JP2516531B2 - バリスタ、サ―ジ吸収素子、保護膜の形成方法、並びにホウケイ酸ビスマス系ガラス組成物 - Google Patents

バリスタ、サ―ジ吸収素子、保護膜の形成方法、並びにホウケイ酸ビスマス系ガラス組成物

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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電圧非直線特性を備
えた焼結体からなるバリスタ、上記焼結体と放電間隙と
の並列接続構造を備えたサージ吸収素子、上記焼結体の
表面を被覆する保護膜の形成方法、並びに該保護膜を構
成するホウケイ酸ビスマス(B23−SiO2−Bi2
3−ZnO)系ガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子回路に加わる過渡的な異常電
圧や誘導雷等のサージから電子回路素子を保護するた
め、電圧非直線特性を備えた焼結体よりなるバリスタ
や、電圧非直線特性を備えた焼結体と放電間隙との並列
接続構造を備えたサージ吸収素子を、被保護電子回路に
対して並列に接続することが行われている。上記バリス
タは、主成分である酸化亜鉛等に少量の金属酸化物を添
加して形成した、電圧非直線特性を有する焼結体の両面
に電極を形成し、該電極にそれぞれリード線を接続して
合成樹脂等よりなる外装を施した構成となっている。ま
た、上記サージ吸収素子は、上記電圧非直線特性を有す
る焼結体の両面に、一対の放電電極を所定の放電間隙を
隔てて対向するように接続し、これらを放電ガスと共に
気密容器内に封入した構成となっている。
【0003】上記バリスタにサージが印加された場合に
は、上記焼結体が直ちに導通してサージの吸収がなされ
る。また、上記サージ吸収素子にサージが印加された場
合には、まず応答性に優れた上記焼結体が瞬時に導通し
てサージ吸収が開始され、該焼結体による電圧降下がサ
ージ電流量の増加に伴い上記放電電極間の放電開始電圧
以上となった時点で、上記放電間隙に主放電たるアーク
放電が生成して大きなサージが吸収される。
【0004】ところで、上記バリスタやサージ吸収素子
によるサージ吸収時には、上記焼結体の表面に沿面放電
が発生し、該沿面放電によって素子の表面が高温となっ
て金属化する、いわゆる還元現象が生ずるおそれがあっ
た。そして、この素子表面が金属化することで、電圧非
直線係数及び制限電圧が変動してサージ吸収特性が不安
定となり、ついには電極間が短絡するという危険性があ
った。また、上記サージ吸収素子によるサージ吸収時に
は、上記沿面放電による還元現象の他に、アーク放電に
よるスパークによって、より激しい焼結体の表面劣化が
生じるという問題があった。そこで、従来は、上記焼結
体の表面にビスマスガラスよりなる保護膜を形成し、そ
の沿面放電の防止や、アーク放電によるスパークから焼
結体を保護することがなされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保護膜を構成するビスマスガラスは、その耐久性が十分
ではないため、サージの繰り返し印加による劣化(電圧
非直線係数の低下)が著しく、したがってバリスタやサ
ージ吸収素子の寿命も短くならざるを得ない点で不満が
残るものであった。
【0006】本発明は、上記従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、上記焼結体の表面を被覆する保護膜の
組成を改良することにより、サージの繰り返し印加に対
する耐久性を高め、もってバリスタやサージ吸収素子の
寿命特性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るバリスタは、酸化亜鉛(ZnO)を主
成分とする電圧非直線特性を備えた焼結体の両面に電極
を形成すると共に、該焼結体の表面を保護膜によって被
覆したバリスタにおいて、上記保護膜を非晶質のホウケ
イ酸ビスマス(B23−SiO2−Bi23−ZnO)
系ガラスで構成した。
【0008】また、本発明に係るサージ吸収素子は、酸
化亜鉛(ZnO)を主成分とする電圧非直線特性を備え
た焼結体の両面に、一対の放電電極を所定の放電間隙を
隔てて対向するように接続すると共に、上記焼結体の表
面に保護膜を形成し、これらを所定の放電ガスと共に気
密容器内に封入してなるサージ吸収素子において、上記
保護膜を非晶質のホウケイ酸ビスマス(B23−SiO
2−Bi23−ZnO)系ガラスで構成した。
【0009】上記保護膜は、上記焼結体の表面に、ホウ
ケイ酸ビスマス(B23−SiO2−Bi23−Zn
O)系ガラス成分80重量%と、石油系溶剤18重量%
と、セルロース系またはアクリル系の樹脂2重量%とか
らなるペーストを塗布し、これを上記溶剤を除去し得る
に十分高温で、且つ上記ガラス成分の結晶化温度よりも
低温の温度で焼付けることによって形成される。
【0010】上記非晶質のホウケイ酸ビスマス(B23
−SiO2−Bi23−ZnO)系ガラスは、具体的に
は、酸化ホウ素(B23)を4〜25重量%、酸化ケイ
素(SiO2)を1〜25重量%、酸化ビスマス(Bi2
3)を40〜92重量%、酸化亜鉛(ZnO)を3〜
25重量%含有してなるものである。このホウケイ酸ビ
スマス系ガラスは、酸化アルミニウム(Al23)、酸
化ジルコニウム(ZrO2)、酸化カルシウム(Ca
O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化バリウム(B
aO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム
(Na2O)、酸化カリウム(K2O)よりなる群から選
定される一種以上の物質を、合わせて15重量%以下の
割合で含むものであってもよい。
【0011】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明に係るバリスタ2を示す概略断
面図である。該バリスタ2は、酸化亜鉛(ZnO)を主
成分とし、電圧非直線特性を備えた略円板状の第1の焼
結体4の相対向する両面全域に、それぞれ電極6,6を
形成し、更に該電極6,6によって覆われていない部分
の表面に、耐熱性及び耐還元性を備えた第1の保護膜8
を形成すると共に、上記電極6,6にリード線10,10を
接続し、これに合成樹脂よりなる外装12を施した構造と
なっている。
【0012】上記第1の保護膜8は、非晶質のホウケイ
酸ビスマス(B23−SiO2−Bi23−ZnO)系
ガラスによって構成されている。より詳しくは、酸化ホ
ウ素(B23)を4〜25重量%、酸化ケイ素(SiO
2)を1〜25重量%、酸化ビスマス(Bi23)を4
0〜92重量%、酸化亜鉛(ZnO)を3〜25重量%
を含有してなるホウケイ酸ビスマス系ガラスによって構
成されている。このホウケイ酸ビスマス系ガラスは、さ
らに、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグ
ネシウム(MgO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リ
チウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化
カリウム(K2O)よりなる群から選定される一種以上
の物質を、合わせて15重量%以下の割合で含むもので
あってもよい。
【0013】つぎに、上記バリスタ2の製造方法につい
て説明する。まず、酸化亜鉛粉末を主成分とし、これに
他の金属酸化物粉末などを添加したものを、圧縮成形し
た後に焼成し、電圧非直線特性を備えた第1の焼結体4
を形成する。そして、この第1の焼結体4の相対向する
両面全域に、それぞれ銀ペースト等を塗布した後に焼成
して電極6,6を形成する。さらに、上記第1の焼結体
4における、電極6,6によって覆われていない部分の
表面に、ホウ素(B23)4〜25重量%、酸化ケイ素
(SiO2)1〜25重量%、酸化ビスマス(Bi
23)40〜92重量%、酸化亜鉛(ZnO)3〜25
重量%を含有するホウケイ酸ビスマス系ガラス成分80
重量%と、石油系溶剤18重量%と、セルロース系また
はアクリル系の樹脂2重量%からなるペーストを塗布し
た後に、これを上記溶剤を除去し得るに十分高温で、且
つ上記ホウケイ酸ビスマス系ガラスの結晶化温度よりも
低温である450゜C〜750゜Cの範囲の温度で焼付
けて、上記第1の保護膜8を形成する。最後に、上記電
極6,6にリード線10,10をハンダや導電接着剤等によ
って接続し、これを溶融した樹脂材中に漬けて上記外装
12を施すことによって、バリスタ2が完成する。
【0014】つぎに、図2に基づいて、上記バリスタ2
を構成する第1の保護膜8の具体的な効能について説明
する。図2のグラフは、バリスタ2(第1の焼結体4の
直径:14mm)に所定のサージ(ピーク電流値:10
00A,波形:8/20μs)を断続的に印加した場合
における電圧非直線特性の劣化を示したものであり、縦
軸に電圧非直線係数(いわゆるα値)を、また横軸にサ
ージの印加回数を表わしている。また、図中の曲線
(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ組成の異
なるホウケイ酸ビスマス系ガラスによって形成した第1
の保護膜8を備えた、本発明に係るバリスタ2の値を示
している。また、曲線(e)は、従来のビスマスガラス
によって形成した保護膜を備えたバリスタの値を示して
おり、本発明との比較のために記載した。さらに、曲線
(f)は、保護膜を備えないバリスタの値を示してい
る。上記(a)〜(e)に係る保護膜の、具体的な成分
等を以下の表1に示す。
【表1】 (a) (b) (c) (d) (e) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− B23 15 14 20 20 なし SiO2 4 7 10 10 4 Bi23 78 68 55 50 80 ZnO 3 8 10 10 10 Al23 なし 3 5 5 なし Na2O なし なし なし 5 なし 膨張係数 93 84 65 72 95 (×10-7/゜C) ガラス点移転 396 437 486 475 453 (゜C) 作業温度 520 580 688 675 600 (゜C)
【0015】図2から明らかなように、保護膜が一切な
い(f)の場合には、わずか1〜2回のサージ印加によ
ってα値が急激に低下する。また、従来のビスマスガラ
スで保護膜を形成した(e)の場合には、数回のサージ
印加によってα値が急激に低下を始める。これに対し、
本発明に係るホウケイ酸ビスマス系ガラスで保護膜を形
成した(a)〜(d)の場合には、(e)に比べてはる
かに良好な耐サージ特性を発揮し得るものである。
【0016】つぎに、図3の概略断面図に基づいて、本
発明に係るサージ吸収素子20について説明する。このサ
ージ吸収素子20は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、
電圧非直線特性を有する第2の焼結体22と、該第2の焼
結体22の両面に接続された一対の放電電極24,24と、上
記第2の焼結体22の側周面を被覆する第2の保護膜26
と、これらを収納する上下両端が開口した円筒状の外囲
器28と、上記放電電極24,24に接続され、上記外囲器28
の開口部を封止する一対のキャップ部材30,30と、該キ
ャップ部材30,30から導出されたリード線32,32とを有
してなる。上記放電電極24,24の先端部間には、放電間
隙34が形成され、この結果、上記電圧非直線特性を備え
た第2の焼結体22と放電間隙34との並列接続構造が実現
する。
【0017】上記第2の焼結体22は、酸化亜鉛粉末を主
成分とし、これに他の金属酸化物などを添加して圧縮焼
成して円柱状に形成したものである。上記放電電極24,
24は、Fe,Ni,Fe・Niなどの放電特性の良好な
金属によって構成され、その表面には放電特性を向上さ
せるため、LaB6等のエミッタ材がコーティングされ
ている。これら放電電極24,24と第2の焼結体22とは、
導電性接着剤等によって固着される。また、上記キャッ
プ部材30,30も、Fe,Ni,Fe・Niなどの導電材
によって構成され、溶接等の手段によって上記放電電極
24,24に固着される。上記外囲器28は、セラミックチュ
ーブ等の絶縁材によって構成される。上記外囲器28内の
放電空間には、He,Ne,Xe,Ar等の希ガスや窒
素ガス等の不活性ガスを主体とした放電ガスが充填され
る。上記キャップ部材30,30と外囲器28とは、封着材に
よって気密に封着される。
【0018】上記第2の保護膜26は、上記第1の保護膜
8と同様に、非晶質のホウケイ酸ビスマス(B23−S
iO2−Bi23−ZnO)系ガラスによって構成され
ている。より詳しくは、酸化ホウ素(B23)を4〜2
5重量%、酸化ケイ素(SiO2)を1〜25重量%、
酸化ビスマス(Bi23)を40〜92重量%、酸化亜
鉛(ZnO)を3〜25重量%を含有してなるホウケイ
酸ビスマス系ガラスによって構成されている。このホウ
ケイ酸ビスマス系ガラスは、さらに、酸化アルミニウム
(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化カ
ルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸
化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸
化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)より
なる群から選定される一種以上の物質を、合わせて15
重量%以下の割合で含むものであってもよい。
【0019】上記第2の保護膜26は、上記第1の保護膜
8と同様の方法によって形成される。すなわち、上記第
2の焼結体22の側周面に、ホウ素(B23)4〜25重
量%、酸化ケイ素(SiO2)1〜25重量%、酸化ビ
スマス(Bi23)40〜92重量%、酸化亜鉛(Zn
O)3〜25重量%を含有するホウケイ酸ビスマス系ガ
ラス成分80重量%と、石油系溶剤18重量%と、セル
ロース系またはアクリル系の樹脂2重量%からなるペー
ストを塗布した後に、これを上記溶剤を除去し得るに十
分高温で、且つ上記ホウケイ酸ビスマス系ガラスの結晶
化温度よりも低温である450゜C〜750゜Cの範囲
の温度で焼付けて、上記第2の保護膜26を形成する。
【0020】上記サージ吸収素子20は、図示は省略する
が、上記リード線32,32を介して、電子機器内の電子回
路に通じる電源ラインや通信ライン間に、電子回路に対
して並列に接続される。しかして、上記ラインにサージ
吸収素子20の定格電圧(すなわち第2の焼結体22のバリ
スタ電圧)以上のサージが印加されると、まず上記第2
の焼結体22に即座に通電してサージ吸収が開始される。
そして、サージ電流量の増加に伴い、第2の焼結体22に
よる電圧降下が上記放電電極24,24間の放電開始電圧を
越えると、上記放電間隙34にグロー放電を経て主放電た
るアーク放電が生成し、大きなサージが吸収される。
【0021】このサージ吸収素子20は、放電間隙34(ガ
スアレスタ)と電圧非直線特性を有する第2の焼結体22
(バリスタ)とを並列接続して一体化した構成を有する
ため、放電遅れ時間が大きいというガスアレスタの欠点
と、電流耐量が小さいというバリスタの欠点とを相補
い、即応性と大電流耐量性とを併せ持つ、優れたサージ
吸収特性を発揮し得るものである。
【0022】つぎに、図4に基づいて、上記サージ吸収
素子20に係る第2の保護膜26の具体的な効能について説
明する。図4のグラフは、上記図2と同様に、縦軸に電
圧非直線係数(いわゆるα値)を、また横軸にサージの
印加回数を表わしたものであり、サージ吸収素子20(第
2の焼結体22の直径:3mm)に、所定のサージ(ピー
ク電流値:1000A,波形:8/20μs)を断続的
に印加した場合における電圧非直線特性の劣化の程度を
示している。また、図中の曲線(a)、(b)、
(c)、(d)は、それぞれ成分の異なるホウケイ酸ビ
スマス系ガラスによって形成した第2の保護膜26を備え
た、本発明に係るサージ吸収素子20の値を示している。
また、曲線(e)は、従来のビスマスガラスによって形
成した保護膜を備えたサージ吸収素子の値を示してい
る。さらに、曲線(f)は、保護膜を備えないサージ吸
収素子の値を示している。上記(a)〜(e)に係る第
2の保護膜26の具体的な成分等は、上記表1に示したも
のと同様である。
【0023】図4から明らかなように、(a)〜(d)
は、図2における(a)〜(d)に比較して、はるかに
優れた耐サージ特性を発揮し得るものであり、特に
(d)の場合には1万回近いサージ印加に耐え得るもの
となる。これは、上記サージ吸収素子20にあっては、放
電間隙34との並列接続構造を備えており、サージの大部
分は放電間隙34におけるアーク放電を通じて吸収される
ため、第2の焼結体22自体の寿命特性が向上するためで
ある。これに対し、(e)及び(f)が、図2の場合に
比べてわずかしか寿命特性が向上していないのは、アー
ク放電の激しいスパークによる劣化によって相殺されて
しまうためである。このことから、本発明に係るホウケ
イ酸ビスマス系ガラスによって第2の保護膜26を構成し
た場合には、従来に比べて耐アーク放電特性が著しく向
上することがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係るバリスタは、焼結体の表面
を非晶質のホウケイ酸ビスマス系ガラスからなる保護膜
で被覆するよう構成したため、耐サージ印加特性が高ま
り、その寿命特性が向上する。
【0025】また、本発明に係るサージ吸収素子は、焼
結体の表面を非晶質のホウケイ酸ビスマス系ガラスから
なる保護膜で被覆するよう構成したため、耐サージ印加
特性及び耐アーク放電特性が高まり、その寿命特性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバリスタを示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明に係るバリスタの寿命特性を示すグラフ
である。
【図3】本発明に係るサージ吸収素子を示す概略断面図
である。
【図4】本発明に係るサージ吸収素子の寿命特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
2 バリスタ 4 焼結体 6 電極 8 保護膜 20 サージ吸収素子 22 焼結体 24 放電電極 26 保護膜 28 外囲器 34 放電間隙

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする電圧
    非直線特性を備えた焼結体の両面に電極を形成すると共
    に、該焼結体の表面を保護膜によって被覆したバリスタ
    において、上記保護膜を非晶質のホウケイ酸ビスマス
    (B23−SiO2−Bi23−ZnO)系ガラスで構
    成したことを特徴とするバリスタ。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする電圧
    非直線特性を備えた焼結体の両面に、一対の放電電極を
    所定の放電間隙を隔てて対向するように接続すると共
    に、上記焼結体の表面に保護膜を形成し、これらを所定
    の放電ガスと共に気密容器内に封入してなるサージ吸収
    素子において、上記保護膜を非晶質のホウケイ酸ビスマ
    ス(B23−SiO2−Bi23−ZnO)系ガラスで
    構成したことを特徴とするサージ吸収素子。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする電圧
    非直線特性を備えた焼結体の表面に、ホウケイ酸ビスマ
    ス(B23−SiO2−Bi23−ZnO)系ガラス成
    分80重量%と、石油系溶剤18重量%と、セルロース
    系またはアクリル系の樹脂2重量%とからなるペースト
    を塗布し、これを上記溶剤を除去し得るに十分高温で、
    且つ上記ガラス成分の結晶化温度よりも低温の温度で焼
    付けることを特徴とする保護膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 酸化ホウ素(B23)を4〜25重量
    %、酸化ケイ素(SiO2)を1〜25重量%、酸化ビ
    スマス(Bi23)を40〜92重量%、酸化亜鉛(Z
    nO)を3〜25重量%含有してなることを特徴とす
    る、非晶質のホウケイ酸ビスマス系ガラス組成物。
  5. 【請求項5】 酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジ
    ルコニウム(ZrO2)、酸化カルシウム(CaO)、
    酸化マグネシウム(MgO)、酸化バリウム(Ba
    O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(N
    2O)、酸化カリウム(K2O)よりなる群から選定さ
    れる一種以上の物質を、合わせて15重量%以下の割合
    で含むことを特徴とする、請求項4に記載の非晶質のホ
    ウケイ酸ビスマス系ガラス組成物。
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