JP2572859B2 - 電圧非直線抵抗体および避雷器 - Google Patents
電圧非直線抵抗体および避雷器Info
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Description
この限流要素部に対して直列に接続されている直列ギャ
ップとを備えている避雷器に関するものであり、および
この避雷器用の電圧非直線抵抗体に関するものである。
3,SiO2,Co2O3,MnO2等の少量の金属酸化物を副成分と
して含有した抵抗体は、優れた電圧非直線性を示すこと
が広く知られており、その性質を利用して避雷器等に使
用されている。
が雷による事故で占められており、送電線への落雷によ
り、鉄塔電位が上昇すると、アークホーンで放電し、続
いて故障電流(続流)が流れるための変電所の遮断器で
遮断し、停電していた。
なギャップ形避雷装置が開発された。これは概念的には
碍子装置2のアークホーン1に避雷機能を持たせたもの
で、限流要素部3と直列ギャップ4とから構成される。
限流要素部3は電圧非直線抵抗特性を有する酸化亜鉛素
子を直列に接続し、絶縁物(碍管)内に収納し、あるい
は絶縁物(エチレン、プロピレンゴム)によりモールド
したものである。これにより、送電線への落雷で鉄塔電
位が上昇したときに直列ギャップ4で放電させ、短時間
のうちに限流要素部の非直線抵抗特性を利用して続流を
遮断し、変電所の遮断器が動作することによる停電の防
止を狙っている。
を持たない避雷装置にくらべて続流遮断性が問題とな
る。しかも既存の鉄塔間に新たなギャップ付避雷装置を
挿入しなければならないので、アークホーン1との絶縁
協調が問題であり、落雷時に直列ギャップ4に閃絡させ
てアークホーン1での閃絡を防止する必要がある。落雷
時に直列ギャップ4に優先的に閃絡させるためには、限
流要素部3内の電圧非直線抵抗体素子の個数を減少さ
せ、電流が直列ギャップ4側へ流れ易くすることが考え
られる。しかし、上記素子の個数を減少させると、従来
よりも電流が流れ易いことから、続流遮断性が悪化す
る。また、直列ギャップの間隔を縮小することも考えら
れるが、この場合には遮断器の開閉により発生する開閉
サージで閃絡する可能性がある。
部と、この限流要素部に対して直列に接続されている直
列ギャップとを備えている避雷器用の電圧非直線抵抗体
において、続流遮断性に優れており、かつアークホーン
との絶縁協調性に優れた電圧非直線抵抗体を提供するこ
とである。
遮断性を向上させ、かつアークホーンとの絶縁協調性を
向上させることである。
この限流要素部に対して直列に接続されている直列ギャ
ップとを備えている避雷器に用いられる電圧非直線抵抗
体であって、100A/cm2と0.1A/cm2における制限電圧比V
100A/V0.1Aが1.3以上、1.5以下(より好ましくは1.35
以上、1.45以下)であるとともに、0.1A/cm2と0.1mA/cm
2における制限電圧比V0.1A/V0.1mAが1.2以上、1.5以下
(より好ましくは1.26以上、1.4以下)であることを特
徴とする、電圧非直線抵抗体に係るものである。
比V100A/V0.1Aが1.3以上、1.5以下であるとともに、0.
1A/cm2と0.1mA/cm2における制限電圧比V0.1A/V0.1mAが
1.2以上、1.5以下である電圧非直線抵抗体を備えた限流
要素部と、この限流要素部に対して直列に接続されてい
る直列ギャップとを備えていることを特徴とする、避雷
器に係るものである。
0.1A)は、電流密度100A/cm2の電流を流したときの制限
電圧V100Aと、電流密度0.1A/cm2の電流を流したときの
制限電圧V0.1Aの比率を意味する。(0.1A/cm2と0.1mA/c
m2における制限電圧比V0.1A/V0.1mA)は、電流密度0.1
A/cm2の電流を流したときの制限電圧V0.1Aと、電流密度
0.1mA/cm2の電流を流したときの制限電圧V0.1mAとの比
率を意味する。
に、0.1mA/cm2〜100A/cm2の間を非常に平坦(電圧非直
線性が良好)にすることが一般的に行われていた。
0.1A/cm2における制限電圧比を1.3以上とすることによ
り大電流領域での続流遮断性を良好な値とすることがで
きた。これが1.3未満であると続流遮断性が悪くなり、
アーク消孤時間が一サイクル以上となった。アーク消孤
時間が一サイクル以上では変電所の遮断器が動作するた
め停電となる。
ージ耐量も向上した。
流遮断性を良好に保持しつつ、雷サージ耐量も満足させ
ることができる。V100A/V0.1Aを1.5を超えると、続流
遮断性は良好であるが、大電流領域における制限電圧比
が大きくなることから落雷時に素子にかかるエネルギー
が大きくなり、雷サージ耐量が低下する。
/V0.1mAを1.2〜1.5とすることにより、アークホーンと
の絶縁協調を達成できると共に、課電寿命特性も向上さ
せることができる。V0.1A/V0.1mAを1.2未満とすると小
電流領域で電流が流れにくくなり、落雷時に確実に直列
ギャップ4側で閃絡させることができず、絶縁協調が不
良となる。一方、V0.1A/V0.1mAが1.5を越えると、絶縁
協調は良好であるが、直列ギャップ4が鳥等の異物によ
って長時間導通状態となる場合などに過大な電流が流
れ、熱暴走して、素子が破壊する。
した酸化亜鉛原料と所定の粒度に調整した酸化ビスマ
ス、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸
化クロム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化銀、酸化ホ
ウ素等よりなる添加物の所定量を混合する。なお、この
場合酸化銀、酸化ホウ素の代わりに硝酸銀、ホウ酸を用
いてもよい。好ましくは銀を含むホウケイ酸ビスマスガ
ラスを用いるとよい。これら原料粉末に対して所定量の
ポリビニルアルコール水溶液等を加え、好ましくはディ
スパーミルにより混合した後、好ましくはスプレードラ
イヤにより造粒して造粒物を得る。造粒後、成形圧力80
0〜1000kg/cm2の下で所定の形状に成形する。そして成
形体を昇降温速度30〜70℃/hrで800〜1000℃、保持時間
1〜5時間という条件で仮焼成する。
で400〜600℃、保持時間1〜10時間で加熱し結合剤を飛
散除去することが好ましい。これを脱脂体という。
する。酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化ケイ素等の
所定量に有機結合剤としてエチルセルロース、ブチルカ
ルビトール、酢酸nブチル等を加えた側面高抵抗層用混
合物ペーストを、60〜300μmの厚さに仮焼体の側面に
塗布する。なお、前記混合物ペーストは成形体または脱
脂体に塗布してもよい。次に、これを昇降温速度40〜60
℃/hr、1000〜1300℃好ましくは1100〜1250℃、保持時
間3〜7時間という条件で本焼成する。
成、製法及び熱処理に特定の変更を施す。
ム、インジウムの少なくとも一種類を含む溶液を混合
し、噴霧乾燥させ、これを仮焼し、この仮焼物に金属酸
化物を混合することによりV100A/V0.1Aを制御すること
ができる。この場合には以下のような作用効果を得るこ
とができる。
ため、原子レベルで酸化亜鉛中へ固溶する。従って均一
性が良好となる。ここで、溶液は水溶液、たとえば硝酸
塩、塩化物の水溶液等が好ましい。また混合溶液の固形
分濃度は50〜75wt%が好ましく、溶液中に含有するアル
ミニウム、インジウム、ガリウム濃度(総量)は1×10
-3〜1×10-1wt%が好ましく、より好ましくは5×10-3
〜5×10-2wt%である。
去しているため、アルミニウム等の濃度分布が均一な乾
燥物が得られる。従って均一性が良好となる。このと
き、混合物をバット等の中でゆっくりと乾燥させると、
酸化亜鉛とアルミニウム等が部分的に濃度差を生じ好ま
しくない。なお、噴霧乾燥温度は200〜500℃が好まし
い。
子の中へ均一に充分にアルミニウム等が固溶する。
比、雷サージ耐量等の電気的特性が良好になるため好ま
しい。なお、この仮焼温度は500〜1000℃、より好まし
くは600〜900℃が好ましい。500℃未満ではアルミニウ
ム等の固溶が不充分となり、1000℃を越えると酸化亜鉛
の焼結が急速に進むためである。
酸化亜鉛原料とアルミニウム、ガリウム、インジウムの
少なくとも一種類を所定量含む溶液(例えば硝酸アルミ
ニウム水溶液等)と所定のバインダとを混合し、得られ
た混合物を例えばスプレードライヤにより噴霧乾燥させ
て乾燥した粉体を得る。その後、得られた粉体を500〜1
000℃の温度、好ましくは酸化雰囲気下で仮焼し、好ま
しくは3μm以下、より好ましくは1μm以下の所定の
粒度の酸化亜鉛原料を得る。ここで得られた酸化亜鉛原
料を粉砕するとより好ましい。そして、この酸化亜鉛原
料を、前記したように酸化ビスマス、酸化コバルト酸化
ケイ素等の金属酸化物と混合し、造粒、成形、仮焼成、
本焼成を行う。尚使用する酸化ケイ素は平均粒径10μm
以下の非晶質シリカが好ましい。
本焼成後、500〜900℃で、好ましくは酸化雰囲気下に熱
処理を行う。なお、ガラス粉末に有機結合剤としてエチ
ルセルロース、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を
加えてガラスペーストを前記の側面高抵抗層上に100〜3
00μmの厚さに塗布し、空気中で昇降温速度100〜200℃
/hr、500〜900℃、保持時間0.5〜10時間という条件で熱
処理することによりガラス層の形成を同時に実施するこ
とも可能である。
2O3ダイヤモンド等の#400〜#2000相当の研磨剤により
水または油を使用して研磨する。次に研磨面を洗浄後、
研磨した両端面に例えばアルミニウム等によって電極を
例えば溶射により設けて電圧非直線抵抗体を得ている。
抵抗体について各種特性を測定した結果について説明す
る。
せた酸化亜鉛原料を調製した。即ち、酸化亜鉛原料を硝
酸アルミニウム水溶液、バインダ、分散剤及び水と共に
ポットミルで混合し、固形分濃度70wt%、粘性10〜300c
p好ましくは50〜150cpのスラリーを作製した。このスラ
リー中の溶液にはアルミニウムが総量で5×10-3〜5×
10-2wt%含有されている。このスラリーをスプレードラ
イヤにて乾燥温度300℃で粉粒状とし、大気中にて600〜
900℃の温度で仮焼成した。次に、仮焼成した粉体をさ
らにポットミルで平均粒子径が3μm以下となるよう粉
砕して、酸化亜鉛原料を調製した。
20.5モル%,Sb2O31.0モル%,Cr2O30.5モル%,NiO0.5
モル%,SiO21〜2モル%および残部が上記酸化亜鉛原
料からなるように酸化亜鉛原料と添加物を混合し、ホウ
ケイ酸ビスマスガラスを外配で0.1wt%添加し前記した
ように仮焼成、側面高抵抗層の形成、本焼成を行い、表
1に示す各電圧非直線抵抗体を作成した(径47mm、高さ
22.5mm、バリスター電圧V1A=5.8KV)。ここで制限電圧
比(V100A/V0.1A)の各々の値は添加物組成、アルミニ
ウム量、酸化亜鉛の仮焼温度及び本焼成温度を組み合わ
せることにより得られる。
続流遮断試験におけるアーク消孤時間(サイクル)、及
び制限電圧比を測定した。結果を表1に示す。
10KA印加時の制限電圧(KV)をV1A(5.8KV)で除した値
として求めた。
非直線抵抗体素子を限流要素部3(第2図参照)に20個
連結し、ギャップ長を一定とし、両端に交流電圧を印加
して上でインパルス電圧を印加し、限流要素部及びギャ
ップに1Aの続流を流したとき、この続流が遮断されるま
での時間(アーク消孤時間:サイクル)を測定した。
流密度100A/cm2の電流を流した時の制限電圧を、電流密
度0.1A/cm2の電流を流した時の制限電圧で除した値とし
て求めた。
100A/V0.1Aを1.3〜1.5とすることにより、アーク消孤
時間を1/2サイクル以下とすることができ、続流遮断性
が良好となる。特にV100A/V0.1Aを1.35〜1.50とする
と、アーク消孤時間が1/4サイクル以下となり、変圧器
の遮断器を動作させないのは勿論の事、コンピュータ等
の応答性の極めて速い計器の誤動作を防止することがで
きる。また、V100A/V0.1Aが1.55の時には制限電圧比が
非常に大きくなって雷サージ耐量が低下し、V100A/V
0.1Aが1.24の時にはアーク消孤時間が一サイクル以上と
なって続流遮断性が劣る。
た(径47mm、高さ22.5mm、バリスタ電圧V1A=5.8KV)。
但し、本焼成の後に500〜900℃で酸化雰囲気下に熱処理
を行い、表2に示す種々のV0.1A/V0.1mAを有する電圧
非直線抵抗体素子を作成し、第2図に示す限流要素部3
内に20個収容した。ここでは酸化亜鉛の仮焼温度を800
℃とし、制限電圧比(V0.1A/V0.1mA)の各々の値の供
試体を、添加物組成、アルミニウム量、本焼成温度及び
熱処理温度を組み合わせることにより作製した。そして
各々について絶縁協調試験におけるフラッシュオーバー
電圧と課電寿命特性とを測定した。結果を表2に示す。
定とし、アークホーン1の距離も一定とし、両端にイン
パルス電圧を印加し、直列ギャップまたはアークホーン
で閃絡が発生するインパルス電圧を測定した。表2の値
はn=10の平均値である。アークホーンで閃絡すると、
避雷機能が動作しないため不可である。
限界要素部を周囲温度80℃、課電率80%の条件に保持
し、熱暴走の有無を測定した。実使用上は10日間以上耐
えれば問題はない。
0.1mAを1.2〜1.5の範囲内とすることにより、フラッシ
ュオーバー電圧を400KV以下とでき、絶縁協調を行え
(直列ギャップで閃絡)、また課電寿命特性も良好とな
る。これに対し、V0.1A/V0.1mAが1.14の場合にはフラ
ッシュオーバー電圧が460KVにもなるためアークホーン
で閃絡が生じ絶縁協調を行えず、またV0.1A/V0.1mAが
1.59の場合には課電寿命特性が劣る。
器およびこの避雷器用の電圧非直線抵抗体によれば、直
列ギャップに対して直列に接続されている限流要素部を
構成する電圧非直線抵抗体の100A/cm2と0.1A/cm2におけ
る制限電圧比V100A/V0.1Aを1.3以上としたことによっ
て、続流遮断性を十分に大きくして、アーク消孤時間を
短くでき、制限電圧比V100A/V0.1Aを1.5以下とするこ
とによって、大電流領域における制限電圧比を大きくし
て、雷サージ耐量の低下を防止できる。しかも、0.1A/c
m2と0.1mA/cm2における制限電圧比V0.1A/V0.1mAを1.2
以上とすることによって、小電流領域で電流が流れ易
く、落雷時に直列ギャップ間で閃絡させることができ、
絶縁協調を十分に行える。また、制限電圧比V0.1A/V
0.1mAを1.5以下とすることによって、直列ギャップが導
通状態となった場合などにも、課電寿命特性が悪化する
ことはない。
た状態を示す模式図である。 1……アークホーン、2……碍子装置 3……限流要素部、4……直列ギャップ
Claims (2)
- 【請求項1】電圧非直線抵抗体を備えた限流要素部と、
この限流要素部に対して直列に接続されている直列ギャ
ップとを備えている避雷器に用いられる電圧非直線抵抗
体であって、100A/cm2と0.1A/cm2における制限電圧比V
100A/V0.1Aが1.3以上、1.5以下であるとともに、0.1A/
cm2と0.1mA/cm2における制限電圧比V0.1A/V0.1mAが1.2
以上、1.5以下であることを特徴とする、電圧非直線抵
抗体。 - 【請求項2】100A/cm2と0.1A/cm2における制限電圧比V
100A/V0.1Aが1.3以上、1.5以下であるとともに、0.1A/
cm2と0.1mA/cm2における制限電圧比V0.1A/V0.1mAが1.2
以上、1.5以下である電圧非直線抵抗体を具えた限流要
素部と、この限流要素部に対して直列に接続されている
直列ギャップとを備えていることを特徴とする、避雷
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277151A JP2572859B2 (ja) | 1989-10-26 | 1989-10-26 | 電圧非直線抵抗体および避雷器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277151A JP2572859B2 (ja) | 1989-10-26 | 1989-10-26 | 電圧非直線抵抗体および避雷器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03139802A JPH03139802A (ja) | 1991-06-14 |
JP2572859B2 true JP2572859B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=17579513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1277151A Expired - Lifetime JP2572859B2 (ja) | 1989-10-26 | 1989-10-26 | 電圧非直線抵抗体および避雷器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572859B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5850401B2 (ja) * | 1976-12-08 | 1983-11-10 | 株式会社東芝 | 避雷器 |
JPS5683005A (en) * | 1979-12-11 | 1981-07-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Method of manufacturing voltage nonnlinear resistor |
JPS6276184A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-08 | 三菱電機株式会社 | 送電線用避雷装置 |
JPH01228105A (ja) * | 1988-03-09 | 1989-09-12 | Ngk Insulators Ltd | 電圧非直線抵抗体の製造方法 |
-
1989
- 1989-10-26 JP JP1277151A patent/JP2572859B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03139802A (ja) | 1991-06-14 |
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