JP2003238809A - 放射線硬化性シリコーンゴム組成物および接着性シリコーンエラストマーフィルム - Google Patents
放射線硬化性シリコーンゴム組成物および接着性シリコーンエラストマーフィルムInfo
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Abstract
として短時間に製造でき、使用時の工程を合理化でき、
しかも低弾性で十分な耐熱性、強固な接着性及び加工性
を有する接着性シリコーンエラストマーフィルム、それ
を用いたシリコーンエラストマーフィルム被覆体及び構
造体を提供する。 【解決手段】(a)一分子中にアクリロイル基およびメ
タクリロイル基から選ばれる基2個以上を有するオイル
状オルガノポリシロキサン: 100重量部 (b)放射線増感材: 有効量、および (c)一分子中にヒドロシリル基1個以上を有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン: 0.5〜50重量部 (場合により、(d)アルコキシシランおよびアルコキ
シシランの部分加水分解縮合物から選ばれる化合物を50
重量部以下) を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物、および
該組成物をフィルム状に成形し、得られたフィルムを放
射線硬化させることによって得られる接着性シリコーン
ゴムエラストマーフィルム。
Description
コーンゴム組成物、該組成物をフィルム状に成形した、
電子部品の接着性フィルムとして有用な接着性シリコー
ンエラストマーフィルム、それを用いたシリコーンエラ
ストマーフィルム被覆体および構造体並びにダイボンデ
ィング方法に関する。
グ用やTABテープの接着用途にエポキシ系の接着性フ
ィルムが使用されている。しかし、これらの接着性フィ
ルムは、耐熱性が不十分であり、また低弾性化が不可能
であるという問題を有する(高弾性体では、例えば2つ
の異種の基板間に接着層として貼り合わせて使用した場
合、熱的および機械的応力を緩和し難く、製品の信頼性
を低下させる)。一方、シリコーン系の接着性フィルム
は一般に高耐熱性で低弾性であるが、十分な接着性と作
業性を有し、容易に製造できるものは知られていない。
コーンエラストマーフィルムを提案しているが(特開20
00-234060号公報参照)、厳しい条件下、例えば、−55
℃〜150℃のヒートサイクル試験においては、接着力が
未だ不十分であり、場合によっては接着不良による剥離
等が起こることがあった。
いが簡単で、均一な形状の清浄なフィルムを短時間に製
造することができる放射線硬化性シリコーンゴム組成
物、また使用時の工程を合理化でき、しかも低弾性で十
分な耐熱性や強固な接着性を有し、加工性に優れた接着
性シリコーンエラストマーフィルム、該フィルムを用い
たシリコーンエラストマーフィルム被覆体および構造体
並びにダイボンディング方法を提供することにある。
基から選ばれる基2個以上を有するオイル状オルガノポ
リシロキサン: 100重量部 (b)放射線増感剤: 有効量、および (c)一分子中にヒドロシリル基1個以上を有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン: 0.5〜50重量部 を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物を提供す
る。
状に成形し、得られたフィルムを放射線硬化させること
によって得られる接着性シリコーンゴムエラストマーフ
ィルムを提供する。また、本発明は、第三に、上記接着
性シリコーンエラストマーフィルムで基体の一部または
全部を覆い、ついで加熱して該フィルムを基体に接着さ
せることにより得られるシリコーンエラストマーフィル
ム被覆体を提供する。
リコーンエラストマーフィルムを二つの基体間に挟み、
ついで加熱して該フィルムを接着させ両基体を相互に結
合させることによって得られる構造体を提供する。さら
に、本発明は、第五に、上記接着性シリコーンエラスト
マーフィルムをダイと該ダイを装着すべき基体の所定箇
所との間に挟んで配置し、該フィルムを該ダイと基体と
の間で加熱して接着させることを特徴とするダイボンデ
ィング方法を提供する。
発明に係る放射線硬化性シリコーンゴム組成物は、下記
(a)〜(c)成分(場合により、さらに(d)成分)
を含有してなる。
クリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれる基
(以下、「(メタ)アクリロイル基」という)2個以上
を有するオイル状オルガノポリシロキサンはベースポリ
マーとして使用される成分であって、例えば下記一般式
(I)で表されるものを挙げることができる。
置換の1価炭化水素基であり、Xは下記一般式(II):
は酸素原子であり、R3は1〜3個の(メタ)アクリロ
イル基を有する炭素原子数4〜25の1価有機基であり、
R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1
価炭化水素基であり、R5 は独立に炭素原子数1〜18の
1価炭化水素基であり、またpは1〜3の整数であり、
qは0〜2の整数であり、かつpとqの合計は1〜3で
ある。)で表わされる基であり、また、Lは8〜10,000
の整数である。〕
(メタ)アクリロイル基の数は3以上であることが好ま
しく、さらには4以上であることがより好ましい。
くは置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水
素基である。この1価炭化水素基の具体例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル
基、ノニル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘ
キセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等
のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニ
ルプロピル基等のアラルキル基;または、これらの基の
炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部をハロゲ
ン原子、シアノ基等の置換基で置換した、クロロメチル
基、シアノエチル基、トリフルオロプロピル基などの基
等が挙げられるが、R1 の50モル%以上がメチル基であ
り、かつ25モル%以下がフェニル基であるものが好まし
く、より好ましくは80モル%以上、特に90モル%以上
(80〜100モル%、特に90〜100モル%)がメチル基であ
り、10モル%以下(0〜10モル%)がフェニル基である
ものが望ましい。
の点からみて好ましくは2価炭化水素基である。この2
価炭化水素基の具体例としては、エチレン基、プロピレ
ン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基等の炭素原
子数2〜4のアルキレン基が挙げられるが、好ましくは
エチレン基である。
好ましくは2〜3個、更に好ましくは3個の(メタ)ア
クリロイル基(特に、(メタ)アクリロイロキシ基とし
て)を有する。該(メタ)アクリロイル基の具体例とし
ては、CH2=CHCO−、CH2=C(CH3)CO−等が挙げられる。
R3 の具体例としては、CH2=CHCOOCH2CH2−、[CH2=C
(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)3C−CH2−、
(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2−等の、1〜3個のアクリ
ロイロキシ基またはメタクリロイロキシ基で置換された
炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数2〜6のアル
キル基などが挙げられるが、好ましくは、CH2=CHCOOCH
2CH2−、[CH2=C(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2=CH2COO
CH2)3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2−、CH2=
C(CH3)COOCH2CH2−、[CH2=C(CH3)COOCH2]2C(C2H5)−CH
2−および(CH2=CHCOOCH2)[CH2=C(CH3)COOCH2]CH−、
更に好ましくは、[CH2=C(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2
=CHCOOCH2)3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH
2−、(CH2=CHCOOCH2)[CH2=C(CH 3)COOCH2]CH−であ
る。一般式(II)におけるR4 は、好ましくは置換また
は非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。
R4 の具体例としては、一般式(I)におけるR1 とし
て例示したものと同じものが挙げられるが、R1 の場合
と同様に、R4 の50モル%以上がメチル基であり、かつ
25モル%以下がフェニル基であるものが好ましく、より
好ましくは80モル%以上、特に90モル%以上(80〜100
モル%、特に90〜100モル%)がメチル基であり、10モ
ル%以下(0〜10モル%)がフェニル基であるものが望
ましい。
炭素原子数1〜8の1価炭化水素基である。R5 の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基;シク
ロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のア
リール基;アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のア
ルケニル基等が挙げられるが、好ましくはアルケニル基
等の脂肪族不飽和基である場合を除く。また、一般式
(I)において、Lは、好ましくは18〜1,000、より好
ましくは48〜500の整数である。
シロキサンとしては、具体的には下記のものを挙げるこ
とができる。
トリフルオロプロピル基を表す。Lは前記のとおりであ
る。〕
オルガノポリシロキサンは感放射線性基として−OR3
基を有している(即ち、一分子中に2〜18個、好ましく
は3〜12個、より好ましくは4〜12個の(メタ)アクリ
ロイル基を有している)ので、紫外線等の放射線照射に
より容易に硬化するという特徴を持っている。このオル
ガノポリシロキサンは1種単独または2種以上組み合わ
せて使用することができる。
ンは、例えば、対応するクロロシロキサンと活性水酸基
を有する(メタ)アクリロイル官能性化合物との脱塩化
水素反応等により製造することができる。ここでクロロ
シロキサンとしては下記式で表されるものが例示され
る。
能性化合物としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシ-1-アクリロキシ-3-メタクリロキシプ
ロパン等が例示されるが、目的とするオルガノポリシロ
キサンが各末端のケイ素原子に結合した2〜9個の(メ
タ)アクリロイル基を含有する基を有することが好まし
いことから、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
トおよび2-ヒドロキシ-1-アクリロキシ-3-メタクリロキ
シプロパンが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレートが更に好ましい。
としては、特に限定されないが、好ましくはベンゾフェ
ノンなどのベンゾイル化合物(またはフェニルケトン化
合物)、特に、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-
オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メ
チルプロパン-1-オンなどのカルボニル基のα−位の炭
素原子上にヒドロキシ基を有するベンゾイル化合物(ま
たはフェニルケトン化合物);2,4,6-トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビスアシルモ
ノオルガノフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメト
キシベンゾイル)-2,4,4,-トリメチルペンチルフォスフ
ィンオキサイド等のオルガノホスフィンオキサイド化合
物;更にイソブチルベンゾインエーテル等のベンゾイン
エーテル化合物;アセトフェノンジエチルケタール等の
ケタール化合物;チオキサントン系化合物;アセトフェ
ノン系化合物等が例示される。これらは1種単独または
2種以上組み合わせて使用することができる。(b)成
分の配合量は、有効量でよいが、例えば(a)成分100
重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜
5.0重量部である。
ドロシリル基1個以上を有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは、ヒドロシリル基(即ち、SiHで表
される、ケイ素原子に結合した水素原子)を有する点に
特徴があり、該成分がフィルム中に含まれることによ
り、高温で各種基板に熱圧着する際に、該オルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンのSi−H結合が切断し、通
常の基体表面に多数存在する−OH基、−H基(活性水
素基)等と化学結合(例えば、−OSi−、−Si−S
i−等)を形成するので、基板とシートの接着を強固に
する。この接着強度を発現させるため、熱圧着時の温度
としては150℃以上、望ましくは200℃以上とする必要が
ある。また、(c)成分の使用量は、(a)成分のオル
ガノポリシロキサン100重量部あたり0.5〜50重量部、好
ましくは1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部で
ある。
ェンポリシロキサンは、その分子構造に特に制限はな
く、従来製造されている線状、分岐状、三次元網状構造
(樹脂状)等各種のものが使用可能であるが、一分子中
に1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは3個
以上の珪素原子に結合した水素原子(SiHで表される
ヒドロシリル基)を有する必要があり、通常、1〜500
個、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜100個程
度のSiHを有することが望ましい。このオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンとしては、下記組成式(3)
で示されるものが用いられる。
ましくは炭素原子数1〜10の、珪素原子に結合した非置
換または置換の1価炭化水素基あるいは炭素原子数1〜
4のアルコキシ基であり、このR6 における非置換また
は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソピロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラル
キル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロ
ペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニ
ル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の
水素原子の一部または全部をフッ素、臭素、塩素等のハ
ロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、クロ
ロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリ
フロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。な
お、この非置換または置換の1価炭化水素基としてのR
6 は、場合によっては2個のR6 同士が結合してエチレ
ン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレ
ン基等のアルキレン基等の炭素原子数2〜6の2価炭化
水素基を形成してもよい。また、アルコキシ基としては
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基
等が挙げられる。R6 は、非置換または置換の1価炭化
水素基としては、好ましくはアルキル基、アリール基で
あり、より好ましくはメチル基、フェニル基である。ま
た、アルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エ
トキシ基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0
で、かつb+cが0.8〜3.0を満足する正数であり、好ま
しくは、bは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cが1.5〜
2.5である。
上、より好ましくは3個以上含有されるSiH基は、分
子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、
またこの両方に位置するものであってもよい。また、こ
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造
は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれで
あってもよいが、一分子中の珪素原子の数(または重合
度)は、通常、2〜1,000個、好ましくは3〜300個、よ
り好ましくは4〜150個程度のものが望ましく、25℃に
おける粘度が、通常、1〜100,000mPa・s、好ましく
は、1〜5,000mPa・s程度の、室温(25℃)で液状のも
のが使用される。
ることが可能である。一般的な製造方法を挙げると、例
えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/ま
たは1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラハイドロシ
クロテトラシロキサンと末端基源となる1,3-ジハイドロ
-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンとを、あるいは、
1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラハイドロシクロ
テトラシロキサン(およびオクタメチルシクロテトラシ
ロキサン)と末端基源となるヘキサメチルジシロキサン
とを硫酸、トリフルオロメタンカルボン酸、メタンカル
ボン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の温度で平
衡化させることによって容易に得ることができる。
リシロキサンとして具体的には、1,3-ジハイドロ-1,1,
3,3-テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェン
シクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサ
ン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端
ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシ
ロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサ
ン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合
体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジ
ェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキ
サン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ
基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロ
キサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HS
iO1/2単位と(CH3)3HSiO1/2単位とSiO4/2単
位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とS
iO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2
単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とから
なる共重合体などが挙げられる他、下記のものが例示さ
れる。
m=2〜300の整数)
m=2〜300の整数)
ランおよびアルコキシシランの部分加水分解縮合物から
選ばれる少なくとも1種の化合物は、任意成分である
が、必要に応じ、(c)成分と併用することにより、本
発明のフィルムにおける接着性を相乗的により強固にす
るために用いられる。(d)成分の使用量は(a)成分
のオルガノポリシロキサン100重量部あたり50重量部以
下、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10
重量部である。
はその部分加水分解縮合物(即ち、分子中に少なくとも
1個、好ましくは2個以上の残存アルコキシ基を有する
オルガノポリシロキサン(オリゴマー))として、具体
的には下記の化合物を上げることができる。
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ(イソプ
ロポキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラ(イソ
ブトキシ)シラン、テトラ(tert-ブトキシ)シラン等のテ
トラアルコキシシシラン等のテトラアルコキシシラン;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン等の1価炭化水素基として、低級アルキル
基、アリール基等を有するオルガノトリアルコキシシラ
ン、並びにこれらのアルコキシシラン部分加水分解縮合
物(即ち、分子中に1個、好ましくは2個以上の残存ア
ルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(オリゴマ
ー))等が挙げられる他、下記のオルガノポリシロキサ
ンが挙げられる。
である。)
>本発明の接着性シリコーンエラストマーフィルムは、
上記放射線硬化性シリコーンゴム組成物をフィルム状に
成形した後、放射線を照射して硬化させることにより得
ることができる。なお、本発明の接着性シリコーンエラ
ストマーフィルムは、シートである場合を含むものであ
る。
るシリコーンエラストマーフィルムで基体の一部または
全部を覆い、ついで加熱して該フィルムを基体に接着さ
せることにより、被覆体を得ることができる。この際、
加熱温度は、80〜250℃が好ましく、さらに100〜200℃
が好ましい。基体としては、Si、Al、Cu、Ni、
Cr、Au、Agおよびその他の各種金属、エポキシ樹
脂、ベークライト、ポリイミド、ポリエステル、シリコ
ーン樹脂などが挙げられる。
あり、市販のコーターにて連続的に成形できる。また、
その紫外線架橋型の硬化工程は、市販の紫外線照射装置
(水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノン水
銀灯等)を用いて連続的に実施することができる。照射
するエネルギーは、200〜10,000mJ/cm2 が好まし
く、照度は40〜1,000mW/cm2 が好ましい。また、照
射装置内部は、発熱の影響を避けるために、ファン等に
より冷却することが好ましい。
ボンディングマウンターを用いて行うことができる。ま
た、熱プレス等によっても同様な効果が得られる。例え
ば、基体(基板)上に、接着性シリコーンエラストマー
フィルムを載置し、これに対して半導体チップをマウン
トした加圧ツールを圧着すると同時にヒーター加熱し
て、半導体チップを接着性シリコーンエラストマーフィ
ルムを介して基体(基板)と一体とした接合体を得るこ
とができる。
よって説明する。なお、例中、部は重量部、式中のMe
はメチル基、Phはフェニル基、Etはエチル基を表
す。また、アクリロイル官能性オルガノポリシロキサン
は、特開2000-234060号公報の記載に準じて合成した。
オルガノポリシロキサンとして下記構造の化合物を100
部
ロパン-1-オンを2部、2,4,6-トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイドを1部、テトラメトキ
シシランを3部、および
シロキサンを5部混合し、放射線硬化性オルガノポリシ
ロキサン組成物を得た。
×横100mm、深さ1mm)に流し込み、メタルハライ
ド水銀灯2灯を備えたコンベア炉(照度:400mW/cm
2 )内で2秒間、紫外線を照射し(照射量:800mJ/c
m2 )、放射線硬化させた。得られた接着性シリコーン
エラストマーフィルムの硬さをJIS K6301に従
って測定した。なお、硬さはスプリング式A型試験機で
測定した。その結果を表4に示す。次に、上記シリコー
ンエラストマーフィルムを縦25mm×横10mmに切り、
基体(基板)としてアルミニウム、シリコンウエハ、ポ
リイミドフィルム、ガラスまたはポリカーボネートの各
2枚のテストピース間に挟み、これを100gf/cm2
で圧着し、150℃で60分間加熱硬化させて構造体を製造
し、せん断接着力を測定した。その結果を表5に示す。
代えて、下記式で表されるテトラメトキシシランの部分
加水分解縮合物(メトキシシロキサンオリゴマー)3部
を用いた以外は実施例1と同様にして組成物を調製し
た。
ルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行
った。その結果を表4および表5に示す。
代えて、下記式で表されるテトラエトキシシランの部分
加水分解縮合物(エトキシシロキサンオリゴマー)3部
を用いた以外は実施例1と同様にして組成物を調製し
た。
ルムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行
った。その結果を表4および表5に示す。
分の配合量を表1で示したとおりに変更した以外は、実
施例2と同様にして組成物を調製し、この組成物を用い
て接着性シリコーンエラストマーフィルムおよび構造体
を製造し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を
表4および表5,6に示す。
シリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンお
よび下式で表されるテトラメトキシシランの部分加水分
解縮合物を表2で示した量用いた他は実施例2と同様に
して組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シリコ
ーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、実施
例1と同様の試験を行った。その結果を表4および表7
に示す。
下記式:
シロキサンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同
様にして組成物を調製し、この組成物を用いて接着性シ
リコーンエラストマーフィルムおよび構造体を製造し、
実施例1と同様の試験を行った。その結果を表4および
表7に示す。
ガノハイドロジェンポリシロキサンおよびテトラメトキ
シシランの部分加水分解縮合物を表3で示した量用いた
こと以外は、実施例2と同様にして組成物を調製し、こ
の組成物を用いて接着性シリコーンエラストマーフィル
ムおよび構造体を製造し、実施例1と同様の試験を行っ
た。その結果を表4および表7に示す。
機で測定
成物は、成形後の短時間の放射線照射により均一な形状
で清浄な接着性シリコーンエラストマーフィルムを与え
る。この接着性シリコーンエラストマーフィルムは、下
記のような利点を有する。 (1)接着性が強固であり、加工性が良いので、カット
により定型の接着層を形成することができる。 (2)低弾性であるため、2つの異なる基板の貼り合わ
せにおける熱的及び機械的応力を緩和し、接着した製品
の安定性および信頼性を向上できる。 (3)硬化物であるため、取扱いが簡単である。 (4)フィルム状成形品として供給されるため、使用時
の工程(接着した製品を製造する工程)が合理化でき
る。
5)
状に成形し、得られたフィルムを放射線硬化させること
によって得られる接着性シリコーンエラストマーフィル
ムを提供する。また、本発明は、第三に、上記接着性シ
リコーンエラストマーフィルムで基体の一部または全部
を覆い、ついで加熱して該フィルムを基体に接着させる
ことにより得られるシリコーンエラストマーフィルム被
覆体を提供する。
好ましくは2〜3個、更に好ましくは3個の(メタ)ア
クリロイル基(特に、(メタ)アクリロイロキシ基とし
て)を有する。該(メタ)アクリロイル基の具体例とし
ては、CH2=CHCO−、CH2=C(CH3)CO−等が挙げられる。
R3 の具体例としては、CH2=CHCOOCH2CH2−、[CH2=C
(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)3C−CH2−、
(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2−等の、1〜3個のアクリ
ロイロキシ基またはメタクリロイロキシ基で置換された
炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数2〜6のアル
キル基などが挙げられるが、好ましくは、CH2=CHCOOCH
2CH2−、[CH2=C(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2=CHCOOC
H2)3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2−、CH2=C
(CH3)COOCH 2CH2−、[CH2=C(CH3)COOCH2]2C(C2H5)−CH2
−および(CH2=CHCOOCH2)[CH2=C(CH3)COOCH2]CH−、更
に好ましくは、[CH2=C(CH3)COOCH2]3C−CH2−、(CH2=
CHCOOCH2)3C−CH2−、(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2−、
(CH2=CHCOOCH2)[CH2=C(CH3)COOCH2]CH−である。一般
式(II)におけるR4 は、好ましくは置換または非置換
の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。R4 の具
体例としては、一般式(I)におけるR1 として例示し
たものと同じものが挙げられるが、R1 の場合と同様
に、R4 の50モル%以上がメチル基であり、かつ25モル
%以下がフェニル基であるものが好ましく、より好まし
くは80モル%以上、特に90モル%以上(80〜100モル
%、特に90〜100モル%)がメチル基であり、10モル%
以下(0〜10モル%)がフェニル基であるものが望まし
い。
ましくは炭素原子数1〜10の、珪素原子に結合した非置
換または置換の1価炭化水素基あるいは炭素原子数1〜
4のアルコキシ基であり、このR6 における非置換また
は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソピロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラル
キル基や、これらの基の水素原子の一部または全部をフ
ッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換
したもの、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル
基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエ
チル基等が挙げられる。なお、この非置換または置換の
1価炭化水素基としてのR6 は、場合によっては2個の
R6 同士が結合してエチレン基、プロピレン基、テトラ
メチレン基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基等の炭
素原子数2〜6の2価炭化水素基を形成してもよい。ま
た、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブト
キシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。R6 は、非
置換または置換の1価炭化水素基としては、好ましくは
アルキル基、アリール基であり、より好ましくはメチル
基、フェニル基である。また、アルコキシ基としては、
好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。また、bは
0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cが0.8〜3.0を
満足する正数であり、好ましくは、bは1.0〜2.0、cは
0.01〜1.0、b+cが1.5〜2.5である。
リシロキサンとして具体的には、1,3-ジハイドロ-1,1,
3,3-テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェン
シクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサ
ン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端
ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシ
ロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサ
ン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合
体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジ
ェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキ
サン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ
基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロ
キサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HS
iO1/2単位と(CH3) 3SiO1/2単位とSiO4/2単位
とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSi
O4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単
位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからな
る共重合体などが挙げられる他、下記のものが例示され
る。
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ(イソプ
ロポキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラ(イソ
ブトキシ)シラン、テトラ(tert-ブトキシ)シラン等のテ
トラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン等の1価炭化水素
基として、低級アルキル基、アリール基等を有するオル
ガノトリアルコキシシラン、並びにこれらのアルコキシ
シラン部分加水分解縮合物(即ち、分子中に1個、好ま
しくは2個以上の残存アルコキシ基を有するオルガノポ
リシロキサン(オリゴマー))等が挙げられる他、下記
のオルガノポリシロキサンが挙げられる。
>本発明の接着性シリコーンエラストマーフィルムは、
上記放射線硬化性シリコーンゴム組成物をフィルム状に
成形した後、放射線を照射して硬化させることにより得
ることができる。本組成物はペースト状であり、市販の
コーターにて連続的に成形できる。また、その紫外線架
橋型の硬化工程は、市販の紫外線照射装置(水銀灯、高
圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノン水銀灯等)を用
いて連続的に実施することができる。照射するエネルギ
ーは、200〜10,000mJ/cm2 が好ましく、照度は40〜
1,000mW/cm2 が好ましい。また、照射装置内部は、
発熱の影響を避けるために、ファン等により冷却するこ
とが好ましい。なお、本発明の接着性シリコーンエラス
トマーフィルムは、シートである場合を含むものであ
る。
トマーフィルムを二つの基体間に挟み、ついで加熱して
該フィルムを両基体に接着させて、両基体を相互に結合
させることにより、構造体を得ることができる。この
際、加熱温度は、80〜250℃が好ましく、さらに100〜20
0℃が好ましい。基体としては、Si、Al、Cu、N
i、Cr、Au、Agおよびその他の各種金属、エポキ
シ樹脂、ベークライト、ポリイミド、ポリエステル、シ
リコーン樹脂などが挙げられる。
×横100mm、深さ1mm)に流し込み、メタルハライ
ド水銀灯2灯を備えたコンベア炉(照度:400mW/cm
2 )内で2秒間、紫外線を照射し(照射量:800mJ/c
m2 )、放射線硬化させた。得られた接着性シリコーン
エラストマーフィルムの硬さをJIS K6301に従
って測定した。なお、硬さはスプリング式A型試験機で
測定した。その結果を表4に示す。次に、上記シリコー
ンエラストマーフィルムを縦25mm×横10mmに切り、
基体(基板)としてアルミニウム、シリコンウエハ、ポ
リイミドフィルム、ガラスまたはポリカーボネートの各
2枚のテストピース間に挟み、これを9.81kPa(100g
f/cm2)で圧着し、150℃で60分間加熱硬化させて構
造体を製造し、せん断接着力を測定した。その結果を表
5に示す。
Claims (6)
- 【請求項1】(a)一分子中にアクリロイル基およびメ
タクリロイル基から選ばれる基2個以上を有するオイル
状オルガノポリシロキサン: 100重量部 (b)放射線増感剤: 有効量、および (c)一分子中にヒドロシリル基1個以上を有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサン: 0.5〜50重量部 を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物。 - 【請求項2】さらに(d)アルコキシシランおよびアル
コキシシランの部分加水分解縮合物から選ばれる化合物
を50重量部以下含有することを特徴とする請求項1に記
載の組成物。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の組成物をフィル
ム状に成形し、得られたフィルムを放射線硬化させるこ
とによって得られる接着性シリコーンゴムエラストマー
フィルム。 - 【請求項4】請求項3に記載の接着性シリコーンエラス
トマーフィルムで基体の一部または全部を覆い、ついで
加熱して該フィルムを基体に接着させることにより得ら
れるシリコーンエラストマーフィルム被覆体。 - 【請求項5】請求項3に記載の接着性シリコーンエラス
トマーフィルムを二つの基体間に挟み、ついで加熱して
該フィルムを接着させ両基体を相互に結合させることに
よって得られる構造体。 - 【請求項6】請求項3に記載の接着性シリコーンエラス
トマーフィルムをダイと該ダイを装着すべき基体の所定
箇所との間に挟んで配置し、該フィルムを該ダイと基体
との間で加熱して接着させることを特徴とするダイボン
ディング方法。
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