JP2003229302A - 電圧非直線抵抗体 - Google Patents
電圧非直線抵抗体Info
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Abstract
にサージ吸収時のフラッシュオーバを防止する目的で側
面高抵抗層を形成した電圧非直線抵抗体では、サージ吸
収能力、課電寿命特性などの特性に優れ、耐水性が良
く、安定した電気特性を維持でき、環境上の問題を発生
せず、更に小型化することが望まれている。 【解決手段】酸化亜鉛を主成分とした焼結体素子の周囲
側面に形成する側面高抵抗層を、Bi(ビスマス)を主
成分とし、少なくともZn(亜鉛)、B(硼素)、Al
(アルミニウム)、Ba(バリウム)を、酸化物換算で ZnO=1〜25wt% B2O3=3〜15wt% Al2O3=0.3〜3wt% BaO=0.25〜10wt% 含有するビスマス系ガラスで構成する。
Description
とし、過電圧保護装置の内部要素として使用される電圧
非直線抵抗体に関する。
遮断器などの開閉時に発生する開閉サージや、雷放電に
よる雷インパルスなどによる過電圧がある限度を超えた
時、これを放電し、続流を短時間のうちに遮断すること
によって系統の電気機器を過電圧から保護し、系統を早
期に正常状態に復帰させるための避雷器やサ−ジアブソ
−バといった過電圧保護装置が用いられている。この過
電圧保護装置の内部要素には、電圧非直線抵抗体が主に
使用されている。ここで、電圧非直線抵抗体とは、正常
な電圧ではほぼ絶縁特性を示し、過電圧が印加された時
には比較的低抵抗となって過電圧を放電させるような電
圧―電流非直線特性を有する抵抗体である。このような
電圧非直線抵抗体は一般にセラミックス、即ち焼結体か
ら構成されている。
亜鉛(ZnO)に、非直線抵抗特性を得るための添加物
としてビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、コバルト
(Co)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ニッケ
ル(Ni)、ケイ素(Si)などの金属酸化物を添加し
たものを混合し、造粒し、成形し、焼成して円板状に形
成し、この円板の端面を研磨後電極を付与することによ
り焼結体素子が形成される。また、焼結体素子の側面に
は、サージ吸収時に側面からのフラッシュオーバ(閃
絡)を防止するために電気絶縁材料から成る側面高抵抗
層が形成されている。このように形成された円板状の焼
結体素子を放電容量に応じて複数枚電極が接するように
積み重ね、容器内に収納して過電圧保護装置を構成す
る。
絶縁材料としては従来より各種絶縁材料が考えられてい
る。例えば特開平8−172002号公報においては、
エポキシ樹脂により側面高抵抗層を形成することが記載
され、特開平3−30301号公報においてはジンクシ
リケート(ZnSiO4)や亜鉛アンチモンスピネル
(Zn7Si2O12)により側面高抵抗層を形成する
ことが記載され、特開平10−312908号公報にお
いてはZn−Sb−Si及びFe−Mn−Bi−Siを
構成成分とする結晶質無機物により側面高抵抗層を形成
することが記載されている。更に特開平8−30650
6号公報においてはジンクシリケート(ZnSiO4)
を主成分とし、Feが固溶した亜鉛アンチモンスピネル
(Zn7Si2O12)を副成分とする材料により側面
高抵抗層を形成することが記載され、特開平5−205
907号公報においては鉛を主成分とするガラスにより
側面高抵抗層を形成することが記載され、特許第251
6531号においてはホウ珪酸ビスマスガラス(B−S
i−Bi−Zn−O)により側面高抵抗層を形成するこ
とが記載されている。
伸びと高度情報化社会の発展がめざましい近年、安定且
つ安価な電力供給が強く求められている。これを受け
て、過電圧保護装置においても高信頼性、小型化および
コスト低減への要求が高まっている。その要求に応える
ために最近では、電圧非直線抵抗体の単位厚み当たりの
電圧値を大きくして高さ寸法を低く抑え小型化を図り、
さらにはエネルギー吸収能力の向上により過電圧保護装
置の性能向上の改良が種々進められている。このような
電圧非直線抵抗体の性能向上のための技術的な改良ポイ
ントの一つとして側面高抵抗層にいかなる特性の優れた
材料を用いるかと言う点にある。
線抵抗体において、例えば特開平8−172002号公
報に開示されているように焼結体素子の側面にエポキシ
樹脂などの有機高分子樹脂を主成分とする側面高抵抗層
を形成した場合、焼結体素子と側面高抵抗層の熱膨張係
数の違いが大きいため、非直線抵抗体にサージが加わっ
た時に発生する熱により、側面高抵抗層が焼結体素子か
ら剥離し、良好なエネルギー吸収能力が得られないと言
う問題点がある。このため、単位厚み当たりの電圧の増
大や小径化により電圧非直線抵抗体を小型化した時に要
求される雷インパルスや過電圧等のサージに対し期待さ
れる保護能力に応えることが出来ず、非直線抵抗体のあ
る一定以上の小型化が難しかった。
護装置においては、従来、電圧非直線抵抗体を収納する
容器に磁器碍子を使用していたものを、電圧非直線抵抗
体に過剰なサージが加わり最悪爆発等が生た場合、磁器
碍子が飛散することによる危険が存在することから高分
子ゴムや高分子樹脂等を容器の材料として使用した過電
圧保護装置が使用されるようになってきた。
て、特開平10−312908号公報に開示されている
ようにZn−Sb−Si−OやZn−Si−Oを構成成
分とする結晶質無機物により焼結体素子の側面に側面高
抵抗層を形成した場合、それらの物質の耐水性が良好で
ないことにより、高分子ゴムや高分子樹脂等の容器から
浸透する若干の水分が原因で、電圧非直線抵抗体の電気
特性が劣化する恐れがあった。したがって、Zn−Sb
−Si−OやZn−Si−Oを構成成分とする結晶質無
機物による側面高抵抗層を電圧非直線抵抗体に形成した
場合、高分子ゴムや高分子樹脂等を容器として使用する
ことは信頼性の上から好ましくなかった。もしくは、Z
n−Sb−Si−OやZn−Si−Oを構成成分とする
結晶質無機物を側面高抵抗層にしようする場合には、高
分子ゴムや高分子樹脂等の容器から水分が浸透しないよ
うな充分な防水対策が必要となり、このようにするとコ
ストが高くなるという問題点があった。
焼結体素子の側面に側面高抵抗層を形成した場合は、鉛
が有毒物質であることにより、製造時の有毒物質に対す
る安全対策や、製造時に生じる残材、廃棄物及び廃液等
の処理を行うのに多大な費用が生じることにより経済性
が劣るだけではなく、使用を終えた過電圧保護装置の処
分方法によっては環境汚染を引き起こす恐れがあるなど
の問題点があった。そのため最近では電圧非直線抵抗体
の側面高抵抗層として、特許第2516531号に開示
されているような、無鉛であることを特徴とするホウ珪
酸ビスマスガラス(B−Si−Bi−Zn−O)が使用
されるようになっている。ところが、ホウ珪酸ビスマス
ガラス(B−Si−Bi−Zn−O)の組成範囲では、
ビスマスガラス組成物を焼結体素子の側面に塗布し、焼
付けてガラス化する際に550℃以下の温度で焼付ける
ことが出来ない組成範囲が生じるため、組成範囲によっ
て550℃以上の高温で焼付ける必要が生じる。
時にガラス構成成分が焼結体素子1に溶け込んでしまっ
たり、もしくは、焼結体素子1内部の構成成分の結晶構
造が変化することにより、電圧非直線抵抗体の電流−電
圧特性や課電寿命特性を悪化させてしまう問題点があっ
た。また、ホウ珪酸ビスマスガラス(B−Si−Bi−
Zn−O)の組成範囲では、焼結体素子とホウ珪酸ビス
マスガラスの熱膨張係数が大きく異なる組成範囲が生じ
るため、電圧非直線抵抗体にサージが加わった時に、側
面高抵抗層が焼結体素子から剥離したり、もしくは、側
面高抵抗層に亀裂が生じるなどして、良好なエネルギー
吸収能力が得られなくなると言う問題点もあった。
れているホウ珪酸ビスマスガラス(B−Si−Bi−Z
n−O)の組成範囲では、電圧非直線抵抗体に大きなサ
ージが加わった後の電圧非直線抵抗体の電流―電圧特性
は、そのサージ吸収前後の特性変化が大きい為、サージ
吸収後の寿命特性が悪くなり、一定のサージエネルギー
しか吸収できなくなるという問題点があった。
成する焼結体素子の周囲側面に形成される側面高抵抗層
の材料としては、更に特性の優れた組成材料のものが望
まれていた。
されたもので、大きなサージエネルギーを吸収した後で
も課電寿命特性が良好であり、かつ雷インパルスや過電
圧等のサージに対するサージ吸収保護能力に優れ、耐水
性がよくポリマー容器による過電圧保護装置に適用した
場合においても、安定した電気特性を維持でき、さらに
製造時、使用後の廃却時において環境上問題が生じない
安全性が高く、更に小型化した電圧非直線抵抗体を得る
ことを目的とする。
に請求項1記載の電圧非直線抵抗体の発明は、酸化亜鉛
を主成分とした焼結体素子を備え、前記焼結体素子の周
囲側面に側面高抵抗層を形成した電圧非直線抵抗体にお
いて、前記側面高抵抗層は、Bi(ビスマス)を主成分
とし、少なくともZn(亜鉛)、B(硼素)、Al(ア
ルミニウム)、Ba(バリウム)を、酸化物換算でZn
O=1〜25wt%、B2O3=3〜15wt%、Al
2O3=0.3〜3wt%、BaO=0.25〜10w
t%含有するビスマス系ガラスであることを特徴とす
る。
抵抗層を形成することが可能となり、かつ焼結体との接
着強度が増す。さらに耐水性が良好となり、環境上の問
題が生じなくなる。
は、酸化亜鉛を主成分とした焼結体素子を備え、前記焼
結体素子の周囲側面に側面高抵抗層を形成した電圧非直
線体抵抗体において、 前記側面高抵抗層は、Bi(ビ
スマス)を主成分とし、少なくともZn(亜鉛)、B
(硼素)、Si(シリコン)、Al(アルミニウム)、
Ba(バリウム)を、酸化物換算でZnO=1〜25w
t%、B2O3=3〜15wt%、SiO2=0.1〜
5wt%、Al2O3=0.3〜3wt%、BaO=
0.25〜10wt%含有するビスマス系ガラスである
ことを特徴とする。
抵抗層を形成することが可能となり、かつ焼結体との接
着強度が増す。さらに耐水性が良好となり、環境上の問
題が生じなくなる。
は、請求項1または2記載の発明において、コーデイラ
イト(Mg2Al4Si5O18)、シリカ、ムライト
(Al 6Si2O13)、リン酸ジルコニル、アルミ
ナ、カリ長石、カオリン、窒化珪素、炭化珪素、窒化ボ
ロン(BN)、ジルコニア、Si-Al-Bガラスおよび
Si-Al-Ca-B-Mgガラスの中から少なくとも1種
類をフィラーとしてガラスの総重量に対して1〜30w
t%加えたことを特徴とするものである。
によって、サージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特
性がより良好でかつ、エネルギー吸収能力が高くなり、
また側面高抵抗層がビスマス系ガラスとこれに添加した
特定のフィラーとのガラス化合物であることより、耐水
性が良好となる。
は、請求項3記載の発明において、フィラ−の平均粒径
が1〜50μmであることを特徴とするものである。こ
の発明によれば、側面高抵抗層の材料の熱膨張係数が焼
結体の熱膨張係数に近ずき、かつ焼結体との接着強度が
強くなり、サージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特
性がより良好となる。
は、請求項3または4記載の発明において、フィラ−の
うち、少なくとも1種類は形状が球状であることを特徴
するものである。この発明によれば、サージ吸収時の熱
による亀裂の起点となる表面の突起物を少なくし、サー
ジ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特性がより良好に
なる。
は、請求項3または4記載の発明において、フィラ−の
うち、少なくとも1種類は形状がウイスカー状であるこ
とを特徴するものである。この発明によれば、サージ吸
収時の熱による亀裂の進展を抑制する事が出来、サージ
吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特性がより良好にな
る。
を図を参照して説明する。図1は電圧非直線抵抗体を示
す断面図である。電圧非直線抵抗体1は、円板状の焼結
体素子2と、この焼結体素子2の両端面に形成された電
極3a、3bと、焼結体素子2の周囲側面に被覆形成さ
れた側面高抵抗層4とから構成されている。この円板状
の焼結体素子2を放電容量に応じて複数枚電極3a、3
bを介して直列に積み重ね、図示しない容器内に収納し
て避雷器やサージアブソーバといった過電圧保護装置を
構成する。
段で製造する。まず、主成分である酸化亜鉛(ZnO)
に対して酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化マンガン
(MnO2)をそれぞれ0.5モル%、酸化コバルト
(Co2O 3)、酸化ニッケル(NiO)、三酸化アン
チモン(Sb2O3)をそれぞれ1モル%添加して、こ
の原料を水および有機物バインダと共に混合装置で混合
分散し、混合スラリ−を作る。つづいて、この混合スラ
リ−をスプレ−ドライヤで噴霧造粒した後、この造粒粉
を金型に所定重量入れて所定の圧力で加圧することによ
り例えば直径50mmの円板に成形する。その後、空気
中で、400〜500℃で熱処理して脱脂し、さらに1
200℃で焼成することにより円板状の焼結体素子2を
製作する。
n(亜鉛)、B(硼素)、Al(アルミニウム)、Ba
(バリウム)を、酸化物換算で所定量含むビスマス系ガ
ラス粉末を有機バインダおよび水とともに混合すること
により混合スラリーを作る。
試料No1〜7及び試料No18〜27に示すようにそ
れぞれ添加量(wt%)の異なる17種類の混合スラリ
ーを試作した。
にフィラーとして、リン酸ジルコニル、またはシリカを
ガラスの総重量に対しそれぞれ所定量添加し、この混合
物を有機バインダおよび水とともに混合することにより
試料No8から17に示すようにそれぞれ添加量(wt
%)の異なる10種類の混合スラリーを試作した。次い
で、前記各混合スラリーを前記円板状の焼結体素子2の
周囲側面にそれぞれ塗布し、焼き付けることにより側面
高抵抗層4を形成した。
体素子2の表裏の端面を研磨し、これらの研磨面に溶射
によりアルミニウム電極3a、3bを形成した。このよ
うな工程により表1に示す成分組成の異なる27種類の
側面高抵抗層をコーティングした電圧非直線抵抗体の試
料を試作した。
波形のインパルス電流を、電流値が100kAになるよう
にして2回通電し、冷却後、DC10μA時の電圧値を測
定することにより、インパルス電流吸収前の電圧値と比
較を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率と
はインパルス電流吸収前の電圧値をVb、インパルス電
流吸収後の電圧値をVaとするとΔV10μA=(Va−
Vb)/Vb×100と定義する。さらに、同様の27種
類の試料を別にもう1セット用意し、各々の試料につ
き、2ms波形の矩形波電流を、電圧非直線抵抗体の単
位当たりのエネルギーに換算して300J/cm3になる
ように調整した電流値として1分間隔にて3回通電さ
せ、これを1群とし、さらに電圧非直線抵抗体を冷却後
合計6群まで繰り返し通電し、その後各試料について、
115℃の温度に保持した乾燥機の中で、室温において
1mAの電流が流れるような交流電圧を1000時間課
電し、1000時間課電終了後のDC10μA時の電圧値
を測定することにより、矩形波電流吸収前の電圧値と比
較を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率と
はインパルス電流を通電した時の場合と同様な方法で計
算した。これらの結果を表1に示す。
とし、Zn、B、Al、Baを、酸化物換算でZnO=
1〜25wt%、B2O3=3〜15wt%、Al2O
3=0.3〜30wt%、BaO=0.25〜10wt
%の範囲内で含有するビスマス系ガラスからなる側面高
抵抗層を有する本発明の試料No5〜7、18〜22の
電圧非直線抵抗体は、インパルス電流通電後のDC10μ
A時の電圧値の変化率がΔV10μA>−10%と良好
な電流−電圧特性を示す。また、これらの試料No5〜
7、18〜22の電圧非直線抵抗体は矩形波電流通電
後、課電試験を行なった後のDC10μA時の電圧値の変
化率がΔV10μA>−5%と良好な電流−電圧特性を
示す。
B、Al、Baが酸化物換算で前記範囲を外れる側面高
抵抗層を有する試料No1〜4,23〜27の電圧非直
線抵抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電
圧値の変化率がΔV10μA>−10%と劣っているこ
とがわかる。また、これらの試料No1〜4、23〜2
7の電圧非直線抵抗体は矩形波電流通電後、課電試験を
行なった後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔV10
μA>−5%と劣っていることがわかる。
l、Baが酸化物換算にて前記範囲内で含有し、さらに
フィラーとしてリン酸ジルコニルまたはシリカを1〜3
0wt%の範囲で添加した側面高抵抗層を有する本実施
の形態の試料No9〜11、14〜16の電圧非直線抵
抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電圧値
の変化率がΔV10μA>−10%と良好な電流−電圧
特性を示す。また、これらの試料No9〜11、14〜
16の電圧非直線抵抗体は矩形波電流通電後、課電試験
を行なった後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔV1
0μA>−5%とフィラー無添加の試料に比べてさらに
高く、より一層優れた電流−電圧特性を示すことがわか
る。
側面高抵抗層を有する試料No8、13の電圧非直線抵
抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電圧値
の変化率、サージ吸収後課電試験を終了した後のΔV1
0μAがフィラー無添加の試料No5〜7、18〜22
の電圧非直線抵抗体と大差がないことがわかる。また、
フィラー添加量が30wt%を超える側面高抵抗層を有
する試料No12、17の電圧非直線抵抗体は、インパ
ルス電流通電後のDC10μA時の電圧値の変化率ΔV1
0μA<−20%と課電寿命特性が劣り、かつサージ吸
収後課電試験を終了した後のDC10μA時の電圧値の変
化率がΔV10μA<20%と電流−電圧特性が劣って
いることがわかる。
Biを主成分とし、Zn、B、Al、Baを、酸化物換
算でZnO=1〜25wt%、B2O3=1〜15wt
%、Al2O3=0.05〜3wt%、BaO=0.0
5〜10wt%の範囲内で含有するビスマス系ガラスか
らなる側面高抵抗層を酸化亜鉛を主成分とする焼結体素
子の周囲側面に形成するようにしたので、550℃以下
の低い焼付け温度で側面高抵抗層を形成することが可能
となり、側面高抵抗層の成分が焼結体素子に浸透したり
焼結体素子の結晶構造に変化が生じたりすることなく、
電圧非直線抵抗体の電流−電圧特性や、課電寿命特性を
向上させ、矩形波電流を通電した後でも良好な電流−電
圧特性や課電寿命特性を得ることができる。
熱膨張係数と大きく異ならない熱膨張係数を有し、かつ
焼結体素子との接着強度が強い側面高抵抗層と成ること
からサージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特性がよ
り良好でかつ、エネルギー吸収能力が高くなり、小型化
することが出来る。
であることより、耐水性が良好に成り、さらにまた、鉛
を主成分とするガラス化合物による側面高抵抗層を形成
した場合とは異なり、製造時の中毒防止や製造時に生じ
る残材、廃棄物及び廃液の処理を行うのに多大な費用が
生じたり、使用を終えた過電圧保護装置の処分方法によ
っては環境汚染を引き起こすなどの経済上、環境上の問
題が生じない。
を主成分とし、Zn、B、Al、Baが酸化物換算にて
前記範囲内で含有し、さらにフィラーとして、リン酸ジ
ルコニルまたはシリカを1〜30wt%の範囲で添加し
た側面高抵抗層を焼結体側面に形成することによって、
より一層良好な電流−電圧非直線特性を示し、エネルギ
ー吸収能力がより向上された電圧非直線抵抗体が実現で
きる。
ィラーとしてリン酸ジルコニルまたはシリカを例に挙げ
たが、その他のフィラーとしてコーデイライト(Mg2
Al 4Si5O18)、ムライト(Al6Si
2O13)、アルミナ、カリ長石、カオリン、窒化珪
素、炭化珪素、窒化ボロン(BN)、ジルコニア、Si
-Al-BガラスおよびSi-Al-Ca-B-Mgガラスの
中から少なくとも1種類のフィラーを添加しても同様な
特性を示す事を確認出来た。
明する。第2の実施の形態においては次のような成分組
成の材料により側面高抵抗層を形成し、電圧非直線抵抗
体を試作した。
n(亜鉛)、B(硼素)、Si(シリコン)、Al(ア
ルミニウム)、Ba(バリウム)を、酸化物換算で所定
量含むビスマス系ガラス粉末を有機バインダおよび水と
ともに混合することにより混合スラリーを作る。
試料No1〜8及び試料No19〜31に示すようにそ
れぞれ添加量(wt%)の異なる21種類の混合スラリ
ーを試作した。
粉末にフィラーとしてコーデイライト(Mg2Al4S
i5O18)またはSi-Al-Bガラスをガラスの総重
量に対しそれぞれ所定量添加し、この混合物を有機バイ
ンダおよび水とともに混合することにより試料No9〜
18に示すようにそれぞれ添加量(wt%)の異なる1
0種類の混合スラリーを試作した。
の形態と同様な円板状の焼結体素子2の周囲側面にそれ
ぞれ塗布し、焼き付けることにより側面高抵抗層4を形
成した。
体素子2の表裏の端面を研磨し、これらの研磨面に溶射
によりアルミニウム電極3a、3bを形成した。このよ
うな工程により表2に示す成分組成の異なる31種類の
側面高抵抗層をコーティングした電圧非直線抵抗体の試
料を試作した。
波形のインパルス電流を、電流値が100kAになるよう
にして2回通電し、冷却後、DC10μA時の電圧値を測
定することにより、インパルス電流吸収前の電圧値と比
較を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率と
はインパルス電流吸収前の電圧値をVb、インパルス電
流吸収後の電圧値をVaとするとΔV10μA=(Va−
Vb)/Vb×100と定義する。さらに、同様の31
種類の試料を別にもう1セット用意し、各々の試料につ
き、2ms波形の矩形波電流を、電圧非直線抵抗体の単
位当たりのエネルギーに換算して300J/cm3になる
ように調整した電流値として1分間隔にて3回通電さ
せ、これを1群とし、さらに電圧非直線抵抗体を冷却後
合計6群まで繰り返し通電し、その後各試料について、
115℃の温度に保持した乾燥機の中で、室温において
1mAの電流が流れるような交流電圧を1000時間課
電し、1000時間課電終了後のDC10μA時の電圧値
を測定することにより、矩形波電流吸収前の電圧値と比
較を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率と
はインパルス電流を通電した時の場合と同様な方法で計
算した。これらの結果を表2に示す。
し、Zn、B、Si、Al、Baを、酸化物換算でZn
O=1〜25wt%、B2O3=3〜15wt%、Si
O2=0.1〜5wt%、Al2O3=0.3〜3wt
%、BaO=0.25〜10wt%の範囲内で含有する
ビスマス系ガラスからなる側面高抵抗層を有する本実施
の形態の試料No6、7、8、19〜24の電圧非直線
抵抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電圧
値の変化率がΔV10μA>−10%と良好な電流−電
圧特性を示す。また、これらの試料No6、7、8、1
9〜24の電圧非直線抵抗体は矩形波電流通電後、課電
試験を行なった後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔ
V10μA>−5%と良好な電流−電圧特性を示す。
B、Si、Al、Baが酸化物換算で前記範囲を外れる
側面高抵抗層を有する試料No1〜5、25〜31の電
圧非直線抵抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA
時の電圧値の変化率がΔV10μA<−20%と課電寿
命特性が劣っていることがわかる。また、これらの試料
No1〜5、25〜31の電圧非直線抵抗体は矩形波電
流通電後、課電試験を行なった後のDC10μA時の電圧
値の変化率がΔV10μA<−20%と矩形波電流通電
した後の課電寿命試験後の電流−電圧特性が劣っている
ことがわかる。
i、Al、Baが酸化物換算にて前記範囲内で含有し、
さらにフィラーとしてコーデイライト(Mg2Al4S
i5O18)またはSi-Al-Bガラスを1〜30wt
%の範囲で添加した側面高抵抗層を有する本実施の形態
における試料No10〜12、15〜17の電圧非直線
抵抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電圧
値の変化率がΔV10μA>−5%と良好な電流−電圧
特性を示す。また、これらの試料No10〜12、15
〜17の電圧非直線抵抗体は矩形波電流通電後、課電試
験を行なった後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔV
10μA>2%とフィラー無添加の試料に比べてさらに
高く、より一層優れた電流−電圧特性を示すことがわか
る。
側面高抵抗層を有する試料No9、14の電圧非直線抵
抗体は、インパルス電流通電後のDC10μA時の電圧値
の変化率、サージ吸収後課電試験を終了した後のΔV1
0μAがフィラー無添加の試料No6、7、8、19〜
24の電圧非直線抵抗体と大差がないことがわかる。ま
た、フィラー添加量が30wt%を超える側面高抵抗層
を有する試料No13、18の電圧非直線抵抗体は、イ
ンパルス電流通電後のDC10μA時の電圧値の変化率Δ
V10μA<−20%と課電寿命特性が劣り、かつサー
ジ吸収後課電試験を終了した後のDC10μA時の電圧値
の変化率がΔV10μA<20%と電流−電圧特性が劣
っていることがわかる。
iを主成分とし、Zn、B、Si、Al、Baを、酸化
物換算でZnO=1〜25wt%、B2O3=3〜15
wt%、SiO2=0.1〜5wt%、Al2O3=
0.3〜3wt%、BaO=0.25〜10wt%の範
囲内で含有するビスマス系ガラスからなる側面高抵抗層
を酸化亜鉛を主成分とする焼結体素子の周囲側面に形成
するようにしたので、第1の実施の形態に比較すると焼
付け温度は若干高いものの、550℃以下の低い焼付け
温度で側面高抵抗層を形成することが可能となり、側面
高抵抗層の成分が焼結体素子に浸透したり焼結体素子の
結晶構造に変化が生じたりすることなく、電圧非直線抵
抗体の電流−電圧特性を向上させ、矩形波電流を通電し
た後でも良好な電流−電圧特性や課電寿命特性を得るこ
とができる。
熱膨張係数と大きく異ならない熱膨張係数を有し、かつ
焼結体素子との接着強度が強い側面高抵抗層と成ること
からサージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命特性がよ
り良好でかつ、エネルギー吸収能力が高くなり、小型化
することとが出来る。
合物であることより、耐水性が良好に成り、さらにま
た、鉛を主成分とするガラス化合物による側面高抵抗層
を形成した場合とは異なり、製造時の中毒防止や製造時
に生じる残材、廃棄物及び廃液の処理を行うのに多大な
費用が生じたり、使用を終えた過電圧保護装置の処分方
法によっては環境汚染を引き起こすなどの経済上、環境
上の問題が生じない。
主成分とし、Zn、B、Si、Al、Baが酸化物換算
にて前記範囲内で含有し、さらにフィラーとしてコーデ
イライト(Mg2Al4Si5O18)またはSi-A
l-Bガラスを1〜30wt%の範囲で添加した側面高
抵抗層を形成することによって、より一層良好な電流−
電圧特性を示し、エネルギー吸収後の電流−電圧特性の
能力がより向上された電圧非直線抵抗体が実現できる。
ィラーとしてコーデイライト(Mg 2Al4Si5O
18)およびSi-Al-Bガラスを例に挙げたが、その
他のフィラーとして、ムライト(Mg2Al4Si5O
18)、シリカ、リン酸ジルコニル、アルミナ、カリ長
石、カオリン、窒化珪素、炭化珪素、窒化ボロン(B
N)、ジルコニア、およびSi-Al-Ca-B-Mgガラ
スの中から少なくとも1種類のフィラーを添加しても同
様な特性を示す事を確認出来た。
明する。第3の実施の形態においては次のような成分組
成の材料により側面高抵抗層を形成し、電圧非直線抵抗
体を試作した。
n(亜鉛)が酸化物(ZnO)換算で10wt%、B
(硼素)が酸化物(B2O3)換算で5wt%、Si
(シリコン)が酸化物(SiO2)換算で1.0wt
%、Al(アルミニウム)が酸化物(Al2O3)換算
で1wt%、Ba(バリウム)が酸化物(BaO)換算
で1wt%含有するビスマス系ガラス粉末にフィラーと
して平均粒径が0.5μm、1μm、10μm、50μ
m、60μm、100μmのアルミナをガラスの総重量
に対しそれぞれ10wt%添加し、この混合物を有機バ
インダおよび水とともに混合することにより混合スラリ
ーを試作した。
形態と同様な円板状の焼結体素子2の周囲側面にそれぞ
れ塗布し、焼き付けることにより側面高抵抗層4をそれ
ぞれ形成した。
素子2の表裏の端面を研磨し、これらの研磨面に溶射に
よりアルミニウム電極3a、3bを形成した。このよう
な工程により成分組成の異なる6種類の側面高抵抗層を
コーティングした電圧非直線抵抗体の試料を試作した。
形波電流を、電圧非直線抵抗体の単位当たりのエネルギ
ーに換算して300J/cm3になるように調整した電流
値として1分間隔にて3回通電させ、これを1群とし、
さらに電圧非直線抵抗体を冷却後合計6群まで繰り返し
通電し、その後各試料について、115℃の温度に保持
した乾燥機の中で、室温において電圧非直線抵抗体に1
mAの電流が流れるような交流電圧を1000時間課電
し、1000時間課電終了後のDC10μA時の電圧値を
測定することにより、矩形波電流吸収前の電圧値と比較
を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率とは
矩形波電流吸収前の電圧値をVb、矩形波電流吸収後の
電圧値をVaとするとΔV10μA=(Va−Vb)/V
b×100と定義する。
ようにフィラーとして平均粒径が1μm、10μm、5
0μmのアルミナを添加した材料から成る側面高抵抗層
を有する電圧非直線抵抗体は、矩形波電流通電後のΔV
10μAが10%と優れた電流−電圧特性を示すことが
わかる。変化率がプラスになるほど課電試験中のワット
ロスは垂下傾向を示し、良好な特性を示す。これに対
し、アルミナの平均粒径が0.5μm、60μm、10
0μmの材料から成る側面高抵抗層を有する電圧非直線
抵抗体は矩形波電流通電後のΔV10μAが5〜6%と
小さく、平均粒径が1μm、10μm、50μmの材料
から成る側面高抵抗層を有する電圧非直線抵抗体に比
べ、電流−電圧特性が劣ることがわかる。
主成分に添加されるフィラーの平均粒径を1〜50μm
とすることによって、側面高抵抗層の材料の熱膨張係数
がより焼結体素子の熱膨張係数に近ずき、かつ焼結体素
子との接着強度がより強くなり、側面高抵抗層の剥離、
亀裂などが発生せず、サージ吸収後の電流−電圧特性や
課電寿命特性がより良好でかつエネルギー吸収能力が高
くなる。
ーとしてアルミナを例に挙げたが、その他のフィラーと
して、コーデイライト(Mg2Al4Si5O18)、
ムライト(Al6Si2O13)、シリカ、リン酸ジルコニ
ル、カリ長石、カオリン、窒化珪素、炭化珪素、窒化ボ
ロン(BN)、ジルコニア、Si-Al-Bガラスおよび
Si-Al-Ca-B-Mgガラスの中から少なくとも1種
類のフィラーを添加しても同様な特性を示す事を確認出
来た。
明する。第4の実施の形態においては次のような成分組
成の材料により側面高抵抗層を形成し、電圧非直線抵抗
体を試作した。
n(亜鉛)が酸化物(ZnO)換算で10wt%、B
(硼素)が酸化物(B2O3)換算で5wt%、Si
(シリコン)が酸化物(SiO2)換算で1.0wt
%、Al(アルミニウム)が酸化物(Al2O3)換算
で1wt%、Ba(バリウム)が酸化物(BaO)換算
で1wt%含有するビスマス系ガラス粉末にフィラーと
して炭化珪素またはSi-Al-Ca-B-Mgガラスを球
状、ウィスカー状に加工した物と加工しないでそのまま
の粉末のものを、ガラスの総重量に対しそれぞれ10w
t%添加し、この混合物を有機バインダおよび水ととも
に混合することにより混合スラリーを試作した。
形態と同様な円板状の焼結体素子2の周囲側面にそれぞ
れ塗布し、焼き付けることにより側面高抵抗層4をそれ
ぞれ形成した。
素子2の表裏の端面を研磨し、これらの研磨面に溶射に
よりアルミニウム電極3a、3bを形成した。このよう
な工程により表3に示す成分組成及びフィラーの形状の
異なる11種類の側面高抵抗層をコーティングした電圧
非直線抵抗体の試料を試作した。
波形のインパルス電流を、電流値が100kAになるよう
にして2回通電し、冷却後、DC10μA時の電圧値を測
定することにより、インパルス電流吸収前の電圧値と比
較を行い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率と
はインパルス電流吸収前の電圧値をVb、インパルス電
流吸収後の電圧値をVaとするとΔV10μA=(Va−
Vb)/Vb×100と定義する。さらに、同様の11
種類の試料を別にもう1セット用意し、2ms波形の矩
形波電流を、電圧非直線抵抗体の単位当たりのエネルギ
ーに換算して300J/cm3になるように調整した電流
値として1分間隔にて3回通電させ、これを1群とし、
さらに電圧非直線抵抗体を冷却後合計6群まで繰り返し
通電し、その後各試料について、115℃の温度に保持
した乾燥機の中で、室温において電圧非直線抵抗体に1
mAの電流が流れるような交流電圧を1000時間課電
し、1000時間終了後のDC10μA時の電圧値を測定
することにより、矩形波電流吸収前の電圧値と比較を行
い変化率の評価を行った。評価に用いた変化率とは矩形
波電流吸収前の電圧値をVb、矩形波電流吸収後の電圧
値をVaとするとΔV10μA=(Va−Vb)/Vb×
100と定義する。これらの結果を表3に示す。
球状、ウィスカー状に加工した物を使用した側面高抵抗
層を有する試料No4、5、7、8の電圧非直線抵抗体
はインパルス電流通電後のDC10μA時の電圧値の変化
率がΔV10μA>−2.0%、矩形波電流通電後、課
電試験を行なった後のDC10μA時の電圧値の変化率が
ΔV10μA>4.0%と更に優れた電流−電圧特性を
示すことがわかる。これに対し、フィラーの形状を加工
しないそのままの粉末を用いた側面高抵抗層を有する電
圧非直線抵抗体はインパルス電流通電後のDC10μA時
の電圧値の変化率がΔV10μA>−5%、矩形波電流
通電後、課電試験を行なった後のDC10μA時の電圧値
の変化率がΔV10μA>2%と球状、ウィスカー状に
加工した側面高抵抗層を有する電圧非直線抵抗体より低
く、電流−電圧特性が劣ることがわかる。さらにフィラ
ーの形状が球状の物とウィスカー状に加工した物を使用
した側面高抵抗層を有する電圧非直線抵抗体はインパル
ス電流通電後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔV1
0μA>1%、矩形波電流通電後、課電試験を行なった
後のDC10μA時の電圧値の変化率がΔV10μA>
9.5%とさらに優れた電流−電圧特性を示すことがわ
かる。
フィラーの形状を球状またはウィスカー状に加工するこ
とによって、例えばフィラーの形状が球状であることに
よって、サージ吸収時の熱による亀裂の起点となる表面
の突起物を少なくし、側面高抵抗層の材料の熱膨張係数
がより焼結体素子の熱膨張係数に近ずき、かつ焼結体と
の接着強度が強い側面高抵抗層を実現することができる
ことによって、サージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿
命特性がより良好でかつエネルギー吸収能力が高くな
る。
ることによって、サージ吸収時の熱による亀裂の進展を
抑制する事が出来、側面高抵抗層の材料の熱膨張係数が
より焼結体素子の熱膨張係数に近ずき、かつ焼結体との
接着強度が強い側面高抵抗層を実現することができるこ
とによって、サージ吸収後の電流−電圧特性や課電寿命
特性がより良好でエネルギー吸収能力の高い電圧非直線
抵抗体が実現できる。球状とウイスカー状のフィラーと
を混ぜ合わせることによってさらに良好でエネルギー吸
収能力の高い電圧非直線抵抗体が実現できる。
ーとして窒化珪素、またはSi-Al-Ca-B-Mgガラ
スを例に挙げたが、その他のフィラーとしてコーデイラ
イト(Mg2Al4Si5O18)、ムライト(Al6
Si2O13)、シリカ、リン酸ジルコニル、カリ長
石、アルミナ、カオリン、炭化珪素、窒化ボロン(B
N)、ジルコニア、Si-Al-Bガラスの中から少なく
とも1種類のフィラーを添加しても同様な特性を示す事
を確認出来た。
化亜鉛を主成分とした焼結体素子を備え、前記焼結体素
子の周囲側面に側面高抵抗層を形成した電圧非直線抵抗
体において、前記側面高抵抗層は、Bi(ビスマス)を
主成分とし、少なくともZn(亜鉛)、B(硼素)、A
l(アルミニウム)、Ba(バリウム)を、酸化物換算
で ZnO=1〜25wt% B2O3=3〜15wt% Al2O3=0.3〜3wt% BaO=0.25〜10wt% 含有するビスマス系ガラスにより構成したので、大きな
サージエネルギーを吸収した後でも課電寿命特性が良好
であり、かつ雷インパルスや過電圧等のサージに対する
サージ吸収保護能力に優れ、耐水性がよくポリマー容器
による過電圧保護装置に適用した場合においても、安定
した電気特性を維持でき、さらに製造時、使用後の廃却
時において環境上問題が生じない安全性が高く、更に小
型化した電圧非直線抵抗体を得ることが出来る。
抗体におけるフィラーの平均粒径と矩形波通電後の電流
−電圧特性の関係を示すグラフ。
電極、4…側面高抵抗層。
Claims (6)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とした焼結体素子を備
え、前記焼結体素子の周囲側面に側面高抵抗層を形成し
た電圧非直線抵抗体において、前記側面高抵抗層は、B
i(ビスマス)を主成分とし、少なくともZn(亜
鉛)、B(硼素)、Al(アルミニウム)、Ba(バリ
ウム)を、酸化物換算で ZnO=1〜25wt% B2O3=3〜15wt% Al2O3=0.3〜3wt% BaO=0.25〜10wt% 含有するビスマス系ガラスであることを特徴とする電圧
非直線抵抗体。 - 【請求項2】 酸化亜鉛を主成分とした焼結体素子を備
え、前記焼結体素子の周囲側面に側面高抵抗層を形成し
た電圧非直線抵抗体において、前記側面高抵抗層は、B
i(ビスマス)を主成分とし、少なくともZn(亜
鉛)、B(硼素)、Si(シリコン)、Al(アルミニ
ウム)、Ba(バリウム)を、酸化物換算で ZnO=1〜25wt% B2O3=3〜15wt% SiO2=0.1〜5wt% Al2O3=0.3〜3wt% BaO=0.25〜10wt% 含有するビスマス系ガラスであることを特徴とする電圧
非直線抵抗体。 - 【請求項3】 コーデイライト(Mg2Al4Si5O
18)、シリカ、ムライト(Al6Si2O13)、リン
酸ジルコニル、アルミナ、カリ長石、カオリン、窒化珪
素、炭化珪素、窒化ボロン(BN)、ジルコニア、Si
-Al-BガラスおよびSi-Al-Ca-B-Mgガラスの
中から少なくとも1種類をフィラーとしてガラスの総重
量に対して1〜30wt%添加したことを特徴とする請
求項1または2記載の電圧非直線抵抗体。 - 【請求項4】 前記フィラーは、平均粒径が1〜50μ
mであることを特徴とする請求項3記載の電圧非直線抵
抗体。 - 【請求項5】 前記フィラ−のうち、少なくとも1種類
は形状が球状であることを特徴とする請求項3または4
記載の電圧非直線抵抗体。 - 【請求項6】 前記フィラ−のうち、少なくとも1種類
は形状がウイスカー状であることを特徴とする請求項3
または4記載の電圧非直線抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002024904A JP2003229302A (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 電圧非直線抵抗体 |
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- 2002-02-01 JP JP2002024904A patent/JP2003229302A/ja active Pending
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