JP2003237495A - 自動車用モールディング - Google Patents

自動車用モールディング

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JP2003237495A
JP2003237495A JP2002036569A JP2002036569A JP2003237495A JP 2003237495 A JP2003237495 A JP 2003237495A JP 2002036569 A JP2002036569 A JP 2002036569A JP 2002036569 A JP2002036569 A JP 2002036569A JP 2003237495 A JP2003237495 A JP 2003237495A
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JP
Japan
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ethylene
weight
polymer composition
olefin
molding
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Application number
JP2002036569A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Nakada
一之 中田
Yasubumi Yamamoto
泰文 山本
Yasuhisa Hosoai
康久 細合
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観、耐傷付き性、金属芯材と被覆材料
の層間接着性に優れた自動車用モールディングの提供。 【解決手段】 金属芯材上の少なくとも一部に熱可塑性
重合体層が被覆されてなる自動車用モールディングであ
って、熱可塑性重合体層の少なくとも一部がエチレン系
アイオノマー樹脂(A)50〜90重量部とオレフィン
系熱可塑性エラストマー(B)50〜10重量部からな
る重合体組成物層で構成されていることを特徴とする自
動車用モールディング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルトラインモー
ル、ドアモール、ルーフモールのような金属芯材を有す
る自動車用モールディングに関する。さらに詳しくは、
耐傷付き性、外観等が良好な非PVC系の自動車用モー
ルディングに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ベルトラインモール、ドアモー
ル、ルーフモールのような金属芯材を有する自動車用モ
ールディングにおいては、被覆層としてカーボンブラッ
クを配合した黒色の軟質塩化ビニル樹脂(PVC)が多
用されている。しかしながら軟質塩化ビニル樹脂におい
ては、樹脂に配合されている液状可塑剤が経時的に表面
に進出してくるため、表面が変色したり、低温での耐衝
撃性が低下したりするという欠点を有している。加え
て、燃費改善に向けた軽量化の動き、環境問題からの材
料のリサイクル化あるいは焼却時の腐食性ガス発生防止
などの要望から、PVC系材料からオレフィン系重合体
材料への変換が強く求められるようになってきた。
【0003】このようなPVC代替材料として、柔軟で
耐熱性の優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーの使
用が考えられるが、金属芯材に対する接着性が乏しく、
また耐傷付き性、光沢などにも劣るため、使用部位によ
っては単味で使用するには問題がある。一方、エチレン
系アイオノマー樹脂は、無色透明で自由に着色すること
ができ、また金属芯材との接着性、耐傷付き性、光沢に
優れており、PVC代替材料として魅力的な素材である
が、柔軟性に優れるものは耐熱性に劣り、また光沢は優
れるもののテカテカ感があるため、柔軟性、耐熱性及び
若干光沢を抑えた外観良好なものが求められている使用
部位用としては、必ずしも適したものではなかった。
【0004】さらに自動車用モールディングの種類によ
っては、自動車の塗装面を傷付けないようにするため、
モールディングの側縁部に、より柔軟なリップ部を設け
ることが求められているが、生産性の点から、モールデ
ィング本体材料として、モールディング本体とリップ部
を異型共押出しによって一体成形して層間接着性良好な
モールディングが得ることが可能な材料であることも求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのよう
な現状に鑑み、耐傷付き性、外観、金属芯材との接着
性、リップ材料との接着性等に優れたオレフィン系重合
体材料からなる自動車用モールディングを求めて、鋭
意、検討を行った。その結果、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーとエチレン系アイオノマー樹脂の特定割合の
重合体組成物を使用した自動車用モールディングが、こ
のような諸要件を満足することを見出すに至り、本発明
に到達した。したがって本発明の目的は、外観、耐傷付
き性、金属芯材と被覆材料との層間接着性等が優れた自
動車用モールディングを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、金属芯材上の少なくとも一部に熱可塑性重合体層が
被覆されてなる自動車用モールディングであって、熱可
塑性重合体層の少なくとも一部がエチレン系アイオノマ
ー樹脂(A)50〜90重量部とオレフィン系熱可塑性
エラストマー(B)50〜10重量部からなる重合体組
成物層で構成されていることを特徴とする自動車用モー
ルディングが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の上記重合体組成物層の1
成分として使用されるエチレン系アイオノマー樹脂
(A)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカル
ボキシル基の少なくとも一部が金属イオンで中和された
ものである。アイオノマー樹脂(A)のベースポリマー
となるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、
耐傷付き性、耐衝撃性などを考慮すると、不飽和カルボ
ン酸含量が1〜30重量%、とくに5〜25重量%のも
のを使用するのが好ましい。かかる共重合体は、エチレ
ンと不飽和カルボン酸の二元共重合体のみならず、任意
に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよ
い。しかしながらこのような他の単量体を多く含むもの
は一般に柔軟で融点が低く、組成物の耐傷付き性や耐熱
変形性を損なうことがあるので、多元共重合体を使用す
る場合には、例えば、他の単量体含量が20重量%以
下、とくに10重量%以下のものを使用するのが望まし
い。ベースポリマーとなる上記共重合体は、高温、高圧
下のラジカル共重合によって得ることができる。
【0008】上記共重合体における不飽和カルボン酸と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フ
マル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マ
レイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示
することができるが、とくに好ましいのは、アクリル酸
又はメタクリル酸である。また上記他の単量体として
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエ
ステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソ
オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチ
ル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エス
テル、一酸化炭素などを例示することができる。とくに
好適な他の単量体は、アクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルである。
【0009】アイオノマー樹脂(A)は、上記エチレン
・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部あ
るいは全部を金属イオンで中和することによって得られ
る。重合体組成物の加工性、耐傷付き性等を考慮する
と、アイオノマー樹脂としては、金属イオンによる中和
度が20〜90%、とくに30〜85%のものを使用す
るのが好ましい。
【0010】アイオノマー樹脂における金属イオンとし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ
金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金
属、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、クロム、鉛、マン
ガン、アルミニウムなどの典型金属及び遷移金属などか
ら選ばれるものである。とくに好ましくはナトリウム、
アルカリ土類金属あるいは亜鉛である。アイオノマー樹
脂としてはまた、これら金属イオンを2種以上含むもの
を使用してもよい。これらアイオノマー樹脂(A)は、
さらに有機アミン、例えば、n−へキシルアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン、メタキシレンジアミンなどで錯化合物を形成
しているものであってもよい。
【0011】アイオノマー樹脂(A)としてはまた、高
温、高圧下のラジカル共重合によって得られるエチレン
・不飽和カルボン酸エステル共重合体、例えばエチレン
・アクリル酸エステル共重合体をけん化することによっ
て得られるものを少なくとも一部に使用することができ
る。
【0012】上記アイオノマー樹脂(A)としては、組
成物の加工性、耐傷付き性、耐衝撃性等を考慮すると、
190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート
(MFR)が0.1〜100g/10分、とくに0.5
〜20g/10分のものを使用するのが好ましい。アイ
オノマー樹脂としてはまた、JIS A硬度が80〜9
8、とくに85〜95程度のものを使用するのが好まし
い。
【0013】本発明でアイオノマー樹脂(A)と共に使
用されるオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、
オレフィン系共重合ゴムとオレフィン系プラスチックを
必須成分とし、少なくともオレフィン共重合体ゴム成分
が部分的にあるいは高度に架橋されているものであっ
て、エラストマー的性質を有するものである。
【0014】上記オレフィン共重合ゴムは、エチレン・
プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムのよう
なオレフィンを主体とする非晶性ないし低結晶性の共重
合体であって、過酸化物によって架橋できるものが好ま
しく、とくにエチレンを主成分とするエチレン・αーオ
レフィン共重合ゴム、とりわけエチレン・プロピレン共
重合ゴムやエチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴム
が好適である。上記エチレン・プロピレン・ポリエン共
重合ゴムにおけるポリエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジビニ
ルベンゼンなどを例示することができる。
【0015】上記過酸化物架橋型オレフィン共重合ゴム
として好適なエチレン・プロピレン共重合ゴムやエチレ
ン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムにおいては、エチ
レンとプロピレンの重合比率は、エチレン/プロピレン
がモル比で50/50〜90/10、とくに55/45
〜85/15のものが好ましい。またポリエンの含有量
としては、共重合ゴムの沃素価が16以下となるような
割合で存在しているものを使用するのが好ましい。共重
合ゴムとしてはまた、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)が10〜180、とくに40〜120程度のものが
望ましい。
【0016】オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成
するオレフィン系プラスチック成分としては、1種又は
それ以上のオレフィンから種々の製法で製造される高結
晶性の重合体もしくは共重合体であって、例えばエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペ
ンテンなどの重合体もしくは共重合体を挙げることがで
きる。これらの中では、過酸化物分解型プラスチック、
例えばポリプロピレン(少量の他のオレフィンとの共重
合体を含む)と、ポリエチレン、とくに直鎖低密度ポリ
エチレンとから選ぶのが好ましく、とくにポリプロピレ
ンを少なくとも一成分とするものが好ましい。
【0017】オレフィン系熱可塑性エラストマーには、
任意にポリイソブチレン、ブチルゴム、アタクチックポ
リプロピレン、プロピレンが主成分のプロピレン・エチ
レン共重合ゴムのような過酸化物分解型ゴムや鉱物油の
ような柔軟化剤が含まれていてもよい。この熱可塑性エ
ラストマーの典型的な製法は、上記各成分に有機過酸化
物を加え、動的に架橋する方法であり、このようにして
得られる部分架橋物をそのままあるいはさらに結晶性オ
レフィン系プラスチックをブレンドした形で用いること
ができる。より具体的には、エチレン・α―オレフィン
共重合ゴム100〜20重量部、オレフィン系プラスチ
ックス0〜80重量部、過酸化物分解型ゴムと柔軟化剤
の合計0〜100重量部からなる混合物を有機過酸化物
の存在下で動的に架橋することによって得られる部分架
橋ゴム組成物100〜30重量部とオレフィン系プラス
チックス0〜70重量部とからなる混合物であって、最
終混合物中100重量部当たりのオレフィン系プラスチ
ックス成分が5〜70重量部となるように調製されたも
のを使用することができる。
【0018】オレフィン系熱可塑性エラストマーは上記
製法に限定されるものではなく、例えば部分架橋したエ
チレン・α―オレフィン共重合ゴムとオレフィン系プラ
スチックスを単純にブレンドしたタイプのものであって
もよい。またさらに、無水マレイン酸のようなもので変
性されたものであってもよい。
【0019】オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、230℃、10kg荷重におけるMFRが1〜10
0g/10分、とくに5〜70g/10分程度のものを
使用することが望ましい。またショアA硬度が45〜9
5、とくに50〜90程度のものを使用するのが好まし
い。
【0020】このような熱可塑性エラストマーとして、
例えばミラストマー、サーモラン、サントプレン、住友
TPE、グドマー、アクティマー、レオストマー、トリ
ニティー、P.E.R、AMZELなどの商品名で市販
されているものを使用することができ、これらは市場か
ら容易に入手することができる。
【0021】本発明の自動車用モールディングにおい
て、アイオノマー樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー(B)からなる重合体組成物層の両者の配合
比率は、両者の合計量を100重量部とするときに、
(A)が50〜90重量部、好ましくは50〜85重量
部、一層好ましくは50〜75重量部に対し、(B)が
50〜10重量部、好ましくは50〜15重量部、一層
好ましくは50〜25重量部となる割合である。このよ
うな配合割合とすることにより、柔軟性、耐傷付き性、
金属芯材との接着性、外観等が良好な自動車用モールデ
ィングとすることができる。(A)と(B)の組成物を
得るためには、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミ
キサーなどを用いて溶融混合すればよい。
【0022】本発明の自動車用モールディングにおける
上記重合体組成物層には、耐候性、寸法安定性、意匠性
等を高めるため、上記アイオノマー樹脂(A)とオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(B)に加え、両者の合計
量100重量部当たり、カーボンブラックが1〜10重
量部、とくに1.5〜8重量部となる割合で配合されて
いることが好ましい。カーボンブラックとしては、例え
ば粒径が5〜500nm程度のものが好適に使用され
る。
【0023】本発明の上記重合体組成物層にはまた、本
発明の目的を損なわない範囲内において他の重合体や他
の各種添加剤を配合することができる。このような他の
重合体の例として、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エ
チレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタ
クリル酸エステル共重合体などのエチレン・不飽和エス
テル共重合体を挙げることができる。
【0024】また上記他の添加剤の一例として、酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染
料、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防黴剤、
抗菌剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、発泡助剤、無機充
填剤、繊維強化材などを挙げることができる。カーボン
ブラックやこのような他の添加剤は、アイオノマー樹脂
(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の溶
融混合物に添加することができるし、またアイオノマー
樹脂(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)
の溶融混合時に添加することもできる。さらには(A)
と(B)の混合に先立ち、予め(A)と(B)のいずれ
か一方の成分あるいは両方の成分に添加しておいてもよ
い。
【0025】上記添加剤においては、とりわけ長期の屋
外使用に耐えるためには、酸化防止剤、光安定剤及び紫
外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を配合すること
が望ましい。酸化防止剤としては、テトラキス[メチレ
ン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンなどで代表されるヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、光安定剤としては、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケートなどで代表されるヒンダードアミン系光
安定剤、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノンなどで代表されるベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤や2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどで代表
されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適に使用
できる。これらの効果的な添加量は、アイオノマー樹脂
(A)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の
合計100重量部に対し、それぞれ0.01〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。
【0026】上記添加剤として使用可能な顔料の例とし
ては、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、群青、紺青、アゾ顔
料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料など、また無機充
填剤としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、重質
炭酸カルシウム、カオリン、けいそう土、シリカ、アツ
ミナ、アスベスチ、グラファイト、ウィスカー、金属
粉、ガラス球、ガラス繊維、カーボン繊維などを例示す
ることができる。
【0027】本発明の自動車用モールディングは、所望
形状の金属芯材上の少なくとも一部に熱可塑性重合体層
が被覆されてなるものであり、熱可塑性重合体層の少な
くとも一部が上述のアイオノマー樹脂(A)とオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(B)からなる重合体組成物
層で構成されるものである。すなわち金属芯材上に直接
上記重合体組成物層が形成されてなるものであってもよ
く、また金属芯材上に接着剤及び/又は他の熱可塑性重
合体層を介して上記重合体組成物層が形成されてなるも
のであってもよい。いずれにしても上記重合体組成物の
優れた特性を生かすためには、自動車用モールディング
の少なくとも一部の表面層を形成するような使用態様が
好ましい。自動車用モールディングとして具体的には、
ベルトラインモール、ドアモール、ルーフモール、サイ
ドモール、ウィンドシールドモールなどを挙げることが
できる。また金属芯材としては、例えばステンレス、亜
鉛メッキ鋼板などが使用される。
【0028】本発明の自動車用モールディングに使用可
能な上記接着剤としては、例えばアイオノマー樹脂
(A)のベース樹脂として紹介したエチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体のような熱可塑性樹脂タイプ、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、シランカップリング剤のような
熱硬化性樹脂タイプのものを例示することができる。金
属芯材に直接上記重合体組成物を被覆しても充分な層間
接着強度を得ることができるが、金属芯材と上記重合体
組成物との層間接着力の信頼性を高めるためには、この
ような接着剤の使用が好ましい。
【0029】本発明に自動車用モールディングの熱可塑
性重合体層として使用可能な上記重合体組成物以外の熱
可塑性重合体としては、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性
エラストマーなどを例示することができる。より具体的
には、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体などのエチレ
ン・極性モノマー共重合体、ナイロン、ポリカーボネー
トなどのエンジニアリングプラスチックなどを例示する
ことができる。また熱可塑性エラストマーとしては、上
記重合体組成物の一方の成分であるオレフィン系エラス
トマー(TPO)、ポリアミド系エラストマー(TPA
E)、スチレン系エラストマーなどを例示することがで
きる。これらの中では、エチレン・極性モノマー共重合
体やTPOの使用が好ましい。TPOとして具体的に
は、既に紹介した商品名のものを例示することができ
る。
【0030】これらの熱可塑性樹脂や熱可塑性エラスト
マーからなる層には、上記(A)及び(B)からなる上
記重合体組成物層との熱融着性を高めるために、エチレ
ン・不飽和カルボン酸共重合体を少量、例えば熱可塑性
樹脂又は熱可塑性エラストマーに対して30重量%位ま
で配合することができる。このようなエチレン・不飽和
カルボン酸共重合体としては、例えばアイオノマー樹脂
(A)のベースポリマーとして紹介したものであって、
190℃、2160g荷重におけるMFRが、0.1〜
100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分
のものを挙げることができる。
【0031】本発明の自動車用モールディングにおいて
は、金属芯材と上記熱可塑性重合体被覆層とからモール
ディング本体を形成すると共に、その側縁に柔軟性樹脂
からなるリップ部を設けてもよい。リップ部材料として
は、上記重合体組成物より柔軟な材料であり、また上記
重合体組成物と溶融接着性が優れ、しかも共押出可能な
材料が好ましく、例えば、上記重合体組成物の一成分と
して例示したオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)
あるいはエチレン・不飽和エステル共重合体を挙げるこ
とができる。
【0032】上記リップ部材料として使用可能なエチレ
ン・不飽和エステル共重合体として具体的には、エチレ
ンと、酢酸ビニル、あるいはアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸イソブチルのような不飽和カルボン酸エステ
ルなどの不飽和エステルとの共重合体であって、不飽和
エステル含量が1〜40重量%、好ましくは5〜30重
量%のものを例示することができる。かかるエチレン・
不飽和エステル共重合体としてはまた、モールディング
本体材料となる前記重合体組成物との熱融着性を高める
ために、アクリル酸やメタクリル酸が少量、例えば10
重量%以下程度共重合されたものであってもよい。エチ
レン・不飽和エステル共重合体としてはまた、190
℃、2160g荷重におけるMFRが、0.1〜100
g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものが好
ましい。このようなエチレン・不飽和エステル共重合体
は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることが
できる。
【0033】上記リップ部材料となるオレフィン系熱可
塑性エラストマーあるいはエチレン・不飽和エステル共
重合体には、モールディング本体材料となる前記重合体
組成物との熱融着性を高めるために、エチレン・アクリ
ル酸共重合体やエチレン・メタクリル酸共重合体のよう
なエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を配合すること
ができる。このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重
合体としては、例えばアイオノマー樹脂(A)のベース
ポリマーとして既に紹介したものであって、190℃、
2160g荷重におけるMFRが、0.1〜100g/
10分、好ましくは0.2〜50g/10分のものを挙
げることができる。このようなエチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体の配合量は、リップ部材料として充分な柔
軟性を維持する範囲内で決められるべきものであり、例
えば全体の30重量%以下程度とされる。
【0034】上記リップ部材料にはまた、上記(A)と
(B)とからなる重合体組成物に添加することが可能な
カーボンブラックやその他添加剤を同様に配合すること
ができる。
【0035】本発明の自動車用モールディングの1例を
第1図に示す。第1図(a)において、自動車用モール
ディング1は、金属芯材2と、それに被覆された(A)
と(B)からなる重合体組成物層3からなる。第1図
(b)において、自動車用モールディング4は、金属芯
材5と、それに被覆された(A)と(B)からなる重合
体組成物層6とからなるモールディング本体7と、その
側縁部に共押出しによって形成された柔軟性樹脂からな
るリップ部8からなる。同様に第1図(c)において、
自動車用モールディング9は、金属芯材10と、それに
被覆された(A)と(B)からなる重合体組成物層11
とからなるモールディング本体12と、その側縁部に共
押出しによって形成された柔軟性樹脂からなるリップ部
13からなる。第1図(d)において、自動車用モール
ディング14は、金属芯材15と、それに被覆された
(A)と(B)からなる重合体組成物層16とからなる
モールディング本体17と、その側縁部に共押出しによ
って形成された柔軟性樹脂からなるリップ部18からな
る。
【0036】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。尚、実施例で用いた原料及び得られた組成物の評
価方法は、以下の通りである。
【0037】1.使用原料 (1)アイオノマー樹脂(A) アイオノマー1:エチレン・メタクリル酸共重合体(メ
タクリル酸含量8重量%)の亜鉛アイオノマー(中和度
50%、MFR1g/10分(190℃、2160g荷
重)、JIS A硬度96) (2)オレフィン系熱可塑性エラストマー(B) エラストマー1:商品名ミラストマー9020N(MF
R12g/10分(230℃、10kg荷重))、三井
化学(株)製 エラストマー2:商品名ミラストマー9070N(MF
R20g/10分(230℃、2160g荷重))、三
井化学(株)製 (3)添加剤 添加剤1:エチレン・酢酸ビニル共重合体ベースのカー
ボンブラックマスターバッチ
【0038】 2.評価方法 (1)MFR:JIS K6760準拠 測定温度190℃、荷重2160gで測定 (2)引張特性:JIS K6760準拠 JIS3号試験片、引張速度200mm/分 (3)JIS A硬度:JIS K6301準拠
【0039】[参考例1〜3]表1の組成の重合体組成
物を、圧縮比3.0のフルフライト型スクリューを備え
た40mmφ単軸押出機を用い、150mm幅フィッシ
ュテールダイから、表1の重合体組成物を溶融押出しし
て、110mm幅、0.5mm厚みのシートを成形し
た。成形したシートの評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で、被覆層と金属
芯材との層間接着性が良好で、耐傷付き性、外観の優れ
た自動車用モールディングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車用モールディングの実施例を示す図面
である。
【符号の説明】
1 自動車用モールディング 2 金属芯材 3 重合体組成物層 4 自動車用モールディング 5 金属芯材 6 重合体組成物層 8 リップ部 9 自動車用モールディング 10 金属芯材 11 重合体組成物層 13 リップ部 14 自動車用モールディング 15 金属芯材 16 重合体組成物層 18 リップ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属芯材上の少なくとも一部に熱可塑性
    重合体層が被覆されてなる自動車用モールディングであ
    って、熱可塑性重合体層の少なくとも一部がエチレン系
    アイオノマー樹脂(A)50〜90重量部とオレフィン
    系熱可塑性エラストマー(B)50〜10重量部からな
    る重合体組成物層で構成されていることを特徴とする自
    動車用モールディング。
  2. 【請求項2】 上記重合体組成物層が、表皮層の少なく
    とも一部を構成していることを特徴とする請求項1記載
    の自動車用モールディング。
  3. 【請求項3】 オレフィン系熱可塑性エラストマー
    (B)が、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムとオレ
    フィン系プラスチックを必須成分として含有し、前記エ
    チレン・α−オレフィン共重合ゴムが部分的に又は高度
    に架橋されており、また前記オレフィン系プラスチック
    の少なくとも一部が過酸化物分解型プラスチックである
    請求項1又は2記載の自動車用モールディング。
  4. 【請求項4】 上記重合体組成物層に、(A)と(B)
    の合計量100重量部当たり、カーボンブラックが1〜
    10重量部配合されていることを特徴とする請求項1〜
    3記載の自動車用モールディング。
  5. 【請求項5】 上記重合体組成物層が、接着剤及び/又
    は他の熱可塑性重合体層を介して金属芯材に被覆されて
    なる請求項1〜4記載の自動車用モールディング。
  6. 【請求項6】 側縁部に、軟質樹脂からなるリップ部が
    設けられてなる請求項1〜5記載の自動車用モールディ
    ング。
  7. 【請求項7】 リップ部の軟質樹脂が、オレフィン系熱
    可塑性エラストマー又はエチレン・不飽和エステル共重
    合体である請求項6記載の自動車用モールディング。
  8. 【請求項8】 リップ部の軟質樹脂が、オレフィン系熱
    可塑性エラストマー又はエチレン・不飽和エステル共重
    合体とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の混合樹脂
    である請求項6記載の自動車用モールディング。
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