JP2003236892A - 射出成形品及びそのゲートカット処理方法 - Google Patents

射出成形品及びそのゲートカット処理方法

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JP2003236892A
JP2003236892A JP2002045086A JP2002045086A JP2003236892A JP 2003236892 A JP2003236892 A JP 2003236892A JP 2002045086 A JP2002045086 A JP 2002045086A JP 2002045086 A JP2002045086 A JP 2002045086A JP 2003236892 A JP2003236892 A JP 2003236892A
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gate
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fan
injection
cavity
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JP2002045086A
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Takashi Matsumoto
崇 松本
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Kasai Kogyo Co Ltd
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Kasai Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピラートリム、ドアトリムロア等、平板状で
比較的広面積の射出成形品を成形性良く成形できるとと
もに、ゲートカット処理工数を低減する。 【解決手段】 スプル60、ランナ61から製品キャビ
ティCにかけて扇状のファンゲート62を形成し、この
ファンゲート62を通して溶融樹脂を製品キャビティC
内に充填することにより、気泡の発生やフローマークを
防止して成形性を高める。また、ファンゲート62の終
端部分におけるキャビティ型30、あるいはコア型40
に半円形突起63,64を設けることでファンゲート部
12の終端部分に半円形状の肉抜き部13を形成し、こ
の肉抜き部13を利用して、ニッパによるゲートカット
処理を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、射出成形品及び
そのゲートカット処理方法に係り、特に、ゲートカット
処理が簡単かつ効率良く行なえる射出成形品及びそのゲ
ートカット処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は車両のピラーパネルに内装される
ピラートリム1の断面構造を示し、ピラートリム1のよ
うな平板状の成形品は、成形品の側面から樹脂を入れる
サイドゲートが多用されている。
【0003】すなわち、図10に示すように、ピラート
リム1を成形する際に使用する射出成形型は、キャビテ
ィ型2とコア型3とから構成され、両型2,3間に画成
される製品キャビティC内にランナ4、ファンゲート5
を通じて溶融樹脂を射出充填してピラートリム1を成形
する。
【0004】この時、ファンゲート5に替えて、普通の
ピンゲートを多点で設定した場合には、気泡やフローマ
ークを残す恐れがあり、また、ゲート間にウエルドが発
生するなど、ピラートリム1のように平板で面積が比較
的大きい射出成形品を成形するには、ファンゲート5を
使用するのが有利である。
【0005】そして、図11は、ランナ4、ファンゲー
ト5を通じて製品キャビティC内に溶融樹脂を射出成形
した後のランナ部4a、ゲート部5aを示すもので、通
常のピンゲートが5mm程度であるのに対して、図示す
るようにファンゲート部5aは幅が25mm、厚みが1
〜2mmである。
【0006】更に、ピラートリム1からゲート部5aを
ゲートカットするには、図11に示すようにA矢印で示
す第1カット処理と、B矢印で示す第2カット処理を行
なっているのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来で
は、ピラートリム1のように平板状で比較的面積の大き
な射出成形品を成形するゲート構造として、ファンゲー
ト5を使用しているが、ファンゲート5の形状が扇形で
あり、射出成形品との接合部分が非常に幅広であるた
め、ニッパ等の工具でゲートカット処理を行なうことが
できず、カッターナイフを使用して第1カット処理、第
2カット処理を行なわなければならず、ゲートカット処
理が非常に煩雑であるとともに、カット不良が生じ易
く、歩留まりの低下を招くという欠点が指摘されてい
る。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、ピラートリム、ドアトリムロア等、平板状
で面積が比較的大きな射出成形品を外観不良なく良好に
成形できるファンゲートを使用した射出成形品におい
て、ゲートカット処理が簡単かつ効率良く行なえ、歩留
まりを向上させることができる射出成形品及びそのゲー
トカット処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明は、キャビティ型とコア型との間に画成さ
れる製品キャビティ内にランナから溶融樹脂を射出充填
して、所要形状に成形される射出成形品であって、前記
ランナから製品キャビティにかけて扇状でかつ終端縁が
分岐状となるファンゲートを設け、射出成形品とファン
ゲート部との接合縁に肉抜き部が形成されることを特徴
とする。
【0010】ここで、射出成形品は、平板状で比較的面
積の大きなピラートリムやドアトリムロア等に適用でき
る。更に、射出成形品を成形する成形金型は、製品キャ
ビティを画成するキャビティ型とコア型とから構成さ
れ、キャビティ型に射出機から溶融樹脂を供給するスプ
ルが設けられ、キャビティ型とコア型のパーティング面
にランナ及びファンゲートが設けられる。
【0011】ここで、ファンゲートは、コア型側及びキ
ャビティ型側のいずれに設けることもできるが、キャビ
ティ型側に設ければ、射出成形品の端面がパーティング
面と一致するため、ゲートカット処理が一工程で済む。
【0012】更に、ファンゲートに設けられる肉抜き部
は、ニッパ等の工具における一方側の刃先が挿入できる
幅を備えていれば良く、ファンゲートの幅寸法に応じて
肉抜き部の幅寸法や肉抜き部の個数を適宜選択できる。
【0013】そして、本願発明によれば、ファンゲート
により製品キャビティ内に溶融樹脂が射出充填されるた
め、普通のピンゲート等に比べ、気泡、フローマークが
生じることがなく、多点ゲート方式のものに比べウエル
ドマークが形成されることがないため、製品の外観不良
を抜本的に解決することができるとともに、ファンゲー
ト部と射出成形品との接合部分においては、ファンゲー
トの終端側が分岐状に設定され、両者間に肉抜き部が設
けられているため、この肉抜き部に工具の刃先を挿入す
れば、ニッパ等の工具でゲートカット処理を簡単に行な
うことができる。
【0014】従って、カッターナイフでゲートカット処
理を行なう従来のファンゲートの処理方法に比べ、ニッ
パ等の工具で簡単にカット処理が行なえ、カット不良を
低減でき、更に、カット時間を短縮化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る射出成形品及
びそのゲートカット処理方法の好適な実施の形態につい
て、添付図面を例示して詳細に説明する。
【0016】図1は本発明に係る射出成形品を適用した
ピラートリムを示すもので、ゲートカット処理前の状態
を示す斜視図、図2は本発明に係る射出成形品を成形す
る成形金型の構成を示す全体図、図3,図4は図2に示
す射出成形用金型におけるファンゲートの構成を示す断
面図並びに平面図、図5,図6は本発明を適用したピラ
ートリムからファンゲート部をカット処理する工程を示
す断面図並びに説明図である。図7,図8は本発明をピ
ラートリムに適用した第2実施形態を示すもので、図7
は成形時の状態を示す断面図、図8はゲートカット処理
工程を示す説明図である。
【0017】まず、図1乃至図6に基づいて、本発明の
第1実施形態について説明する。図1において、ピラー
トリム10は、図示しない車両のピラーパネルの室内側
にこれも図示しないクリップを介して装着され、ポリプ
ロピレン(PP)樹脂を射出成形することにより所要形
状に成形されている。
【0018】そして、図1は、ピラートリム10のゲー
トカット処理前の状態を示すもので、成形型内のスプ
ル、ランナ、ゲートを通じて製品キャビティ内に溶融樹
脂が射出充填されるため、ゲートカット処理前の状態で
はピラートリム10にランナ部11、ファンゲート部1
2が一体化している。
【0019】ここで、ピラートリム10のように平板状
でかつ面積の大きな成形品を成形するゲートとして、成
形性を考慮してファンゲートを使用することが前提とな
っている。
【0020】ところで、本発明に係る射出成形品の構造
上の特徴は、このファンゲート部12の終端側、すなわ
ちファンゲート部12とピラートリム10との接合縁に
沿って、ゲートカット時のカット工具の一方側の刃先を
挿入できるような肉抜き部13が形成されていることが
特徴である。
【0021】従って、従来のカッターナイフでカット処
理する方法に比べ、ニッパ等の工具で簡単にカット処理
できるため、作業性を大幅に高めることができ、かつカ
ット不良も低減でき、歩留まりを向上させることができ
るという有利さがある。
【0022】次に、図2乃至図4に基づいて、ピラート
リム10及び本発明の特徴部分であるファンゲート部1
2の成形に使用する射出成形用金型20の構成について
説明する。図2は射出成形用金型20の全体構成を示す
もので、固定側のキャビティ型30と、可動側のコア型
40とから大略構成されている。
【0023】更に詳しくは、キャビティ型30は、キャ
ビティ側取付板31にキャビティ側型板32が取り付け
られており、符号33はスプルブッシュを示す。一方、
コア型40は、コア側取付板41の上面にスペーサブロ
ック42を介してコア側受板43が取り付けられ、更に
コア側受板43の上面にコア側型板44及びコア45が
取り付けられている。
【0024】そして、コア型40の動作のガイド機構と
して、コア型40にガイドピン46が取着され、このガ
イドピン46を受けるためにキャビティ型30には、ガ
イドピンブッシュ34が設けられている。また、成形品
の突き出し機構として、エジェクタプレート50がコア
型40におけるスペーサブロック42に囲まれる内部ス
ペースに収容され、このエジェクタプレート50に製品
突き出しピン51、スプルノックピン52、リターンピ
ン53がそれぞれ取り付けられている。
【0025】上述したように、本発明に使用する射出成
形用金型20は、キャビティ型30とコア型40とから
構成されており、両型30,40の型締め後、溶融樹脂
はスプルブッシュ33に形成されているスプル60、キ
ャビティ型30とコア型40のパーティング面PLに形
成されているランナ61、ファンゲート62を通じて製
品キャビティC内に充填される。
【0026】次いで、本発明の特徴部分であるファンゲ
ート部12を形成するためのゲート部近辺の構成を図
3,図4に沿って説明する。この実施形態においては、
ファンゲート62は、コア型40におけるコア側型板4
4に形成されており、このファンゲート62は、図1に
示す肉抜き部13を形成するために、パーティングライ
ンにおいてキャビティ側型板32と当接する半円形突起
63がコア側型板44に2箇所形成されている。
【0027】このように、スプル60、ランナ61を通
じて供給される溶融樹脂は、ファンゲート62に2箇所
の半円形突起63が形成されているため、製品キャビテ
ィCと当接する縁部、すなわちファンゲート62の終端
側は分岐状となる。
【0028】従って、射出成形後、射出成形用金型20
から取り出されたゲートカット処理前の成形品は、図1
及び図5に示すように、ピラートリム10に対してファ
ンゲート部12、ランナ部11、スプル部14が一体化
している。
【0029】次いで、ファンゲート部12とピラートリ
ム10を分断するために、図5中A矢印で示す第1ゲー
トカット処理、図5中B矢印で示す第2ゲートカット処
理を行なうが、その際、図6(a),(b)に示すよう
に、ニッパ70を使用して、ニッパ70の一方側のカッ
ト刃71の刃先を肉抜き部13内に挿入すれば、2つの
肉抜き部13による3箇所のカット部分a,b,cをニ
ッパ70により簡単にカット処理することができる。
尚、図6(a)に示すように、カット部分a,b,c
は、厚さ1mm、幅5mmに設定されている。また、肉
抜き部13の寸法は、幅5mm、長さ3mm程度のもの
で、あくまでニッパ70のカット刃71の刃先が挿入で
きる大きさがあれば良い。同様に、図示はしないが、第
2ゲートカット処理についても、ニッパ70を使用して
行なえば良い。
【0030】従って、従来のカッターナイフによるゲー
トカット処理に比べ、作業が著しく簡素化できるととも
に、カッターナイフに比べてカット不良が非常に少ない
ため、歩留まりの向上に貢献できる。
【0031】次に、図7,図8は、本発明の第2実施形
態を示すもので、この第2実施形態においては、図7に
示すように、ファンゲート62は、キャビティ側型板3
2に形成されており、製品キャビティCの端面はパーテ
ィングライン(パーティング面)PLと一致している。
【0032】そして、この場合においても、ファンゲー
ト部12に肉抜き部13を形成するために、キャビティ
側型板32にコア側型板44に当接する半円形突起64
が設けられている。
【0033】従って、図7に示すゲートカット構造にお
いても、成形されるファンゲート部12は、製品キャビ
ティCに向けて分岐状に形成され、成形後は図8に示す
ように、ピラートリム10とファンゲート部12との接
合部分に肉抜き部13が形成される。尚、キャビティ型
30にファンゲート62を設けた場合には、ゲートカッ
ト処理は、図8中A矢印で示す単一のゲートカット処理
だけで済む。すなわち、このゲートカット処理において
も、ニッパ70の一方側のカット刃71の刃先を肉抜き
部13内に挿入して行なえば、カッターナイフを使用す
ることなくニッパ70等の工具で簡単にゲートカット処
理が行なえ、この第2実施形態においては第2のゲート
カット処理が不要となるため、ゲートカット工数を半減
でき、作業性をより高めることができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る射出成
形品及びそのゲートカット処理方法は、射出成形用金型
のランナからファンゲートを通じて製品キャビティ内に
溶融樹脂を射出充填して、成形性に優れた射出成形品を
成形するとともに、特に、ファンゲートを分岐状に形成
することで、ファンゲートの幅広の周縁部に肉抜き部を
形成することにより、カッターナイフによるゲートカッ
ト処理に替えて、ニッパ等の工具で簡単にゲートカット
処理を行なえるようにしたから、ゲートカット処理工数
を低減化するとともに、カット不良を解消し、大幅なコ
ストダウンを招来できるという効果を有する。
【0035】更に、ファンゲートをキャビティ側に穿設
することで、ゲートカット処理が1箇所のみで済み、作
業工数をより低減することができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形品をピラートリムに適用
した第1実施形態を示すゲートカット処理前の状態を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係る射出成形品を成形するのに使用す
る射出成形用金型の全体構成を示す側面図である。
【図3】図2に示す射出成形用金型におけるゲート部の
構成を示す断面図である。
【図4】図2に示す射出成形用金型におけるゲート部付
近の構成を示す平面図である。
【図5】図1に示すピラートリムのゲートカット処理前
の状態を示す断面図である。
【図6】図5に示すピラートリムとゲート部とをカット
処理する説明図である。
【図7】本発明に係る射出成形品の第2実施形態を成形
する射出成形用金型の要部を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態におけるゲートカット処
理前のピラートリムの断面図である。
【図9】ピラートリムの構成を示す断面図である。
【図10】従来のピラートリムを成形する成形金型のゲ
ート部を示す断面図である。
【図11】従来のファンゲートを示す斜視図である。
【図12】従来のファンゲートにおけるゲートカット処
理を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ピラートリム 11 ランナ部 12 ファンゲート部 13 肉抜き部 14 スプル部 20 射出成形用金型 30 キャビティ型 31 キャビティ側取付板 32 キャビティ側型板 33 スプルブッシュ 34 ガイドピンブッシュ 40 コア型 41 コア側取付板 42 スペーサブロック 43 コア側受板 44 コア側型板 45 コア 46 ガイドピン 50 エジェクタプレート 51 製品突き出しピン 52 スプルロックピン 53 リターンピン 60 スプル 61 ランナ 62 ファンゲート 63,64 半円形突起 70 ニッパ 71 カット刃 a,b,c カット部分 C 製品キャビティ PL パーティング面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ型(30)とコア型(40)
    との間に画成される製品キャビティ(C)内にランナ
    (61)、ファンゲート(62)を通じて溶融樹脂を射
    出充填して、所要形状に成形される射出成形品(10)
    であって、前記ファンゲート(62)は、終端側を分岐
    状に設定し、射出成形品(10)とファンゲート部(1
    2)との接合縁に肉抜き部(13)が形成されることを
    特徴とする射出成形品。
  2. 【請求項2】 ファンゲート(62)は、キャビティ型
    (30)側に穿設され、射出成形品(10)の端面がパ
    ーティング面(PL)と一致するようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の射出成形品。
  3. 【請求項3】 射出成形品(10)とファンゲート部
    (12)を分離する作業は、射出成形品(10)とファ
    ンゲート部(12)との接合縁に形成される肉抜き部
    (13)に工具(70)の刃先を挿入して、工具(7
    0)により分岐部分を切断することを特徴とする射出成
    形品のゲートカット処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006343548A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Takeuchi Seisakusho:Kk 樹脂反射鏡の樹脂基材及びその製造方法
JP2012254816A (ja) * 2011-06-09 2012-12-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd 注出キャップ
JP2014168945A (ja) * 2013-02-05 2014-09-18 Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd 配管部材のゲート自動切断装置

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