JP2003231392A - セメント系固化材への転写シート及び転写方法 - Google Patents

セメント系固化材への転写シート及び転写方法

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JP2003231392A
JP2003231392A JP2002032191A JP2002032191A JP2003231392A JP 2003231392 A JP2003231392 A JP 2003231392A JP 2002032191 A JP2002032191 A JP 2002032191A JP 2002032191 A JP2002032191 A JP 2002032191A JP 2003231392 A JP2003231392 A JP 2003231392A
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cement
transfer sheet
based solidifying
transfer
solidifying material
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Hideharu Osada
秀晴 長田
Hiroyasu Ishimaru
博庸 石丸
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Osada Giken Co Ltd
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Osada Giken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートへの模様の転写において、転写
不良を起こさず、簡単で安価な転写方法を提供する。 【解決手段】 基材フィルムに剥離可能に印刷層を設
け、その上に樹脂モルタルを薄く塗布し硬化させたも
の、また、その転写シートを、セメント系固化材用型枠
の内側に、基材フィルム側で接着し、そこにセメント系
固化材を打設し、硬化後型枠及び転写シートの基材フィ
ルムを除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント系固化材
への転写シート及び模様転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セメント系固化材とは、モルタル、コン
クリート等セメントを使用する硬化可能材料である。以
下、コンクリートを例にとって説明する。コンクリート
構造物は、堅牢で耐火性等にも優れているが、その外観
が悪い。よって、一般には化粧処理が施される。例え
ば、化粧シートやタイル、自然石パネル等の貼付、吹付
材の吹き付け、塗料の塗布等である。しかし、これらは
どれもコンクリート硬化後に行なう別処理であり、コス
ト高になる。また、硬化を待たなければならず、どうし
ても工期が長くなる。
【0003】このようなことを防止するため、最近転写
方式と呼ばれる工法が出現してきている。これは、コン
クリート型枠の内側に模様を記載しておき、硬化後模様
をコンクリート側に残し、型枠だけを除去するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のも
のは次のような欠点があった。まず、単に型枠の内側に
ペンキやインクで模様を付与するものでは、その模様が
完全にコンクリート側に転写されず、各所で模様のない
コンクリート剥き出し部分があった。よって、その部分
には、再度模様を施さなければならなかった。これは手
間であるばかりか、模様も合わないことが多く美観的に
も問題であった。また、模様といっても非常に単純なも
ので、1色だけの単なる着色や、多色でも単に混合した
ものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような現状に鑑
み、本発明者は鋭意研究の結果本発明セメント系固化材
への転写シート及び模様転写方法を完成したものであ
り、その特徴とするところは、転写シートにあっては、
基材フィルムに剥離可能に印刷層を設け、その上に樹脂
モルタルを薄く塗布し硬化させたものである点にあり、
転写方法にあっては、請求項1記載の転写シートを、セ
メント系固化材用型枠の内側に、基材フィルム側で接着
し、そこにセメント系固化材を打設し、硬化後型枠及び
転写シートの基材フィルムを除去する点にあり、また他
の態様では、請求項1記載の転写シートを、被施工面上
に接着し、次いで基材フィルムを除去する点にある。
【0006】まず、本発明転写シートについて説明す
る。ここでいう転写シートとは、シートに施された色、
模様等がセメント系固化材に移動(転写)することによ
って、セメント系固化材の表面を美的処理するものであ
る。
【0007】基材フィルムとは、完成後除去するもので
あり、材質は紙等何でもよいが、プラスチックが好適で
ある。例えば、ポリエステル、PE(ポリエチレン)、
PP(ポリプロピレン)等どのようなものでもよい。し
かし、貼付その他の取り扱いの容易性から、比較的こし
のある厚いものがよい。また、ロール巻き保管、運送す
るため、ロール巻きできる程度の柔軟性も有していた方
がよい。厚みとしては、0.1〜0.5mm程度が好適
である。また、後述する模様が見えるように透明が好ま
しい。
【0008】この基材フィルムに印刷層を設ける。これ
は、単に印刷するだけでよい。勿論、将来剥離するた
め、剥離可能に印刷しなければならない。基材フィルム
自体が、接着性のほとんどないものの場合は特別な処理
は不要であるが、接着性のある基材フィルムの場合は剥
離処理した上に印刷するのがよい。
【0009】印刷は、通常のグラビア印刷等でよく、こ
のため非常に細かい模様の表現できるのである。例え
ば、自然石の模様、木目調、植物模様、その他の景色模
様、まったくの人工図柄等である。勿論、単なる1色の
ような単純なものでも構わない。
【0010】この印刷層と基材フィルムの間に保護層を
設けてもよい。最終的に、この保護層と基材フィルム間
で剥離し、印刷層の保護の役目を果たすものである。こ
れを設けておけば、後述するトップコートを行なわなく
てもよい。この保護層は通常透明であるが、フィルムを
基材フィルムに貼付して設けても、基材フィルムに膜形
成樹脂を塗布して設けてもよい。
【0011】樹脂モルタルとは、樹脂と細骨材の混合物
をいう。樹脂はどのようなものでもよいが、エマルジョ
ン系のものが好ましい。例えば、水系のアクリル系ラテ
ックスが最もよかった。単なるアクリル系エマルジョン
でも十分使用できた。
【0012】細骨材は、無機系細骨材ならばどのような
ものでもよいが、セメント粉、ケイ砂等が好適である。
サイズは、0.1〜500μ程度のものである。中で
も、1〜30μが好適であった。また、セメントとケイ
砂を等量混合したものは非常に効果があった。セメント
系固化材との接着が強固という意味である。
【0013】樹脂と骨材の混合比率は、通常の吹付け用
等に使用される樹脂モルタルと比較して非常に樹脂リッ
チである。即ち、樹脂(固形分として)100重量部に
対して、骨材は50〜200重量部程度がよい。中で
も、骨材70〜120重量部が好適であった。
【0014】この樹脂モルタルには、骨材以外に通常混
合されるべきものを混合してもよいことは言うまでもな
い。例えば顔料や香料、殺菌剤等である。また、表面補
強になる成分(シリコンやフッ素系樹脂等)を混合して
もよい。樹脂モルタルの塗布厚みは、0.1〜5mm程
度である。これは、上記したような、取り扱いの容易性
と、ロール巻き保管のためである。勿論、ロール巻き保
管することは必須ではないが、便利であるということで
ある。
【0015】次に本発明転写方法について説明する。本
発明の第1は、セメント系固化材を打設するときに、型
枠の内面に上記の転写シートを貼付しておくものであ
る。型枠を設置すれば転写シートが既に貼付されてお
り、そこにセメント系固化材を打設すると、セメント系
固化材は上記シートの樹脂モルタルに接して固化するこ
ととなる。この時、セメント系固化材と樹脂モルタルが
強固に固着するのである。よって、型枠を除去し、基材
フィルムを除去すれば(型枠と同時でもよい)、表面に
シートの印刷層が現れてくる。これで完成である。勿
論、トップコートを施してもよい。
【0016】このように、セメント系固化材と樹脂モル
タルが強固に接着される理由は明らかではないが、樹脂
モルタルの樹脂にミクロの孔があり、内部の細骨材とセ
メント系固化材が強固に接着するためではないかと考え
られる。
【0017】この方法によれば、型枠に貼付さえしてお
けば、その後の工程は通常のセメント系固化材の構築と
まったく同様であり、特別な手間は不要である。そし
て、印刷した綺麗な外観ができるのである。
【0018】また、上記の転写シートを、被施工面上に
接着剤で接着し、ついで基材フィルムを除去しても、同
様の外観が得られる。特に建造物の補修等には最適であ
る。例えば、建造物の表面をセメントモルタルで補修す
る場合、そのセメントモルタルが硬化する前に転写シー
トを貼付すれば、接着剤も不要で非常に簡単に、表面美
装化ができる。これもトップコートしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に図面に示す実施の形態に基づ
き本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明転写シ
ート1の部分断面図である。基材フィルム(ポリエチレ
ン製)2に印刷を施し、印刷層3を設ける。その上に樹
脂モルタル4を塗布したものである。基材フィルムは厚
さ約0.2mm、印刷層は印刷インクだけの厚みであ
り、樹脂モルタル4は約1mmであった。
【0020】この時の樹脂モルタルは、主材がアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等を主成
分とした合成高分子ラテックス(ポリトロン(登録商
標))であり、細骨材としてセメント粉とケイ砂の等量
(重量比)混合物を使用した。ケイ砂は5号を使用し
た。また、樹脂と骨材の混合比率は、これもほぼ等量
(重量比)であった。
【0021】図1の転写シート1は、比較的柔軟であ
り、数センチの径でロール巻きが可能であった。また、
貼付するには程々のこしもあった。
【0022】図2は、斜面5にコンクリート擁壁を構築
するところを示す断面図である。木製等の型枠6をセパ
レーター7によって所定間隔で固定する。この型枠6の
内面に本発明転写シート1が貼付されている。この空間
部8にコンクリート9を打設するのである。
【0023】図3は、図2の転写シート1の近傍を示す
断面図である。この図では、コンクリート9が打設され
硬化を待っている養生段階である。図4は、硬化が完了
し、型枠6を除去したところである。そして、基材フィ
ルム2を除去し、印刷層3を露出させる(図5)。これ
で完成である。印刷層3の保護のため、透明樹脂でトッ
プコートしてもよい。
【0024】図6は、コンクリート構造物10にセメン
トモルタル11を塗布し補修しようとしているところで
ある。この上に本発明転写シート1を貼付する(図
7)。この時、セメントモルタル11が未硬化であれ
ば、接着剤は不要である。この後、セメントモルタル1
1が硬化後、基材フィルムを除去すれば、印刷層が現れ
表面が美化される。
【0025】
【発明の効果】本発明転写シート及び転写方法には、次
のような大きな利点がある。 (1) 転写シートの樹脂層に細骨材が含有されているた
め、セメント系固化材と非常に強固に接着する。よっ
て、模様が一部転写されていない等の不備が生じない。 (2) 型枠の内側に貼付して使用すると、簡単に表面美
装化ができ手間が掛からない。 (3) また、単に建造物に貼付する方法では、簡単に表
面化粧ができ手間が掛からない。 (4) 転写シート自体が柔軟性を有しているため、取り
扱いが容易であるだけでなく、ロール巻き保管、運搬が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転写シートの部分断面図である。
【図2】斜面にコンクリート擁壁を構築するところを示
す断面図である。
【図3】図2の転写シートの近傍を示す断面図である。
【図4】硬化が完了し、型枠を除去したところを示す断
面図である。
【図5】基材フィルムを除去し、印刷層を露出させたと
ころを示す断面図である。
【図6】コンクリート構造物にセメントモルタルを塗布
し補修しようとしているところを示す断面図である。
【図7】図6のセメントモルタルの上に本発明転写シー
トを貼付したところを示す断面図である。
【符号の説明】
1 本発明転写シート 2 基材フィルム 3 印刷層 4 樹脂モルタル 5 斜面 6 型枠 7 セパレーター 8 空間部 9 コンクリート 10 コンクリート構造物 11 セメントモルタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石丸 博庸 大阪市天王寺区東高津町9番17号 オサダ 技研株式会社内 Fターム(参考) 3B005 EA01 EB01 EB05 EC11 FA01 FB23 FB24 FB34 FC08 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムに剥離可能に印刷層を設
    け、その上に樹脂モルタルを薄く塗布し硬化させたもの
    であることを特徴とするセメント系固化材への転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 該樹脂モルタルの樹脂は、水系のアクリ
    ル系ラテックスである請求項1記載のセメント系固化材
    への転写シート。
  3. 【請求項3】 該樹脂モルタルの骨材は、無機系細骨材
    である請求項1又は2記載のセメント系固化材への転写
    シート。
  4. 【請求項4】 該無機系細骨材はセメント粉である請求
    項3記載のセメント系固化材への転写シート。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の転写シートを、セメント
    系固化材用型枠の内側に、基材フィルム側で接着し、そ
    こにセメント系固化材を打設し、硬化後型枠及び転写シ
    ートの基材フィルムを除去することを特徴とするセメン
    ト系固化材への転写方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の転写シートを、被施工面
    上に接着し、次いで基材フィルムを除去することを特徴
    とするセメント系固化材への転写方法。
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