JPH1192603A - 熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用したシート - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびそれを使用したシート

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JPH1192603A
JPH1192603A JP25647497A JP25647497A JPH1192603A JP H1192603 A JPH1192603 A JP H1192603A JP 25647497 A JP25647497 A JP 25647497A JP 25647497 A JP25647497 A JP 25647497A JP H1192603 A JPH1192603 A JP H1192603A
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JP
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molecular weight
thermoplastic elastomer
elastomer composition
sheet
weight
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JP25647497A
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Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Takeshi Kawaguchi
剛 川口
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HDPEとの熱融着による接着性が良好で、高
温おいても高い強度を保持できるPE含有熱可塑性エラ
ストマー組成物の提供。 【解決手段】(a)EPDM、(b)PP、および
(c)PEを含有し、(a)/((b)+(c))の重
量比が20/80〜70/30で、(b)/(c)の重
量比が30/70〜90/10であり、(c)の50重
量%以上が超高分子量PEである熱可塑性エラストマー
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はHDPEとの熱融着
による接着性が良好で、高温での材料強度の高いPE含
有熱可塑性エラストマー組成物およびシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、産業廃棄物処分場用遮水シート及
びトンネル工法等で使用される防止シート、更にまた建
築用ルーフィング材料などに使用される防水シート等に
用いられている材質として、エチレン・プロピレン・ジ
エン共重合ゴム(EPDM)系の加硫ゴム組成物など
は、柔軟性、耐候性には優れているものの機械的強度が
不足したり、熱融着できないという欠点があった。一方
多く使用される高密度ポリエチレン(HDPE)などの
樹脂材料は、高破壊強度は有しているが、柔軟性に欠け
るとともに、熱融着性は有するものの硬いため熱をかけ
ても物理的に融着しにくく、加工性に劣るという欠点が
あった。これに対し、近年、ポリプロピレン系樹脂(P
P)とEPDMゴム組成物よりなりゴム組成物に動的加
硫を施した熱可塑性エラストマー組成物を使用した熱融
着可能な柔軟シートが注目されている。シート防水法に
最も広く用いられているのが高密度ポリエチレン(HD
PE)製のシートであり、このためシート防水法に用い
られる他のシートはHDPEとの接着、特に熱融着が可
能であるのが好ましい。このようなシートのうち凹凸の
ある面に使用可能な柔軟性を有するものとしてPP/E
PDMからなる熱可塑性エラストマーにエチレン共重合
体を配合してなるシートが開示されているが(特開昭5
9−18741号公報、特開平2−255733号公
報)、これに用いられているエチレン共重合体は一般的
なPEで分子量が小さいためシートの強度が充分ではな
いという欠点があった。これに対し、シート強度を高め
るため高分子量のPEを直接上記熱可塑性エラストマー
に配合しようとすると、粘度が高いため均一に分散させ
ることができず、粒状になり残留してしまう。このため
シート状に成形した場合、異物として析出し、却って強
度を低下させることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はHDPEとの
接着が良好で、材料強度の高いPE含有熱可塑性エラス
トマー組成物及びシートを提供しようとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は超高分子量の
PEを直接PP/EPDMからなる熱可塑性エラストマ
ーに混合させるのではなく、予め通常のPEと混合して
おき、その混合物を熱可塑性エラストマー組成物に配合
することにより超高分子量のPEを熱可塑性エラストマ
ー組成物中に微細に分散させることができ、得られた熱
可塑性エラストマー組成物の強度を向上させることに成
功し本発明の完成に至った。すなわち、本発明の目的
は、(a)EPDM、(b)PP、および(c)PEを
含有し、(a)/((b)+(c))の重量比が20/
80〜70/30で、(b)/(c)の重量比が30/
70〜90/10であり、(c)の50重量%以上が超
高分子量PEである熱可塑性エラストマー組成物を提供
する。ここで、前記(c)PEが分子量1万〜50万の
HDPEと分子量100万以上の超高分子量PEを含
み、さらに、熱可塑性エラストマー組成物が前記超高分
子量PEとHDPEを予め混練してなる(c)PEと
(a)EPDM、(b)PPとからなることが好まし
い。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(a)EPDM
は、エチレン、プロピレンとジエンモノマーよりなるゴ
ムである。また、ジエン成分を持たない、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴム(EPM)も同様に使用できる。ジ
エンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、メチレ
ンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘ
キサジエン、シクロオクタジエンなどが挙げられる。中
でも加硫速度の速いエチリデンノルボルネンが好まし
い。第3成分の量はヨウ素価で3〜25、さらには5〜
20程度が好ましい。これらのうち、EPDMはプロピ
レン含有量が10〜70モル%、さらには15〜50モ
ル%であるのが好ましい。。
【0006】本発明における(b)PPとしては、プロ
ピレンを単位部分とするアイソタクチック、シンジオタ
クチイック、アタクチックのいずれの立体化学構造をと
るものであってもよい。このほかプロピレンを主成分と
し、これと共重合し得る少量の他のモノマーの共重合体
が挙げられる。共重合し得る他のモノマーとしては、エ
チレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、2
−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン
等が挙げられる。このうち、JIS K7207による
熱変形温度が100℃以上であるものが好ましい。
【0007】本発明における(c)PEはその50重量
%以上が超高分子量PEからなる。好ましくは60〜9
0重量%が超高分子量PEである。(c)PE中の超高
分子量PEの含有量が50重量%未満であると材料強度
が不十分である。超高分子量PEの分子量は100万以
上であるのが好ましく、特に100万〜200万が好ま
しい。分子量が100万未満であると得られた熱可塑性
エラストマー組成物の材料強度が不十分である。本発明
において、超高分子量PEを配合することにより熱可塑
性エラストマー組成物の材料強度を高めることができる
が、超高分子量PEを単独で配合するとその粘度が極め
て高いため熱可塑性エラストマー組成物中に微細に分散
させることが難しい。このため、本発明の(c)PEは
超高分子量PE以外の他のPEと予め混練し、(c)P
E全体の粘度を低下させておくことが好ましい。他のP
EとしてはHDPE、L−LDPE、LDPE等が挙げ
られるが、このうち、本発明における(c)PEは分子
量1万〜50万のHDPEを含むのが好ましく、特に分
子量10万〜30万のHDPEであるのが好ましい。本
発明の熱可塑性エラストマー組成物への超高分子量PE
の添加は、予め上記HDPEと混練して粘度を低下させ
た状態にして行なうのが好ましい。
【0008】熱可塑性エラストマー組成物中の(a)E
PDM、(b)PPおよび(c)PEは、(a)/
((b)+(c))の重量比が20/80〜70/3
0、好ましくは20/80〜60/40である。マトリ
ックス成分であるPPおよびPEの配合量が多過ぎると
得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が損なわ
れ、少な過ぎると流動性が不十分となる。
【0009】本発明の熱可塑性エラストマー組成物はさ
らに、架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤等の架橋系を使用
し、EPDM、PPおよび/またはPEの混練中に架橋
剤を添加し、EPDM、PPおよび/またはPEを2軸
混練押出機等で溶融混練し、マトリックスを形成するP
Pおよび/またはPE中に未架橋のEPDMを分散さ
せ、混練下で架橋剤を添加し、未架橋のEPDMを混練
中に、動的に加硫し、PPおよび/またはPEをマトリ
ックスとし、EPDMが分散相(ドメイン)として分散
し、かつ、EPDMの少なくとも一部が架橋された構成
をとるものである。ここで、始めにPP中にEPDMを
分散し、動的加硫した後に、PEを添加しても、また、
始めにPE中にEPDMを分散させ、動的加硫した後
に、PPを添加してもよい。
【0010】本発明で用いる架橋剤としては、イオウ系
架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、フェノール系架橋剤等
を用いることができる。具体的には、イオウ系架橋剤と
しては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表
面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルフ
ァイド、アルキルフェノールジサルファイド等が例示さ
れ、例えば、0.5〜4phr(EPDM中のポリマー
100重量部あたりの重量部)程度を用いればよい。有
機過酸化物系の架橋剤としては、ベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾ
エート)等が例示され、例えば、1〜15phr程度を
用いればよい。フェノール樹脂系の架橋剤としては、ア
ルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロ
プレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂と
を含有する混合架橋系等が例示され、例えば1〜20p
hr程度を用いればよい。
【0011】また、必要に応じて、架橋促進剤を添加し
てもよい。架橋促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な架橋促進剤を、例えば0.5〜2重量部程度用いれ
ばよい。
【0012】具体的には、アルデヒド・アンモニア系架
橋促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アニジン系架橋促進剤としては、ジフェニルグアニジン
等が;チアゾール系架橋促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−(4’−モルホリノ
ジチオ)ベンゾチアゾール等が;スルフェンアミド系架
橋促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアゾリルス
ルフェンアマイド(CBS)、N−オキソジエチレンベ
ンゾチアゾリル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブ
チル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアマイド、2−
(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等が;チウ
ラム系架橋促進剤としては、テトラメチルチウラムジサ
ルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサル
ファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(T
MTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイ
ド等が;ジチオ酸塩系架橋促進剤としては、Zn−ジメ
チルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバ
メート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Z
n−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチ
ルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメ
ート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリン
ピペコリルジチオカーバメート等が;チオウレア系架橋
促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウ
レア等が; それぞれ開示される。
【0013】また、架橋促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5重量部程度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこ
れらのZn塩(2〜4重量程度)等を用いればよい。
【0014】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、これ以外にも、他のゴム、軟化剤、可塑剤、老化防
止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の着色
剤、カーボンブラックやシリカ等の充填剤が必要に応じ
て含まれていてもよい。
【0015】特に、耐候性が要求される屋外シート等の
用途では、本発明の熱可塑性エラストマー組成物にカー
ボンブラックを添加してもよい。カーボンブラックを含
有することにより長期耐候性に優れる熱可塑性エラスト
マー組成物を得ることができる。カーボンブラックはE
PDM中に存在してもPPまたはPE中に存在しても、
両方に存在してもよいが、EPDM、PPおよびPEの
総重量100重量部に対して0.5〜200重量部添加
することが好ましい。
【0016】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物に軟化剤および/または可塑剤を添加すると、エラス
トマーの柔軟性を向上させることができるので好まし
く、シートにするのに好ましい。EPDM中に添加する
場合は、相溶性の点からパラフィン系オイル、特に耐熱
性を有するパラフィン系オイル等が好適に挙げられる。
添加量はEPDM100重量部に対して50〜150重
量部であるのが好ましい。
【0017】本発明の熱可塑性エラストマーに含まれる
PEは、EPDM、PPと混練する前に予め、超高分子
量PEと他PEとで、練っておく必要がある。この目的
は超高分子量PEの粘度を他PEと混合することによ
り、低下させ、EPDM、PPとともに熱可塑性エラス
トマー組成物を製造する際に微細に分散できるようにす
るためである。超高分子量PEと他PEの混合方法は、
公知のバッチ式又は連続式の混練機で可能であるが、特
に、後工程で連続的に熱可塑性エラストマー組成物を生
産をする場合には、2軸混練機等の連続混練機で、ペレ
ット化しておくと便利である。このようにして予め練っ
ておいたPEは、EPDM、PPとともに混練、動的加
硫して熱可塑性エラストマー組成物を作製する。
【0018】本発明において熱可塑性エラストマー組成
物は、PP、PEを含む熱可塑性樹脂と未加硫のEPD
M成分とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マ
トリックス)を形成する熱可塑性樹脂中にEPDM成分
を分散相(ドメイン)として分散させることによって製
造することができる。
【0019】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を動
的に加硫する方法としては公知の製造方法が利用可能で
あるが、バッチ式の製造方法を用いても良く、あるい
は、連続的にPP、PEを供給・溶融し、混練しつつ移
送しながら順次EPDMや加硫剤等を添加・混練して熱
可塑性エラストマーを製造する、2軸混練押出機等を使
用した連続的な製造方法を使用してもよい。例えば、ス
クリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練
押出機等を用いることができる。さらに2種以上の混練
機を使用して、順次混練してもよい。また、混練温度は
PPおよび/またはPEが溶融する温度以上であれば良
いが、180〜220℃が好ましい。混練時の剪断速度
は500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練
全体の時間は30秒から10分で、加硫系を添加した後
の加硫時間は15秒から5分程度とするのが好ましい。
【0020】すなわち、このように製造される熱可塑性
エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂とゴム組成物とを
素練りしながらゴムの加硫を進行させる、いわば、動的
に加硫を進行させる動的加硫(Dynamic CureまたはDyna
mic Vulcanization )により製造される熱可塑性エラス
トマー組成物である。このような製法を利用することに
より、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、少なく
とも一部が連続相となる熱可塑性樹脂相に、少なくとも
一部が不連続相となる加硫ゴム相が微細に分散した状態
となるため、この熱可塑性エラストマー組成物は加硫ゴ
ムと同様の挙動を示し、かつ、少なくとも連続相が熱可
塑性樹脂相であるため、その成形加工に際しては、熱可
塑性樹脂に準じた加工が可能である。
【0021】さらに、予め混練済のPEをEPDM/P
Pからなる動的加硫熱可塑性エラストマー組成物中に添
加して、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を作製す
ることもできる。この場合は、必要に応じて充填剤等と
ともに、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機、
ミキシングロール、ニーダー、連続ミキサー等を用い
て、180〜220℃で、0.5〜5分間混練すること
により得られる。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
柔軟性、高温下における破壊強度に優れており、ベル
ト、ロール、型物、ホース、チューブ、電線、ケーブ
ル、建築用資材、土木用資材、農業用、建築用や土木用
などのシート又はフィルム、包装フィルム等に使用する
ことができる。特に廃棄物処理場用の遮水シート、また
はビルの屋上やトンネル工法などに使用される防水シー
トに好適に用いられる。
【0023】本発明のシートは常用のシートの成形法に
より得ることができる。例えば、ペレット化した本発明
の熱可塑性エラストマー組成物をTダイ押出機、あるい
はカレンダ成形機、ブロー成形機やインフレーション成
形機等により所望の形状のシートに成形することができ
る。本発明のシートは単独で用いても良いが、必要に応
じて施工現場で熱融着等によりその端部を各種シートと
接合され使用される。本発明のシートは低温から高温に
わたる広い範囲で充分な強度を示し、ビルの屋上の防
水、産業廃棄物処理場の防水、その他の土木工事全般の
防水施工用に使用することができる。
【0024】
【実施例】
<熱可塑性エラストマー組成物の調製>下記表1に示す
配合に従って予め超高分子量PEとHDPEを混練した
PE混合物を調製した。混練機は2軸混練押出機を用い
て、180℃、剪断速度1000s-1の条件で作製し
た。次いで、下記表2に示す配合に従ってゴム、オイ
ル、及びカーボンブラックのみを、密閉式バンバリーミ
キサーに投入し、100℃、5分間混合して、エラスト
マー成分を調製した。その後、エラストマー成分をゴム
用ロールで厚さ2.5mmにシート出しし、さらにゴム
用ペレタイザーを用いてペレット化した。次に、PPと
混練済PEとを、2軸混練機の第1の投入口に投入して
混練し、次に第2の投入口からエラストマー成分を投入
し、これらの成分を混練した。さらに第3投入口より加
硫剤を添加し、混練条件は混練温度200℃、剪断速度
11150s-1で動的に加硫せしめた後に、先端部よ
り、ストランド状に押し出し、このストランドを水冷・
冷却した後に樹脂用ペレタイザーでペレット化して、熱
可塑性エラストマーを調製した。
【0025】<シートの製造>得られたペレットを単軸
押出成形機により、シリンダー温度200℃で厚さ1.
5mmのシートに成形した。得られたシートを試験片と
し以下の評価において使用した。
【0026】<破壊強度評価>25、−20、80℃の
各温度条件でJIS K6301に準拠して、引っ張り
強さ、破断伸びを測定した。 <HDPEとの接着強度>表2記載の各シートをHDP
E(S6008G、日本ポリオレフィン社製)製のシー
トと200℃のプレスにて20kg/cm2 の圧力で熱
融着し、JISK6854に準拠して剥離試験を行なっ
た。表中の記載は以下のとおりである。 界面:界面破壊 材料:材料破壊
【0027】<劣化試験>JIS A6008に準拠
し、以下の劣化試験を実施した。 熱劣化試験:80℃、168時間加熱処理により劣化
させた後、上記のとおりJIS K6301に準拠し、
引っ張り強さ、破断伸びを測定し、試験前と比較し、そ
の保持率を測定した。 耐候性試験:JIS A6008に準拠して、サンシ
ャイン・ウェザオメータによる促進曝露試験(条件:6
3℃×1000時間、スプレーサイクル120分中18
分)の処理を行なった後JIS K6301に準拠し、
引っ張り強さ、破断伸びを測定し、試験前と比較し、そ
の保持率を測定した。 アルカリ劣化試験:20℃の水酸化カルシウム飽和水
溶液に168時間浸漬することにより劣化させた後、J
IS K6301に準拠し、引っ張り強さ、破断伸びを
測定し、試験前と比較し、その保持率を測定した。 オゾン劣化試験:オゾン濃度75pphm、温度40
℃により劣化させた後、JIS K6301に準拠し、
引っ張り強さ、破断伸びを測定し、試験前と比較し、そ
の保持率を測定した。
【0028】
【0029】
【表1】
【表2】
【0030】表中の記載は以下のとおりである。なお、
表中の記載は特に断りのない限り重量部を表す。 超高分子量PE1:ハイゼックスミリオン145M(三
井石油化学社製)、分子量150万 超高分子量PE2:ハイゼックスミリオン240M(三
井石油化学社製)、分子量240万 HDPE:エースポリエチS6008G(日本ポリオレ
フィン社製)、分子量23万 EPDM:EPT3045(三井石油化学社製) PP:MJ170(トクヤマ社製) オイル:マシン油22(昭和シェル石油社製) カーボンブラック:シーストV(東海カーボン社製) ZnO:亜鉛華3号(正同化学社製) ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製) 臭素化フェノール:タッキロール250−1(田岡化学
社製)
【0031】比較例1はマトリックス成分(PPおよび
PE)が少ないため、EPDM成分が連続相となり混練
が不可能であった。比較例2は超高分子量PEを添加し
ていないため、常温、80℃での強度が不十分であっ
た。比較例3は超高分子量PEを直接添加したために均
一に分散することができず、全ての温度条件下において
却って材料強度が低下した。比較例4はPEを配合しな
かったため、HDPEシートとの接着が不十分であっ
た。以上の結果より、予め、超高分子量PEとHDPE
を混練したものを用いて、熱可塑性エラストマー組成物
を作製すれば、物性に優れ、かつ、HDPEとの接合力
に富んだシートが得られる。
【0032】
【発明の効果】本発明により高温下における強度に優
れ、HDPEとの接着性にも優れたPE含有熱可塑性エ
ラストマー組成物および該エラストマー組成物を提供す
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン−プロピレン共重合系ゴム
    (EPDM)、(b)ポリプロピレン系樹脂(PP)、
    および(c)ポリエチレン系樹脂(PE)を含有し、
    (a)/((b)+(c))の重量比が20/80〜7
    0/30で、(b)/(c)の重量比が30/70〜9
    0/10であり、(c)の50重量%以上が超高分子量
    PEである熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】前記(c)PEが重量分子量1万〜50万
    の高密度ポリエチレン(HDPE)と分子量100万以
    上の超高分子量PEを含む請求項1に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  3. 【請求項3】前記超高分子量PEとHDPEを予め混練
    してなる(c)PEと(a)EPDM、(b)PPを含
    有する請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー組成物を使用したシート。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003012878A (ja) * 2001-06-27 2003-01-15 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物及び成形体
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