JP2572882B2 - 電圧非直線抵抗体とその製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体とその製造方法

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JP2572882B2
JP2572882B2 JP2225304A JP22530490A JP2572882B2 JP 2572882 B2 JP2572882 B2 JP 2572882B2 JP 2225304 A JP2225304 A JP 2225304A JP 22530490 A JP22530490 A JP 22530490A JP 2572882 B2 JP2572882 B2 JP 2572882B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線抵抗体に
関するものである。
(従来の技術と課題) 従来から酸化亜鉛(ZnO)を主成分としてBiO2O3,Sb2O
3,SiO2,Co2O3、MnO2等の少量の金属酸化物を副成分とし
て含有した抵抗体は、優れた電圧非直線性を示すことが
広く知られており、その性質を利用して避雷器等に使用
されている。
一方、架空送配電線における電気事故のうち、半数以
上が雷による事故で占められており、送配電線への落雷
により、鉄塔電位が上昇すると、アークホーンで放電
し、続いて故障電流(続流)が流れるため変電所の遮断
器で遮断し、停電していた。
この問題を解決する為、応答性が良く、続流遮断性の
良好なギャップレス避雷器が用いられている。この送配
電用ギャップレス避雷器は既存の鉄塔間に挿入しなけれ
ばならないので、変電所用避雷器と比較して小型化が問
題となっていた。また、ギャップレスである為、上記抵
抗体は常時課電される。従って信頼性の点で抵抗体の課
電寿命特性が問題となっていた。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、主に送配電線用ギャップレス避雷器
を小型化できる電圧非直線抵抗体を提供するにある。
本発明の他の目的は、課電寿命の良好な電圧非直線抵
抗体を提供するにある。
本発明は酸化亜鉛を主成分とし、 酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.5〜1.2mole%、 酸化コバルトをCo2O3に換算して0.3〜1.5mole%、 酸化マンガンをMnO2に換算して0.2〜0.8mole%、 酸化アンチモンをSb2O3に換算して0.5〜1.5mole%、 酸化クロムをCr2O3に換算して0.1〜1.5mole%、 酸化ケイ素をSiO2に換算して0.6〜2.0mole%、 酸化ニッケルをNiOに換算して0.8〜2.5mole%、 酸化アルミニウムをAl2O3に換算し0.02mole%以下、 酸化ホウ素をB2O3に換算して0.0001〜0.05mole%、 酸化銀をAg2Oに換算して0.001〜0.05mole%、を含有
し、 0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧が焼結体単位
厚さに換算して230〜330V/mm、 10A/cm2と0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧比V
10A/V0.1mAが1.25〜1.45、 単位面積当り5KA/cm2の雷サージ電流(4/10μs波
形)を2回印加した前段の0.1mA/cm2の電流密度におけ
る制限電圧低下率が10%以下、 0.1mA/cm2と1μA/cm2の電流密度における制限電圧比
0.1mA/V1μAが1.4以下、好ましくは1.35以下、 の特性を有することを特徴とする電圧非直線抵抗体であ
る。
本発明はまた、 i) 次の組成、 酸化亜鉛を主成分とし、 酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.5〜1.2mole%、 酸化コバルトをCo2O3に換算して0.3〜1.5mole%、 酸化マンガンをMnO2に換算して0.2〜0.8mole%、 酸化アンチモンをSb2O3に換算して0.5〜1.5mole
%、 酸化クロムをCr2O3に換算して0.1〜1.5mole%、 酸化ケイ素をSiO2に換算して0.6〜2.0mole%、 酸化ニッケルをNiOに換算して0.8〜2.5mole%、 酸化アルミニウムをAl2O3に換算して0.02mole%以
下、 酸化ホウ素をB2O3に換算して0.0001〜0.05mole%、 酸化銀をAg2Oに換算して0.001〜0.05mole%、を含
有する電圧非直線抵抗体素体を形成し、 ii) 前記素体の形成に当っては、主成分の酸化亜鉛と
の酸化アルミニウムに相当する量のアルミニウムを含
む溶液を混合し、噴霧乾燥させ、これを仮焼し、この仮
焼物に他の前述の金属酸化物を混合したものを用い、造
粒し、成形し、 iii) 1130〜1240℃で本焼成し、 iv) 400〜530℃未満で熱処理することを特徴とする電
圧非直線抵抗体の製造方法である。
本発明の目的である避雷器の小型化、即ち避雷器の径
及び長さの短縮を図るには、避雷器に収納される電圧非
直線抵抗体(以下素子と記載)の特性を向上して、素子
の径及び段積みされる素子の合計長さを短縮する必要が
ある。
素子の径を短縮するには、素子の開閉サージ放電耐量
を向上する必要がある。これはギャップ付及びギャップ
レス避雷器として遮断器の開閉に伴い発生する開閉サー
ジエネルギーが一般に最も大きく、通常これにより素子
径が決定されるからである。本発明者は上述の素子組成
及び製造方法により、10A/cm2と0.1mA/cm2の電流密度に
おける制限電圧比V10A/cm2/V0.1mA/cm2(以下V10A/V0.1
mAと記載)を1.25〜1.45に上げることにより、開閉サー
ジ耐量特性が向上することを見出した。然し、開閉サー
ジ放電耐量が大幅に向上した場合には、素子径は短縮さ
れるが、素子径は小さくなりすぎると雷サージ放電耐量
により律速される場合もある。従って、好ましくは雷サ
ージ放電耐量の向上も必要である。特にギャップ付避雷
器では雷サージ印加に伴う続流電流が流れる為、雷サー
ジ放電耐量の向上も好ましくは必要である。
次に避雷器の長さを短縮するためには、避雷器に収納
される素子のバリスタ電圧を向上しかつ、雷サージ印加
後のバリスタ電圧低下を抑制する必要がある。ここでの
バリスタ電圧は、0.1mA/cm2の電流密度における制限電
圧V0.1mA/cm2(以下V0.1mAと記載)を意味する。
本発明者は上述の素子組成及び製造方法により、230
〜330V/mmの高いバリスタ電圧特性を有し、かつ、単位
面積当り5kA/cm2の雷サージ電流(4/10μs波形)を2
回印加した前後のバリスタ電圧低下率が10%以下の素子
を得ることができることを見出した。
上述の雷サージ印加条件は一般に避雷器にて設計され
ている条件に準じたものである。
なお、ギャップレス避雷器では定格電圧を印加した時
に避雷器内に収納されている素子に流れる最大電流を単
位面積(cm2)当り0.1mAとして設計しており、雷サージ
印加後の阻止のバリスタ電圧の低下率が大きい場合には
この低下率を考慮した素子数の使用が必要となる。従っ
て、雷サージ電流印加後のバリスタ電圧低下率の小さな
素子を使用することにより避雷器に収納される素子枚
数、即ち避雷器内に段積される素子の合計長さを短縮す
ることができる。
また一方、課電寿命の向上も実用上必要であり、上述
の素子組成及び製造方法によって、0.1mA/cm2と1μA/c
m2の夫々の電流密度における制限電圧比V0.1mA/cm2/V1
μA/cm2(以下V0.1mA/V1μAと記載)が1.4以下とな
り、課電寿命が良いことを本発明者は見出した。上述の
素子組成及び製造方法により上述の開閉サージ耐量特
性、制限電圧比V10A/V0.1mA、バリスタ電圧、雷サージ
電流印加後のバリスタ電圧低下率、課電寿命の特性を同
時に満足する素子が得られた。
上述の素子組成において、酸化ビスマスはBi2O3に換
算して、0.5〜1.2mole%、好ましくは0.6〜0.9mole%、
を用いる、Bi2O3はZnO粒子間に粒界層を形成している
が、バリスタ特性の発現に関係するショットキー障壁の
形成に係わっていると考えられる重要な添加物である。
0.5mole%未満では雷サージ放電耐量が低下し、1.2mo
le%を越えると雷サージ印加後の制限電圧V0.1mAの低
下率(以下ΔV0.1mAと記載)が増大する。
酸化コバルト及び酸化マンガンはCo2O3及びMnO2に換
算し、Co2O30.3〜1.5mole%、好ましくは0.5〜1.2mole
%、MnO20.2〜0.8mole%、好ましくは0.3〜0.7mole%、
を用いる。Co2O3及びMnO2はその一部がZnO粒子内に固溶
するとともに、一部は粒界層に析出してショットキー障
壁の高さを高める作用を有する。また、障壁の安定性に
も関係していると考えられる。Co2O3が0.3mole%未満で
は雷サージ印加後のΔV0.1mAが増大し、1.5mole%を越
えるとやはり雷サージ印加後のΔV0.1mAが増大し、MnO
2が0.2mole%未満では課電寿命が悪化し、0.8mole%を
越えるとやはり課電寿命が悪化する。
酸化アンチモン及び酸化クロムはSb2O3及びCr2O3に換
算して、Sb2O30.5〜1.5mole%、好ましくは0.8〜1.2mol
e%、Cr2O30.1〜1.5mole%、好ましくは0.3〜1.0mole
%、を用いる。Sb2O3、Cr2O3はZnOと反応してスピネル
相を形成することにより、ZnO粒子の異常粒成長を抑制
して、焼結体の均一性を向上する作用を有する。Sb2O3
が0.5mole%未満では雷サージ印加後のΔV0.1mAが悪化
し、雷サージ放電耐量が悪化し、1.5mole%越えるとや
はり雷サージ印加後のΔV0.1mAが悪化し、開閉サージ
放電耐量が悪化し、雷サージ放電耐量が悪化する。Cr2O
3が0.1mole%未満では雷サージ印加後のΔV0.1mAが悪
化し、1.5mole%を越えるとやはり雷サージ印加後のΔ
0.1mAが悪化する。
酸化ケイ素はSiO2に換算して、0.6〜2.0mole%、好ま
しくは0.7〜1.4mole%を、用いる。SiO2は粒界層に析出
して、ZnO粒子の粒成長を抑制する効果がある。非晶質
シリカを用いると反応性が向上し素子特性が向上するた
め好ましい。SiO2が0.6mole%未満では雷サージ放電耐
量が悪化し、2.0mole%を越えると雷サージ放電耐量が
悪化し、雷サージ印加後のΔV0.1mAが悪化する。
酸化ニッケルはNiOに換算して、0.8〜2.5mole%、好
ましくは1.0〜1.5mole%、を用いる、NiOの添加は雷サ
ージ印加後のΔV0.1mAと大電流域における制限電圧比
(V5kA/cm2/V0.1mA/cm2、以下(V5kA/V0.1mAと記載)の
改善に効果がある。NiOが0.8mole%未満では雷サージ印
加後のΔV0.1mAと大電流域における制限電圧比(V5kA/
V0.1mA)が改善されず、1.5mole%を越えると雷サージ
印加後のΔV0.1mAが逆に悪化し、開閉サージ放電耐量
が悪化する。
酸化アルミナはAl2O3に換算して、0.02mole%以下、
好ましくは0.002〜0.01mole%、を用いる。Al2O3はZnO
に固溶してZnO粒子抵抗を下げ、大電流域における制限
電圧比(V5kA/V0.1mA)を改善するとともに雷サージ放
電耐量を向上する効果がある。また、誘電率向上効果も
ある。然し、添加量が増すと微小電流域のV−I特性が
低下(V0.1mA/V1μAは増大)するとともに雷サージ印
加後のΔ0.1mAが悪化する。Al2O3が0.02mole%を越える
と大電流域における制限電圧比(V5kA/V0.1mA)の改善
が頭打となり、雷サージ放電耐量は悪化し雷サージ印加
後のΔV0.1mAも低下する。
酸化ホウ素と酸化銀はB2O3及びAg2Oに換算して、B2O3
0.0001〜0.05mole%、好ましくは0.001〜0.03mole%、A
g2O0.001〜0.05mole%、好ましくは0.002〜0.03mole
%、を用いる。B2O3とAg2Oはともに粒界層を安定化する
作用がある(Agを含むホウケイ酸ビスマスガラスとして
添加すると課電寿命がより向上するため好ましい。な
お、このガラス中にはZnO等他の金属酸化物を含んでも
良い)。B2O3が0.0001mole%未満では課電寿命向上効果
が少なく、0.05mole%を越えると雷サージ印加後のΔV
0.1mAが悪化する。Ag2Oが0.001mole%未満では雷サージ
印加後のΔV0.1mA改善効果が少なく0.05mole%を越え
ると逆に雷サージ印加後のΔV0.1mAが悪化する。
0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧V0.1mAを230
〜330V/mm(好ましくは240〜280V/mm)とする理由は、2
30V/mm未満では避雷器の小型化ができず、また、雷サー
ジ印加後の制限電圧低下率が大きく、330V/mmを越える
と雷サージ放電耐量が低下する為である。このため、上
述した組成で本焼は1130〜1240℃で行なう。
制限電圧低下率ΔV0.1mA(4/10μs、5kA/cm2、2回
印加後)を10%以下(好ましくは5%以下)とする理由
は、10%を越えると上述したように制限電圧低下分の素
子数が多くなり避雷器の長さ方向が増大する為である。
制限電圧低下率ΔV0.1mAを10%以下とする為には、
上述した素子組成で、 熱処理を400℃以上で好ましくは0.5時間以上(より好
ましくは1hr以上)行ない、Al2O3量は0.02mole%以下と
し、 AlとZnOとの仮焼は500〜1000℃、好ましくは600〜900
℃で行なうのが良い。
制限電圧低下率ΔV0.1mAをさらに好ましく5%以下
とする為には、上述した素子組成で、 熱処理を450℃で、好ましくは0.5時間以上(より好ま
しくは1時間以上)、行ない、Al2O3量は0.01mole%以
下とし、 AlとZnOとの仮焼は500〜1000℃、好ましくは600〜900
℃とし、 ZnOとアルミニウムとの仮焼物及び金属酸化物の微粉
砕物をアトライタで混合する。
アトライタでの混合では、Alを固溶したZnOと金属酸
化物の混合分散が均一に行なわれるため、素子の均一性
が向上し、良好な電気特性が得られる。特に雷サージ印
加後の制限電圧低下が改善される。
制限電圧比V0.1mA/V1μAを1.4以下、(好ましくは
1.35以下)とする理由は、1.4を越えると課電により上
記抵抗体を流れる漏洩電流が増加し、抵抗体が熱暴走し
て破壊する為である。
制限電圧比V0.1mA/V1μAを1.4以下とする為には、
上述した組成で熱処理を400℃〜530℃未満で、好ましく
は0.5時間以上(より好ましくは1時間以上)、行な
い、Al2O3量を0.02mole%以下とし、1.35以下とする為
には上述した組成で熱処理を450〜510℃で好ましくは0.
5時間以上(より好ましくは1時間以上)行い、Al2O3
を0.01mole%以下とする。
10A/cm2と0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧比V
10A/cm2/V0.1mA/cm2(以下V10A/V0.1mAと記載)は1.25
〜1.45、特に1.30〜1.40が好ましい。このようにすると
開閉サージ耐量が良好となる。この為には上述した組成
でAl2O3量を0.02mole%以下、B2O3量を0.0001〜0.05mol
e%、Ag2O量を0.001〜0.05mole%とする。特に1.30〜1.
40とするには、Al2O3を0.01mole%以下、B2O3量を0.001
〜0.03mole%、Ag2O量を0.002〜0.03mole%とする。
大電流域における制限電圧比(V5kA/V0.1mA)は2.6以
下が好ましく、特に2.45以下がより好ましい。このよう
にするとより雷サージ放電耐量が向上するとともに、避
雷器の長さ方向がより短縮される。この為には上述した
組成でAl2O3量は0.002mole%以上が好ましく、特に0.00
3mole%以上がより好ましい。
本発明に係る電圧非直線抵抗体を得るためには、まず
AlとZnOとの仮焼を行なう。
即ち予め酸化亜鉛と所定量のアルミニウムを含む溶液
を混合し、噴霧乾燥させ、これを仮焼し、この仮焼物に
金属酸化物を混合することにより雷サージ印加後のΔV
0.1mA、雷サージ放電耐量、開閉サージ放電耐量、大電
流域における制限電圧比及び課電寿命が改善される。こ
の場合には以下のような作用効果を得ることができる。
(1)アルミニウムを溶液で酸化亜鉛と混合しているた
め、原子レベルで酸化亜鉛中へ固溶する。従って均一性
が良好となるとともに、酸化亜鉛の粒子抵抗が大きく低
下する。ここで、溶液は水溶液、たとえば硫酸塩、塩化
物の水溶液等が好ましい。また混合溶液の固形分濃度は
50〜75wt%が好ましい。
(2)混合物スラリーを噴霧乾燥させて一気に水分を除
去しているため、アルミニウムの濃度分布が均一な乾燥
物が得られる。従って均一性が良好となる。このとき、
混合物をバット等の中でゆっくりと乾燥させると、酸化
亜鉛とアルミニウムが部分的に濃度差を生じ好ましくな
い。なお、噴霧乾燥温度は200〜500℃が好ましい。
(3)乾燥後の粉体を仮焼することにより、酸化亜鉛粒
子の中へ均一に充分にアルミニウムが固溶する。
従来の方法ではアルミニウムの酸化亜鉛への固溶は、
酸化亜鉛及び金属酸化物の混合を本焼することにより行
なわれているため、アルミニウムは酸化亜鉛に充分固溶
液されないのみならず、粒界層中に残留し、雷サージ印
加後の制限電圧、雷サージ放電耐量、開閉サージ放電耐
量及び課電寿命等に悪影響を与える。なお、この仮焼温
度は500〜1000℃、より好ましくは600〜900℃が好まし
い。500℃未満ではアルミニウムの固溶が不充分とな
り、1000℃を越えると酸化亜鉛の焼結が急速に進むため
である。
より具体的には、まず0.5μm程度の粒度に調整した
酸化亜鉛原料とアルミニウムを所定量含む溶液(例えば
硝酸アルミニウム水溶液等)と所定の分散剤等を混合
し、得られた混合物を例えばスプレードライヤにより噴
霧乾燥させて乾燥した粉体を得る。その後、得られた粉
体を500〜1000℃の温度、好ましくは酸化雰囲気下で仮
焼し、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以
下の所定の粒度の酸化亜鉛原料を得る。ここで得られた
酸化亜鉛原料を粉砕するとより好ましい。そして、この
酸化亜鉛原料を、所定の粒度に調整した酸化ビスマス、
酸化コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化ク
ロム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化銀、酸化ホウ素
等よりなる添加物の所定量を混合する。なお、この場合
酸化銀、酸化ホウ素の代わりに硝酸銀、ホウ酸を用いて
もよい。好ましくは銀を含むホウケイ酸ビスマスガラス
を用いるとよい。これら原料粉末に対して所定量の結合
剤(好ましくはポリビニルアルコール水溶液)及び分散
剤等を加え、ディスパーミル好ましくはアトライタによ
り混合した後、好ましくはスプレードライヤにより造粒
して造粒物を得る。造粒後、成形圧力800〜20000kg/cm2
の下で所定の形状に成形する。そして成形体を昇降温速
度30〜70℃/hrで800〜1000℃、保持時間1〜5時間とい
う条件で仮焼成する。
なお、アトライタでの混合は媒体としてジルコニアボ
ールを用い、アジテータアーム(撹拌棒)も材質の安定
化されたジルコニアを用い、タンクの内張りは有機性樹
脂(好ましくはナイロン樹脂)を用いると汚染が極めて
少なくなり好ましい。また、スラリー温度が40℃を越え
ないように管理することにより、スラリーのゲル化が防
止でき、酸化亜鉛と金属酸化物が良好に分散混合し、均
一混合及び混合効率の面で好ましい。ここで混合のため
の時間は1〜10時間が好ましく、より好ましくは2〜5
時間である。また、媒体としてのジルコニアボールは、
酸化マグネシウム(MgO)又は酸化カルシウム(CaO)等
で安定化したジルコニアも使用できるが、酸化イットリ
ウム(Y2O3)で安定化したジルコニアを使用すると好ま
しい。
なお、仮焼成の前に成形体を昇降温度10〜100℃/hrで
400〜600℃、保持時間1〜10時間で加熱し結合剤を飛散
除去することが好ましい。これを脱脂体という。ここで
素体とは成形体、脱脂体及び仮焼体を意味する。
次に、仮焼成した仮焼体の側面に側面高抵抗層を形成
する。酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化ケイ素、酸
化亜鉛の所定量に有機結合剤としてエチルセルロース、
ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を加えた側面高抵
抗層用混合物ペーストを、60〜300μmの厚さに仮焼体
の側面に塗布する。なお、前記混合物ペーストは成形体
または脱脂体に塗布してもよい。次に、これを昇降温速
度20〜100℃/hr(好ましくは30〜60℃/hr)、1130〜124
0℃、好ましくは保持時間3〜7時間という条件で本焼
成する。
次に空気中で好ましくは昇降温速度200℃/hr以下で、
400〜530℃未満(好ましくは450〜510℃)の温度で、好
ましくは0.5時間以上(より好ましくは1時間以上)、
熱処理する。
なお、ガラス粉末に有機結合剤としてエチルセルロー
ス、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を加えたガラ
スペーストを前記の側面高抵抗層上に100〜300μmの厚
さに塗布し、空気中で昇降温速度200℃/hr以下、400〜5
30℃未満、保持時間0.5時間以上という条件で熱処理す
ることにより、ガラス層の形成を同時に実施することも
可能である。
その後、得られた電圧非直線抵抗体の両端面を、SiC,
Al2O3,ダイヤモンド等の#400〜#2000相当の研磨剤に
より、水または油を使用して研磨する。次に研磨面を洗
浄後、研磨した両端面に例えばアルミニウム等によっ
て、電極を例えば溶射により設けて、電圧非直線抵抗体
を得る。
なお、本発明の組成以外に、電圧非直線抵抗体の使用
目的に応じて、それらによる効果をあまり損なうことの
ない物質を加えて良いことは言うまでもないことであ
る。
(実施例) 以下、本発明を実施及び比較例につきさらに詳細に説
明する。
実施例1〜61及び比較例1〜29 次の第1表に示す組成の素体を、第1表に示す製造方
法で処理して、φ47mm×h22.5mmの実施例1〜61及び比
較例1〜29の電圧非直線抵抗体を製造した。これ等の抵
抗体の特性は第1表に示す通りであった。
ここで、電圧非直線抵抗体組成については第1表に示
す通りであるが、シリカは非晶質シリカを用い、B2O3
びAg2Oはガラス化して用いた。
また、AlとZnOとの仮焼は硝酸アルミニウム水溶液を
用い、300℃で噴霧乾燥した後、700℃の温度で仮焼し
た。この仮焼物をポットミル等で平均粒子径が1μm以
下になるように粉砕した。
ZnOと金属酸化物の混合は主にアトライタを使用し、
酸化イットリウムで安定化したジルコニアボールを用
い、3時間混合した。アトライタを使用しないものにつ
いてはディスパーミルで3時間混合した。
本焼は第1表に示す温度で、保持時間5時間で行なっ
た。
熱処理は第1表に示す温度で、保持時間0.5〜2時間
で行なった。
電気特性については、制限電圧(V0.1mAで表示、単
位V/mm)、5kA/cm2の雷サージ電流(4/10μs波形)を
2回印加(5分間隔)した前後の制限電圧低下率V0.1m
Aで表示、単位%)、制限電圧比(V10A/V0.1mA、V0.1m
A/V1μAで表示)、開閉サージ放電耐量、雷サージ放電
耐量及び課電寿命を評価した。
開閉サージ放電耐量は、2μsの電流波形の衝撃電流
に対する耐量(各20回印加:クリア値、単位:A)であ
る。
雷サージ放電耐量は、4/10μsの電流波形の衝撃電流
に対する耐量(各2回印加:クリア値、単位:KJ)であ
り、エネルギー値(電流×電圧×印加時間)で示した。
雷サージ放電耐量は、電流値で評価した場合にはV0.1m
Aの高い素子ほど印加電圧が高くなるため、放電耐量電
流値は低い値を示す。従って正当な評価ができない。
課電寿命はアレニウスプロットより換算し、40℃課電
率85%で100年以上良好なものは○印(300年以上良好な
ものは◎印)、100年を満たないものは×印で示した。
なお、上記評価値は電圧非直線抵抗体の寸法には影響
しない。例えば直径70mmφの形状でも同様な結果を示し
た。
(効 果) 本発明は上述の組成で酸化亜鉛とアルミニウムの仮焼
を行なった上で、電圧非直線抵抗体素体を形成し、上述
の温度で本焼し、熱処理することにより、優れた電圧−
電流特性(第1図参照)が得られるとともに、良好な開
閉サージ放電耐量および雷サージ放電耐量が得られ、こ
れにより避雷器の径方向が短縮される。
また、制限電圧V0.1mAが大きく、雷サージ印加後に
おけるこの制限電圧V0.1mAの低下率も小さいため、避
雷器の長さ方向の短縮が可能となる。好ましくはアルミ
ニウムを固溶した酸化亜鉛と金属酸化物の混合にアトラ
イタを用いることにより、上記制限電圧V0.1mAの低下
率をより小さくでき、さらに避雷器の長さ方向の短縮が
可能となる。
さらに、課電寿命も良好であるとともに、大電流域に
おける制限電圧も良好であるため、主にギャップレス避
雷器用電圧非直線抵抗体として好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電圧直線抵抗体の電圧−電流特性の一
例を示す特性線図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし、 酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.5〜1.2mole%、 酸化コバルトをCo2O3に換算して0.3〜1.5mole%、 酸化マンガンをMnO2に換算して0.2〜0.8mole%、 酸化アンチモンをSb2O3に換算して0.5〜1.5mole%、 酸化クロムをCr2O3に換算して0.1〜1.5mole%、 酸化ケイ素をSiO2に換算して0.6〜2.0mole%、 酸化ニッケルをNiOに換算して0.8〜2.5mole%、 酸化アルミニウムをAl2O3に換算して0.02mole%以
    下、 酸化ホウ素をB2O3に換算して0.0001〜0.05mole%、 酸化銀をAg2Oに換算して0.001〜0.05mole%、を含有
    し、 0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧が焼結体単位
    厚さに換算して230〜330V/mm、 10A/cm2と0.1mA/cm2の電流密度における制限電圧比V
    10A/V0.1mAが1.25〜1.45、 単位面積当り5KA/cm2の雷サージ電流(4/10μs波
    形)を2回印加した前後の0.1mA/cm2の電流密度におけ
    る制限電圧低下率が10%以下、 0.1mA/cm2と1μA/cm2の電流密度における制限電圧比
    0.1mA/V1μが1.4以下 の特性を有することを特徴とする電圧非直線抵抗体。
  2. 【請求項2】i)次の組成 酸化亜鉛を主成分とし、 酸化ビスマスをBi2O3に換算して0.5〜1.2mole%、 酸化コバルトをCo2O3に換算して0.3〜1.5mole%、 酸化マンガンをMnO2に換算して0.2〜0.8mole%、 酸化アンチモンをSb2O3に換算して0.5〜1.5mole%、 酸化クロムをCr2O3に換算して0.1〜1.5mole%、 酸化ケイ素をSiO2に換算して0.6〜2.0mole%、 酸化ニッケルをNiOに換算して0.8〜2.5mole%、 酸化アルミニウムをAl2O3に換算して0.02mole%以
    下、 酸化ホウ素をB2O3に換算して0.0001〜0.05mole%、 酸化銀をAg2Oに換算して0.001〜0.05mole%、 を含有する電圧非直線抵抗体素体を形成し、 ii)前記素体の形成に当っては、主成分の酸化亜鉛と
    の酸化アルミニウムに相当する量のアルミニウムを含む
    溶液を混合し、噴霧乾燥させ、これを仮焼し、この仮焼
    物に他の前述の金属酸化物を混合したものを用い、造粒
    し、成形し、 iii)1130〜1240℃で本焼成し、 iv)400〜530℃未満で熱処理する ことを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
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