JP2003236985A - 容器用フィルムラミネート金属板 - Google Patents
容器用フィルムラミネート金属板Info
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Abstract
加工に要求される成形性、密着性を兼ね備えた容器用フ
ィルムラミネート金属板を提供する。 【解決手段】 両面にポリエステルを主成分とする樹脂
フィルムラミネート層を有する容器用金属板であって、
容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と
接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γs
hが、4.0×10-3N/m以下であることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板である。また、前記
で容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物
と接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γsh
が、2.0×10-3N/m以下であることを特徴とする
容器用フィルムラミネート金属板である。
Description
詰の缶胴及び蓋に用いられるラミネート金属板に関する
ものである。さらに詳しくは、製缶工程での成形性及び
密着性が良好であり、内容物充填後の内容物取り出し性
に優れ、またはさらに意匠性にも優れる容器用ラミネー
ト金属板に関するものである。
あるティンフリースチール(TFS)およびアルミニウ
ム等の金属板には塗装が施されていた。この塗装を施す
技術は、焼き付け工程が複雑であるばかりでなく、多大
な処理時間を必要とし、さらに多量の溶剤を排出すると
いう問題を抱えていた。そこで、これらの問題を解決す
るため、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層
する方法が数多く提案されている。
ある金属板の密着性及び成形性の改善に関するものであ
り、その技術的思想は、概ね極性基を有するフィルム
(ポリエステル樹脂等)の適用(例えば、特開昭63−
236640号公報等)、フィルム表面へのコロナ放
電等の処理による活性化等に代表される表面自由エネル
ギーの増大(例えば、特開平5−200961号公報
等)に関するものである。特開平5−200961号公
報には、ポリエチレン樹脂被覆金属板の加工後密着性等
を確保するために、フィルムの表面自由エネルギーを
(38〜54)×10-3N/m(38〜54dyn/c
m)の範囲に規定することが具体的に記載されている。
食品缶詰用途に使用すると、容器から内容物を取り出す
際に、内容物が容器内面に強固に付着してしまい、内容
物を取り出しにくいという問題がある。この問題は、消
費者の購買意欲と密接に関係するため、内容物の取り出
しやすさを改善することは、消費者の購買意欲を確保す
る上で極めて重要である。それにもかかわらず、これま
で内容物の取り出し易さの改善に対する考慮は全くなさ
れていない。
事情を考慮し、内容物取り出し性を確保するとともに、
容器加工に要求される成形性、密着性を兼ね備えた容器
用フィルムラミネート金属板を提供することを目的とす
る。
を解決するために鋭意検討した結果、フィルム表面の自
由エネルギーの極性力成分γshの制御が重要であり、
この値を適正な数値範囲に規定することで、この目的が
達成されることを見出し、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
樹脂フィルムラミネート層を有する容器用金属板であっ
て、容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容
物と接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γs
hが、4.0×10-3N/m以下であることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。
樹脂フィルムラミネート層を有する容器用金属板であっ
て、容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容
物と接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γs
hが、2.0×10-3N/m以下であることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。
容器内面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成
分とし、質量比で樹脂フィルムに対して、5.0〜2
0.0%のオレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルム
であることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属
板。
容器内面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成
分とする樹脂フィルムであって、更に、質量比で樹脂フ
ィルムに対して、0.10〜2.0%のワックス成分を
含有する樹脂フィルムであることを特徴とする容器用フ
ィルムラミネート金属板。
容器内面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成
分とし、質量比で樹脂フィルムに対して、10.0〜2
0.0%のオレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルム
であることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属
板。
容器内面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成
分とする樹脂フィルムであって、更に、質量比で樹脂フ
ィルムに対して、0.80〜2.0%のワックス成分を
含有する樹脂フィルムであることを特徴とする容器用フ
ィルムラミネート金属板。
容器内面側になるポリエステルを主成分とする樹脂フィ
ルムは、少なくとも2層以上から構成され且つ内容物と
接する最上層にのみオレフィン樹脂がブレンドされた樹
脂フィルムであり、該オレフィン樹脂は、該樹脂フィル
ムの最上層を構成するフィルムに対して、質量比で5.
0〜20.0%ブレンドされていることを特徴とする容
器用フィルムラミネート金属板。
容器内面側になるポリエステルを主成分とする樹脂フィ
ルムは、少なくとも2層以上から構成され且つ内容物と
接する最上層にのみオレフィン樹脂がブレンドされた樹
脂フィルムであり、該オレフィン樹脂は、該樹脂フィル
ムの最上層を構成するフィルムに対して、質量比で1
0.0〜20.0%ブレンドされていることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。
容器内面側になる樹脂フィルムは少なくとも2層以上か
ら構成され且つ内容物と接する最上層にのみワックス成
分を含有する樹脂フィルムであり、該ワックス成分は、
該樹脂フィルムの最上層を構成するフィルムに対して、
質量比で0.10〜2.0%含有されていることを特徴
とする容器用フィルムラミネート金属板。
に容器内面側になる樹脂フィルムは少なくとも2層以上
から構成され且つ内容物と接する最上層にのみワックス
成分を含有する樹脂フィルムであり、該ワックス成分
は、該樹脂フィルムの最上層を構成するフィルムに対し
て、質量比で0.80〜2.0%含有されていることを
特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
う若しくはステアリン酸エステルを含有することを特徴
とする前記(4)、(6)、(9)又は(10)に記載
の容器用フィルムラミネート金属板。
フィルムが、固体高分解能NMRによる構造解析におけ
る1,4配位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρが15
0msec以上である二軸延伸ポリエステルフィルムで
あることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか
に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
ミネート層の複屈折率が0.02以下である領域が金属
板との接触界面からフィルム厚み方向に5μm未満であ
ることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに
記載の容器用フィルムラミネート金属板。
ィルム(該フィルムが2層以上から構成される場合は、
それらのうちの少なくとも1つの層)、および/また
は、容器成形後に容器外面側となる樹脂フィルムのポリ
エステルを主成分とする樹脂フィルム(該フィルムが2
層以上から構成される場合は、それらのうちの少なくと
も1つの層)に着色顔料または着色染料が添加されてい
ることを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに
記載の容器用ラミネート金属板。
アミン系有機顔料を含むことを特徴とする前記(14)
に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
ミダゾロン系有機顔料を含むことを特徴とする前記(1
4)に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
ロム錯体とフタロシアニンを含むことを特徴とする前記
(14)に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
た着色染料は、1:2クロム錯体とフタロシアニンを1
0:1の質量比で混合したものであることを特徴する容
器用フィルムラミネート金属板。
する。図1は、本発明に係るフィルムラミネート金属板
の断面模式図である。図1において、樹脂フィルムaは
容器成形後に容器内面側になるフィルム、樹脂フィルム
bは容器成形後に容器外面側になるフィルムである。
る樹脂フィルムとして、ポリエステルを主成分とする樹
脂フィルムを使用する。樹脂フィルムの主成分であるポ
リエステルはジカルンボン酸とグリコール成分とからな
るポリマーであり、ジカルボン酸成分としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレン酸ジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸等を用いることができ、なかでも
好ましくはテレフタル酸、フタル酸を用いることができ
る。また、グリコール成分としては、エチレングリコー
ル、プロパンジオール、ブタンジオール等が挙げられる
が、中でもエチレングリコールが好ましい。なお、これ
らのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を併
用しても良い。また、必要に応じて、酸化防止剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、結晶
核剤等を配合できる。
弾性率、衝撃強度等の機械特性に優れるとともに極性を
有するため、これを主成分とすることでフィルムの密着
性、成形性を容器加工に耐え得るレベルまで向上させる
とともに容器加工後の耐衝撃性を付与させることが可能
となる。
した金属板を素材とする食品容器(缶詰)の内容物取り
出し性について詳細に調査した。その結果、内容物取り
出し易さはラミネート金属板の表面自由エネルギーと相
関があり、その表面自由エネルギーを小さくすることで
容物物を取り出しやすくできることを見出し、そして、
ラミネート金属板の表面自由エネルギーを30×10-3
N/m(30dyn/cm)以下に規定することで良好
な内容物取り出し性が得られることを見出した。ここ
で、表面自由エネルギーとは、物体の表面張力とほぼ同
値であり、この値が高いほど、ぬれ易く、密着力も高く
なる。表面自由エネルギーを小さくすることで内容物と
ラミネート金属板との密着力が弱くなり、内容物が取り
出しやすくなると考えられる。
物取り出し性が要求される場合があり、前記ラミネート
金属板では満足できる内容物取り出し性が奏されない場
合のあることが明らかになった。そこで、本発明者ら
は、内容物の取り出し易さをさらに改善すべく種々の検
討を行った。その結果、表面自由エネルギーの極性力成
分γshが、内容物取り出し性の支配因子であることが
明らかになった。
と極性力成分γshに分解される。表面自由エネルギー
の分散力成分γsdは、ファンデルワールス力すなわち
分子間に働く弱い引力の中核をなす力で、無極性分子を
含むすべての分子間に働く。一方、表面自由エネルギー
の極性力成分γshは、水素結合に代表される極性基間
の強い相互作用力のことである。
内容物取り出し性の支配因子であるということは、内容
物の極性基とポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
の極性基間の相互作用力によって内容物がポリエチレン
テレフタレート樹脂フィルムに密着し、内容物が取り出
しにくくなっているためと考えられる。
面側になる樹脂フィルムの内容物と接する面の表面自由
エネルギーの極性力成分γshを規定することで、より
良好な内容物取り出し性を奏するようにできることが明
らかになった。この知見に基づき、本発明では表面自由
エネルギーの極性力成分γshを規定する。
内面側になる樹脂フィルムの内容物と接する側の面(図
1中、樹脂フィルムaの外面側)について、表面自由
エネルギーの極性力成分γshを4.0×10-3N/m
(4.0dyn/cm)以下に規定する。4.0×10
-3N/m以下に限定した理由は、4.0×10-3N/m
超となると、樹脂フィルムと内容物との密着力が過度と
なり、内容物の取り出し性が劣るためである。内容物取
り出し性をより良好にするには、前記表面自由エネルギ
ーの極性力成分γshは2.0×10-3N/m(2.0
dyn/cm)以下であることが好ましい。
理をすると、その分散力成分γsd及び極性力成分γsh
の両方が減少するが、特別な処理を行うことにより、例
外的に分散力成分γsd、極性力成分γshのいずれか一
方のみを減少させることができる。
分γshは、ラミネート前後で殆ど変化しない。従っ
て、あらかじめフィルムの表面自由エネルギーの極性力
成分γshを本発明範囲内にしたフィルムを準備し、こ
のフィルムを金属板にラミネートして、本発明のラミネ
ート金属板を得ることができる。樹脂フィルムにオレフ
ィン樹脂をブレンドし、あるいは該樹脂フィルムにワッ
クスを含有させることで、その表面自由エネルギーの極
性力成分γshを本発明で規定する範囲内にすることが
できる。
る樹脂フィルムが、オレフィン樹脂とポリエステル樹脂
をブレンドした樹脂フィルムであることを規定する。オ
レフィン樹脂をブレンドすることで、フィルムの表面自
由エネルギーの極性力成分γshを低下させることがで
きる。これにより、フィルム表面に内容物が密着し難く
なり、内容物取り出し性を飛躍的に向上させることが可
能となる。
チレン樹脂、アイオノマー樹脂が好適であるが、ポリエ
ステル樹脂とのブレンドが可能であって、フィルムの表
面自由エネルギーの極性力成分γshが本発明で規定す
る範囲であれば、これらに限定されるものではない。
ルムに対して、質量比で5.0〜20.0%の範囲にブ
レンドする。オレフィン樹脂のブレンド比を5.0%以
上に限定した理由は、5.0%未満ではフィルムの表面
自由エネルギーの極性力成分γshを4.0×10-3N
/m以下に低減できなくなり、内容物取り出し性が劣る
ためである。表面自由エネルギーの極性力成分γshを
2.0×10-3N/m以下に低減するには、オレフィン
樹脂のブレンド比を10.0%以上にすることが望まし
い。また、20.0%以下に限定したのは、20.0%
を超えると内容物取り出し性がほぼ飽和してしまい特段
の効果が得られないとともに、フィルム成膜技術的にも
困難な領域であり、生産性に乏しくコスト高を招いてし
まうからである。
る樹脂フィルムが、ワックス成分を含有するポリエステ
ルを主成分とする樹脂フィルムであることを規定する。
添加物としてワックス成分を含有させる理由は、表面
自由エネルギーの極性力成分γshを低下させること
と、表面への潤滑性付与である。の効果によってフ
ィルムに内容物が密着し難くなり、の効果によってフ
ィルム表面の摩擦係数を低下させることでもって内容物
の取り出し性を飛躍的に向上させることが可能となる。
機滑剤が使用可能であるが、脂肪酸エステル等の有機滑
剤が望ましく、中でも植物ロウの一つであって天然ワッ
クスであるカルナウバろう(主成分:CH3(CH2)24
COO(CH2)29CH3であり、この他種々の脂肪族と
アルコールからなる成分も含有する)あるいはステアリ
ン酸エステルは、上記の、効果が大きく、かつ分子
構造上当該フィルムへの添加が容易であるため好適であ
り、カルナウバろうが特に好適である。
る樹脂フィルムが、質量比で、樹脂フィルムに対して、
0.10〜2.0%のワックス成分を含有することを規
定する。ワックス成分の含有量を、0.10%以上に限
定した理由は、0.10%未満となると、上記の表面
自由エネルギーの極性力成分γshを4.0×10-3N
/m以下に低下させることができなくなり、またの効
果が乏しくなり、内容物の取り出し性が劣るためであ
る。表面自由エネルギーの極性力成分γshを2.0×
10-3N/m以下に低下するには、ワックス成分の含有
量を0.80%以上にすることが望ましい。また、2.
0%以下に限定した理由は、2.0%を超えると内容物
取り出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果が得られな
いとともに、フィルム成膜技術的にも困難な領域であり
生産性に乏しくコスト高をまねいてしまうからである。
ステルフィルムは、ポリエステルに所定量のワックスを
配合した後、通常の成膜法により製造できる。
ルム表面に塗布することによっては得られない。食品缶
詰等は、内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施す
が、その際表面に予め塗布されたワックスが内容物に吸
収されてしまうからである。本発明のようにフィルム内
に添加した場合は、レトルト処理の間に徐々にワックス
が表面に濃化するため全てが内容物に吸収されることな
く、もって前記した効果を確実に発現することが可能と
なる。
る樹脂フィルムは、固体高分解能NMRによる構造解析
における1,4配位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρ
が150msec以上である二軸延伸ポリエステルフィ
ルムであることが好ましい。二軸延伸フィルムは未延伸
フィルムに比べて優れた特徴をもち、引張強度、引裂強
さ、衝撃強さ、水蒸気透過性、ガス透過性などの性質が
著しく向上するためである。
あり、緩和時間T1ρを増加するとフィルム内の非晶部
の拘束力が高まる。二軸延伸フィルムの状態において、
1,4配位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρを増加す
ると、前記部位の分子整列性を制御し結晶構造にも似た
安定構造を形成し、これによって、成形時における非晶
部分の結晶化を抑制できるようになる。すなわち、非晶
部の運動性が低下し、結晶化のための再配向挙動が抑制
されるようになる。緩和時間T1ρを150msec以
上とすることで、上記の優れた効果を十分に発揮できる
ようになり、ラミネート後に高度の加工が行われる場合
であっても、優れた成形性、耐衝撃性が得られるように
なる。前記観点から、緩和時間T1ρは、180mse
c以上であることが好ましく、200msec以上であ
ることがさらに好ましい。
る方法としては、フィルム製造時に縦延伸工程で高温予
熱法、高温延伸法を組み合わせて採用することにより可
能であるが、特に限定されるものでなく、例えば原料の
固有粘度、触媒、ジエチレングリコール量や延伸条件、
熱処理条件などの適正化によっても可能である。フィル
ム製造時の縦延伸の予熱温度としては、90℃以上が好
ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましく
は110℃以上である。また延伸温度は105℃以上が
好ましく、より好ましくは110℃以上、さらに好まし
くは115℃以上である。
フィルムの構造としては、容器成形後に容器内面側にな
るラミネート後の樹脂フィルム(ラミネート層)について
は、複屈折率が0.02以下である領域を、金属板との
接触界面からフィルム厚み方向に5μm未満とすること
が望ましい。
せられた金属板に接触させ圧着することで金属板界面の
フィルム樹脂を溶融させ金属板に濡れさせることでフィ
ルムとの接着を行うのが通常である。従って、フィルム
と金属板との密着性を確保するためにはフィルムが溶融
していることが必要であり、必然的にラミネート後の金
属板と接する部分のフィルム複屈折率は低下することと
なる。本発明に規定するようにこの部分のフィルム複屈
折率が0.02以下であれば、ラミネート時のフィルム
溶融濡れが十分であったことを示すものであり、すなわ
ち優れた密着性を確保することが可能となる。
は、以下の測定手法にて求められる値を採用する。
属板を除去した後のフィルムの断面方向のレタデーショ
ンを測定し、樹脂フィルムの断面方向の複屈折率を求め
る。フィルムに入射した直線偏光は、二つの主屈折率方
向の直線偏光に分解される。この時、高屈折率方向の光
の振動が低屈折率方向よりも遅くなり、そのためフィル
ム層を抜けた時点で位相差を生じる。この位相差をレタ
デーションRと呼び、複屈折率△nとの関係は、式
(1)で定義される。
色光を偏光板を通過させることで、直線偏光とし、この
光をサンプル(フィルム)に入射する。入射された光は
上記のように、レタデーションを生じるため、フィルム
層を透過後、楕円偏光となる。この楕円偏光はセナルモ
ン型コンペンセーターを通過させることにより、最初の
直線偏光の振動方向に対してθの角度をもった直線偏光
となる。このθを偏光板を回転させて測定する。レタデ
ーションRとθの関係は式(2)で定義される。
れる式(3)で定義される。
は、金属板との接触界面からフィルム厚み方向へ5μm
未満の領域に限定することが望ましい。この理由は以下
のとおりである。
分子運動性は、フィルムが完全溶融するとその効果が乏
しくなり、以後の加工・加熱処理において容易に結晶化
が生じフィルムの加工性が劣化してしまう欠点を有す
る。上記に記載したようにフィルム密着性を確保するた
めには、フィルムの溶融濡れが必須となる。フィルムが
溶融した部分すなわちフィルムの複屈折率が0.02以
下である部分の厚みを5μm未満に規制することで、容
器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム(ラミネート
層)の密着性を確保しつつ、加工性、耐衝撃性を高いレ
ベルで両立することが可能となる。
チレンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエス
テルが好ましく、繰り返し単位の90モル%以上がエチ
レンテレフタレートであることが加工性、耐衝撃性の点
から望ましい。また95モル%以上とすれば、より一層
の特性向上が可能なため更に望ましい。
は、単層、複層の如何を問わない。ただし、少なくとも
2層以上から構成される複層構造の積層二軸延伸ポリエ
ステルフィルムの場合、非ラミネート面とラミネート面
の層の固有粘度差が0.01〜0.5であることが、優
れたラミネート特性、耐衝撃性を発現させる点からも望
ましい。
に金属板との密着性に優れる密着層を有していてもよ
い。密着層としては、イソフタル酸共重合ポリエチレン
テレフタレート(PET/I)など、金属板との密着性
が良く、密着層の上層に含まれるポリエチテンテレフタ
レートと相溶性のあるものが好適である。容器外面側で
は、コスト面、染料添加(後記)のしやすさの点から、
密着層にエポキシフェノール等のような接着剤を使用す
ることもできる。
フィルムを複層構造とした場合は、少なくともフィルム
の最上層すなわち、内容物と接する層(図1中、樹脂フ
ィルムaの外面側)に、ワックスが添加されているこ
と、または、オレフィン樹脂がブレンドされていること
が必要であり、経済性等の面より該フィルムの最上層の
みに、ワックスが添加あるいはオレフィン樹脂がブレン
ドされていることが望ましい。
添加あるいはオレフィン樹脂がブレンドされている場
合、ワックスの添加量は、複層構造のフィルムの最上層
を構成する樹脂フィルムに対して、質量比で0.10〜
2.0%、より好ましくは0.80〜2.0%とするこ
とで、コスト低下を実現しながら、内容物取り出し性を
良好にできる。また、オレフィン樹脂のブレンド量は、
複層構造のフィルムの最上層を構成する樹脂フィルムに
対して、質量比で5.0〜20.0%、より好ましくは
10.0〜20.0%とすることで、コスト低下を実現
しながら、内容物取り出し性を良好にできる。
るものではないが、5〜60μmであることが望まし
く、さらに好ましくは10〜40μmである。
で、下地の金属板を隠蔽し、フィルム独自の多様な色調
を付与できる。また、隠蔽性を完全とせず下地の金属光
沢を利用した光輝色の付与も可能であり、優れた意匠性
を得ることができる。更にフィルム表面への印刷と異な
り、フィルム内に直接顔料を添加して着色しているた
め、容器成形工程においても色調が脱落する問題もな
く、良好な外観を保持できる。また、一般的に容器成形
後には塗装印刷が施されるが、着色フィルムを用いるこ
とで工程の一部を省略することができ、コストの低減、
有機溶剤・二酸化炭素の発生抑制も可能となる。
た意匠性を発揮できることが必要であり、係る観点から
は、アルミニウム粉、マイカ粉、酸化チタンなどの無機
系顔料や芳香族ジアミン系有機顔料を使用できる。特に
芳香族ジアミン系有機顔料は着色力が強く、展延性にも
富むため、容器成形後も良好な意匠性を確保できるので
好適である。使用可能な芳香族ジアミン系有機顔料とし
ては、例えば黄色のイソインドリノンイエローが挙げら
れ、この顔料は下地の金属光沢とのマッチングにより、
容器の色を金色にすることが可能である。なお、当該顔
料は、FDAに認可された安全衛生物質ではないため、
容器の外面側となるフィルムへの添加に制限される。
顔料としては、容器成形後に優れた意匠性を発揮できる
観点から、ベンズイミダゾロン系有機顔料が望ましい。
この顔料は着色力・展延性に富み、FDAに認可された
安全衛生物質であるからである。例えば、ベンズイミダ
ゾロンイエローを用いれば、容器の内面を金色にするこ
とが可能である。
ルムである場合、顔料はそのうちの少なくとも1つの層
に添加すればよい。樹脂フィルムが密着層を有する場
合、顔料は密着層に添加してもよい。密着層のみに顔料
を添加することで、着色のためのコストを最小限に抑え
ることができる。
るものではないが、一般的に、樹脂フィルムに対して、
質量比で、30%以上の含有量となると、隠蔽性につい
ては飽和するとともに経済的にも不利であるため、30
%未満の範囲とすることが望ましい。
顔料の添加量は、顔料を添加した樹脂フィルム層(密着
層に添加した場合は密着層)に対する割合である。
料添加と同様の意匠性付与が可能である。意匠性に富む
金色の色調を得るためには、1:2クロム錯体とフタロ
シアニンを10:1の重量比で混合した染料が好適であ
る。添加量は、前記顔料の場合と同様、30%未満が望
ましい。コスト面からは、染料は顔料に代えて使用する
のが好ましい。染料を容器内面側になるフィルムに添加
する場合、容器内面側になるフィルムを複層フィルムと
し、染料は内容物と接しない側の層に添加することが好
ましい。例えば容器内面側になるフィルムを、密着層を
有する複層フィルムとし、染料は密着層に添加すること
が好ましい。
る。容器外面側になる樹脂フィルムに添加する顔料とし
てイソインドリノンイエローを使用し、容器内面側にな
る樹脂フィルムには、顔料としてベンズイミダゾロンイ
エロー又は染料としてクロム錯体とフタロシアニンを混
合した染料を添加することで、容器両面が金色の意匠性
に富む容器が得られる。
造方法としては、特に限定されないが、例えば各ポリエ
ステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、単独及び/また
は各々を公知の溶融積層押出機に供給し、スリット状の
ダイからシート状に押出し、静電印加等の方式によりキ
ャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シート
を得る。
び幅方向に延伸することにより二軸延伸フィルムを得
る。延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、強度、弾
性率等に応じて任意に設定することができるが、好まし
くはフィルムの品質の点でテンター方式によるものが好
ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次
二軸延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同じに延伸して
いく同時二軸延伸方式が望ましい。
してラミネート金属板を製造する方法について述べる。
本発明では、金属板をフィルムの融点を超える温度で加
熱し、その両面に該樹脂フィルムを圧着ロール(以後ラ
ミネートロールと称す)を用いて接触させ熱融着させる
方法を用いる。
するフィルム構造が得られるものであれば特に制限され
るものではない。例えば、ラミネート開始時の温度を2
80℃以上とし、ラミネート時にフィルムの受ける温度
履歴として、フィルムの融点以上の温度で接している時
間を1〜20msecの範囲とすることが好適である。
このようなラミネート条件を達成するためには、高速で
のラミネートに加え接着中の冷却も必要である。ラミネ
ート時の加圧は特に規定するものではないが、面圧とし
て9.8〜294N(1〜30kgf/cm2)が好ま
しい。この値が低すぎると、融点以上であっても時間が
短時間であるため十分な密着性を得難い。また、加圧が
大きいとラミネート金属板の性能上は不都合がないもの
の、ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な強度
が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
されているアルミニウム板や軟鋼板等を用いることがで
き、特に下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物から
なる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(いわゆるTF
S)等が最適である。
の付着量についても、特に限定されないが、加工後密着
性、耐食性の観点から、何れもCr換算で、金属クロム
層は70〜200mg/m2、クロム水酸化物層は10
〜30mg/m2の範囲とすることが望ましい。
さ0.18mm・幅977mmの冷間圧延、焼鈍、調質
圧延を施した鋼板を、脱脂、酸洗後、クロムめっきを行
い、クロムめっき鋼板(TFS)を製造した。クロムめ
っきは、CrO3、F-、SO4 2-を含むクロムめっき浴
でクロムめっき、中間リンス後、CrO3、F-を含む化
成処理液で電解した。その際、電解条件(電流密度・電
気量等)を調整して金属クロム付着量とクロム水酸化物
付着量を、Cr換算でそれぞれ120mg/m2、15
mg/m2に調整した。
置を用い、前記で得たクロムめっき鋼板1を金属帯加熱
装置2で加熱し、ラミネートロール3で前記クロムめっ
き鋼帯1の一方の面に、容器成形後に容器内面側になる
樹脂フィルムとして、表1及び2に示す各種フィルム4
a、他方の面に、容器成形後に容器外面側となる樹脂フ
ィルムとして各種フィルム4bをラミネート(熱融着)
しラミネート金属帯を製造した。
ミネート中に冷却水を強制循環し、フィルム接着中の冷
却を行った。樹脂フィルムを金属板にラミネートする際
に、金属板に接する界面のフィルム温度がフィルムの融
点以上になる時間を1〜20msecの範囲内にした。
(2)、また以上の方法で製造したラミネート金属板、
該金属板のフィルムの特性は、下記の(3)〜(9)の
方法により測定、評価した。
JNM−GX270、日本電子製固体アンプ、MASコ
ントローラNM−GSH27MU、日本電子製プローブ
NM−GSH27Tを用いた。測定は、13C核のT1ρ
(回転座標における縦緩和)測定を実施した。測定は、
温度24.5℃、湿度50%RH、静磁場強度6.34
T(テスラ)下で、1H、13Cの共鳴周波数はそれぞれ
270.2MHz、67.9MHzである。ケミカルシ
フトの異方性の影響を消すためにMAS(マジック角度
回転)法を採用した。回転数は、3.5〜3.7kHz
で行った。パルス系列の条件は、1Hに対して90°、
パルス幅4μsec、ロッキング磁場強度62.5kH
zとした。1Hの分極を13Cに移すCP(クロスポーラ
リゼーション)の接触時間は1.5msecである。ま
た保持時間τとしては、0.001、0.5、0.7、
1、3、7、10、20、30、40、50msecを
用いた。保持時間τ後の13C磁化ベクトルの自由誘導減
衰(FID)を測定した(FID測定中1Hによる双極
子相互作用の影響を除去するために高出力カップリング
を行った。なお、S/Nを向上させるため、512回の
積算を行った)。また、パルス繰り返し時間としては、
5〜15secの間で行った。
き、各保持時間に対して観測されたピーク強度を片対数
プロットすることにより、その傾きから求めることがで
きる。 I(t)=Σ(Ai)exp(−t/T1ρi) 但し、Ai:T1ρiに対する成分の割合 ここでは2成分系(T1ρ1:非晶成分、T1ρ2:結
晶成分)で解析し、下記の式を用い最小二乗法フィッテ
ィングによりその値を求めた。
・エルマー社製DSC−2型)により、10℃/min
の昇温速度で測定した。
ネート金属板の金属板を除去した後の容器内面側の樹脂
フィルムの断面方向のレタデーションを測定し、フィル
ムの断面方向の複屈折率を求めた。
sh ラミネート金属板の表面に液体を滴下したときの接触角
をθ、ラミネート金属板の表面自由エネルギーの分散力
成分をγsd、極性力成分をγsh、また液体の表面自由
エネルギーをγl、その分散力成分をγld、その極性
力成分γlhとすると、これらは次の関係を満足する。
l、γlh、γldが既知)の5つの液体(純水、グリセ
ロール、ホルムアミド、エチエングリコール、ジメチル
グリコロール)を測定物(ラミネート金属板)の表面に
滴下し、各々の液体について接触角θを測定して求める
(湿度:55〜65%、温度20℃)。
接触角θと各々の液体のγl、γl h、γldの値を代入
して、最小二乗法フィッティングで、γshを求める。
このようにして求めたγshが、ラミネート金属板の表
面自由エネルギーの極性力成分γshである。
で、ブランク径:100mm、絞り比(成形前径/成形
後径):1.88でカップ成形した。続いて、このカッ
プ内に、卵・肉・オートミールを均一混合させた内容物
を充填し、蓋を巻締め後、レトルト処理(130℃×9
0分間)を行った。その後、蓋を取り外し、カップを逆
さまにして内容物を取り出したときにカップ内側に残存
する内容物の程度を観察し、さらに手で2、3回手で振
って内容物を取り出した後にカップ内側に残存する内容
物の程度を観察することにより、内容物の取り出し易さ
の程度を評価した。 (評点について) ◎:カップをさかさまにしただけで(手で振ることな
く)内容物が取り出せ、取り出し後のカップ内面に付着
物が無い状態のもの。 ○:カップをさかさまにしただけではカップ内側に内容
物が残存するが、手で2、3回振るとカップ内面に付着
物が無い状態になるもの。 ×:手で2、3回振っても内容物の取出しが困難なも
の。
円板を打ち抜き、絞り比1.80で浅絞り缶を得た。次
いで、この絞りカップに対し、絞り比2.20及び2.
90で再絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミ
ング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン
−フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。このように
して得た深絞り缶のネックイン部に着目し、フィルムの
損傷程度を目視観察した。 (評点について) ◎:成形後フィルムに損傷なく、フィルム白化も認めら
れない。 ○:成形可能であるが、フィルム白化が認められる。 ×:缶が破胴し、成形不可能。
ール試験用のサンプル(幅15mm×長さ120mm)
を切り出した。切り出したサンプルの長辺側端部からフ
ィルムを一部剥離し、引張試験機で剥離した部分のフィ
ルムを、フィルムが剥離されたクロムめっき鋼板とは反
対方向(角度:180°)に開き、引張速度30mm/
minでピール試験を行い、幅15mmあたりの密着力
を評価した。なお、密着力測定対象面は、缶内面側とし
た。 (評点について) ◎:1.47N/15mm以上(0.15kgf/15mm以上)。 ○:0.98N/15mm以上、1.47N/15mm未満(0.10kgf/15mm以
上、0.15kgf/15mm未満)。 ×:0.98N/15mm未満(0.10kgf/15mm未満)。
各試験について10個ずつを高さ1.25mから塩ビタ
イル床面へ落とした後、電極と金属缶に6Vの電圧をか
けて3秒後の電流値を読み取り、10缶測定後の平均値
を求めた。 (評点について) ◎:0.01mA未満。 ○:0.01mA以上、0.1mA未満。 ×:0.1mA以上。
し、十分な意匠性が得られているかどうかを評価した。 (評点) ◎:均一な色調が得られ、下地の金属板の色調も完全に
隠蔽されており、美麗な仕上がりとなっている状態。 ○:ほぼ均一な色調が得られ、下地の金属板の色調も概
ね隠蔽されているため、補修のための塗装が必要のない
状態。 ×:色調にムラがあり、下地の金属板の色調が隠蔽され
ていない部分があるため、意匠性を確保するためには補
修塗装が必要な状態。
ミネート金属板について、測定、評価した結果を表1〜
3に記載した。
例は、内容物取り出し性、成形性が良好であり、さらに
密着性、意匠性も良好である。本発明例のうち、表面自
由エネルギーの極性力成分γshが2.0×10-3N/
m以下のものは内容物取り出し性がより良好性である。
これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、内容物取
り出し性、成形性のいずれかが不良である。
は、内容物取り出し性、成形性が良好であり、さらに密
着性、意匠性も良好である。本発明に係るフィルムラミ
ネート金属板は、絞り加工等を行う容器用素材、特に食
缶容器用素材として好適である。
模式図である。
部を示す図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 両面にポリエステルを主成分とする樹脂
フィルムラミネート層を有する容器用金属板であって、
容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と
接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γs
hが、4.0×10-3N/m以下であることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項2】 両面にポリエステルを主成分とする樹脂
フィルムラミネート層を有する容器用金属板であって、
容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルムの内容物と
接する面の、表面自由エネルギーの極性力成分γs
hが、2.0×10-3N/m以下であることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項3】 請求項1において、容器成形後に容器内
面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成分と
し、質量比で樹脂フィルムに対して、5.0〜20.0
%のオレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルムである
ことを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項4】 請求項1において、容器成形後に容器内
面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成分とす
る樹脂フィルムであって、更に、質量比で樹脂フィルム
に対して、0.10〜2.0%のワックス成分を含有す
る樹脂フィルムであることを特徴とする容器用フィルム
ラミネート金属板。 - 【請求項5】 請求項2において、容器成形後に容器内
面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成分と
し、質量比で樹脂フィルムに対して、10.0〜20.
0%のオレフィン樹脂をブレンドした樹脂フィルムであ
ることを特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項6】 請求項2において、容器成形後に容器内
面側になる樹脂フィルムは、ポリエステルを主成分とす
る樹脂フィルムであって、更に、質量比で樹脂フィルム
に対して、0.80〜2.0%のワックス成分を含有す
る樹脂フィルムであることを特徴とする容器用フィルム
ラミネート金属板。 - 【請求項7】 請求項1において、容器成形後に容器内
面側になるポリエステルを主成分とする樹脂フィルム
は、少なくとも2層以上から構成され且つ内容物と接す
る最上層にのみオレフィン樹脂がブレンドされた樹脂フ
ィルムであり、該オレフィン樹脂は、該樹脂フィルムの
最上層を構成するフィルムに対して、質量比で5.0〜
20.0%ブレンドされていることを特徴とする容器用
フィルムラミネート金属板。 - 【請求項8】 請求項2において、容器成形後に容器内
面側になるポリエステルを主成分とする樹脂フィルム
は、少なくとも2層以上から構成され且つ内容物と接す
る最上層にのみオレフィン樹脂がブレンドされた樹脂フ
ィルムであり、該オレフィン樹脂は、該樹脂フィルムの
最上層を構成するフィルムに対して、質量比で10.0
〜20.0%ブレンドされていることを特徴とする容器
用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項9】 請求項1において、容器成形後に容器内
面側になる樹脂フィルムは少なくとも2層以上から構成
され且つ内容物と接する最上層にのみワックス成分を含
有する樹脂フィルムであり、該ワックス成分は、該樹脂
フィルムの最上層を構成するフィルムに対して、質量比
で0.10〜2.0%含有されていることを特徴とする
容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項10】 請求項2において、容器成形後に容器
内面側になる樹脂フィルムは少なくとも2層以上から構
成され且つ内容物と接する最上層にのみワックス成分を
含有する樹脂フィルムであり、該ワックス成分は、該樹
脂フィルムの最上層を構成するフィルムに対して、質量
比で0.80〜2.0%含有されていることを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項11】 ワックス成分としてカルナウバろう若
しくはステアリン酸エステルを含有することを特徴とす
る請求項4、6、9又は10に記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。 - 【請求項12】 ポリエステルを主成分とする樹脂フィ
ルムが、固体高分解能NMRによる構造解析における
1,4配位のベンゼン環炭素の緩和時間T1ρが150
msec以上である二軸延伸ポリエステルフィルムであ
ることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の
容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項13】 容器成形後に容器内面側になるラミネ
ート層の複屈折率が0.02以下である領域が金属板と
の接触界面からフィルム厚み方向に5μm未満であるこ
とを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の容器
用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項14】 容器成形後に容器内面側になるフィル
ム(該フィルムが2層以上から構成される場合は、それ
らのうちの少なくとも1つの層)、および/または、容
器成形後に容器外面側となる樹脂フィルムのポリエステ
ルを主成分とする樹脂フィルム(該フィルムが2層以上
から構成される場合は、それらのうちの少なくとも1つ
の層)に着色顔料または着色染料が添加されていること
を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の容器用
ラミネート金属板。 - 【請求項15】 添加された着色顔料は、芳香族ジアミ
ン系有機顔料を含むことを特徴とする請求項14に記載
の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項16】 添加された着色顔料は、ベンズイミダ
ゾロン系有機顔料を含むことを特徴とする請求項14に
記載の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項17】 添加された着色染料は、1:2クロム
錯体とフタロシアニンを含むことを特徴とする請求項1
4に記載の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項18】 請求項17において、添加された着色
染料は、1:2クロム錯体とフタロシアニンを10:1
の質量比で混合したものであることを特徴する容器用フ
ィルムラミネート金属板。
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