JP2719023B2 - ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子 - Google Patents
ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子Info
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- JP2719023B2 JP2719023B2 JP2049628A JP4962890A JP2719023B2 JP 2719023 B2 JP2719023 B2 JP 2719023B2 JP 2049628 A JP2049628 A JP 2049628A JP 4962890 A JP4962890 A JP 4962890A JP 2719023 B2 JP2719023 B2 JP 2719023B2
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- JP
- Japan
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- zinc oxide
- lightning arrester
- gap
- oxide element
- type lightning
- Prior art date
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸化亜鉛を主成分とするギャップ形避雷装置
用酸化亜鉛素子に関するものである。
用酸化亜鉛素子に関するものである。
(従来の技術) 従来から酸化亜鉛(ZnO)を主成分としてBi2O3,Sb
2O3,SiO2,Co2O3,MnO2等の少量の金属酸化物を副成分と
して含有した抵抗体は、優れた電圧非直線性を示すこと
が広く知られており、その性質を利用して避雷器等に使
用されている。
2O3,SiO2,Co2O3,MnO2等の少量の金属酸化物を副成分と
して含有した抵抗体は、優れた電圧非直線性を示すこと
が広く知られており、その性質を利用して避雷器等に使
用されている。
一方、架空送電線における電気事故のうち、半数以上
が雷による事故で締められており、送電線への落雷によ
り、鉄搭電位が上昇すると、アークホーンで放電し、続
いて故障電流(続流)が流れるため変電所の遮断器で遮
断し、停電していた。
が雷による事故で締められており、送電線への落雷によ
り、鉄搭電位が上昇すると、アークホーンで放電し、続
いて故障電流(続流)が流れるため変電所の遮断器で遮
断し、停電していた。
この問題を解決するため、図面に模式的に示すような
ギャップ形避雷装置が開発された。これは概念的には碍
子装置2のアークホーン1に避雷機能を持たせたもの
で、限流要素部3と直列ギャップ4とから構成される。
限流要素部3は電圧非直線抵抗特性を有する酸化亜鉛素
子を直列に接続し、絶縁物(碍管)内に収納し、あるい
は絶縁物(エチレン−プロピレンゴム)によりモールド
したものである。これにより、送電線への落雷で鉄搭電
位が上昇したときに直列ギャップ4で放電させ、短時間
のうちに限流要素部の非直線抵抗特性を利用して続流を
完全に遮断し、変電所の遮断器の作動をなくすることに
より停電の防止を狙っている。
ギャップ形避雷装置が開発された。これは概念的には碍
子装置2のアークホーン1に避雷機能を持たせたもの
で、限流要素部3と直列ギャップ4とから構成される。
限流要素部3は電圧非直線抵抗特性を有する酸化亜鉛素
子を直列に接続し、絶縁物(碍管)内に収納し、あるい
は絶縁物(エチレン−プロピレンゴム)によりモールド
したものである。これにより、送電線への落雷で鉄搭電
位が上昇したときに直列ギャップ4で放電させ、短時間
のうちに限流要素部の非直線抵抗特性を利用して続流を
完全に遮断し、変電所の遮断器の作動をなくすることに
より停電の防止を狙っている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、既存の鉄搭間に新たにギャップ形避雷装置を
挿入しなければならないので、アークホーン1との絶縁
協調が問題であり、落雷時に直列ギャップ4に閃絡させ
てアークホーン1での閃絡を防止する必要がある。落雷
時に直列ギャップ4に優先的に閃絡させるためには、限
流要素部3内の酸化亜鉛素子の個数を減少させ、電流が
直列ギャップ4側へ流れ易くすることが考えられる。し
かし、上記素子の個数を減少させると、従来よりも電流
が流れ易いことから、続流遮断性が悪化する。また、直
列ギャップの間隔を縮小することも考えられるが、この
場合には遮断路の開閉により発生する開閉サージで閃絡
する可能性を生ずる。
挿入しなければならないので、アークホーン1との絶縁
協調が問題であり、落雷時に直列ギャップ4に閃絡させ
てアークホーン1での閃絡を防止する必要がある。落雷
時に直列ギャップ4に優先的に閃絡させるためには、限
流要素部3内の酸化亜鉛素子の個数を減少させ、電流が
直列ギャップ4側へ流れ易くすることが考えられる。し
かし、上記素子の個数を減少させると、従来よりも電流
が流れ易いことから、続流遮断性が悪化する。また、直
列ギャップの間隔を縮小することも考えられるが、この
場合には遮断路の開閉により発生する開閉サージで閃絡
する可能性を生ずる。
このように、33KV以上、特に66〜154KVの送電線路で
は、アークホーンとの絶縁強調の面から設計が難しく、
従来の1MHzで500〜600の比誘電率を有する酸化亜鉛素子
を使用した場合、優れた避雷装置を作ることが困難とな
り、アークホーンの取り換え等の煩雑な作業が必要とな
った。
は、アークホーンとの絶縁強調の面から設計が難しく、
従来の1MHzで500〜600の比誘電率を有する酸化亜鉛素子
を使用した場合、優れた避雷装置を作ることが困難とな
り、アークホーンの取り換え等の煩雑な作業が必要とな
った。
本発明の課題は、ギャップ形避雷装置のアークホーン
での閃絡を確実に防止して避雷装置の信頼性を高めるこ
とができ、かつ避雷装置の設計裕度を向上させることが
できるようなギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子を提供
することである。
での閃絡を確実に防止して避雷装置の信頼性を高めるこ
とができ、かつ避雷装置の設計裕度を向上させることが
できるようなギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子を提供
することである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、送電線路とアースとの間に接続され、かつ
アークホーンと並列に設置されている送電線用ギャップ
形避雷装置の限流要素部に使用される酸化亜鉛素子であ
って、少なくとも酸化ビスマスを含有し、比誘電率が60
0以上でありかつ1mA/cm2と10μA/cm2とにおける制限電
圧比V1mA/V10μAを1.4以上、2.0以下としたことを特徴
とする、ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子に係るもの
である。
アークホーンと並列に設置されている送電線用ギャップ
形避雷装置の限流要素部に使用される酸化亜鉛素子であ
って、少なくとも酸化ビスマスを含有し、比誘電率が60
0以上でありかつ1mA/cm2と10μA/cm2とにおける制限電
圧比V1mA/V10μAを1.4以上、2.0以下としたことを特徴
とする、ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子に係るもの
である。
(作 用) 本発明においては、従来と異なり、比誘電率を600以
上(好ましくは850以上)としているので、雷サージに
対して、図面に示す直列ギャップ4のフラッシュオーバ
ー電圧を低減できる。即ち、従来よりも低い雷サージ電
圧に対しても直列ギャップ4で閃絡する。従って、従来
はアークホーン1でのフラッシュオーバー電圧よりも直
列ギャップ4のフラッシュオーバー電圧の方が高い場合
や、あるいは両者の差が比較的小さい(例えば1.22倍以
下)ために信頼性が低かったような場合にも、本発明に
よる酸化亜鉛素子を用いれば直列ギャップ4で確実に閃
絡できるため、避雷装置の信頼性が高く、設計裕度が大
きい。酸化亜鉛素子の1MHzにおける比誘電率が600未満
であると、直列ギャップ4での分担電圧が低下するた
め、避雷器の構造が大型となり、避雷器の信頼性も劣
る。
上(好ましくは850以上)としているので、雷サージに
対して、図面に示す直列ギャップ4のフラッシュオーバ
ー電圧を低減できる。即ち、従来よりも低い雷サージ電
圧に対しても直列ギャップ4で閃絡する。従って、従来
はアークホーン1でのフラッシュオーバー電圧よりも直
列ギャップ4のフラッシュオーバー電圧の方が高い場合
や、あるいは両者の差が比較的小さい(例えば1.22倍以
下)ために信頼性が低かったような場合にも、本発明に
よる酸化亜鉛素子を用いれば直列ギャップ4で確実に閃
絡できるため、避雷装置の信頼性が高く、設計裕度が大
きい。酸化亜鉛素子の1MHzにおける比誘電率が600未満
であると、直列ギャップ4での分担電圧が低下するた
め、避雷器の構造が大型となり、避雷器の信頼性も劣
る。
しかも、本発明では、酸化亜鉛素子の1mA/cm2と10μA
/cm2とにおける制限電圧比V1mA/V10μAを1.4以上、2.0
以下(好ましくは1.6以上、1.9以下)としたことが極め
て重要である。
/cm2とにおける制限電圧比V1mA/V10μAを1.4以上、2.0
以下(好ましくは1.6以上、1.9以下)としたことが極め
て重要である。
即ち、従来は、1mA/cm2〜10μA/cm2の間を非常に平坦
(電圧非直線性が良好)にすることが一般的に行われて
いた。
(電圧非直線性が良好)にすることが一般的に行われて
いた。
これに対し、本発明では、従来の常識とは全く逆に、
1mA/cm2と10μA/cm2における制限電圧非を1.4以上と大
きくしたことが特徴であり、これにより小電流領域で電
流を流れ易くし、落雷時に確実に直列ギャップ部側で閃
絡させ、アークホーンとの絶縁協調を良好とすることが
できる。しかも、上記の制限電圧比V1mA/110μAを2.0
以下としているので、続流遮断性を良好とできる。
1mA/cm2と10μA/cm2における制限電圧非を1.4以上と大
きくしたことが特徴であり、これにより小電流領域で電
流を流れ易くし、落雷時に確実に直列ギャップ部側で閃
絡させ、アークホーンとの絶縁協調を良好とすることが
できる。しかも、上記の制限電圧比V1mA/110μAを2.0
以下としているので、続流遮断性を良好とできる。
仮に、この制限電圧比V1mA/V10μAを1.4未満とする
と、直列ギャップ部におけるフラッシュオーバー電圧が
上昇して使用困難となり、2.0を超えると続流遮断性が
低下した。
と、直列ギャップ部におけるフラッシュオーバー電圧が
上昇して使用困難となり、2.0を超えると続流遮断性が
低下した。
(実施例) 酸化亜鉛素子を製造するには、所定の粒度に調整した
酸化亜鉛原料と所定の粒度に調整した酸化ビスマス、酸
化コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化クロ
ム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化銀、酸化ホウ素等
よりなる添加物の所定量を混合する、なお、この場合酸
化銀、酸化ホウ素の代わりに硝酸銀、ホウ酸を用いても
よい。好ましくは銀を含むホウケイ酸ビスマスガラスを
用いるとよい。これら原料粉末に対して所定量のポリビ
ニルアルコール水溶液等を加え、好ましくはディスパー
ミルにより混合した後、好ましくはスプレードライヤに
より造粒して造粒物を得る。造粒後、成形圧力800〜100
0kg/cm2の下で所定の形状に成形する。そして成形体を
昇降温速度30〜70℃/hrで800〜1000℃、保持時間1〜5
時間という条件で仮焼成する。
酸化亜鉛原料と所定の粒度に調整した酸化ビスマス、酸
化コバルト、酸化マンガン、酸化アンチモン、酸化クロ
ム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化銀、酸化ホウ素等
よりなる添加物の所定量を混合する、なお、この場合酸
化銀、酸化ホウ素の代わりに硝酸銀、ホウ酸を用いても
よい。好ましくは銀を含むホウケイ酸ビスマスガラスを
用いるとよい。これら原料粉末に対して所定量のポリビ
ニルアルコール水溶液等を加え、好ましくはディスパー
ミルにより混合した後、好ましくはスプレードライヤに
より造粒して造粒物を得る。造粒後、成形圧力800〜100
0kg/cm2の下で所定の形状に成形する。そして成形体を
昇降温速度30〜70℃/hrで800〜1000℃、保持時間1〜5
時間という条件で仮焼成する。
なお、仮焼成の前に成形体を昇降温速度10〜100℃/hr
で400〜600℃、保持時間1〜10時間で加熱し結合剤を飛
散除去することが好ましい。これを脱脂体という。
で400〜600℃、保持時間1〜10時間で加熱し結合剤を飛
散除去することが好ましい。これを脱脂体という。
次に、仮焼成した仮焼体の側面に側面高抵抗層を形成
する。酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化ケイ素等の
所定量に有機結合剤としてエチルセルロース、ブチルカ
ルビトール、酢酸nブチル等を加えた側面高抵抗層用混
合物ペーストを、60〜300μmの厚さに仮焼体の側面に
塗布する。なお、前記混合物ペーストは成形体または脱
脂体に塗布してもよい。次に、これを昇降温速度40〜60
℃/hr,1000〜1300℃好ましくは1100〜1250℃、保持時間
3〜7時間という条件で本焼成する。
する。酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化ケイ素等の
所定量に有機結合剤としてエチルセルロース、ブチルカ
ルビトール、酢酸nブチル等を加えた側面高抵抗層用混
合物ペーストを、60〜300μmの厚さに仮焼体の側面に
塗布する。なお、前記混合物ペーストは成形体または脱
脂体に塗布してもよい。次に、これを昇降温速度40〜60
℃/hr,1000〜1300℃好ましくは1100〜1250℃、保持時間
3〜7時間という条件で本焼成する。
なお、ガラス粉末に有機結合剤としてエチルセルロー
ス、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を加えたガラ
スペーストを、前記の側面高抵抗層上に100〜300μmの
厚さに塗布し、空気中で昇降温速度100〜200℃/hr、500
〜900℃、保持時間0.5〜10時間という条件で熱処理する
ことにより、ガラス層の形成を同時に実施することも可
能である。
ス、ブチルカルビトール、酢酸nブチル等を加えたガラ
スペーストを、前記の側面高抵抗層上に100〜300μmの
厚さに塗布し、空気中で昇降温速度100〜200℃/hr、500
〜900℃、保持時間0.5〜10時間という条件で熱処理する
ことにより、ガラス層の形成を同時に実施することも可
能である。
その後、得られた酸化亜鉛素子の両端面をSiC,Al2O3,
ダイヤモンド等の#400〜#2000相当の研磨剤により水
または油を使用して研磨する。
ダイヤモンド等の#400〜#2000相当の研磨剤により水
または油を使用して研磨する。
次に研磨面を洗浄後、研磨した両端面に例えばアルミ
ニウム等によって電極を例えば溶射により設けて酸化亜
鉛素子を得ている。
ニウム等によって電極を例えば溶射により設けて酸化亜
鉛素子を得ている。
本発明に係る酸化亜鉛素子を得るためには、次のよう
にする。
にする。
即ち、酸化亜鉛素子の比誘電率を600以上とするに
は、本焼成後の酸化亜鉛粒子の粒間層及び3重点に生成
するBi2O3,Zn7Sb2O12,Zn2SiO4結晶を減少させる方法が
ある。このためには、原料混合物に添加するBi2O3,Sb2O
3,SiO2の添加量を減らすことが考えられる。また、更に
は、原料混合物中へと所定量のBi2O3粉末、Sb2O3粉末を
混合し、本焼成時に粒間層のBi2O3,Sb2O3を飛散除去す
ることが有効である。具体的には、1100〜1250℃で焼成
する際に、窯内を100〜700Torrに減圧して上記Bi2O3,Sb
2O3を飛散させる。
は、本焼成後の酸化亜鉛粒子の粒間層及び3重点に生成
するBi2O3,Zn7Sb2O12,Zn2SiO4結晶を減少させる方法が
ある。このためには、原料混合物に添加するBi2O3,Sb2O
3,SiO2の添加量を減らすことが考えられる。また、更に
は、原料混合物中へと所定量のBi2O3粉末、Sb2O3粉末を
混合し、本焼成時に粒間層のBi2O3,Sb2O3を飛散除去す
ることが有効である。具体的には、1100〜1250℃で焼成
する際に、窯内を100〜700Torrに減圧して上記Bi2O3,Sb
2O3を飛散させる。
また、酸化亜鉛素子の比誘電率を600以上にする方法
として、所定粒径の高誘電率結晶(酸化チタンのルチル
結晶、BaTiO3結晶、PbTiO3結晶又は(SrTiO3結晶)を原
料粉末中に混合する方法がある。この際、これらの結晶
の平均粒径は2μm以上とし、他の添加物とは異なり、
粉砕せずに原料中に添加し、ディスパーミルで混合する
だけにする。
として、所定粒径の高誘電率結晶(酸化チタンのルチル
結晶、BaTiO3結晶、PbTiO3結晶又は(SrTiO3結晶)を原
料粉末中に混合する方法がある。この際、これらの結晶
の平均粒径は2μm以上とし、他の添加物とは異なり、
粉砕せずに原料中に添加し、ディスパーミルで混合する
だけにする。
一方、酸化亜鉛素子のV1mA/V10μAを1.4〜2.0とする
には、原料混合物中にアルミニウム等の3価の金属の化
合物を添加する。この場合、3価の金属の化合物として
はAl(NO3)3等が好ましく、この添加量は、0.005〜0.
08モル%とする。更に、上記の制限電圧比(V1mA/V10μ
A)を制御する方法として、本焼成後、500〜900℃で、
好ましくは酸化雰囲気下に熱処理を行い、酸化亜鉛素子
の粒界にある酸化ビスマス結晶相をγ相化する方法があ
る。
には、原料混合物中にアルミニウム等の3価の金属の化
合物を添加する。この場合、3価の金属の化合物として
はAl(NO3)3等が好ましく、この添加量は、0.005〜0.
08モル%とする。更に、上記の制限電圧比(V1mA/V10μ
A)を制御する方法として、本焼成後、500〜900℃で、
好ましくは酸化雰囲気下に熱処理を行い、酸化亜鉛素子
の粒界にある酸化ビスマス結晶相をγ相化する方法があ
る。
以下、実際に本発明範囲内および範囲外の酸化亜鉛素
子について各種特性を測定した結果について説明する。
子について各種特性を測定した結果について説明する。
実施例1 Bi2O3 0.3〜2.5モル%、Co2O3 1.0モル%、MnO2 0.5
モル%、Sb2O3 1.0モル%、Cr2O3 0.5モル%、NiO 1.0
モル%、SiO2 1.0モル%、Al(NO3)3 0.005〜0.1モル
%および残部が上記酸化亜鉛原料からなるように酸化亜
鉛原料と添加物を混合し、ホウケイ酸ビスマスガラスを
外配で0.1wt%添加し、前記したように仮焼成、側面高
抵抗層の形成、本焼成を行い、表に示す各電圧非直線抵
抗体を作成した(径47mm、高さ22.5mm、バリスター電圧
V1A=6.2KV)。
モル%、Sb2O3 1.0モル%、Cr2O3 0.5モル%、NiO 1.0
モル%、SiO2 1.0モル%、Al(NO3)3 0.005〜0.1モル
%および残部が上記酸化亜鉛原料からなるように酸化亜
鉛原料と添加物を混合し、ホウケイ酸ビスマスガラスを
外配で0.1wt%添加し、前記したように仮焼成、側面高
抵抗層の形成、本焼成を行い、表に示す各電圧非直線抵
抗体を作成した(径47mm、高さ22.5mm、バリスター電圧
V1A=6.2KV)。
但し、酸化亜鉛素子の比誘電率を変更するため、Bi2O
3の添加量と本焼成時の窯内圧力を種々変更した。ま
た、制限電圧比V1mA/V10μAを変更するため、Al(N
O3)3の添加量を種々変更し、また本焼成後に500〜900
℃で酸化雰囲気下に熱処理を行った。
3の添加量と本焼成時の窯内圧力を種々変更した。ま
た、制限電圧比V1mA/V10μAを変更するため、Al(N
O3)3の添加量を種々変更し、また本焼成後に500〜900
℃で酸化雰囲気下に熱処理を行った。
こうして得た各酸化亜鉛素子につき、比誘電率、絶縁
協調試験におけるフラッシュオーバー電圧、雷サージ印
加後のV1A変化率ΔV1A、平坦率(V40KA/V1A)及び続流
遮断試験におけるアーク消孤時間(サイクル)を測定し
た。この測定結果を表に示す。
協調試験におけるフラッシュオーバー電圧、雷サージ印
加後のV1A変化率ΔV1A、平坦率(V40KA/V1A)及び続流
遮断試験におけるアーク消孤時間(サイクル)を測定し
た。この測定結果を表に示す。
比誘電率においてはJIS K6911の試験規格に従い測定
し、1×103Hzの周波数時の値を示した。
し、1×103Hzの周波数時の値を示した。
絶縁協調試験については、直列ギャップ4の間隔を65
0mmとし、両端にインパルス電圧を印加し、直列ギャッ
プで閃絡が発生するインパルス電圧を測定した。表の値
はn=10の平均値である。アークホーンで閃絡すると、
避雷機能が動作しないため不可である。
0mmとし、両端にインパルス電圧を印加し、直列ギャッ
プで閃絡が発生するインパルス電圧を測定した。表の値
はn=10の平均値である。アークホーンで閃絡すると、
避雷機能が動作しないため不可である。
雷サージ印加後のV1A変化率ΔV1Aは、n=50の試験体
を準備し、4/10μsの波形で120KAのインパルス電流を
印加した時の印加前後のV1Aの変化率を測定した。
を準備し、4/10μsの波形で120KAのインパルス電流を
印加した時の印加前後のV1Aの変化率を測定した。
続流遮断試験については、上記のV1A=6.2KVの各酸化
亜鉛素子を限流要素部3(図面参照)に20個連結し、直
列ギャップ長を650mmとし、両端に交流電圧を印加した
上でインパルス電圧を印加し、限流要素部3及び直列ギ
ャップ4に1Aの続流を流したとき、この続流が遮断され
るまでの時間(アーク消孤時間:サイクル)を測定し
た。
亜鉛素子を限流要素部3(図面参照)に20個連結し、直
列ギャップ長を650mmとし、両端に交流電圧を印加した
上でインパルス電圧を印加し、限流要素部3及び直列ギ
ャップ4に1Aの続流を流したとき、この続流が遮断され
るまでの時間(アーク消孤時間:サイクル)を測定し
た。
表に示すように、本発明に従って比誘電率とV1mA/V10
μAとを限定することにより、フラッシュオーバー電圧
を低くでき、アーク消孤時間を短くでき、しかもΔ
V1A、平坦率ともに低減できることが解る。特にアーク
消孤時間が1/4サイクル以下となると、変圧器の遮断器
を動作させないのは勿論の事、コンピュータ等の応答性
の極めて速い計器の誤動作をも防止することができる。
μAとを限定することにより、フラッシュオーバー電圧
を低くでき、アーク消孤時間を短くでき、しかもΔ
V1A、平坦率ともに低減できることが解る。特にアーク
消孤時間が1/4サイクル以下となると、変圧器の遮断器
を動作させないのは勿論の事、コンピュータ等の応答性
の極めて速い計器の誤動作をも防止することができる。
(発明の効果) 本発明に係るギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子によ
れば、素子の比誘電率を600以上としているので、直列
ギャップの分担するフラッシュオーバー電圧を小さくで
きる。そして、1mA/cm2と10μA/cm2とにおける制限電圧
比V1mA/V10μAを1.4以上としたので、小電流領域で電
流を流れ易くでき、上記した比誘電率の限定と相まっ
て、落雷時に確実に直列ギャップ部側で閃絡させ、アー
クホーンとの絶縁協調を良好とすることができる。従っ
て、ギャップ形避雷装置の信頼性を高め、その設計裕度
を向上させることができる。
れば、素子の比誘電率を600以上としているので、直列
ギャップの分担するフラッシュオーバー電圧を小さくで
きる。そして、1mA/cm2と10μA/cm2とにおける制限電圧
比V1mA/V10μAを1.4以上としたので、小電流領域で電
流を流れ易くでき、上記した比誘電率の限定と相まっ
て、落雷時に確実に直列ギャップ部側で閃絡させ、アー
クホーンとの絶縁協調を良好とすることができる。従っ
て、ギャップ形避雷装置の信頼性を高め、その設計裕度
を向上させることができる。
更に、上記の制限電圧比V1mA/V10μAを2.0以下とし
ているので、続流遮断性をも良好とできる。
ているので、続流遮断性をも良好とできる。
第1図はアークホーンにギャップ形避雷装置を取り付け
た状態を示す模式図である。 1……アークホーン、2……碍子装置 3……限流要素部、4……直列ギャップ
た状態を示す模式図である。 1……アークホーン、2……碍子装置 3……限流要素部、4……直列ギャップ
Claims (1)
- 【請求項1】送電線路とアースとの間に接続され、かつ
アークホーンと並列に設置されている送電線用ギャップ
形避雷装置の限流要素部に使用される酸化亜鉛素子であ
って、少なくとも酸化ビスマスを含有し、比誘電率が60
0以上でありかつ1mA/cm2と10μA/cm2とにおける制限電
圧比V1mA/V10μAを1.4以上、2.0以下としたことを特徴
とする、ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2049628A JP2719023B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2049628A JP2719023B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | ギャップ形避雷装置用酸化亜鉛素子 |
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JPH03254087A JPH03254087A (ja) | 1991-11-13 |
JP2719023B2 true JP2719023B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
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Family Applications (1)
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JPS524096A (en) * | 1975-06-23 | 1977-01-12 | Gen Electric | Method of manufacturing thickkfilm varistor |
JPS6047387A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-14 | 菅野 健雄 | 避雷器放電間隙用間隔子 |
-
1990
- 1990-03-02 JP JP2049628A patent/JP2719023B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS524096A (en) * | 1975-06-23 | 1977-01-12 | Gen Electric | Method of manufacturing thickkfilm varistor |
JPS6047387A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-14 | 菅野 健雄 | 避雷器放電間隙用間隔子 |
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Publication number | Publication date |
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JPH03254087A (ja) | 1991-11-13 |
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