JP2003229541A - 半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体記憶装置及びその製造方法

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JP2003229541A
JP2003229541A JP2002024065A JP2002024065A JP2003229541A JP 2003229541 A JP2003229541 A JP 2003229541A JP 2002024065 A JP2002024065 A JP 2002024065A JP 2002024065 A JP2002024065 A JP 2002024065A JP 2003229541 A JP2003229541 A JP 2003229541A
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ferroelectric
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electrode
plate
memory
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Yasuyuki Ito
康幸 伊藤
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Sony Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10BELECTRONIC MEMORY DEVICES
    • H10B53/00Ferroelectric RAM [FeRAM] devices comprising ferroelectric memory capacitors
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10BELECTRONIC MEMORY DEVICES
    • H10B53/00Ferroelectric RAM [FeRAM] devices comprising ferroelectric memory capacitors
    • H10B53/30Ferroelectric RAM [FeRAM] devices comprising ferroelectric memory capacitors characterised by the memory core region

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Abstract

(57)【要約】 【課題】極小のセル面積を保ちつつ、キャパシタの有効
面積の増加を可能とし、十分な読み出し信号量を確保で
きる強誘電体記憶装置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】共通ノード電極に、複数の記憶手段が接続
されており、当該各記憶手段は電気的に並列に接続され
た複数のキャパシタを含み、当該複数の記憶手段は、上
記共通ノード電極と、該共通ノード電極と対向する複数
のプレート電極と、前記共通ノード電極および前記複数
のプレート電極に挟まれた共通の誘電体膜とを有する複
数のキャパシタが多層に積層された積層構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体キャパシ
タを有する半導体記憶装置に関するものであり、特に、
高集積且つ大容量化が可能な半導体記憶装置およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自発分極という特異な電気特性を
有する強誘電体を利用した不揮発性メモリ素子(強誘電
体メモリ素子)(FeRAM)(USP487366
4)は、その高速書き込み/読み出し、低電圧動作等の
特徴から、従来の不揮発性メモリのみならず、SRAM
(スタティックRAM)やDRAM等の殆どのメモリに置
き換わる可能性を秘めており、現在多くの研究が進めら
れている。
【0003】強誘電体の自発分極特性を利用したメモリ
は、強誘電体キャパシタに選択トランジスタを付加した
1トランジスタ+1キャパシタ(1T/1C)構造を有
するメモリセルが多く使われている。このタイプのFe
RAMは、通常のDRAM型メモリセルのメモリキャパ
シタ材料を常誘電体から強誘電体へ置き換えたものであ
る。
【0004】強誘電体材料としては、PZT(Pb(Z
r,Ti)O、チタン酸ジルコン酸鉛)、PLZT
((Pb,La)(Zr,Ti)O、チタン酸ジルコ
ン酸ランタン鉛)などのABO型のペロブスカイト結
晶構造を持つ鉛系酸化物材料、また、SBT(SrBi
Ta、ストロンチウム・ビスマス・タンタレー
ト)などのビスマス層状構造化合物材料が開発された。
特に、SBTは繰り返し分極反転後の特性劣化が見られ
ないという優れた疲労特性(PCT/US92/105
42)、および、分極が飽和する電解が小さく、低電圧
動作に有利であるという優れた分極飽和特性を示してい
る。
【0005】FeRAMはDRAMを代替し、幅広く応
用するには、DRAM並みの高集積度および大容量化が
必要である。上記した1T1C型のメモリセル構造を採
るFeRAMを高集積度化にするのは困難である。
【0006】高集積度のために、メモリのセル面積を縮
小する必要がある。セル面積はメモリで1ビットの記憶
領域であり、その理論上の最小値は、該領域で交差する
所定数のワード線とビット線が最短ピッチで配置される
場合に占有している領域とされている。1T1C構造の
FeRAMは、通常1ビットあたりワード線1本、ビッ
ト線2本を有し、そのワード線とビット線が最短ピッチ
で配置される場合に、半導体の最小設計寸法(Desi
gn Rule)をFとすれば、理論上のFeRAMの
最小セル面積はDRAMと同様に8Fとなる事が一般
的に知られている。実際に、以上のFeRAMの1ビッ
ト記憶領域では、トランジスタと強誘電体キャパシタが
2個ずつを有し、また、ワード線とビット線の他に、プ
レート線を設置する必要があるので、ワード線とビット
線が最小ピッチで配置することが不可能であり、実際の
セル面積は8Fより大きい。一方、同じ半導体不揮発
性メモリであるフラッシュメモリは、そのメモリセルが
トランジスタを一つしか有しないので、最小セル面積4
と小さい。
【0007】FeRAMを高集積化、大容量化を実現す
るために、近年、フラッシュメモリのように一つの素子
で構成されるメモリセルの開発がなされてきた。たとえ
ば、特開平9−116107号公報(文献1と呼ぶ)と
特開2000−349248号公報(文献2と呼ぶ)に
開示されているFeRAMでは、選択トランジスタを介
してビット線に接続された共通ノード電極に複数の強誘
電体キャパシタを接続し、1個の強誘電体キャパシタが
1ビットを記憶するメモリセルとして機能し、いわゆる
1C(1キャパシタ)構造の強誘電体メモリを実現し、
理論上は、フラッシュメモリと同等の最小セル面積4F
を可能とした。さらに、特願2000−156089
号明細書(文献3と呼ぶ)に提案されているように、前
記共通ノード電極に複数の強誘電体キャパシタを形成し
た1C構造を2層以上に積層した強誘電体メモリは、更
なる高集積度ができ、例えば、理論上の最小セル面積は
2〜4Fが可能となった。実際のセル面積は半導体の
最小設計寸法Fで決めるので、その最小設計寸法Fをリ
ソグラフィーを中心とする微細加工技術の進展による縮
小することは、これまで集積回路を高集積化するために
最も重要な手法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高集積
化が進み、素子の設計に用いられる最小設計寸法が小さ
くなってくると、一つの強誘電体キャパシタの面積が小
さくなり、キャパシタの容量/蓄積電荷量も小さくな
り、センスアンプでセンスするのに十分な信号量が得ら
れなくなり、メモリ動作の誤動作の原因となるという問
題が従来からFeRAMと同じ構造を有するDRAMに
おいても存在しており、FeRAMの高集積化およびD
RAMの更なる高集積化につれてFeRAMとDRAM
にとって益々問題となっている。
【0009】一般的に、この問題を解決するために、キ
ャパシタの下部電極構造を立体的にして有効的なキャパ
シタ面積を大きくする方法が採られている。既に高集積
化を実現しているDRAMについて、例えば、特開平6
−29482号公報(文献4と呼ぶ)で開示されている
DRAMのメモリセルにおいて、キャパシタを3次元で
積層し、キャパシタの表面積を最大化することを図っ
た。しかし、強誘電体薄膜のような結晶性の多元素系薄
膜の場合には立体的な構造の下部電極上に均一な薄膜を
形成することが非常に困難であり、未だに実用化される
見通しは立っていない。
【0010】従来は、FeRAMに適用可能でき、高集
積度の要求を満足しながらキャパシタの容量を増大させ
る方法の開発がなされている。考え方として、DRAM
と同じように、例えば、1T1C構造の強誘電体メモリ
において、立体化によって、キャパシタの有効面積を増
加させる。次に、強誘電体キャパシタの有効面積を増大
する従来技術を例示する。
【0011】例えば、特開平7−86528号公報(文
献5と呼ぶ)で開示されている、図16に示したよう
に、1T1C構造を有する強誘電体メモリセルにおい
て、P型シリコン基板101上に形成されたゲート酸化
膜103、ゲート電極104、N型不純物拡散層である
ソース106とドレイン105からMOSFETが構成
されて、該MOSFETと隣接する位置には、ドレイン
105と接続しているキャパシタ下部電極108が形成
されており、下部電極108上には、第1強誘電体膜1
11を介して中間電極110が形成されている。さらに
中間電極110上には、第1強誘電体膜111と同一の
キャパシタ第2強誘電体膜112を介して上部電極10
9が形成されている。そして、下部電極108は、キャ
パシタ上部電極109と接続線113によって接続され
ている。114はビット線、115は酸化膜をそれぞれ
示す。強誘電体キャパシタは多層キャパシタ構造にする
ことにより、キャパシタ占有面積を増加させることな
く、等価的にキャパシタ面積を増大することができ、安
定に信号量を確保することが可能となった。
【0012】また、特開平10−242410号公報
(文献6と呼ぶ)で開示されている、図17に示したよ
うに、1T1C構造を有する強誘電体メモリセルにおい
て、下部電極121、強誘電体薄膜122、及び上部電
極123から平板状の第1のキャパシタ部が構成されて
おり、また、下部電極151、強誘電体薄膜152、及
び上部電極153から平板状の第2のキャパシタ部が構
成されている。ゲート部132及びソース・ドレイン領
域134A,134Bから成るMOS型トランジスタ素
子は、選択トランジスタ素子に相当する。下部電極12
1は、第1のコンタクト・プラグ114を介して、MO
S型トランジスタ素子の一方のソース・ドレイン領域1
34Aと接続されている。また、第2のキャパシタ部を
構成する下部電極151も、第2のコンタクト・プラグ
142を介して、MOS型トランジスタ素子の一方のソ
ース・ドレイン領域134Aと接続されている。当該メ
モリセルは、第1のキャパシタ部の上部電極123と接
続された第1のプレート線127、及び、第2のキャパ
シタ部の上部電極153と接続された第2のプレート線
157を更に備え、第1のプレート線127と第2のプ
レート線157とは電気的に接続されている。以上のよ
うに、選択トランジスタの上下に第1のキャパシタ部と
第2のキャパシタを設けることから、セル面積を増加さ
せることなく、キャパシタ部全体の面積を増加させるこ
とができる。
【0013】しかしながら、文献5および文献6に開示
された強誘電体メモリは1T1Cの構造を有するので、
セル面積は大きく、高集積度が困難であった。極小のセ
ル面積を得られる文献1、文献2、及び文献3に開示さ
れた高集積度可能、1C構造の強誘電体メモリについて
は、キャパシタの有効面積を増加させる方法が開示され
ていない。
【0014】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、極小のセル面積を保ちつつ、キャパシタの有効
面積の増加を可能とし、十分な読み出し信号量を確保で
きる強誘電体記憶装置及びその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる半導体記憶装置は、選択トランジス
タと、前記選択トランジスタの一方の不純物拡散領域と
電気的に接続する共通ノード電極と、前記選択トランジ
スタの他方の不純物拡散領域と電気的に接続するビット
線とを有し、前記共通ノード電極に、複数の記憶手段が
接続されており、前記各記憶手段は電気的に並列に接続
された複数のキャパシタを含み、前記複数の記憶手段
は、前記共通ノード電極と、該共通ノード電極と対向す
る複数のプレート電極と、前記共通ノード電極および前
記複数のプレート電極に挟まれた共通の誘電体膜とを有
する複数のキャパシタが多層に積層された積層構造を有
する。
【0016】好適に、前記複数の記憶手段の積層構造で
は、隣り合うキャパシタ層の前記共通ノード電極、前記
誘電体膜、および前記プレート電極の配置順番が逆であ
り、前記各記憶手段において、各層のプレート電極同士
は接続されており、前記複数の記憶手段の積層構造にお
いて、各層の共通ノード電極同士が接続されている。
【0017】上記目的を達成するために、本発明に係わ
る半導体記憶装置は、選択トランジスタと、前記選択ト
ランジスタの一方の不純物拡散領域と電気的に接続する
共通ノード電極と、前記選択トランジスタの他方の不純
物拡散領域と電気的に接続するビット線とを含むメモリ
ブロックを複数有し、前記共通ノード電極に、複数の記
憶手段が接続されており、前記各記憶手段は電気的に並
列に接続された複数のキャパシタを含み、前記複数のメ
モリブロックのそれぞれの前記共通ノード電極は、互い
に重なり合うように多層に積層されている。前記各メモ
リブロックの複数の記憶手段は、上記した構成を有す
る。
【0018】上記目的を達成するために、本発明に係わ
る半導体記憶装置の製造方法は、選択トランジスタの一
方の不純物拡散領域と電気的に接続する、M個のキャパ
シタ(M>1)を含む記憶手段が複数(N個、ただし、
N>1)接続されている半導体記憶装置の製造方法であ
って、半導体基板上に前記選択トランジスタを形成する
工程と、前記選択トランジスタを含む前記半導体基板を
覆う絶縁膜に、前記選択トランジスタの一方の不純物拡
散領域に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前
記選択トランジスタの他方の不純物拡散領域に達する第
2の導電性コンタクト・プラグを形成する工程と、前記
第1の導電性コンタクト・プラグに接続する前記N個の
記憶手段を形成する工程と、前記第2の導電性コンタク
ト・プラグと接続するビット線を形成する工程とを有す
る。
【0019】前記N個の記憶手段を形成する工程は、前
記第1の導電性コンタクト・プラグに接続する第1の共
通ノード電極を形成する工程と、前記第1の共通ノード
電極に第1の誘電体薄膜を形成する第1の工程と、前記
第1の誘電体薄膜にN個のプレート電極を有する第1の
プレート電極層を形成する第2の工程と、前記第1のプ
レート電極層上に第2の誘電体薄膜を形成する第3の工
程と、前記第2の誘電体薄膜上に前記第1の共通ノード
電極と接続する第2の共通ノード電極を形成する第4の
工程とを有し、M>2の場合は、前記第1、第2、第
3、及び第4の工程をM−1回繰り返す第5の工程をさ
らに有する。また、前記第5の工程において形成された
第L(L>1)のプレート電極層の個々のプレート電極
は、前記第1のプレート電極層の個々のプレート電極と
対応して接続している。
【0020】上記目的を達成するために、本発明に係わ
る半導体記憶装置の製造方法は、選択トランジスタの一
方の不純物拡散領域と電気的に接続する、M個(M>
1)のキャパシタを有する複数の(N個、ただし、N>
1)記憶手段を含むメモリブロックを複数有し、前記複
数のメモリブロックのそれぞれの前記N個の記憶手段が
互いに重なり合うように多層に積層されている半導体記
憶装置の製造方法であって、半導体基板上に複数の選択
トランジスタを形成する工程と、前記各選択トランジス
タを含む前記半導体基板を覆う絶縁膜に、前記選択トラ
ンジスタの一方の不純物拡散領域に達する第1の導電性
コンタクト・プラグと、前記選択トランジスタの他方の
不純物拡散領域に達する第2の導電性コンタクト・プラ
グを形成する工程と、前記導電性コンタクト・プラグと
接続する第1の共通ノード電極、および第1の共通ノー
ド電極に接続する前記N個の記憶手段を形成する工程
と、前記第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビ
ット線を形成する工程とを有し、個々の選択トランジス
タに接続する各前記第1の共通ノード電極を互い重なり
合うように形成する。前記N個の記憶手段を形成する工
程は、上記と同じである。
【0021】以上のように、共通ノード電極に複数の強
誘電体キャパシタを形成した、1キャパシタが1メモリ
セルとなるいわゆる1C構造のメモリセルのブロック
を、少なくとも1回折り返すように形成することによっ
て、各メモリセルがキャパシタの多層積層構造となり、
そのため、1ビットの記憶領域が変化せずに各キャパシ
タの有効面積は2倍、4倍、或いは、更に高い倍数で増
大させることができた。さらに、上記の多層積層構造の
キャパシタが共通ノーで電極に接続したメモリセルブロ
ックが互いに重なり合うことによって、大有効キャパシ
タ面積且つ更なる高集積化ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体記憶装
置、およびその製造方法の実施の形態について、添付の
図面を参照して述べる。なお、実施形態の全図におい
て、同一又は対応する部分には同一の符号を付す。第1の実施形態 図1は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリのメモリセルの構成を示す部分断面図で
ある。図1において、1は半導体基板、2は素子分離領
域、3はドレイン・ソース領域、4はゲート酸化膜、5
はゲート電極(ワード線)、6は第1のノード電極を構
成する4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極、7は
第1の強誘電体膜、8a,8b,8c,8dはプレート
線PL1,PL2,PL3,PL4を構成するプレート
電極、9、9aは層間絶縁膜、10はビット線BL1、
11、12はコンタクト・プラグ、13は第2の強誘電
体膜、14は第2のノード電極をそれぞれ示している。
【0023】ゲート電極5はワード線を兼ねている。例
えば、ゲート電極5はポリシリコンあるいはポリサイド
から構成されており、コンタクト・プラグ12は、ポリ
シリコンプラグ、ビット線10はアルミニウムからそれ
ぞれ構成されている。
【0024】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、およびプレート電極8a,8b,8c,8dは、好
ましくは、電気的な抵抗が低く、耐熱性が高く、反応性
が低い貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物は、強誘電体の構成元素に対して拡散バリ
ア性が優れており、強誘電体の酸素欠損を防ぐことがで
き、また、導電性であるので、ノード電極およびプレー
ト電極に用いることができる。ここで、例えば、第1の
ノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用い、第2の
ノード電極14とプレート電極8a,8b,8c,8d
に、膜厚100nmのIr膜を用いる。
【0025】強誘電体不揮発メモリへ応用する強誘電体
材料として、ABO型ペロブス力イト構造を有するS
rTiO、(Ba,Sr)TiO、Pb(Zr,T
i)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、PbT
iO、BaTiO、LiNbO、LiTaO
YMnO、または、ビスマス系層状ペロブス力イト構
造化合物を含むSrBiTa、SrBiNb
、SrBi(Ta,Nb)、BiTi
12、SrBiTi15、SrBi (T
i,Zr)15、BiTiNbO、BiTi
TaO、BaBiTa、BaBiNb
を用いることができる。ここで、一例として、第1の
強誘電体薄膜7および第2の強誘電体膜13に膜厚10
0nmのSBT膜(SrBiTa)を用いる。
【0026】図1に示すように、第1のノード電極6に
接続される強誘電体キャパシタ8a、8b、8c、8d
の一方の電極が共通に下部電極6として構成され、この
下部電極上6に第1のSBT薄膜7が形成され、第1の
SBT薄膜7上に所定間隔をおいてプレート電極8a,
8b,8c,8dが形成され、プレート電極8a,8
b,8c,8dに第2のSBT薄膜13が形成され、第
2のSBT薄膜13上に第2のノード電極14が形成さ
れている。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ
12によりドレイン・ソース領域3に接続され、トラン
ジスタTRを介して、さらにコンタク・プラグ11を介
してビット線(BL1)10に接続されている。第1の
ノード電極6は第2のノード電極14と電気的に接続し
ている。プレート電極8a,8b,8c,8dはプレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4を構成する。
【0027】以上のように、本実施形態の第1のノード
電極6、第1の強誘電体膜7、プレート電極8a、8
b、8c、8d、第2の強誘電体膜13、及び第2のノ
ード電極14を含むメモリブロックは、ノード電極6、
強誘電体膜7、プレート電極8a、8b、8c、8dよ
り構成された、例えば、文献2(特開2000−349
248)に開示されている従来のメモリブロックを縦方
向に1回折り返し積層して形成されたものである。文献
2に開示された従来のメモリ構成では、第1のノード電
極6とプレート電極8a、8b、8c、8dとが、第1
の強誘電体膜7を挟んで4つのキャパシタを構成して、
最大4ビットのデータを記憶可能なメモリブロックとな
る。
【0028】これに対して、本実施形態では、プレート
電極8a、8b、8c、8dと第2のノード電極14と
が第2の強誘電体膜13を挟んで4つのキャパシタも構
成している。さらに、第1のノード電極6と第2のノー
ド電極14と電気的に接続しているため、第1のノード
電極6とプレート電極8a、8b、8c、8dと第1の
強誘電体膜7とが形成した4つのキャパシタは、プレー
ト電極8a、8b、8c、8dと第2のノード電極14
と第2の強誘電体膜13とが形成した4つのキャパシタ
がそれぞれ1対1で対応して、2つずつ電気的に並列に
接続して1メモリセルを構成してデータを記憶する。図
1に示したメモリブロックは、このような2つのキャパ
シタが並列に接続しているメモリセルは4つを有し、最
大4ビットを記憶可能である。即ち、半導体基板上に、
1ビットを記憶する平面的な領域(メモリセル)の面積
を、従来メモリ構成のセル面積より増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は倍に増大した。そのた
め、従来と比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電
荷は2倍に増え、センスアンプで得た信号の量は増大可
能となった。
【0029】図2は、図1に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図2に示した強誘電体メモリは、メモリセルアレイ2
1、ロウデコーダ22、プレートデコーダ23、センス
アンプ(S/A)24、カラムデコーダ25により構成
されている。
【0030】メモリセルアレイ21は、並列に接続して
いる2つの強誘電体キャパシタより構成された複数のメ
モリセルは(図2では8個)マトリクス状に配列されて
いる。各メモリセルにおける並列に接続している2つの
強誘電体キャパシタ(C1とC2、C3とC4、C5と
C6、及びC7とC8、または、C9とC10、C11
とC12、C13とC14、及びC15とC16)は、
上記した各セルで積層された2つのキャパシタに対応し
ている。以降、並列に接続している2つの強誘電体キャ
パシタより構成された各メモリセルを、C1+C2、C
3+C4、C5+C6、C7+C8、C9+C10、C
11+C12、C13+C14、C15+C16と記す
る。なお、簡単のため、図2では4つのメモリセルを有
するブロックを2つしか示していないが、実際にメモリ
読み書き動作の方法によって、このようなブロックを繰
り返して複数を含むことが明らかである。
【0031】図2においては、一列に配列されている、
メモリセルとしての並列に接続している強誘電体キャパ
シタC1とC2、C3とC4、C5とC6、およびC7
とC8は、その一方の電極が共通に一つのノード電極N
D1に接続され、そして、同一列に配置されたnチャネ
ルMOSトランジスタTR1を介してビット線BL1に
接続されており、その他方の電極はそれぞれ異なるプレ
ート線PL1,PL2,PL3,PL4に接続されてお
り、メモリセルとしての各並列に接続している強誘電体
キャパシタC1+C2、C3+C4、C5+C6、およ
びC7+C8のそれぞれに対して独立にデータの読出し
と書き込みができるように構成されている。
【0032】強誘電体キャパシタC9+C10、C11
+C12、C13+C14、およびC15+C16から
なるメモリセルの列には、同じように、共通のノード電
極ND2、およびパストランジスタTR2を有し、上記
と同じように接続されている。
【0033】パストランジスタTR1のゲート電極がワ
ード線WL1に接続され、パストランジスタTR2のゲ
ート電極がワード線WL2に接続されている。ロウデコ
ーダ22は、アドレス指定されたワード線、図2の例で
はWL1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc+α
(αはパストランジスタの閾値電圧以上の電圧)を印加
して、パストランジスタを導通状態に保持させる。
【0034】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレス指定されたプレート線PL1〜PL4にア
ドレス指定されたメモリセルとしての強誘電体キャパシ
タにデータを書き込み、または読み出し、かつ再書き込
みが行なえるような所定電圧0V,Vccを印加し、非
選択のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。
センスアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時
に、ビット線BL1、BL2に読み出されたデータをラ
ッチして増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行
なう。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセ
ンスアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出
しデータの出力、書き込みデータの対応するセンスアン
プへの供給等を行なう。
【0035】次は、図2に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図2に示している強誘
電体メモリでは、ワード線WL1とワード線WL2を独
立に動作させ、各強誘電体キャパシタ一個について1ビ
ットを記憶することができる。或は、ワード線WL1と
ワード線WL2を同時に動作させ、各プレート線を電極
として共有する一対のキャパシタ、すなわちTR1に連
なる強誘電体キャパシタの一つとTR2に連なる強誘電
体キャパシタの一つで1ビットを記憶しても良い。前者
の場合には、ワード線WL1が選択されると、ビット線
BL2に図示しないダミーセルにより参照電位が与えら
れ、ワード線WL2が選択されると、ビット線BL1に
図示しないダミーセルにより参照電位が与えられる。
【0036】次に、ワード線WL1とワード線WL2を
独立に動作させ、各強誘電体キャパシタ一個について1
ビットを記憶する方法を用いて、図2に示したメモリ構
成による読み出しおよび書き込みを説明する。なお、こ
こでは、ワード線WL1とプレート線PL1が選択さ
れ、ビット線BL1がカラムとして選択された場合、強
誘電体キャパシタC1、C2からなるメモリセルをアク
セスする場合を例に説明する。
【0037】まず、読み出し動作について説明する。読
み出し動作の初期状態では、プレート線PL1〜PL4
とビット線BL1はVcc/2に固定されている。この
状態で、ロウデコーダ22により選択されたワード線W
L1にVcc+α(αはパストランジスタTR1の閾値
電圧以上の電圧)が印加されて、ノード電極ND1に接
続しているメモリセルC1+C2、C3+C4、C5+
C6、およびC7+C8が選択される。これにより、パ
ストランジスタTR1が導通状態となり、ノード電極N
D1がビット線BL1に接続される。次に、選択された
プレート線PL1の電位がVcc/2から0Vに切り換
えられ、ビット線BL1が0Vにイコライズされた後、
浮遊状態にされる。
【0038】そして、非選択のプレート線PL2〜PL
4の電位はVcc/2に固定されているままで、選択プ
レート線PL1の電位が0Vから電源電圧Vccレベル
に立ち上げられる。このとき、選択プレート線PL1に
接続されている強誘電体キャパシタC1とC2がノード
電極ND1側からプレート線PL1側に分極していれば
(この分極状態はデータ‘1’と規定する)、元の分極
と反対方向に電源電圧Vccが印加されることになる。
その結果、強誘電体キャパシタC1とC2の分極状態が
反転し、反転電荷がビット線BL1に放出される。一
方、強誘電体キャパシタC1+C2がプレート線PL1
側からノード電極ND1側に分極していれば(この分極
状態はデータ‘0’と規定する)、分極方向と同方向の
電圧が印加されているため、反転電流が流れない。
【0039】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1とC2にデータ‘1’が記憶され
ている場合には大きく、データ‘0’が記憶されている
場合には小さくなる。一方、ビット線BL1と対をなす
ビット線BL2に対しては、図示しないダミーセルによ
り、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位上昇が発生される。換言すれ
ば、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位の参照電位がビット線BL2
に与えられる。
【0040】次は、本実施形態によって、メモリセルは
従来の1キャパシタ(C1)から並列に接続している2
つのキャパシタC1とC2になることによって、ビット
線BL1の電位上昇量の変化を例示する。強誘電体キャ
パシタC1とC2に‘1’が記録されていた場合は、分
極状態が反転し、反転電荷によるビット線BL1の電位
変化△Vは次式(1)で表される。また、‘0’が記
録されていた場合は、分極状態が変化せず、ビット線B
L1 の電位変化△Vは次式(2)で表される。 △V+ =Vcc・〔C+ /{(M-1)・C- + C+ +CBL}〕 …(1) △V- =Vcc・〔C- /{M・C- + CBL}〕 …(2) なお、(1)式、(2)式において、Cはメモリセル
の分極状態が反転する場合の容量であり、Cはメモリ
セルの分極状態が反転しない場合の容量であり、CBL
はビット線の寄生容量である。また、Mはビット線BL
1に連なるプレート線本数であり、図2においては、M
が4である。電源電圧Vccは3.3Vとする。
【0041】従来のメモリセルにおいて、メモリセルが
単層の1キャパシタ、例えば、C1により構成される場
合は、C≒500fF、C≒100fF、CBL≒
1000fF程度であるので、(1)式、(2)式よ
り、△V、△Vは、以下の程度である。 △V=0.92V △V=0.24V 本実施形態において、メモリセルが2層のキャパシタ、
即ち、2つのキャパシタ(C1,C2)が並列に接続し
ている場合、C、Cは倍になって、それぞれ100
0fF、200fFとなる。CBLはビット線の寄生容
量なので、変化しない。従って、(1)式、(2)式よ
り、本実施形態の場合のビット線電圧上昇量△V、△
は、以下の程度となる。 △V=1.27V △V=0.37V 即ち、電位の上昇量が著しく増大した。
【0042】なお、1ビット線に連なるプレート線本数
Mが大きくなる場合は、例えば、M=8の場合、従来の
メモリ構成でビット線の電位上昇量は、△V=0.7
5V、△V=0.18Vとなり、本実施形態のメモリ
構成でビット線の電位上昇量は、△V=0.97V、
△V=0.25Vとなり、電位上昇量の増大幅が低減
しているものの、電位の上昇量が増大した。
【0043】ビット線BL1とビット線BL2の上記の
電位の変動の差が、活性化されたセンスアンプ24によ
り検出されて、信号が増幅される。これにより、強誘電
体キャパシタC1+C2にデータ‘1’が記憶されてい
た場合には、ビット線BL1はVccに、ビット線BL
2は0Vに駆動される。一方、強誘電体キャパシタC1
+C2にデータ‘0’が記憶されていた場合には、ビッ
ト線BL1は0Vに、ビット線BL2はVccに駆動さ
れる。
【0044】以上の読み出し動作において、データ
‘1’が強誘電体キャパシタC1+C2に記憶されてい
た場合には、一旦記憶データは破壊されているので、再
書き込みにより、読み出し前の完全な状態に復帰する必
要がある。具体的に、さらにプレート線PL1がVcc
から0Vに切り換えられ、これにより、分極反転した強
誘電体キャパシタC1+C2は再度分極反転し、元のデ
ータが再書き込みされる。すなわち、上述のセンスアン
プ24によるビット線BL1,BL12の駆動と、プレ
ート線PL1のVccから0Vへの切り換えにより、デ
ータ‘1’,‘0’共にVccの印加電圧による再書き
込みが行われ、読み出し前の完全な状態に復帰する。
【0045】以上のように、選択プレート線PL1を駆
動することで、強誘電体キャパシタC1+C2のデータ
がセンスアンプ24に読み出され、増幅されて再書き込
みされる。そして、選択カラムのセンスアンプ24のデ
ータのみが図示しないI/O線に送られて出力される。
【0046】強誘電体C1+C2に対してデータを書き
込む場合は、ロウデコーダ22により制御系からアドレ
ス指定され選択されたワード線WL1に対して電源電圧
Vcc+αが印加される。これにより、TR1に連なる
強誘電体キャパシタからなるメモリセルC1+C2、C
3+C4、C5+C6、およびC7+C8が選択され、
パストランジスタTR1が導通状態に保持される。一
方、非選択のワード線WL2の電位は0Vに保持され、
パストランジスタTR2は非導通状態に保持される。
【0047】この状態で、プレートデコーダ13により
制御系からアドレス指定され選択されたプレート線PL
1に対して0Vが印加され、続いて電源電圧Vccが印
加される。また、非選択のプレート線PL2〜PL4に
は、プレートデコーダ3によりVcc/2が印加され
る。ここで、センスアンプ24に所望のデータとして、
たとえば、データ‘0’が書き込まれた場合、センスア
ンプ24によりビット線BL1が0Vにドライブされ
る。このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧V
ccレベルに保持されている。したがって、選択された
強誘電体キャパシタC1+C2は、他方の電極(プレー
ト線)側から一方の電極(ノード電極)側に向かう分極
状態となり、強誘電体キャパシタC1+C2にはデータ
‘0’が書き込まれる。そして、選択プレート線PL1
の電位が0Vに切り換えられても分極反転は起こらずデ
ータ‘0’の記録状態が保持される。
【0048】一方、センスアンプ24に所望のデータと
して、データ‘1’が書き込まれた場合、センスアンプ
24によりビット線BL1がVccにドライブされる。
このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧Vcc
レベルに保持されている。したがって、この場合には書
き込みは行われない。そして、選択プレート線PL1の
電位が0Vに切り換えられる。これにより、一方の電極
(ノード電極)側から他方の電極(プレート線)側に向
かう分極状態となり、強誘電体キャパシタC1+C2に
はデータ‘1’が書き込まれる。
【0049】セルC1+C2に所望のデータの書きこみ
動作が完了した後に、非選択セルへの再書き込み(リフ
レッシュ動作)を行なう。詳細な説明を省略する。
【0050】本実施形態によれば、極小のメモリセル面
積を有する1C構造の強誘電体メモリにおいて、その極
小のメモリセル面積を保ちつつ、各セルのキャパシタの
有効面積は倍に増大し、従来と比べて、各セルのキャパ
シタの容量、蓄積電荷も倍増した、センスアンプで得た
信号の量は著しく増大した。これにより、FeRAMの
高集積化が可能となり、実用上、極めて有用である。
【0051】第2の実施形態 図3は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリのメモリセルの構成を示す部分断面図で
あり、文献2(特開2000−349248)に開示さ
れている従来のメモリブロックを縦方向に2回折り返し
積層して形成されたものである。図3において、1は半
導体基板、2は素子分離領域、3はドレイン・ソース領
域、4はゲート酸化膜、5はポリシリコンあるいはポリ
サイドゲート電極(ワード線)、6は第1のノード電極
を構成する4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極、
7は第1の強誘電体膜、8a,8b,8c,8dはプレ
ート電極、9、9aは層間絶縁膜、10はアルミニウム
配線からなるビット線BL1、11、12はポリシリコ
ンプラグ、13は第2の強誘電体膜、14は第2のノー
ド電極、15は第3の強誘電体膜、16a,16b,1
6c,16dはプレート電極、17は第4の強誘電体
膜、18は第3のノード電極をそれぞれ示している。
【0052】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、第1のノード電極18、プレート電極8a,8b,
8c,8d、およびプレート電極16a,16b,16
c,16dは、好ましくは、貴金属類Pt、Ir、R
u、Rh、Re、Os、Pdのうち、少なくとも一つを
含む。或は、以上の貴金属類の酸化物をノード電極およ
びプレート電極に用いることができる。ここで、例え
ば、第1のノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用
い、第2のノード電極14、第1のノード電極18、プ
レート電極8a,8b,8c,8d、およびプレート電
極16a,16b,16c,16dには、膜厚100n
mのIr膜を用いる。
【0053】第1実施形態と同じように、本実施形態の
強誘電体薄膜の材料として、ABO 型ペロブス力イト
構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)TiO
Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,T
i)O、PbTiO、BaTiO、LiNb
、LiTaO、YMnO、または、ビスマス系
層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる。
ここで、一例として、第1の強誘電体薄膜7、第2の強
誘電体膜13、第3の強誘電体薄膜15、および、第4
の強誘電体薄膜17に、膜厚100nmのSBT膜(S
rBiTa)を用いる。
【0054】図3に示すように、第1のノード電極6に
接続される強誘電体キャパシタ8a、8b、8c、8d
の一方の電極が共通に下部電極6として構成され、この
下部電極上6に第1のSBT薄膜7が形成され、第1の
SBT薄膜7上に所定間隔をおいてプレート電極8a,
8b,8c,8dが形成され、プレート電極8a,8
b,8c,8dに第2のSBT薄膜13が形成され、第
2のSBT薄膜13上に第2のノード電極14が形成さ
れている。さらに、第2のノード電極14に第3のSB
T薄膜15が形成され、第3のSBT薄膜15に所定間
隔をおいてプレート電極16a,16b,16c,16
dが形成され、プレート電極16a,16b,16c,
16dに第4のSBT薄膜17が形成され、第4のSB
T薄膜17上に第3のノード電極18が形成されてい
る。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ12に
よりドレイン・ソース領域3に接続され、トランジスタ
TRを介して、さらにコンタク・プラグ11を介してビ
ット線(BL1)10に接続されている。第1のノード
電極6と、第2のノード電極14と、第3のノード電極
18とは、電気的に接続している。プレート電極8aと
16a,8bと16b,8cと16c,8dと16d
は、対応して電気的に接続しており、プレート線PL
1,PL2,PL3,PL4をそれぞれ構成する。
【0055】以上のように、本実施形態の第1のノード
電極6、第1の強誘電体膜7、プレート電極8a、8
b、8c、8d、第2の強誘電体膜13、第2のノード
電極14、第3の強誘電体膜15、プレート電極16
a,16b,16c,16d、第4の強誘電体膜17、
第3のノード電極18を含むメモリブロックは、文献2
(特開2000−349248)に開示されている従来
のメモリブロックを縦方向に2回折り返し積層して形成
されたものである。第1のノード電極6とプレート電極
8a、8b、8c、8dと第1の強誘電体膜7と、ま
た、プレート電極8a、8b、8c、8dと第2のノー
ド電極14と第2の強誘電体膜13と、また、第2のノ
ード電極14とプレート電極16a、16b、16c、
16dと第3の強誘電体膜15と、また、プレート電極
16a、16b、16c、16dと第3のノード電極1
8と第4の強誘電体膜17とが、それぞれ4つのキャパ
シタも構成しており、4つのキャパシタを有するキャパ
シタ層を4層形成している。第1のノード電極6、第2
のノード電極14、第3のノード電極18と電気的に接
続しており、また、プレート電極8aと16a,8bと
16b,8cと16c,8dと16dも、対応して電気
的に接続しているため、これらキャパシタ層の間にキャ
パシタが1対1で対応して並列に接続し、その結果、4
つのキャパシタが並列に接続して1メモリセルとなっ
て、データを記憶する。図3に示したメモリブロック
は、このような4つのキャパシタが並列に接続している
メモリセルは4つを有し、最大4ビットを記憶可能であ
る。
【0056】即ち、半導体基板上に、1ビットを記憶す
る平面的な領域(メモリセル)の面積を、従来メモリ構
成のセル面積より増大することなく、各セルのキャパシ
タの有効面積は4倍に増大した。そのため、従来と比べ
て、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍増え、
センスアンプで得た信号の量は増大可能となった。
【0057】図4は、図3に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図4に示した強誘電体メモリは、図2に示した強誘電体
メモリと同じように、メモリセルアレイ21、ロウデコ
ーダ22、プレートデコーダ23、センスアンプ(S/
A)24、カラムデコーダ25により構成されている。
ただし、図4に示した強誘電体メモリの1セルは、並列
に接続している4つの強誘電体キャパシタより構成され
ている。各メモリセルを、各メモリセルにおける並列に
接続している4つの強誘電体キャパシタの記号を用い
て、C1+C2+C3+C4、C5+C6+C7+C
8、C9+C10+C11+C12、C13+C14+
C15+C16、および、C17+C18+C19+C
20、C21+C22+C23+C24、C25+C2
6+C27+C28、C29+C30+C31+C32
と記する。
【0058】第1の実施形態と同じように、図4におい
ては、一列に配列されているメモリセルC1+C2+C
3+C4、C5+C6+C7+C8、C9+C10+C
11+C12、C13+C14+C15+C16の中
で、それぞれ4つの強誘電体キャパシタの一方の電極が
共通に一つのノード電極ND1に接続され、そして、同
一列に配置されたnチャネルMOSトランジスタTR1
を介してビット線BL1に接続されており、その他方の
電極はそれぞれ異なるプレート線PL1,PL2,PL
3,PL4に接続されており、各メモリセルC1+C2
+C3+C4、C5+C6+C7+C8、C9+C10
+C11+C12、およびC13+C14+C15+C
16のそれぞれに対して独立にデータの読出しと書き込
みができるように構成されている。
【0059】メモリセルC17+C18+C19+C2
0、C21+C22+C23+C24、C25+C26
+C27+C28、及びC29+C30+C31+C3
2の列には、同じように、共通のノード電極ND2、お
よびパストランジスタTR2を有し、上記と同じように
接続されている。
【0060】パストランジスタTR1のゲート電極が第
1のワード線WL1に接続され、パストランジスタTR
2のゲート電極がワード線WL2に接続されている。ロ
ウデコーダ22は、アドレス指定されたワード線、図4
の例ではWL1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc
+α(αはパストランジスタの閾値電圧以上の電圧)を
印加して、パストランジスタを導通状態に保持させる。
【0061】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレス指定されたプレート線PL1〜PL4にア
ドレス指定されたメモリセルとしての強誘電体キャパシ
タにデータを書き込み、または読み出し、かつ再書き込
みが行なえるような所定電圧0V,Vccを印加し、非
選択のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。
センスアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時
に、ビット線BL1、BL2に読み出されたデータをラ
ッチして増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行
なう。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセ
ンスアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出
しデータの出力、書き込みデータの対応するセンスアン
プへの供給等を行なう。
【0062】図4に示した強誘電体メモリの読出し及び
書きこみは、図2に示した強誘電体メモリと同じように
行なわれ、重複する説明は適宜に省略する。例えば、ワ
ード線WL1とプレート線PL1が選択され、ビット線
BL1がカラムとして選択されて、強誘電体キャパシタ
C1+C2+C3+C4のメモリセルを読出す場合は、
読み出し動作の初期状態では、プレート線PL1〜PL
4とビット線BL1はVcc/2に固定されている。こ
の状態で、ロウデコーダ22により選択されたワード線
WL1にVcc+α(αはパストランジスタTR1の閾
値電圧以上の電圧)が印加されて、ノード電極ND1に
接続しているメモリセルC1+C2+C3+C4、C5
+C6+C7+C8、C9+C10+C11+C12、
およびC13+C14+C15+C16が選択される。
これにより、パストランジスタTR1が導通状態とな
り、ノード電極ND1がビット線BL1に接続される。
【0063】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL1
が0Vにイコライズされた後、浮遊状態にされる。そし
て、非選択のプレート線PL2〜PL4の電位はVcc
/2に固定されているままで、選択プレート線PL1の
電位が0Vから電源電圧Vccレベルに立ち上げられ
る。このとき、選択プレート線PL1に接続されている
強誘電体キャパシタC1、C2、C3およびC4がノー
ド電極ND1側からプレート線PL1側に分極していれ
ば(‘1’)、元の分極と反対方向に電源電圧Vccが
印加されることになる。その結果、強誘電体キャパシタ
C1、C2、C3とC4の分極状態が反転し、反転電荷
がビット線BL1に放出される。一方、強誘電体キャパ
シタC1、C2、C3とC4がプレート線PL1側から
ノード電極ND1側に分極していれば(‘0’)、分極
方向と同方向の電圧が印加されているため、反転電流が
流れない。
【0064】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1、C2、C3とC4にデータ
‘1’が記憶されている場合には大きく、データ‘0’
が記憶されている場合には小さくなる。
【0065】次は、本実施形態によって、メモリセルは
従来の1キャパシタ(C1)から並列に接続している4
つのキャパシタC1とC2になることによって、ビット
線BL1の電位上昇量の変化を、第1の実施形態で説明
した式(1)と(2)を用いて見積もりする。強誘電体
キャパシタC1、C2、C3、C4に‘1’が記録され
ていた場合は、分極状態が反転し、反転電荷によるビッ
ト線BL1の電位変化△V、および、‘0’が記録さ
れていた場合は、分極状態が変化せず、ビット線BL 1
の電位変化△Vを表す式(1)と(2)を次にもう
一回書く。 △V+ =Vcc・〔C+ /{(M-1)・C- + C+ +CBL}〕 …(1) △V- =Vcc・〔C- /{M・C- + CBL}〕 …(2)
【0066】本実施形態において、メモリセルが4層の
キャパシタ、即ち、4つのキャパシタ(C1,C2、C
3,C4)が並列に接続しているので、その容量C
は4倍になって、C≒2000fF、C≒40
0fFとなる。また、CBL≒1000fF程度であ
り、電源電圧Vccは3.3Vとするので、式(1)と
(2)より、本実施形態では、△V=1.57V、△
=0.51Vとなる。即ち、電位の上昇量が著しく
増大した。
【0067】なお、1ビット線に連なるプレート線本数
M=8の場合、本実施形態のメモリ構成でビット線の電
位上昇量は、△V=1.14V、△V=0.31V
と増大した。以降の動作説明は省略する。
【0068】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷も4倍に
増大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大し
た。これにより、FeRAMの更なる高集積化が可能と
なり、実用上、極めて有用である。
【0069】第3の実施形態 図5は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリのメモリセルの構成を示す部分断面図で
あり、文献3(特願2000−156089)に記載さ
れている互いに重なり合う2つのメモリブロックをそれ
ぞれ縦方向に1回折り返し積層して形成されたものであ
る。図5において、1は半導体基板、2は素子分離領
域、3、53はドレイン・ソース領域、4、54はゲー
ト酸化膜、5、55はポリシリコンあるいはポリサイド
ゲート電極(ワード線)、6、56は第1のノード電極
を構成する4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極、
7、57は第1の強誘電体膜、8a,8b,8c,8
d、および58a,58b,58c,58dはプレート
電極、9、9aは層間絶縁膜、10はアルミニウム配線
からなるビット線BL1、11、12、51はポリシリ
コンプラグ、13、63は第2の強誘電体膜、14、6
4は第2のノード電極をそれぞれ示している。
【0070】図5に示すように、ワード線5、55の間
のドレイン・ソース領域3上の部分の層間絶縁膜9に、
例えば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ11
が形成されており、ドレイン・ソース領域3と電気的に
接続している。コンタクト・プラグ11上に、ビット線
10が形成されている。他方のドレイン・ソース領域3
上の部分の層間絶縁膜9に、例えば、ポリシリコンから
なるコンタクト・プラグ12上形成されており、他方の
ドレイン・ソース領域3と電気的に接続している。ドレ
イン・ソース領域53上の部分の層間絶縁膜9に、例え
ば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ51が形
成されて、ドレイン・ソース領域53と電気的に接続し
ている。
【0071】コンタクト・プラグ12上に、プラグ12
と電気的に接続された第1のノード電極6が形成されて
いる。第1のノード電極6は、トランジスタTR1、そ
して、コンタク・プラグ11を介してビット線(BL
1)10に接続されている。第1のノード電極6に第1
の強誘電体薄膜7が形成されており、第1の強誘電体薄
膜7上に所定間隔をおいてプレート電極8a,8b,8
c,8dが形成されている。これらのプレート電極8
a,8b,8c,8dは図示しない部分でそれぞれプレ
ート線PL1、PL2、PL3,PL4に接続されてい
る。さらに、プレート電極8a,8b,8c,8dに第
2の強誘電体薄膜13が形成され、第2の強誘電体薄膜
13上に第2のノード電極14が形成されている。第1
のノード電極6と第2のノード電極14とは電気的に接
続している。
【0072】第1のノード電極6とプレート電極8a,
8b,8c,8dとの間に第1の強誘電体薄膜7を挟ん
だ構造により4つの強誘電体キャパシタが形成されてお
り、プレート電極8a,8b,8c,8dと第2のノー
ド電極14との間に第2の強誘電体薄膜13を挟んだ構
造により4つの強誘電体キャパシタが形成されている。
【0073】同様に、コンタクト・プラグ51上に、プ
ラグ51と電気的に接続された第1のノード電極56が
形成されている。第1のノード電極56は、トランジス
タTR2、そして、コンタク・プラグ51を介してビッ
ト線(BL1)10に接続されている。第1のノード電
極56に第1の強誘電体薄膜57が形成されており、第
1の強誘電体薄膜57上に所定間隔をおいてプレート電
極58a,58b,58c,58dが形成されている。
これらのプレート電極58a,58b,58c,58d
は図示しない部分でそれぞれプレート線PL1、PL
2、PL3,PL4に接続されている。即ち、プレート
電極58a,58b,58c,58dは、プレート電極
8a,8b,8c,8dと対応して、プレート線を共有
している。第1のノード電極56とプレート電極58
a,58b,58c,58dとの間に第1の強誘電体薄
膜57を挟んだ構造により4つの強誘電体キャパシタが
形成されている。
【0074】さらに、プレート電極58a,58b,5
8c,58dに第2の強誘電体薄膜63が形成され、第
2の強誘電体薄膜63上に第2のノード電極64が形成
されている。第1のノード電極56と第2のノード電極
64とは電気的に接続している。プレート電極58a,
58b,58c,58dと第2のノード電極64との間
に第2の強誘電体薄膜63を挟んだ構造により4つの強
誘電体キャパシタが形成されている。
【0075】第1のノード電極6と第1のノード電極5
6は、図5のように、縦方向(基板に垂直な方向)に互
いに重なるように積層されている。これに伴い、第1の
ノード電極6上の積層構造と第1のノード電極56上の
積層構造とは、縦方向に互いに重なるように積層されて
いる。このようにすることにより、メモリセルの占有面
積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることが
できる。
【0076】第1のノード電極6、56、第2のノード
電極14、64、および、プレート電極8a,8b,8
c,8dと58a,58b,58c,58dは、好まし
くは、貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物をノード電極およびプレート電極に用いる
ことができる。ここで、例えば、第1のノード電極6、
56に膜厚150nmのIr膜を用い、第2のノード電
極14、64、プレート電極8a,8b,8c,8d、
と58a,58b,58c,58dには、膜厚100n
mのIr膜を用いる。
【0077】前述の実施形態と同じように、本実施形態
の強誘電体薄膜の材料として、ABO型ペロブス力イ
ト構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)Ti
、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Z
r,Ti)O、PbTiO、BaTiO、LiN
bO、LiTaO、YMnO、または、ビスマス
系層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb 、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる。
ここで、一例として、第1の強誘電体薄膜7、57、第
2の強誘電体膜13、63に、膜厚100nmのSBT
膜(SrBiTa)を用いる。
【0078】図5のように、コンタクト・プラグ12上
に形成されて、第1のノード電極6、第1の強誘電体膜
7、プレート電極8a、8b、8c、8d、第2の強誘
電体膜13、第2のノード電極14を含む積層構造は、
文献3(特開2000−349248)に開示された、
例えば、第1のノード電極6、第1の強誘電体膜7、と
プレート電極8a、8b、8c、8dを含む積層構造を
縦方向に1回折り返し積層して形成されたものである。
【0079】第1のノード電極6と第2のノード電極1
4とが電気的に接続しているので、第1のノード電極6
とプレート電極8a,8b,8c,8dとが第1の強誘
電体薄膜7を挟んで形成した4つの強誘電体キャパシタ
は、プレート電極8a,8b,8c,8dと第2のノー
ド電極14とが第2の強誘電体薄膜13を挟んで形成し
た4つの強誘電体キャパシタがそれぞれ並列に接続して
おり、印加された電圧に同じように応答する。同様に、
第1のノード電極56と第2のノード電極64とが電気
的に接続しているので、第1のノード電極56とプレー
ト電極58a,58b,58c,58dとが第1の強誘
電体薄膜57を挟んで形成した4つの強誘電体キャパシ
タは、プレート電極58a,58b,58c,58dと
第2のノード電極64とが第2の強誘電体薄膜63を挟
んで形成した4つの強誘電体キャパシタがそれぞれ並列
に接続しており、印加された電圧に同じように応答す
る。
【0080】第1のノード電極6とプレート電極8a,
8b,8c,8dとが第1の強誘電体薄膜7を挟んで形
成した4つの強誘電体キャパシタは、プレート電極8
a,8b,8c,8dと第2のノード電極14とが第2
の強誘電体薄膜13を挟んで形成した4つの強誘電体キ
ャパシタがそれぞれ1対1で対応して2つずつ並列に接
続して、1メモリセルとなって、データを記憶する。コ
ンタクト・プラグ12上に形成されたキャパシタを2層
に積層したメモリブロックは、このような2つのキャパ
シタが並列に接続しているメモリセルを4つ有し、最大
4ビットを記憶可能である。同じように、第1のノード
電極56とプレート電極58a,58b,58c,58
dとが第1の強誘電体薄膜57を挟んで形成した4つの
強誘電体キャパシタは、プレート電極58a,58b,
58c,58dと第2のノード電極64とが第2の強誘
電体薄膜63を挟んで形成した4つの強誘電体キャパシ
タと1対1で対応して2つずつ並列に接続して、1メモ
リセルとなって、1ビットを記憶する。コンタクト・プ
ラグ51上に形成されたキャパシタを2層に積層したメ
モリブロックは、このような2つのキャパシタが並列に
接続しているメモリセルは4つを有し、最大4ビットを
記憶可能である。
【0081】即ち、半導体基板上に、1ビットを記憶す
る平面的な領域(メモリセル)の面積を、従来メモリ構
成のセル面積より増大することなく、各セルのキャパシ
タの有効面積は2倍に増大した。そのため、従来と比べ
て、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は2倍に増
え、センスアンプで得た信号の量は増大可能となった。
【0082】図6は、図5に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図6に示す強誘電体メモリにおいて、1対の強誘電体キ
ャパシタに相補的にデータを書きこむことで1ビットを
記憶する。実際の強誘電体メモリは、図6に示す8ビッ
トを記憶する回路をアクセスの単位としてアレイ状に配
置される。
【0083】図6に示すように、この強誘電体メモリに
おいては、同一方向にワード線WL1、WL2とプレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4が配置され、これ
らと垂直に交差するようにビット線BL1、BL2が配
置されている。ワード線WL1、WL2はロウデコーダ
22に接続され、プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4はプレートデコーダ23に接続されている。ま
た、ビット線BL1、BL2が1対となってセンスアン
プ24に接続されている。
【0084】ビット線BL1は、パストランジスタTR
1、TR2を介して、ノード電極ND1、ND2とそれ
ぞれ接続されている。ノード電極ND1には、4つのメ
モリセルが接続されている。該4つのメモリセルは、そ
れぞれ並列に接続している2つの強誘電体キャパシタよ
り構成されている、即ち、C1とC2、C3とC4、C
5とC6、及びC7とC8は4つのメモリセルを構成し
ている。以降、該4つのメモリセルを、C1+C2、C
3+C4、C5+C6、C7+C8と記する。ノード電
極ND1は、C1とC2、C3とC4、C5とC6、及
びC7とC8強誘電体キャパシタの共通の一方の電極か
らなる。C1とC2、C3とC4、C5とC6、及びC
7とC8のそれぞれの他方の電極はプレート線PL1,
PL2,PL3,PL4に接続されている。同様に、ノ
ード電極ND2に、4つのメモリセルが接続されてい
る。該4つのメモリセルは、それぞれ並列に接続してい
る2つの強誘電体キャパシタより構成されている、即
ち、C9とC10、C11とC12、C13とC14、
及びC15とC16は4つのメモリセルを構成してい
る。以降、該4つのメモリセルを、C9+C10、C1
1+C12、C13+C14、及びC15+C16と記
する。ノード電極ND2は、C9とC10、C11とC
12、C13とC14、及びC15とC16強誘電体キ
ャパシタの共通の一方の電極からなる。C9とC10、
C11とC12、C13とC14、及びC15とC16
それぞれの他方の電極もプレート線PL1,PL2,P
L3,PL4に接続されている。
【0085】ビット線BL2についても同様に、パスト
ランジスタTR3、TR4を介して、ノード電極ND
3、ND4とそれぞれ接続されている。ノード電極ND
3には、C17とC18、C19とC20、C21とC
22、及びC23とC24がそれぞれ並列に接続して構
成した4つのメモリセルが接続されている、以降、該4
つのメモリセルを、C17+C18、C19+C20、
C21+C22、及びC23+C24と記する。ノード
電極ND3は、強誘電体キャパシタC17とC18、C
19とC20、C21とC22、及びC23とC24の
共通する一方の電極からなる。C17とC18、C19
とC20、C21とC22、及びC23とC24のそれ
ぞれの他方の電極はプレート線PL1,PL2,PL
3,PL4に接続されている。ノード電極ND4に、C
25とC26、C27とC28、C29とC30、及び
C31とC32がそれぞれ並列に接続して構成した4つ
のメモリセルが接続されている。該4つのメモリセル
を、C25+C26、C27+C28、C29+C3
0、及びC31+C32と記する。ノード電極ND4
は、強誘電体キャパシタC25とC26、C27とC2
8、C29とC30、及びC31とC32の共通する一
方の電極からなる。C25とC26、C27とC28、
C29とC30、及びC31とC32それぞれの他方の
電極もプレート線PL1,PL2,PL3,PL4に接
続されている。
【0086】パストランジスタTR1、TR3のゲート
電極がワード線WL1に接続され、パストランジスタT
R2、TR4のゲート電極ワード線WL2に接続されて
いる。ロウデコーダ22は、アドレス指定されたワード
線に、所定の電源電圧Vcc+α(αはパストランジス
タの閾値電圧以上の電圧)を印加して、パストランジス
タを導通状態に保持させる。プレートデコーダ23は、
データアクセス時にアドレス指定されたプレート線PL
1〜PL4にアドレス指定されたメモリセルとしての強
誘電体キャパシタにデータを書き込み、または読み出
し、かつ再書き込みが行なうために必要な電圧を印加
し、非選択のプレート線には適切な電圧を印加する。セ
ンスアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時に、
ビット線BL1、BL2に読み出されたデータをラッチ
して増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行な
う。
【0087】次は、図6に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図6に示した強誘電体
メモリは、各メモリセル対がそれぞれ1ビットずつを相
補データとして記憶するようになっている。例えば、セ
ルC1+C2とセルC17+C18がそれぞれ1ビット
ずつを相補データとして記憶する。ここで、強誘電体メ
モリセルC1+C2とセルC17+C18からデータを
読み出す動作を一例として説明する。以下の説明ではセ
ルC1+C2にデータ‘1’、セルC17+C18に
‘0’が書きこまれているとする。
【0088】読み出し動作が始まる前には、全部のビッ
ト線、ワード線、プレート線が接地されている。読み出
しが開始されると、初期状態として、プレート線PL1
〜PL4とビット線BL1、BL2はVcc/2に固定
されている(ただし、Vccは電源電圧)。この状態
で、ロウデコーダ22によりワード線WL1、WL2を
ハイレベルにして、パストランジスタTR1、TR2,
TR3,TR4が導通状態となり、ノード電極ND1、
ND2がビット線BL1に、ノード電極ND3、ND4
がビット線BL2にそれぞれ接続される。次に、非選択
ワード線WL2をロウレベルにして、TR2、TR4を
オフ状態に戻し、非選択ノード電極ND2、ND4が浮
遊状態となる。
【0089】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL
1、BL2が0Vにイコライズされた後、浮遊状態にさ
れる。そして、非選択のプレート線PL2〜PL4の電
位はVcc/2に固定されているままで、選択プレート
線PL1の電位が0Vから電源電圧Vccレベルに立ち
上げられる。このとき、データ‘1’が記憶された強誘
電体キャパシタC1とC2は、分極状態が反転し、反転
電荷がビット線BL1に放出され、ビット線BL1とB
L2間に電位差が生じる。
【0090】第1の実施形態と同じように、ビット線B
L1の電位上昇量の変化を見積りすることができる。強
誘電体キャパシタC1とC2に‘1’が記録されていた
ので、分極状態が反転し、反転電荷によるビット線BL
1の電位変化△Vは式(1)で表される。また、ビッ
ト線BL1に連なるプレート線本数Mが4であり、電源
電圧Vccは3.3Vとする場合、ビット線BL1の電
圧上昇量△Vは1.27Vとなり、従来の1キャパシ
タのメモリセルの場合の0.92Vより著しく増大し
た。また、ビット線BL2の電位上昇量の変化は、強誘
電体キャパシタC17とC18に‘0’が記録されてい
たので、分極状態が変化せず、ビット線BL2 の電位
変化△Vは式(2)で表される。前記と同じ条件で
は、△Vは0.37Vとなり、従来の1キャパシタの
メモリセルの場合の0.24Vより増大した。詳細の説
明は第1の実施形態に参照する。
【0091】次に、センスアンプ24を活性化して、デ
ータを読み出す。このとき、ビット線BL1はVcc
に、ビット線BL2は0Vに駆動され、セルC17+C
18に‘0’を再書き込みされ、そして、ビット線BL
1は0Vにし、セルC1+C2に‘1’を再書き込みさ
れ、読み出し前の完全な状態に復帰する。次に、プレー
ト線PL1、PL2、PL3、PL4を0Vにして、非
選択ワード線WL2をハイレベルにしてオンし、全部の
ノード電極を0Vに落す。
【0092】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は倍に増大し、従来と比
べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は2倍に増
大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大した。
これにより、FeRAMの更なる高集積化が可能とな
り、実用上、極めて有用である。
【0093】第4の実施形態 図7は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリのメモリセルの構成を示す部分断面図で
あり、文献3(特願2000−156089)に記載さ
れている互いに重なり合う2つのメモリブロックをそれ
ぞれ縦方向に2回折り返し積層して形成されたものであ
る。図7において、1は半導体基板、2は素子分離領
域、3、53はドレイン・ソース領域、4、54はゲー
ト酸化膜、5、55はポリシリコンあるいはポリサイド
ゲート電極(ワード線)、6、56は第1のノード電極
を構成する4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極、
7、57は第1の強誘電体膜、8a,8b,8c,8
d、と58a,58b,58c,58dはプレート電
極、9、9aは層間絶縁膜、10はアルミニウム配線か
らなるビット線BL1、11、12、51はポリシリコ
ンプラグ、13、63は第2の強誘電体膜、14、64
は第2のノード電極、15、75は第3の強誘電体膜、
16a,16b,16c,16d、と76a,76b,
76c,76dはプレート電極、17、77は第4の強
誘電体膜、18、78は第3のノード電極をそれぞれ示
している。をそれぞれ示している。
【0094】次の説明では、前記の実施形態と重複する
説明は適宜に省略する。図7に示すように、コンタクト
・プラグ12と電気的に接続された第1のノード電極6
は、トランジスタTR1、そして、コンタク・プラグ1
1を介してビット線(BL1)10に接続されている。
第1のノード電極6に、順次に第1の強誘電体薄膜7、
プレート電極8a,8b,8c,8d、第2の強誘電体
薄膜13、第2のノード電極14が形成されている。さ
らに、第2のノード電極14に第3の強誘電体薄膜15
が形成され、第3の強誘電体薄膜15に所定間隔をおい
てプレート電極16a,16b,16c,16dが形成
され、プレート電極16a,16b,16c,16dに
第4の強誘電体薄膜17が形成され、第4の強誘電体薄
膜17上に第3のノード電極18が形成されている。プ
レート電極8a,8b,8c,8dとプレート電極16
a,16b,16c,16dは図示しない部分でそれぞ
れプレート線PL1、PL2、PL3,PL4に接続さ
れている。即ち、プレート電極8aと16a,8bと1
6b,8cと16c,8dと16dは、対応して電気的
に接続している。また、第1のノード電極6と、第2の
ノード電極14と、第3のノード電極18とは、電気的
に接続している。
【0095】同様に、コンタクト・プラグ51と電気的
に接続された第1のノード電極56は、トランジスタT
R2、そして、コンタク・プラグ51を介してビット線
(BL1)10に接続されている。第1のノード電極5
6に、順次に第1の強誘電体薄膜57、プレート電極5
8a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜6
3、第2のノード電極64が形成されている。さらに、
第2のノード電極64に第3の強誘電体薄膜75が形成
され、第3の強誘電体薄膜75に所定間隔をおいてプレ
ート電極76a,76b,76c,76dが形成され、
プレート電極76a,76b,76c,76dに第4の
強誘電体薄膜77が形成され、第4の強誘電体薄膜77
上に第3のノード電極78が形成されている。プレート
電極58a,58b,58c,58dとプレート電極7
6a,76b,76c,76dは図示しない部分でそれ
ぞれプレート線PL1、PL2、PL3,PL4に接続
されている。即ち、即ち、プレート電極58aと76
a,58bと76b,58cと76c,58dと76d
は、対応して電気的に接続しており、また、プレート電
極58a,58b,58c,58dおよびプレート電極
76a,76b,76c,76dは、プレート電極8
a,8b,8c,8d及び16a,16b,16c,1
6dはそれぞれ対応してプレート線PL1、PL2、P
L3,PL4を共有している。また、第1のノード電極
56と、第2のノード電極64と、第3のノード電極7
8とは、電気的に接続している。
【0096】第1のノード電極6から第3のノード電極
18までの多層構造は、第1のノード電極6、第2のノ
ード電極14、第3のノード電極18とプレート電極8
a,8b,8c,8d及び16a,16b,16c,1
6dが対向電極とし、第1、第2、第3、第4の強誘電
体膜7、13、15、17が絶縁体として、それぞれ4
つのキャパシタを有するキャパシタ層を4層形成してい
る。第1のノード電極6、第2のノード電極14、第3
のノード電極18と電気的に接続しており、また、プレ
ート電極8aと16a,8bと16b,8cと16c,
8dと16dも、対応して電気的に接続しているため、
これらキャパシタ層のそれぞれの4つのキャパシタが1
対1で対応して並列に接続し、印加された電圧に同じよ
うに応答する。その結果、4つのキャパシタが並列に接
続して1メモリセルとなって、データを記憶する。図7
に示した第1のノード電極6から第3のノード電極18
までの多層構造は、このような4つのキャパシタが並列
に接続しているメモリセルは4つを有し、最大4ビット
を記憶可能である。
【0097】同じように、第1のノード電極56から第
3のノード電極78までの多層構造は、第1のノード電
極56、第2のノード電極64、第3のノード電極78
とプレート電極58a,58b,58c,58d及び7
6a,76b,76c,76dが対向電極とし、第1、
第2、第3、第4の強誘電体膜57、63、75、77
が絶縁体として、それぞれ4つのキャパシタを有するキ
ャパシタ層を4層形成している。第1のノード電極5
6、第2のノード電極64、第3のノード電極78とが
電気的に接続しており、また、プレート電極58aと7
6a,5bと76b,58cと76c,58dと76d
も、対応して電気的に接続しているため、これらキャパ
シタ層のそれぞれの4つのキャパシタが1対1で対応し
て並列に接続し、印加された電圧に同じように応答す
る。その結果、4つのキャパシタが並列に接続して1メ
モリセルとなって、データを記憶する。図7に示した第
1のノード電極56から第3のノード電極78までの多
層構造は、このような4つのキャパシタが並列に接続し
ているメモリセルは4つを有し、最大4ビットを記憶可
能である。
【0098】第1のノード電極6と第1のノード電極5
6は、図7のように、縦方向(基板に垂直な方向)に互
いに重なるように積層されている。これに伴い、第1の
ノード電極6上の積層構造と第1のノード電極56上の
積層構造とは、縦方向に互いに重なるように積層されて
いる。このようにすることにより、メモリセルの占有面
積を小さくすることができ、集積度の向上を図ることが
できる。以上の第1のノード電極6上の積層構造と第1
のノード電極56上の積層構造は縦方向に互いに重なっ
たメモリブロックは、最大8ビットを記憶可能である。
【0099】以上に説明したように、本実施形態におい
て、ノード電極、強誘電体膜、プレート電極を縦方向に
折り返し、多層に積み重ねることによって、セルごとの
キャパシタは、並列に接続している4つのキャパシタか
らなるので、セルごとのキャパシタの有効面積/容量
は、1つのキャパシタの4倍となる。従って、半導体基
板上に、1ビットを記憶する平面的な領域(メモリセ
ル)の面積を、従来メモリ構成のセル面積より増大する
ことなく、各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大
した。そのため、従来と比べて、各セルのキャパシタの
容量、蓄積電荷は4倍に増え、センスアンプで得た信号
の量は増大可能となった。
【0100】本実施形態の強誘電体メモリを構成する材
料は選択は、前述した各実施形態と同じである。
【0101】図8は、図7に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図8に示す強誘電体メモリの基本構成は、第3の実施形
態の強誘電体メモリとほぼ同じであり、だたし、1セル
におけるキャパシタは、4つのキャパシタが並列に接続
しているところが第3の実施形態の強誘電体メモリと異
なっている。これによって、セルからデータを読み出す
場合は、分極状態が反転して反転電荷を放出した場合の
ビット線の電位変化△Vは、前述の実施形態と同じよ
うに、式(1)で表され、また、1ビット線に連なるプ
レート線本数Mが4であり、電源電圧Vccは3.3V
とする場合は、分極反転によるビット線の電圧上昇量△
は1.57Vとなり、従来の1キャパシタのメモリ
セルの場合の0.92Vより著しく増大した。また、分
極状態が反転して反転電荷を放出した場合のビット線の
電位変化△V は、前述の実施形態と同じように、式
(2)で表される。前記と同じ条件では、△Vは0.
51Vとなり、従来の1キャパシタのメモリセルの場合
の0.24Vより増大した。詳細の説明は第1の実施形
態に参照する。
【0102】図8に示す強誘電体メモリの動作方法は、
第3の実施形態の強誘電体メモリと全く同じであり、説
明を省略する。
【0103】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍に
増大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大し
た。これにより、FeRAMの更なる高集積化が可能と
なり、実用上、極めて有用である。
【0104】第5の実施形態 本実施形態は、図1に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。本実施形態においては、各ノード電極お
よびプレート電極の材料として、貴金属材料Irを用い
る。反応性の低い貴金属系材料を電極として用いる場合
は、ドライエッチングによる微細加工が非常に難しいた
め、その微細化にはダマシン法が適している。本実施形
態では、ダマシン法を用いて、各ノード電極およびプレ
ート電極を形成する。
【0105】まず、図9に示すように、第1の導電性の
シリコン基板1に、公知の方法に基づきLOCOS構造
を有する素子分離領域2を形成する。次に、シリコン基
板1の表面を酸化してゲート酸化膜4を形成する。そし
て、ポリシリコン層を例えばCVD法にて全面に堆積さ
せた後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に
よってポリシリコン層をパターニングし、ポリシリコン
から成るゲート電極5を形成する。次に、ゲート電極5
の両側に第2の導電性の不純物イオンを注入し、そして
注入された不純物の活性化処理を行ない、ソース・ドレ
イン領域3を形成する。パストランジスタTRを形成す
る。なお、ゲート電極5はワード線を兼ねている。
【0106】次は、トランジスタTRを被覆するように
例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法に
て形成する。そして、トランジスタTRの一方のソース
・ドレイン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、ビット線10を形成するためのコンタクトホールを
穿ち、不純物を拡散したポリシリコンを埋め込んで、ポ
リシリコンプラグ11を形成する。その後、公知のCM
P(Chemical Mechanical Pol
ishing)法により、層間絶縁膜9とポリシリコン
プラグ11表面を平坦化して、公知のAl配線技術を用
いてビット線10を形成する。
【0107】次は、ビット線10を被覆するように例え
ば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法にてさ
らに堆積し、CMP法により、層間絶縁膜9を平坦化す
る。平坦化された層間絶縁膜9に、第1のノード電極6
の埋め込み部を形成する時のエッチングストッパー層9
1として、SiN膜をCVD法により50nm成膜す
る。そして、トランジスタTRの他方のソース・ドレイ
ン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、同じ方法で
ポリシリコンプラグ12を形成する。その後CMP法に
より表面のポリシリコンを除去して、ポリシリコンプラ
グ12を形成する。
【0108】ポリシリコンプラグ12上にノード電極を
形成する前に、プラグ12上保護膜としてのシリサイド
膜と拡散バリア膜を形成する。プラグ12がポリシリコ
ンであるので、高温処理中に、ポリシリコンプラグ15
からのシリコンの拡散によるプラグ12上に次に形成す
る電極膜のシリサイド化と特性劣化、また、酸化反応に
よって、酸化シリコンなどの絶縁膜の形成が生じる。そ
れを防止するために、通常は、プラグ12表面にシリサ
イド膜を形成する。また、高温で電極膜がプラグ12と
の反応や、電極膜と強誘電体膜からプラグ12への拡散
を防ぐために、通常、Ti、Ta、または、Wを含む窒
化物または酸化物を用いて、プラグ12と電極の間に拡
散バリア層を形成する。
【0109】具体的に、ドライエッチング技術によりプ
ラグ12内のポリシリコンを150nmエッチバック
し、プラグ12上に、DCマグネトロンスパッタ法、及
び公知のRTA(Rapid Thermal Ann
ealing)法によりシリコンの拡散を防止するCo
シリサイド膜92を形成する。Coシリサイド膜92の
上に、拡散バリア層としてTiN膜93をDCマグネト
ロンスパッタ法により200nm形成し、続いてCMP
法により表面のTiN膜を除去する。なお、エッチング
ストッパー層91であるSiNは、上記の各工程におい
て高い加工選択比があるため、この時点では殆ど削れて
いない。
【0110】続いて、図10に示すように、第1のノー
ド電極6の埋め込み層としてCVD法により酸化シリコ
ンからなる層間絶縁膜94を200nm形成し、第1の
ノード電極6のパターンをリソグラフィー技術とドライ
エッチング技術により層間絶縁膜94上に開口する。そ
して、この開口部に、第1のノード電極6としてIr膜
を150nmまでDCマグネトロンスパッタ法により堆
積する。外表面のIr膜をCMP法により除去する。図
示しないが、上記の開口部に、Ir膜を堆積する前に、
Ir膜の密着層としてIr−Hf膜を例えば20nmを
形成してよく、Ir膜を形成した後、表面のIr−Hf
膜もCMP法により除去する。なお、図11からエッチ
ングストッパー層91を図示しない。
【0111】続いて、図11に示すように、第1のノー
ド電極6上に第1の強誘電体膜7を形成する。ここで、
一例として、第1の強誘電体膜7を膜厚100nmの強
誘電体SBT膜(SrBiTa)とする。第1
のノード電極6上に上にCSD(Chemical S
olutionDeposition)法を用いて、強
誘電体薄膜SrBiTa(SBT)薄膜を形成
する。使用したSol−Gel前駆体溶液は市販のもの
を用い、溶液中の金属組成比はSr/Bi/Ta=0.
8/2.2/2.0である。公知のスピンコート法によ
り塗布した後、溶媒を揮発させるためにホットプレート
上で250゜C、5分間の加熱を行ない、続いて拡散炉
を用いて酸素雰囲気中で700゜C、30分の加熱を行
なう。この成膜工程を3回繰り返して、膜厚100nm
の強誘電体SBT膜を成膜する。
【0112】次に、プレート電極8a,8b、8c、8
dの埋め込み層として、第1の強誘電体膜7上にCVD
法にて、酸化シリコンからなる絶縁膜9aを形成する。
そして、絶縁膜9a上に、プレート電極8a,8b、8
c、8dのパターンをリソグラフィー技術とドライエッ
チング技術により形成する。そして、形成したプレート
電極のパターンに、第1の強誘電体膜7の上に、公知の
スパッタリング法により、膜厚100nmのIr膜を埋
めこむ。その後、CMP法により、表面に堆積したIr
を研磨除去し、平坦化し、プレート電極8a,8b、8
c、8dを形成する。そして、公知のフォトリソグラフ
ィ法とドライエッチング法を用いて、形成した各電極を
所定の大きさに加工する。
【0113】続いて、図12に示すように、前述した第
1の強誘電体膜7と同じ形成方法で、膜厚100nmの
SBT膜を形成し、第2の強誘電体膜13とする。そし
て、CVD法にて酸化膜からなる絶縁膜9bを形成し、
第2の強誘電体膜13を被覆する。その後、絶縁膜9b
上に、第2のノード電極14のパターンと第2のノード
電極14と第1のノード電極6とを接続するビアホール
14aを絶縁膜9b上に形成する。そして、形成したパ
ターンとビアホール14aに、公知のスパッタリング法
により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、そして、
CMP法により、表面に堆積したIrを研磨除去して平
坦化し、第1のノード電極6と接続している第2のノー
ド電極14を形成する。続いて、必要な配線層を形成
し、本実施形態の強誘電体メモリを形成する。
【0114】本実施形態は、第1の実施形態と同様な効
果を有する。
【0115】第6の実施形態 本実施形態は、図3に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。まず、図11まで示した製造工程は、第
5の実施形態と全く同じである。その説明を省略する。
図12に示す工程において第2のノード電極14を形成
した後、図13に示すように、第2のノード電極14上
に前述と同じ方法で膜厚100nmの強誘電体SBT膜
(SrBiTa)を形成し、第3の強誘電体膜
15とする。
【0116】次に、第3の強誘電体膜15上にCVD法
にて、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜9cを第3
の強誘電体膜15を被覆するように形成する。そして、
公知のダマシン法により、プレート電極16a,16
b、16c、16dを形成する。絶縁膜9c上に、プレ
ート電極16a,16b、16c、16d用の配線溝を
形成して、そして、形成した配線溝に、第3の強誘電体
膜15の上に、公知のスパッタリング法により、膜厚1
00nmのIr膜を埋めこみ、プレート電極16a,1
6b、16c、16dを形成する。その後、CMP法に
より、溝の外に堆積したIrを研磨除去し、平坦化す
る。
【0117】続いて、前述と同じ形成方法で、膜厚10
0nmのSBT膜を形成し、第4の強誘電体膜17とす
る。そして、CVD法にて酸化膜からなる絶縁膜9dを
形成し、第4の強誘電体膜17を被覆する。そして、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、形成した各電極を所定の大きさに加工する。
【0118】その後、公知のデュアルダマシン法によ
り、絶縁膜9d上に第3のノード電極18を形成する。
まずは、第3のノード電極14用の配線溝と第3のノー
ド電極18を第2のノード電極14と接続するビアホー
ル18aを絶縁膜9d上に形成する。そして、形成した
配線溝とビアホール18aに、公知のスパッタリング法
により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、第2のノ
ード電極14と接続している第3のノード電極18を形
成する。そのあとは、必要な配線層を形成し、本実施形
態の強誘電体メモリを形成する。
【0119】本実施形態は、第2の実施形態と同様な効
果を有する。
【0120】第7の実施形態 本実施形態は、図5、及び図7に示した強誘電体メモリ
の製造方法の例を示す。なお、本実施形態において、C
oシリサイド膜、拡散バリア層、図5に示した強誘電体
メモリを製造する時は、まず、図14に示すように、半
導体基板1の所定領域に、パストランジスタTR1,T
R2を第5の実施形態で説明した公知のMOSFET形
成工程により形成する。そして、パストランジスタTR
1とTR2の間のソース・ドレイン領域3及び両側のソ
ース・ドレイン領域53と3に、ポリシリコンプラグ1
1及びビット線10、そして、ポリシリコンプラグ12
と51を形成する。続いて、第5の実施形態と全く同じ
製造工程で、ポリシリコンプラグ12上に順次に第1の
ノード電極6、第1の強誘電体薄膜7、プレート電極8
a,8b,8c,8d、第2の強誘電体薄膜13、第2
のノード電極14を形成する。そして、ポリシリコンプ
ラグ51の上端を形成し、ポリシリコンプラグ51上
に、第1のノード電極6及びその上の積層構造を重ねる
ように、第1のノード電極56を形成する。形成方法は
前記と同じである。その後、第1のノード電極56上
に、順次に第1の強誘電体薄膜57、プレート電極58
a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜6
3、第2のノード電極64を形成する。そのあとは、必
要な配線層を形成し、図5の強誘電体メモリを形成す
る。
【0121】図7に示した強誘電体メモリを製造する時
は、まず、図15に示すように、半導体基板1の所定領
域に、パストランジスタTR1,TR2を前記と同じ方
法で形成し、パストランジスタTR1とTR2の間のソ
ース・ドレイン領域3及び両側のソース・ドレイン領域
53と3に、ポリシリコンプラグ11及びビット線1
0、そして、ポリシリコンプラグ12と51を形成す
る。続いて、第5と第7の実施形態と全く同じ製造工程
で、ポリシリコンプラグ12上に順次に第1のノード電
極6、第1の強誘電体薄膜7、プレート電極8a,8
b,8c,8d、第2の強誘電体薄膜13、第2のノー
ド電極14、第3の強誘電体薄膜15、プレート電極1
6a,16b,16c,16d、第4の強誘電体薄膜1
7、第3のノード電極18を形成する。そして、ポリシ
リコンプラグ51の上端を形成し、ポリシリコンプラグ
51上に、第1のノード電極6及びその上の積層構造を
重ねるように、第1のノード電極56を形成する。形成
方法は前記と同じである。その後、第1のノード電極5
6上に、順次に第1の強誘電体薄膜57、プレート電極
58a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜
63、第2のノード電極64、第3の強誘電体薄膜7
5、プレート電極76a,76b,76c,76d、第
4の強誘電体薄膜77、第3のノード電極78を形成す
る。そのあとは、必要な配線層を形成し、図7の強誘電
体メモリを形成する。以上の製造工程において、ダマシ
ン法を用いるためのエッチングストッパー層、及びプラ
グ上のCoシリサイド膜と拡散バリア層も形成するが、
その説明と図解は省略している。
【0122】本実施形態は、第3、第4の実施形態と同
様な効果を有する。
【0123】以上、本発明を好ましい実施の形態に基づ
き説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々の改変が可能である。本発明において説明した
半導体記憶装置、読出しと書きこみ方法、およびその作
製方法は例示であり、適宜に変更することが可能であ
る。上記実施の形態において、共通ノード電極の折り返
しは一回と2回を例示したが、原理的に何回でも折り返
すことは可能であり、縦方向に層を積み重ねて行けば実
効的なキャパシタ面積を何倍にでも増大させる事ができ
る。また、第3と第4の実施形態において、2つの積層
したキャパシタを積み重ねたが、これも原理的に何層で
も積み重ねられる事は言うまでもない。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電体キャパシタを
縦方向に少なくとも一回折り返し積み重ねることによっ
て、各キャパシタは2つまたはそれ以上のキャパシタが
並列に電気的に接続する構造となる。これによって、極
小のメモリセル面積を有する1C構造の強誘電体メモリ
において、その極小のメモリセル面積を増大させること
なく強誘電体キャパシタの有効面積とキャパシタの容量
を2倍以上に増加させて、読み出し信号量を大幅に増加
させることが可能とし、強誘電体メモリの更なる高集積
化が可能となり、実用上、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図3】第2の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図5】第3の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図7】第4の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図8】第4の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図9】第5の実施形態に係わる図1に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】図9に続き、第5の実施形態に係わる半導体
記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図11】図10に続き、第5の実施形態に係わる半導
体記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】図11に続き、第5の実施形態に係わる半導
体記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図13】第6の実施形態に係わる図3に示す半導体記
憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図14】第7の実施形態に係わる図5に示す半導体記
憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図15】第7の実施形態に係わる図7に示す半導体記
憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図16】キャパシタの実効面積を増大する従来技術の
第1の例に係わる半導体記憶装置の断面図である。
【図17】キャパシタの実効面積を増大する従来技術の
第2の例に係わる半導体記憶装置の断面図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…素子分離領域、3…ソース・ド
レイン領域、4…ゲート酸化膜、5…ゲート電極、6…
第1のノード電極、7…第1の強誘電体膜、8a,8
b,8c,8d…プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4、9、9a,9b、9c、9d…絶縁層、10…
ビット線、11、12…コンタクト・プラグ、13…第
2の強誘電体膜、14…第2のノード電極、14a…ビ
アホール、15…第3の強誘電体膜、16a,16b,
16c,16d…プレート電極、17…第4の強誘電体
膜、18…第3のノード電極、18a…ビアホール、2
1…メモリセルアレイ、22…ロウデコーダ、23…プ
レートデコーダ、24…センスアンプ、25…カラムデ
コーダ、53…ソース・ドレイン領域、54…ゲート酸
化膜、55…ゲート電極、56…第1のノード電極、5
7…第1の強誘電体膜、58a,58b,58c,58
d…プレート線、9、9a,9b、9c、9d…絶縁
層、51…コンタクト・プラグ、63…第2の強誘電体
膜、64…第2のノード電極、75…第3の強誘電体
膜、76a,76b,76c,76d…プレート電極、
77…第4の強誘電体膜、78…第3のノード電極、9
1…エッチングストッパー層、92…Coシリサイド
膜、93…拡散バリア層、94…絶縁膜、101…シリ
コン基板、102…素子分離領域、103…ゲート酸化
膜、104…ゲート電極、105…ドレイン、106…
ソース、108…下部電極、109…上部電極、110
…中間電極、111…第1の強誘電体層、112…第2
の強誘電体層、113…接続線、114…コンタクト・
プラグ、121…下部電極、122…強誘電体薄膜、1
23…上部電極、127…プレート線、132…ゲート
電極、134A、134B…ソース・ドレイン領域、1
42…コンタクト・プラグ、151…下部電極、152
…強誘電体薄膜、153…上部電極、157…プレート
線、PL1,PL2,PL3,PL4…プレート線、C
1〜C64…キャパシタ、WL1、WL2、WL3,W
L4…ワード線、BL1、BL2…ビット線、Vcc…
電源電圧、TR,TR1,TR2、TR3,TR4…パ
ストランジスタ、ND1、ND2、ND3,ND4…ノ
ード電極。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月17日(2003.3.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】半導体記憶装置及びその製造方法
【特許請求の範囲】
請求項3】前記積層された2つのキャパシタは、同一
の前記プレート電極、または、同一の前記共通ノード電
極を共有する請求項2記載の半導体記憶装置。
請求項7】前記積層された2つのキャパシタは、同一
の前記プレート電極、または、同一の前記共通ノード電
極を共有する請求項6記載の半導体記憶装置。
請求項11】複数層形成された前記プレート電極にお
いて、同一の記憶手段に属する個々のプレート電極はそ
れぞれ接続されている請求項10に記載の半導体記憶装
置の製造方法。
請求項12】メモリセルを選択するMISトランジス
タと、前記MISトランジスタの一方の不純物拡散領域
に接続されたN個(Nは自然数である,N>1)の記憶
手段と、前記MISトランジスタの他方の不純物拡散領
域と電気的に接続するビット線とを備え、前記各記憶手
段は電気的に並列に接続されたM個(Mは自然数であ
る,M>1)のキャパシタを含むメモリブロックを複数
有し、異なる前記メモリブロックのそれぞれの前記N個
の記憶手段が互いに重なり合うように複数層に積層され
た半導体記憶装置の製造方法であって、 半導体基板上に複数のMISトランジスタを形成する工
程と、 前記各MISトランジスタを含む前記半導体基板を覆う
絶縁膜に、前記各MISトランジスタの一方の不純物拡
散領域に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前
記各MISトランジスタの他方の不純物拡散領域に達す
る第2の導電性コンタクト・プラグを形成する工程と、 前記各第1の導電性コンタクト・プラグに接続する前記
N個の記憶手段を形成する記憶手段形成工程と、 前記各第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビッ
ト線を形成する工程とを有し、 異なる前記MISトランジスタに接続する前記N個の記
憶手段を互い重なり合うように形成する。半導体記憶装
置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体キャパシ
タを有する半導体記憶装置に関するものであり、特に、
高集積化且つ大容量化が可能な半導体記憶装置およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自発分極という特異な電気特性を
有する強誘電体を利用した不揮発性メモリ素子(強誘電
体メモリ素子)(FeRAM)(USP487366
4)は、その高速書き込み/読み出し、低電圧動作等の
特徴から、従来の不揮発性メモリのみならず、SRAM
(スタティックRAM)やDRAM等の殆どのメモリに置
き換わる可能性を秘めており、多くの研究が進められて
いる。
【0003】強誘電体の自発分極特性を利用したメモリ
は、強誘電体キャパシタに選択トランジスタを付加した
1トランジスタ+1キャパシタ(1T/1C)構造を有
するメモリセルが多く使われている。このタイプのFe
RAMは、通常のDRAM型メモリセルのメモリキャパ
シタ材料を常誘電体から強誘電体へ置き換えたものであ
る。
【0004】強誘電体材料としては、PZT(Pb(Z
r,Ti)O 、PLZT((Pb,La)(Zr,
Ti)OなどのABO型のペロブスカイト結晶構造
を持つ鉛系酸化物材料、また、SBT(SrBiTa
などのビスマス層状構造化合物材料が開発され
ている。特に、SBTは繰り返し分極反転後の特性劣化
が見られないという優れた疲労特性(PCT/US92
/10542)、および、分極が飽和する電界が小さ
く、低電圧動作に有利であるという優れた分極飽和特性
示すことが知られている。
【0005】FeRAMはDRAMを代替し、幅広く応
用するには、DRAM並みの高集積度および大容量化が
必要である。しかし、上記1T1C型のメモリセル構
造を採るFeRAMを高集積度化するのは困難である。
【0006】高集積度のために、メモリのセル面積を縮
小する必要がある。メモリセルは1ビットのデータを記
憶する領域であり、その理論上のセル面積の最小値は、
該領域で交差する所定数のワード線とビット線が最短ピ
ッチで配置される場合に占有している領域の面積とされ
ている。1T1C構造のFeRAMは、通常1ビットあ
たりワード線1本、ビット線2本を有し、そのワード線
とビット線が最短ピッチで配置される場合に、半導体
の最小設計寸法(Design Rule)をFとす
れば、理論上のFeRAMの最小セル面積はDRAMと
同様に8Fとなる事が一般的に知られている。実際
に、以上のFeRAMの1ビットの記憶領域では、トラ
ンジスタと強誘電体キャパシタ2個ずつ有し、また、
ワード線とビット線の他に、プレート線を設置する必要
があるので、ワード線とビット線最小ピッチで配置す
ることが不可能であり、実際のセル面積は8Fより大
きい。一方、同じ半導体不揮発性メモリであるフラッシ
ュメモリは、メモリセルにおいてトランジスタを一つし
か有しないので、最小セル面積4Fと小さい。
【0007】FeRAMを高集積化、大容量化を実現す
るために、近年、フラッシュメモリのように一つの素子
で構成されるメモリセルの開発がなされてきた。たとえ
ば、特開平9−116107号公報(文献1と呼ぶ)と
特開2000−349248号公報(文献2と呼ぶ)に
開示されているFeRAMでは、選択トランジスタを介
してビット線に接続された共通ノード電極に複数の強誘
電体キャパシタを接続し、1個の強誘電体キャパシタが
1ビットを記憶するメモリセルとして機能し、いわゆる
1C(1キャパシタ)構造の強誘電体メモリを実現し、
理論上は、フラッシュメモリと同等の最小セル面積4F
を可能としている。さらに、特願2000−1560
89号明細書(文献3と呼ぶ)に提案されているよう
に、上記共通ノード電極に複数の強誘電体キャパシタを
形成した1C構造を2層以上に積層した強誘電体メモリ
は、更なる高集積度ができ、例えば、理論上の最小セル
面積は2〜4Fが可能となっている。実際のセル面積
は半導体の最小設計寸法Fで決めるので、その最小設計
寸法Fをリソグラフィーを中心とする微細加工技術の進
に伴い縮小することは、これまで集積回路を高集積化
するために最も重要な手法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高集積
化が進み、素子の設計に用いられる最小設計寸法が小さ
くなってくると、一つの強誘電体キャパシタの面積が小
さくなり、キャパシタの容量/蓄積電荷量も小さくな
り、センスアンプでセンスするのに十分な信号量が得ら
れなくなり、メモリ動作の誤動作の原因となるという問
題が従来からFeRAMと同じ構造を有するDRAMに
おいても存在しており、高集積化を求められるFeRA
Mにとって問題となっている。
【0009】一般的に、この問題を解決するために、キ
ャパシタの下部電極構造を立体的にして有効的なキャパ
シタ面積を大きくする方法が採られている。既に高集積
化を実現しているDRAMについて、例えば、特開平6
−29482号公報(文献4と呼ぶ)で開示されている
DRAMのメモリセルにおいて、キャパシタを3次元で
積層し、キャパシタの表面積を最大化することを図っ
た。しかし、強誘電体薄膜のような結晶性の多元素系薄
膜の場合には立体的な構造の下部電極上に均一な薄膜を
形成することが非常に困難であり、未だに実用化される
見通しは立っていない。
【0010】従来は、FeRAMに適用でき、高集積度
の要求を満足しながらキャパシタの容量を増大させる方
法の開発がなされている。考え方として、DRAMと同
じように、例えば、1T1C構造の強誘電体メモリにお
いて、立体的にすることで、キャパシタの有効面積を増
加させる。次に、強誘電体キャパシタの有効面積を増大
する従来技術を例示する。
【0011】例えば、特開平7−86528号公報(文
献5と呼ぶ)で開示されている強誘電体キャパシタは多
層キャパシタ構造にすることにより、キャパシタ占有面
積を増加させることなく、等価的にキャパシタ面積を増
大することができ、安定に信号量を確保することが可能
となった。
【0012】また、特開平10−242410号公報
(文献6と呼ぶ)で開示されている1T1C構造を有す
る強誘電体メモリセルにおいて、選択トランジスタの上
下に第1のキャパシタと第2のキャパシタを設けること
から、セル面積を増加させることなく、1メモリセルに
おけるキャパシタ部全体の面積を増加させることができ
る。
【0013】しかしながら、文献5および文献6に開示
された強誘電体メモリセルは1T1Cの構造を有するの
で、セル面積そのものは大きく、高集積度が困難であっ
た。極小のセル面積を得られる文献1、文献2、及び文
献3に開示された高集積度可能、1C構造を有する
誘電体メモリについては、キャパシタの有効面積を増加
させる方法が開示されていない。
【0014】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、極小のセル面積を保ちつつ、メモリセルにおけ
キャパシタの有効面積を増加し、十分な読み出し信号
量を確保し、更なる高集積度化が可能な半導体記憶装置
及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る半導体記憶装置は、メモ
リセルを選択するMISトランジスタと、前記MIS
ランジスタの一方の不純物拡散領域と電気的に接続され
共通ノード電極と、前記MISトランジスタの他方の
不純物拡散領域と電気的に接続されたビット線と、前記
共通ノード電極と接続された複数の記憶手段とを有し、
前記各記憶手段は、互いに電気的に並列に接続された複
数のキャパシタを含む。
0016】好適には、前記複数の記憶手段は、前記共
通ノード電極と、該共通ノード電極と対向するプレート
電極層から形成される複数のプレート電極と、前記共通
ノード電極および前記プレート電極に挟まれた誘電体膜
とで形成される複数のキャパシタが積層された積層構造
を有し、積層された2つの前記キャパシタ層において、
一方の前記キャパシタに対し他方の前記キャパシタを構
成する前記共通ノード電極、前記誘電体膜、および前記
プレート電極が逆順に配置される。
【0017】上記目的を達成するために、本発明の第2
の観点に係る半導体記憶装置は、メモリセルを選択する
MISトランジスタと、前記MISトランジスタの一方
の不純物拡散領域と電気的に接続された共通ノード電極
と、前記MISトランジスタの他方の不純物拡散領域と
電気的に接続されたビット線と、前記共通ノード電極と
接続された複数の記憶手段とを含むメモリブロックを複
数有し、前記各記憶手段は、電気的に並列に接続された
複数のキャパシタを含み、異なる記メモリブロックの
それぞれの前記共通ノード電極は、互いに重なり合うよ
うに複数層に積層されている。好適には、前記各メモリ
ブロックの前記複数の記憶手段は、前記共通ノード電極
と、該共通ノード電極と対向するプレート電極層から形
成される複数のプレート電極と、前記共通ノード電極お
よび前記プレート電極層に挟まれた共通の誘電体膜とで
形成された複数のキャパシタが積層された積層構造を有
し、積層された2つの前記キャパシタ層において、一方
の前記キャパシタに対し他方の前記キャパシタを構成す
る前記共通ノード電極、前記誘電体膜、および前記プレ
ート電極が逆順に配置される。
0018】上記目的を達成するために、本発明の第3
の観点に係る半導体記憶装置の製造方法は、メモリセル
を選択するMISトランジスタと、前記MISトランジ
スタの一方の不純物拡散領域に接続されたN個(Nは自
然数である)の記憶手段と、前記MISトランジスタの
他方の不純物拡散領域と電気的に接続するビット線とを
有し、前記各記憶手段は、電気的に並列に接続されたM
個(Mは自然数である)のキャパシタを含む半導体記憶
装置の製造方法であって、半導体基板上に前記MISト
ランジスタを形成する工程と、前記MISトランジスタ
を含む前記半導体基板を覆う絶縁膜に、前記MISトラ
ンジスタの一方の不純物拡散領域に達する第1の導電性
コンタクト・プラグと、前記MISトランジスタの他方
の不純物拡散領域に達する第2の導電性コンタクト・プ
ラグを形成する工程と、前記第1の導電性コンタクト・
プラグに接続する前記N個の記憶手段を形成する工程
と、前記第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビ
ット線を形成する工程とを有する。
【0019】前記記憶手段を形成する工程は、前記第1
の導電性コンタクト・プラグに接続する第1の共通ノー
ド電極を形成する工程と、前記第1の共通ノード電極に
第1の誘電体薄膜を形成する第1の工程と、前記第1の
誘電体薄膜にN個のプレート電極を有する第1のプレー
ト電極層を形成する第2の工程と、前記第1のプレート
電極層上に第2の誘電体薄膜を形成する第3の工程と、
前記第2の誘電体薄膜上に前記第1の共通ノード電極と
導通する第2の共通ノード電極を形成する第4の工程
と、前記記憶手段を構成するM個のキャパシタにおい
て、Mは偶数でありかつM>2の場合は、前記第4の工
程で形成された前記第2の共通ノード電極を前記第1の
工程で形成された前記第1の共通ノード電極として、前
記第1の工程、前記第2の工程、前記第3の工程、及び
前記第4の工程をさらに(M/2−1)回実行し、Mは
奇数である場合は、前記第4の工程で形成された前記第
2の共通ノード電極を前記第1の工程で形成された前記
第1の共通ノード電極として、前記第1の工程、前記第
2の工程、前記第3の工程、及び前記第4の工程をさら
に((M−1)/2−1)回実行した後に、前記第1の
工程と前記第2の工程をさらに実行する第5の工程とを
有する。
【0020】上記目的を達成するために、本発明の第4
の観点に係る半導体記憶装置の製造方法は、メモリセル
を選択するMISトランジスタと、前記MISトランジ
スタの一方の不純物拡散領域に接続されたN個(Nは自
然数である)の記憶手段と、前記MISトランジスタの
他方の不純物拡散領域と電気的に接続するビット線とを
備え、前記各記憶手段は電気的に並列に接続されたM個
(Mは自然数である)のキャパシタを含むメモリブロッ
クを複数有し、異なる前記メモリブロックのそれぞれの
前記N個の記憶手段が互いに重なり合うように複数層に
積層された半導体記憶装置の製造方法であって、半導体
基板上に複数のMISトランジスタを形成する工程と、
前記各MISトランジスタを含む前記半導体基板を覆う
絶縁膜に、前記各MISトランジスタの一方の不純物拡
散領域に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前
各MISトランジスタの他方の不純物拡散領域に達す
る第2の導電性コンタクト・プラグを形成する工程と、
前記各第1の導電性コンタクト・プラグ接続する前記
N個の記憶手段を形成する工程と、前記各第2の導電性
コンタクト・プラグと接続するビット線を形成する工程
とを有し、異なる前記MISトランジスタに接続する
記N個の記憶手段を互い重なり合うように形成する。
【0021】以上の本発明によれば、共通ノード電極に
複数の強誘電体キャパシタ形成された、1キャパシタ
が1メモリセルとなるいわゆる1C構造のメモリセルの
ブロックを、少なくとも1回折り返すようにメモリセル
形成することによって、各メモリセルがキャパシタの
多層積層構造となり、そのため、1ビットの記憶領域
面積が変化せずに各キャパシタの有効面積は2倍、或
は、更に高い倍数で増大させる。さらに、異なる上記の
多層積層構造のキャパシタが互いに重なり合うことによ
って、更なる高集積化を実現する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体記憶装
置、およびその製造方法の実施の形態について、添付の
図面を参照して述べる。なお、実施形態の全図におい
て、同一又は対応する部分には同一の符号を付す。第1の実施形態 図1は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図である。図1に
示す強誘電体メモリは、半導体基板1、素子分離領域
2、ドレイン・ソース領域(不純物拡散領域)3、ゲー
ト酸化膜4、ゲート電極(ワード線)5、4つの強誘電
体キャパシタの共通下部電極を兼ねている第1のノード
電極6、第1の強誘電体膜7、プレート線PL1,PL
2,PL3,PL4を構成するプレート電極8a,8
b,8c,8d、層間絶縁膜9、9a、ビット線10
(BL1)、コンタクト・プラグ11、12、第2の強
誘電体膜13、第2のノード電極14を有する。
【0023】えば、ゲート電極5はポリシリコンある
いはポリサイドから形成されており、コンタクト・プラ
グ12は、ポリシリコン、ビット線10はアルミニウム
からそれぞれ形成されている。
【0024】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、およびプレート電極8a,8b,8c,8dは、好
ましくは、電気的な抵抗が低く、耐熱性が高く、反応性
が低い貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物は、強誘電体の構成元素に対して拡散バリ
ア性が優れており、強誘電体の酸素欠損を防ぐことがで
き、また、導電性を有するので、ノード電極およびプレ
ート電極に用いることができる。ここで、例えば、第1
のノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用い、第2
のノード電極14とプレート電極8a,8b,8c,8
dに、膜厚100nmのIr膜を用いる。
【0025】強誘電体不揮発メモリへ応用する強誘電体
材料として、ABO型ペロブス力イト構造を有するS
rTiO、(Ba,Sr)TiO、Pb(Zr,T
i)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、PbT
iO、BaTiO、LiNbO、LiTaO
YMnO、または、ビスマス系層状ペロブス力イト構
造化合物を含むSrBiTa、SrBiNb
、SrBi(Ta,Nb)、BiTi
12、SrBiTi15、SrBi (T
i,Zr)15、BiTiNbO、BiTi
TaO、BaBiTa、BaBiNb
を用いることができる。ここで、一例として、第1の
強誘電体薄膜7および第2の強誘電体膜13に膜厚10
0nmのSBT膜(SrBiTa)を用いる。
【0026】図1に示すように、第1のノード電極6
1の強誘電体薄膜7が形成され、第1の強誘電体薄膜
7上に所定間隔においてプレート電極8a,8b,8
c,8dが形成され、プレート電極8a,8b,8c,
8dに第2の強誘電体薄膜13が形成され、第2の強誘
電体薄膜13上に第2のノード電極14が形成されてい
る。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ12に
よりドレイン・ソース領域3に接続され、トランジスタ
TR及びコンタク・プラグ11を介してビット線(BL
1)10に接続されている。第1のノード電極6は第2
のノード電極14と電気的に接続されている
0027】図1に示すように、第1のノード電極6
と、第1の強誘電体膜7と、プレート電極8a、8b、
8c、8dとが4つのキャパシタを形成している。ま
た、プレート電極8a、8b、8c、8dと、第2の強
誘電体膜13と、第2のノード電極14とも4つのキャ
パシタを形成している。第1のノード電極6は第2のノ
ード電極14と電気的に接続しているので、各プレート
電極の上部のキャパシタと下部のキャパシタが電気的に
並列に接続している。本実施形態において、並列に接続
している2つのキャパシタが1ビットを記憶するメモリ
セル(記憶手段)を構成する。図1は、このようなキャ
パシタグループを4つ有し、最大4ビットのデータを記
憶可能なメモリブロックを示している。これらのセル
は、コンタクト・プラグ12、トランジスタTR及びコ
ンタク・プラグ11を介してビット線(BL1)10に
接続されている。
0028】従来技術においては、本実施形態における
第1のノード電極6、第1の強誘電体膜7、プレート電
極8a、8b、8c、8dからなる構成に等価するメモ
リセルブロックが開示されている。このようなメモリセ
ルブロックは、4キャパシタを有し、4ビットを記憶す
る。即ち、図1に示された本実施形態のメモリセルブロ
ックは従来のメモリブロックを縦方向に1回折り返し積
層して形成されたものである。従って、本実施形態にお
いて、半導体基板上に1ビットを記憶する平面的な領域
(メモリセル)の面積を従来メモリ構成のセル面積より
増大することなく、各メモリセルのキャパシタの有効面
積は倍に増大することができる。そのため、従来と比べ
て、各メモリセルのキャパシタの容量や蓄積電荷は2倍
に増え、センスアンプで得た信号の量も増大する。
【0029】図2は、図1に示したメモリセルブロック
から構成された強誘電体メモリの一例の等価回路を示
。図2に示した強誘電体メモリは、メモリセルアレイ
21、ロウデコーダ22、プレートデコーダ23、セン
スアンプ(S/A)24、カラムデコーダ25により構
成されている。
【0030】メモリセルアレイ21は、並列に接続して
いる2つの強誘電体キャパシタより構成された複数のメ
モリセルは(図2では8個)マトリクス状に配列されて
いる。各メモリセルにおける並列に接続している2つの
強誘電体キャパシタ(C1とC2、C3とC4、C5と
C6、及びC7とC8、または、C9とC10、C11
とC12、C13とC14、及びC15とC16)は、
前述したメモリセルで積層された2つのキャパシタに
対応している。以降、並列に接続している2つの強誘電
体キャパシタより構成された各メモリセルを、C1+
C2、C3+C4、C5+C6、C7+C8、C9+C
10、C11+C12、C13+C14、C15+C1
6と記す。なお、図示を簡潔にするため、図2では4つ
のメモリセルを有するブロックを2つしか示していない
が、実際にメモリ読み書き動作の方法によって、このよ
うなメモリセルブロックを繰り返して複数含むこと
らかである。
0031】図2においては、一列に配列されている、
メモリセルC1+C2、C3+C4、C5+C6、C7
+C8において、強誘電体キャパシタC1とC2、C3
とC4、C5とC6、およびC7とC8は、それぞれの
一方の電極が共通に一つのノード電極ND1に接続さ
れ、同一列に配置されたnチャネルMOSトランジスタ
TR1を介してビット線BL1に接続されている。各キ
ャパシタの他方の電極はそれぞれプレート線PL1,P
L2,PL3,PL4に接続されており、メモリセルC
1+C2、C3+C4、C5+C6、およびC7+C8
の各々に対して独立にデータの読出しと書き込みができ
るように構成されている。
【0032】メモリセルC9+C10、C11+C1
2、C13+C14、およびC15+C16の列は、
じように、共通のノード電極ND2、およびトランジス
タTR2に接続されている。
【0033】ランジスタTR1のゲート電極がワード
線WL1に接続され、トランジスタTR2のゲート電極
がワード線WL2に接続されている。ロウデコーダ22
は、アドレス指定されたワード線、図2の例ではWL
1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc+α(αは
ランジスタTR1又はTR2の閾値電圧以上の電圧)を
印加して、トランジスタTR1又はTR2を導通状態に
保持させる。
【0034】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレスを指定されたプレート線にアドレスを指定
されたメモリセルとなる強誘電体キャパシタにデータを
書き込み、または読み出し、かつ再書き込みが行なえる
ような所定電圧(0V,又はVcc)を印加し、非選択
のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。セン
スアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビ
ット線BL1、BL2から読み出されたデータをラッチ
増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行な
う。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセン
スアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出し
データの出力、書き込みデータの対応するセンスアンプ
への供給等を行なう。
【0035】次に、図2に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図2に示している強誘
電体メモリでは、ワード線WL1とワード線WL2を独
立に動作させ、トランジスタTR1又はTR2に連なる
強誘電体キャパシタグループごとに、1ビットを記憶す
ることができる。或は、ワード線WL1とワード線WL
2を同時に動作させ、各プレート線を電極として共有す
る一対のキャパシタグループ、すなわち図2において
R1に連なる1対の強誘電体キャパシタとTR2に連な
1対の強誘電体キャパシタで1ビットを記憶しても良
い。前者の場合には、ワード線WL1が選択されると、
ビット線BL2に図示しないダミーセルにより参照電位
が与えられ、ワード線WL2が選択されると、ビット線
BL1に図示しないダミーセルにより参照電位が与えら
れる。
【0036】次に、ワード線WL1とワード線WL2を
独立に動作させ、各強誘電体キャパシタグループごとに
1ビットを記憶する方法として、図2に示したメモリ構
成による読み出しおよび書き込みを説明する。ここで、
ワード線WL1とプレート線PL1が選択され、ビット
線BL1がカラムとして選択された場合、メモリセルC
1+C2にアクセスする場合を例として説明する。
【0037】まず、読み出し動作について説明する。読
み出し動作の初期状態では、プレート線PL1〜PL4
とビット線BL1の電位はVcc/2に固定されてい
る。この状態で、ロウデコーダ22により選択されたワ
ード線WL1にVcc+αが印加されて、ノード電極N
D1に接続しているメモリセルC1+C2、C3+C
4、C5+C6、およびC7+C8が選択される。これ
により、ランジスタTR1が導通状態となり、ノード
電極ND1がビット線BL1に接続される。次に、選択
されたプレート線PL1の電位がVcc/2から0Vに
切り換えられ、ビット線BL1が0Vにイコライズされ
た後、浮遊状態になる
【0038】そして、非選択のプレート線PL2〜PL
4の電位はVcc/2に固定された状態で、選択プレー
ト線PL1の電位が0Vから電源電圧Vccレベルに
。このとき、選択プレート線PL1接続されている
強誘電体キャパシタC1とC2とがノード電極ND1側
からプレート線PL1側に分極していれば(この分極状
態はデータ‘1’と規定する)、元の分極と反対方向に
電源電圧Vccが印加されることになる。その結果、強
誘電体キャパシタC1とC2の分極状態が反転し、反転
電荷がビット線BL1に放出される。一方、強誘電体キ
ャパシタC1C2がプレート線PL1側からノード電
極ND1側に分極していれば(この分極状態はデータ
‘0’と規定する)、分極方向と同方向の電圧が印加さ
れているため、反転電流が流れない。
【0039】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1とC2にデータ‘1’が記憶され
ている場合には大きく、データ‘0’が記憶されている
場合には小さくなる。一方、ビット線BL1と対をなす
ビット線BL2に対しては、図示しないダミーセルによ
り、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位上昇が発生する。換言すれ
ば、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位の参照電位がビット線BL2
に与えられる。
【0040】次に、本実施形態に係る並列に接続する2
つのキャパシタC1とC2からなるメモリセルの場合
と、従来の1つのキャパシタからなるメモリセルの場合
において、ビット線BL1の電位上昇量の変化を例示す
る。強誘電体キャパシタC1とC2に‘1’が記録され
ていた場合は、分極状態が反転し、反転電荷によるビッ
ト線BL1の電位変化△Vは次式(1)で表され
る。また、‘0’が記録されていた場合は、分極状態が
変化せず、ビット線BL 1 の電位変化△Vは次
(2)で表される。 ΔV= Vcc・〔C/{(M−1)・C+C+CBL}〕 …(1) ΔV= Vcc・〔C/{M・C+CBL}〕 …(2) ただし、式(1)式(2)において、Cはメモリセ
C1+C2の分極状態が反転した場合の容量であり、
はメモリセルC1+C2の分極状態が反転しない場
合の容量であり、CBLはビット線BL1の寄生容量で
ある。また、Mはビット線BL1に連なるプレート線本
数であり、図2においては、Mが4である。電源電圧V
ccは3.3Vとする。
【0041】従来のメモリセルにおいて、メモリセルが
単層の1キャパシタ、例えば、C1により構成される場
合は、C≒500fF、C≒100fF、CBL≒
1000fF程度であるので、式(1)式(2)
り、△V、△Vは、以下の程度である。 △V=0.92V △V=0.24V 本実施形態において、メモリセルが2層のキャパシタ、
即ち、2つのキャパシタ(C1,C2)が並列に接続し
ているので、C、Cは倍になって、それぞれ100
0fF、200fFとなる。CBLはビット線の寄生容
量なので、変化しない。従って、(1)式(2)式
り、本実施形態の場合のビット線電圧上昇量△V、△
は、以下の程度となる。 △V=1.27V △V=0.37V 即ち、電位の上昇量が大きく増大した。
【0042】なお、1ビット線に連なるプレート線の本
数Mが大きくなる場合は、例えば、M=8の場合、従来
のメモリ構成でビット線の電位上昇量は、△V=0.
75V、△V=0.18Vとなるのに対して、本実施
形態のメモリ構成におけるビット線の電位上昇量は、△
=0.97V、△V=0.25Vとなり、電位の
上昇量が増大した。
【0043】ビット線BL1とビット線BL2の上記の
電位の変動の差が、活性化されたセンスアンプ24によ
り検出されて、信号が増幅される。これにより、メモリ
セルC1+C2にデータ‘1’が記憶されていた場合に
は、ビット線BL1はVccに、ビット線BL2は0V
に駆動される。一方、メモリセルC1+C2にデータ
‘0’が記憶されていた場合には、ビット線BL1は0
Vに、ビット線BL2はVccに駆動される。
【0044】以上の読み出し動作において、データ
‘1’がメモリセルC1+C2に記憶されていた場合に
は、一旦記憶データは破壊されているので、再書き込み
により、読み出し前の完全な状態に復帰する必要があ
る。具体的に、プレート線PL1の電位をVccから0
Vに切り換、これにより、分極反転した強誘電体キャ
パシタC1C2再度分極反転させ、元のデータを再
書き込。すなわち、上述のセンスアンプ24による
ビット線BL1,BL12の駆動と、プレート線PL1
のVccから0Vへの切り換えにより、データ‘1’,
‘0’共にVccの印加電圧による再度書き込みが行わ
れ、読み出し前の完全な状態に復帰する。
【0045】以上のように、選択プレート線PL1を駆
動することで、メモリセルC1+C2のデータがセンス
アンプ24に読み出され、増幅されて再書き込みされ
る。そして、選択カラムのセンスアンプ24のデータの
みが図示しないI/O線に送られて出力される。
【0046】強誘電体C1+C2に対してデータを書き
込む場合は、ロウデコーダ22により制御系からアドレ
指定され選択されたワード線WL1に対して電源電
圧Vcc+αが印加される。これにより、トランジスタ
TR1が導通状態に保持され、TR1に連なメモリセ
ルC1+C2、C3+C4、C5+C6、およびC7+
C8が選択され。一方、非選択のワード線WL2の電
位は0Vに保持され、トランジスタTR2は非導通状態
に保持される。
【0047】この状態で、プレートデコーダ3により
制御系からアドレスを指定され選択されたプレート線P
L1に対して0Vが印加され、続いて電源電圧Vccが
印加される。また、非選択のプレート線PL2〜PL4
には、プレートデコーダ23によりVcc/2が印加さ
れる。ここで、センスアンプ24に所望のデータとし
て、たとえば、データ‘0’を書き込場合、センスア
ンプ24によりビット線BL1が0Vにドライブされ
る。このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧V
ccレベルに保持されている。したがって、選択された
メモリセルC1+C2の強誘電体キャパシタC1C2
は、プレート電極からノード電極側に向かう分極状態と
なり、メモリセルC1+C2データ‘0’が書き込ま
れる。そして、選択プレート線PL1の電位が0Vに切
り換えられても分極反転は起こらずデータ‘0’の記録
状態が保持される。
【0048】一方、センスアンプ24に所望のデータと
して、データ‘1’が書き込まれた場合、センスアンプ
24によりビット線BL1がVccにドライブされる。
このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧Vcc
レベルに保持されている。したがって、この場合に書き
込みは行われない。そして、選択プレート線PL1の電
位が0Vに切り換えられる。これにより、強誘電体キャ
パシタC1とC2は、ノード電極側からプレート電極
に向かう分極状態となり、メモリセルC1+C2デー
タ‘1’が書き込まれる。
【0049】メモリセルC1+C2に所望のデータの書
きこみ動作が完了した後に、非選択セルへの再書き込み
(リフレッシュ動作)を行なう
【0050】本実施形態によれば、極小のメモリセル面
積を有する1C構造の強誘電体メモリにおいて、その極
小のメモリセル面積を保ちつつ、各メモリセルのキャパ
シタの有効面積は倍に増大し、従来と比べて、各メモリ
セルのキャパシタの容量、蓄積電荷も倍増し、センスア
ンプで得られる信号の電荷量は大きく増大する。これに
より、FeRAMの高集積化が可能となり、実用上、極
めて有用である。
【0051】第2の実施形態 図3は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第1の
実施形態のメモリセルブロックを縦方向に1回折り返し
積層して形成されたものである。図3に示す強誘電体メ
モリは、半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソ
ース領域3、ゲート酸化膜4、ゲート電極(ワード線)
5、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極を兼ねて
いる第1のノード電極6、第1の強誘電体膜7、プレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4を構成するプレー
ト電極8a,8b,8c,8d、層間絶縁膜9、9a、
ビット線10(BL1)、コンタクト・プラグ11、1
2、第2の強誘電体膜13、第2のノード電極14、第
3の強誘電体膜15、プレート電極16a,16b,1
6c,16d、第4の強誘電体膜17、第3のノード電
極18を有する。
【0052】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、第3のノード電極18、プレート電極8a,8b,
8c,8d、およびプレート電極16a,16b,16
c,16dは、好ましくは、貴金属類Pt、Ir、R
u、Rh、Re、Os、Pdのうち、少なくとも一つを
含む。或は、以上の貴金属類の酸化物をノード電極およ
びプレート電極に用いることができる。ここで、例え
ば、第1のノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用
い、第2のノード電極14、第3のノード電極18、プ
レート電極8a,8b,8c,8d、およびプレート電
極16a,16b,16c,16dには、膜厚100n
mのIr膜を用いる。
【0053】第1実施形態と同じように、本実施形態の
強誘電体薄膜の材料として、ABO 型ペロブス力イト
構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)TiO
Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,T
i)O、PbTiO、BaTiO、LiNb
、LiTaO、YMnO、または、ビスマス系
層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる。
ここで、一例として、第1の強誘電体薄膜7、第2の強
誘電体膜13、第3の強誘電体薄膜15、および、第4
の強誘電体薄膜17に、膜厚100nmのSBT膜(S
rBiTa)を用いる。
【0054】図3に示すように、第1のノード電極6
1の強誘電体薄膜7が形成され、第1の強誘電体薄膜
7上に所定間隔においてプレート電極8a,8b,8
c,8dが形成され、プレート電極8a,8b,8c,
8dに第2の強誘電体薄膜13が形成され、第2の強誘
電体薄膜13上に第2のノード電極14が形成されてい
る。さらに、第2のノード電極14に第3の強誘電体
膜15が形成され、第3の強誘電体薄膜15に所定間隔
においてプレート電極16a,16b,16c,16d
が形成され、プレート電極16a,16b,16c,1
6dに第4の強誘電体薄膜17が形成され、第4の強誘
電体薄膜17上に第3のノード電極18が形成されてい
る。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ12に
よりドレイン・ソース領域3に接続され、トランジスタ
TR及びコンタク・プラグ11を介してビット線10
(BL1)に接続されている。第1のノード電極6と、
第2のノード電極14と、第3のノード電極18とは、
電気的に接続されている。プレート電極8aと16a,
8bと16b,8cと16c,8dと16dは、それぞ
れ電気的に接続されており、プレート線PL1,PL
2,PL3,PL4をそれぞれ構成する。
0055】図3に示すように、第1のノード電極6と
プレート電極8a、8b、8c、8dと第1の強誘電体
膜7と、また、プレート電極8a、8b、8c、8dと
第2のノード電極14と第2の強誘電体膜13と、ま
た、第2のノード電極14とプレート電極16a、16
b、16c、16dと第3の強誘電体膜15と、また、
プレート電極16a、16b、16c、16dと第3の
ノード電極18と第4の強誘電体膜17とが、それぞれ
4つのキャパシタも構成しており、4つのキャパシタを
有するキャパシタ層を4層形成している。第1のノード
電極6、第2のノード電極14、第3のノード電極18
は電気的に接続しており、また、プレート電極8aと1
6a,8bと16b,8cと16c,8dと16dも、
それぞれ電気的に接続しているため、例えば、プレート
電極8aと16aについて,プレート電極8a上下の2
つのキャパシタ、プレート電極16a上下の2つのキャ
パシタは並列に接続している。他のプレート電極対につ
いても同様である。本実施形態において、並列に接続し
ている4つのキャパシタが1ビットを記憶するメモリセ
ルを構成する。図3は、このようなキャパシタグループ
を4つ有し、最大4ビットのデータを記憶可能なメモリ
ブロックを示している。これらのセルは、コンタクト・
プラグ12、トランジスタTR及びコンタク・プラグ1
1を介してビット線(BL1)10に接続されている。
【0056】前述したように、図3に示された本実施形
態のメモリセルブロックは第1の実施形態のメモリブロ
ックを縦方向に1回折り返し積層して形成されたもので
ある。従って、本実施形態において、半導体基板上に1
ビットを記憶する平面的な領域(メモリセル)の面積
を、従来メモリ構成のセル面積より増大することな
く、各メモリセルのキャパシタの有効面積は4倍に増大
する。そのため、従来と比べて、各メモリセルのキャパ
シタの容量蓄積電荷は4倍増え、センスアンプで得
られる信号の電荷量も増大する
【0057】図4は、図3に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図4に示した強誘電体メモリは、図2に示した強誘電体
メモリと同じように、メモリセルアレイ21、ロウデコ
ーダ22、プレートデコーダ23、センスアンプ(S/
A)24、カラムデコーダ25により構成されている。
ただし、図4に示した強誘電体メモリの各メモリセル
は、並列に接続している4つの強誘電体キャパシタより
構成されている。各メモリセルを、各メモリセルにおけ
る並列に接続している4つの強誘電体キャパシタの記号
を用いて、C1+C2+C3+C4、C5+C6+C7
+C8、C9+C10+C11+C12、C13+C1
4+C15+C16、および、C17+C18+C19
+C20、C21+C22+C23+C24、C25+
C26+C27+C28、C29+C30+C31+C
32とそれぞれ記す。
【0058】第1の実施形態と同じように、図4におい
ては、一列に配列されているメモリセルC1+C2+C
3+C4、C5+C6+C7+C8、C9+C10+C
11+C12、C13+C14+C15+C16におい
強誘電体キャパシタの一方の電極が共通に一つの
ノード電極ND1に接続され、同一列に配置されたnチ
ャネルMOSトランジスタTR1を介してビット線BL
1に接続されている。各キャパシタの他方の電極はそれ
ぞれプレート線PL1,PL2,PL3,PL4に接続
されており、メモリセルC1+C2+C3+C4、C5
+C6+C7+C8、C9+C10+C11+C12、
およびC13+C14+C15+C16の各々に対して
独立にデータの読出しと書き込みができるように構成さ
れている。
【0059】メモリセルC17+C18+C19+C2
0、C21+C22+C23+C24、C25+C26
+C27+C28、及びC29+C30+C31+C3
2の列は、同じように、共通のノード電極ND2、およ
びトランジスタTR2に接続されている。
【0060】ランジスタTR1のゲート電極がワード
線WL1に接続され、トランジスタTR2のゲート電極
がワード線WL2に接続されている。ロウデコーダ22
は、アドレスを指定されたワード線、図4の例ではWL
1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc+α(αは
ランジスタTR1又はTR2の閾値電圧以上の電圧)を
印加して、トランジスタTR1又はTR2を導通状態に
保持させる。
【0061】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレスを指定されたプレート線にアドレス指定
されたメモリセルとなる強誘電体キャパシタにデータを
書き込み、または読み出し、かつ再書き込みが行なえる
ような所定電圧0V,又はVccを印加し、非選択
のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。セン
スアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビ
ット線BL1、BL2から読み出されたデータをラッチ
増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行な
う。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセン
スアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出し
データの出力、書き込みデータの対応するセンスアンプ
への供給等を行なう。
【0062】図4に示した強誘電体メモリの読出し及び
書きこみ動作は、図2に示した強誘電体メモリと同じよ
うに行なわれ、重複する説明は適宜に省略する。例え
ば、ワード線WL1とプレート線PL1が選択され、ビ
ット線BL1がカラムとして選択されて、メモリセル
1+C2+C3+C4のメモリセルを読出す場合は、読
み出し動作の初期状態では、プレート線PL1〜PL4
とビット線BL1の電位はVcc/2に固定されてい
る。この状態で、ロウデコーダ22により選択されたワ
ード線WL1にVcc+αが印加され、ノード電極ND
1に接続しているメモリセルC1+C2+C3+C4、
C5+C6+C7+C8、C9+C10+C11+C1
2、およびC13+C14+C15+C16が選択され
る。これにより、トランジスタTR1が導通状態とな
り、ノード電極ND1がビット線BL1に接続される。
【0063】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL1
が0Vにイコライズされた後、浮遊状態になる。そし
て、非選択のプレート線PL2〜PL4の電位はVcc
/2に固定されているままで、選択プレート線PL1の
電位0Vから電源電圧Vccレベルにする。このと
き、選択プレート線PL1に接続されている強誘電体キ
ャパシタC1、C2、C3およびC4がノード電極ND
1側からプレート線PL1側に分極していれば(データ
‘1’)、元の分極と反対方向に電源電圧Vccが印加
されることになる。その結果、強誘電体キャパシタC
1、C2、C3とC4の分極状態が反転し、反転電荷が
ビット線BL1に放出される。一方、強誘電体キャパシ
タC1、C2、C3とC4がプレート線PL1側からノ
ード電極ND1側に分極していれば(データ‘0’)、
分極方向と同方向の電圧が印加されているため、反転電
流が流れない。
【0064】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1、C2、C3とC4にデータ
‘1’が記憶されている場合には大きく、データ‘0’
が記憶されている場合には小さくなる。
0065】次に、本実施形態に係る並列に接続してい
る4つのキャパシタからなるメモリセルの場合と、従来
の1つのキャパシタからなるメモリセルの場合におい
て、ビット線BL1の電位上昇量の変化を、第1の実施
形態で示した式(1)と(2)を用いて見積もりする。
【0066】本実施形態において、メモリセルが4
のキャパシタ(例えば、C1,C2、C3,C4)が並
列に接続しているので、式(1)と(2)における容量
、C1つのキャパシタの4倍になり、C≒2
000fF、C≒400fFとなる。また、CBL≒
1000fF程度であり、電源電圧Vccは3.3Vと
するので、式(1)と(2)より、本実施形態では、△
=1.57V、△V=0.51Vとなる。第1の
実施形態に示した1つのキャパシタの場合より、電位の
上昇量が大幅に増大する。
【0067】なお、1ビット線に連なるプレート線の本
数M=8の場合、本実施形態のメモリ構成におけるビッ
ト線の電位上昇量は、△V=1.14V、△V
0.31Vとなる。以降の動作説明は省略する。
【0068】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷も4倍に
増大し、センスアンプで得られる信号の電荷量は大幅に
増大する。これにより、FeRAMの更なる高集積化が
可能となり、実用上、極めて有用である。
0069第3の実施形態 図5は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第1の
実施形態に示されたメモリブロックを2つ重ね合わせて
形成されたものである。図5に示す強誘電体メモリは、
半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソース領域
3、53、ゲート酸化膜4、54、ゲート電極5、55
(ワード線)、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電
極を兼ねている第1のノード電極6、56、第1の強誘
電体膜7、57、プレート電極8a,8b,8c,8
d、および58a,58b,58c,58d、層間絶縁
膜9、9a、ビット線10(BL1)、コンタクト・プ
ラグ11、12、51、第2の強誘電体膜13、63、
第2のノード電極14、64を有する。
【0070】図5に示すように、ワード線5、55の間
の一方のドレイン・ソース領域3上の層間絶縁膜9に、
例えば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ11
が形成されており、該一方のドレイン・ソース領域3と
電気的に接続されている。コンタクト・プラグ11上
に、ビット線10が形成されている。他方のドレイン・
ソース領域3上の層間絶縁膜9に、例えば、ポリシリコ
ンからなるコンタクト・プラグ12形成されており、
他方のドレイン・ソース領域3と電気的に接続されてい
る。ドレイン・ソース領域53上の層間絶縁膜9に、例
えば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ51が
形成されて、ドレイン・ソース領域53と電気的に接続
されている。
【0071】コンタクト・プラグ12上に、第1のノー
ド電極6が形成されている。第1のノード電極6は、ト
ランジスタTR1、及びコンタク・プラグ11を介して
ビット線(BL1)10に接続されている。第1のノー
ド電極6に第1の強誘電体薄膜7が形成されており、第
1の強誘電体薄膜7上に所定間隔においてプレート電極
8a,8b,8c,8dが形成されている。これらのプ
レート電極8a,8b,8c,8dはそれぞれプレート
線PL1、PL2、PL3,PL4を構成する。さら
に、プレート電極8a,8b,8c,8dに第2の強誘
電体薄膜13が形成され、第2の強誘電体薄膜13上に
第2のノード電極14が形成されている。第1のノード
電極6と第2のノード電極14とは電気的に接続され
いる。
【0072】第1のノード電極6とプレート電極8a,
8b,8c,8dと第1の強誘電体薄膜7とにより4つ
の強誘電体キャパシタが形成されており、プレート電極
8a,8b,8c,8dと第2のノード電極14第2
の強誘電体薄膜13とにより4つの強誘電体キャパシタ
が形成されている。
【0073】同様に、コンタクト・プラグ51上に、第
1のノード電極56が形成されている。第1のノード電
極56は、トランジスタTR2、及びコンタク・プラグ
51を介してビット線(BL1)10に接続されてい
る。第1のノード電極56に第1の強誘電体薄膜57が
形成されており、第1の強誘電体薄膜57上に所定間隔
をおいてプレート電極58a,58b,58c,58d
が形成されている。これらのプレート電極58a,58
b,58c,58dはそれぞれプレート線PL1、PL
2、PL3,PL4に接続されている。また、プレート
電極58a,58b,58c,58dに第2の強誘電体
薄膜63が形成され、第2の強誘電体薄膜63上に第2
のノード電極64が形成されている。第1のノード電極
56と第2のノード電極64とは電気的に接続してい
る。
0074】第1のノード電極56とプレート電極58
a,58b,58c,58dと第1の強誘電体薄膜57
とにより4つの強誘電体キャパシタが形成されている。
また、プレート電極58a,58b,58c,58dと
第2のノード電極64と第2の強誘電体薄膜63とによ
り4つの強誘電体キャパシタが形成されている。
【0075】第1のノード電極6から第2のノード電極
14までの積層構造と、第1のノード電極56から第2
のノード電極64までの積層構造とは、図5のように、
縦方向(基板に垂直する方向)に互いに重なるように積
層されている。これにより、2つのメモリブロックは同
じ平面領域を占有しているので、メモリセル当たりの占
有する面積が半分近く小さくなり、集積度の更なる向上
を図ることができる。
【0076】第1のノード電極6、56、第2のノード
電極14、64、および、プレート電極8a,8b,8
c,8dと58a,58b,58c,58dは、好まし
くは、貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物をノード電極およびプレート電極に用いる
ことができる
【0077】前述の実施形態と同じように、本実施形態
の強誘電体薄膜の材料として、ABO型ペロブス力イ
ト構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)Ti
、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Z
r,Ti)O、PbTiO、BaTiO、LiN
bO、LiTaO、YMnO、または、ビスマス
系層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb 、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる
0078】例えば、第1のノード電極6、56に膜厚
150nmのIr膜を用い、第2のノード電極14、6
4、プレート電極8a,8b,8c,8d、と58a,
58b,58c,58dには、膜厚100nmのIr膜
を用いる。また、一例として、第1の強誘電体薄膜7、
57、第2の強誘電体膜13、63に、膜厚100nm
のSBT膜(SrBiTa)を用いる。
0079】第1の実施形態において説明したように、
コンタクト・プラグ12上に形成された第1のノード電
極6、第1の強誘電体膜7、プレート電極8a、8b、
8c、8d、第2の強誘電体膜13、第2のノード電極
14を含むメモリセルブロックは、並列に接続している
2つのキャパシタからなるメモリセルを4つ有し、最大
4ビットのデータを記憶可能である。
0080】同様に、コンタクト・プラグ51上に形成
された第1のノード電極56と、第1の強誘電体薄膜5
7と、プレート電極58a,58b,58c,58d
と、第2の強誘電体薄膜63と、第2のノード電極64
とを含むメモリセルブロックは、並列に接続している2
つのキャパシタからなるメモリセルを4つ有し、最大4
ビットのデータを記憶可能である。
【0081】即ち、本実施形態において、半導体基板上
に1ビットを記憶する平面的な領域(メモリセル)の面
積を、従来メモリ構成におけるセル面積より増大する
ことなく、各セルのキャパシタの有効面積は2倍に増大
する。そのため、従来と比べて、各セルのキャパシタの
容量、蓄積電荷は2倍に増え、センスアンプで得られる
信号の電荷量は増大する。さらに、2つ、或いは、2つ
以上のメモリブロックを重ね合わせ、1つのメモリセル
あたりの平面的な面積はさらに縮小し、集積度をさらに
高める
【0082】図6は、図5に示したメモリセルブロック
から構成された強誘電体メモリの一例の等価回路であ
る。図6に示す強誘電体メモリにおいて、1対の強誘電
体キャパシタグループに相補的にデータを書きこむこと
で1ビットを記憶する。従って、図6に示す強誘電体メ
モリは、8ビットのデータを記憶する。
【0083】図6に示すように、この強誘電体メモリに
おいては、同一方向にワード線WL1、WL2とプレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4が配置され、これ
らと垂直に交差するようにビット線BL1、BL2が配
置されている。ワード線WL1、WL2はロウデコーダ
22に接続され、プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4はプレートデコーダ23に接続されている。ま
た、ビット線BL1、BL2が1対となってセンスアン
プ24に接続されている。
【0084】ビット線BL1は、トランジスタTR1、
TR2を介して、ノード電極ND1、ND2とそれぞれ
接続されている。ノード電極ND1には、4つのメモリ
セルが接続されている。該4つのメモリセルは、それぞ
れ並列に接続している2つの強誘電体キャパシタより構
成されている、即ち、C1とC2、C3とC4、C5と
C6、及びC7とC8は4つのメモリセルを構成してい
る。以降、該4つのメモリセルを、C1+C2、C3+
C4、C5+C6、C7+C8と記す。強誘電体キャパ
シタC1とC2、C3とC4、C5とC6、及びC7と
C8の各々の一方の電極がノード電極ND1に接続され
ている。C1とC2、C3とC4、C5とC6、及びC
7とC8の各々の他方の電極はプレート線PL1,PL
2,PL3,PL4に接続されている。同様に、ノード
電極ND2に、4つのメモリセルが接続されている。該
4つのメモリセルは、それぞれ並列に接続している2つ
の強誘電体キャパシタより構成されている、即ち、C9
とC10、C11とC12、C13とC14、及びC1
5とC16は4つのメモリセルを構成している。以降、
該4つのメモリセルを、C9+C10、C11+C1
2、C13+C14、及びC15+C16と記す。強誘
電体キャパシタC9とC10、C11とC12、C13
とC14、及びC15とC16の各々の一方の電極がノ
ード電極ND2に接続されている。C9とC10、C1
1とC12、C13とC14、及びC15とC16の各
々の他方の電極がプレート線PL1,PL2,PL3,
PL4に接続されている。
【0085】ビット線BL2についても同様に、トラン
ジスタTR3、TR4を介して、ノード電極ND3、N
D4とそれぞれ接続されている。ノード電極ND3に
は、C17とC18、C19とC20、C21とC2
2、及びC23とC24がそれぞれ並列に接続して構成
された4つのメモリセルが接続されている、以降、該4
つのメモリセルを、C17+C18、C19+C20、
C21+C22、及びC23+C24と記す。強誘電体
キャパシタC17とC18、C19とC20、C21と
C22、及びC23とC24の各々の一方の電極がノー
ド電極ND3に接続されている。強誘電体キャパシタ
17とC18、C19とC20、C21とC22、及び
C23とC24の各々の他方の電極はプレート線PL
1,PL2,PL3,PL4に接続されている。ノード
電極ND4には、C25とC26、C27とC28、C
29とC30、及びC31とC32がそれぞれ並列に接
続して構成された4つのメモリセルが接続されている。
該4つのメモリセルを、C25+C26、C27+C2
8、C29+C30、及びC31+C32と記。ノー
ド電極ND4には、強誘電体キャパシタC25とC2
6、C27とC28、C29とC30、及びC31とC
32の各々の一方の電極が接続されている。C25とC
26、C27とC28、C29とC30、及びC31と
C32の各々の他方の電極プレート線PL1,PL
2,PL3,PL4に接続されている。
【0086】ランジスタTR1、TR3のゲート電極
がワード線WL1に接続され、ランジスタTR2、T
R4のゲート電極ワード線WL2に接続されている。ロ
ウデコーダ22は、アドレスを指定されたワード線に、
所定の電源電圧Vcc+α(αはランジスタの閾値電
圧以上の電圧)を印加して、ランジスタを導通状態に
保持させる。プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレスを指定されたプレート線PL1〜PL4に
アドレスを指定されたメモリセルとなる強誘電体キャパ
シタにデータを書き込み、または読み出し、かつ再書き
込みが行なえるために必要な電圧を印加し、非選択のプ
レート線には適切な電圧を印加する。センスアンプ24
は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビット線BL
1、BL2から読み出されたデータをラッチし増幅
し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行なう。カラム
デコーダ25は、アドレス指定に応じてセンスアンプの
選択やセンスアンプにラッチされた読み出しデータの出
力、書き込みデータの対応するセンスアンプへの供給等
を行なう。
【0087】次は、図6に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図6に示した強誘電体
メモリは、各メモリセル対がそれぞれ1ビットずつを相
補データとして記憶するようになっている。例えば、
モリセルC1+C2とC17+C18がそれぞれ1ビッ
トずつを相補データとして記憶する。ここで、メモリセ
ルC1+C2とC17+C18からデータを読み出す動
作を一例として説明する。以下の説明ではメモリセルC
1+C2にデータ‘1’、メモリセルC17+C18に
‘0’が書きこまれている状態とする。
【0088】読み出し動作が始まる前には、全部のビッ
ト線、ワード線、プレート線が接地されている。読み出
しが開始されると、初期状態として、プレート線PL1
〜PL4とビット線BL1、BL2はVcc/2に固定
されている(Vccは電源電圧)。この状態で、ロウデ
コーダ22によりワード線WL1、WL2の電位がハイ
レベルにされ、トランジスタTR1、TR2,TR3,
TR4が導通状態となる。これによって、ノード電極N
D1、ND2がビット線BL1に、ノード電極ND3、
ND4がビット線BL2にそれぞれ接続される。次に、
非選択ワード線WL2ロウレベルにされ、TR2、T
R4がオフ状態になり、非選択ノード電極ND2、ND
4が浮遊状態となる。
【0089】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL
1、BL2が0Vにイコライズされた後、浮遊状態に
。そして、非選択のプレート線PL2〜PL4の電位
はVcc/2に固定されているままで、選択プレート線
PL1の電位を0Vから電源電圧Vccレベルにする
このとき、データ‘1’が記憶された強誘電体キャパシ
タC1とC2は、分極状態が反転し、反転電荷がビット
線BL1に放出され、ビット線BL1とBL2間に電位
差が生じる。
【0090】第1の実施形態と同じように、ビット線B
L1の電位上昇量の変化を見積る。強誘電体キャパシタ
C1とC2に‘1’が記録されていたので、分極状態が
反転し、反転電荷によるビット線BL1の電位変化△V
第1の実施形態で説明した式(1)で表される。ま
た、ビット線BL1に連なるプレート線本数Mが4であ
り、電源電圧Vccは3.3Vとする場合、ビット線B
L1の電圧上昇量△Vは1.27Vとなり、従来の1
キャパシタのメモリセルの場合の0.92Vより大幅に
増大する。また、ビット線BL2の電位上昇量の変化
は、強誘電体キャパシタC17とC18に‘0’が記録
されていたので、分極状態が変化せず、ビット線BL2
の電位変化△V第1の実施形態で説明した
(2)で表される。前記と同じ条件では、△Vは0.
37Vとなり、従来の1キャパシタのメモリセルの場合
の0.24Vより増大する。
【0091】次に、センスアンプ24を活性化して、デ
ータを読み出す。このとき、ビット線BL1の電位をV
ccにし、ビット線BL2は0Vに駆動され、メモリセ
ルC17+C18‘0’を再書き込み、そして、ビ
ット線BL1の電位0Vに、メモリセルC1+C2
に‘1’を再書き込み、読み出し前の完全な状態に復
される。次に、プレート線PL1、PL2、PL3、
PL4の電位は0Vにして、非選択ワード線WL2をハ
イレベルにし全部のノード電極を0Vにする
【0092】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は倍に増大し、従来と比
べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は2倍に増
大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大した。
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重
ね合わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積はさ
らに縮小し、集積度をさらに高める。これにより、Fe
RAMの更なる高集積化が可能となり、実用上、極めて
有用である。
0093第4の実施形態 図7は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第2の
実施形態に示されたメモリブロックを2つ重ね合わせて
形成されたものである。図7示す強誘電体メモリは、
半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソース領域
3、53、ゲート酸化膜4、54、ゲート電極5、55
(ワード線)、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電
極を兼ねている第1のノード電極6、56、第1の強誘
電体膜7、57、プレート電極8a,8b,8c,8
d、および58a,58b,58c,58d、層間絶縁
膜9、9a、ビット線10(BL1)、コンタクト・プ
ラグ11、12、51、第2の強誘電体膜13、63、
第2のノード電極14、64、第3の強誘電体膜15、
75、プレート電極16a,16b,16c,16d、
と76a,76b,76c,76d、第4の強誘電体膜
17、77、第3のノード電極18、78を有してい
る。
【0094】次の説明では、前述した実施形態と重複す
る説明を適宜に省略する。図7に示すように、コンタク
ト・プラグ12と電気的に接続された第1のノード電極
6は、トランジスタTR1、及びコンタク・プラグ1
1を介してビット線(BL1)10に接続されている。
第1のノード電極6に、順次第1の強誘電体薄膜7、プ
レート電極8a,8b,8c,8d、第2の強誘電体薄
膜13、第2のノード電極14が形成されている。
のノード電極14に第3の強誘電体薄膜15が形成さ
れ、第3の強誘電体薄膜15に所定間隔をおいてプレー
ト電極16a,16b,16c,16dが形成され、プ
レート電極16a,16b,16c,16dに第4の強
誘電体薄膜17が形成され、第4の強誘電体薄膜17上
に第3のノード電極18が形成されている。プレート電
極8aと16a,8bと16b,8cと16c,8dと
16dは、それぞれ電気的に接続している。また、第1
のノード電極6と、第2のノード電極14と、第3のノ
ード電極18とは、電気的に接続している。
【0095】同様に、コンタクト・プラグ51と電気的
に接続された第1のノード電極56は、トランジスタT
R2、及びコンタク・プラグ11を介してビット線
(BL1)10に接続されている。第1のノード電極5
6に、順次第1の強誘電体薄膜57、プレート電極58
a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜6
3、第2のノード電極64が形成されている。さらに、
第2のノード電極64に第3の強誘電体薄膜75が形成
され、第3の強誘電体薄膜75に所定間隔においてプレ
ート電極76a,76b,76c,76dが形成され、
プレート電極76a,76b,76c,76dに第4の
強誘電体薄膜77が形成され、第4の強誘電体薄膜77
上に第3のノード電極78が形成されている。プレート
電極58aと76a,58bと76b,58cと76
c,58dと76dはそれぞれ電気的に接続している。
また、第1のノード電極56と、第2のノード電極64
と、第3のノード電極78とは、電気的に接続してい
る。
0096】第2の実施形態において説明したように、
コンタクト・プラグ12上に形成された第1のノード電
極6から第3のノード電極18までの多層構造は、並列
に接続している4つのキャパシタからなるメモリセルを
4つ有し、最大4ビットのデータを記憶可能なメモリブ
ロックである。
0097】同じように、コンタクト・プラグ51上に
形成された第1のノード電極56から第3のノード電極
78までの多層構造は、並列に接続している4つのキャ
パシタからなるメモリセルを4つ有し、最大4ビットの
データを記憶可能なメモリブロックである。
0098】第1のノード電極6から第3のノード電極
18までの積層構造と、第1のノード電極56から第3
のノード電極78までの積層構造とは、図7のように、
縦方向(基板に垂直する方向)に互いに重なるように積
層されている。これにより、2つのメモリブロックは同
じ平面領域を占有しているので、メモリセル当たりの占
有する面積が半分近く小さくなり、集積度の向上を図る
ことができる。
【0099】以上に説明したように、本実施形態におい
、半導体基板上に、1ビットを記憶する平面的な領域
(メモリセル)の面積を、従来メモリ構成のセル面積よ
り増大することなく、各メモリセルのキャパシタの有効
面積は4倍に増大する。そのため、従来と比べて、各
モリセルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍に増え、
センスアンプで得られる信号の電荷量は増大するさら
に、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重ね合
わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積はさらに
縮小し、集積度をさらに高める
【0100】本実施形態の強誘電体メモリを構成する材
料は選択は、前述した各実施形態と同じである。
【0101】図8は、図7に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図8に示す強誘電体メモリの基本構成は、第3の実施形
態の強誘電体メモリとほぼ同じであり、ただし1メモ
リセルは、4つのキャパシタが並列に接続して構成され
前述の実施形態と同じように、メモリセルからデー
タを読み出す場合は、分極状態が反転して反転電荷を放
出した場合のビット線の電位変化△Vは、第1の実施
形態で説明した式(1)で表される。1つのビット線に
連なるプレート線本数Mが、電源電圧Vccは3.3
である場合は、分極反転によるビット線の電圧上昇量
△Vは1.57Vとなり、従来の1キャパシタのメモ
リセルの場合の0.92Vより著しく増大している。ま
た、分極状態が反転して反転電荷を放出した場合のビッ
ト線の電位変化△V は、第1の実施形態で説明した
(2)で表される。前記と同じ条件では、△Vは0.
51Vとなり、従来の1キャパシタのメモリセルの場合
の0.24Vより増大している
【0102】図8に示す強誘電体メモリの動作方法は、
第3の実施形態の強誘電体メモリと同じであり、説明を
省略する。
【0103】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍に
増大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロック
を重ね合わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積
はさらに縮小し、集積度をさらに高める。これにより、
FeRAMの更なる高集積化が可能となり、実用上、極
めて有用である。
【0104】第5の実施形態 本実施形態は、図1に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。本実施形態においては、各ノード電極お
よびプレート電極の材料として、貴金属材料Irを用い
る。反応性の低い貴金属系材料を電極として用いる場合
は、ドライエッチングによる微細加工が非常に難しいた
め、その微細化にはダマシン法が適している。本実施形
態では、ダマシン法を用いて、各ノード電極およびプレ
ート電極を形成する。
【0105】まず、図9に示すように、第1の導電性の
シリコン基板1に、公知の方法に基づきLOCOS構造
を有する素子分離領域2を形成する。次に、シリコン基
板1の表面を酸化しゲート酸化膜4を形成する。そし
て、ポリシリコン層を例えばCVD法にて全面に堆積さ
せた後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に
よってポリシリコン層をパターニングし、ポリシリコン
から成るゲート電極5を形成する。次に、ゲート電極5
の両側に第2の導電性の不純物イオンを注入し、そして
注入された不純物の活性化処理を行ない、ソース・ドレ
イン領域3を形成する。これによって、トランジスタT
Rを形成する。なお、ゲート電極5はワード線を兼ねて
いる。
【0106】次、トランジスタTRを被覆するように
例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法に
て形成する。そして、トランジスタTRの一方のソース
・ドレイン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、ビット線10を形成するためのコンタクトホールを
穿ち、不純物を拡散したポリシリコンを埋め込んで、ポ
リシリコンプラグ11を形成する。その後、公知のCM
P(Chemical Mechanical Pol
ishing)法により、層間絶縁膜9とポリシリコン
プラグ11表面を平坦化して、公知のAl配線技術を用
いてビット線10を形成する。
【0107】さらに、ビット線10を被覆するように例
えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法に
さらに堆積し、CMP法により、層間絶縁膜9を平坦
化する。平坦化された層間絶縁膜9に、第1のノード電
極6の埋め込み部を形成する時のエッチングストッパー
層91として、SiN膜をCVD法により50nm成膜
する。そして、トランジスタTRの他方のソース・ドレ
イン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、同じ方法
でポリシリコンプラグ12を形成する。その後CMP法
により表面のポリシリコンを除去する
【0108】ポリシリコンプラグ12上にノード電極を
形成する前に、プラグ12上保護膜としてのシリサイド
膜と拡散バリア膜を形成する。プラグ12がポリシリコ
ンであるので、高温処理中に、ポリシリコンプラグ1
からのシリコンの拡散によプラグ12上に次に形成す
る電極膜のシリサイド化と特性劣化、また、酸化反応に
よって、酸化シリコンなどの絶縁膜の形成が生じる。そ
れを防止するために、通常は、プラグ12表面にシリサ
イド膜を形成する。また、高温で電極膜がプラグ12と
の反応や、電極膜と強誘電体膜からプラグ12への拡散
を防ぐために、通常、Ti、Ta、または、Wを含む窒
化物または酸化物を用いて、プラグ12と電極の間に拡
散バリア層を形成する。
【0109】具体的に、ドライエッチング技術によりプ
ラグ12内のポリシリコンを150nmエッチバック
し、プラグ12上に、DCマグネトロンスパッタ法、及
び公知のRTA(Rapid Thermal Ann
ealing)法によりシリコンの拡散を防止するCo
シリサイド膜92を形成する。Coシリサイド膜92の
上に、拡散バリア層としてTiN膜93をDCマグネト
ロンスパッタ法により200nm形成し、続いてCMP
法により表面のTiN膜を除去する。なお、エッチング
ストッパー層91であるSiNは、上記の各工程におい
て高い加工選択比があるため、この時点では殆ど削れて
いない。
【0110】続いて、図10に示すように、第1のノー
ド電極6の埋め込み層としてCVD法により酸化シリコ
ンからなる層間絶縁膜94を200nm形成し、第1の
ノード電極6のパターンをリソグラフィー技術とドライ
エッチング技術により層間絶縁膜94上に開口する。そ
して、この開口部に、第1のノード電極6としてIr膜
を150nmまでDCマグネトロンスパッタ法により堆
積する。外表面のIr膜をCMP法により除去する。図
示しないが、上記の開口部に、Ir膜を堆積する前に、
Ir膜の密着層としてIr−Hf膜を例えば20nmを
形成してよく、Ir膜を形成した後、表面のIr−Hf
膜もCMP法により除去する。なお、図11以降の工程
においてはエッチングストッパー層91を図示しない。
【0111】続いて、図11に示すように、第1のノー
ド電極6上に第1の強誘電体膜7を形成する。ここで、
一例として、第1の強誘電体膜7を膜厚100nmの強
誘電体SBT膜(SrBiTa)とする。第1
のノード電極6上にCSD(Chemical Sol
ution Deposition)法を用いて、強誘
電体薄膜SrBiTa(SBT)薄膜を形成す
る。使用したSol−Gel前駆体溶液は市販のものを
用い、溶液中の金属組成比はSr/Bi/Ta=0.8
/2.2/2.0である。公知のスピンコート法により
塗布した後、溶媒を揮発させるためにホットプレート上
で250゜C、5分間の加熱を行ない、続いて拡散炉を
用いて酸素雰囲気中で700゜C、30分の加熱を行な
う。この成膜工程を3回繰り返して、膜厚100nmの
強誘電体SBT膜を成膜する。
【0112】次に、プレート電極8a,8b、8c、8
dの埋め込み層として、第1の強誘電体膜7上にCVD
法にて、酸化シリコンからなる絶縁膜9aを形成する。
そして、絶縁膜9a上に、プレート電極8a,8b、8
c、8dのパターンをリソグラフィー技術とドライエッ
チング技術により形成する。そして、形成したプレート
電極のパターンに、第1の強誘電体膜7の上に、公知の
スパッタリング法により、膜厚100nmのIr膜を埋
めこむ。その後、CMP法により、表面に堆積したIr
を研磨除去し、平坦化し、プレート電極8a,8b、8
c、8dを形成する。そして、公知のフォトリソグラフ
ィ法とドライエッチング法を用いて、形成した各電極を
所定の大きさに加工する。
【0113】続いて、図12に示すように、前述した第
1の強誘電体膜7と同じ形成方法で、膜厚100nmの
SBT膜を形成し、第2の強誘電体膜13とする。そし
て、CVD法により酸化膜からなる絶縁膜9bを形成
し、第2の強誘電体膜13を被覆する。その後、絶縁膜
9b上に、第2のノード電極14のパターンと第2のノ
ード電極14と第1のノード電極6とを接続するビアホ
ール14aを絶縁膜9b上に形成する。そして、形成し
たパターンとビアホール14aに、公知のスパッタリン
グ法により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、そし
て、CMP法により、表面に堆積したIrを研磨除去し
て平坦化し、第1のノード電極6と接続している第2の
ノード電極14を形成する。続いて、必要な配線層を形
成し、本実施形態の強誘電体メモリを形成する。
【0114】本実施形態は、第1の実施形態と同様な効
果を有する。
【0115】第6の実施形態 本実施形態は、図3に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。まず、第5の実施形態と同じように、図
11まで示した製造工程を実行する。図12に示す工程
において第2のノード電極14を形成した後、図13に
示すように、第2のノード電極14上に前述と同じ方法
で膜厚100nmの強誘電体SBT膜(SrBiTa
)を形成し、第3の強誘電体膜15とする。
【0116】次に、第3の強誘電体膜15上にCVD法
にて、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜9cを第3
の強誘電体膜15を被覆するように形成する。そして、
公知のダマシン法により、プレート電極16a,16
b、16c、16dを形成する。絶縁膜9c上に、プレ
ート電極16a,16b、16c、16d用の配線溝を
形成して、そして、形成した配線溝、第3の強誘電体
膜15の上に、公知のスパッタリング法により、膜厚1
00nmのIr膜を埋めこみ、プレート電極16a,1
6b、16c、16dを形成する。その後、CMP法に
より、溝の外に堆積したIrを研磨除去し、平坦化す
る。
【0117】続いて、前述と同じ形成方法で、膜厚10
0nmのSBT膜を形成し、第4の強誘電体膜17とす
る。そして、CVD法にて酸化膜からなる絶縁膜9dを
形成し、第4の強誘電体膜17を被覆する。そして、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、形成した各電極を所定の大きさに加工する。
【0118】その後、公知のデュアルダマシン法によ
り、絶縁膜9d上に第3のノード電極18を形成する。
まずは、第3のノード電極14用の配線溝と第3のノー
ド電極18を第2のノード電極14と接続するビアホー
ル18aを絶縁膜9d上に形成する。そして、形成した
配線溝とビアホール18aに、公知のスパッタリング法
により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、第2のノ
ード電極14と接続している第3のノード電極18を形
成する。その、必要な配線層を形成し、本実施形態の
強誘電体メモリを形成する。
【0119】本実施形態は、第2の実施形態と同様な効
果を有する。
【0120】第7の実施形態 本実施形態は、図5、及び図7に示した強誘電体メモリ
の製造方法の例を示す図5に示した強誘電体メモリを
製造する時は、まず、図14に示すように、半導体基板
1の所定領域に、トランジスタTR1,TR2を第5の
実施形態で説明したMOSFET形成工程により形成す
る。そして、トランジスタTR1とTR2の間のソース
・ドレイン領域3及び両側のソース・ドレイン領域53
と3に、ポリシリコンプラグ11及びビット線10、そ
して、ポリシリコンプラグ12と51を形成する。続い
て、第5の実施形態と同じ製造工程で、ポリシリコンプ
ラグ12上に順次第1のノード電極6、第1の強誘電体
薄膜7、プレート電極8a,8b,8c,8d、第2の
強誘電体薄膜13、第2のノード電極14を形成する。
そして、ポリシリコンプラグ51の上端を形成し、ポリ
シリコンプラグ51上に、第1のノード電極6から第2
のノード電極14までの積層構造るように、第1
のノード電極56を形成する。形成方法は前記と同じで
ある。その後、第1のノード電極56上に、順次第1の
強誘電体薄膜57、プレート電極58a,58b,58
c,58d、第2の強誘電体薄膜63、第2のノード電
極64を形成する。その、必要な配線層を形成し、図
5の強誘電体メモリを形成する。
【0121】図7に示した強誘電体メモリを製造する時
は、まず、図15に示すように、半導体基板1の所定領
域に、トランジスタTR1,TR2を前記と同じ方法で
形成し、トランジスタTR1とTR2の間のソース・ド
レイン領域3及び両側のソース・ドレイン領域53と3
に、ポリシリコンプラグ11及びビット線10、そし
て、ポリシリコンプラグ12と51を形成する。続い
て、第5と第7の実施形態と同じ製造工程で、ポリシリ
コンプラグ12上に順次第1のノード電極6、第1の強
誘電体薄膜7、プレート電極8a,8b,8c,8d、
第2の強誘電体薄膜13、第2のノード電極14、第3
の強誘電体薄膜15、プレート電極16a,16b,1
6c,16d、第4の強誘電体薄膜17、第3のノード
電極18を形成する。そして、ポリシリコンプラグ51
の上端を形成し、ポリシリコンプラグ51上に、第1の
ノード電極6から第3のノード電極18までの積層構造
るように、第1のノード電極56を形成する。形
成方法は前記と同じである。その後、第1のノード電極
56上に、順次第1の強誘電体薄膜57、プレート電極
58a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜
63、第2のノード電極64、第3の強誘電体薄膜7
5、プレート電極76a,76b,76c,76d、第
4の強誘電体薄膜77、第3のノード電極78を形成す
る。その後、必要な配線層を形成し、図7の強誘電体メ
モリを形成する。以上の製造工程において、ダマシン法
を用いるためのエッチングストッパー層、及びプラグ上
のCoシリサイド膜と拡散バリア層も形成するが、その
説明と図解は省略している。
【0122】本実施形態は、第3、第4の実施形態と同
様な効果を有する。
【0123】以上、本発明を好ましい実施の形態に基づ
き説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々の改変が可能である。本発明において説明した
半導体記憶装置、読出しと書きこみ方法、およびその作
製方法は例示であり、適宜に変更することが可能であ
る。上記実施形態において、共通ノード電極、強誘電
体絶縁膜、プレート電極からなるキャパシタ層を2層と
4層形成する例を述べたが、本発明はこれに限らず、原
理的に3層、5層、何層でも可能である。また、第3と
第4の実施形態において、2つのキャパシタ層の積層構
造を積み重ねる例を述べたが、複数個のキャパシタ積層
構造を積み重ねても何の支障もない。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電体キャパシタ
み重ねることによって、メモリセルは、2つまたは2
つ以上のキャパシタが並列に電気的に接続する構造とな
る。これによって、極小のメモリセル面積を有する1C
構造の強誘電体メモリにおいて、その極小のメモリセル
面積を増大させることなく強誘電体キャパシタの有効面
積とキャパシタの容量を2倍以上に増加させて、読み出
し信号の電荷量を大幅に増加させることが可能となる。
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重
ね合わせることから、1つのメモリセルあたりの平面的
な面積はさらに縮小し、集積度をさらに高める。これに
よって、強誘電体メモリの更なる高集積化が可能とな
り、実用上、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図3】第2の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図5】第3の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図7】第4の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図8】第4の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図9】第5の実施形態に係る図1に示す半導体記憶装
置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】図9に続き、第5の実施形態に係る半導体記
憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図11】図10に続き、第5の実施形態に係る半導体
記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】図11に続き、第5の実施形態に係る半導体
記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図13】第6の実施形態に係る図3に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【図14】第7の実施形態に係る図5に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【図15】第7の実施形態に係る図7に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】 1…シリコン基板、2…素子分離領域、3…ソース・ド
レイン領域、4…ゲート酸化膜、5…ゲート電極、6…
第1のノード電極、7…第1の強誘電体膜、8a,8
b,8c,8d…プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4、9、9a,9b、9c、9d…絶縁層、10…
ビット線、11、12…コンタクト・プラグ、13…第
2の強誘電体膜、14…第2のノード電極、14a…ビ
アホール、15…第3の強誘電体膜、16a,16b,
16c,16d…プレート電極、17…第4の強誘電体
膜、18…第3のノード電極、18a…ビアホール、2
1…メモリセルアレイ、22…ロウデコーダ、23…プ
レートデコーダ、24…センスアンプ、25…カラムデ
コーダ、53…ソース・ドレイン領域、54…ゲート酸
化膜、55…ゲート電極、56…第1のノード電極、5
7…第1の強誘電体膜、58a,58b,58c,58
d…プレート線、9、9a,9b、9c、9d…絶縁
層、51…コンタクト・プラグ、63…第2の強誘電体
膜、64…第2のノード電極、75…第3の強誘電体
膜、76a,76b,76c,76d…プレート電極、
77…第4の強誘電体膜、78…第3のノード電極、9
1…エッチングストッパー層、92…Coシリサイド
膜、93…拡散バリア層、94…絶縁膜。
【手続補正書】
【提出日】平成15年4月16日(2003.4.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】半導体記憶装置及びその製造方法
【特許請求の範囲】
請求項3】前記積層された2つのキャパシタは、同一
の前記プレート電極、または、同一の前記共通ノード電
極を共有する請求項2記載の半導体記憶装置。
請求項7】前記積層された2つのキャパシタは、同一
の前記プレート電極、または、同一の前記共通ノード電
極を共有する請求項6記載の半導体記憶装置。
請求項11】複数層形成された前記プレート電極にお
いて、同一の記憶手段に属する個々のプレート電極はそ
れぞれ接続されている請求項10に記載の半導体記憶装
置の製造方法。
請求項12】メモリセルを選択するMISトランジス
タと、前記MISトランジスタの一方の不純物拡散領域
に接続されたN個(Nは自然数である,N>1)の記憶
手段と、前記MISトランジスタの他方の不純物拡散領
域と電気的に接続するビット線とを備え、前記各記憶手
段は電気的に並列に接続されたM個(Mは自然数であ
る,M>1)のキャパシタを含むメモリブロックを複数
有し、異なる前記メモリブロックのそれぞれの前記N個
の記憶手段が互いに重なり合うように複数層に積層され
た半導体記憶装置の製造方法であって、 半導体基板上に複数のMISトランジスタを形成する工
程と、 前記各MISトランジスタを含む前記半導体基板を覆う
絶縁膜に、前記各MISトランジスタの一方の不純物拡
散領域に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前
記各MISトランジスタの他方の不純物拡散領域に達す
る第2の導電性コンタクト・プラグを形成する工程と、 前記各第1の導電性コンタクト・プラグに接続する前記
N個の記憶手段を形成する記憶手段形成工程と、 前記各第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビッ
ト線を形成する工程とを有し、 異なる前記MISトランジスタに接続する前記N個の記
憶手段を互い重なり合うように形成する。半導体記憶装
置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体キャパシ
タを有する半導体記憶装置に関するものであり、特に、
高集積且つ大容量化が可能な半導体記憶装置およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自発分極という特異な電気特性を
有する強誘電体を利用した不揮発性メモリ素子(強誘電
体メモリ素子)(FeRAM)(USP487366
4)は、その高速書き込み/読み出し、低電圧動作等の
特徴から、従来の不揮発性メモリのみならず、SRAM
(スタティックRAM)やDRAM等の殆どのメモリに置
き換わる可能性を秘めており、多くの研究が進められて
いる。
【0003】強誘電体の自発分極特性を利用したメモリ
は、強誘電体キャパシタに選択トランジスタを付加した
1トランジスタ+1キャパシタ(1T/1C)構造を有
するメモリセルが多く使われている。このタイプのFe
RAMは、通常のDRAM型メモリセルのメモリキャパ
シタ材料を常誘電体から強誘電体へ置き換えたものであ
る。
【0004】強誘電体材料としては、PZT(Pb(Z
r,Ti)O 、PLZT((Pb,La)(Zr,
Ti)O などのABO型のペロブスカイト結晶構
造を持つ鉛系酸化物材料、また、SBT(SrBi
などのビスマス層状構造化合物材料が開発さ
れている。特に、SBTは繰り返し分極反転後の特性劣
化が見られないという優れた疲労特性(PCT/US9
2/10542)、および、分極が飽和する電界が小さ
く、低電圧動作に有利であるという優れた分極飽和特性
示す。
【0005】FeRAMはDRAMを代替し、幅広く応
用するには、DRAM並みの高集積度および大容量化が
必要である。しかし、上記1T1C型のメモリセル構
造を採るFeRAMを高集積度化するのは困難である。
【0006】高集積度のために、メモリのセル面積を縮
小する必要がある。メモリセルは1ビットのデータを記
憶する領域であり、その理論上のセル面積の最小値は、
該領域で交差する所定数のワード線とビット線が最短ピ
ッチで配置される場合に占有している領域の面積とされ
ている。1T1C構造のFeRAMは、通常1ビットあ
たりワード線1本、ビット線2本を有し、そのワード線
とビット線が最短ピッチで配置される場合に、半導体
の最小設計寸法(Design Rule)をFとす
れば、理論上のFeRAMの最小セル面積はDRAMと
同様に8Fとなる事が一般的に知られている。実際
に、以上のFeRAMの1ビットの記憶領域では、トラ
ンジスタと強誘電体キャパシタ2個ずつ有し、また、
ワード線とビット線の他に、プレート線を設置する必要
があるので、ワード線とビット線最小ピッチで配置す
ることが不可能であり、実際のセル面積は8Fより大
きい。一方、同じ半導体不揮発性メモリであるフラッシ
ュメモリは、メモリセルにおいてトランジスタを一つし
か有しないので、最小セル面積4Fと小さい。
【0007】FeRAMを高集積化、大容量化を実現す
るために、近年、フラッシュメモリのように一つの素子
で構成されるメモリセルの開発がなされてきた。たとえ
ば、特開平9−116107号公報(文献1と呼ぶ)と
特開2000−349248号公報(文献2と呼ぶ)に
開示されているFeRAMでは、選択トランジスタを介
してビット線に接続された共通ノード電極に複数の強誘
電体キャパシタを接続し、1個の強誘電体キャパシタが
1ビットを記憶するメモリセルとして機能し、いわゆる
1C(1キャパシタ)構造の強誘電体メモリを実現し、
理論上は、フラッシュメモリと同等の最小セル面積4F
を可能としている。さらに、特願2000−1560
89号明細書(文献3と呼ぶ)に提案されているよう
に、上記共通ノード電極に複数の強誘電体キャパシタを
形成した1C構造を2層以上に積層した強誘電体メモリ
は、更なる高集積度ができ、例えば、理論上の最小セル
面積は2〜4Fが可能となっている。実際のセル面積
は半導体の最小設計寸法Fで決めるので、その最小設計
寸法Fをリソグラフィーを中心とする微細加工技術の進
に伴い縮小することは、これまで集積回路を高集積化
するために最も重要な手法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高集積
化が進み、素子の設計に用いられる最小設計寸法が小さ
くなってくると、一つの強誘電体キャパシタの面積が小
さくなり、キャパシタの容量/蓄積電荷量も小さくな
り、センスアンプでセンスするのに十分な信号量が得ら
れなくなり、メモリ動作の誤動作の原因となるという問
題が従来からFeRAMと同じ構造を有するDRAMに
おいても存在しており、高集積化を求められるFeRA
Mにとって問題となっている。
【0009】一般的に、この問題を解決するために、キ
ャパシタの下部電極構造を立体的にして有効的なキャパ
シタ面積を大きくする方法が採られている。既に高集積
化を実現しているDRAMについて、例えば、特開平6
−29482号公報(文献4と呼ぶ)で開示されている
DRAMのメモリセルにおいて、キャパシタを3次元で
積層し、キャパシタの表面積を最大化することを図っ
た。しかし、強誘電体薄膜のような結晶性の多元素系薄
膜の場合には立体的な構造の下部電極上に均一な薄膜を
形成することが非常に困難であり、未だに実用化される
見通しは立っていない。
【0010】従来は、FeRAMに適用でき、高集積度
の要求を満足しながらキャパシタの容量を増大させる方
法の開発がなされている。考え方として、DRAMと同
じように、例えば、1T1C構造の強誘電体メモリにお
いて、立体的にすることで、キャパシタの有効面積を増
加させる。次に、強誘電体キャパシタの有効面積を増大
する従来技術を例示する。
【0011】例えば、特開平7−86528号公報(文
献5と呼ぶ)で開示されている強誘電体キャパシタは多
層キャパシタ構造にすることにより、キャパシタ占有面
積を増加させることなく、等価的にキャパシタ面積を増
大することができ、安定に信号量を確保することが可能
となった。
【0012】また、特開平10−242410号公報
(文献6と呼ぶ)で開示されている1T1C構造を有す
る強誘電体メモリセルにおいて、選択トランジスタの上
下に第1のキャパシタと第2のキャパシタを設けること
から、セル面積を増加させることなく、1メモリセルに
おけるキャパシタ部全体の面積を増加させることができ
る。
【0013】しかしながら、文献5および文献6に開示
された強誘電体メモリセルは1T1Cの構造を有するの
で、セル面積そのものは大きく、高集積度が困難であっ
た。極小のセル面積を得られる文献1、文献2、及び文
献3に開示された高集積度可能、1C構造を有する
誘電体メモリについては、キャパシタの有効面積を増加
させる方法が開示されていない。
【0014】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、極小のセル面積を保ちつつ、メモリセルにおけ
キャパシタの有効面積を増加し、十分な読み出し信号
量を確保し、更なる高集積度化が可能な半導体記憶装置
及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る半導体記憶装置は、メモ
リセルを選択するMISトランジスタと、前記MIS
ランジスタの一方の不純物拡散領域と電気的に接続され
共通ノード電極と、前記MISトランジスタの他方の
不純物拡散領域と電気的に接続されたビット線と、前記
共通ノード電極と接続された複数の記憶手段とを有し、
前記各記憶手段は、互いに電気的に並列に接続された複
数のキャパシタを含む。
0016】好適には、前記複数の記憶手段は、前記共
通ノード電極と、該共通ノード電極と対向するプレート
電極層から形成される複数のプレート電極と、前記共通
ノード電極および前記プレート電極に挟まれた誘電体膜
とで形成される複数のキャパシタが積層された積層構造
を有し、積層された2つの前記キャパシタ層において、
一方の前記キャパシタに対し他方の前記キャパシタを構
成する前記共通ノード電極、前記誘電体膜、および前記
プレート電極が逆順に配置される。
【0017】上記目的を達成するために、本発明の第2
の観点に係る半導体記憶装置は、メモリセルを選択する
MISトランジスタと、前記MISトランジスタの一方
の不純物拡散領域と電気的に接続された共通ノード電極
と、前記MISトランジスタの他方の不純物拡散領域と
電気的に接続されたビット線と、前記共通ノード電極と
接続された複数の記憶手段とを含むメモリブロックを複
数有し、前記各記憶手段は、電気的に並列に接続された
複数のキャパシタを含み、異なる記メモリブロックの
それぞれの前記共通ノード電極は、互いに重なり合うよ
うに複数層に積層されている。好適には、前記各メモリ
ブロックの前記複数の記憶手段は、前記共通ノード電極
と、該共通ノード電極と対向するプレート電極層から形
成される複数のプレート電極と、前記共通ノード電極お
よび前記プレート電極層に挟まれた共通の誘電体膜とで
形成された複数のキャパシタが積層された積層構造を有
し、積層された2つの前記キャパシタ層において、一方
の前記キャパシタに対し他方の前記キャパシタを構成す
る前記共通ノード電極、前記誘電体膜、および前記プレ
ート電極が逆順に配置される。
0018】上記目的を達成するために、本発明の第3
の観点に係る半導体記憶装置の製造方法は、メモリセル
を選択するMISトランジスタと、前記MISトランジ
スタの一方の不純物拡散領域に接続されたN個(Nは自
然数である)の記憶手段と、前記MISトランジスタの
他方の不純物拡散領域と電気的に接続するビット線とを
有し、前記各記憶手段は、電気的に並列に接続されたM
個(Mは自然数である)のキャパシタを含む半導体記憶
装置の製造方法であって、半導体基板上に前記MISト
ランジスタを形成する工程と、前記MISトランジスタ
を含む前記半導体基板を覆う絶縁膜に、前記MISトラ
ンジスタの一方の不純物拡散領域に達する第1の導電性
コンタクト・プラグと、前記MISトランジスタの他方
の不純物拡散領域に達する第2の導電性コンタクト・プ
ラグを形成する工程と、前記第1の導電性コンタクト・
プラグに接続する前記N個の記憶手段を形成する工程
と、前記第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビ
ット線を形成する工程とを有する。
【0019】前記記憶手段を形成する工程は、前記第1
の導電性コンタクト・プラグに接続する第1の共通ノー
ド電極を形成する工程と、前記第1の共通ノード電極に
第1の誘電体薄膜を形成する第1の工程と、前記第1の
誘電体薄膜にN個のプレート電極を有する第1のプレー
ト電極層を形成する第2の工程と、前記第1のプレート
電極層上に第2の誘電体薄膜を形成する第3の工程と、
前記第2の誘電体薄膜上に前記第1の共通ノード電極と
導通する第2の共通ノード電極を形成する第4の工程
と、前記記憶手段を構成するM個のキャパシタにおい
て、Mは偶数でありかつM>2の場合は、前記第4の工
程で形成された前記第2の共通ノード電極を前記第1の
工程で形成された前記第1の共通ノード電極として、前
記第1の工程、前記第2の工程、前記第3の工程、及び
前記第4の工程をさらに(M/2−1)回実行し、Mは
奇数である場合は、前記第4の工程で形成された前記第
2の共通ノード電極を前記第1の工程で形成された前記
第1の共通ノード電極として、前記第1の工程、前記第
2の工程、前記第3の工程、及び前記第4の工程をさら
に((M−1)/2−1)回実行した後に、前記第1の
工程と前記第2の工程をさらに実行する第5の工程とを
有する。
【0020】上記目的を達成するために、本発明の第4
の観点に係る半導体記憶装置の製造方法は、メモリセル
を選択するMISトランジスタと、前記MISトランジ
スタの一方の不純物拡散領域に接続されたN個(Nは自
然数である)の記憶手段と、前記MISトランジスタの
他方の不純物拡散領域と電気的に接続するビット線とを
備え、前記各記憶手段は電気的に並列に接続されたM個
(Mは自然数である)のキャパシタを含むメモリブロッ
クを複数有し、異なる前記メモリブロックのそれぞれの
前記N個の記憶手段が互いに重なり合うように複数層に
積層された半導体記憶装置の製造方法であって、半導体
基板上に複数のMISトランジスタを形成する工程と、
前記各MISトランジスタを含む前記半導体基板を覆う
絶縁膜に、前記各MISトランジスタの一方の不純物拡
散領域に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前
各MISトランジスタの他方の不純物拡散領域に達す
る第2の導電性コンタクト・プラグを形成する工程と、
前記各第1の導電性コンタクト・プラグ接続する前記
N個の記憶手段を形成する工程と、前記各第2の導電性
コンタクト・プラグと接続するビット線を形成する工程
とを有し、異なる前記MISトランジスタに接続する
記N個の記憶手段を互い重なり合うように形成する。
【0021】以上の本発明によれば、共通ノード電極に
複数の強誘電体キャパシタ形成された、1キャパシタ
が1メモリセルとなるいわゆる1C構造のメモリセルの
ブロックを、少なくとも1回折り返すようにメモリセル
形成することによって、各メモリセルがキャパシタの
多層積層構造となり、そのため、1ビットの記憶領域
面積が変化せずに各キャパシタの有効面積は2倍、或
は、更に高い倍数で増大させる。さらに、異なる上記の
多層積層構造のキャパシタが互いに重なり合うことによ
って、更なる高集積化を実現する
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体記憶装
置、およびその製造方法の実施の形態について、添付の
図面を参照して述べる。なお、実施形態の全図におい
て、同一又は対応する部分には同一の符号を付す。第1の実施形態 図1は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図である。図1に
示す強誘電体メモリは、半導体基板1、素子分離領域
2、ドレイン・ソース領域(不純物拡散領域)3、ゲー
ト酸化膜4、ゲート電極(ワード線)5、4つの強誘電
体キャパシタの共通下部電極を兼ねている第1のノード
電極6、第1の強誘電体膜7、プレート線PL1,PL
2,PL3,PL4を構成するプレート電極8a,8
b,8c,8d、層間絶縁膜9、9a、ビット線10
(BL1)、コンタクト・プラグ11、12、第2の強
誘電体膜13、第2のノード電極14を有する。
【0023】えば、ゲート電極5はポリシリコンある
いはポリサイドから形成されており、コンタクト・プラ
グ12は、ポリシリコン、ビット線10はアルミニウム
からそれぞれ形成されている。
【0024】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、およびプレート電極8a,8b,8c,8dは、好
ましくは、電気的な抵抗が低く、耐熱性が高く、反応性
が低い貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物は、強誘電体の構成元素に対して拡散バリ
ア性が優れており、強誘電体の酸素欠損を防ぐことがで
き、また、導電性を有するので、ノード電極およびプレ
ート電極に用いることができる。ここで、例えば、第1
のノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用い、第2
のノード電極14とプレート電極8a,8b,8c,8
dに、膜厚100nmのIr膜を用いる。
【0025】強誘電体不揮発メモリへ応用する強誘電体
材料として、ABO型ペロブス力イト構造を有するS
rTiO、(Ba,Sr)TiO、Pb(Zr,T
i)O、(Pb,La)(Zr,Ti)O、PbT
iO、BaTiO、LiNbO、LiTaO
YMnO、または、ビスマス系層状ペロブス力イト構
造化合物を含むSrBiTa、SrBiNb
、SrBi(Ta,Nb)、BiTi
12、SrBiTi15、SrBi (T
i,Zr)15、BiTiNbO、BiTi
TaO、BaBiTa、BaBiNb
を用いることができる。ここで、一例として、第1の
強誘電体薄膜7および第2の強誘電体膜13に膜厚10
0nmのSBT膜(SrBiTa)を用いる。
【0026】図1に示すように、第1のノード電極6
1の強誘電体薄膜7が形成され、第1の強誘電体薄膜
7上に所定間隔をおいてプレート電極8a,8b,8
c,8dが形成され、プレート電極8a,8b,8c,
8dに第2の強誘電体薄膜13が形成され、第2の強誘
電体薄膜13上に第2のノード電極14が形成されてい
る。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ12に
よりドレイン・ソース領域3に接続され、トランジスタ
TR及びコンタク・プラグ11を介してビット線(BL
1)10に接続されている。第1のノード電極6は第2
のノード電極14と電気的に接続されている
0027】図1に示すように、第1のノード電極6
と、第1の強誘電体膜7と、プレート電極8a、8b、
8c、8dとが4つのキャパシタを形成している。ま
た、プレート電極8a、8b、8c、8dと、第2の強
誘電体膜13と、第2のノード電極14とも4つのキャ
パシタを形成している。第1のノード電極6は第2のノ
ード電極14と電気的に接続しているので、各プレート
電極の上部のキャパシタと下部のキャパシタが電気的に
並列に接続している。本実施形態において、並列に接続
している2つのキャパシタが1ビットを記憶するメモリ
セル(記憶手段)を構成する。図1は、このようなキャ
パシタグループを4つ有し、最大4ビットのデータを記
憶可能なメモリブロックを示している。これらのセル
は、コンタクト・プラグ12、トランジスタTR及びコ
ンタク・プラグ11を介してビット線(BL1)10に
接続されている。
0028】従来技術においては、本実施形態における
第1のノード電極6、第1の強誘電体膜7、プレート電
極8a、8b、8c、8dからなる構成に等価なメモリ
セルブロックが開示されている。このようなメモリセル
ブロックは、4キャパシタを有し、4ビットを記憶す
る。即ち、図1に示された本実施形態のメモリセルブロ
ックは従来のメモリブロックを縦方向に1回折り返し積
層して形成されたものである。従って、本実施形態にお
いて、半導体基板上に1ビットを記憶する平面的な領域
(メモリセル)の面積を従来メモリ構成のセル面積より
増大することなく、各メモリセルのキャパシタの有効面
積は倍に増大することができる。そのため、従来と比べ
て、各メモリセルのキャパシタの容量や蓄積電荷は2倍
に増え、センスアンプで得た信号の量も増大する。
【0029】図2は、図1に示したメモリセルブロック
から構成された強誘電体メモリの一例の等価回路を示
。図2に示した強誘電体メモリは、メモリセルアレイ
21、ロウデコーダ22、プレートデコーダ23、セン
スアンプ(S/A)24、カラムデコーダ25により構
成されている。
【0030】メモリセルアレイ21は、並列に接続して
いる2つの強誘電体キャパシタより構成された複数のメ
モリセルは(図2では8個)マトリクス状に配列されて
いる。各メモリセルにおける並列に接続している2つの
強誘電体キャパシタ(C1とC2、C3とC4、C5と
C6、及びC7とC8、または、C9とC10、C11
とC12、C13とC14、及びC15とC16)は、
前述したメモリセルで積層された2つのキャパシタに
対応している。以降、並列に接続している2つの強誘電
体キャパシタより構成された各メモリセルを、C1+
C2、C3+C4、C5+C6、C7+C8、C9+C
10、C11+C12、C13+C14、C15+C1
6と記す。なお、図示を簡潔にするため、図2では4つ
のメモリセルを有するブロックを2つしか示していない
が、実際にメモリ読み書き動作の方法によって、このよ
うなメモリセルブロックを繰り返して複数含むこと
らかである。
0031】図2においては、一列に配列されている、
メモリセルC1+C2、C3+C4、C5+C6、C7
+C8において、強誘電体キャパシタC1とC2、C3
とC4、C5とC6、およびC7とC8は、それぞれの
一方の電極が共通に一つのノード電極ND1に接続さ
れ、同一列に配置されたnチャネルMOSトランジスタ
TR1を介してビット線BL1に接続されている。各キ
ャパシタの他方の電極はそれぞれプレート線PL1,P
L2,PL3,PL4に接続されており、メモリセルC
1+C2、C3+C4、C5+C6、およびC7+C8
の各々に対して独立にデータの読出しと書き込みができ
るように構成されている。
【0032】メモリセルC9+C10、C11+C1
2、C13+C14、およびC15+C16の列は、
じように、共通のノード電極ND2、およびトランジス
タTR2に接続されている。
【0033】ランジスタTR1のゲート電極がワード
線WL1に接続され、トランジスタTR2のゲート電極
がワード線WL2に接続されている。ロウデコーダ22
は、アドレス指定されたワード線、図2の例ではWL
1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc+α(αは
ランジスタTR1又はTR2の閾値電圧以上の電圧)を
印加して、トランジスタTR1又はTR2を導通状態に
保持させる。
【0034】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレス指定されたプレート線にアドレスを指定
されたメモリセルとなる強誘電体キャパシタにデータを
書き込み、または読み出し、かつ再書き込みが行なえる
ような所定電圧(0V,又はVcc)を印加し、非選択
のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。セン
スアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビ
ット線BL1、BL2から読み出されたデータをラッチ
増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行な
う。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセン
スアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出し
データの出力、書き込みデータの対応するセンスアンプ
への供給等を行なう。
【0035】次に、図2に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図2に示している強誘
電体メモリでは、ワード線WL1とワード線WL2を独
立に動作させ、トランジスタTR1又はTR2に連なる
強誘電体キャパシタグループごとに、1ビットを記憶す
ることができる。或は、ワード線WL1とワード線WL
2を同時に動作させ、各プレート線を電極として共有す
る一対のキャパシタグループ、すなわち図2において
R1に連なる1対の強誘電体キャパシタとTR2に連な
1対の強誘電体キャパシタで1ビットを記憶しても良
い。前者の場合には、ワード線WL1が選択されると、
ビット線BL2に図示しないダミーセルにより参照電位
が与えられ、ワード線WL2が選択されると、ビット線
BL1に図示しないダミーセルにより参照電位が与えら
れる。
【0036】次に、ワード線WL1とワード線WL2を
独立に動作させ、各強誘電体キャパシタグループごとに
1ビットを記憶する方法として、図2に示したメモリ構
成による読み出しおよび書き込みを説明する。ここで、
ワード線WL1とプレート線PL1が選択され、ビット
線BL1がカラムとして選択された場合、メモリセルC
1+C2にアクセスする場合を例として説明する。
【0037】まず、読み出し動作について説明する。読
み出し動作の初期状態では、プレート線PL1〜PL4
とビット線BL1の電位はVcc/2に固定されてい
る。この状態で、ロウデコーダ22により選択されたワ
ード線WL1にVcc+αが印加されて、ノード電極N
D1に接続しているメモリセルC1+C2、C3+C
4、C5+C6、およびC7+C8が選択される。これ
により、ランジスタTR1が導通状態となり、ノード
電極ND1がビット線BL1に接続される。次に、選択
されたプレート線PL1の電位がVcc/2から0Vに
切り換えられ、ビット線BL1が0Vにイコライズされ
た後、浮遊状態になる
【0038】そして、非選択のプレート線PL2〜PL
4の電位はVcc/2に固定された状態で、選択プレー
ト線PL1の電位が0Vから電源電圧Vccレベルに
。このとき、選択プレート線PL1接続されている
強誘電体キャパシタC1とC2とがノード電極ND1側
からプレート線PL1側に分極していれば(この分極状
態はデータ‘1’と規定する)、元の分極と反対方向に
電源電圧Vccが印加されることになる。その結果、強
誘電体キャパシタC1とC2の分極状態が反転し、反転
電荷がビット線BL1に放出される。一方、強誘電体キ
ャパシタC1C2がプレート線PL1側からノード電
極ND1側に分極していれば(この分極状態はデータ
‘0’と規定する)、分極方向と同方向の電圧が印加さ
れているため、反転電流が流れない。
【0039】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1とC2にデータ‘1’が記憶され
ている場合には大きく、データ‘0’が記憶されている
場合には小さくなる。一方、ビット線BL1と対をなす
ビット線BL2に対しては、図示しないダミーセルによ
り、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位上昇が発生する。換言すれ
ば、データ‘1’の場合の電位上昇とデータ‘0’の場
合の電位上昇の中間の電位の参照電位がビット線BL2
に与えられる。
【0040】次に、本実施形態に係る並列に接続する2
つのキャパシタC1とC2からなるメモリセルの場合
と、従来の1つのキャパシタからなるメモリセルの場合
において、ビット線BL1の電位上昇量の変化を例示す
る。強誘電体キャパシタC1とC2に‘1’が記録され
ていた場合は、分極状態が反転し、反転電荷によるビッ
ト線BL1の電位変化△Vは次式(1)で表され
る。また、‘0’が記録されていた場合は、分極状態が
変化せず、ビット線BL 1 の電位変化△Vは次
(2)で表される。 ΔV= Vcc・〔C/{(M−1)・C+C+CBL}〕 …(1) ΔV= Vcc・〔C/{M・C+CBL}〕 …(2) ただし、式(1)式(2)において、Cはメモリセ
C1+C2の分極状態が反転した場合の容量であり、
はメモリセルC1+C2の分極状態が反転しない場
合の容量であり、CBLはビット線BL1の寄生容量で
ある。また、Mはビット線BL1に連なるプレート線本
数であり、図2においては、Mが4である。電源電圧V
ccは3.3Vとする。
【0041】従来のメモリセルにおいて、メモリセルが
単層の1キャパシタ、例えば、C1により構成される場
合は、C≒500fF、C≒100fF、CBL≒
1000fF程度であるので、式(1)式(2)
り、△V、△Vは、以下の程度である。 △V=0.92V △V=0.24V 本実施形態において、メモリセルが2層のキャパシタ、
即ち、2つのキャパシタ(C1,C2)が並列に接続し
ているので、C、Cは倍になって、それぞれ100
0fF、200fFとなる。CBLはビット線の寄生容
量なので、変化しない。従って、(1)式(2)式
り、本実施形態の場合のビット線電圧上昇量△V、△
は、以下の程度となる。 △V=1.27V △V=0.37V 即ち、電位の上昇量が大きく増大した。
【0042】なお、1ビット線に連なるプレート線の本
数Mが大きくなる場合は、例えば、M=8の場合、従来
のメモリ構成でビット線の電位上昇量は、△V=0.
75V、△V=0.18Vとなるのに対して、本実施
形態のメモリ構成におけるビット線の電位上昇量は、△
=0.97V、△V=0.25Vとなり、電位の
上昇量が増大した。
【0043】ビット線BL1とビット線BL2の上記の
電位の変動の差が、活性化されたセンスアンプ24によ
り検出されて、信号が増幅される。これにより、メモリ
セルC1+C2にデータ‘1’が記憶されていた場合に
は、ビット線BL1はVccに、ビット線BL2は0V
に駆動される。一方、メモリセルC1+C2にデータ
‘0’が記憶されていた場合には、ビット線BL1は0
Vに、ビット線BL2はVccに駆動される。
【0044】以上の読み出し動作において、データ
‘1’がメモリセルC1+C2に記憶されていた場合に
は、一旦記憶データは破壊されているので、再書き込み
により、読み出し前の完全な状態に復帰する必要があ
る。具体的に、プレート線PL1の電位をVccから0
Vに切り換、これにより、分極反転した強誘電体キャ
パシタC1C2再度分極反転させ、元のデータを再
書き込。すなわち、上述のセンスアンプ24による
ビット線BL1,BL12の駆動と、プレート線PL1
のVccから0Vへの切り換えにより、データ‘1’,
‘0’共にVccの印加電圧による再度書き込みが行わ
れ、読み出し前の完全な状態に復帰する。
【0045】以上のように、選択プレート線PL1を駆
動することで、メモリセルC1+C2のデータがセンス
アンプ24に読み出され、増幅されて再書き込みされ
る。そして、選択カラムのセンスアンプ24のデータの
みが図示しないI/O線に送られて出力される。
【0046】強誘電体C1+C2に対してデータを書き
込む場合は、ロウデコーダ22により制御系からアドレ
指定され選択されたワード線WL1に対して電源電
圧Vcc+αが印加される。これにより、トランジスタ
TR1が導通状態に保持され、TR1に連なメモリセ
ルC1+C2、C3+C4、C5+C6、およびC7+
C8が選択され。一方、非選択のワード線WL2の電
位は0Vに保持され、トランジスタTR2は非導通状態
に保持される。
【0047】この状態で、プレートデコーダ3により
制御系からアドレスを指定され選択されたプレート線P
L1に対して0Vが印加され、続いて電源電圧Vccが
印加される。また、非選択のプレート線PL2〜PL4
には、プレートデコーダ23によりVcc/2が印加さ
れる。ここで、センスアンプ24に所望のデータとし
て、たとえば、データ‘0’書き込場合、センスア
ンプ24によりビット線BL1が0Vにドライブされ
る。このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧V
ccレベルに保持されている。したがって、選択された
メモリセルC1+C2の強誘電体キャパシタC1C2
は、プレート電極からノード電極側に向かう分極状態と
なり、メモリセルC1+C2データ‘0’が書き込ま
れる。そして、選択プレート線PL1の電位が0Vに切
り換えられても分極反転は起こらずデータ‘0’の記録
状態が保持される。
【0048】一方、センスアンプ24に所望のデータと
して、データ‘1’が書き込まれた場合、センスアンプ
24によりビット線BL1がVccにドライブされる。
このとき、プレート線PL1の電位は、電源電圧Vcc
レベルに保持されている。したがって、この場合書き
込みは行われない。そして、選択プレート線PL1の電
位が0Vに切り換えられる。これにより、強誘電体キャ
パシタC1とC2は、ノード電極側からプレート電極
に向かう分極状態となり、メモリセルC1+C2デー
タ‘1’が書き込まれる。
【0049】メモリセルC1+C2に所望のデータの書
きこみ動作が完了した後に、非選択セルへの再書き込み
(リフレッシュ動作)を行なう
【0050】本実施形態によれば、極小のメモリセル面
積を有する1C構造の強誘電体メモリにおいて、その極
小のメモリセル面積を保ちつつ、各メモリセルのキャパ
シタの有効面積は倍に増大し、従来と比べて、各メモリ
セルのキャパシタの容量、蓄積電荷も倍増し、センスア
ンプで得られる信号の電荷量は大きく増大する。これに
より、FeRAMの高集積化が可能となり、実用上、極
めて有用である。
【0051】第2の実施形態 図3は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第1の
実施形態のメモリセルブロックを縦方向に1回折り返し
積層して形成されたものである。図3に示す強誘電体メ
モリは、半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソ
ース領域3、ゲート酸化膜4、ゲート電極(ワード線)
5、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電極を兼ねて
いる第1のノード電極6、第1の強誘電体膜7、プレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4を構成するプレー
ト電極8a,8b,8c,8d、層間絶縁膜9、9a、
ビット線10(BL1)、コンタクト・プラグ11、1
2、第2の強誘電体膜13、第2のノード電極14、第
3の強誘電体膜15、プレート電極16a,16b,1
6c,16d、第4の強誘電体膜17、第3のノード電
極18を有する。
【0052】第1のノード電極6、第2のノード電極1
4、第3のノード電極18、プレート電極8a,8b,
8c,8d、およびプレート電極16a,16b,16
c,16dは、好ましくは、貴金属類Pt、Ir、R
u、Rh、Re、Os、Pdのうち、少なくとも一つを
含む。或は、以上の貴金属類の酸化物をノード電極およ
びプレート電極に用いることができる。ここで、例え
ば、第1のノード電極6に膜厚150nmのIr膜を用
い、第2のノード電極14、第3のノード電極18、プ
レート電極8a,8b,8c,8d、およびプレート電
極16a,16b,16c,16dには、膜厚100n
mのIr膜を用いる。
【0053】第1実施形態と同じように、本実施形態の
強誘電体薄膜の材料として、ABO 型ペロブス力イト
構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)TiO
Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Zr,T
i)O、PbTiO、BaTiO、LiNb
、LiTaO、YMnO、または、ビスマス系
層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる。
ここで、一例として、第1の強誘電体薄膜7、第2の強
誘電体膜13、第3の強誘電体薄膜15、および、第4
の強誘電体薄膜17に、膜厚100nmのSBT膜(S
rBiTa)を用いる。
【0054】図3に示すように、第1のノード電極6
1の強誘電体薄膜7が形成され、第1の強誘電体薄膜
7上に所定間隔においてプレート電極8a,8b,8
c,8dが形成され、プレート電極8a,8b,8c,
8dに第2の強誘電体薄膜13が形成され、第2の強誘
電体薄膜13上に第2のノード電極14が形成されてい
る。さらに、第2のノード電極14に第3の強誘電体
膜15が形成され、第3の強誘電体薄膜15に所定間隔
においてプレート電極16a,16b,16c,16d
が形成され、プレート電極16a,16b,16c,1
6dに第4の強誘電体薄膜17が形成され、第4の強誘
電体薄膜17上に第3のノード電極18が形成されてい
る。第1のノード電極6は、コンタクト・プラグ12に
よりドレイン・ソース領域3に接続され、トランジスタ
TR及びコンタク・プラグ11を介してビット線10
(BL1)に接続されている。第1のノード電極6と、
第2のノード電極14と、第3のノード電極18とは、
電気的に接続されている。プレート電極8aと16a,
8bと16b,8cと16c,8dと16dは、それぞ
れ電気的に接続されており、プレート線PL1,PL
2,PL3,PL4をそれぞれ構成する。
0055】図3に示すように、第1のノード電極6と
プレート電極8a、8b、8c、8dと第1の強誘電体
膜7と、また、プレート電極8a、8b、8c、8dと
第2のノード電極14と第2の強誘電体膜13と、ま
た、第2のノード電極14とプレート電極16a、16
b、16c、16dと第3の強誘電体膜15と、また、
プレート電極16a、16b、16c、16dと第3の
ノード電極18と第4の強誘電体膜17とが、それぞれ
4つのキャパシタも構成しており、4つのキャパシタを
有するキャパシタ層を4層形成している。第1のノード
電極6、第2のノード電極14、第3のノード電極18
は電気的に接続しており、また、プレート電極8aと1
6a,8bと16b,8cと16c,8dと16dも、
それぞれ電気的に接続しているため、例えば、プレート
電極8aと16aについて,プレート電極8a上下の2
つのキャパシタ、プレート電極16a上下の2つのキャ
パシタは並列に接続している。他のプレート電極対につ
いても同様である。本実施形態において、並列に接続し
ている4つのキャパシタが1ビットを記憶するメモリセ
ルを構成する。図3は、このようなキャパシタグループ
を4つ有し、最大4ビットのデータを記憶可能なメモリ
ブロックを示している。これらのセルは、コンタクト・
プラグ12、トランジスタTR及びコンタク・プラグ1
1を介してビット線(BL1)10に接続されている。
【0056】前述したように、図3に示された本実施形
態のメモリセルブロックは第1の実施形態のメモリブロ
ックを縦方向に1回折り返し積層して形成されたもので
ある。従って、本実施形態において、半導体基板上に1
ビットを記憶する平面的な領域(メモリセル)の面積
を、従来メモリ構成のセル面積より増大することな
く、各メモリセルのキャパシタの有効面積は4倍に増大
する。そのため、従来と比べて、各メモリセルのキャパ
シタの容量蓄積電荷は4倍増え、センスアンプで得
られる信号の電荷量も増大する
【0057】図4は、図3に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図4に示した強誘電体メモリは、図2に示した強誘電体
メモリと同じように、メモリセルアレイ21、ロウデコ
ーダ22、プレートデコーダ23、センスアンプ(S/
A)24、カラムデコーダ25により構成されている。
ただし、図4に示した強誘電体メモリの各メモリセル
は、並列に接続している4つの強誘電体キャパシタより
構成されている。各メモリセルを、各メモリセルにおけ
る並列に接続している4つの強誘電体キャパシタの記号
を用いて、C1+C2+C3+C4、C5+C6+C7
+C8、C9+C10+C11+C12、C13+C1
4+C15+C16、および、C17+C18+C19
+C20、C21+C22+C23+C24、C25+
C26+C27+C28、C29+C30+C31+C
32とそれぞれ記す。
【0058】第1の実施形態と同じように、図4におい
ては、一列に配列されているメモリセルC1+C2+C
3+C4、C5+C6+C7+C8、C9+C10+C
11+C12、C13+C14+C15+C16におい
強誘電体キャパシタの一方の電極が共通に一つの
ノード電極ND1に接続され、同一列に配置されたnチ
ャネルMOSトランジスタTR1を介してビット線BL
1に接続されている。各キャパシタの他方の電極はそれ
ぞれプレート線PL1,PL2,PL3,PL4に接続
されており、メモリセルC1+C2+C3+C4、C5
+C6+C7+C8、C9+C10+C11+C12、
およびC13+C14+C15+C16の各々に対して
独立にデータの読出しと書き込みができるように構成さ
れている。
【0059】メモリセルC17+C18+C19+C2
0、C21+C22+C23+C24、C25+C26
+C27+C28、及びC29+C30+C31+C3
2の列は、同じように、共通のノード電極ND2、およ
びトランジスタTR2に接続されている。
【0060】ランジスタTR1のゲート電極がワード
線WL1に接続され、トランジスタTR2のゲート電極
がワード線WL2に接続されている。ロウデコーダ22
は、アドレスを指定されたワード線、図4の例ではWL
1またはWL2に、所定の電源電圧Vcc+α(αは
ランジスタTR1又はTR2の閾値電圧以上の電圧)を
印加して、トランジスタTR1又はTR2を導通状態に
保持させる。
【0061】プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレス指定されたプレート線にアドレス指定
されたメモリセルとなる強誘電体キャパシタにデータを
書き込み、または読み出し、かつ再書き込みが行なえる
ような所定電圧0V,又はVccを印加し、非選択
のプレート線には所定電圧Vcc/2を印加する。セン
スアンプ24は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビ
ット線BL1、BL2から読み出されたデータをラッチ
増幅し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行な
う。カラムデコーダ25は、アドレス指定に応じてセン
スアンプの選択やセンスアンプにラッチされた読み出し
データの出力、書き込みデータの対応するセンスアンプ
への供給等を行なう。
【0062】図4に示した強誘電体メモリの読出し及び
書きこみ動作は、図2に示した強誘電体メモリと同じよ
うに行なわれ、重複する説明は適宜に省略する。例え
ば、ワード線WL1とプレート線PL1が選択され、ビ
ット線BL1がカラムとして選択されて、メモリセル
1+C2+C3+C4を読出す場合、読み出し動作の初
期状態において、プレート線PL1〜PL4とビット線
BL1の電位はVcc/2に固定されている。この状態
で、ロウデコーダ22により選択されたワード線WL1
にVcc+αが印加され、ノード電極ND1に接続して
いるメモリセルC1+C2+C3+C4、C5+C6+
C7+C8、C9+C10+C11+C12、およびC
13+C14+C15+C16が選択される。これによ
、トランジスタTR1が導通状態となり、ノード電極
ND1がビット線BL1に接続される。
【0063】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL1
が0Vにイコライズされた後、浮遊状態になる。そし
て、非選択のプレート線PL2〜PL4の電位はVcc
/2に固定されているままで、選択プレート線PL1の
電位0Vから電源電圧Vccレベルにする。このと
き、選択プレート線PL1に接続されている強誘電体キ
ャパシタC1、C2、C3およびC4がノード電極ND
1側からプレート線PL1側に分極していれば(データ
‘1’)、元の分極と反対方向に電源電圧Vccが印加
されることになる。その結果、強誘電体キャパシタC
1、C2、C3とC4の分極状態が反転し、反転電荷が
ビット線BL1に放出される。一方、強誘電体キャパシ
タC1、C2、C3とC4がプレート線PL1側からノ
ード電極ND1側に分極していれば(データ‘0’)、
分極方向と同方向の電圧が印加されているため、反転電
流が流れない。
【0064】従って、ビット線BL1の電位上昇は、強
誘電体キャパシタC1、C2、C3とC4にデータ
‘1’が記憶されている場合には大きく、データ‘0’
が記憶されている場合には小さくなる。
0065】次に、本実施形態に係る並列に接続してい
る4つのキャパシタからなるメモリセルの場合と、従来
の1つのキャパシタからなるメモリセルの場合におい
て、ビット線BL1の電位上昇量の変化を、第1の実施
形態で示した式(1)と(2)を用いて見積もる
【0066】本実施形態において、メモリセルが4
のキャパシタ(例えば、C1,C2、C3,C4)が並
列に接続しているので、式(1)と(2)における容量
、C1つのキャパシタの4倍になり、C≒2
000fF、C≒400fFとなる。また、CBL≒
1000fF程度であり、電源電圧Vccは3.3Vと
するので、式(1)と(2)より、本実施形態では、△
=1.57V、△V=0.51Vとなる。第1の
実施形態に示した1つのキャパシタの場合より、電位の
上昇量が大幅に増大する。
【0067】なお、1ビット線に連なるプレート線の本
数M=8の場合、本実施形態のメモリ構成におけるビッ
ト線の電位上昇量は、△V=1.14V、△V
0.31Vとなる。以降の動作説明は省略する。
【0068】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷も4倍に
増大し、センスアンプで得られる信号の電荷量は大幅に
増大する。これにより、FeRAMの更なる高集積化が
可能となり、実用上、極めて有用である。
0069第3の実施形態 図5は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第1の
実施形態に示されたメモリブロックを2つ重ね合わせて
形成されたものである。図5に示す強誘電体メモリは、
半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソース領域
3、53、ゲート酸化膜4、54、ゲート電極5、55
(ワード線)、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電
極を兼ねている第1のノード電極6、56、第1の強誘
電体膜7、57、プレート電極8a,8b,8c,8
d、および58a,58b,58c,58d、層間絶縁
膜9、9a、ビット線10(BL1)、コンタクト・プ
ラグ11、12、51、第2の強誘電体膜13、63、
第2のノード電極14、64を有する。
【0070】図5に示すように、ワード線5、55の間
一方のドレイン・ソース領域3上の層間絶縁膜9に、
例えば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ11
が形成されており、該一方のドレイン・ソース領域3と
電気的に接続されている。コンタクト・プラグ11上
に、ビット線10が形成されている。他方のドレイン・
ソース領域3上の層間絶縁膜9に、例えば、ポリシリコ
ンからなるコンタクト・プラグ12形成されており、
他方のドレイン・ソース領域3と電気的に接続されてい
る。ドレイン・ソース領域53上の層間絶縁膜9に、例
えば、ポリシリコンからなるコンタクト・プラグ51が
形成されて、ドレイン・ソース領域53と電気的に接続
されている。
【0071】コンタクト・プラグ12上に、第1のノー
ド電極6が形成されている。第1のノード電極6は、ト
ランジスタTR1、及びコンタク・プラグ11を介して
ビット線(BL1)10に接続されている。第1のノー
ド電極6に第1の強誘電体薄膜7が形成されており、第
1の強誘電体薄膜7上に所定間隔においてプレート電極
8a,8b,8c,8dが形成されている。これらのプ
レート電極8a,8b,8c,8dはそれぞれプレート
線PL1、PL2、PL3,PL4を構成する。さら
に、プレート電極8a,8b,8c,8dに第2の強誘
電体薄膜13が形成され、第2の強誘電体薄膜13上に
第2のノード電極14が形成されている。第1のノード
電極6と第2のノード電極14とは電気的に接続され
いる。
【0072】第1のノード電極6とプレート電極8a,
8b,8c,8dと第1の強誘電体薄膜7とにより4つ
の強誘電体キャパシタが形成されており、プレート電極
8a,8b,8c,8dと第2のノード電極14第2
の強誘電体薄膜13とにより4つの強誘電体キャパシタ
が形成されている。
【0073】同様に、コンタクト・プラグ51上に、第
1のノード電極56が形成されている。第1のノード電
極56は、トランジスタTR2、及びコンタク・プラグ
51を介してビット線(BL1)10に接続されてい
る。第1のノード電極56に第1の強誘電体薄膜57が
形成されており、第1の強誘電体薄膜57上に所定間隔
をおいてプレート電極58a,58b,58c,58d
が形成されている。これらのプレート電極58a,58
b,58c,58dはそれぞれプレート線PL1、PL
2、PL3,PL4に接続されている。また、プレート
電極58a,58b,58c,58dに第2の強誘電体
薄膜63が形成され、第2の強誘電体薄膜63上に第2
のノード電極64が形成されている。第1のノード電極
56と第2のノード電極64とは電気的に接続してい
る。
0074】第1のノード電極56とプレート電極58
a,58b,58c,58dと第1の強誘電体薄膜57
とにより4つの強誘電体キャパシタが形成されている。
また、プレート電極58a,58b,58c,58dと
第2のノード電極64と第2の強誘電体薄膜63とによ
り4つの強誘電体キャパシタが形成されている。
【0075】第1のノード電極6から第2のノード電極
14までの積層構造と、第1のノード電極56から第2
のノード電極64までの積層構造とは、図5のように、
縦方向(基板に垂直する方向)に互いに重なるように積
層されている。これにより、2つのメモリブロックは同
じ平面領域を占有しているので、メモリセル当たりの占
有する面積が半分近く小さくなり、集積度の更なる向上
を図ることができる。
【0076】第1のノード電極6、56、第2のノード
電極14、64、および、プレート電極8a,8b,8
c,8dと58a,58b,58c,58dは、好まし
くは、貴金属類Pt、Ir、Ru、Rh、Re、Os、
Pdのうち、少なくとも一つを含む。或は、以上の貴金
属類の酸化物をノード電極およびプレート電極に用いる
ことができる
【0077】前述の実施形態と同じように、本実施形態
の強誘電体薄膜の材料として、ABO型ペロブス力イ
ト構造を有するSrTiO、(Ba,Sr)Ti
、Pb(Zr,Ti)O、(Pb,La)(Z
r,Ti)O、PbTiO、BaTiO、LiN
bO、LiTaO、YMnO、または、ビスマス
系層状ペロブス力イト構造化合物を含むSrBiTa
、SrBiNb 、SrBi(Ta,N
b)、BiTi12、SrBiTi
15、SrBi(Ti,Zr)15、BiTi
NbO、BiTiTaO、BaBiTa
、BaBiNbを用いることができる
0078】例えば、第1のノード電極6、56に膜厚
150nmのIr膜を用い、第2のノード電極14、6
4、プレート電極8a,8b,8c,8d、と58a,
58b,58c,58dには、膜厚100nmのIr膜
を用いる。また、一例として、第1の強誘電体薄膜7、
57、第2の強誘電体膜13、63に、膜厚100nm
のSBT膜(SrBiTa)を用いる。
0079】第1の実施形態において説明したように、
コンタクト・プラグ12上に形成された第1のノード電
極6、第1の強誘電体膜7、プレート電極8a、8b、
8c、8d、第2の強誘電体膜13、第2のノード電極
14を含むメモリセルブロックは、並列に接続している
2つのキャパシタからなるメモリセルを4つ有し、最大
4ビットのデータを記憶可能である。
0080】同様に、コンタクト・プラグ51上に形成
された第1のノード電極56と、第1の強誘電体薄膜5
7と、プレート電極58a,58b,58c,58d
と、第2の強誘電体薄膜63と、第2のノード電極64
とを含むメモリセルブロックは、並列に接続している2
つのキャパシタからなるメモリセルを4つ有し、最大4
ビットのデータを記憶可能である。
【0081】即ち、本実施形態において、半導体基板上
に1ビットを記憶する平面的な領域(メモリセル)の面
積を、従来メモリ構成におけるセル面積より増大する
ことなく、各セルのキャパシタの有効面積は2倍に増大
する。そのため、従来と比べて、各セルのキャパシタの
容量、蓄積電荷は2倍に増え、センスアンプで得られる
信号の電荷量は増大する。さらに、2つ、或いは、2つ
以上のメモリブロックを重ね合わせ、1つのメモリセル
あたりの平面的な面積はさらに縮小し、集積度をさらに
高める
【0082】図6は、図5に示したメモリセルブロック
から構成された強誘電体メモリの一例の等価回路であ
る。図6に示す強誘電体メモリにおいて、1対の強誘電
体キャパシタグループに相補的にデータを書きこむこと
で1ビットを記憶する。従って、図6に示す強誘電体メ
モリは、8ビットのデータを記憶する。
【0083】図6に示すように、この強誘電体メモリに
おいては、同一方向にワード線WL1、WL2とプレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4が配置され、これ
らと垂直に交差するようにビット線BL1、BL2が配
置されている。ワード線WL1、WL2はロウデコーダ
22に接続され、プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4はプレートデコーダ23に接続されている。ま
た、ビット線BL1、BL2が1対となってセンスアン
プ24に接続されている。
【0084】ビット線BL1は、トランジスタTR1、
TR2を介して、ノード電極ND1、ND2とそれぞれ
接続されている。ノード電極ND1には、4つのメモリ
セルが接続されている。該4つのメモリセルは、それぞ
れ並列に接続している2つの強誘電体キャパシタより構
成されている、即ち、C1とC2、C3とC4、C5と
C6、及びC7とC8は4つのメモリセルを構成してい
る。以降、該4つのメモリセルを、C1+C2、C3+
C4、C5+C6、C7+C8と記す。強誘電体キャパ
シタC1とC2、C3とC4、C5とC6、及びC7と
C8の各々の一方の電極がノード電極ND1に接続され
ている。C1とC2、C3とC4、C5とC6、及びC
7とC8の各々の他方の電極はプレート線PL1,PL
2,PL3,PL4に接続されている。同様に、ノード
電極ND2に、4つのメモリセルが接続されている。該
4つのメモリセルは、それぞれ並列に接続している2つ
の強誘電体キャパシタより構成されている、即ち、C9
とC10、C11とC12、C13とC14、及びC1
5とC16は4つのメモリセルを構成している。以降、
該4つのメモリセルを、C9+C10、C11+C1
2、C13+C14、及びC15+C16と記す。強誘
電体キャパシタC9とC10、C11とC12、C13
とC14、及びC15とC16の各々の一方の電極がノ
ード電極ND2に接続されている。C9とC10、C1
1とC12、C13とC14、及びC15とC16の各
々の他方の電極がプレート線PL1,PL2,PL3,
PL4に接続されている。
【0085】ビット線BL2についても同様に、トラン
ジスタTR3、TR4を介して、ノード電極ND3、N
D4とそれぞれ接続されている。ノード電極ND3に
は、C17とC18、C19とC20、C21とC2
2、及びC23とC24がそれぞれ並列に接続して構成
された4つのメモリセルが接続されている以降、該4
つのメモリセルを、C17+C18、C19+C20、
C21+C22、及びC23+C24と記す。強誘電体
キャパシタC17とC18、C19とC20、C21と
C22、及びC23とC24の各々の一方の電極がノー
ド電極ND3に接続されている。強誘電体キャパシタ
17とC18、C19とC20、C21とC22、及び
C23とC24の各々の他方の電極はプレート線PL
1,PL2,PL3,PL4に接続されている。ノード
電極ND4には、C25とC26、C27とC28、C
29とC30、及びC31とC32がそれぞれ並列に接
続して構成された4つのメモリセルが接続されている。
該4つのメモリセルを、C25+C26、C27+C2
8、C29+C30、及びC31+C32と記。ノー
ド電極ND4は、強誘電体キャパシタC25とC2
6、C27とC28、C29とC30、及びC31とC
32の各々の一方の電極が接続されている強誘電体キ
ャパシタC25とC26、C27とC28、C29とC
30、及びC31とC32の各々の他方の電極プレー
ト線PL1,PL2,PL3,PL4に接続されてい
る。
【0086】ランジスタTR1、TR3のゲート電極
がワード線WL1に接続され、ランジスタTR2、T
R4のゲート電極ワード線WL2に接続されている。ロ
ウデコーダ22は、アドレス指定されたワード線に、
所定の電源電圧Vcc+α(αはランジスタの閾値電
圧以上の電圧)を印加して、ランジスタを導通状態に
保持させる。プレートデコーダ23は、データアクセス
時にアドレス指定されたプレート線PL1〜PL4に
アドレスを指定されたメモリセルとなる強誘電体キャパ
シタにデータを書き込み、または読み出し、かつ再書き
込みが行なえるために必要な電圧を印加し、非選択のプ
レート線には適切な電圧を印加する。センスアンプ24
は、書き込み時あるいは読み出し時に、ビット線BL
1、BL2から読み出されたデータをラッチし増幅
し、再書き込み(リフレッシュ動作)を行なう。カラム
デコーダ25は、アドレス指定に応じてセンスアンプの
選択やセンスアンプにラッチされた読み出しデータの出
力、書き込みデータの対応するセンスアンプへの供給等
を行なう。
【0087】次は、図6に示した強誘電体メモリの読出
し及び書きこみ動作を説明する。図6に示した強誘電体
メモリは、各メモリセル対がそれぞれ1ビットずつを相
補データとして記憶するようになっている。例えば、
モリセルC1+C2とC17+C18がそれぞれ1ビッ
トずつを相補データとして記憶する。ここで、メモリセ
ルC1+C2とC17+C18からデータを読み出す動
作を一例として説明する。以下の説明ではメモリセルC
1+C2にデータ‘1’、メモリセルC17+C18に
‘0’が書きこまれている状態とする。
【0088】読み出し動作が始まる前には、全部のビッ
ト線、ワード線、プレート線が接地されている。読み出
しが開始されると、初期状態として、プレート線PL1
〜PL4とビット線BL1、BL2はVcc/2に固定
されている(Vccは電源電圧)。この状態で、ロウデ
コーダ22によりワード線WL1、WL2の電位がハイ
レベルにされ、トランジスタTR1、TR2,TR3,
TR4が導通状態となる。これによって、ノード電極N
D1、ND2がビット線BL1に、ノード電極ND3、
ND4がビット線BL2にそれぞれ接続される。次に、
非選択ワード線WL2ロウレベルにされ、TR2、T
R4がオフ状態になり、非選択ノード電極ND2、ND
4が浮遊状態となる。
【0089】次に、選択されたプレート線PL1の電位
がVcc/2から0Vに切り換えられ、ビット線BL
1、BL2が0Vにイコライズされた後、浮遊状態に
。そして、非選択のプレート線PL2〜PL4の電位
はVcc/2に固定されているままで、選択プレート線
PL1の電位を0Vから電源電圧Vccレベルにする
このとき、データ‘1’が記憶された強誘電体キャパシ
タC1とC2は、分極状態が反転し、反転電荷がビット
線BL1に放出され、ビット線BL1とBL2間に電位
差が生じる。
【0090】第1の実施形態と同じように、ビット線B
L1の電位上昇量の変化を見積る。強誘電体キャパシタ
C1とC2に‘1’が記録されていたので、分極状態が
反転し、反転電荷によるビット線BL1の電位変化△V
第1の実施形態で説明した式(1)で表される。ま
た、ビット線BL1に連なるプレート線本数Mが4であ
り、電源電圧Vccは3.3Vとする場合、ビット線B
L1の電圧上昇量△Vは1.27Vとなり、従来の1
キャパシタのメモリセルの場合の0.92Vより大幅に
増大する。また、ビット線BL2の電位上昇量の変化
は、強誘電体キャパシタC17とC18に‘0’が記録
されていたので、分極状態が変化せず、ビット線BL2
の電位変化△V第1の実施形態で説明した
(2)で表される。前記と同じ条件では、△Vは0.
37Vとなり、従来の1キャパシタのメモリセルの場合
の0.24Vより増大する。
【0091】次に、センスアンプ24を活性化して、デ
ータを読み出す。このとき、ビット線BL1の電位をV
ccにし、ビット線BL2は0Vに駆動され、メモリセ
ルC17+C18‘0’を再書き込み、そして、ビ
ット線BL1の電位0Vに、メモリセルC1+C2
に‘1’を再書き込み、読み出し前の完全な状態に復
される。次に、プレート線PL1、PL2、PL3、
PL4の電位は0Vにして、非選択ワード線WL2をハ
イレベルにし全部のノード電極を0Vにする
【0092】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は倍に増大し、従来と比
べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は2倍に増
大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大した。
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重
ね合わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積はさ
らに縮小し、集積度をさらに高める。これにより、Fe
RAMの更なる高集積化が可能となり、実用上、極めて
有用である。
0093第4の実施形態 図7は、本実施形態に係る半導体記憶装置の一例となる
強誘電体メモリの構成を示す部分断面図であり、第2の
実施形態に示されたメモリブロックを2つ重ね合わせて
形成されたものである。図7に示す強誘電体メモリは、
半導体基板1、素子分離領域2、ドレイン・ソース領域
3、53、ゲート酸化膜4、54、ゲート電極5、55
(ワード線)、4つの強誘電体キャパシタの共通下部電
極を兼ねている第1のノード電極6、56、第1の強誘
電体膜7、57、プレート電極8a,8b,8c,8
d、および58a,58b,58c,58d、層間絶縁
膜9、9a、ビット線10(BL1)、コンタクト・プ
ラグ11、12、51、第2の強誘電体膜13、63、
第2のノード電極14、64、第3の強誘電体膜15、
75、プレート電極16a,16b,16c,16d、
と76a,76b,76c,76d、第4の強誘電体膜
17、77、第3のノード電極18、78を有してい
る。
【0094】次の説明では、前述した実施形態と重複す
る説明を適宜に省略する。図7に示すように、コンタク
ト・プラグ12と電気的に接続された第1のノード電極
6は、トランジスタTR1、及びコンタク・プラグ1
1を介してビット線(BL1)10に接続されている。
第1のノード電極6に、順次第1の強誘電体薄膜7、プ
レート電極8a,8b,8c,8d、第2の強誘電体薄
膜13、第2のノード電極14が形成されている。
のノード電極14に第3の強誘電体薄膜15が形成さ
れ、第3の強誘電体薄膜15に所定間隔をおいてプレー
ト電極16a,16b,16c,16dが形成され、プ
レート電極16a,16b,16c,16dに第4の強
誘電体薄膜17が形成され、第4の強誘電体薄膜17上
に第3のノード電極18が形成されている。プレート電
極8aと16a,8bと16b,8cと16c,8dと
16dは、それぞれ電気的に接続している。また、第1
のノード電極6と、第2のノード電極14と、第3のノ
ード電極18とは、電気的に接続している。
【0095】同様に、コンタクト・プラグ51と電気的
に接続された第1のノード電極56は、トランジスタT
R2、及びコンタク・プラグ11を介してビット線
(BL1)10に接続されている。第1のノード電極5
6に、順次第1の強誘電体薄膜57、プレート電極58
a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜6
3、第2のノード電極64が形成されている。さらに、
第2のノード電極64に第3の強誘電体薄膜75が形成
され、第3の強誘電体薄膜75に所定間隔においてプレ
ート電極76a,76b,76c,76dが形成され、
プレート電極76a,76b,76c,76dに第4の
強誘電体薄膜77が形成され、第4の強誘電体薄膜77
上に第3のノード電極78が形成されている。プレート
電極58aと76a,58bと76b,58cと76
c,58dと76dはそれぞれ電気的に接続している。
また、第1のノード電極56と、第2のノード電極64
と、第3のノード電極78とは、電気的に接続してい
る。
0096】第2の実施形態において説明したように、
コンタクト・プラグ12上に形成された第1のノード電
極6から第3のノード電極18までの多層構造は、並列
に接続している4つのキャパシタからなるメモリセルを
4つ有し、最大4ビットのデータを記憶可能なメモリブ
ロックである。
0097】同じように、コンタクト・プラグ51上に
形成された第1のノード電極56から第3のノード電極
78までの多層構造は、並列に接続している4つのキャ
パシタからなるメモリセルを4つ有し、最大4ビットの
データを記憶可能なメモリブロックである。
0098】第1のノード電極6から第3のノード電極
18までの積層構造と、第1のノード電極56から第3
のノード電極78までの積層構造とは、図7のように、
縦方向(基板に垂直する方向)に互いに重なるように積
層されている。これにより、2つのメモリブロックは同
じ平面領域を占有しているので、メモリセル当たりの占
有する面積が半分近く小さくなり、集積度の向上を図る
ことができる。
【0099】以上に説明したように、本実施形態におい
、半導体基板上に、1ビットを記憶する平面的な領域
(メモリセル)の面積を、従来メモリ構成のセル面積よ
り増大することなく、各メモリセルのキャパシタの有効
面積は4倍に増大する。そのため、従来と比べて、各
モリセルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍に増え、
センスアンプで得られる信号の電荷量は増大するさら
に、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重ね合
わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積はさらに
縮小し、集積度をさらに高める
【0100】本実施形態の強誘電体メモリを構成する材
料は選択は、前述した各実施形態と同じである。
【0101】図8は、図7に示したメモリセルブロック
から構成した強誘電体メモリの一例の等価回路である。
図8に示す強誘電体メモリの基本構成は、第3の実施形
態の強誘電体メモリとほぼ同じであり、ただし1メモ
リセルは、4つのキャパシタが並列に接続して構成され
前述の実施形態と同じように、メモリセルからデー
タを読み出す場合は、分極状態が反転して反転電荷を放
出した場合のビット線の電位変化△Vは、第1の実施
形態で説明した式(1)で表される。1つのビット線に
連なるプレート線本数Mが、電源電圧Vccは3.3
である場合は、分極反転によるビット線の電圧上昇量
△Vは1.57Vとなり、従来の1キャパシタのメモ
リセルの場合の0.92Vより著しく増大している。ま
た、分極状態が反転して反転電荷を放出した場合のビッ
ト線の電位変化△V は、第1の実施形態で説明した
(2)で表される。前記と同じ条件では、△Vは0.
51Vとなり、従来の1キャパシタのメモリセルの場合
の0.24Vより増大している
【0102】図8に示す強誘電体メモリの動作方法は、
第3の実施形態の強誘電体メモリと同じであり、説明を
省略する。
【0103】本実施形態によれば、1C構造の強誘電体
メモリの極小のメモリセルの面積を増大することなく、
各セルのキャパシタの有効面積は4倍に増大し、従来と
比べて、各セルのキャパシタの容量、蓄積電荷は4倍に
増大し、センスアンプで得た信号の量は著しく増大
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロック
を重ね合わせ、1つのメモリセルあたりの平面的な面積
はさらに縮小し、集積度をさらに高める。これにより、
FeRAMの更なる高集積化が可能となり、実用上、極
めて有用である。
【0104】第5の実施形態 本実施形態は、図1に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。本実施形態においては、各ノード電極お
よびプレート電極の材料として、貴金属材料Irを用い
る。反応性の低い貴金属系材料を電極として用いる場合
は、ドライエッチングによる微細加工が非常に難しいた
め、その微細化にはダマシン法が適している。本実施形
態では、ダマシン法を用いて、各ノード電極およびプレ
ート電極を形成する。
【0105】まず、図9に示すように、第1の導電性の
シリコン基板1に、公知の方法に基づきLOCOS構造
を有する素子分離領域2を形成する。次に、シリコン基
板1の表面を酸化しゲート酸化膜4を形成する。そし
て、ポリシリコン層を例えばCVD法にて全面に堆積さ
せた後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に
よってポリシリコン層をパターニングし、ポリシリコン
から成るゲート電極5を形成する。次に、ゲート電極5
の両側に第2の導電性の不純物イオンを注入し、そして
注入された不純物の活性化処理を行ない、ソース・ドレ
イン領域3を形成する。これによって、トランジスタT
Rを形成する。なお、ゲート電極5はワード線を兼ねて
いる。
【0106】次、トランジスタTRを被覆するように
例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法に
て形成する。そして、トランジスタTRの一方のソース
・ドレイン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、ビット線10を形成するためのコンタクトホールを
穿ち、不純物を拡散したポリシリコンを埋め込んで、ポ
リシリコンプラグ11を形成する。その後、公知のCM
P(Chemical Mechanical Pol
ishing)法により、層間絶縁膜9とポリシリコン
プラグ11表面を平坦化して、公知のAl配線技術を用
いてビット線10を形成する。
【0107】さらに、ビット線10を被覆するように例
えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜9をCVD法に
さらに堆積し、CMP法により、層間絶縁膜9を平坦
化する。平坦化された層間絶縁膜9に、第1のノード電
極6の埋め込み部を形成する時のエッチングストッパー
層91として、SiN膜をCVD法により50nm成膜
する。そして、トランジスタTRの他方のソース・ドレ
イン領域3と接触する層間絶縁膜9の部分で、同じ方法
でポリシリコンプラグ12を形成する。その後CMP法
により表面のポリシリコンを除去する
【0108】ポリシリコンプラグ12上にノード電極を
形成する前に、プラグ12上保護膜としてのシリサイド
膜と拡散バリア膜を形成する。プラグ12がポリシリコ
ンであるので、高温処理中に、ポリシリコンプラグ1
からのシリコンの拡散によプラグ12上に次に形成す
る電極膜のシリサイド化と特性劣化、また、酸化反応に
よって、酸化シリコンなどの絶縁膜の形成が生じる。そ
れを防止するために、通常は、プラグ12表面にシリサ
イド膜を形成する。また、高温で電極膜がプラグ12と
の反応や、電極膜と強誘電体膜からプラグ12への拡散
を防ぐために、通常、Ti、Ta、または、Wを含む窒
化物または酸化物を用いて、プラグ12と電極の間に拡
散バリア層を形成する。
【0109】具体的に、ドライエッチング技術によりプ
ラグ12内のポリシリコンを150nmエッチバック
し、プラグ12上に、DCマグネトロンスパッタ法、及
び公知のRTA(Rapid Thermal Ann
ealing)法によりシリコンの拡散を防止するCo
シリサイド膜92を形成する。Coシリサイド膜92の
上に、拡散バリア層としてTiN膜93をDCマグネト
ロンスパッタ法により200nm形成し、続いてCMP
法により表面のTiN膜を除去する。なお、エッチング
ストッパー層91であるSiNは、上記の各工程におい
て高い加工選択比があるため、この時点では殆ど削れて
いない。
【0110】続いて、図10に示すように、第1のノー
ド電極6の埋め込み層としてCVD法により酸化シリコ
ンからなる層間絶縁膜94を200nm形成し、第1の
ノード電極6のパターンをリソグラフィー技術とドライ
エッチング技術により層間絶縁膜94上に開口する。そ
して、この開口部に、第1のノード電極6としてIr膜
を150nmまでDCマグネトロンスパッタ法により堆
積する。外表面のIr膜をCMP法により除去する。図
示しないが、上記の開口部に、Ir膜を堆積する前に、
Ir膜の密着層としてIr−Hf膜を例えば20nmを
形成してよく、Ir膜を形成した後、表面のIr−Hf
膜もCMP法により除去する。なお、図11以降の工程
においてはエッチングストッパー層91を図示しない。
【0111】続いて、図11に示すように、第1のノー
ド電極6上に第1の強誘電体膜7を形成する。ここで、
一例として、第1の強誘電体膜7を膜厚100nmの強
誘電体SBT膜(SrBiTa)とする。第1
のノード電極6上にCSD(Chemical Sol
ution Deposition)法を用いて、強誘
電体薄膜SrBiTa(SBT)薄膜を形成す
る。使用したSol−Gel前駆体溶液は市販のものを
用い、溶液中の金属組成比はSr/Bi/Ta=0.8
/2.2/2.0である。公知のスピンコート法により
塗布した後、溶媒を揮発させるためにホットプレート上
で250゜C、5分間の加熱を行ない、続いて拡散炉を
用いて酸素雰囲気中で700゜C、30分の加熱を行な
う。この成膜工程を3回繰り返して、膜厚100nmの
強誘電体SBT膜を成膜する。
【0112】次に、プレート電極8a,8b、8c、8
dの埋め込み層として、第1の強誘電体膜7上にCVD
法にて、酸化シリコンからなる絶縁膜9aを形成する。
そして、絶縁膜9a上に、プレート電極8a,8b、8
c、8dのパターンをリソグラフィー技術とドライエッ
チング技術により形成する。そして、形成したプレート
電極のパターンに、第1の強誘電体膜7の上に、公知の
スパッタリング法により、膜厚100nmのIr膜を埋
めこむ。その後、CMP法により、表面に堆積したIr
を研磨除去し、平坦化し、プレート電極8a,8b、8
c、8dを形成する。そして、公知のフォトリソグラフ
ィ法とドライエッチング法を用いて、形成した各電極を
所定の大きさに加工する。
【0113】続いて、図12に示すように、前述した第
1の強誘電体膜7と同じ形成方法で、膜厚100nmの
SBT膜を形成し、第2の強誘電体膜13とする。そし
て、CVD法により酸化膜からなる絶縁膜9bを形成
し、第2の強誘電体膜13を被覆する。その後、絶縁膜
9b上に、第2のノード電極14のパターンと第2のノ
ード電極14と第1のノード電極6とを接続するビアホ
ール14aを絶縁膜9b上に形成する。そして、形成し
たパターンとビアホール14aに、公知のスパッタリン
グ法により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、そし
て、CMP法により、表面に堆積したIrを研磨除去し
て平坦化し、第1のノード電極6と接続している第2の
ノード電極14を形成する。続いて、必要な配線層を形
成し、本実施形態の強誘電体メモリを形成する。
【0114】本実施形態は、第1の実施形態と同様な効
果を有する。
【0115】第6の実施形態 本実施形態は、図3に示した強誘電体メモリの作製方法
の一例を示す。まず、第5の実施形態と同じように、図
11まで示した製造工程を実行する。図12に示す工程
において第2のノード電極14を形成した後、図13に
示すように、第2のノード電極14上に前述と同じ方法
で膜厚100nmの強誘電体SBT膜(SrBiTa
)を形成し、第3の強誘電体膜15とする。
【0116】次に、第3の強誘電体膜15上にCVD法
にて、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜9cを第3
の強誘電体膜15を被覆するように形成する。そして、
公知のダマシン法により、プレート電極16a,16
b、16c、16dを形成する。絶縁膜9c上に、プレ
ート電極16a,16b、16c、16d用の配線溝を
形成して、そして、形成した配線溝、第3の強誘電体
膜15の上に、公知のスパッタリング法により、膜厚1
00nmのIr膜を埋めこみ、プレート電極16a,1
6b、16c、16dを形成する。その後、CMP法に
より、溝の外に堆積したIrを研磨除去し、平坦化す
る。
【0117】続いて、前述と同じ形成方法で、膜厚10
0nmのSBT膜を形成し、第4の強誘電体膜17とす
る。そして、CVD法にて酸化膜からなる絶縁膜9dを
形成し、第4の強誘電体膜17を被覆する。そして、公
知のフォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用い
て、形成した各電極を所定の大きさに加工する。
【0118】その後、公知のデュアルダマシン法によ
り、絶縁膜9d上に第3のノード電極18を形成する。
まずは、第3のノード電極14用の配線溝と第3のノー
ド電極18を第2のノード電極14と接続するビアホー
ル18aを絶縁膜9d上に形成する。そして、形成した
配線溝とビアホール18aに、公知のスパッタリング法
により、膜厚100nmのIr膜を埋め込み、第2のノ
ード電極14と接続している第3のノード電極18を形
成する。その、必要な配線層を形成し、本実施形態の
強誘電体メモリを形成する。
【0119】本実施形態は、第2の実施形態と同様な効
果を有する。
【0120】第7の実施形態 本実施形態は、図5、及び図7に示した強誘電体メモリ
の製造方法の例を示す図5に示した強誘電体メモリを
製造する時は、まず、図14に示すように、半導体基板
1の所定領域に、トランジスタTR1,TR2を第5の
実施形態で説明したMOSFET形成工程により形成す
る。そして、トランジスタTR1とTR2の間のソース
・ドレイン領域3及び両側のソース・ドレイン領域53
と3に、ポリシリコンプラグ11及びビット線10、そ
して、ポリシリコンプラグ12と51を形成する。続い
て、第5の実施形態と同じ製造工程で、ポリシリコンプ
ラグ12上に順次第1のノード電極6、第1の強誘電体
薄膜7、プレート電極8a,8b,8c,8d、第2の
強誘電体薄膜13、第2のノード電極14を形成する。
そして、ポリシリコンプラグ51の上端を形成し、ポリ
シリコンプラグ51上に、第1のノード電極6から第2
のノード電極14までの積層構造るように、第1
のノード電極56を形成する。形成方法は前記と同じで
ある。その後、第1のノード電極56上に、順次第1の
強誘電体薄膜57、プレート電極58a,58b,58
c,58d、第2の強誘電体薄膜63、第2のノード電
極64を形成する。その、必要な配線層を形成し、図
5の強誘電体メモリを形成する。
【0121】図7に示した強誘電体メモリを製造する時
は、まず、図15に示すように、半導体基板1の所定領
域に、トランジスタTR1,TR2を前記と同じ方法で
形成し、トランジスタTR1とTR2の間のソース・ド
レイン領域3及び両側のソース・ドレイン領域53と3
に、ポリシリコンプラグ11及びビット線10、そし
て、ポリシリコンプラグ12と51を形成する。続い
て、第5と第7の実施形態と同じ製造工程で、ポリシリ
コンプラグ12上に順次第1のノード電極6、第1の強
誘電体薄膜7、プレート電極8a,8b,8c,8d、
第2の強誘電体薄膜13、第2のノード電極14、第3
の強誘電体薄膜15、プレート電極16a,16b,1
6c,16d、第4の強誘電体薄膜17、第3のノード
電極18を形成する。そして、ポリシリコンプラグ51
の上端を形成し、ポリシリコンプラグ51上に、第1の
ノード電極6から第3のノード電極18までの積層構造
るように、第1のノード電極56を形成する。形
成方法は前記と同じである。その後、第1のノード電極
56上に、順次第1の強誘電体薄膜57、プレート電極
58a,58b,58c,58d、第2の強誘電体薄膜
63、第2のノード電極64、第3の強誘電体薄膜7
5、プレート電極76a,76b,76c,76d、第
4の強誘電体薄膜77、第3のノード電極78を形成す
る。その後、必要な配線層を形成し、図7の強誘電体メ
モリを形成する。以上の製造工程において、ダマシン法
を用いるためのエッチングストッパー層、及びプラグ上
のCoシリサイド膜と拡散バリア層も形成するが、その
説明と図解は省略している。
【0122】本実施形態は、第3、第4の実施形態と同
様な効果を有する。
【0123】以上、本発明を好ましい実施の形態に基づ
き説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々の改変が可能である。本発明において説明した
半導体記憶装置、読出しと書きこみ方法、およびその作
製方法は例示であり、適宜に変更することが可能であ
る。上記実施形態において、共通ノード電極、強誘電
体絶縁膜、プレート電極からなるキャパシタ層を2層と
4層形成する例を述べたが、本発明はこれに限らず、原
理的に3層、5層、何層でも可能である。また、第3と
第4の実施形態において、2つのキャパシタ層の積層構
造を積み重ねる例を述べたが、複数個のキャパシタ積層
構造を積み重ねても何の支障もない。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、強誘電体キャパシタ
み重ねることによって、メモリセルは、2つまたは2
つ以上のキャパシタが並列に電気的に接続する構造とな
る。これによって、極小のメモリセル面積を有する1C
構造の強誘電体メモリにおいて、その極小のメモリセル
面積を増大させることなく強誘電体キャパシタの有効面
積とキャパシタの容量を2倍以上に増加させて、読み出
し信号の電荷量を大幅に増加させることが可能となる。
さらに、2つ、或いは、2つ以上のメモリブロックを重
ね合わせることから、1つのメモリセルあたりの平面的
な面積はさらに縮小し、集積度をさらに高める。これに
よって、強誘電体メモリの更なる高集積化が可能とな
り、実用上、極めて有用である。
図面の簡単な説明
【図1】第1の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図3】第2の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図5】第3の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図6】第3の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図7】第4の実施形態の半導体記憶装置の構成の一例
を示す断面図である。
【図8】第4の実施形態の半導体記憶装置の等価回路の
一例を示す回路図である。
【図9】第5の実施形態に係る図1に示す半導体記憶装
置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】図9に続き、第5の実施形態に係る半導体記
憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図11】図10に続き、第5の実施形態に係る半導体
記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図12】図11に続き、第5の実施形態に係る半導体
記憶装置の製造方法を説明する断面図である。
【図13】第6の実施形態に係る図3に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【図14】第7の実施形態に係る図5に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【図15】第7の実施形態に係る図7に示す半導体記憶
装置の製造方法を説明する断面図である。
【符号の説明】 1…シリコン基板、2…素子分離領域、3…ソース・ド
レイン領域、4…ゲート酸化膜、5…ゲート電極、6…
第1のノード電極、7…第1の強誘電体膜、8a,8
b,8c,8d…プレート線PL1,PL2,PL3,
PL4、9、9a,9b、9c、9d…絶縁層、10…
ビット線、11、12…コンタクト・プラグ、13…第
2の強誘電体膜、14…第2のノード電極、14a…ビ
アホール、15…第3の強誘電体膜、16a,16b,
16c,16d…プレート電極、17…第4の強誘電体
膜、18…第3のノード電極、18a…ビアホール、2
1…メモリセルアレイ、22…ロウデコーダ、23…プ
レートデコーダ、24…センスアンプ、25…カラムデ
コーダ、53…ソース・ドレイン領域、54…ゲート酸
化膜、55…ゲート電極、56…第1のノード電極、5
7…第1の強誘電体膜、58a,58b,58c,58
d…プレート線、9、9a,9b、9c、9d…絶縁
層、51…コンタクト・プラグ、63…第2の強誘電体
膜、64…第2のノード電極、75…第3の強誘電体
膜、76a,76b,76c,76d…プレート電極、
77…第4の強誘電体膜、78…第3のノード電極、9
1…エッチングストッパー層、92…Coシリサイド
膜、93…拡散バリア層、94…絶縁膜
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】選択トランジスタと、 前記選択トランジスタの一方の不純物拡散領域と電気的
    に接続する共通ノード電極と、 前記選択トランジスタの他方の不純物拡散領域と電気的
    に接続するビット線とを有し、 前記共通ノード電極に、複数の記憶手段が接続されてお
    り、 前記各記憶手段は電気的に並列に接続された複数のキャ
    パシタを含む半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】前記複数の記憶手段は、前記共通ノード電
    極と、該共通ノード電極と対向する複数のプレート電極
    と、前記共通ノード電極および前記複数のプレート電極
    に挟まれた共通の誘電体膜とを有する複数のキャパシタ
    が多層に積層された積層構造を有する請求項1記載の半
    導体記憶装置。
  3. 【請求項3】前記複数の記憶手段の積層構造では、隣り
    合うキャパシタ層の前記共通ノード電極、前記誘電体
    膜、および前記プレート電極の配置順番が逆である請求
    項2記載の半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】前記各記憶手段において、各層のプレート
    電極同士は接続されており、 前記複数の記憶手段の積層構造において、各層の共通ノ
    ード電極同士が接続されている請求項3記載の半導体記
    憶装置。
  5. 【請求項5】選択トランジスタと、 前記選択トランジスタの一方の不純物拡散領域と電気的
    に接続する共通ノード電極と、 前記選択トランジスタの他方の不純物拡散領域と電気的
    に接続するビット線とを含むメモリブロックを複数有
    し、 前記共通ノード電極に、複数の記憶手段が接続されてお
    り、 前記各記憶手段は電気的に並列に接続された複数のキャ
    パシタを含み、 前記複数のメモリブロックのそれぞれの前記共通ノード
    電極は、互いに重なり合うように多層に積層されている
    半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】前記各メモリブロックの複数の記憶手段
    は、前記共通ノード電極と、該共通ノード電極と対向す
    る複数のプレート電極と、前記共通ノード電極および前
    記複数のプレート電極に挟まれた共通の誘電体膜とを有
    する複数のキャパシタが多層に積層された積層構造を有
    する請求項5記載の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】前記各メモリブロックの複数の記憶手段の
    積層構造では、隣り合うキャパシタ層の前記共通ノード
    電極、前記誘電体膜、および前記プレート電極の配置順
    番が逆である請求項6記載の半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】前記各記憶手段において、各層のプレート
    電極同士は接続されており、 前記各メモリブロックの複数の記憶手段の積層構造にお
    いて、各層の共通ノード電極同士が接続されている請求
    項7記載の半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】選択トランジスタの一方の不純物拡散領域
    と電気的に接続する、M個のキャパシタ(M>1)を含
    む記憶手段が複数(N個、ただし、N>1)接続されて
    いる半導体記憶装置の製造方法であって、 半導体基板上に前記選択トランジスタを形成する工程
    と、 前記選択トランジスタを含む前記半導体基板を覆う絶縁
    膜に、前記選択トランジスタの一方の不純物拡散領域に
    達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前記選択ト
    ランジスタの他方の不純物拡散領域に達する第2の導電
    性コンタクト・プラグを形成する工程と、 前記第1の導電性コンタクト・プラグに接続する前記N
    個の記憶手段を形成する工程と、 前記第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビット
    線を形成する工程とを有する半導体記憶装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記N個の記憶手段を形成する工程は、 前記第1の導電性コンタクト・プラグに接続する第1の
    共通ノード電極を形成する工程と、 前記第1の共通ノード電極に第1の誘電体薄膜を形成す
    る第1の工程と、 前記第1の誘電体薄膜にN個のプレート電極を有する第
    1のプレート電極層を形成する第2の工程と、 前記第1のプレート電極層上に第2の誘電体薄膜を形成
    する第3の工程と、 前記第2の誘電体薄膜上に前記第1の共通ノード電極と
    接続する第2の共通ノード電極を形成する第4の工程と
    を有し、 M>2の場合は、前記第1、第2、第3、及び第4の工
    程をM−1回繰り返す第5の工程をさらに有する請求項
    9に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第5の工程において形成された第L
    (L>1)のプレート電極層の個々のプレート電極は、
    前記第1のプレート電極層の個々のプレート電極と対応
    して接続している請求項10に記載の半導体記憶装置の
    製造方法。
  12. 【請求項12】選択トランジスタの一方の不純物拡散領
    域と電気的に接続する、M個(M>1)のキャパシタを
    有する複数の(N個、ただし、N>1)記憶手段を含む
    メモリブロックを複数有し、前記複数のメモリブロック
    のそれぞれの前記N個の記憶手段が互いに重なり合うよ
    うに多層に積層されている半導体記憶装置の製造方法で
    あって、 半導体基板上に複数の選択トランジスタを形成する工程
    と、 前記各選択トランジスタを含む前記半導体基板を覆う絶
    縁膜に、前記選択トランジスタの一方の不純物拡散領域
    に達する第1の導電性コンタクト・プラグと、前記選択
    トランジスタの他方の不純物拡散領域に達する第2の導
    電性コンタクト・プラグを形成する工程と、 前記導電性コンタクト・プラグと接続する第1の共通ノ
    ード電極、および第1の共通ノード電極に接続する前記
    N個の記憶手段を形成する工程と、 前記第2の導電性コンタクト・プラグと接続するビット
    線を形成する工程とを有し、 個々の選択トランジスタに接続する各前記第1の共通ノ
    ード電極を互い重なり合うように形成する。半導体記憶
    装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記N個の記憶手段を形成する工程は、 前記第1の共通ノード電極に第1の誘電体薄膜を形成す
    る第1の工程と、 前記第1の誘電体薄膜にN個のプレート電極を有する第
    1のプレート電極層を形成する第2の工程と、 前記第1のプレート電極層上に第2の誘電体薄膜を形成
    する第3の工程と、 前記第2の誘電体薄膜上に前記第1の共通ノード電極と
    接続する第2の共通ノード電極を形成する第4の工程と
    を有し、 M>2の場合は、前記第1、第2、第3、及び第4の工
    程をM−1回繰り返す第5の工程をさらに有する請求項
    12に記載の半導体記憶装置の製造方法。
  14. 【請求項14】前記第5の工程において形成された第L
    (L>1)のプレート電極層の個々のプレート電極は、
    前記第1のプレート電極層の個々のプレート電極と対応
    して接続している請求項13に記載の半導体記憶装置の
    製造方法。
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