車である場合にも、ねじれ角βをβ=0として
上記(9)式および(10)式を利用することができ
る。
補正量ΔωWを求めた後、実際に被研削用歯車22を回
転させる同期速度ωRを次の(11)式によって求め
る。 ωR=ωW+ΔωW …(11)
と位相研削による研削量との関係を表したものであるこ
とから、第2リスト128に基づく上記(10)式およ
び(11)式により同期速度ωWを補正することによっ
て同期速度ωWおよび位相θを制御することができる。
より具体的には、求めた回転速度ωRを指令信号として
駆動回路68に与えてワークスピンドルモータ26を回
転させることにより制御が行われる。
機能について説明する。
に基づいて切込テーブル14およびトラバーステーブル
18を動作させるものである。RAM91に記憶された
第1リスト126を参照しながら、切込テーブル14お
よびトラバーステーブル18をX軸方向およびZ軸方向
にそれぞれ動作させる。
ラバーステーブル18はZ軸の値がZ1の点が開始点と
なり、分割点Z2、Z3、…Z16の順に移動する。こ
の時点で第1ストロークが終了し、その後連続的に(ま
たは所定時間停止した後に)、第2ストロークへ移行し
て分割点Z16、Z15、…Z1と移動する。さらにそ
の後、第3ストロークへ移行して分割点Z1、Z2、…
Z16と移動して動作を終了する。このときの動作速度
は、第1リスト126の「スピード」欄126bを参照
して決定する。例えば、第1ストロークでZ軸が分割点
Z5であればスピードはV5に設定される、また、Z軸
が分割点Z5とZ6の中間であれば、分割点V5および
V6から補間して移動速度を求めて制御する。
ステーブル18と共働して切込テーブル14をX軸方向
に動作させる。つまり、図8の例では、第1ストローク
においてX軸の値をX001から開始してX001、X
002、…X016と移動させる。例えば、Z軸が分割
点Z5であれば、X軸はX005となるようにし、Z軸
が分割点Z5とZ6の中間であれば、X005およびX
006から補間してX軸の値を求めて制御する。第2ス
トロークおよび第3ストロークについても同様に制御す
る。
に基づいて切込テーブル14のX座標値およびトラバー
ステーブル18のZ座標値を求めた後、光ファイバ96
を介して駆動回路93、94に指令信号を与えて切込テ
ーブル14およびトラバーステーブル18を駆動する。
10を用いて片歯面研削を行う手順について図19〜図
22を参照しながら説明する。
を立ち上げた後、ステップS101において、数値入力
画面140(図11参照)を表示させて所定の数値を入
力する。このとき、研削種別Tyは「片歯面研削」を選
択し、研削分担割合Rtは50[%]とする。
ニング形状設定画面150(図12参照)を表示させ
て、クラウニング形状およびトラバース速度を設定す
る。
LC」ボタン180をクリックすることにより第1リス
ト126および第2リスト128を生成する。第1リス
ト126および第2リスト128は、ステップS101
で入力されたデータに基づいて生成され、ハードディス
ク106に格納される。
確認画面300(図17参照)を表示させて切込量を確
認する。片歯面研削においては、例えば、図20に示す
ように、矢印350、352、354および356で表
される4つのストロークによって研削を行うことができ
る。図20では、移動軌跡線308および310に対し
て、対応するストロークにそれぞれ矢印350、35
2、354、356を付している。なお、図22、図2
3および図25についても同様の表記方法としている。
は、Zθ研削確認画面304で示すように位相θを0に
固定しておき、ZX研削画面302で示すように切込研
削によって粗研削を行う。このときの切込研削は、歯幅
B0の両端部を深く切り込むような弧を描いて設定され
る。矢印352で表される第2ストロークでは、位相θ
を0に固定しておき、切込テーブル14をさらにX軸方
向に移動させて切り込み、歯面23b、23cの基礎的
な形状を形成する。このときの切込研削も、歯幅B0の
両端部を深く切り込むような弧を描いて設定される。矢
印354で表される第3ストロークでは、切込研削は第
2ストロークのときと同じように動作させ、さらに、位
相θをマイナスの値で且つ弧状の設定にすることによっ
て位相研削を行い、歯面23cに対してクラウニング形
状を形成する。最後に、矢印356で表される第4スト
ロークでは、位相θをプラスで且つ弧状に設定にするこ
とにより、位相研削を行い、歯面23bに対してクラウ
ニング形状を形成することとなる。
は切込研削と位相研削とを組み合わせてクラウニング研
削を行い、研削量の分担割合は、数値入力画面140で
入力した研削分担割合Rtの値に従う。つまり、この場
合では、切込研削と位相研削が50[%]ずつの分担割
合で研削を行う。
て、切込量が不適当であると判断すれば、ステップS1
02においてクラウニング形状を再設定する。
スト126および第2リスト128をLAN制御部12
4を介してテーブル制御部61および同期制御部60へ
それぞれ転送する。テーブル制御部61では、第1リス
ト126をRAM91に記録し、同期制御部60では第
2リスト128をRAM66に記録する。
開始する。まず、被研削用歯車22をワーク軸48の一
端部にクランプ治具50を介して装着するとともに、シ
フトテーブル32は、被研削用歯車22の大きさや、研
削しようとする歯筋のねじれ角β(図4参照)に応じて
矢印C方向(図2参照)および矢印D方向に予め調整を
行っておく。
御部60の機能によって歯車研削工具42を同期速度ω
Tで回転させ、被研削用歯車22を同期速度ωWで回転さ
せる。
用歯車22の歯溝23aと、歯車研削工具42の螺旋条
43とを噛合させる。この動作は、歯先検出センサ24
を用いて自動的に行われる。
実施した位相教示処理に基づいて位相θを検出しながら
実行される。位相教示処理とは、自動噛合を行うために
被研削用歯車22と歯車研削工具42の位相状態を同期
制御部60に記憶させる処理である。例えば、被研削用
歯車22と歯車研削工具42とを低速で回転させながら
連れ回りさせ、このとき発生する歯先検出センサ24、
第1パルス発生器80および第2パルス発生器82の各
信号から位相θのデータを取得し、同期制御部60に記
憶させるものである。
ータ26および工具スピンドルモータ38をオフとした
状態で手動によって行ってもよい。
ル制御部61が、第1リスト126(図8参照)に従っ
て切込テーブル14およびトラバーステーブル18を動
作させる。このとき、図20に示した片歯面研削の例で
は、第1および第2ストロークでは切込研削を行うよう
に切込テーブル14およびトラバーステーブル18を動
作させ、第3および第4ストロークでは、切込テーブル
14を固定にしたままトラバーステーブル18のみを動
作させる。
速度は、「スピード」欄126bに基づいて決定され
る。
ステップS110においては、同期制御部60が、上記
の手順により、トラバーステーブル18の位置を検出し
ながら位相θを制御して位相研削を行う。
相θをθ=0となるように制御する。第3ストロークに
おいては、第2リスト128の「左歯面」欄128dを
参照しながら傾斜値ATL1〜ATL15を算出し、前
記(11)式に基づいて回転速度ωRを求めて被研削用
歯車22を回転させて、歯面23bに対して位相研削を
行う。同様に、第3ストロークにおいては、第2リスト
128の「右歯面」欄128eを参照しながら傾斜値A
TR1〜ATR15および回転速度ωRを求めて被研削
用歯車22を回転させ、歯面23cに対して位相研削を
行う。
より、歯面23bと歯面23cは個別に研削されること
となるので、研削時に互いに影響を受けることがなく自
由な形状に研削することが可能である。
によって切込テーブル14とトラバーステーブル18と
を2次元的に動作させて研削を行っていたのに対して、
本実施の形態においては、同期制御部60による位相θ
の制御をも組み合わせて3次元的に加工を行うようにし
たので、研削の自由度が大幅に向上している。
て使用するときには軸心を中心として回転しながら相手
側の歯車と噛合するので、クラウニング形状も軸心に対
して直角な方向に対称であるとより確実に噛合すること
ができて望ましい。片歯面研削では、歯面23bおよび
歯面23cを自由に研削することができるので、図21
Aに示すように、Z軸方向(軸心方向)に直角な方向に
対称な形状にクラウニング研削を行うことができる。
と歯面23cとを非対称な形状に研削することも可能で
ある。
390は、設計上、歯面23bと歯面23cの対向する
部分を模式的につないで示した線であり、一点鎖線39
2a、392bは所定の同じ高さを結んだ等高線であ
る。これらの破線390および一点鎖線392a、39
2bは、従来技術について説明した図28の破線51
6、一点鎖線514a、514bに相当するものであ
る。
が50[%]の場合について説明したが、例えば、研削
分担割合Rtが0[%]の場合には、図22に示すよう
に研削を行うことができる。
ークでは位相θをθ=0としたまま、切込研削だけによ
って粗研削を行う。このとき、移動軌跡線308は両端
部を切込む弧状に設定する。矢印362で表される第2
ストロークでは位相θをθ=0としたまま、さらに切込
研削を行う。このときの移動軌跡線308は、第1スト
ローク時よりも切込量を多くしてクラウニング形状の基
礎的な形状を形成する。矢印364、366で表される
第3および第4ストロークにおいては、切込研削は第2
ストロークと同じ動作をさせながら、位相θをプラスま
たはマイナスの一定値にすることによって、仕上げのク
ラウニング研削を行うようにする。
[%]の場合には、図23に示すように研削を行うこと
ができる。すなわち、矢印370で表される第1ストロ
ークでは位相θをθ=0としたまま、切込研削によって
粗研削を行う。このとき切込テーブル14のX軸方向の
位置は固定とする。矢印372で表される第2ストロー
クでは位相θをθ=0としたまま、さらに切込テーブル
14を切込方向つまりX軸方向に移動させて研削を行
い、クラウニング形状の基礎的な形状を形成する。矢印
374、376で表される第3および第4ストロークに
おいては、切込テーブル14を固定したまま、位相θを
制御してクラウニング研削を行う。このとき、歯幅B0
の両端部をより深く研削するようにする。
面150におけるクラウニング形状の設定が同一であっ
ても、研削分担割合Rtの値を適宜変更することによっ
て、位相研削と切込研削との研削の分担割合を変えるこ
とができるので、研削の自由度が大きい。
研削を行う手順について図24を参照しながら説明す
る。
を立ち上げた後、ステップS201において、数値入力
画面140を表示させて所定の数値を入力する。このと
き、研削種別Tyは「差動修正研削」を選択する。
前記ステップS102およびS103と同様に処理す
る。
確認画面300(図17参照)を表示させて切込量を確
認する。差動修正研削においては、例えば、図25に示
すように、矢印380で表される粗研削の第1ストロー
ク、矢印382で表される中仕上げ研削の第2ストロー
クおよび矢印384で表される仕上げ研削の第3ストロ
ークによって研削を行うことができる。
の中央部では位相θをθ=0とし、一端部では位相θを
プラスの方向へカーブ386を描くように設定し、他端
部では位相θをマイナスの方向へカーブ388を描くよ
うに設定しておく。このカーブ386、388は、被研
削用歯車22を研削する際に負荷の不平衡によって画か
れる研削軌跡512(図28参照)と逆カーブに設定す
る。
な形状は、被研削用歯車22および螺旋条43の形状や
剛性から研削軌跡のずれ量を計算しておき、そのずれ量
を相殺することができる形状に設定すればよい。また、
この計算を省略して、実際に研削した歯23の形状誤差
を計測することによって、逆算的にカーブ386および
388を設定するようにしてもよい。
ステップS105〜S108と同様に処理する。
ル制御部61は、前記ステップS109と同様に第1リ
スト126に従って切込テーブル14およびトラバース
テーブル18を動作させる。
例では、ZX研削画面302の移動軌跡線308を歯幅
B0の両端部をより深く切り込む弧を描くようにし、且
つ第1〜第3ストロークの順に次第に深く切り込むよう
に切込研削を行う。
速度は、「スピード」欄126bに基づいて決定され
る。
ステップS210においては、同期制御部60が、上記
の手順によりトラバーステーブル18の位置を検出しな
がら位相θを制御して位相研削を行う。
央部では位相θをθ=0とし、一端部では位相θがプラ
スの方向となるように動作し、他端部では位相θをマイ
ナスの方向とすべく略S字状軌跡を描くように動作させ
る。また、第1〜第3ストロークでは、同じ軌跡を描く
ように動作させる。
により、歯幅B0の両端部で、ねじれ角βの影響による
研削軌跡のずれを逆補正することができる。
126および第2リスト128を、同一の分割点Z1〜
Z16に基づいて生成されたものとして説明したが、こ
れらの分割点Z1〜Z16は、第1リスト126および
第2リスト128で異なるものであってもよい。また、
分割点の数は適宜設定することができる。すなわち、同
期制御部60では、任意のZ軸位置に対して第2リスト
128に記録された分割点から補間することにより対応
できるので、分割点の位置および数によって動作が制約
を受けることはない。
0とテーブル制御部61とによって、位相研削と切込研
削とを分担するものとしたが、これらの同期制御部60
およびテーブル制御部61は1つの制御部として統合さ
れたものであってもよい。この場合、第1リスト126
および第2リスト128を統合して用いてもよい。
装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を
逸脱することなく、種々のステップ乃至構成を採り得る
ことはもちろんである。
研削方法および歯車研削装置によれば、歯車の歯面およ
び歯筋を種々の形状に研削することができるという効果
が達成される。また、被研削用歯車の端部を研削する際
に研削負荷の不平衡による研削誤差を吸収し、被研削用
歯車の研削精度を向上させることができるという効果が
達成される。
である。
す模式説明図である。
部概略断面説明図である。
図である。
続状態を示す概略構成説明図である。
る。
すブロック図である。
る。
を示すフローチャートである。
誤差を補正する手順を示す説明図である。
ング形状の傾斜値を算出する手順を示す説明図である。
研削している状態を示す模式説明図である。
である。
%である場合の切込量確認画面を示す説明図である。
角に研削した状態を示す説明図であり、図21Bは、片
歯面研削によって歯面を非対称に研削した状態を示す説
明図である。
である場合の切込量確認画面を示す図である。
0%である場合の切込量確認画面を示す説明図である。
トである。
である。
る歯車研削工具の螺旋条と被研削用歯車の形状を示す一
部概略断面説明図であり、図26Bは、従来技術におけ
る研削状態を示す一部概略断面説明図である。
示す概略正面説明図である。
す概略正面説明図である。
工部 10b…主制御部 10c…データ
処理部 14…切込テーブル 16…切込モー
タ 18…トラバーステーブル 20…トラバー
スモータ 22…被研削用歯車 23…歯 23a…歯溝 23b、23c
…歯面 23d…歯底部 24…歯先検出
センサ 26…ワークスピンドルモータ 30…旋回テー
ブル 32…シフトテーブル 38…工具スピ
ンドルモータ 42…歯車研削工具 43…螺旋条 60…同期制御部 61…テーブル
制御部 126…第1リスト 128…第2リ
スト 130…クラウニング編集プログラム 140…数値入
力画面 143…内部データ設定部 144…リスト
作成部 146…クラウニング傾斜算出部 148…工具補
正部 150…クラウニング形状設定画面 300…切込量
設定画面
Claims (7)
- 【請求項1】第1モータにより被研削用歯車を回転さ
せ、 第2モータにより歯車研削工具を前記被研削用歯車に同
期して回転させ、 前記歯車研削工具の螺旋条を前記被研削用歯車に噛合さ
せ、 前記被研削用歯車の軸心方向の移動と、前記軸心方向に
対して直角方向の移動と、前記被研削用歯車と前記歯車
研削工具との位相の変化とを共働させて前記被研削用歯
車を研削することを特徴とする歯車研削方法。 - 【請求項2】請求項1記載の歯車研削方法において、 前記歯車研削工具にかかる負荷の不平衡による研削誤差
に対して、該研削誤差を相殺する逆補正を行うように研
削量を規定して研削を行うことを特徴とする歯車研削方
法。 - 【請求項3】請求項1記載の歯車研削方法において、 前記位相を変化させることにより、前記螺旋条により前
記被研削用歯車の歯の左側歯面および右側歯面を個別に
研削することを特徴とする歯車研削方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車
研削方法において、 前記被研削用歯車の歯幅以上の移動経路上における複数
の分割点で、研削しようとするクラウニング形状に基づ
く研削量を設定し、該研削量に基づいて前記被研削用歯
車を研削することを特徴とする歯車研削方法。 - 【請求項5】請求項4記載の歯車研削方法において、 前記分割点において設定された研削量に基づいて前記移
動経路上の任意の位置における補間研削量を決定し、前
記被研削用歯車を研削することを特徴とする歯車研削方
法。 - 【請求項6】被研削用歯車を軸心を中心にして回転させ
る第1モータと、 前記被研削用歯車の歯を研削する歯車研削工具と、 前記歯車研削工具を軸心を中心にして回転させる第2モ
ータと、 前記被研削用歯車と前記歯車研削工具とを相対的に進退
動作させる切込機構と、 前記被研削用歯車を軸心方向に進退動作させるトラバー
ス機構と、 前記被研削用歯車の軸心方向の移動、前記軸心方向に対
して直角方向の移動および前記歯車研削工具との位相の
変化を共働させて制御するコントローラと、 を有することを特徴とする歯車研削装置。 - 【請求項7】請求項6記載の歯車研削装置において、 前記コントローラは、前記トラバース機構および前記切
込機構を制御するテーブル制御部と、前記トラバース機
構の状態に応じて前記第1モータおよび前記第2モータ
を制御する同期制御部とを有することを特徴とする歯車
研削装置。
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