JPH11821A - 歯車セットのラッピング装置 - Google Patents

歯車セットのラッピング装置

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JPH11821A
JPH11821A JP15494397A JP15494397A JPH11821A JP H11821 A JPH11821 A JP H11821A JP 15494397 A JP15494397 A JP 15494397A JP 15494397 A JP15494397 A JP 15494397A JP H11821 A JPH11821 A JP H11821A
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JP
Japan
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gear
lapping
ring gear
phase difference
pinion
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Application number
JP15494397A
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English (en)
Inventor
Shuichi Imai
秀一 今井
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/02Lapping gear teeth
    • B23F19/025Lapping bevel gears by making use of a correspondingly shaped counterpart

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相互に噛み合う一対の歯車の歯面よりピッチ
誤差や歯形誤差を高効率に修正することにある。 【解決手段】 相互に噛み合った歯車2,3をそれぞれ
独立して回転駆動する一対のモータ7,9と、歯車間の
噛み合い歯面にラッピングパウダを供給するラッピング
パウダ供給手段10と、前記一対の歯車2,3が所定の
回転位相差を有して同期回転するようモータ7,8の回
転を制御する制御手段13とを備えたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工すべき一対の歯
車の歯面をラッピングにより仕上げ加工する歯車セット
のラッピング装置、特に、一対の歯車を互いに噛み合い
回転状態で駆動しつつラッピングするラッピング装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】機械加工により得られた歯車はその歯面
がカッターより受けた細かいすじを生じていたり、加工
誤差を含むこともある。特に、歯車はその歯面の強度を
より高めるため、歯面に浸炭焼入れ等の熱処理を施すこ
とが多く、歯面には焼歪による変形が生じることもあ
る。このように被加工物としての歯車はその歯面が機械
加工処理や熱処理を受けることにより微小量(μの単位
で)変形していることが多く、これらの歯面の変形を除
去するため、歯車は加工最終工程において歯面をラッピ
ング処理される。
【0003】ところで、2軸間の回転伝達を行うのに用
いる歯車対、特に、ハイポイドギヤセットのラッピング
処理では、被加工物としてのピニオンギヤとリングギヤ
を相互に噛み合わせ、回転運動させ、同時に、両歯面間
に細かい砥粒とラップ油が混合されたラップ剤を流し込
み、しかも、回転運動中の相互の噛み合い歯面が押圧状
態で摺動するように保持し、相互の歯面を平滑に仕上げ
るようにしている。
【0004】このようなハイポイドギヤセットのラッピ
ングを行うラッピング装置の一例を図4に示した。ここ
では基台120上に回転軸130,140を枢着し、両
軸によりピニオンギヤ100とリングギヤ110を互い
に噛み合う状態で支持する。ピニオンギヤ100の回転
軸130は減速機構150を介し駆動モータ160に連
結され、回転駆動力を受け、リングギヤ110の回転軸
140は増速機構170を介しブレーキとしての油圧モ
ータ180に連結され制動力を受ける。ここで駆動モー
タ160がピニオンギヤ100を駆動するとリングギヤ
110が連れ回りし、同時に一対の歯面間に砥粒を含む
ラップ剤が供給されるので、相互の歯面が互いに適正に
すり合わされ、互いに相手側を研磨するように摺動す
る。しかも、リングギヤ110側が油圧モータ180に
ブレーキ力を受けることより、両歯面間の隙間は排除さ
れ、両歯面には適度の面圧が加わり、歯面のラッピング
が効率良くなされる。
【0005】ここで、油圧モータ180によるブレーキ
力を増減調整し、更に、砥粒の粒度及び硬度をそれぞれ
増減調整することにより、ラッピング加工時間を低減出
来る。しかし、自動車用ハイポイドギヤセットのように
低騒音化の要求が高いものでは、最終の仕上げ加工とな
るラッピング加工により高精度の歯面を成形できるよ
う、このラッピング加工に十分時間をかけ、念入りなラ
ッピング加工が行われることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】処で、図4に示したラ
ッピング装置の場合、基本的にピニオンギヤ100やリ
ングギヤ110、或いは双方が回転方向のピッチ誤差を
含むとしても、ピニオンギヤ100に対しリングギヤ1
10がそのピッチ誤差を許容したままで回転角速度を変
化させて連れ回りすることとなる。即ち、両者あるいは
一方のギヤがもともと持っていたピッチ誤差により、リ
ングギヤ110側はその回転角速度を増減変化させ、即
ち、振動を含む状態で連れ回りすることとなる。
【0007】このため、このラッピング加工では、ピッ
チ誤差によって生じた振動によりラッピング加工精度が
低下し易い。しかも、この連れ回りによるラッピング加
工では、単に、歯面全体を同量づつ平均的に研磨するだ
けとなり、ピッチ誤差を修正することは出来なかった。
特に、ハイポイドギヤセットのように歯面に特定の理論
曲線を持ち、互いに噛合う歯面での摺接面積が比較的大
きな場合、ラッピングにより歯面全体の平均的な研磨だ
けが進み、ピッチ誤差を除去出来することは出来ず、む
しろ、長時間をかけてラッピングを行うと、振動発生に
伴い、ピニオンギヤ100やリングギヤ110のピッチ
誤差が拡大し易く、問題となっている。
【0008】本発明の目的は、相互に噛み合う一対の歯
車の歯面よりピッチ誤差や歯形誤差を高効率に修正でき
る歯車セットのラッピング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明によれば、相互に噛み合った一対の歯車間に所定の回
転位相差が与えられるため、両歯車の歯面間に噛合面圧
を発生させてラッピング加工を施すことができる。特
に、この状態で一対の歯車が同期回転していることか
ら、ピッチ誤差や歯形誤差に起因する歯面の進み部位や
遅れ部位に対して、歯面の進み部位ではより高い面圧が
作用してより強いラッピング加工が施され、逆に歯面の
遅れ部ではより低い面圧が作用してより弱いラッピング
加工が施されることになる。これによりピッチ誤差や歯
形誤差を高効率に修正でき、加工品質、加工能率を十分
向上させることができる。
【0010】請求項2に記載された発明によれば、各モ
ータの負荷電流として検出されるトルクを所定値となる
ようにして位相差を設定するので、位相差の設定を簡単
かつ適切に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】図1には本発明の実施形態例とし
ての歯車セットのラッピング装置を示した。この歯車セ
ットのラッピング装置Aは、自動車の終減速機で用いる
ハイポイドギヤセットを研削加工及び熱処理した後にラ
ッピング処理するものであり、基台1上にハイポイドギ
ヤセットをなすピニオンギヤ2とリングギヤ3をリヤア
クスルハウジング内で使用すると同様の態様に配備し
て、噛み合い状態で回転駆動するよう構成される。
【0012】ここで、歯車セットのラッピング装置A
は、基台1と、基台1上に複数の軸受Bを介し枢支され
る第1、第2回転軸4,5と、両回転軸4,5に支持さ
れるピニオンギヤ2とリングギヤ3の各歯面に細かい砥
粒とラップ油が混合されたラップ剤を流し込むラッピン
グパウダ供給手段10と、第1回転軸4に第1回転伝達
系6を介し連結された第1ACサーボモータ(以後単に
第1モータと記す)7と、第2回転軸5に第2回転伝達
系8を介し連結された第2ACサーボモータ(以後単に
第2モータと記す)9と、第1、第2モータ7,9の各
駆動回路を成す第1第2ACサーボアンプ(以後単に第
1、第2アンプと記す)11,12と、第1、第2アン
プ11,12に制御信号α1,α2,ω1,ω2をそれ
ぞれ出力するコントローラ13とを備える。
【0013】基台1はテーブル状を成し、その上面に支
持された第1、第2回転軸4,5を互いの回転中心線L
1,L2が平面視で直交状態となるよう保持し、図示し
ない側面視では所定量だけ高さ方向に離隔して、即ち、
食違い状態で保持し、この状態でハイポイドギヤとして
形成されているピニオンギヤ2とリングギヤ3を噛み合
い回転できるように支持する。
【0014】第1回転軸4は一端に第1回転伝達系6の
従動スプロケット601を一体的に結合し、他端には加
工物としてのピニオンギヤ2をコレット等の固定手段1
4で締付固定する。第2回転軸5は一端に第2回転伝達
系8の従動スプロケット801を一体的に結合し、他端
には加工物としてのリングギヤ3をリング状のコレット
エキスパンディスク等の固定手段15で締付固定する。
第1モータ7の回転軸701には第1回転伝達系6の駆
動スプロケット602が一体的に結合され、この駆動ス
プロケット602は第1回転伝達系6のVベルト603
を介し従動スプロケット601に連結される。第2モー
タ9の回転軸901には第2回転伝達系8の駆動スプロ
ケット802が一体的に結合され、この駆動スプロケッ
ト802は第2回転伝達系8のVベルト803を介し従
動スプロケット801に連結される。なお、第1、第2
回転伝達系6,8は共に所定の減速比で各モータ回転を
各ギヤ側に回転伝達するよう構成される。
【0015】第1モータ7、第2モータ9は第1、第2
アンプ11,12から供給される電流を受け、所定の回
転角速度、回転位相に調整されるように構成される。第
1、第2アンプ11,12は交流電源16に接続され、
コントローラ13から指示されている所定の回転角速
度、回転位相で第1、第2モータ7,9を回転させるよ
うに、この交流電源16から供給された電流を調整して
第1、第2モータ7,9へ供給する。
【0016】コントローラ13は、シーケンサ131、
モニタ画面を表示する表示器132、及び制御信号出力
部133を備える。シーケンサ131は数値制御装置で
あり、ピニオンギヤ2とリングギヤ3が同期回転するた
めの各ギヤの回転角速度を制御信号出力部133に指示
すると同時に、両ギヤ間に設定する回転位相差を演算し
て制御信号出力部133に指示する。シーケンサ131
による回転位相差の演算について説明すると、シーケン
サ131は各アンプ11,12から検出した各モータ
7,9の負荷電流値i1,i2から歯面に発生したトル
クを演算し、演算トルクが目標トルクになるよう演算ト
ルクと回転トルクの偏差に応じた位相差補正量で位相差
指示量を補正して補正後の位相差指示量を制御信号出力
部133に指示している。制御信号出力部133はシー
ケンサ131からの回転角速度及び位相差の指示量を変
換して、第1モータ7用の角速度制御信号ω1、位相制
御信号α1を第1アンプ11に、第2モータ9用の角速
度制御信号ω2、位相制御信号α2を第2アンプ12に
それぞれ出力する。
【0017】なお、ここでの第1モータ7が駆動するピ
ニオン2と第2モータ9が駆動するリングギヤ3の回転
位相の制御モードの一例を図2(a)、(b)、(c)
を用い説明する。ここで、ピニオンギヤ2とリングギヤ
3はあらかじめ設定されたピニオン2の歯数N1とリン
グギヤ3の歯数N2から求めたギヤ比N2:N1(=
5:1)に応じた理想的な回転角速度で同期回転を行う
ことができ、例えば、ピニオン2が500rpmでリン
グギヤ3が100rpmで同期回転すると仮定する。こ
の状態で、ピニオン2とリングギヤ3が理論的に位相差
無く同期回転する状態を図2(a)に示し、ピニオン2
をリングギヤ3より進角側に位相差Δθを保ち同期回転
する状態を図2(b)に示し、この位相差Δθ設定時の
実際のラッピング状態での同期回転状態を図2(c)に
示した。
【0018】図2(a)から明らかなように、理論的に
位相差無く同期回転する状態ではピニオン2とリングギ
ヤ3の両歯は相互に設定クリアランスを保ち回転し、加
工誤差、例えば進角側への突出部p1をピニオン2の歯
201が生じている場合には、同突出部p1のみがリン
グギヤ3の歯301に押圧され、噛合面圧(ラッピング
トルク)が生じてラッピングされる。図2(b)から明
らかなように、ピニオン2とリングギヤ3の両歯が位相
差Δθを保ち同期回転する状態ではピニオン2とリング
ギヤ3の両歯は理論的には相互に連続して重なる回転状
態と成り、実際は図2(c)に示すように、位相差Δθ
が低減してΔθrとなり、歯面の噛み合いを開始してい
くと第1、第2モータ7,9は指示された位相差Δθに
戻す回転力を発生し、即ち、ピニオン2側の第1モータ
7は遅れを戻す方向に、リングギヤ3側の第2モータ9
は進みを戻す方向に面圧を発生させ、これがラッピング
加工に必要な噛合面圧(ラッピングトルク)として互い
の歯面に発生し続ける。即ち、図2(b)に示す状態に
戻そうとして発生するトルクを利用して歯面全域を相互
にラッピングする。特に、加工誤差、例えば進角側への
突出部p1をピニオン2の歯201が生じていると同突
出部p1がリングギヤ3の歯301に強く押圧され、強
くラッピングされ、歯形形状が修正される。
【0019】なお、ここで明らかなように、ピニオン2
とリングギヤ3の両歯が位相差Δθを確保しようとしつ
つ、実際は相互に押圧しあって回転することより、位相
差Δθと第1、第2モータ7,9のトルクとは対応関係
にあると見做せる。更に、ピニオン2の歯201の1つ
が回転方向の進角側へピッチ誤差を持って成形されてい
ると仮定すると、この時、ピニオン2側の歯201でピ
ッチ誤差を有する進み部位では噛み合い中連続してリン
グギヤ3の歯301と大きく相互に重なっての回転状態
と成り、実際はこのピッチ誤差を有する進み部位は噛み
合い中連続してリングギヤ3の歯301より歯面面圧
(ラッピングトルク)を強固に受けて強いラッピング加
工が施され、逆に歯201の遅れ部位ではより低い面圧
が作用し弱いラッピング加工が施される、歯のピッチ誤
差の修正ラッピングが高効率でなされる。
【0020】ここで、図1の歯車セットのラッピング装
置Aを用いてハイポイドギヤセットを同時にラッピング
処理する際の作動を説明する。なお、図3にはラッピン
グ制御ルーチンを示した。先ず、ラッピング処理に先立
ち、基台上の第1回転軸4に加工物であるピニオンギヤ
2を固定手段14で締付固定し、第2回転軸5にリング
ギヤ3を固定手段15で締付固定する。次にコントロー
ラ13の図示しない制御盤により、ピニオン2とリング
ギヤ3のギヤ比N2:N1(減速比)が5:1であるこ
とを入力すると、シーケンサ131はピニオン2がn1
(=500rpm)でリングギヤ3がn2(=100r
pm)で同期回転するよう目標回転速度を指示し(ステ
ップs1,s2)、制御信号出力部133内で制御信号
ω1、ω2が設定されている(ステップs3)。
【0021】更に、ピニオンギヤ2とリングギヤ3の目
標ラッピングトルクTの指示を図示しない制御盤から行
う。この目標ラッピングトルクTの設定に当たっては、
ピニオンギヤ2とリングギヤ3の素材の硬度、熱処理等
の有無、ラップ剤の特性、ラッピング時間等が考慮され
て、適宜設定される。ところで、この目標ラッピングト
ルクTの指示を受けたシーケンサ131はこのラッピン
グトルクを確保できる両ギヤ2,3間の位相差指示量Δ
θを演算し、前述の如く各モータの負荷電流値i1、i
2を参照しながら位相差指示量Δθを増減調整すること
で目標ラッピングトルクTを確保するという制御を行
う。
【0022】即ち、コントローラ13の図示しない駆動
開始スイッチがオンされると(ステップs4)、先ずラ
ッピングパウダ供給手段10が駆動して、ラップ剤をピ
ニオンギヤ2とリングギヤ3の各歯面に連続して流し込
む(ステップs5)。同時に制御信号出力部133から
制御信号ω1,ω2を出力してピニオンギヤ2とリング
ギヤ3をそれぞれ第1、第2モータ7,9で駆動し、両
ギヤをギヤ比N2:N1(5:1)に応じた理想的な回
転角速度で同期回転を行う(ステップs6)。
【0023】更に、シーケンサ131はステップs7に
おいて、前述の目標ラッピングトルクTを読み込み、ス
テップs8では各モータ7,8の負荷電流i1,i2を
読み込む。続いて、負荷電流i1,i2から現在の発生
トルクTnを演算して、目標ラッピングトルクTとの偏
差δTを求めて、偏差δTに応じて所定の関数式f
(δT)に基づき位相差補正量Δθ’を演算して、この
補正量Δθ’により位相差指示量Δθを補正して新たな
位相差指示量Δθを求める(ステップs8〜s12)。
その後、制御信号出力部133が位相差指示量Δθに基
づいて位相制御信号α1,α2を設定し、これを出力し
て各モータ7,8の回転位相を制御する(ステップs1
3,s14)。
【0024】なお、現在の負荷電流i1,i2は第1、
第2アンプ11,12より読み込むことができる。この
ように、ここでは各モータの負荷電流i1,i2に基づ
いて演算されるトルクTnが目標トルクTとなるように
して位相差Δθを調整するので、位相差の設定を簡単か
つ適切に行える。
【0025】このようにコントローラ13がピニオンギ
ヤ2とリングギヤ3の位相差Δθを目標値に保持しつつ
同期回転を継続することにより、ピニオンギヤ2とリン
グギヤ3の両者の歯面はラッピング処理される。この際
量産加工されるピニオンギヤ2とリングギヤ3は微小な
ピッチ誤差や歯形誤差を有しているため、理想的な歯面
を持った両ギヤを理想的な回転角速度で、且つ所定の位
相差Δθで回転した場合に対して、回転方向の歯面に誤
差の分だけ進み、遅れを発生する。このため、図1の歯
車セットのラッピング装置Aによる回転位相同期ラッピ
ング加工においては、図2(a)、(b)、(c)に於
いて説明したように、歯面の回転方向進み部では所定の
位相角Δθに戻そうとする量がより大きいため、サーボ
モータからより高いラッピングトルクを受け、プラスし
ている歯面をより強く加工することとなる。一方、回転
方向で遅れている歯面ではその逆により低いラッピング
トルクが発生し、マイナスしている歯面をより弱くラッ
ピングすることと成る。このような作用により、ピニオ
ンギヤ2とリングギヤ3のピッチ誤差や歯形誤差をより
効率良く修正することが可能となり、高品質、高効率な
ラッピング加工が達成される。
【0026】上述の処において、相互に噛み合った被加
工歯車としてピニオン2とリングギヤ3からなるハイポ
イドギヤを例に説明したが、その他の相互に噛み合った
ハイポイドギヤ、相互に噛み合った平歯車でも同様にラ
ッピング加工でき、同様の作用効果が得られる。これら
の場合、上述の第1、第2回転軸4,5に代えて、各一
対の歯車の使用態様に応じた所定の噛み合い状態を保持
できるよう、第1、第2回転軸(図示せず)が基台1に
配設され、使用されることと成る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた発明によれば、相互に噛み合った歯車間に回転位相
差を与え、噛合面圧を発生させることによりラッピング
加工を施すことができ、特に、この状態で各歯車が同期
回転するので、ピッチ誤差や歯形誤差に起因する歯面の
進み部をより高い面圧でより強くラッピング加工し、逆
に歯面の遅れ部をより低い面圧でより弱くラッピング加
工するので、ピッチ誤差や歯形誤差を高効率に修正で
き、加工品質、加工能率を十分向上させることができ
る。
【0028】請求項2に記載された発明によれば、各モ
ータの負荷電流として検出されるトルクを所定値となる
ようにして位相差を設定するので、位相差の設定を簡単
かつ適切に行え、制御を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された歯車セットのラッピング装
置の全体構成図である。
【図2】図1のラッピング装置の作動説明図である。
【図3】図1のラッピング装置の制御フローチャートで
ある。
【図4】従来の歯車セットのラッピング装置の全体構成
図である。
【符号の説明】
2 ピニオンギヤ 3 リングギヤ 4 第1回転軸 5 第2回転軸 7 第1モータ 9 第2モータ 10 ラッピングパウダ供給手段 13 コントローラ A 歯車セットのラッピング装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に噛み合った歯車をそれぞれ独立して
    回転駆動する一対のモータと、 歯車間の噛み合い歯面にラッピングパウダを供給するラ
    ッピングパウダ供給手段と、 前記一対の歯車が所定の回転位相差を有して同期回転す
    るよう前記モータの回転を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする歯車セットのラッピング装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記モータの負荷電流と
    して検出されるトルクが所定値になるように前記位相差
    を設定することを特徴とする請求項1記載の歯車セット
    のラッピング装置。
JP15494397A 1997-06-12 1997-06-12 歯車セットのラッピング装置 Pending JPH11821A (ja)

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