JP2003226515A - シリカ及びその製造方法 - Google Patents

シリカ及びその製造方法

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JP2003226515A
JP2003226515A JP2002343282A JP2002343282A JP2003226515A JP 2003226515 A JP2003226515 A JP 2003226515A JP 2002343282 A JP2002343282 A JP 2002343282A JP 2002343282 A JP2002343282 A JP 2002343282A JP 2003226515 A JP2003226515 A JP 2003226515A
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Hiroshi Mori
寛 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細孔容積及び比表面積が大きく、制御された
細孔特性を有し、不要な金+属不純物の含有量が少な
く、且つ耐熱性や耐水性等にも優れたシリカを提供す
る。 【解決手段】 以下の特性を備えるようにする。 (a)細孔容積が1.6ml/gより大きく、3ml/
g以下 (b)比表面積が100〜1000m2/g (c)最頻細孔直径(Dmax)が5nm以上 (d)固体Si−NMRでのQ4/Q3値が1.2以上 (d)非結晶質であること (f)金属不純物の含有量が100ppm以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシリカ及び
その製造方法に関する。詳しくは、耐水熱性に優れ、シ
ャープな細孔径の分布特性を有し、且つ、比較的大きな
細孔容積を有する、新規なポーラス状シリカ及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリカは、古くから乾燥剤として広く用
いられてきたポーラス材料であるが、最近ではその用途
が触媒担体,分離剤,吸着剤等へと広がっており、こう
した用途の広がりに応じて、シリカの性能に対する要求
も多様化している。シリカの性能は、シリカの表面積、
細孔径、細孔容積、細孔径分布等の物性によって決定さ
れるが、これらの物性はシリカの製造条件によって大き
く影響される。
【0003】「シリカ」とは、無水ケイ酸と含水ケイ酸
の両方を示す。例えば無水ケイ酸としては、石英、トリ
ディマイト、クリストバル石、コーサイト、スティショ
フ石、石英ガラスなどが挙げられる。そして含水ケイ酸
としては、シリカヒドロゾルをゲル化し乾燥させて得ら
れる、いわゆる非晶質の「シリカゲル」以外に、コロイ
ダルシリカ、シリケートオリゴマー、そして有機物等を
鋳型として形成された、例えばモービル社製:MCM-41の
ようなタイプのシリカ(いわゆる、ミセルテンプレート
型シリカ)等が挙げられる。また「シリカゲル」の原料
としては、水ガラスやアルコキシシラン類が挙げられ
る。
【0004】ポーラス材料であるシリカの製造方法とし
ては、これまでシリカヒドロゲルを水熱処理して細孔特
性を制御する方法等が広く知られている。このシリカヒ
ドロゲルの原料としては、例えばケイ酸ソーダ、いわゆ
る水ガラスを用いる方法が広く行なわれてきた。また、
最近では、界面活性剤等を鋳型に用いてシリカとコンポ
ジットを作り、そのコンポジットから界面活性剤等を取
り除くことによって細孔を形成させる方法が知られてい
る。
【0005】最頻細孔直径(Dmax)が5nm以上、中
でも10nm以上で、細孔容積が大きい、具体的には
1.5ml/gを超えるシリカを製造する際には、一般
的に、 シリカヒドロゲルを高温または高pHの条件下で水熱
処理する方法、界面活性剤等を鋳型に用いてシリカと
コンポジットを作り、そのコンポジットから界面活性剤
等を取り除くことによって細孔を形成させる方法、等が
知られている。
【0006】しかしながら、の方法では、細孔容積が
十分に大きく、比表面積も大きいものは得られていなか
った。
【0007】また、シリカヒドロゲルの製造原料として
水ガラスを用いた場合には、その原料に由来するアルカ
リ金属やアルカリ土類金属等の不純物の影響によって、
通常は著しい耐水熱性の低下を招くことになる。即ち、
水蒸気や熱水などによる処理で、簡単に細孔構造が破壊
されてしまうという問題があり、その使用用途や、使用
する際の雰囲気温度等は限られていた。
【0008】これに対して、シリカヒドロゲルの製造原
料としてシリコンアルコキシドを用いた場合には、この
ような不純物の影響を低減することができるものの、細
孔容積を大きくする試みはなされていなかった(例え
ば、非特許文献1)。
【0009】一方で、高純度のポーラスシリカの製造方
法として、有機又は無機のテンプレートを使用する方法
が知られている。この方法は細孔分布制御性に優れてお
り、先述の様な、Dmaxが5nm以上のポーラスシリカ
(ミセルテンプレートシリカ)が得られる。例として
は、界面活性剤等を鋳型に用いてシリカとコンポジット
を作り、そのコンポジットから界面活性剤等を取り除く
ことによって細孔を形成させる方法が挙げられる(例え
ば、非特許文献2及び非特許文献3)。
【0010】この製造方法によれば、界面活性剤と有機
溶媒を組み合わせて使用することで、細孔径分布がシャ
ープでありながら、細孔容積も大きい材料が得られるこ
とが知られている。しかしながら、この方法では、得ら
れるシリカの耐水性が充分なものでなく、且つ製造工程
が複雑で生産性が悪い、という課題があった。
【0011】
【非特許文献1】Colloids Surfaces 63, 33 (1992)
【非特許文献2】Chem. Mater. 12, 686-696 (2000)
【非特許文献3】Langmuir 16(2), 356 (2000)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この様に、細孔容積が
比較的大きく、細孔径分布が狭く制御され、高純度で、
且つ耐水熱性に優れたポーラス材料、とりわけポーラス
シリカ及びその製造方法が望まれていたが、未だ満足の
ゆくポーラスシリカ及びその製造方法は提供されていな
かった。
【0013】本発明は上述の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、細孔容積の値が1.6ml/gよ
りも大きく、Dmaxの値が5nm以上と比較的大きいと
ともに、制御された細孔特性を有し、不要な金属不純物
の含有量が少なく、且つ耐水熱性にも優れたポーラスシ
リカ、及びその製造方法を提供することに存する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、アルコキシシラン類
を用いて得られたシリカヒドロゲルを水熱処理してポー
ラスシリカを得る際、水熱処理後に特定の処理を行なう
ことで、細孔容積が大きく、且つ制御された特性を有す
るシリカを得られるとの知見を得た。具体的には、シリ
カヒドロゲルを水熱処理し、次いで親水性有機溶媒と接
触させて細孔特性を制御することによって、上述したよ
うな優れた性質を有する新規なシリカを、生産性良く工
業的に提供出来ることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0015】すなわち、本発明の要旨は、以下の特性を
備えたことを特徴とする、シリカに関する。 (a)細孔容積が1.6ml/gより大きく、3ml/
g以下 (b)比表面積が100〜1000m2/g (c)最頻細孔直径(Dmax)が5nm以上 (d)固体Si−NMRでのQ4/Q3値が1.2以上 (e)非結晶質であること (f)金属不純物の含有量が100ppm以下
【0016】また、本発明の別の要旨は、シリカヒドロ
ゲルを水熱処理し、得られたシリカの水分含有率を5重
量%以下とした後、乾燥することを特徴とする、シリカ
の製造方法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。 (1) 本発明のシリカの特徴 本発明において「シリカ」とは含水ケイ酸のことを指
す。含水ケイ酸は、SiO2・nH2Oの示性式で表され
る。本発明では、シリカの中でもいわゆる「シリカゲ
ル」やミセルテンプレート型シリカ等に於いて、その効
果が顕著である。
【0018】本発明のシリカは、細孔容積が通常の値よ
りも大きい範囲に存在することを特徴とする。具体的に
は、窒素ガス吸・脱着法で測定した細孔容積の値が、通
常1.6ml/gよりも大きく、中でも好ましくは1.
8ml/g以上、特に好ましくは1.85ml/g以上
であり、また、通常3ml/g以下、中でも好ましくは
2.5ml/g以下、特に好ましくは2.4ml/g以
下である。細孔容積は、吸着等温線の相対圧0.98に
おける窒素ガスの吸着量から求めることができる。
【0019】また、比表面積の値は、通常100m2
g以上、好ましくは200m2/g以上、更に好ましく
は300m2/g以上、特に好ましくは350m2/g以
上であり、通常1000m2/g以下、好ましくは90
0m2/g以下、更に好ましくは800m2/g以下、特
に好ましくは700m2/g以下である。比表面積の値
は、窒素ガス吸脱着によるBET法で測定される。
【0020】更に、本発明のシリカは、窒素ガス吸脱着
法で測定した等温脱着曲線から、E.P. Barrett, L. G.
Joyner, P. H. Haklenda, J. Amer. Chem. Soc., vol.
73,373 (1951) に記載のBJH法により算出される細孔
分布曲線、即ち、細孔直径d(nm)に対して微分窒素
ガス吸着量(ΔV/Δ(logd);Vは窒素ガス吸着
容積)をプロットした図上での最頻細孔直径(Dmax
が、5nm以上であることを特徴とする。上限は特に制
限されないが、通常は50nm以下、好ましくは30n
m以下である。
【0021】加えて、本発明のシリカは、上記の最頻直
径(Dmax)の値の±20%の範囲にある細孔の総容積
が、全細孔の総容積の通常50%以上、好ましくは60
%以上、更に好ましくは70%以上である。このこと
は、本発明のシリカが有する細孔の直径が、最頻直径
(Dmax)付近の細孔で揃っていること、つまり細孔径
の分布が極めて狭い(シャープである)ことを意味す
る。なお、この比の値の上限は特に制限されないが、通
常は90%以下である。
【0022】かかる特徴に関連して、本発明のシリカ
は、上記のBJH法により算出された最頻直径
(Dmax)における微分細孔容積ΔV/Δ(logd)
が、通常2ml/g以上、中でも3ml/g以上、特に
5ml/g以上であることが好ましく、通常40ml/
g以下、中でも30ml/g以下、特に25ml/g以
下であることが好ましい(なお、上式において、dは細
孔直径(nm)であり、Vは窒素ガス吸着容積であ
る)。微分細孔容積ΔV/Δ(logd)が前記範囲に
含まれるものは、最頻直径(Dmax)の付近に揃ってい
る細孔の絶対量が極めて多いものと言える。
【0023】また、本発明のシリカは、以上の細孔構造
の特徴に加えて、その三次元構造を見るに、非結晶質で
あること、即ち、結晶性構造が認められないことが好ま
しい。このことは、本発明のシリカをX線回折で分析し
た場合に、結晶性ピークが実質的に認められないことを
意味する。なお、本明細書において非結晶質でないシリ
カとは、X線回折パターンで6オングストローム(Å U
nits d-spacing)を越えた位置に、少なくとも一つの結
晶構造のピークを示すものを指す。非結晶質のシリカ
は、結晶性のシリカに較べて、極めて生産性に優れてい
る。
【0024】更に、本発明のシリカの構造に関しては、
固体Si−NMR測定による分析でも特徴ある結果が得
られる。即ち、固体Si−NMR測定では、本発明のシ
リカの、−OSiが3個結合したSi(Q3)と−OS
iが4個結合したSi(Q4)とのモル比を示すQ4/Q
3の値が、通常1.2以上、好ましくは1.4以上であ
る。なお、上限値は特に制限されないが、通常は10以
下である。一般に、この値が高い程、シリカの熱安定性
が高いことが知られており、ここから本発明のシリカ
は、熱安定性に極めて優れていることが判る。これに対
して、結晶性のミセルテンプレートシリカの中には、Q
4/Q3の値が1.2を下回るものがあり、熱安定性、特
に水熱安定性が低い。
【0025】Q4/Q3の値は、実施例の説明において後
述する方法を用いて固体Si−NMR測定を行ない、そ
の結果に基づいて算出することができる。また、測定デ
ータの解析(ピーク位置の決定)は、例えば、ガウス関
数を使用した波形分離解析等により、各ピークを分割し
て抽出する方法で行なう。
【0026】また、本発明のシリカは、シリカの骨格を
構成するケイ素を除いた金属元素(金属不純物)の合計
の含有率が、通常100ppm以下、好ましくは50p
pm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好まし
くは5ppm以下、最も好ましくは1ppm以下と、非
常に低く抑えられ、極めて高純度であることである。こ
のように不純物の影響が少ないことが、本発明のシリカ
が高い耐熱性や耐水性などの優れた性質を発現できる大
きな要因の一つである。
【0027】また、本発明のシリカは、水中での加熱処
理(耐水熱試験)を施されても、細孔特性の変化が少な
いことが、その特徴の一つとして挙げられる。耐水熱試
験後におけるシリカの細孔特性の変化は、例えば比表面
積、細孔容積、細孔径分布などの多孔性に関する物性の
変化として観察される。例えば、本発明のシリカにおい
ては、200℃、6時間の耐水熱試験をした際、該試験
後の比表面積が該試験前の比表面積に対して20%以上
(比表面積残存率が20%以上)であることが好まし
い。この様な特性を有する本発明のシリカは、例えば触
媒担体等として長時間の厳しい使用条件下においても、
多孔性の特徴が失われないので好ましい。この比表面積
の残存率は、中でも35%以上、特に50%以上である
ことが好ましい。
【0028】そして、本発明のシリカは、この耐水熱処
理試験後においても、細孔径分布がシャープであるとい
う特性の劣化が極めて少なく、且つ、細孔容積の変化が
極めて少ないか、或いは、細孔容積が増加するという、
従来のシリカにはない特徴を有する。
【0029】なお、本発明に於ける耐水熱試験とは、密
閉系内に於いて、特定温度(200℃)の水とシリカを
一定時間(6時間)接触させることであり、本発明のシ
リカの全てが水中に存在するのであれば、密閉系内が全
て水で満たされていても、また、系内の一部が加圧下の
気相部を有し、この気相部に水蒸気があってもよい。こ
の場合の気相部の圧力は、例えば60000hPa以
上、好ましくは63000hPa以上であればよい。な
お、特定温度の誤差は通常±5℃以内、中でも±3℃以
内、特に±1℃以内とするのが好ましい。
【0030】以上述べた本発明のシリカは、次に述べる
シリカの製造方法によって得ることができる。
【0031】(2) 本発明のシリカの製造方法 本発明のシリカの製造方法は、シリカヒドロゲルを水熱
処理し、得られたスラリーの液体成分中の水分含有率を
5重量%以下とした後、乾燥することを特徴とする。
【0032】具体的には、シリコンアルコキシドを加水
分解し、得られたシリカヒドロゲルを、好ましくは実質
的に熟成することなしに水熱処理し、次いで親水性有機
溶媒と接触させた後に乾燥させることで、シリカ中の水
分を除去することを特徴とする。
【0033】シリカヒドロゲルの製造方法は任意であ
り、例えば珪酸アルカリ塩を加水分解して得られるシリ
カヒドロゲル、またはシリコンアルコキシドを加水分解
して得られるシリカヒドロゲルが挙げられる。中でも、
シリコンアルコキシドを加水分解して得られるシリカヒ
ドロゲルは、その原料であるシリコンアルコキシドの高
純度化が可能であり、シリカヒドロゲルへの不純物の混
入を容易に防止できるので好ましい。
【0034】本発明のシリカの原料として使用されるシ
リコンアルコキシドとしては、トリメトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン等の炭素数1〜4の低級アルキル基を有するトリ
又はテトラアルコキシシラン或いはそれらのオリゴマー
が挙げられる。中でも、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン及びそれらのオリゴマー、特にテトラメ
トキシシランやそのオリゴマーを用いると、良好な細孔
特性を有するシリカが得られるので好ましい。その主な
理由としては、シリコンアルコキシドは蒸留により容易
に精製し、高純度品が得られるので、高純度のシリカの
原料として好適であることが挙げられる。シリコンアル
コキシド中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属に属す
る金属元素(金属不純物)の総含有量は、通常100p
pm以下、中でも50ppm以下、更には10ppm以
下、特に1ppm以下が好ましい。これらの金属不純物
の含有率は、一般的なシリカ中の不純物含有率の測定法
と同じ方法で測定できる。
【0035】本発明では、先ず、加水分解・縮合工程に
おいて、触媒の不存在下にシリコンアルコキシドを加水
分解すると共に得られたシリカヒドロゾルを縮合してシ
リカヒドロゲルを形成する。
【0036】シリコンアルコキシドの加水分解は、シリ
コンアルコキシド1モルに対して、通常2モル倍以上、
好ましくは3モル倍以上、特に好ましくは4モル倍以
上、また、通常20モル倍以下、好ましくは10モル倍
以下、特に好ましくは8モル倍以下の水を用いて行な
う。シリコンアルコキシドの加水分解により、シリカの
ヒドロゲルとアルコールとが生成し、生成したシリカヒ
ドロゾルは逐次縮合してシリカヒドロゲルとなる。
【0037】加水分解時の温度は、通常室温以上、10
0℃以下であるが、加圧下で液相を維持することで、よ
り高い温度で行なうことも可能である。加水分解に要す
る反応時間は反応液組成(シリコンアルコキシドの種類
や、水とのモル比)並びに反応温度に依存し、ゲル化す
るまでの時間が異なるので、一概には規定されない。こ
の反応時間は、本発明のシリカのように細孔特性に優れ
たシリカを得る為には、ヒドロゲルの破壊応力が6MP
aを越えない時間であることが好ましい。
【0038】なお、この加水分解反応系に、触媒とし
て、酸、アルカリ、塩類などを添加することで加水分解
を促進させることができる。しかしながら、かかる添加
物の使用は、後述のように、生成したヒドロゲルの熟成
を引き起こすことになるので、本発明のシリカゲルの製
造においてはあまり好ましいことではない。
【0039】上述したシリコンアルコキシドの加水分解
に際しては、攪拌を充分に行なうことが重要となる。例
えば、回転軸に攪拌翼を備えた攪拌装置を用いた場合、
その攪拌速度(回転軸の回転数)としては、攪拌翼の形
状・枚数・液との接触面積等にもよるが、通常は30r
pm以上、好ましくは50rpm以上である。
【0040】また、この攪拌速度は、一般的に速過ぎる
と、槽内で生じた飛沫が各種のガスラインを閉塞させた
り、また反応器内壁に付着して熱伝導を悪化させ、物性
制御に重要な温度管理に影響を及ぼしたりする場合があ
る。更に、この内壁の付着物が剥離し、製品に混入して
品質を悪化させる場合もある。この様な理由から、攪拌
速度は2000rpm以下、中でも1000rpm以下
であることが好ましい。
【0041】本発明に於いて、分液している二液相(水
相、及びシリコンアルコキシド相)の攪拌方法は、反応
を促進させる方法であれば任意の攪拌方法を用いること
が出来る。中でも、この二液相をより混合させるような
装置としては、例えば以下の、が挙げられる。
【0042】:回転軸が液面に対し垂直又は僅かに角
度を持って挿入され、上下に液の流動が生じる攪拌翼を
有する装置。 :回転軸方向を二液相の界面と略平行に設け、二液相
間に攪拌を生じさせる攪拌翼を有する攪拌装置。
【0043】上述した、の様な装置を用いた際の攪
拌翼の回転速度は、攪拌翼の周速度(攪拌翼先端速度)
で、0.05〜10m/s、中でも0.1〜5m/s、
さらには0.1〜3m/sであることが好ましい。
【0044】攪拌翼の形状や長さ等は任意であり、攪拌
翼としては例えばプロペラ型、平羽根型、角度付平羽根
型、ピッチ付平羽根型、平羽根ディスクタービン型、湾
曲羽根型、ファウドラー型、ブルマージン型等が挙げら
れる。
【0045】翼の幅、枚数、傾斜角等は反応器の形状、
大きさ、目的とする攪拌動力に応じて適宜選定すればよ
い。たとえば反応器の槽内径(回転軸方向に対して垂直
面を形成する液相面の最長径)に対する翼幅(回転軸方
向の翼の長さ)の比率(b/D)は0.05〜0.2、
傾斜角(θ)90゜±10゜、翼枚数3〜10枚の攪拌
装置が好適な例として挙げられる。
【0046】中でも、上述の回転軸を反応容器内の液面
よりも上に設け、この回転軸から伸ばした軸の先端部分
に攪拌翼を設ける構造が、攪拌効率及び設備メンテナン
スの観点から好適に使用される。
【0047】上記のシリコンアルコキシドの加水分解反
応では、シリコンアルコキシドが加水分解してシリカヒ
ドロゾルが生成するが、引き続いて該シリカヒドロゾル
の縮合反応が起こり、反応液の粘度が上昇し、最終的に
ゲル化してシリカヒドロゲルとなる。
【0048】次いで、本発明では、物性調節工程とし
て、上記の加水分解により生成したシリカヒドロゲルの
硬さが上昇しないように、実質的に熟成することなく、
シリカヒドロゲルの水熱処理を行なう。シリコンアルコ
キシドを加水分解すると、軟弱なシリカヒドロゲルが生
成する。従来技術にあるように、このヒドロゲルの物性
を安定させるべく、熟成、あるいは乾燥させ、次いで水
熱処理を施すという方法では、本発明のシリカを製造す
ることは困難である。
【0049】上記にある、加水分解により生成したシリ
カヒドロゲルを、実質的に熟成することなく、直ちに水
熱処理を行なうということは、シリカヒドロゲルが生成
した直後の軟弱な状態が維持されたままで、次の水熱処
理に供するようにするということを意味する。
【0050】具体的には、シリカヒドロゲルが生成した
時点から、一般的には10時間以内に水熱処理すること
が好ましく、中でも8時間以内、更には6時間以内、特
に4時間以内にシリカヒドロゲルを水熱処理することが
好ましい。
【0051】また、工業用プラント等に於いては、大量
に生成したシリカヒドロゲルを一旦サイロ等に貯蔵し、
その後水熱処理を行なう場合が考えられる。この様な場
合、シリカヒドロゲルは、シリカヒドロゲルが生成して
から水熱処理に供されるまでの時間、いわゆる放置時間
が、上述の範囲を超える場合が考えられる。この様な場
合には、熟成が実質的に生じないように、サイロ内での
静置中に、例えばシリカヒドロゲル中の液体成分が乾燥
しないようにすればよい。
【0052】具体的には、例えば、サイロ内を密閉した
り、湿度を調節したりすればよい。また、水やその他の
溶媒にシリカヒドロゲルを浸した状態で、シリカヒドロ
ゲルを静置してもよい。
【0053】静置の際の温度は、できるだけ低くするこ
とが好ましく、例えば50℃以下、中でも35℃以下、
特に30℃以下で静置することが好ましい。また、熟成
が実質的に生じないようにする別の方法としては、シリ
カヒドロゲル中のシリカ濃度が低くなるように、予め原
料組成を制御してシリカヒドロゲルを調製する方法が挙
げられる。
【0054】シリカヒドロゲルを実質的に熟成せずに水
熱処理することにより奏する効果と、この効果が得られ
る理由を考察すると、以下のことが考えられる。
【0055】まず、シリカヒドロゲルを熟成させると、
−Si−O−Si−結合によるマクロ的網目構造が、シ
リカヒドロゲル全体に形成されると考えられる。この網
目構造がシリカヒドロゲル全体に有ることで、水熱処理
の際、この網目構造が障害となり、メソポーラスの形成
が困難となることが考えられる。またシリカヒドロゲル
中のシリカ濃度が低くなるように、予め原料組成を制御
して得られたシリカヒドロゲルは、静置中に生ずるシリ
カヒドロゲルにおける架橋の進行を抑制できる。その
為、シリカヒドロゲルが熟成しないと考える。
【0056】よって、本発明では、シリカヒドロゲルを
熟成することなく、水熱処理を行なうことが重要であ
る。
【0057】シリコンアルコキシドの加水分解反応系に
酸、アルカリ、塩類等を添加すること、又は該加水分解
反応の温度を厳しくし過ぎることなどは、ヒドロゲルの
熟成を進行させるという点からも好ましくない。また、
加水分解後の後処理における水洗、乾燥、放置などにお
いて、必要以上に温度や時間をかけるべきではない。
【0058】更に、シリコンアルコキシドの加水分解で
得られたシリカヒドロゲルは、水熱処理を行なうまえ
に、これを平均粒径10mm以下、中でも5mm以下、
更には1mm以下、特に0.5mm以下となるよう、粉
砕処理等を施すことが好ましい。
【0059】上述の通り、本発明のシリカの製造方法と
しては、シリカヒドロゲルの生成の直後に、直ちにこれ
を水熱処理する方法が重要である。但し、本発明の製造
方法に於いては、水熱処理するシリカヒドロゲルが熟成
していなければよいので、例えば暫時低温下で静置した
後に水熱処理するなど、必ずしもシリカヒドロゲルの生
成直後、直ちにこれを水熱処理することを必要としな
い。
【0060】このように、シリカヒドロゲルの生成の直
後、直ちにこれを水熱処理しない場合には、例えばシリ
カヒドロゲルの熟成状態を具体的に確認してから水熱処
理を行なえばよい。ヒドロゲルの熟成状態を具体的に確
認する手段は任意であるが、例えば、後述の実施例に示
すような方法で測定したヒドロゲルの硬度を参考にする
方法が挙げられる。即ち、先述したとおり、この破壊応
力が通常6MPa以下の柔らかい状態のヒドロゲルを水
熱処理することで、本発明で規定する物性範囲のシリカ
を得ることができる。この破壊応力は、中でも3MPa
以下であることが好ましく、特に2MPa以下であるこ
とが好ましい。
【0061】この水熱処理の条件としては、水の状態が
液体、気体のいずれでもよいが、中でも、液体の水を使
い、シリカヒドロゲルに加えてスラリー状として、水熱
処理を行なうことが好ましい。水熱処理においては、ま
ず、処理するシリカヒドロゲルに、シリカヒドロゲルの
重量に対して通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5
重量倍以上、特に好ましくは1重量倍以上、また、通常
10重量倍以下、好ましくは5重量倍以下、特に好まし
くは3重量倍以下の水を加えてスラリー状としする。そ
してこのスラリーを、通常40℃以上、好ましくは10
0℃以上、中でも好ましくは150℃以上、特に好まし
くは170℃以上、また、通常250℃以下、好ましく
は200℃以下の温度で、通常0.1時間以上、好まし
くは1時間以上、また、通常100時間以下、好ましく
は10時間以下にわたって、水熱処理を行なう。水熱処
理の温度が低すぎると、細孔分布がシャープになり難
く、また、細孔容積を大きくすることも困難となる場合
がある。
【0062】なお、水熱処理に使用される水には、溶媒
が含まれていてもよい。溶媒として、具体的には、例え
ば、低級アルコール類であるメタノール、エタノール、
プロパノールなどが挙げられる。この溶媒は、例えばア
ルコキシシランを加水分解して得られたシリカヒドロゲ
ルを水熱処理する際には、その原料であるアルコキシシ
ランに由来するアルコール類であってもよい。
【0063】熱処理に用いる水における、この様な溶媒
の含有量は任意だが、少ない方が好ましい。例えば、上
述した様な、アルコキシシランを加水分解して得られた
シリカヒドロゲルを水熱処理する際には、このシリカヒ
ドロゲルを水洗し、水洗されたものを水熱反応に供する
ことにより、150℃程度まで温度を下げて水熱処理を
行なった場合でも、細孔特性に優れ且つ細孔容積の大き
いシリカを製造することが出来る。また、溶媒を含んで
いる水で水熱処理を行なっても、200℃程度の温度で
の水熱処理を行なうことで、本発明のシリカを容易に得
ることが出来る。
【0064】また、メンブランリアクターなどを作る目
的で、シリカを膜状あるいは層状に粒子、基板、あるい
は管などの基体上に形成させた材料の場合にも、この水
熱処理方法は適用される。なお、加水分解反応の反応器
を用い、続けて温度条件変更により水熱処理を行なうこ
とも可能であるが、加水分解反応とその後の水熱処理で
は最適条件が通常は異なっているため、この様に水を新
たに加えないで行なう方法では、本発明のシリカを得る
ことは一般的には難しい。
【0065】以上の水熱処理の条件において、温度を高
くすると、得られるシリカの径、細孔容積が大きくなる
傾向がある。水熱処理温度としては、100〜200℃
の範囲であることが好ましい。また、処理時間ととも
に、得られるシリカの比表面積は、一度極大に達した
後、緩やかに減少する傾向がある。以上の傾向を踏まえ
て、所望の物性値に応じて条件を適宜選択する必要があ
るが、水熱処理は、シリカの物性を変化させる目的なの
で、通常、前記の加水分解の反応条件より高温条件とす
ることが好ましい。
【0066】なお、ミクロ構造的な均質性に優れる本発
明のシリカを製造するためには、水熱処理の際に、反応
系内の温度が5時間以内に目的温度に達する様に、速い
昇温速度条件とすることが好ましい。具体的には、槽に
充填して処理される場合、昇温開始から目標温度到達ま
での平均昇温速度として、0.1〜100℃/min、
中でも0.1〜30℃/min、特に0.2〜10℃/
minの範囲の値を採用するのが好ましい。
【0067】熱交換器などを利用した昇温方法や、あら
かじめ作っておいた熱水を仕込む昇温方法なども、昇温
速度を短縮することができて好ましい。また、昇温速度
が上記範囲であれば、段階的に昇温を行なってもよい。
反応系内の温度が目的温度に達するまでに長時間を要し
た場合には、昇温中にシリカヒドロゲルの熟成が進み、
ミクロ構造的な均質性が低下する恐れがある。
【0068】上記の目的温度に達するまでの昇温時間
は、好ましくは4時間以内、更に好ましくは3時間以内
である。昇温時間の短縮化のため、水熱処理に使用する
水を予熱することもできる。
【0069】水熱処理の温度、時間を上記範囲外に設定
すると、本発明のシリカを得ることが困難となる。例え
ば、水熱処理の温度が高すぎると、シリカの細孔径、細
孔容積が大きくなりすぎ、また、細孔分布も広がる。逆
に、水熱処理の温度が低過ぎると、生成するシリカは、
架橋度が低く、熱安定性に乏しくなり、細孔分布にピー
クが発現しなくなったり、前述した固体Si−NMRに
おけるQ4/Q3値が極端に小さくなったりする。
【0070】なお、水熱処理をアンモニア水中で行なう
と、純水中で行なう場合よりも低温で同様の効果が得ら
れる。また、アンモニア水中で水熱処理すると、アンモ
ニアを含まない水を用いた水熱処理と比較して、最終的
に得られるシリカは一般に疎水性となる。この際、水熱
処理の温度を30℃以上、好ましくは40℃以上、ま
た、250℃以下、好ましくは200℃以下という比較
的高温とすると、特に疎水性が高くなる。ここでのアン
モニア水のアンモニア濃度としては、好ましくは0.0
01%以上、特に好ましくは0.005%以上、また、
好ましくは10%以下、特に好ましくは5%である。
【0071】上述した水熱処理を経て得られたシリカに
は、多量の水が含まれている。例えば、水熱処理後のシ
リカは、多量の水を含むシリカ(例えばシリカスラリ
ー)として得られる。本発明のシリカの製造方法におい
ては、この水を除去することが重要である。具体的に
は、このシリカスラリーを親水性有機溶媒と接触させ、
水を親水性溶媒で置換し、次いでシリカを乾燥するとい
う操作が、最も重要である。
【0072】本発明に於いては、シリカに含まれる水を
親水性有機溶媒と置換し、乾燥することによって、乾燥
工程に於けるシリカの収縮を抑制し、シリカの細孔容積
を大きく維持でき、細孔特性に優れ、且つ細孔容積の大
きいシリカを得ることが出来るのである。この理由は定
かではないが、以下のような現象によるものと考えられ
る。
【0073】水熱処理後のシリカスラリー中の液体成分
の多くは水である。この水は、シリカと互いに強く相互
作用しあっている為に、シリカから完全に水を除去する
には大きなエネルギーが必要と考える。
【0074】多量の水分が存在する条件下で乾燥過程
(例えば加熱乾燥)を行なうと、熱エネルギーを受けた
水が未反応のシラノール基と反応し、シリカの構造が変
化する。この構造変化のうち最も顕著な変化はシリカ骨
格の縮合であり、縮合によってシリカが局所的に高密度
化することが考えられる。シリカ骨格は3次元的構造を
有するので、骨格の局所的な縮合(シリカ骨格の高密度
化)はシリカ骨格により構成されているシリカ粒子全体
の細孔特性に影響を及ぼし、結果的に粒子が収縮して、
細孔容積や細孔径が収縮すると考えられる。
【0075】そこで、例えばシリカスラリー中の(水を
多量に含む)液体成分を親水性有機溶媒で置換すること
で、このシリカスラリー中の水を除去し、上述したよう
なシリカの収縮を抑えることが可能となる。
【0076】本発明で用いる親水性有機溶媒とは、上述
した考えに基づき、水を多く溶かすものであればよい。
中でも、分子内分極の大きいものが好ましい。さらに好
ましくは、比誘電率が15以上のものがよい。
【0077】本発明のシリカの製造方法に於いては、純
度の高いシリカを得るために、親水性有機溶媒にて水を
除去した後の乾燥工程で、この親水性有機溶媒を除去す
る必要がある。よって、親水性有機溶媒としては、乾燥
(例えば加熱乾燥や真空・減圧乾燥等)により容易に除
去可能な低沸点のものが好ましい。親水性有機溶媒の沸
点としては、150℃以下、中でも120℃以下、特に
100℃以下のものが好ましい。
【0078】具体的な親水性有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ア
ルデヒド類、エーテル類等が挙げられる。中でも、アル
コール類やケトン類が好ましく、特に、メタノール、エ
タノール、プロパノール等の低級アルコール類やアセト
ンが好ましい。本発明では、これら例示の親水性有機溶
媒のうち、一種を単独で使用しても良く、二種以上を任
意の組み合わせ及び任意の割合で混合して使用してもよ
い。
【0079】なお、水の除去が可能であれば、使用する
親水性有機溶媒中に水が含まれていてもよい。もっと
も、親水性有機溶媒における水分含有量は当然少ない方
が好ましく、通常20%以下、中でも15%以下、更に
は10%以下、特に5%以下であることが好ましい。
【0080】本発明に於いて、上述の親水性有機溶媒に
よる置換処理時の温度及び圧力は任意である。処理温度
は、通常0℃以上、中でも10℃以上、通常100℃以
下、中でも60℃以下とすることが好ましい。処理時の
圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。
【0081】シリカスラリーと接触させる親水性有機溶
媒の量は任意である。但し、用いる親水性有機溶媒の量
が少な過ぎると水との置換進行速度が充分でなく、逆に
多過ぎると水との置換効率は高まるが、親水性有機溶媒
の使用量増加に見合う効果が頭打ちとなり、経済的に好
ましくない。よって、用いる親水性有機溶媒の量は、シ
リカの嵩体積に対して通常0.5〜10容量倍である。
この親水性有機溶媒による置換操作は、複数回繰り返し
て行なうと、水の置換がより確実となるので好ましい。
【0082】親水性有機溶媒とシリカスラリーとの接触
方法は任意であり、例えば攪拌槽でシリカスラリーを攪
拌しながら親水性有機溶媒を添加する方法や、シリカス
ラリーから濾別したシリカを充填塔に詰めて、この充填
塔に親水性有機溶媒を通液する方法、また、親水性有機
溶媒中にシリカを入れて浸漬し、静置する方法などが挙
げられる。
【0083】親水性有機溶媒による置換操作の終了は、
シリカスラリーの液体成分中の水分測定を行なって決定
すればよい。例えば、定期的にシリカスラリーをサンプ
リングして水分測定を行ない、水分含有量が通常5%以
下、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下と
なった点を終点とすればよい。水分の測定方法は任意で
あり、例えばカールフィッシャー法が挙げられる。
【0084】親水性有機溶媒による置換操作の後、シリ
カと親水性有機溶媒とを分離し、乾燥することで、本発
明のシリカを製造することが出来る。この際の分離法と
しては、従来公知の任意の固液分離方法を用いればよ
い。即ち、シリカ粒子のサイズに応じて、例えばデカン
テーション、遠心分離、濾過等の方法を選択して固液分
離すれば良い。これらの分離方法は、一種を単独で用い
ても良く、また二種以上を任意の組み合わせで用いても
よい。
【0085】得られたシリカは、通常40℃以上、好ま
しくは60℃以上、また、通常200℃以下、好ましく
は120℃以下で乾燥する。乾燥方法は特に限定される
ものではなく、バッチ式でも連続式でもよく、且つ、常
圧でも減圧下でも乾燥することができる。中でも、真空
乾燥を行なうことで、乾燥が迅速に行なえるのみなら
ず、得られるシリカの細孔容積、比表面積が大きくなる
ので好ましい。
【0086】必要に応じ、原料のシリコンアルコキシド
に由来する炭素分が含まれている場合には、通常400
〜600℃で焼成除去することができる。また、表面状
態をコントロールするため最高900℃の温度で焼成す
ることもある。更に、必要に応じて粉砕、分級すること
で、最終的に目的としていた本発明のシリカを得る。
【0087】(3) 本発明のシリカの用途 本発明の新規なシリカは、従来のシリカと比較して、耐
熱性、耐水性に優れることから安定性が高く、且つ高純
度である。また、本発明のシリカの製造方法によれば、
シリコンアルコキシドを原料とした比較的簡単な工程
で、且つ、所望の物性範囲に制御されたシリカを製造す
ることができる。
【0088】本発明のシリカは、従来のシリカの各種用
途において利用できるが、特に、触媒担体、メンブラン
リアクターなどとして用いた場合に、性能劣化が少な
く、より安定に長時間使用することができる。
【0089】本発明のシリカは、従来からのシリカの用
途の他、いかなる用途においても利用することができ
る。このうち従来の用途としては、以下のようなものが
挙げられる。
【0090】例えば、産業用設備で製品の製造及び処理
に用いられる用途分野においては、各種触媒及び触媒担
体(酸塩基触媒、光触媒、貴金属触媒等)、廃水・廃油
処理剤、臭気処理剤、ガス分離剤、工業用乾燥剤、バイ
オリアクター、バイオセパレーター、メンブランリアク
ター等の用途が挙げられる。建材用途では、調湿剤、防
音・吸音材、耐火物、断熱材等の用途が挙げられる。ま
た、空調分野の用途では、デシカント空調機用調湿剤、
ヒートポンプ用蓄熱剤等が挙げられる。塗料・インク用
途分野においては、艶消し剤、粘度調整剤、色度調整
剤、沈降防止剤、消泡剤、インク裏抜け防止剤、スタン
ピングホイル用、壁紙用等の用途が挙げられる。樹脂用
添加剤用途分野においては、フィルム用アンチブロッキ
ング剤(ポリオレフィンフィルム等)、プレートアウト
防止剤、シリコーン樹脂用補強剤、ゴム用補強剤(タイ
ヤ用・一般ゴム用等)、流動性改良材、パウダー状樹脂
の固結防止剤、印刷適性改良剤、合成皮革やコーティン
グフィルム用の艶消し剤、接着剤・粘着テープ用充填
剤、透光性調整剤、防眩性調整剤、多孔性ポリマーシー
ト用フィラー等の用途が挙げられる。また、製紙用途分
野においては、感熱紙用フィラー(カス付着防止剤
等)、インクジェット紙画像向上用フィラー(インク吸
収剤等)、ジアゾ感光紙用フィラー(感光濃度向上剤
等)、トレーシングペーパー用筆記性改良剤、コート紙
用フィラー(筆記性、インク吸収性、アンチブロッキン
グ性改良剤等)、静電記録用フィラー等の用途が挙げら
れる。食品用途分野においては、ビール用濾過助剤、醤
油・清酒・ワイン等発酵製品のおり下げ剤、各種発酵飲
料の安定化剤(混濁因子タンパクや酵母の除去等)、食
品添加剤、粉末食品の固結防止剤等の用途が挙げられ
る。医農薬分野においては、薬品等の打錠助剤、粉砕助
剤、分散・医薬用担体(分散・徐放・デリバリー性改善
等)、農薬用担体(油状農薬キャリア・水和分散性改
善、徐放・デリバリー性改善等)、医薬用添加剤(固結
防止剤・粉粒性改良剤等)・農薬用添加剤(固結防止剤
・沈降防止剤等)等が挙げられる。分離材料分野では、
クロマトグラフィー用充填剤、分離剤、フラーレン分離
剤、吸着剤(タンパク質・色素・臭等)、脱湿剤等の用
途が挙げられる。農業用分野では、飼料用添加剤、肥料
用添加剤が挙げられる。さらにその他の用途として、生
活関連分野では、調湿剤、乾燥剤、化粧品添加剤、抗菌
剤、消臭・脱臭・芳香剤、洗剤用添加剤(界面活性剤粉
末化等)、研磨剤(歯磨き用等)、粉末消火剤(粉粒性
改良剤・固結防止剤等)、消泡剤、バッテリーセパレー
ター等が挙げられる。
【0091】特に、本発明のシリカは、同等の細孔径を
持つ従来のシリカと比較して細孔容積及び比表面積が大
きいため、高い吸着・吸収容量を有し、精密な細孔制御
も可能である。従って、上に挙げた用途の中でも、特に
優れた耐熱性や耐水熱性が要求されるとともに、制御さ
れた細孔特性や、長期にわたって物性変化の少ないこと
が要求される分野において、好適に用いることができ
る。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。
【0093】(1) シリカの分析方法: 1-1) 細孔容積、比表面積、微分細孔容積:カンタクロ
ーム社製AS−1にてBET窒素吸着等温線を測定し、
細孔容積、比表面積を求めた。具体的には、細孔容積は
相対圧P/P0=0.98のときの値を採用し、比表面
積はP/P0=0.1,0.2,0.3の3点の窒素吸
着量よりBET多点法を用いて算出した。また、BJH
法で細孔分布曲線及び最頻直径(Dmax)における微分
細孔容積を求めた。測定する相対圧の各点の間隔は0.
025とした。
【0094】1-2) 粉末X線回折:理学電機社製RAD-
RB装置を用いて、CuKαを線源として測定を行なっ
た。発散スリット1/2deg、散乱スリット1/2d
eg、受光スリット0.15mmとした。
【0095】1-3) 金属不純物の含有量:試料2.5g
にフッ酸を加えて加熱し、乾涸させたのち、水を加えて
50mlとした。この水溶液を用いてICP発光分析を
行った。なお、ナトリウム及びカリウムはフレーム炎光
法で分析した。
【0096】1-4) 固体Si−NMR測定:Bruke
r社製固体NMR装置(「MSL300」)を使用する
とともに、共鳴周波数59.2MHz(7.05テス
ラ)、7mmのサンプルチューブを用いたCP/MAS
(Cross Polarization / Magic Angle Spinning)プロ
ーブの条件下で測定した。試料の回転数は5000rp
sとした。
【0097】測定データの解析(Q4ピーク位置の決
定)は、ピーク分割によって各ピークを抽出する方法で
行なう。具体的には、ガウス関数を使用した波形分離解
析を行なう。この解析には、サーモガラテック(Thermo
galatic)社製の波形処理ソフト「GRAMS386」
を使用することができる。
【0098】この様にピーク分割により求めたQ4及び
3の各ピークの面積を用い、その比(Q4/Q3)を求
めた。
【0099】1-5) 平均粒子径 レーザー式粒度分布測定装置(セイシン企業社製 LM
S−30)により測定した。
【0100】1-6) 水中熱安定性試験:試料に純水を加
えて40重量%のスラリーを調製した。容積60mlの
ステンレススチール製のミクロボンベに、上記で調製し
たスラリー約40mlを入れて密封し、200±1℃の
オイルバス中に6時間浸漬した。ミクロボンベからスラ
リーの一部を抜出し、濾紙(No.5A)で濾過した。
濾滓を100℃で5時間真空乾燥した後、残った試料の
比表面積を測定した。
【0101】(2) シリカの製造及び評価: ・実施例1: <加水分解・ゲル化反応>ガラス製で、上部に大気開放
の水冷コンデンサが取り付けてある5Lセパラブルフラ
スコ(ジャケット付き)に、純水1000gを仕込ん
だ。攪拌速度としては、攪拌翼先端速度2.5m/sで
撹拌しながら、これにテトラメトキシシラン1400g
を3分間かけて仕込んだ。用いたテトラメトキシシラン
1モルに対する水のモル数(水/テトラメトキシシラン
のモル比)は6である。セパラブルフラスコのジャケッ
トには50℃の温水を通水した。引き続き撹拌を継続
し、内容物が沸点に到達した時点で、撹拌を停止した。
引き続き約0.5時間、ジャケットに50℃の温水を通
水して生成したゾルをゲル化させた。
【0102】<粉砕反応>その後、速やかにゲルを取り
出し、所定の目開きのナイロン製網を通してゲルを粉砕
し、所定の平均粒子径を有する粉体状のシリカヒドロゲ
ルを得た。
【0103】<シリカヒドロゲルの水洗工程>このシリ
カヒドロゲル450gと水675gをビーカーに入れて
10分間攪拌後、デカンテーションによって固液分離し
た。この操作を合計3回繰り返した。
【0104】<水熱処理工程>このシリカヒドロゲルと
水500gを、1Lのガラス製オートクレーブに仕込
み、表1に示す温度で、3時間の密閉系水熱処理を実施
した。
【0105】<親水性有機溶媒との接触処理>水熱処理
して得られたシリカを濾紙(No.5A)で濾過し、濾
滓を別のセパラブルフラスコに無水メタノール600g
と共に加え、攪拌翼を用いて室温で1時間ゆっくり攪拌
した。このスラリーをデカンテーションによって固液分
離し、得られた固体について、無水メタノール600g
を用いて再度、上述と同様の液置換操作を行なった。
【0106】初回を合わせ、この操作を合計3回行なっ
たところ、カールフィッシャー法により求められるシリ
カ中の水分含有量は2重量%以下であった。
【0107】この様にして得られたシリカを、100℃
で恒量となるまで減圧乾燥して、実施例1のシリカとし
た。
【0108】・実施例2〜12:水/テトラメトキシシ
ランのモル比、シリカヒドロゲルの平均粒径、水熱処理
前のシリカヒドロゲルの水洗工程の有無、水熱処理温
度、及び親水性溶媒種を、それぞれ表1に示した通りに
変更した以外は、上記実施例1と同じ条件にてシリカの
製造を行ない、実施例2〜12のシリカを得た(なお、
実施例2のみ、親水性有機溶媒による置換工程後の乾燥
を真空下で行なった。)。
【0109】得られた実施例1〜12のシリカについ
て、上述の分析方法により測定した諸物性を表1に示
す。何れのシリカも粉末X線回折図には結晶性のピーク
は出現しておらず、また、周期的構造による低角度側
(2θ≦5deg)のピークも認められなかった。ま
た、実施例1のシリカの金属不純物の含有率についての
検出結果を表2に示す。何れの金属の含有率も、検出下
限以下であった。なお、実施例2〜12のシリカの金属
不純物の含有率は、何れも実施例1のシリカの値と同等
であったため、記載を省略した。更に、実施例2、4、
8、10のシリカについては耐水熱試験を行ない、該試
験後の比表面積及び細孔容積等を測定した。その結果を
表1に示す。
【0110】・比較例1:Chem. Mater. 12, 686-696
(2000)に記載のシリカの製造方法に準じて、該文献記
載のエージング温度を100℃として、MCF−3を製
造し、これを比較例1のシリカとした。
【0111】・比較例2:キャリアクトG−10(フジ
シリシア社製)を、比較例2のシリカとして用いた。
【0112】・比較例3:Nipgel CY−200(日本
シリカ社製)を、比較例3のシリカとして用いた。
【0113】・比較例4:カープレックスBS−306
(塩野義製薬社製)を、比較例4のシリカとして用い
た。
【0114】比較例1〜4のシリカにつき、上述の分析
方法により測定した諸物性を表1に示す。また、比較例
1のシリカの金属不純物の含有率についての検出結果を
表2に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】・結果:表1より明らかな通り、本発明の
ポーラスシリカは、水熱安定性に優れており、様々な厳
しい使用条件下でも比表面積の残存が多い(つまり減少
が少ない)ので、安定した性能を長期に亘り維持でき
る。
【0120】その理由については以下のように考えられ
る。例えば、比較例1のシリカは、表1に示したとお
り、X線回折分析をすると結晶性ピークを有するもので
ある。これは、シリカ分子が高度に規則的に配列した構
造であることを示す。
【0121】それに対して、本発明のシリカは、非晶質
であることを特徴とする。これによって本発明のシリカ
は、水熱安定性試験等の外的環境に対して構造変化が小
さく、安定であると考える。
【0122】そして、本発明のシリカの製造方法によれ
ば、得られるシリカに対して、この様な水熱安定性試験
の後でも、細孔容積の減少が殆ど生じないか、又は僅か
に増加するという、極めて優れた性質をも付与すること
が出来る(実施例4、8、10)。これは、耐水熱試験
のような過酷な条件下で、多孔質シリカにおいて、全体
積の変化を伴わずにシリカナノ構造配列の再構造化が生
じた結果、シリカナノ構造の密度が高くなり、多孔質シ
リカにおける空間(細孔容積)が増えたためと考えられ
る。
【0123】
【発明の効果】本発明のシリカは、従来からのシリカと
比較して、細孔容積及び比表面積が大きいため、高い吸
着・吸収容量を有し、また、耐熱性や耐水性等に優れる
ことから安定性が高く、且つ高純度である。更に、本発
明のシリカの製造方法は、シリコンアルコキシドを原料
とした比較的簡単な工程で、所望の物性範囲に制御され
たシリカを製造することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の特性を備えたことを特徴とする、
    シリカ。 (a)細孔容積が1.6ml/gより大きく、3ml/
    g以下 (b)比表面積が100〜1000m2/g (c)最頻細孔直径(Dmax)が5nm以上 (d)固体Si−NMRでのQ4/Q3値が1.2以上 (e)非結晶質であること (f)金属不純物の含有量が100ppm以下
  2. 【請求項2】 細孔容積が1.8〜3ml/gであるこ
    とを特徴とする、請求項1記載のシリカ。
  3. 【請求項3】 比表面積が200m2/g以上、900
    2/g以下であることを特徴とする、請求項1又は請
    求項2に記載のシリカ。
  4. 【請求項4】 最頻細孔直径(Dmax)が50nm以下
    であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に
    記載のシリカ。
  5. 【請求項5】 細孔直径が最頻細孔直径(Dmax)の±
    20%の範囲に存在する細孔の容積が、全細孔容積の5
    0%以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れ
    か一項に記載のシリカ。
  6. 【請求項6】 金属不純物含有量が50ppm以下であ
    ることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載
    のシリカ。
  7. 【請求項7】 金属不純物含有量が10ppm以下であ
    ることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載
    のシリカ。
  8. 【請求項8】 最頻細孔直径(Dmax)における微分細
    孔容積が2ml/g以上、40ml/g以下であること
    を特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のシリ
    カ。
  9. 【請求項9】 シリカヒドロゲルを水熱処理し、得られ
    たスラリーの液体成分中の水分含有量を5重量%以下と
    した後、乾燥することを特徴とする、シリカの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 シリコンアルコキシドを加水分解し、
    得られたシリカヒドロゲルを水熱処理し、次いで親水性
    有機溶媒と接触させることを特徴とする、請求項9記載
    のシリカの製造方法。
  11. 【請求項11】 シリコンアルコキシドを加水分解する
    際に用いる水の量が、シリコンアルコキシドに対して3
    モル倍以上、20モル倍以下であることを特徴とする、
    請求項10記載のシリカの製造方法。
  12. 【請求項12】 親水性有機溶媒と接触させたシリカヒ
    ドロゲルを100℃以下で乾燥させることを特徴とす
    る、請求項10に記載のシリカの製造方法。
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