JP2008308374A - 炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティング - Google Patents

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Abstract

【課題】 セラミックスのマトリックスを炭化ケイ素系繊維で強化した非酸化物セラミックスである炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料表面に酸化物セラミックスのトップコートを施した耐環境コーティングであって、複合材料表面に高温高圧含水蒸気環境下における耐性を付与し、複合材料の破壊強度を劣化させず、熱膨張率や他の特性の差異に拘わらず簡単に剥離しない耐環境コーティングを提供する。
【解決手段】 炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料で形成される基材1の表面に、アルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合体からなる中間層3を形成し、この中間層3の上に希土類ケイ酸塩層からなるトップコート2を施して、耐環境コーティングを構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非酸化物系セラミックス複合材料、特にガスタービンの高温作動ガス流路となる部材などに使用する炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の表面に施す、燃焼ガス環境での耐食性を付与した、耐環境コーティングに関する。
航空機、船舶、発電装置などに用いられるガスタービンは、高効率化、高出力化のためガスタービン燃焼ガスの高温高圧化、また低NOx化のためガスタービン燃焼ガスの水蒸気量の増加が趨勢となっている。
炭化ケイ素(SiC)系繊維を強化繊維とした繊維強化セラミックス複合材料は、1200℃以上の耐熱性を有し高い損傷許容性が期待できるため、高温化したガスタービンの高温部品用材料として有望視されている。
しかし、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料で製作した部品を用いたガスタービンについて長時間実証試験をしたところ、高温高圧かつ含水蒸気環境下にて、材料の酸化減肉が進行することが確認された。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は、水蒸気を含まない高温の酸化雰囲気中では、酸化ケイ素(SiO2)と炭酸ガス(CO2)が生成し、酸化ケイ素(SiO2)が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料表面に保護性酸化膜を形成して酸素を遮断するため、酸化の進行は阻止されるのに対して、水蒸気を含む高温の酸化雰囲気中では、生成したSiO2がガス中の水と反応して揮発性の高い水酸化ケイ素(Si(OH)4 )に変化して次々に揮散するため、浸食が継続する。
このため、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料をガスタービンなどに適用するには、高温高圧水蒸気に耐性のある耐環境コーティングの開発が必要とされる。耐環境コーティングは、水蒸気による減肉に対する耐性が強く、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材と強固に密着し、耐熱衝撃性が優れたものでなければならない。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の浸食を防止する耐環境コーティングとして、ジルコニアや希土類ケイ酸塩など酸化物系セラミックスが有力な候補となる。
RE2Si27またはRE2SiO5(式中のREは希土類元素)で表される希土類ケイ酸塩化合物は、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に近い熱膨張率を有すると共に、1600℃以上の高温域で構造的に安定であり、耐酸化性、耐食性を備え、ガスタービンなどの高温高速燃焼ガス気流中においても十分な耐久性を有する。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の表面に希土類ケイ酸塩化合物を主成分とする緻密なコーティングを被覆することにより、高温領域でも炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の特性を損なわず耐酸化性および耐食性を有するセラミックス複合材料となることが期待される。
しかし、酸化物系セラミックス材料をコーティングした炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料では、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料とコーティングの密着強度が高い場合、トップコートに発生した亀裂が基材である炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に伝播し、強度が低下する現象が見られる。
試験によると、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料をサンドブラストして表面をあらした場合とサンドブラストしない場合で炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料自体の強度は殆ど差がないにもかかわらず、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料表面をサンドブラストした上に大気プラズマ溶射法により耐環境コーティングを施して強い密着性を有するものの室温における強度が明らかに低下した一方、サンドブラストしないまま大気プラズマ溶射法により耐環境コーティングを施した密着性が弱いものでは強度が低下しないことが観測された。
ただし、この場合、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の破壊と共に耐環境コーティングの顕著な剥離が生じた。
耐環境コーティングとの密着性が良い方が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の強度が低下するのは、耐環境コーティングのトップコートに内在した亀裂、あるいは発生した亀裂が基材である炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に伝播し易く、伝播した亀裂が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の表面に応力集中を生じさせるノッチ効果が生じるためと考えられる。
したがって、耐環境コーティングは、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に近い熱膨張率を有すると共に、1600℃以上の高温域で構造的に安定であり、耐酸化性、耐食性を備えた十分緻密なトップコートと、トップコート及び炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材と良く密着し、しかもトップコートの亀裂が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材に伝播することを効果的に抑制する中間層を備えることが望まれる。
しかし、一般に密着強度の向上と亀裂伝播の抑制は相反する特性であるから、適当な材料あるいは構成を得ることは簡単でない。
非酸化物セラミックスの炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料表面にジルコニアや希土類ケイ酸塩など酸化物系セラミックスの耐環境コーティングを形成する場合、次のような問題がある。
(1)本質的には脆性な炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料上に、脆性材料である酸化物系セラミックスをコーティングするので、ノッチ効果によりコーティングが炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の破壊起点として大きな影響を与える可能性がある。
(2)反応性の乏しいセラミックス同士を結合するので、簡単に剥離する可能性がある。
(3)酸化物系セラミックスと非酸化物セラミックスは物性が異なるので、良好な結合性が期待できない。
これらの問題は、いずれも耐環境コーティングと炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の界面構造に帰納するもので、ガスタービンなどに使用する炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に適用する耐環境コーティングは、材料自体が高温高圧かつ含水蒸気環境下における耐性を備えるコーティング材料を見出すことに加えて、耐環境コーティングと炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の界面構造の最適化が重要になる。
本願発明者らは、耐環境コーティングとの界面構造最適化に関して鋭意研究を重ねて、耐水蒸気性に優れるトップコートと炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料との間の密着性および亀裂進展を抑制する性能を付与する中間層構造を見出すことができた。
特許文献1には、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料と類似の炭化ケイ素繊維焼結結合体の表面に希土類酸化物を主成分とする被覆層を形成したセラミックス複合材料が開示されている。特許文献1に開示されたセラミックス複合材料では、希土類酸化物を主成分とする層は、一般式RE2Si27またはRE2SiO5(式中のREは、Y,Yb,Er,Ho,Dyのいずれかの希土類元素)で表されるケイ酸塩化合物セラミックスからなり中間層となる第1層と、少なくとも1種の希土類酸化物を含む2種以上の金属の酸化物の共晶で形成されトップコートとなる第2層から構成される。
第1層に用いる希土類ケイ酸塩化合物は、基材である焼結炭化ケイ素繊維結合体に近い熱膨張率を有すると共に、1600℃以上の高温域で構造安定性、耐酸化性、耐食性を備えるものである。
なお、第2層は一般式RE3Al512またはRE2AlO3(式中のREは、Y,Yb,Er,Ho,Dy,Gd,Sm,Nd,Luのいずれかの希土類元素)で表される希土類酸化物セラミックスで置き換えることもできる。これら希土類酸化物セラミックスは、ガスタービンなどの高温高速燃焼ガス気流中においても十分な耐久性を有する。
また、第1層と第2層の積層界面を第1層から第2層組成に徐々に遷移する傾斜組成にすることが好ましい。
これら被覆層は、たとえば溶射法によって簡便に焼結炭化ケイ素繊維結合体に被覆一体化するように形成することができる。
本文献開示の被覆を施すことにより、基材の焼結炭化ケイ素繊維結合体の強度特性を損なうことなく、1600℃以上の高温で強度および耐熱性にすぐれ、高温下での酸化及び腐食に十分に耐え、長時間使用可能な高温構造部材を得ることができる。
この技術は炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料など炭化ケイ素/セラミックス複合材料にも適用できるが、第1層のセラミックスと基材のセラミックスを直接結合するので材料としての結合性は十分でなく、また脆性の強い被覆セラミックスが破壊起点となって複合材料としての強度を損ねる可能性が残る。
なお、特許文献2には、炭化ケイ素を含有する第1層と、一般式RE2Si27(式中のREは、Y,Yb,Er,Dyのいずかの希土類元素)で表される希土類ケイ酸塩化合物(ダイシリケート)を含有する第2層とを酸化ケイ素を含有する層で結合した積層セラミックスが開示されている。結合層は、酸化ケイ素層とムライト層やアルミナ層の多層構造を有するものであっても良いとされる。
窒化ケイ素(SiN)、サイアロン(Si−Al−O−N)、炭化ケイ素などの非酸化物セラミックスは、高温における耐熱性、耐熱衝撃性、耐クリープ特性など機械的特性が優れ、高温雰囲気に曝されるガスタービン用部品などの構造部材への適用が期待されているが、1500℃以上の温度では、酸化による劣化が問題になる。
そこで、高温強度に優れる炭化ケイ素を、高温での耐酸化性、耐食性が優れる酸化物系セラミックスで被覆することで、優れた構造用材料、特に高温ガスタービン用部材等を製造するための材料として利用することが期待される。
一般的な酸化物セラミックスは非酸化物セラミックスより熱膨張率が大きく、また他の特性も異なるため、両者を単純に積層して焼結しても、焼結−冷却過程で生じる残留応力により割れを生じるので、一体化は困難である。
そこで、特許文献2の発明者らは、上記希土類ケイ酸塩化合物(ダイシリケート)が耐酸化性に優れるとともに、炭化ケイ素に近い熱膨張率を持ち熱膨張挙動が類似していることを見出し、炭化ケイ素に上記ダイシリケートでコーティングする技術検討を行って、ダイシリケートと炭化ケイ素の間に酸化ケイ素層を介在させて加熱処理することにより両者の接着性を改善したものである。
特許文献2に開示された組合せにより、高温における強度および耐酸化性に優れた積層セラミックスが得られる。
しかし、開示技術は、コーティングを施工する対象基材として、本願発明が対象とする炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料よりも高温での耐久性が高い材料を対象としており、コーティングの施工時においては、高い密着性を確保するため、より高いプロセス温度で処理されるものである。また、開示技術において、第2層として基材と希土類ケイ酸塩化合物との中間に形成される酸化ケイ素層や酸化ケイ素とムライト層やアルミナ層との多層構造層は硬質な層であることから、亀裂伝播の抑制効果は期待できない。
さらに、特許文献3には、基材にシリコン含有セラミックス複合材料(CMC)、トップコートにムライト(3Al23−2SiO2)、中間層にCMCとムライトとの熱膨張率差を緩衝するムライト・アルミナ混合層、CMC直上に耐酸化層として金属シリコン(Si)および化学蒸着法によるCVD−炭化ケイ素の層を形成する構成が開示されている。この構成は、ガスタービンエンジンなどの高温酸化雰囲気中で高い耐性を有するとされている。
特許文献3に開示された構成では、耐酸化層として導入した金属Siが酸化して酸化ケイ素になるときに体積膨張するためコーティングが剥離することが問題となる。この対策として、トップコートを緻密化し、金属シリコンの酸化を防止することが要求されるが、緻密なトップコートを得るためにはより高温のプロセスが必要となるため、基材CMCの損傷を考慮するとトップコートの緻密化には限界がある。
なお、これら特許文献に記載された、トップコートと炭化ケイ素基材の間に介装される結合層は、互いに結合しにくいトップコートと基材を結合する機能に加えて、両者の熱膨張挙動の差を緩和する機能を備え、セラミックス複合材料を長寿命化する効果を有する。しかし、柔軟性が小さいのでトップコートで発生する亀裂が伝播するのを防ぐ機能は持たない。
特開2002−104892号公報 特開平11−12050号公報 米国特許公報US6,607,852B2
本発明が解決しようとする課題は、非酸化物セラミックスである炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の表面に施す耐環境コーティングであって、酸化物セラミックスをトップコートとして、高温高圧水蒸気に耐性がある耐環境コーティングを提供することである。また、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の破壊強度を劣化させず、熱膨張率や他の特性の差異に拘わらず簡単に剥離しない耐環境コーティングを提供することである。
上記課題を解決するため、セラミックスのマトリックスを炭化ケイ素系繊維で強化した炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に施す本発明の耐環境コーティングは、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材表面に形成されたアルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合物からなる中間層と、この中間層の上に形成された希土類ケイ酸塩層からなるトップコートで構成することを特徴とする。
ここで、マトリックスとなるセラミックスの材料に、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロンなどのケイ素系の非酸化物セラミックスを使用した場合ばかりでなく、アルミナなどを使用した場合にも同様の効果をもたらすことができる。
先に説明したとおり、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は高強度で靱性が高く耐熱性にも優れるが、水蒸気を含む燃焼ガス雰囲気で浸食が進む。そこで、このような雰囲気中でも構造が安定し耐酸化性、耐食性をもち、熱膨張率が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料と類似する希土類ケイ酸塩をトップコートとして被覆することにより、ガスタービンの高温構造部材などに使用できる複合材料が得られる。
しかし、セラミックス同士では反応性が乏しく、また炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料と酸化物セラミックスは物性が異り結合性が悪いので、簡単に剥離する可能性がある。またコーティングが炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の破壊起点として大きな影響を与える可能性がある。
本発明の耐環境コーティングは、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料とトップコートの間にアルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合物からなる中間層を介在させることにより、これらの問題を解消させたものである。
本発明の中間層は、結晶化ガラス成分を含んで炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料およびトップコートの希土類ケイ酸塩層のそれぞれに対して高い濡れ性を有するので、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料とトップコートの密着性が高まり良好な結合が保持される。また、中間層は高温での弾性率が小さい結晶化ガラス成分を含み応力緩和機能を有し、トップコートに発生する亀裂が中間層で中断され直接に基材の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に達することがないので、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の強度を低下させずに維持する。
さらに、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料とトップコートの物性の相違を中間層で緩和して、複合材料の強度特性に悪い影響を与えないようにすることができる。
また、BMASなどの結晶化ガラスの熱膨張率は、トップコートの希土類ケイ酸塩の熱膨張率と炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の熱膨張率の中間にあるので、希土類ケイ酸塩と適当な割合で混合することにより、トップコートと炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の間の熱膨張率差を緩和することができる。
なお、トップコートの希土類ケイ酸塩がルテチウムシリケートまたはイッテルビウムシリケートであって、中間層のアルミノシリケート系結晶化ガラスがBaO・MgO・Al23・SiO2(BMAS)またはSrO・Al23・SiO2(SAS)であり、また中間層の希土類ケイ酸塩がイッテルビウムシリケートであることが好ましい。
ここで、ルテチウムシリケートは、様々な結晶系のルテチウムモノシリケート(Lu2SiO5)もしくはルテチウムダイシリケート(Lu2Si27)を含む。
なお、本願発明に係るコーティング手法では、原料粉末としてルテチウムモノシリケート粉末のみ、もしくはルテチウムダイシリケート粉末のみを使用しても、ルテチウムモノシリケート相のみ、もしくはルテチウムダイシリケート相のみからなる物質を得ることは難しく、実質的には両相が混在した状態となる。
また、ここで、イッテルビウムシリケートは、様々な結晶系のイッテルビウムモノシリケート(Yb2SiO5)もしくはイッテルビウムダイシリケート(Yb2Si27)を含む。
本願発明に係るコーティング手法では、原料粉末としてイッテルビウムモノシリケート粉末のみ、もしくはイッテルビウムダイシリケート粉末のみを使用しても、イッテルビウムモノシリケート相のみ、もしくはイッテルビウムダイシリケート相のみからなる物質を得ることは難しく、実質的には両相が混在した状態となる。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の特性をよく補完するトップコートとして、構造安定性、耐酸化性、耐食性を備える希土類ケイ酸塩のなかでも、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料と物性、特に熱膨張率がよく近似するルテチウムシリケートあるいはイッテルビウムシリケートを適用することが好ましい。
こうして選択された具体的な炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料とトップコートの組合せに対する最適な中間層の構成として、発明者らによる研究の結果、BMASまたはSASとイッテルビウムシリケートを採用することにより、複合材料として良好な性能を発揮することを確認した。
なお、中間層のアルミノシリケート系結晶化ガラスの含有量は、中間層の材料に対して質量で20%ないし25%であることが好ましい。
結晶化ガラスの量が多すぎると、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料との密着性は良好でも高温雰囲気中で中間層が軟化し極端な場合には発泡して複合材料としての強度が低下する。一方、結晶化ガラスの量が少なすぎれば、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料との密着性が不足して中間層の性能が発揮されない。
試験の結果、ガラス成分は中間層材料に対して20〜25質量%で良好な性能が得られることが分かった。
また、中間層厚さは10μmないし30μmであることが好ましい。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の表面に形成される凹凸の深さは機械加工などにより比較的容易に数μm程度に管理することができる。そこで、中間層は炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の凹凸がトップコートに反映しないように、厚さ10μm以上に積層することが好ましい。一方、中間層には低融点成分が含まれるので、中間層が厚すぎないようにすることが望ましい。このため、中間層厚さを10μmないし30μmにすることが好ましい。
本発明の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングは、トップコートばかりでなく、ガラスを含む緻密な中間層で酸素や水蒸気を阻止して炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に到達しないようにするので、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の酸化減肉を効果的に防止することができる。
また、高温水蒸気による腐食に強い耐性を有する希土類ケイ酸塩で形成されたトップコートで被覆して炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の損傷を防止し高い耐熱性能と強度を維持すると共に、中間層に高温で軟化し室温でも弾性率が低い結晶化ガラス成分を含むため、トップコートに発生する亀裂が炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料に伝播するのを防いで複合材料として基材の強度と同じ水準の強度を保持させることができる。
なお、本発明の耐環境コーティングを施すことにより、マトリックスとなるセラミックスの材料が、炭化ケイ素や窒化ケイ素などのケイ素系の非酸化物セラミックスである場合ばかりでなく、サイアロンやアルミナなどを使用した場合にも同様の効果をもたらすことができる。
本発明の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングの製造方法は、まず、所定の形状をした炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料のコーティングする面を機械加工した材料と、中間層を構成する結晶化ガラス粉末と希土類ケイ酸塩粉末を粘度が高く揮発性を有する有機溶剤に所定の割合で混合懸濁したスラリーと、トップコート材料である希土類ケイ酸塩粉末のスラリーを用意する。
なお、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は、たとえば、化学気相含浸法を用いて表面に薄い炭素膜を形成しさらにその上にSiC膜を形成したSiC繊維で構成される織物に、マトリックスとしてポリマー含浸焼成法により炭化ケイ素の前駆ポリマーを含浸してセラミックス化することにより構成したものを使用することができる。
また、スラリーに懸濁させる結晶化ガラス粉末と希土類ケイ酸塩粉末は、重量比で結晶化ガラス1対希土類ケイ酸塩3ないし4とすることが好ましい。
なお、スラリー溶剤には、ポリビニルアルコールやαテルピネオールなど重い粉末が沈殿しにくい高粘度の有機溶媒を用いることが好ましい。
以下、1実施例に基づき、図表を用いて、本発明の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングの最良の形態について詳細に説明する。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は、高温における耐熱性、耐熱衝撃性、耐クリープ特性など機械的特性が優れるので、適当なコーティングを施すことにより、高温雰囲気に曝されるガスタービン用部品などの構造部材として優れた性能を発揮することが期待される。
図1は、本実施例における、炭化ケイ素などのセラミックスのマトリックスを炭化ケイ素系繊維で強化した炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングを概念的に示した断面図である。
基材1となる非酸化物セラミックスの炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は、たとえば、化学気相含浸法を用いて表面に厚さ数10nmの炭素膜を形成しさらにその上に厚さ1μmの炭化ケイ素膜を形成した炭化ケイ素繊維で構成された織物に、ポリマー含浸焼成法により炭化ケイ素などのセラミックスの前駆ポリマーを含浸し加熱してセラミックス化したものをマトリックスとした複合材料である。
トップコート2は、1600℃以上の高温域で構造的に安定し、耐酸化性、耐食性を備え、ガスタービンなどの高温高速燃焼ガス気流中においても十分な耐久性を有する酸化物セラミックスである。このような酸化物セラミックスにはジルコニア系複合酸化物や希土類ケイ酸塩複合酸化物などある。
特に、化学式:RE2Si27またはRE2SiO5(式中のREは希土類元素のLuまたはYb)で表される希土類ケイ酸塩化合物は、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の熱膨張率に類似した特性を有するため、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングのトップコートとしてよく適合する。
中間層3は、基材1とトップコート2の間にあって、結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合物で形成され、耐環境コーティングを形成する過程における熱処理時にガラス成分が一旦溶融する。ガラス成分が溶融したときに基材1とトップコート2に馴染んで固化したときの結合性が向上することから、基材1とトップコート2の結合を強固にする機能を備える。
なお、ガラス成分は冷却過程で不可逆的に結晶化し耐熱性が向上する。
また、結晶化しないで残ったガラス成分はトップコートや基材より柔軟性があるので、両者間に生じる応力を緩和しトップコート2に発生する亀裂が基材1に伝搬することを防ぐ機能を有する。
さらに、中間層3は緻密であるため酸素や水蒸気の浸透を防止する拡散バリアとしての機能を備える。また、溶融時に基材1の亀裂部分や空隙に侵入してその後固化することにより基材1の中間層結合部に形成される傾斜組成部11も、拡散バリア機能を強化する働きを有する。
トップコート2の希土類ケイ酸塩の熱膨張率が約2×10-6/K、基材1の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の熱膨張率が約3×10-6/Kであるのに対して、BMASなどの結晶化ガラスの熱膨張率は約4×10-6/Kであるので、中間層3において、結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩を適当な割合で混合した混合物を使用することにより、トップコート2と炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材1の間の熱膨張率差を緩和することができる。
特に、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の基材1に対して、トップコート2としてルテチウムシリケートまたはイッテルビウムシリケートの希土類ケイ酸塩を適用する場合は、中間層3として、BaO・MgO・Al23・SiO2(BMAS)またはSrO・Al23・SiO2(SAS)のアルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩のうちイッテルビウムシリケートの混合物を採用することが、耐環境コーティングに高い密着性、耐熱衝撃性、曲げ強度など必要な機能を持たせるために最適であることが分かった。
ここで、ルテチウムシリケートは、様々な結晶系のルテチウムモノシリケート(Lu2SiO5)もしくはルテチウムダイシリケート(Lu2Si27)を含む。なお、本願発明に係るコーティング手法では、原料粉末としてルテチウムモノシリケート粉末のみ、もしくはルテチウムダイシリケート粉末のみを使用しても、ルテチウムモノシリケート相のみ、もしくはルテチウムダイシリケート相のみからなる物質を得ることは難しく、実質的には両相が混在した状態となる。
また、ここで、イッテルビウムシリケートは、様々な結晶系のイッテルビウムモノシリケート(Yb2SiO5)もしくはイッテルビウムダイシリケート(Yb2Si27)を含む。本願発明に係るコーティング手法では、原料粉末としてイッテルビウムモノシリケート粉末のみ、もしくはイッテルビウムダイシリケート粉末のみを使用しても、イッテルビウムモノシリケート相のみ、もしくはイッテルビウムダイシリケート相のみからなる物質を得ることは難しく、実質的には両相が混在した状態となる。
本実施例の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングは、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の保護面を機械加工した基材1を準備し、保護面上に結晶化ガラス希土類ケイ酸塩混合物の原料を所定の厚さだけ堆積して焼成して中間層3とし、さらにトップコート2を堆積して焼成して完成する。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料は補強繊維とマトリックスが共に炭化ケイ素である複合材料で、たとえば、炭化ケイ素を紡糸して得た炭化ケイ素繊維の表面に、化学気相含浸法を用いて厚さ数10nmの薄い炭素膜と厚さ約1μmの薄い炭化ケイ素膜を順次形成して得た炭化ケイ素繊維で織物を構成し、マトリックスをポリマー含浸焼成法により炭化ケイ素の前駆ポリマーを含浸し加熱してセラミックス化したもので形成した複合材料である。
中間層3は、所定の厚さだけスラリースプレーコートし焼成して得る。
炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の基材1をホットプレートなどで約100℃程度に加熱して、加熱された基材1の処理面に中間層成分の粉末を有機溶剤に懸濁させたスラリーを吹き付けると、表面をスラリーが流れる前に溶剤が直ちに揮発して成分粉末のみが表面に残る。重量増加量を秤量器で測定して、中間層成分粉末が予め決めた面積密度になったら、焼成炉中で1350℃程度に加熱して焼成する。
中間層3を、BaO・MgO・Al23・SiO2(BMAS)またはSrO・Al23・SiO2(SAS)のアルミノシリケート系結晶化ガラスとイッテルビウムシリケートの混合物で形成する場合は、BMASやSASのガラスを粉砕した粉末と酸化ケイ素粉末と酸化イッテルビウム(Yb23)粉末を所定量ずつ混合した粉末を、有機溶剤中に懸濁させたスラリーを使う。
原料の粉末は比重が高いため沈殿しやすく、溶液中に沈殿するとスプレーするときに成分割合が変化することになるので、高粘度の溶媒を用いることが求められる。また、中間層中に不純な金属などが残留しないようにするには、有機化合物溶剤を使うことが望ましい。実際には、ポリビニルアルコールやαテルピネオールなどを用いることができる。
本実施例の方法は、気温などにより変化するスラリー粘度をシンナーで調整することでスラリー中の成分量が変化する場合にも、溶剤を除いた成分粉末の堆積量を直接的に測定するので、焼成後の中間層厚さを正確に管理することができる。
図2は、加熱した基材に中間層形成スラリーをスプレーし、溶剤が揮発除去されたときの、基材の単位面積当たり重量増加量と焼成後の中間層膜厚の関係を示すグラフである。実験には、BMASとYb2Si27の混合スラリーで、BMASの含量がBMASとYb2Si27の合計量に対して重量比で25%のスラリーを使用した。膜厚は、焼成後に走査電子顕微鏡(SEM)による断面写真を計測して求めたものである。
図から、単位面積あたりのコーティング粉末重量に対して焼成後の中間層膜厚が単調に増加することが分かる。したがって、コーティング粉末量を管理することにより、所望の膜厚にすることができる。
基材1表面を機械加工した場合、表面に数μmの凹凸が残る。したがって、機械加工面上に中間層を形成したときに中間層表面を平坦にするために中間層膜厚を10μm程度以上にすることが好ましい。しかし、中間層には低融点成分が含まれるため、厚すぎると高温雰囲気中で中間層が軟化して複合材料としての強度が低下する。
このため、中間層膜厚は10〜30μmが適当である。なお、基材1の表面粗度にしたがって、適正な膜厚が変化することはいうまでもない。
なお、トップコート2の密着性は、中間層3の組成と強い相関を有することが分かっている。
図3は、中間層中のガラス成分の割合を変えて基材1との密着性を評価した結果を示す表である。試験は中間層厚10μmで行った。
図3に示したとおり、BMASとYb2Si27の混合物(サンプル略号:BMAS/Yb2S)については、ガラス成分と希土類ケイ酸塩の和に対するガラス成分の重量が50〜20%では密着性が良好であるが、17%、13%では部分的に密着しない部分が生じて良好とはいえない。さらに、5%では、明らかに密着性が悪い。なお、ガラス成分50%では密着性は良いが、高温雰囲気下でガラス成分が発泡する現象が生じる。
したがって、ガラス成分が粉末全量に対して20〜25重量%程度になるようにしたものが、最も性能がよいことが分かった。
また、SASとイッテルビウムダイシリケート(Yb2Si27)の混合物(サンプル略号:SAS/Yb2S)と、SMAS(SrO・MgO・Al23・SiO2)とイッテルビウムダイシリケートの混合物(サンプル略号:SMAS/Yb2S)も、ガラス成分25重量%で基材との密着性が良好であった。ただし、基材強度が若干低下する現象が観察されている。
これらの結果から、結晶化ガラスとイッテルビウムダイシリケートの混合物については、20〜25重量%において、密着性が良好であることが分かった。
なお、BMASとルテチウムダイシリケート(Lu2Si27)の混合物(サンプル略号:BMAS/Lu2S)では、BMASとルテチウムダイシリケートが反応するためか、ガラス成分が25重量%と17重量%のときにも密着性が十分でなく、コーティング後の強度に低下が見られた。
基材1の上に形成された中間層3の上に、大気プラズマ溶射法(APS)あるいはスラリーディッピング焼成法によってトップコート2を被覆する。トップコートは、トップコートの性能が発揮できる程度に厚い必要があるが、基材の性能が隠れるほどに厚くてはならない。このため、膜厚が20〜1000μm程度になるようにする。
なお、中間層3に結晶化しないで残ったガラス成分は、トップコートを被覆する工程中に再び軟化するので、中間層3とトップコート2の間がよく融着して、高い結合が確保される。また、熱処理工程中にガラスの結晶化が進み、中間層3の強度も増加する。
なお、実際に、ルテチウムダイシリケート(Lu2Si27)粉末を溶射プラズマに混入して溶融し、基材表面に吹き付けて堆積させる大気プラズマ溶射法(APS)を使用し、溶射後にさらに不活性雰囲気中約1100℃で熱処理して、厚さ200μm程度のルテチウムダイシリケート(Lu2Si27)のトップコートを形成した。
また、イッテルビウムダイシリケート(Yb2Si27)トップコートを施したサンプルは、イッテルビウムダイシリケート(Yb2Si27)粉末を懸濁したスラリーに漬けてから焼成する方法により、層厚約20μmの表皮層を形成した。
なお、中間層3の材料は熱処理中に基材1に浸透し冷却過程で固化するので、基材1の中間層3と接する領域は、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料と中間層材料が混ざりあい、基材中の中間層成分の割合が接触面から離れるにしたがって薄くなる傾斜組成部11を形成して、両者間の高い結合性が確保できる。
図4と図5は、基材表面処理に対する密着性を比較する写真である。
表面処理状態が異なる炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料基材1に大気プラズマ溶射法(APS)によって厚さ200μmのルテチウムダイシリケート・トップコートを施し、密着性を比較した。
図4の写真は、基材1を砥石研削した機械加工面に直接トップコートを施した状態を撮影したもので、十分な密着性が得られないで、トップコートは至る所で剥離していることが分かる。
これに対して、図5の写真は、基材の機械加工面にSAS/Yb2Sの中間層を形成した上にトップコートを施した状態を示し、APSにより密着性の良好なトップコートを得ることができることが分かる。
また、基材に直接トップコートを施した耐環境コーティングと本実施例の中間層を備えた耐環境コーティングを、1300℃、全圧9.5atm、水蒸気分圧1.5atmの高温高圧水蒸気雰囲気に837時間暴露して、曲げ強さを比較した結果、暴露試験前のサンプルで4個の平均274.2MPa(レンジ49.1MPa)であったのに対して、中間層を付けず直接トップコートを施したサンプルでは4個の平均が205.4MPa(レンジ61.1MPa)と75%程度に低下したが、本実施例の耐環境コーティングでは平均が301.3MPa(レンジ24.4MPa)であった。
中間層がない従来型の耐環境コーティングでは、トップコートにより減肉はないが、内部酸化が進行して脆化するが、本実施例の耐環境コーティングでは基材の酸化を防止し初期強度を維持することができるからである。
図6に示した表は、本実施例により形成した耐環境コーティングのサンプルについて、曲げ試験と熱衝撃試験と密着性試験を行い、現行の商用ガスタービンに適用される耐熱コーティングと比較した結果である。
なお、それぞれのサンプルについて、熱衝撃試験後の状態を撮影した写真を図7〜11として添付した。
性能比較は、炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料にスラリースプレーコートし焼成してイッテルビウムダイシリケートとBMASまたはSAS結晶化ガラスの混合物でできる中間層を10μmの厚さだけ形成したものに、厚さ200μmのルテチウムダイシリケートまたは厚さ20μmのイッテルビウムダイシリケートのトップコートを形成した、都合4種類のサンプルについて行った。
中間層は、結晶化ガラス成分と希土類ケイ酸塩成分を合わせたものに対する結晶化ガラス成分の重量比はいずれも1:4、すなわち25重量%とし、中間層はスラリースプレーコートを形成して焼成することにより形成した。
サンプルには、トップコートの材料と中間層の結晶化ガラスを組み合わせに基づいて、A−Lu2S/BMAS、A−Lu2S/SAS、D−Yb2S/BMAS、D−Yb2S/SASというサンプル名を付して、簡単に区別できるようにした。
比較に用いたYSZ−TBCは、現行の商用ガスタービンに適用されているもので、インコネル耐熱超合金IN738に大気プラズマ法によりNiCoCrAlYのアンダーコートと200−300μmのY23−ZrO2のトップコートを形成したものである。
曲げ試験は、各サンプルについて3個の試料をとって曲げ強度を平均した値を、基材である炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の強度180MPaと比較した強度比で示した。
また、熱衝撃試験は、水素バーナーリグ試験装置を用いたもので、サンプルを水素バーナーから所定の距離に置いて加熱し、遮熱板で炎を遮断して熱負荷を急変させて、目視により剥離が生じたときの水素流量を比較する方法で行った。遮熱中にバーナーを調整して水素流量を増加させることにより熱負荷を漸増して試験する。水素流量の上限を220とし、上限値に達したら水素バーナーとサンプルの距離を縮めて同程度の熱負荷になる水素流量まで減らしてから、再度、水素流量を漸増していって剥離が生じるとき水素流量値と距離から熱衝撃耐性を評価する。また、バーナーとサンプル間の距離は最も近い場合で50mmとした。
また、トップコートと基材の密着性は目視で評価した。
曲げ試験の結果は、A−Lu2S/SASが耐環境コーティングを付与した結果若干強度が低下した他は、いずれのサンプルも基材の強度を維持している。
また、熱衝撃試験では、現行でガスタービンに使用されるYSZ−TBCでノズルサンプル間距離50mm、水素流量220において、図11に見られるような剥離ないしひび割れが観測された。
これに対して、A−Lu2S/SAS以外のサンプルについては、ノズルサンプル間距離50mm、水素流量220においても、図7、図9、図10に見られる通り、コーティングに明白な欠陥が生じず、現行YSZ−TBCと同等以上の性能があることが分かった。
ただし、A−Lu2S/SASではノズルサンプル間距離100mm、水素流量140において図8に見られるようにトップコートの剥離が生じて性能が劣ることが分かった。
さらに、トップコートと基材の間の密着性については、本実施例の耐環境コーティングシステムがいずれも現行YSZ−TBCより優れた性能を有することが分かった。
性能試験の結果から総合的に評価すると、A−Lu2S/BMASが特に優れており、これに次ぐものとしてD−Yb2S/SASがあることが分かる。また、D−Yb2S/BMASは現行のYSZ−TBCと同等の性能が期待され、さらに4つのサンプルのうちでは最も劣るA−Lu2S/SASでも、密着性など、少なくとも一部の性能が優れていて、適用先によっては現行品より優れた性能を発揮することが期待できる。
本発明の1実施例に係る炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティングを概念的に示す断面図である。 本実施例において基材の単位面積当たり重量増加量と焼成後の中間層膜厚の関係を示すグラフである。 本実施例において中間層の組成と基材との密着性の関係を示す表である。 基材の機械加工面に直接トップコートを施した状態を示す写真である。 基材の機械加工面に形成した中間層の上からトップコートを施した状態を示す写真である。 本実施例の耐環境コーティングの性能を比較した表である。 本実施例の第1の耐環境コーティングについて熱衝撃試験をした後の状態を示す写真である。 本実施例の第2の耐環境コーティングについて熱衝撃試験をした後の状態を示す写真である。 本実施例の第3の耐環境コーティングについて熱衝撃試験をした後の状態を示す写真である。 本実施例の第4の耐環境コーティングについて熱衝撃試験をした後の状態を示す写真である。 現行の耐環境コーティングについて熱衝撃試験をした後の状態を示す写真である。
符号の説明
1 基材
11 傾斜組成部
2 トップコート
3 中間層

Claims (3)

  1. セラミックスのマトリックスを炭化ケイ素系繊維で強化した炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料を基材とし、該基材表面にアルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合体からなる中間層を備え、該中間層の上にトップコートとして希土類ケイ酸塩層が設けられたことを特徴とする炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティング。
  2. 前記トップコートの希土類ケイ酸塩がルテチウムシリケートまたはイッテルビウムシリケートであって、前記中間層のアルミノシリケート系結晶化ガラスと希土類ケイ酸塩の混合体がBaO・MgO・Al23・SiO2またはSrO・Al23・SiO2からなる結晶化ガラスとイッテルビウムシリケートの混合体であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティング。
  3. 前記中間層は、厚みが10μmないし30μmであってアルミノシリケート系結晶化ガラスの含有量が質量で20%ないし25%であることを特徴とする請求項2記載の炭化ケイ素系繊維強化セラミックス複合材料の耐環境コーティング。
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