JP2003226953A - 焼結部材や複合部材等への溶射皮膜の形成方法および溶射皮膜被覆部材 - Google Patents

焼結部材や複合部材等への溶射皮膜の形成方法および溶射皮膜被覆部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結部材、炭素繊維強化炭素複合部材および
セラミックス系複合部材に対し、溶射法によって直接緻
密で密着性に優れた酸化物系セラミックス皮膜を形成す
る技術を提供する。 【解決手段】 焼結部材、炭素繊維強化炭素複合部材お
よびセラミックス系複合部材を、50〜700hPaの不活性ガ
ス減圧雰囲気中においてあらかじめ200℃〜900℃に予熱
し、その後、同じ雰囲気中でプラズマ溶射法により直
接、その複合部材表面に酸化物系セラミックスを被覆
し、皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼結部材や複合部
材等への溶射皮膜形成方法および溶射皮膜被覆部材に関
するものである。とくに、本発明は、焼結炭素部材や窒化
物、棚化物および酸化物を主成分とする焼結部材や炭素
繊維強化炭素複合部材あるいはセラミックス系複合部材
への酸化物溶射皮膜形成技術についての提案である。
【0002】
【従来の技術】焼結炭素部材は、軽量で化学的・熱的安
定性に優れるとともに、非金属でありながら熱や電気伝
導性に優れているため、各種のロール類、金属およびガラ
ス質の溶解用坩堝、電解用電極などの多くの分野で賞用
されている。とくに、炭素マトリックス中に炭素繊維を
分散させてなる複合部材(Carbon/Carbon Compositeと
呼ばれる炭素繊維強化炭素複合体、以下単に「C/Cコンポ
ジット」と称す)は、その優れた特性(整形性や機械的
性質)から、テニスラケット、ゴルフ用品、釣竿などのス
ポーツ・レジャー用品部材として、また航空機・ロケツト
などの飛昇体用構造部材として好適に用いられている。
【0003】また、各種セラミックスのマトリックス中
に他のセラミックスの微粒子やウイスカーあるいは繊維
で強化した複合材料(セラミックスをマトリックスとし
た複合材料 Ceramic Matrix Composite、以下単に「CM
C」と称す)は、前記焼結炭素部材やC/Cコンポジットだ
けでは不充分であった耐摩耗性を向上できることから、
有望な軽量・高強度・高靭性材料として期待されている。
【0004】一方、工業材料としては、近年、用途や使
用条件、目的等によって、耐熱性、耐摩耗性、耐食性、電気
絶縁性など、さらなる性能が要求されるため、上掲の焼
結炭素部材、C/CコンポジットやCMCなどの複合材料がも
つ基本的な性質だけでは対応できなくなっているのが実
情である。
【0005】そのため、こうした焼結部材や複合材料に
ついては、従来より上述した部材の表面に、電気めっき
法やCVD法、PVD法などによって金属皮膜を形成し、それ
ぞれの性能を向上させる対策が施されている。例えば、
金属皮膜形成方法については、炭素部材に金属皮膜を形
成する方法(特開昭60-221591号公報、特開平5-70268号公
報)や、金属溶射皮膜を施工した後、さらにこれをSi拡散
浸透処理する方法(特開平8-209328号公報)などが開示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術による知見では、炭素や窒素などの焼結部材、C/Cコン
ポジットやCMCなどの複合部材に対し、溶射法によって
直接、緻密で高密着性の酸化物系セラミックスの皮膜を
形成する方法は知られていない。なお、溶射法として
は、溶射プロセスの熱源として炭化水素/酸素の燃焼エ
ネルギーを用いるフレーム溶射法、およびプラズマ熱源
を用いるプラズマ溶射法などが知られているが、前者の
方法は、熱源温度が低いために、高融点の酸化物系セラ
ミック粒子の溶融が不十分となり、良質な溶射皮膜が形
成できず、また後者の方法は、セラミック粒子の溶融は
可能であり成膜できるが、従来技術によって形成した皮
膜はいずれも、多孔質で密着性に乏しく、実用に耐えら
れないという問題点があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、従来技術が抱え
ている上述した実情に鑑み、炭素などの焼結部材、C/Cコ
ンポジットやCMCなどの複合部材に対し、溶射法によって
直接、緻密で密着性に優れた酸化物系セラミックスの溶
射皮膜を形成する技術を提供するものである。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明では、焼結部材、C
/CコンポジットやCMC部材などの複合に対し、次のような
手段を採用することによって、緻密で高い密着力を有す
る酸化物系セラミックスの溶射皮膜を被覆形成すること
に成功した。
【0009】すなわち、本発明は、焼結部材、炭素系複
合部材およびセラミックス系複合部材のいずれか1つの
基材を、不活性ガス減圧雰囲気中で200℃〜900℃の温度
域に予熱し、その後、同じ雰囲気中でプラズマ溶射法に
より直接、その複合部材の表面に酸化物を被覆して、皮
膜を形成することを特徴とする焼結部材や複合部材等へ
の溶射皮膜の形成方法である
【0010】また、本発明において焼結部材、炭素系複
合部材およびセラミックス系複合部材のいずれか1つの
基材の予熱は、Ar、He、NeおよびKrの中から選ばれるい
ずれか一種以上の不活性ガス下で、50〜700hPaの減圧雰
囲気中で200〜900℃、5分以上保持して行なうことが好
ましく、そして前記酸化物が、MgO、ZrO2、Y2O3、Al
2O3、TiO2、SiO2、CaO、Cr2O3およびCeO2のうちから選
ばれる1種以上の酸化物系セラミックスであることが好
ましい。
【0011】また、本発明は、焼結部材、炭素系複合部
材およびセラミックス系複合部材のいずれか1つの基材
表面に、厚さ30〜2000μmの単層もしくは複層のMgO、Zr
O2、Y 2O3、Al2O3、TiO2、SiO2、CaO、Cr2O3およびCeO2
のうちから選ばれる1種以上の酸化物系セラミックスの
溶射皮膜を有することを特徴とする溶射皮膜被覆部材を
提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について焼結炭素部
材、C/CコンポジットおよびCMCなどの複合部材の例につ
き、それらの表面に酸化物系セラミックスの溶射皮膜を
被覆形成する方法およびその作用機構について説明す
る。 (1)従来溶射技術による酸化物系セラミックス皮膜の
形成と本発明との関係について 従来の溶射プロセスは、被溶射体の表面を予めブラスト
処理して粗面化し、その後、溶射粒子を吹き付け、その
投錨効果によって溶射皮膜と被溶射体との界面を物理的
に結合させる方法である。しかし、これらの従来溶射プ
ロセスは、被溶射体が金属質であることを前提としてい
るため、熱膨張係数の小さい酸化物系セラミックスを直
接、該金属質被溶射体の表面に吹き付けると、セラミッ
クの溶射粒子が冷却する際に、両者間に大きな剪断応力
を発生する。そのため、基材表面をブラスト処理してい
ても溶射皮膜が界面から剥離したり、剥離しないまでも
その密着力が極めて小さいものになってしまう。そのた
め、酸化物系セラミックスを溶射して成膜するには、一般
に、ブラスト処理を行った金属質被溶射体の表面に、あ
らかじめ金属質のアンダーコート(ボンドコートとも呼
ぶ)を施工し、その上にセラミックスを溶射することに
より、前記剪断応力の緩和を図っているのである。
【0013】しかしながら、この従来技術を利用して、
焼結炭素部材、C/CコンポジットおよびCMCなどの複合部
材の表面に直接、酸化物系セラミックスを被覆する方法
には、次のような技術的課題が残されていた。
【0014】a) ブラスト処理の実施 焼結炭素部材の表面をブラスト処理すること自体は可能
である。しかし、たとえ部材表面がブラスト処理により
粗面化できたとしても、焼結部材というのは、前記金属
材料と比較するとぜい弱であるため、溶融した酸化物系
セラミックス粒子の投錨効果が弱く、密着性の良好な皮
膜の形成ができない。また、C/CコンポジットおよびCMC
の複合部材については、ブラスト処理を行なうと、高強
度・高靭特性をもつフイラーや繊維が傷ついたり破断し、
またこれらの部材の使用時において、部材の破壊を誘発
する切欠けなどが発生する要因となることから、ブラス
ト処理の実施はできるだけ避けることが望ましい。
【0015】b) 金属質アンダーコートの施工 そこで、従来のように、焼結部材や複合部材の表面に予
め金属質アンダーコートを施工することは、酸化物系セ
ラミック皮膜の形成には好都合であるが、焼結炭素部材、
C/CコンポジットおよびCMC複合部材の使用条件が、アン
ダーコート金属の機械的性質や化学的性質に支配されて
しまい(例えば高温環境では酸化・高温腐食によって消
耗)、これらの部材自体のもつ特性が利用できないとい
う問題点がある。
【0016】c) 直接酸化物系セラミック皮膜の施工 従来技術では、焼結炭素部材、C/CコンポジットおよびCM
Cなどの複合部材に対し、直接、優れた性質を有する酸化
物系セラミックス皮膜を形成する方法は知られていな
い。
【0017】このような現状に対し、本発明では、ブラ
スト処理を省略するか、ブラスト処理を行った場合でも
軽いものとして、フイラーや繊維を傷付けることなく、
そして予め部材表面を予熱して吸着水分を除去するとと
もに、被溶射体表面の化学的活性度を向上させ、さらに
は不活性ガスの減圧雰囲気中でプラズマ溶射するという
方法を採用することによって、本発明の目的を達成した。
以下に、本発明について、その作用機構を説明する。
【0018】(2) 本発明で採用した溶射被覆処理につ
いて 本発明では、焼結炭素部材、C/CコンポジットおよびCMCな
どの複合部材などの被溶射体を、あらかじめ予熱するこ
とが肝要である。この予熱処理によって、これらの被溶
射体中の微細な空孔、フイラーや繊維の重ね部に存在す
る水分を除くことができる。これらの空孔や空隙部に
は、空気中の水分が凝縮しやすく、凝縮した水分は溶射
皮膜の施工時に水蒸気となって皮膜の接合を妨げる要因
となるため除去することが必要である。
【0019】たとえば、焼結炭素部材などは、空気中の
水分(水蒸気)を取り込み易く、一旦水分が付着すると、
非常に除去し難い。そのため、これらの吸着水分および
凝縮水分を除去するためには、不活性ガスの減圧雰囲気
中で、200℃以上、900℃未満の温度で加熱することが好
ましい。この処理は、空気中で行なうと被溶射体が酸化
され、CO2やCOなどの発生を伴って表面から消耗して初
期の寸法・形状を維持できない。しかし、この処理を不
活性ガスの減圧中で行なうと、これらの現象は非常に少
ないという利点がある。なお、予熱温度が200℃より低い
場合には、被処理体からの吸着水分の除去と表面の活性
化が十分でなく、一方900℃より高い場合には、予熱の効
果が格段に優れることがないうえ、高温化に伴う被処理
体の物性値の変化が大きくなるおそれがあるので得策で
ない。
【0020】不活性ガスとしては、He、Ar、NeおよびKrな
どの中から選ばれる1種もしくは複数の混合ガスが適し
ており、また、減圧条件としては、これらの不活性ガス
の50hPa〜700hPaが適している。それは、減圧が50hPa以
下では、水分の蒸発を促進させる効果はあるものの、減
圧に要する時間が長くなったり、また大容量の真空ポン
プを必要とするなど生産時間の延長や設備投資の増額を
招くなどの問題が生じ、一方、700hPa以上では、吸着水
分の蒸発速度が遅くなったり、次工程の酸化物系セラミ
ックスの溶射条件が、さらに低圧である場合(例えば50
〜100hPa)に雰囲気の調整に長時間を必要とし、好まし
くないからである。
【0021】次に、本発明では、このように被処理体を
予熱した不活性ガスの減圧雰囲気を利用し、これと同じ
環境中で酸化物系セラミックスをプラズマ溶射する。プ
ラズマ作動ガスとしては、Ar単体でもよいが、融点の高
い酸化物(例えば、ZrO2(融点2900℃)など)を溶射する
場合には、プラズマジェットの熱量を上げるため、Arや
HeにH2を混合したものであってもよい。
【0022】本発明において、部材表面に溶射する酸化
物としては、MgO、ZrO2、Y2O3、Al2O3、TiO2、SiO2、CaO、Cr
2O3およびCeO2の中から選ばれる、酸化物系セラミック
スの単体、もしくは2種以上の共晶体、混合物、複合体
(例えば、3Al2O3・2SiO2、ZrSiO4、CaO・ZrO2、Y2O3・ZrO2、Y
2O3・CeO-ZrO2、2CaO・SiO2-CaO・SiO2など)などを用いる
ことができる。これらは、酸化物系セラミックス単体が
保有する欠点、たとえばZrO2のように、高温・冷却過程
において結晶型が、単斜晶系、正方晶系、立方晶系に変
化し、これに伴う4〜7%もの体積変化により自らが崩壊
してしまうような現象を、CaOおよびY2O3の添加によっ
て防ぐことができる点で好ましい材料である。
【0023】こうして得られる酸化物系セラミックス溶
射皮膜の層厚としては、30μm〜2000μmの範囲が好適で
ある。この理由は、30μmより薄いと膜厚が不均等とな
り易く一方、2000μm以上の厚みになると、厚すぎて剥
離しやすくなるので適当でない。
【0024】なお、酸化物系セラミックス層の形成は、
単一酸化物層の場合はもちろん、用途によって異種の酸
化物セラミックスを複層に成膜することも可能であり、
単層のみに限定するものではない。
【0025】
【実施例】(実施例1)この実施例では、市販の焼結炭素
部材、C/CコンポジットあるいはSiC繊維を主要構造体と
するCMCの複合部材を被溶射体として、高速フレーム溶射
法、大気プラズマ溶射法、および減圧プラズマ溶射法によ
って、Al2O3−40mass%TiO2粉末の皮膜を200μm厚に形成
し、作製した皮膜の形成状況、およびJIS H8666規定に
基づく加熱・冷却の繰返し試験による皮膜の密着性を目
視観察した。
【0026】表1は、以上の試験結果を要約したもので
ある。この結果から明らかなように、高速フレーム溶射
法では、Al2O3−40mass%TiO2皮膜が形成されないばかり
か(No.l、4、7)、被溶射体の表面がブラスト処理的な様
相を呈し、C/Cコンポジット、CMCの各基材については、フ
イラーや繊維が切断したり、破損する現象が認められた。
【0027】
【表1】
【0028】これに対し、熱源温度の高い大気プラズマ
溶射法では、Al2O3-TiO2皮膜が形成されたものの、密着
力に乏しい傾向が見られる(No.2、5、8)。一方、減圧プラ
ズマ溶射法では、溶射環境の影響を受けて水分の除去や
予熱作用が加味されるため、外観状から見ても良好なAl2
O3-TiO2皮膜が形成され、またこれらの皮膜が良好な密着
性を維持しているのが認められた(No.3、6、9)。
【0029】(実施例2)この実施例では、実施例1で用
いた3種類のCMC基材の表面上に、プラズマ溶射法によっ
て直接、300μm厚のAl2O3皮膜を形成した後、皮膜の密着
力を測定した。測定試験は、JIS H8666規定の引張り試験
方法に基づいて実施したが、被処理体の予熱温度は450
〜500℃、減圧中の溶射雰囲気はAr100〜200hPaとした。
【0030】表2は、以上の結果を要約したものである。
被処理体の予熱を行うと、大気中で溶射した場合におい
ても皮膜の密着性は向上するが(No.2、5、8)、減圧中で
予熱した後、その減圧雰囲気を利用して成膜すると、さら
に皮膜の密着力は向上し、また皮膜も緻密であった。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例3) この実施例では、C/Cコン
ポジットおよびCMCの各機材表面に対し、Ar減圧中におい
て被溶射体の予熱(Ar300hPa、500℃)を行った後、直ちに
その雰囲気を利用して、TiO2、Y2O3、8mass%Y2O3-ZrO2、3
Al2O3-2SiO2およびZrSiO4の各種の酸化物系セラミック
スをプラズマ溶射法によって100μm厚に成膜した。これ
らの皮膜は、いずれも緻密であるとともに、被溶射体に
対して8N/mm2以上の密着力を示した。
【0033】さらに、前記の各皮膜上に、下記〜に
示すように異質な酸化物系セラミックス皮膜を積層(50
μm)させたが、この皮膜も良好な密着性を示し、JIS H866
6規定に基づいて450℃×10分の加熱と室内温度に放冷す
る熱衝撃試験を行っても皮膜の剥離は認められなかっ
た。 TiO2 100μm/Y2O3 50μm Al2O3 100μm/Y2O3 50μm 3Al2O3-2SiO2 100μm/ZrSiO4 50μm (第一層セラミックス層/第二層セラミックス層)
【0034】(実施例4)この実施例では、焼結炭素、C/C
コンポジットおよびCMCの試験片(寸法:幅20mm×長さ50
mm×厚さ10mm)に対して、Arガスの200hPa中で400℃×15
分間予熱した後、Arガスの圧力を50hPaとし、プラズマ溶
射法によってAl2O3皮膜を200μm厚に形成した。このAl2O
3皮膜の体積固有抵抗を測定したところ、供試被溶射体と
もに1×10 -14Ω・cmの高い抵抗値を示し、該皮膜が、電気
抵抗の小さい炭素および炭素系複合部表面に対して、電
気絶縁抵抗膜として利用できることが判明した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、焼結部材、C/Cコン
ポジットやCMCなどの複合部材に対し、不活性ガスの減
圧雰囲気中で予熱して水分を除去するとともに、その表
面を活性化した後、かかる不活性ガスの減圧雰囲気中で
プラズマ溶射することによって、従来技術が抱える不都
合を招くことなく酸化物系セラミックスを直接成膜する
ことが可能となった。このため、焼結部材やC/Cコンポジ
ットあるいはCMC複合部材のもつ有用な特性をそのまま
利用できるとともに、さらには酸化物系セラミックス皮
膜の特性を複合化して新しい用途の開拓が可能になるも
のと思われる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/87 C23C 4/02 C23C 4/02 A01K 87/00 630Z (72)発明者 高畠 剛 兵庫県神戸市東灘区深江北町4丁目13番4 号 トーカロ株式会社内 Fターム(参考) 2B019 AB51 AC00 2C002 AA02 AA03 AA04 AA05 MM02 MM04 MM06 MM07 PP04 4K031 AA08 AB02 AB03 AB08 AB11 CB08 CB09 CB14 CB18 CB42 DA01 DA04 EA10 EA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結部材、炭素系複合部材およびセラミ
    ックス系複合部材のいずれか1つの基材を、不活性ガス
    減圧雰囲気中で200℃〜900℃の温度域に予熱し、その
    後、同じ雰囲気中でプラズマ溶射法により直接、その複
    合部材の表面に酸化物を被覆して、皮膜を形成すること
    を特徴とする焼結部材や複合部材等への溶射皮膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化物が、MgO、ZrO2、Y2O3、Al
    2O3、TiO2、SiO2、CaO、Cr2O3およびCeO2のうちから選
    ばれる1種以上の酸化物系セラミックスであることを特
    徴とする請求項1に記載の溶射皮膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 焼結部材、炭素系複合部材およびセラミ
    ックス系複合部材のいずれか1つの基材表面に、厚さ30
    〜2000μmの単層もしくは複層のMgO、ZrO2、Y 2O3、Al2O
    3、TiO2、SiO2、CaO、Cr2O3およびCeO2のうちから選ば
    れる1種以上の酸化物系セラミックスの溶射皮膜を有す
    ることを特徴とする溶射皮膜被覆部材。
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