JP2003245711A - 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法 - Google Patents

異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法

Info

Publication number
JP2003245711A
JP2003245711A JP2002195337A JP2002195337A JP2003245711A JP 2003245711 A JP2003245711 A JP 2003245711A JP 2002195337 A JP2002195337 A JP 2002195337A JP 2002195337 A JP2002195337 A JP 2002195337A JP 2003245711 A JP2003245711 A JP 2003245711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
die
diamond
less
sintered
deformed wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002195337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3755877B2 (ja
Inventor
Hideji Sugita
秀治 杉田
Kenji Fujii
賢治 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Allied Material Corp
Original Assignee
Allied Material Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Allied Material Corp filed Critical Allied Material Corp
Priority to JP2002195337A priority Critical patent/JP3755877B2/ja
Publication of JP2003245711A publication Critical patent/JP2003245711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3755877B2 publication Critical patent/JP3755877B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Extraction Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線材を異形線に伸線加工するに当たり、高精
度に加工できるダイス及びそのダイスを使った線材の伸
線方法を提供する。 【解決手段】 焼結ダイヤモンドをダイス本体とし、ベ
アリング部の正面形状が異形でありかつコーナー部のR
を0.02mm以上0.6mm以下とし、かつその他の
部分は直線で構成されたダイスとする。前記ダイス本体
は、外周部に超硬合金製のサポートリングを有する焼結
ダイヤモンドであることをさらなる特徴とし、前記焼結
ダイヤモンドを構成するダイヤモンド粒子の平均粒径
が、0.5μm以上6μm以下とする。線材の伸線方法
として、2又は3段のダイスを直列に並べ、その最終段
のダイスに上記のダイスを用いて、銅又はステンレスの
断面が円である線材を伸線する。あるいは、銅又はステ
ンレスの断面が円である線材を圧延ロールにより成形し
た後、上記のダイスを用いて前記線材を伸線する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、線材の断面を四角
形特に、長方形、正方形に伸線加工するための異形線用
ダイスに関するものである。そして得られた異形線材に
ねじれが少ない異形線用ダイス及びそのダイスを用いて
異形線材を作る方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来家電製品や自動車などに使われてい
る電動モータには巻線が使用されている。さらには、マ
イクロマシンなどに使うモータや、スピーカー用ボイス
コイルなどの形状を小型化しようとする要望が高くなっ
て来ている。断面が正方形の線は巻線にした時にスペー
ス効率が高く、丸線に比べると同一パワーを27%少な
い容積で出すことが出来る。このため、正方形の巻線を
使うことにより携帯電話や車載用のスピーカーユニッ
ト、電子機器やモーターのコイルなどで大幅な小型化、
軽量化、コスト低減を計ることが出来る。
【0003】しかしながら、ねじれの少ない細線は従来
のダイスを用いて作ることが出来なかった。従って従来
の異形ダイスによる巻線の製造は、巻線断面の一辺が
0.6mm以上の大きなサイズに限定されていた。ねじ
れの少ない線を作る方法は、薄い銅の板をスリッターを
用いて切断して作っていた。しかしながらスリッターを
用いると、切り口の形状が切刃が摩耗するに従いコーナ
ー部のRが大きくなったり、同じ断面形状を維持するこ
とが大変難しいなどの課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は従来の上記
したような問題点を解決するために、ねじれの少ない異
形線材を製造するためのダイス及びそのダイスによって
線材を製造する方法を提供するものである。前記したよ
うにねじれの少ない線材は、スリッターで銅の板を切断
して作られていた。一方ダイスでねじれの少ない異形線
材を伸線するには、ダイスのコーナー部の耐摩耗性を高
めること、ねじれのないダイス孔の形状を明瞭にするこ
とにある。このようにして初めて、従来のスリッター法
を凌駕することが出来る。
【0005】発明者らは、これらの問題点を解決するた
めに種々の検討を加え、本願発明をなすに至った。しか
しながらこのような新しい用途で使用するためには、ダ
イス穴の形状や加工方法だけで解決できるものではなか
った。ダイス用素材にはいろいろあるが、その中から選
び抜かれた素材でないと本願発明を達成できないことが
明らかになった。本願発明は、コーナー部のRが0.0
2m以上0.6mm以下、中でも特にコーナー部のRが
0.02mm以上0.06mm以下であって一辺が0.
6mm以下のねじれの少ない異形線材を製造するダイス
及びその線材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結ダイヤモ
ンドをダイス本体に使い、ベアリング部の正面形状が異
形でありかつコーナー部のRを0.02mm以上0.6
mm以下とし、かつその他の部分は直線で構成されてい
る異形線伸線用ダイヤモンドダイスとする。そして、前
記焼結ダイヤモンドを構成するダイヤモンド粒子の平均
粒径が、0.5μm以上6μm以下とすることで耐摩耗
性の高いダイヤモンドダイスを提供することが出来る。
なお、コーナー部のRは、より好ましくは0.02mm
以上0.06mm以下とする。
【0007】さらに、ダイス本体は、外周部に超硬合金
製のサポートリングを有する焼結ダイヤモンドとするこ
とが非常に効果的である。
【0008】前記異形は正方形又は長方形のいずれかで
ある。さらに具体的には、長方形又は正方形の相対する
面の距離が、0.1mm以上0.6mm以下であること
が好ましい。中でもねじれの少ない伸線をするために
は、ダイスのベアリング部の長さが0.05mmから
0.3mmであること、さらにはリダクション、ベアリ
ング、バックリリーフ部の長さの合計が0.2mmから
1.0mmであることが重要事項である。
【0009】焼結ダイヤモンドに形成された穴の最大径
hは、焼結ダイヤモンドの直径dに対して3%以上25
%以下であることが好ましい。3%未満では焼結ダイヤ
モンドの大きさに対して穴が非常に小さいために焼結ダ
イヤモンドの素材の無駄が生じるためであり、25%以
下とするのはこれを超えると穴のコーナー部より亀裂が
入りやすくなるためである。また、焼結ダイヤモンドの
厚みTは、焼結ダイヤモンドに形成された穴の最大径h
の1.5倍以上10倍以下とするのが好ましい。1.5
倍以上とするのは、穴のコーナー部より亀裂が入るのを
防止するためであり、10倍以下とするのは穴のコーナ
ー部のRの加工を高精度に行うためである。穴の大きさ
に対し焼結ダイヤモンドの厚みが厚すぎると、コーナー
部のRを放電加工で行う場合に高精度加工が困難にな
る。
【0010】2又は3段のダイスを直列に並べ、その最
終段のダイスが、焼結ダイヤモンドを使ったダイス本体
とし、ベアリング部の正面形状においてコーナー部のR
を0.02mm以上0.6mm以下とし、その他の部分
は直線で構成されていて、銅又はステンレスの断面が円
である線材を伸線することができる。なお、コーナー部
のRは、より好ましくは0.02mm以上0.06mm
以下とする。
【0011】また、別の方法として、銅又はステンレス
の断面が円である線材を圧延ロールにより成形した後、
ダイス本体に焼結ダイヤモンドを使い、ベアリング部の
正面形状においてコーナー部のRを0.06mm以上
0.6mm以下とし、その他の部分は直線で構成されて
いるダイスにより前記線材を伸線することにより異形線
を製造することができる。圧延ロールを使った場合、コ
ーナー部のRを小さくするのに限度があるため、0.0
6mm以上となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の異形ダイスについて図面
を用いてその概要を説明する。図1は、ダイスケースに
収めて使用できる状態の断面図である。ダイス本体1が
本発明に関する部分であり、ダイス本体1を収納するケ
ース2及びダイス本体1を取り付けるための焼結合金3
とで構成されている。図2は、ダイス本体1の正面図で
ある。ダイス本体1は、超硬合金製サポートリング4と
焼結ダイヤモンド5からなる。そして中心部は、伸線さ
れるべき線材が接触しながら通る傾斜部6と貫通穴7か
ら構成される。傾斜部6はさらに細分化されていて、図
3にその詳細を示す。図3は、図2のA−A断面図であ
る。ダイス本体1の厚さがTで示されている。そしてD
は超硬合金部の直径を示し、dはダイヤモンドの部分の
直径を示す。6a、6b、6c、6d、6e、6fと順
にベル、アプローチ、リダクション、ベアリング、バッ
クリリーフ、エクジットに分かれる。このベアリング部
6dを正面から見た形状が異形となっている。
【0013】また、図4及び図5はダイス本体1につい
ての第2の実施の形態を示したものである。ダイス本体
1は焼結ダイヤモンド5のみからなり、超硬合金製サポ
ートリングは設けられていないものである。これ以外の
点すなわち焼結ダイヤモンド5の形状については、上記
のものと同様である。
【0014】ダイス用素材には、従来から単結晶ダイヤ
モンドや、焼結ダイヤモンドなどがある。そしてこれら
のダイヤモンドは地球上で最も硬い材料とされていて、
加工は困難を極める。いくら耐摩耗性に優れた材料でも
加工できなければ使用できない。従って適度な加工性を
持っていることは重要なことである。例えば上記した単
結晶ダイヤモンドは、レーザーによる加工と、古来のダ
イヤモンド砥粒などによる研磨加工に限定される。これ
に対して、焼結ダイヤモンドは、レーザーの他に放電加
工なども出来る。その理由は、焼結体の中には導電性の
ある金属結合材を含むから焼結体自身が導電性を持つか
らである。本願発明は、この加工性と密接に関係してい
る。
【0015】以上のようなことから、本願発明では焼結
ダイヤモンドを用いた。単結晶ダイヤモンドでは、コー
ナー部のRが小さいものは製作が困難であり、仮に製作
できたとしてもコ−ナー部の小さなRにより、亀裂など
が発生しやすくなる。しかも、伸線加工時に一つのダイ
ス当たりの線材変形量の多い本願発明用の材料には適し
ていない。
【0016】本発明で最も重要なことは、伸線した線材
のねじれをなくすことである。断面が円形の線材を作る
ためのダイスでは、ねじれが発生しても、特別大きな支
障はない。これに対して、異形線材で特に線材の断面形
状が長方形や正方形の場合は、例えばコイルに巻き取っ
たとき、ねじれ部を巻いたときに巻き方が乱れる。この
ような意味からも異形線のねじれ防止は特に大きな課題
である。
【0017】そしてこのねじれが発生する原因は、ダイ
スの穴自体にねじれがあることや、ダイス中心軸に対し
て左右非対称になっていたりして伸線時にダイス面と線
材の接触する面に異方性が生じることによる。この原因
は、レーザーによる下穴加工の精度、その次の放電加
工、さらなる研磨工程などあらゆる工程と関係がある。
本願発明の対象とするサイズの下穴加工は、通常ダイス
にレーザーを照射して貫通穴を設ける。その下穴に沿っ
て放電加工する。放電加工はよく知られているように、
放電電極を製作しておいて、その放電電極と被加工物と
の間に放電を起こして、その電気エネルギーにより焼結
ダイヤモンドを除去する方法である。
【0018】放電加工性の容易な材料の場合は、一つの
電極で多数の加工が出来る。しかしながら、本発明のよ
うにダイヤモンドを加工する場合は、一つのダイス用の
穴を加工するために複数個の放電電極が必要である。そ
こで出来るだけ形状をそろえた電極をあらかじめ準備し
ておいて、複数本の電極で加工する。放電により電極自
体の形状が変形すると、次の電極に取り替える。
【0019】一つの問題はこのときに起こる。即ち電極
の付け替え精度と、その電極の形状のバラツキに基づき
ダイスの孔形状が同一ではないことによる。上記のよう
な原因で形成された段差などの寸法バラツキは、その後
の研磨加工などで修正することは極めて困難である。従
ってできる限り電極の交換回数を減少させ、寸法精度の
高い電極を用い、位置精度よく取り付けなければならな
い。それでも現在の技術では、4回が限界である。4回
を越えると、伸線された異形線にねじれが発生する。ま
た、加工用の電極が長くなると電極が放電加工により消
耗し、高精度な電極の製造が困難となる。
【0020】以上のことから、放電加工時に除去する材
料の体積は少ない方が形状精度は維持されやすく高精度
な加工ができるので、焼結ダイヤモンドの厚さは出来る
だけ薄い方がよいことになる。超硬合金製のサポートリ
ングを備え、かつ1.3mm以下の厚さを持つ焼結ダイ
ヤモンドは、市販の一般素材としては入手できなかっ
た。なおここで焼結ダイヤモンドの厚さとは、図3にお
いてTで示される値である。そして、この種の焼結ダイ
ヤモンドは、超高圧高温下で焼結され、その後温度を下
げてダイス用素材を超高圧焼結用の容器から取り出す。
この時、熱による残留応力と、超高圧を除荷することに
よる応力のバランスが微妙に保たれている。これの厚さ
を変更すると従来よく割れが発生した。従って、ダイス
素材を薄く加工するのは、従来タブーとされていた。
【0021】ダイスには、伸線方向にかかる力と、線を
細くするためのダイスの半径方向にかかる力とがある。
いずれにしろ銅や金やステンレスのような金属線を伸線
するわけであるから、上記の力に耐えるだけの強度が必
要である。本発明で用いた焼結ダイヤモンドは、以下の
点に特徴がある。
【0022】ダイヤモンドダイス用の焼結ダイヤモンド
は、焼結体メーカーがその大きさなどの諸元と伸線に適
した径を決め、それをダイスメーカーに販売している。
そして、ダイス加工時の製品歩留まりは75%程度と非
常に低く、ダイスの割れ原因を追及しているが未だ解決
できていない。いつも割れの原因が、素材メーカー側に
あるのかダイスの加工者側にあるのか議論が続いている
状態である。従って、ダイス用の素材を、ダイス加工メ
ーカーが勝手に加工して任意の形状とすることはタブー
とされている。
【0023】本発明者らは、伸線された直径とダイヤモ
ンドダイス部の直径の関係について種々検討した。市販
のダイヤモンドダイス用素材には、推奨最大適用穴径h
の焼結ダイヤモンドの直径dに対する比率(h/d×1
00)が45%から65%である。推奨最大適用穴径と
は、最大穴径以下の穴にして使用できるという意味であ
る。そして経済性の観点から、その最大穴径の付近の穴
径で製品は作られる場合が多い。異形線用の最大穴径
を、正方形の穴の場合その対角線の長さと定義する。同
様に他の多角形でも、穴を横切る最大長さを最大穴径と
する。この時前記したような大きな比率では、異形線を
線引きすることは出来ないことが判った。恐らくは、異
形線には必ずコーナー部がありその部分への応力集中に
よりコーナー部から割れが発生するからである。
【0024】この割れを抑える方法が2つある。一つ
は、焼結ダイヤモンドの厚さを厚くすることである。し
かしながら、本発明ではダイス穴に要求される精度か
ら、1.3mm以上にすることが出来ないことは既に述
べたとおりである。残された方法が、焼結ダイヤモンド
部の直径を大きくして、コーナー部からの割れを抑える
ことである。本発明においては、前述の比率(h/d×
100)の値は25%以下でなければならない。それ以
上では、コーナー部からの割れを防ぐことが出来ない。
さらに好ましくは、20%以下である。
【0025】本願発明のダイス本体では、先ず第1に、
焼結ダイヤモンドの外周をサポートリングで補強してい
なければならない。こうしなければ前記した応力に耐え
ることが出来ない。それも超高圧焼結時に、超硬合金と
共に焼結して、ダイヤモンドの部分とサポートリングが
強固に接合していなければならない。また、第2の実施
の形態のようにサポートリングを設けず、焼結ダイヤモ
ンドの外径を大きくしてコーナー部からの割れを防ぐこ
とも可能である。この場合、サポートリングが無いの
で、素材のコスト面で有利である。但し、この場合は前
述の比率(h/d×100)は10%以下とする必要が
ある。また、異形ダイスのコーナー部のRを小さくする
には、用いるダイヤモンド粒径が小さくなければならな
い。本願発明で用いるダイヤモンドの平均粒径は6μm
以下好ましくは3μm以下が望ましい。
【0026】本発明の別の特徴は、ベアリング部の長さ
が0.05mmから0.3mmの範囲になければならな
い。この程度の長さでないと、リダクションやベアリン
グの形成が困難である。伸線加工時にリダクション部は
最もよく摩耗する部分であり、ダイスの寿命はリダクシ
ョン部の寿命と同じである。従って、実際に使用できる
ようにするためには、焼結ダイヤモンドの耐摩耗性が極
めて高くなければならない。
【0027】このためには、耐摩耗性の高いダイヤモン
ドの含有量の高い焼結ダイヤモンドを使う必要がある。
また前記したように、ダイヤモンドの粒子径が0.5か
ら6μmでなければならないが、このような微細粒子で
あって、且つダイヤモンドの含有量が90から95体積
%でなければならない。ダイヤモンド粒子が小さくなる
と、その含有率が下がるがそのような材料では、耐摩耗
性が不足していて実用化できない。
【0028】従って、焼結ダイヤモンドの中でダイヤモ
ンドの含有量が、90から95体積%なければならな
い。従来の異形ダイスでは、80から90体積%の焼結
ダイヤモンドが用いられていた。しかしながらこのよう
にダイヤモンドの量が少ないものでは、耐摩耗性と強度
が不足していて、薄いダイスとすることができない。薄
くなければ、ダイスの孔の寸法精度が不足する。
【0029】
【実施例】(実施例1)本発明のダイヤモンドダイスの
第1の例として、図4及び図5に示す形状のものを製作
した。図4は正面図であり、図5は図4のB−B断面図
である。ダイス本体1の材料として、平均粒径5μmの
ダイヤモンド粒子で構成される焼結ダイヤモンドのみか
らなる厚みが2.5mmのダイス用ブランクを準備し
た。この素材は、一般に市販されているもので、焼結ダ
イヤモンド5のみからなる円柱状のものである。焼結ダ
イヤモンド5の直径dは、5.2mmであり、ダイス本
体1の直径Dもこれに相当する。この素材をワイヤー放
電加工により切断して厚みを1.1mmまで薄くし、切
断面をダイヤモンド砥石により研削加工した。
【0030】次に下穴の加工を行った。加工の手順とし
て、先ずレーザーにより焼結ダイヤモンド5の中央部に
テーパー状の下穴を形成した。この下穴の大きさの最小
径は0.1mmの丸穴である。その後、型彫放電加工機
により所定の異形ダイス形状に成形し、粒径3μmのダ
イヤモンド研磨材を使用して、超音波加工により研磨加
工を行った。さらに、ダイヤモンド研磨材の粒径を順次
小さくしていき、最終的に0.25μm未満の研磨材で
仕上げの研磨をした。このようにして作製したダイス本
体1をステンレス製のケース2に固定した。この固定方
法は、焼結合金3により固定するものとした。
【0031】以上の方法により、ベアリング部6dの穴
のサイズが、一辺は0.35mm、コーナー部のRの大
きさは30μmのダイスを得た。穴の最大径hは0.4
9mmであり、焼結ダイヤモンド5の外径dとの比率
(h/d×100)は9.4%である。このダイヤモン
ドダイスにより、一辺が0.38mmの銅線の伸線加工
をした結果、コーナー部のRは30μmであり、線材表
面の光沢も優れたものであった。
【0032】(実施例2)本発明のダイヤモンドダイス
の例として、図2および図3に示す形状のものを製作し
た。図2は正面図であり、図3は図2のA−A断面図で
ある。ダイス本体1の材料として、平均粒径3μmのダ
イヤモンド粒子で構成される焼結ダイヤモンド及び超硬
合金からなる厚みが2.3mmのダイス用ブランクを準
備した。この素材は、一般に市販されているもので、中
央部が焼結ダイヤモンド5、周囲が超硬合金4からなる
円柱状のものである。焼結ダイヤモンド5の直径dは、
4mmであり、超硬合金4の直径Dは8.1mmであ
る。この素材をワイヤー放電加工により切断して厚みを
1.1mmまで薄くし、切断面をダイヤモンド砥石によ
り研削加工した。
【0033】次に下穴の加工を行った。加工の手順とし
て、先ずレーザーにより焼結ダイヤモンド5の中央部に
テーパー状の下穴を形成した。この下穴の大きさの最小
径は0.1mmの丸穴である。その後、型彫放電加工機
により所定の異形ダイス形状に成形し、粒径3μmのダ
イヤモンド研磨材を使用して、超音波加工により研磨加
工を行った。さらに、ダイヤモンド研磨材の粒径を順次
小さくしていき、最終的に0.25μm未満の研磨材で
仕上げの研磨をした。このようにして作製したダイス本
体1をステンレス製のケース2に固定した。この固定方
法は、焼結合金3により固定するものとした。
【0034】以上の方法により、ベアリング部6dの穴
のサイズが、一辺は0.35mm、コーナー部のRの大
きさは30μmのダイスを得た。穴の最大径hは0.4
9mmであり、焼結ダイヤモンド5の外径dとの比率
(h/d×100)は12%である。このダイヤモンド
ダイスにより、一辺が0.38mmの銅線の伸線加工を
した結果、コーナー部のRは30μmであり、線材表面
の光沢も優れたものであった。
【0035】(比較例)比較例として、超硬合金製のダ
イスを製作した。ベアリング部6dの形状は上記と同じ
ものとするため、放電加工により下穴の成形加工後、ダ
イヤモンド研磨材で研磨加工をして仕上げた。なお、放
電加工の電極は加工に従い徐々に溶けるため、下穴を成
形するのに片側のみからすることはできず、上下両側か
ら加工した。以上のようにして穴の加工をしたが、コー
ナRの大きさは、40μmまでしか加工できず、これ以
上小さなRに加工することはできなかった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイヤモ
ンドダイスは、ダイス本体が焼結ダイヤモンドからなる
ので、穴が小さく、さらにコーナー部のRが小さい、高
精度な異形線用ダイスを得ることが出来る。また、本発
明のダイヤモンドダイスを製造するには、焼結ダイヤモ
ンドを使い、レーザーと放電加工によりダイス形状を成
形するものであるので、穴が小さくさらにコーナー部の
Rが小さい異形線用のダイスが容易にしかも高精度に得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンドダイスの使用状態を示す
断面図である。
【図2】本発明のダイス本体の例を示す正面図である。
【図3】本発明のダイス本体で、図2のA−A断面図で
ある。
【図4】本発明のダイス本体の第2の例を示す正面図で
ある。
【図5】本発明のダイス本体の第2の例で、図4のB−
B断面図である。
【符号の説明】
1 ダイス本体 2 ケース 3 焼結合金 4 超硬合金製サポートリング 5 焼結ダイヤモンド 6 傾斜部 6a ベル 6b アプローチ 6c リダクション 6d ベアリング 6e バックリリーフ 6f エクジット 7 ダイス穴

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結ダイヤモンドをダイス本体とし、ベ
    アリング部の正面形状が異形でありかつコーナー部のR
    を0.02mm以上0.6mm以下とし、かつその他の
    部分は直線で構成されていることを特徴とする異形線伸
    線用ダイヤモンドダイス。
  2. 【請求項2】 前記ダイス本体は、外周部に超硬合金製
    のサポートリングを有する焼結ダイヤモンドであること
    を特徴とする請求項1記載の異形線伸線用ダイヤモンド
    ダイス。
  3. 【請求項3】 前記焼結ダイヤモンドを構成するダイヤ
    モンド粒子の平均粒径が、0.5μm以上6μm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の異形線伸線
    用ダイヤモンドダイス。
  4. 【請求項4】 前記異形が正方形又は長方形のいずれか
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の異形線伸線用ダイヤモンドダイス。
  5. 【請求項5】 前記長方形又は正方形の相対する面の距
    離が、0.1mm以上0.6mm以下であることを特徴
    とする請求項4記載の異形線伸線用ダイヤモンドダイ
    ス。
  6. 【請求項6】 ダイスのベアリング部の長さが、0.0
    5mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求
    項1から5のいずれかに記載の異形線伸線用ダイヤモン
    ドダイス。
  7. 【請求項7】 ダイスのリダクション、ベアリング、バ
    ックリリーフ部の長さの合計が、0.2mm以上1.0
    mm以下であることを特徴とする請求項1から6のいず
    れかに記載の異形線伸線用ダイヤモンドダイス。
  8. 【請求項8】 前記焼結ダイヤモンドに形成された穴の
    最大径hの前記焼結ダイヤモンドの直径dに対する比率
    (h/d×100)は、3%以上25%以下であること
    を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の異形線
    伸線用ダイヤモンドダイス。
  9. 【請求項9】 前記焼結ダイヤモンドの厚みTの前記焼
    結ダイヤモンドに形成された穴の最大径hに対する比率
    (T/h)は、1.5以上10以下であることを特徴と
    する請求項1から8のいずれかに記載の異形線伸線用ダ
    イヤモンドダイス。
  10. 【請求項10】 2又は3段のダイスを直列に並べ、そ
    の最終段のダイスが、焼結ダイヤモンドを使ったダイス
    本体とし、ベアリング部の正面形状においてコーナー部
    のRを0.02mm以上0.6mm以下とし、その他の
    部分は直線で構成されていて、銅又はステンレスの断面
    が円である線材を伸線することにより異形線を製造する
    方法。
  11. 【請求項11】 銅又はステンレスの断面が円である線
    材を圧延ロールにより成形した後、ダイス本体に焼結ダ
    イヤモンドを使い、ベアリング部の正面形状においてコ
    ーナー部のRを0.06mm以上0.6mm以下とし、
    その他の部分は直線で構成されているダイスにより前記
    線材を伸線することにより異形線を製造する方法。
JP2002195337A 2001-12-21 2002-07-04 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法 Expired - Fee Related JP3755877B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002195337A JP3755877B2 (ja) 2001-12-21 2002-07-04 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-390305 2001-12-21
JP2001390305 2001-12-21
JP2002195337A JP3755877B2 (ja) 2001-12-21 2002-07-04 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003245711A true JP2003245711A (ja) 2003-09-02
JP3755877B2 JP3755877B2 (ja) 2006-03-15

Family

ID=28677024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002195337A Expired - Fee Related JP3755877B2 (ja) 2001-12-21 2002-07-04 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3755877B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104889190A (zh) * 2015-05-27 2015-09-09 安徽捷澳电子有限公司 一种超极细贵金属挤压扁模制备方法
CN105414222A (zh) * 2015-10-27 2016-03-23 山东中佳新材料有限公司 一种异径管用开式拉拔模
WO2018123513A1 (ja) 2016-12-26 2018-07-05 株式会社アライドマテリアル 異形ダイヤモンドダイス
CN109967540A (zh) * 2019-04-01 2019-07-05 成都星达铜业有限公司 一种铜线拉丝模具
CN116060465A (zh) * 2023-02-08 2023-05-05 杭州光德复合材料科技有限公司 一种高强度铜丝的制备工艺

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104889190A (zh) * 2015-05-27 2015-09-09 安徽捷澳电子有限公司 一种超极细贵金属挤压扁模制备方法
CN105414222A (zh) * 2015-10-27 2016-03-23 山东中佳新材料有限公司 一种异径管用开式拉拔模
WO2018123513A1 (ja) 2016-12-26 2018-07-05 株式会社アライドマテリアル 異形ダイヤモンドダイス
EP3536414A4 (en) * 2016-12-26 2020-08-05 A.L.M.T. Corp. ATYPICAL SHAPED DIAMOND SECTOR
US10807135B2 (en) 2016-12-26 2020-10-20 A.L.M.T. Corp. Shaped diamond die
CN109967540A (zh) * 2019-04-01 2019-07-05 成都星达铜业有限公司 一种铜线拉丝模具
CN116060465A (zh) * 2023-02-08 2023-05-05 杭州光德复合材料科技有限公司 一种高强度铜丝的制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3755877B2 (ja) 2006-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101811247B (zh) 一种异型粉末冶金精密模具加工方法
CN101108432B (zh) 滚齿刀及其成型方法
CN107039151B (zh) 磁性体的制造方法、及使用其磁性体的线圈部件的制造方法
EP2397254A1 (en) Method for multiple cutoff machining of rare earth magnet
CN110114156B (zh) 异形金刚石模具
JP2003245711A (ja) 異形線伸線用ダイヤモンドダイス及び異形線材の製造方法
JP2015044275A (ja) ボールエンドミル
JP4416113B2 (ja) 異形線伸線用ダイヤモンドダイス
JP6470956B2 (ja) 樹脂封止用金型とその製造方法
EP1510266B1 (en) Material for diamond sintered body die and diamond sintered body die
JP2006278919A (ja) 瓦状希土類焼結磁石及びその製造方法並びに希土類焼結磁石成形用金型
KR20050098002A (ko) 스퍼터링 대상물용 금속 블랭크를 형성하는 방법
CN207606675U (zh) 一种加工氧化锆陶瓷的磨头
JP4236859B2 (ja) 切断用ホイール及びその製造方法
JP2006212726A (ja) 電着ドレスギヤ
JP2018122365A (ja) ボールエンドミル
JP3601953B2 (ja) シーマ付コアドリル
JP6988633B2 (ja) ステータコア及びモータ
CN201544125U (zh) 一种薄壁角型金刚石滚轮
CN106270200A (zh) 一种六瓣组合模具及其加工方法
JP2002239912A (ja) シリコンウエハ外周部加工用ベベリングホイール及びその製造方法
JP2001212769A (ja) 超砥粒ホイール
JP3611721B2 (ja) 真空遮断器用電極の製造方法
JP2002093647A (ja) 希土類磁石の製造方法
CN116053019A (zh) 一种烧结钕铁硼球形磁钢的加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3755877

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110106

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110106

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140106

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees