JP2003225040A5 - - Google Patents
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【発明の名称】釣り用リールの動力伝達装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する釣り用リールの動力伝達装置であって、
前記第1部材に連動して回転する駆動ギアと、
前記駆動ギアに噛み合うはす歯の第1ギア部、及び前記第1ギア部と同芯に配置され前記第1ギア部と一体成形された第2ギア部を有し、前記第2ギア部は、すぐ歯ギア又は成形時に金型を回転させるリード角が前記第1ギア部と実質的に一致するギア諸元を有するはす歯ギアである二段ギアと、
前記二段ギアの第2ギア部に噛み合い前記第2部材を回転させる従動ギアと、を備えた釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項2】前記二段ギアは合成樹脂製である、請求項1に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項3】前記第1ギア部は、前記第2ギア部より大径である、請求項1又は2に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項4】、 前記駆動ギアは金属製であり、
前記従動ギアは合成樹脂製である、請求項1から3のいずれか記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項5】前記第2ギア部及び前記従動ギアはすぐ歯ギアである、請求項4に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項6】前記駆動ギアの歯数は前記第1ギア部の歯数より少なく、前記第2ギア部の歯数は前記従動ギアの歯数より少ない、請求項1から5のいずれかに記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項7】前記釣り用リールは、リール本体に回転自在に装着され釣り糸を案内するロータが前記第1部材としてのハンドルの回転に連動して回転しかつ前記ロータにより釣り糸が巻き付けられるスプールが前記第2部材としての螺軸を有するオシレーティング機構を介して前記ハンドルの回転に連動して前後移動するスピニングリールであり、
前記駆動ギアは、前記ロータが回転不能に装着され、前記ハンドルの回転軸に設けられたマスターギアに噛み合うピニオンギアであり、
前記従動ギアは、スプールを前後移動させる前記オシレーティング機構に設けられた前記螺軸であり、
前記第1ギア部は、前記ピニオンギアに噛み合う、請求項1から6のいずれかに記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達装置、特に、釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する釣り用リールの動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り用リールには、大径ギアと小径ギアとが同芯に配置された二段ギアを含む動力伝達装置がしばしば使用される。
たとえば、両軸受リールのレベルワインド機構には、スプール軸に装着された駆動ギアと、リール本体の側板の側面に回転自在に装着され大径ギアが駆動ギアに噛み合う二段ギアと、レベルワインド機構の螺軸に装着され小径ギアに噛み合う従動ギアとを有する動力伝達装置が使用されている。両軸受リールに採用された二段ギアは大径ギアと小径ギアのいずれもすぐ歯ギアであり、樹脂で容易に一体形成できる構造であり、製造コストも低減しやすい。
【0003】
また、スピニングリールのオシレーティング機構には、特開2001−321041号に開示されているように、ロータを回転させる駆動ギアとしてのピニオンギアと、ピニオンギアに大径ギアが噛み合う二段ギアと、二段ギアの小径ギアに噛み合う従動ギアとを有する動力伝達装置が使用されている。スピニングリールに採用された二段ギアは、大径ギアと小径ギアのいずれもはす歯歯車(ねじ歯車)であり、かつはす歯の向きが異なっている。一般にはす歯ギアを使用すると、回転時の雑音を軽減させることができる。とくにピニオンギアなどの金属製のギアに噛み合う場合、金属ではなく合成樹脂を使用するとさらに雑音を低減できる。しかし、はす歯の向きが異なると、成形型での一体形成が難しいため、通常はそれぞれ別に成形又は歯切りした二つのギアを接合して二段ギアを実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、2つのギアをすぐ歯ギアにした場合には、一体形成できるので製造コストは削減できるが、雑音を低減しにくい。一方、大径のギアと小径のギアとをはす歯にしてはす歯の向きを変えた場合には、雑音を軽減することはできるが、それぞれ別々に成形又は歯切りした2つのギアを接合しなければならず、製造コストを低減しにくい。
【0005】
本発明の課題は、釣り用リールの動力伝達装置において、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの動力伝達装置は、釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する装置であって、駆動ギアと、二段ギアと、従動ギアとを備えている。駆動ギアは、第1部材に連動して回転するものである。二段ギアは、駆動ギアに噛み合うはす歯の第1ギア部、及び第1ギア部と同芯に配置され第1ギア部と一体成形された第2ギア部を有し、第2ギア部は、すぐ歯ギア又は成形時に金型を回転させるリード角が第1ギア部と実質的に一致するギア諸元を有するはす歯ギアである。従動ギアは二段ギアの第2ギア部に噛み合い第2部材を回転させるものである。
【0007】
この動力伝達装置では、第1部材が回転すると駆動ギアが回転しそれが第1ギア部に伝わり第2ギア部から従動ギアに伝達され第2部材が回転する。この二段ギアの第1ギアははす歯ギアであり、第2ギアはすぐ歯又ははす歯のギアであり、はす歯の場合には、成形時に金型を回転させるリード角が第1ギア部と第2ギア部とで略一致するようにその諸元を決定すれば、ひとつの金型内で2つのギア部を同時に成形できる。具体的には、それぞれのリード角はそれぞれのギア部のピッチ円直径をd1,d2、はす歯角をα,βとすると、第1ギア部がtanα/d1であり、第2ギア部がtanβ/d2である。これらが一致するように角ギア部の諸元を決定すればよい。ここで、ピッチ円直径d1,d2は、それぞれの歯の直角モジュールM1,M2と歯数Z1,Z2とから、d1=M1×Z1/cosα、d2=M2×Z2/cosβであるので、M1×Z1/sinα=M2×Z2/sinβとなるように2つのギア部の諸元を設計すれば2つのギア部のリード角が一致する。このようにして2つのギア部の諸元を定めたり、第2ギア部をすぐ歯にしたりすれば成形により2つのギア部を一体形成した二段ギアを製造コストを抑えて容易に得ることができる。このため、釣り用リールの動力伝達装置において、両ギア部をはす歯にすれば、材質に関係なく雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになり、第2ギア部をすぐ歯にすれば、二段ギアを合成樹脂にすることにより、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0008】
発明2に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1に記載の装置において、二段ギアは合成樹脂製である。この場合には、二段ギアが合成樹脂製であるので、駆動ギアや従動ギアが金属製であっても雑音の低減を図れる。また、第2ギア部がすぐ歯であっても雑音の低減を図れる。
発明3に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1又は2に記載の装置において、第1ギア部は、第2ギア部より大径である。この場合には、第1部材に噛み合う第1ギア部が第2ギア部に比べて大径であるので、二段ギアにより第1部材の回転を第2部材に減速して伝達できる。
【0009】
発明4に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、駆動ギアは金属製であり、従動ギアは合成樹脂製である。この場合には、駆動ギアが金属製であってもそれに噛み合う第1ギア部がはす歯であるので雑音を軽減できるとともに、従動ギアが合成樹脂製であるので、第2ギア部がすぐ歯であっても雑音を軽減できる。
【0010】
発明5に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明4に記載の装置において、第2ギア部及び従動ギアはすぐ歯ギアである。この場合には、第2ギア部がすぐ歯であるので、二段ギアの成形が容易である。
発明6に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置において、駆動ギアの歯数は第1ギア部の歯数より少なく、第2ギア部の歯数は従動ギアの歯数より少ない。この場合には、駆動ギアから従動ギアに向けて大きく減速することができる。
【0011】
発明7に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置において、釣り用リールは、リール本体に回転自在に装着され釣り糸を案内するロータが第1部材としてのハンドルの回転に連動して回転しかつロータにより釣り糸が巻き付けられるスプールが第2部材としての螺軸を有するオシレーティング機構を介してハンドルの回転に連動して前後移動するスピニングリールであり、駆動ギアは、ロータが回転不能に装着され、ハンドルの回転軸に設けられたマスターギアに噛み合うピニオンギアであり、従動ギアは、スプールを前後移動させるオシレーティング機構に設けられた螺軸であり、第1ギア部は、ピニオンギアに噛み合う。
【0012】
この場合には、スピニングリールのトラバースカム式のオシレーティング機構の減速用の装置に用いても雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1を回転自在に支持され釣り竿に装着されるリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、スプール4に釣り糸を巻き付けるものであり、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、外周面に釣り糸を巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1は、図1に示すリール本体2の左側と、図2に示すリール本体2の右側とのいずれにも装着可能である。
【0014】
リール本体2は、図1〜図7に示すように、ロータ3やスプール4を支持する筐体部2aと、筐体部2aに着脱自在にねじ止めされた蓋体部2bと、筐体部2a及び蓋体部2bにそれぞれ一体形成された第1及び第2フランジ部分24a,24bを有する円形のフランジ部2cとを主に有している。
筐体部2aはたとえばガラス繊維で強化されたポリアミド系合成樹脂製であり、射出成形法により製造された部材である。筐体部2aは、図3〜図5に示すように、側部に形成された開口25と、内部に形成された機構収納空間26と、ロータ3のリール本体2側に形成された円形の凹陥部3a(図2)内に配置されるように形成されロータ3の回転軸(後述するピニオンギア12)を回転自在に支持する回転支持部27と、ハンドル1の回転軸であるハンドル軸10の一端を支持するためのボス部からなる第1ハンドル支持部28aとを有している。筐体部2aは、上部(釣り竿装着側)ではリール本体2の略半分の厚みであるが、下部では、それより蓋体部2b側に突出しており、上部より厚い厚みに形成されている。
【0015】
開口25は、機構収納空間26に各種の機構を装着するために前部を除く上下及び後部の三方に設けられている。機構収納空間26には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、スプール4を前後移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6、ハンドル1の回転をオシレーティング機構6に伝達する動力伝達機構7(図7)とが設けられている。
【0016】
回転支持部27は、機構収納空間26の前部に一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aの前部にさらに略円柱状に一体形成されており、中心にピニオンギア12が貫通する貫通孔27a(図2)が形成されている。この回転支持部27の前面には、ワンウェイクラッチ51がねじ止め固定されている。
回転支持部27の前面には、図5に示すように、動力伝達機構7の後述する二段ギア13を装着するためのギア軸13aを抜くための軸抜き凹部27bが形成されている。軸抜き凹部27bは、ギア軸13aの装着孔27cの周囲の対向する位置に形成されている。これにより、装着孔27cから突出したギア軸13aの先端をペンチなどの工具を利用して抜くことができる。また、回転支持部27の第1フランジ部分24aにかかる部分には、二段ギア13の取付スペースを確保して筐体部2aのスプール軸方向の寸法を短くするために装着開口27dが形成されている。装着開口27dは、二段ギア13の取付スペースを前方に寄せるために、回転支持部27の後面側から形成されている。
【0017】
回転支持部27の第1フランジ部分24a側には、後述するロータ制動機構54の制動部材55を装着するための環状溝27eが形成されている。環状溝27eは後述するワンウェイクラッチ51取付用のねじ孔27fより径方向外方に形成されている。従来はねじ孔より径方向内方に環状溝27eが形成されていたため、ねじ孔27fが環状溝27eに干渉しないように筐体部2aのスプール軸方向の寸法を決定する必要がある。しかし、ワンウェイクラッチ51取付用のねじ孔27fより径方向外方に形成することにより、ねじ孔27fと環状溝27eとの干渉を考慮する必要がなくなり、スプール軸方向の寸法をさらに短くすることができる。
【0018】
蓋体部2bはたとえばアルミニウム合金製であり、たとえばダイキャスト法により製造された部材である。蓋体部2bは、図2及び図3に示すように、筐体部2aの開口25を覆う薄肉のカバー部35と、カバー部35から上方に延びる取付脚部36とを有している。カバー部35は、上部は、リール本体2の厚みの略半分の厚みで形成されており、下部では筐体部2aの突出に伴ってそれより厚みが薄くなっている。カバー部35の前部には、フランジ部2cの略半円形の第2フランジ部分24bが形成されている。また、カバー部35の側部には、ハンドル軸10の他端を支持するためのボス部からなる第2ハンドル支持部28bが形成されている。
【0019】
取付脚部36は中実の厚肉部材であり、その先端は前後両側に延びており釣り竿取付部36aとなっている。取付脚部36からカバー部35にかけて境界部分は、略半分の厚みに切り欠かれており、その切欠き部分に外側面が滑らかに連続するように筐体部2aの上部がはめ込まれている。
フランジ部2cは、円板状に形成されており、ロータ3の後部に形成された円形の凹陥部3aを塞ぐように凹陥部3aの端面と略同一面に配置されている。フランジ部2cは、前述したように筐体部2aに一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aと、蓋体部2bのカバー部35に一体形成され第1フランジ部分24aとで円形となるような半円形の第2フランジ部分24bとを有している。このような各フランジ部分24a,24bを筐体部2aやカバー部35と一体形成することにより、筐体部2aやカバー部35の比強度を高く維持できるとともに、成形時の変形を防いで精度を高く維持することができる。
【0020】
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図2に示すように、後端が開口して凹陥部3aが形成された円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは一体形成されている。
【0021】
円筒部30は、筐体部2aの回転支持部27の外周側に配置されている。円筒部30の凹陥部3aは、フランジ部2cにより塞がれている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の前部12aに形成された雄ネジ部に螺合してロータ3をピニオンギア12に固定している。
【0022】
第1及び第2ロータアーム31,32の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム45が糸巻取姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアーム45は、第1ロータアーム31内に装着されたベール反転機構40によりハンドル1の糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に復帰する。ベール反転機構40は、一端がベールアーム45に係止され、第1ロータアーム31内を前後に移動する移動部材41と、ベールアーム45を糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに振り分けて付勢するトグルばね機構42と、回転支持部27の前面に設けられた切換突起43とを有している。移動部材41は、リール本体2と接離する前後方向に移動自在に第1ロータアーム31に案内され、両端が逆方向に折り曲げられた線材製の部材である。切換突起43は、回転支持部27の前部に前方に突出して形成されている。また、ロータ3には、ベール反転機構40を利用してロータ3を制動するロータ制動機構54が設けられている。ロータ制動機構54は、前述した移動部材41と、糸開放姿勢のとき移動部材41の先端に接触するゴム製の制動部材55とを備えている。ロータ制動機構54では、糸開放姿勢に揺動したとき、移動部材41が後退すると制動部材55に接触してロータ3が制動される。この制動部材55が前述したように環状溝27eに装着されている。この装着位置は従来のものより径方向外方に位置している。
【0023】
凹陥部3a内にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪が筐体部2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、筐体部2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
【0024】
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して固定されている。スプール4は、たとえばアルミニウム合金製の部材であり、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に固定された前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。また、スカート部4b及び前フランジ部4cは、糸巻胴部4aの両端から垂直に径方向外方に拡がっている。これにより、釣り糸がスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられるとき、各糸巻段での釣り糸の巻数がほぼ等しくなる。
【0025】
〔ロータ駆動機構の構成〕
ロータ駆動機構5は、図2及び図3に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたメインギア軸10と、メインギア軸10とともに回転するメインギア11と、このメインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は、ハンドルの回転に連動して回転する筒状の部材であり、前後に延びるスプール軸15が内部を貫通している。ピニオンギア12は、金属製の中空筒状部材であり、内部をスプール軸15が貫通している。ピニオンギア12は、中間部と後部とで筐体部2aに軸受14a,14bを介して回転自在に支持されている。ピニオンギア12の前部12aにロータ3が回転不能に装着されている。前側の軸受14aは、回転支持部27の内部に装着された玉軸受である。後側の軸受14bは、図4に示すように鍔付きのブッシュであり、筐体部2aに形成された軸受支持部29に装着されている。軸受支持部29には、段付き孔29aが形成されており、この段付き孔の大径側に軸受14bが装着されている。このように軸受装着部分を段付き孔29aとすることにより、軸受支持部29の肉厚を厚くすることができ、軸受支持部29の比強度を増加させることができる。
【0026】
〔オシレーティング機構の構成〕
オシレーティング機構6は、ハンドル1の回転に連動してスプール軸15を介してスプール3を前後に往復移動させる機構である。オシレーティング機構6には動力伝達機構7を介してハンドル1の回転が伝達される。オシレーティング機構6は、図3,図7〜図9に示すように、ギア軸13aの下方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、スライダ22を案内する2本のガイド軸47a,47bとを有している。
【0027】
螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、筐体部2aに両端を回転自在に支持されている。螺軸21の後端は、筐体部2aの後部に形成された厚肉部37に装着された軸受(図示せず)に支持されている。このように筐体部2aの支持部分だけを厚肉にすることにより、軽量化及び成形時のヒケの防止を図ることができる。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この溝21aのリード角θは、20〜45゜に設定されている。なお、溝21aのリード角θとは、溝21aの底径をD、螺軸21の一回転で進む軸方向の長さすなわちリードをLとした場合、
リード角θ=アークcot(πD/L)
で表される角度である。このリード角θが20゜より小さい場合は溝間の肉厚が薄くなるとともに溝の交差部の数が増加するので好ましくない。一方、45゜を越えると、回転運動から直線運動への変換効率が低下するので好ましくない。
【0028】
スライダ22は、スライダ本体48と、スライダ本体48内に収納された係合部材49とを有している。スライダ本体48は、ガイド軸47a,47bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材49は、スライダ本体48内に回動自在に装着されており、係合部材49の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。
【0029】
〔動力伝達機構の構成〕
動力伝達機構7は、図2,図3及び図7〜図9に示すように、駆動ギアとしてのはす歯のピニオンギア12と、ピニオンギア12に噛み合う二段ギア13と、二段ギア13に噛み合うすぐ歯の従動ギア16とを備えている。
二段ギア13は、たとえばポリアミド系合成樹脂やポリアセタール樹脂などの合成樹脂製の部材である。二段ギア13は、ピニオンギア12の回転を大きく減速して従動ギア16に伝達するために設けられている。二段ギア13の中心にはギア軸13aが貫通しており、ギア軸13aは、回転支持部27の後側の空間内で螺軸21の上方に配置されている。このように、螺軸21の上方に二段ギア13の中心軸であるギア軸13aを配置すると、リール本体2の上下方向の寸法を短くすることができる。ギア軸13aは、回転支持部27の装着孔27cに装着された軸受18a及び筐体部2aに装着された軸受18b(図9)を介してリール本体2に回転自在に支持されている。二段ギア13は、ピニオンギア12に噛み合うはす歯の大径ギア19と、大径ギア19と一体形成され従動ギア16に噛み合うすぐ歯の小径ギア20との大小2つのギアを有している。小径ギア20は、大径ギア19と同芯に配置されたギアである。従動ギア16は、合成樹脂製の部材であり、螺軸21の先端に回転不能に装着されている。
【0030】
このような2つのギア19,20を有する二段ギア13を用いて減速すると、単純な構造のギアによって減速してスプール4を前後に低速で往復移動できる。このため、特殊なギアを用いる必要がなくなり、製造コストの上昇を抑えることができる。また、二段ギア13の回転軸と、ピニオンギア12及び従動ギア16の回転軸とを平行に配置できるので、加工精度を容易に確保することができる。さらに、二段ギア13を筐体部2aの前部に配置しているので、比較的幅方向(左右方向)に空間が必要な大径ギア19を有する二段ギア13を用いて減速しても、リール本体2の横幅を大きくする必要がなくなる。このため、コンパクトなリールを実現できる。また、大径ギア19ははす歯であるが小径ギア20はすぐ歯であるので、両ギア19,20の境界部分で金型を分割することにより二段ギア13を合成樹脂で容易に成形でき、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0031】
ここで、ピニオンギア12の歯数は、たとえば8であり、大径ギア19の歯数は16である。また、小径ギア20の歯数は5であり、従動ギア16の歯数は15である。これにより、ピニオンギア12の回転速度に対する螺軸21の回転速度の比である減速比は、(1/2)×(5/15)=1/6になる。この減速比の範囲は、1/4〜1/24の範囲が好ましい。この減速比の範囲が1/4未満であると、スプール4の移動速度が速くなりスプール4への密巻き付け効果が十分に得られない。また、1/24を超えると、スプール4の移動速度が遅くなりすぎ、細い釣り糸でもロータ3の1回転で2度巻きすることがある。なお、図7〜図9において、歯数については正確に描いてはいない。
【0032】
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、キャスティング時には、ベールアーム45を糸巻取姿勢から糸開放姿勢に倒す。そして、釣り竿を振って仕掛けをキャスティングする。すると、スプール4の先端から釣り糸が螺旋状に放出される。このとき、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられているので、放出抵抗が少なくなる。
【0033】
釣り糸巻取時には、ベールアーム45を糸巻取姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、この回転力はメインギア軸10及びメインギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部12aを介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻取方向に回転する。
【0034】
一方、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア19によって二段ギア13が回転し、その回転が小径ギア20を介して従動ギア16に伝達される。この結果、ピニオンギア12の回転速度(ロータ3の回転速度)のたとえば1/6の回転速度で螺軸21が回転する。そして、螺軸21の回転により螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸47a,47bに案内されて前後方向に移動する。そして、ベールアーム45によってスプール4に案内された釣り糸はスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。
【0035】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、小径ギア20をすぐ歯ギアにしたが、はす歯ギアで構成してもよい。この場合、成形型を簡素化するために、大径ギア19の直角モジュールをM1,歯数をZ1、はす歯のはす歯角をαとし、小径ギア20の直角モジュールをM2,歯数をZ2、はす歯角をβとすると、2つのギア19,20の諸元を
M1×Z1/sinα=M2×Z2/sinβ
の関係にするとよい。このようにすると、金型からの離脱時の2つのギア19,20のリードを一致させることができ、ひとつの金型内に2つのギア19,20を容易に形成できる。なお、この場合には、二段ギアを合成樹脂製ではなく、ダイキャストや焼結等の金型成型による金属製にしても雑音を軽減できる。
【0036】
(b)前記実施形態では、フロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、リアドラグ型のスピニングリールのオシレーティング機構にも本発明を適用できる。この場合、スプール軸はスライダに回転自在かつ軸方向移動不能に連結される。また、レバーブレーキ式のスピニングリールやインスプール形のスピニングリールのオシレーティング機構にも本発明を適用できる。
【0037】
(c)前記実施形態では、ギア軸13aを螺軸21の上方に配置したが、螺軸21の下方に配置してもよい。この場合には、リール本体の横幅を小さくすることができる。
(d)前記実施形態では、オシレーティング機構6に動力を伝達する動力伝達機構を例に説明したが、両軸受リールのレベルワインド機構などの釣り用リールの回転する部分に動力伝達する全ての装置に本発明を適用できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、二段ギアの2つのギア部の諸元を定めたり、第2ギア部をすぐ歯にしたりすれば成形により2つのギア部を一体形成した二段ギアを得ることができる。このため、釣り用リールの動力伝達装置において、両ギア部をはす歯にすれば、材質に関係なく雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになり、第2ギア部をすぐ歯にすれば、二段ギアを合成樹脂にすることにより、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面図。
【図2】その左側面断面図。
【図3】図3のIII−III断面図。
【図4】筐体部の側面図。
【図5】筐体部の正面図。
【図6】図4のVI−VI断面図。
【図7】図4のVII−VII断面図。
【図8】オシレーティング機構の斜視図。
【図9】その断面模式図。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
6 オシレーティング機構
7 動力伝達機構
10 メインギア軸
12 ピニオンギア
13 二段ギア
16 従動ギア
19 大径ギア
20小径ギア
【特許請求の範囲】
【請求項1】釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する釣り用リールの動力伝達装置であって、
前記第1部材に連動して回転する駆動ギアと、
前記駆動ギアに噛み合うはす歯の第1ギア部、及び前記第1ギア部と同芯に配置され前記第1ギア部と一体成形された第2ギア部を有し、前記第2ギア部は、すぐ歯ギア又は成形時に金型を回転させるリード角が前記第1ギア部と実質的に一致するギア諸元を有するはす歯ギアである二段ギアと、
前記二段ギアの第2ギア部に噛み合い前記第2部材を回転させる従動ギアと、を備えた釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項2】前記二段ギアは合成樹脂製である、請求項1に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項3】前記第1ギア部は、前記第2ギア部より大径である、請求項1又は2に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項4】、 前記駆動ギアは金属製であり、
前記従動ギアは合成樹脂製である、請求項1から3のいずれか記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項5】前記第2ギア部及び前記従動ギアはすぐ歯ギアである、請求項4に記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項6】前記駆動ギアの歯数は前記第1ギア部の歯数より少なく、前記第2ギア部の歯数は前記従動ギアの歯数より少ない、請求項1から5のいずれかに記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【請求項7】前記釣り用リールは、リール本体に回転自在に装着され釣り糸を案内するロータが前記第1部材としてのハンドルの回転に連動して回転しかつ前記ロータにより釣り糸が巻き付けられるスプールが前記第2部材としての螺軸を有するオシレーティング機構を介して前記ハンドルの回転に連動して前後移動するスピニングリールであり、
前記駆動ギアは、前記ロータが回転不能に装着され、前記ハンドルの回転軸に設けられたマスターギアに噛み合うピニオンギアであり、
前記従動ギアは、スプールを前後移動させる前記オシレーティング機構に設けられた前記螺軸であり、
前記第1ギア部は、前記ピニオンギアに噛み合う、請求項1から6のいずれかに記載の釣り用リールの動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達装置、特に、釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する釣り用リールの動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り用リールには、大径ギアと小径ギアとが同芯に配置された二段ギアを含む動力伝達装置がしばしば使用される。
たとえば、両軸受リールのレベルワインド機構には、スプール軸に装着された駆動ギアと、リール本体の側板の側面に回転自在に装着され大径ギアが駆動ギアに噛み合う二段ギアと、レベルワインド機構の螺軸に装着され小径ギアに噛み合う従動ギアとを有する動力伝達装置が使用されている。両軸受リールに採用された二段ギアは大径ギアと小径ギアのいずれもすぐ歯ギアであり、樹脂で容易に一体形成できる構造であり、製造コストも低減しやすい。
【0003】
また、スピニングリールのオシレーティング機構には、特開2001−321041号に開示されているように、ロータを回転させる駆動ギアとしてのピニオンギアと、ピニオンギアに大径ギアが噛み合う二段ギアと、二段ギアの小径ギアに噛み合う従動ギアとを有する動力伝達装置が使用されている。スピニングリールに採用された二段ギアは、大径ギアと小径ギアのいずれもはす歯歯車(ねじ歯車)であり、かつはす歯の向きが異なっている。一般にはす歯ギアを使用すると、回転時の雑音を軽減させることができる。とくにピニオンギアなどの金属製のギアに噛み合う場合、金属ではなく合成樹脂を使用するとさらに雑音を低減できる。しかし、はす歯の向きが異なると、成形型での一体形成が難しいため、通常はそれぞれ別に成形又は歯切りした二つのギアを接合して二段ギアを実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、2つのギアをすぐ歯ギアにした場合には、一体形成できるので製造コストは削減できるが、雑音を低減しにくい。一方、大径のギアと小径のギアとをはす歯にしてはす歯の向きを変えた場合には、雑音を軽減することはできるが、それぞれ別々に成形又は歯切りした2つのギアを接合しなければならず、製造コストを低減しにくい。
【0005】
本発明の課題は、釣り用リールの動力伝達装置において、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの動力伝達装置は、釣り用リールの回転する第1部材から第2部材に動力を伝達する装置であって、駆動ギアと、二段ギアと、従動ギアとを備えている。駆動ギアは、第1部材に連動して回転するものである。二段ギアは、駆動ギアに噛み合うはす歯の第1ギア部、及び第1ギア部と同芯に配置され第1ギア部と一体成形された第2ギア部を有し、第2ギア部は、すぐ歯ギア又は成形時に金型を回転させるリード角が第1ギア部と実質的に一致するギア諸元を有するはす歯ギアである。従動ギアは二段ギアの第2ギア部に噛み合い第2部材を回転させるものである。
【0007】
この動力伝達装置では、第1部材が回転すると駆動ギアが回転しそれが第1ギア部に伝わり第2ギア部から従動ギアに伝達され第2部材が回転する。この二段ギアの第1ギアははす歯ギアであり、第2ギアはすぐ歯又ははす歯のギアであり、はす歯の場合には、成形時に金型を回転させるリード角が第1ギア部と第2ギア部とで略一致するようにその諸元を決定すれば、ひとつの金型内で2つのギア部を同時に成形できる。具体的には、それぞれのリード角はそれぞれのギア部のピッチ円直径をd1,d2、はす歯角をα,βとすると、第1ギア部がtanα/d1であり、第2ギア部がtanβ/d2である。これらが一致するように角ギア部の諸元を決定すればよい。ここで、ピッチ円直径d1,d2は、それぞれの歯の直角モジュールM1,M2と歯数Z1,Z2とから、d1=M1×Z1/cosα、d2=M2×Z2/cosβであるので、M1×Z1/sinα=M2×Z2/sinβとなるように2つのギア部の諸元を設計すれば2つのギア部のリード角が一致する。このようにして2つのギア部の諸元を定めたり、第2ギア部をすぐ歯にしたりすれば成形により2つのギア部を一体形成した二段ギアを製造コストを抑えて容易に得ることができる。このため、釣り用リールの動力伝達装置において、両ギア部をはす歯にすれば、材質に関係なく雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになり、第2ギア部をすぐ歯にすれば、二段ギアを合成樹脂にすることにより、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0008】
発明2に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1に記載の装置において、二段ギアは合成樹脂製である。この場合には、二段ギアが合成樹脂製であるので、駆動ギアや従動ギアが金属製であっても雑音の低減を図れる。また、第2ギア部がすぐ歯であっても雑音の低減を図れる。
発明3に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1又は2に記載の装置において、第1ギア部は、第2ギア部より大径である。この場合には、第1部材に噛み合う第1ギア部が第2ギア部に比べて大径であるので、二段ギアにより第1部材の回転を第2部材に減速して伝達できる。
【0009】
発明4に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、駆動ギアは金属製であり、従動ギアは合成樹脂製である。この場合には、駆動ギアが金属製であってもそれに噛み合う第1ギア部がはす歯であるので雑音を軽減できるとともに、従動ギアが合成樹脂製であるので、第2ギア部がすぐ歯であっても雑音を軽減できる。
【0010】
発明5に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明4に記載の装置において、第2ギア部及び従動ギアはすぐ歯ギアである。この場合には、第2ギア部がすぐ歯であるので、二段ギアの成形が容易である。
発明6に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置において、駆動ギアの歯数は第1ギア部の歯数より少なく、第2ギア部の歯数は従動ギアの歯数より少ない。この場合には、駆動ギアから従動ギアに向けて大きく減速することができる。
【0011】
発明7に係る釣り用リールの動力伝達装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置において、釣り用リールは、リール本体に回転自在に装着され釣り糸を案内するロータが第1部材としてのハンドルの回転に連動して回転しかつロータにより釣り糸が巻き付けられるスプールが第2部材としての螺軸を有するオシレーティング機構を介してハンドルの回転に連動して前後移動するスピニングリールであり、駆動ギアは、ロータが回転不能に装着され、ハンドルの回転軸に設けられたマスターギアに噛み合うピニオンギアであり、従動ギアは、スプールを前後移動させるオシレーティング機構に設けられた螺軸であり、第1ギア部は、ピニオンギアに噛み合う。
【0012】
この場合には、スピニングリールのトラバースカム式のオシレーティング機構の減速用の装置に用いても雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1を回転自在に支持され釣り竿に装着されるリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、スプール4に釣り糸を巻き付けるものであり、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、外周面に釣り糸を巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1は、図1に示すリール本体2の左側と、図2に示すリール本体2の右側とのいずれにも装着可能である。
【0014】
リール本体2は、図1〜図7に示すように、ロータ3やスプール4を支持する筐体部2aと、筐体部2aに着脱自在にねじ止めされた蓋体部2bと、筐体部2a及び蓋体部2bにそれぞれ一体形成された第1及び第2フランジ部分24a,24bを有する円形のフランジ部2cとを主に有している。
筐体部2aはたとえばガラス繊維で強化されたポリアミド系合成樹脂製であり、射出成形法により製造された部材である。筐体部2aは、図3〜図5に示すように、側部に形成された開口25と、内部に形成された機構収納空間26と、ロータ3のリール本体2側に形成された円形の凹陥部3a(図2)内に配置されるように形成されロータ3の回転軸(後述するピニオンギア12)を回転自在に支持する回転支持部27と、ハンドル1の回転軸であるハンドル軸10の一端を支持するためのボス部からなる第1ハンドル支持部28aとを有している。筐体部2aは、上部(釣り竿装着側)ではリール本体2の略半分の厚みであるが、下部では、それより蓋体部2b側に突出しており、上部より厚い厚みに形成されている。
【0015】
開口25は、機構収納空間26に各種の機構を装着するために前部を除く上下及び後部の三方に設けられている。機構収納空間26には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、スプール4を前後移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6、ハンドル1の回転をオシレーティング機構6に伝達する動力伝達機構7(図7)とが設けられている。
【0016】
回転支持部27は、機構収納空間26の前部に一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aの前部にさらに略円柱状に一体形成されており、中心にピニオンギア12が貫通する貫通孔27a(図2)が形成されている。この回転支持部27の前面には、ワンウェイクラッチ51がねじ止め固定されている。
回転支持部27の前面には、図5に示すように、動力伝達機構7の後述する二段ギア13を装着するためのギア軸13aを抜くための軸抜き凹部27bが形成されている。軸抜き凹部27bは、ギア軸13aの装着孔27cの周囲の対向する位置に形成されている。これにより、装着孔27cから突出したギア軸13aの先端をペンチなどの工具を利用して抜くことができる。また、回転支持部27の第1フランジ部分24aにかかる部分には、二段ギア13の取付スペースを確保して筐体部2aのスプール軸方向の寸法を短くするために装着開口27dが形成されている。装着開口27dは、二段ギア13の取付スペースを前方に寄せるために、回転支持部27の後面側から形成されている。
【0017】
回転支持部27の第1フランジ部分24a側には、後述するロータ制動機構54の制動部材55を装着するための環状溝27eが形成されている。環状溝27eは後述するワンウェイクラッチ51取付用のねじ孔27fより径方向外方に形成されている。従来はねじ孔より径方向内方に環状溝27eが形成されていたため、ねじ孔27fが環状溝27eに干渉しないように筐体部2aのスプール軸方向の寸法を決定する必要がある。しかし、ワンウェイクラッチ51取付用のねじ孔27fより径方向外方に形成することにより、ねじ孔27fと環状溝27eとの干渉を考慮する必要がなくなり、スプール軸方向の寸法をさらに短くすることができる。
【0018】
蓋体部2bはたとえばアルミニウム合金製であり、たとえばダイキャスト法により製造された部材である。蓋体部2bは、図2及び図3に示すように、筐体部2aの開口25を覆う薄肉のカバー部35と、カバー部35から上方に延びる取付脚部36とを有している。カバー部35は、上部は、リール本体2の厚みの略半分の厚みで形成されており、下部では筐体部2aの突出に伴ってそれより厚みが薄くなっている。カバー部35の前部には、フランジ部2cの略半円形の第2フランジ部分24bが形成されている。また、カバー部35の側部には、ハンドル軸10の他端を支持するためのボス部からなる第2ハンドル支持部28bが形成されている。
【0019】
取付脚部36は中実の厚肉部材であり、その先端は前後両側に延びており釣り竿取付部36aとなっている。取付脚部36からカバー部35にかけて境界部分は、略半分の厚みに切り欠かれており、その切欠き部分に外側面が滑らかに連続するように筐体部2aの上部がはめ込まれている。
フランジ部2cは、円板状に形成されており、ロータ3の後部に形成された円形の凹陥部3aを塞ぐように凹陥部3aの端面と略同一面に配置されている。フランジ部2cは、前述したように筐体部2aに一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aと、蓋体部2bのカバー部35に一体形成され第1フランジ部分24aとで円形となるような半円形の第2フランジ部分24bとを有している。このような各フランジ部分24a,24bを筐体部2aやカバー部35と一体形成することにより、筐体部2aやカバー部35の比強度を高く維持できるとともに、成形時の変形を防いで精度を高く維持することができる。
【0020】
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図2に示すように、後端が開口して凹陥部3aが形成された円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは一体形成されている。
【0021】
円筒部30は、筐体部2aの回転支持部27の外周側に配置されている。円筒部30の凹陥部3aは、フランジ部2cにより塞がれている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の前部12aに形成された雄ネジ部に螺合してロータ3をピニオンギア12に固定している。
【0022】
第1及び第2ロータアーム31,32の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム45が糸巻取姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアーム45は、第1ロータアーム31内に装着されたベール反転機構40によりハンドル1の糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に復帰する。ベール反転機構40は、一端がベールアーム45に係止され、第1ロータアーム31内を前後に移動する移動部材41と、ベールアーム45を糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに振り分けて付勢するトグルばね機構42と、回転支持部27の前面に設けられた切換突起43とを有している。移動部材41は、リール本体2と接離する前後方向に移動自在に第1ロータアーム31に案内され、両端が逆方向に折り曲げられた線材製の部材である。切換突起43は、回転支持部27の前部に前方に突出して形成されている。また、ロータ3には、ベール反転機構40を利用してロータ3を制動するロータ制動機構54が設けられている。ロータ制動機構54は、前述した移動部材41と、糸開放姿勢のとき移動部材41の先端に接触するゴム製の制動部材55とを備えている。ロータ制動機構54では、糸開放姿勢に揺動したとき、移動部材41が後退すると制動部材55に接触してロータ3が制動される。この制動部材55が前述したように環状溝27eに装着されている。この装着位置は従来のものより径方向外方に位置している。
【0023】
凹陥部3a内にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪が筐体部2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、筐体部2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
【0024】
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して固定されている。スプール4は、たとえばアルミニウム合金製の部材であり、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に固定された前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。また、スカート部4b及び前フランジ部4cは、糸巻胴部4aの両端から垂直に径方向外方に拡がっている。これにより、釣り糸がスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられるとき、各糸巻段での釣り糸の巻数がほぼ等しくなる。
【0025】
〔ロータ駆動機構の構成〕
ロータ駆動機構5は、図2及び図3に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたメインギア軸10と、メインギア軸10とともに回転するメインギア11と、このメインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は、ハンドルの回転に連動して回転する筒状の部材であり、前後に延びるスプール軸15が内部を貫通している。ピニオンギア12は、金属製の中空筒状部材であり、内部をスプール軸15が貫通している。ピニオンギア12は、中間部と後部とで筐体部2aに軸受14a,14bを介して回転自在に支持されている。ピニオンギア12の前部12aにロータ3が回転不能に装着されている。前側の軸受14aは、回転支持部27の内部に装着された玉軸受である。後側の軸受14bは、図4に示すように鍔付きのブッシュであり、筐体部2aに形成された軸受支持部29に装着されている。軸受支持部29には、段付き孔29aが形成されており、この段付き孔の大径側に軸受14bが装着されている。このように軸受装着部分を段付き孔29aとすることにより、軸受支持部29の肉厚を厚くすることができ、軸受支持部29の比強度を増加させることができる。
【0026】
〔オシレーティング機構の構成〕
オシレーティング機構6は、ハンドル1の回転に連動してスプール軸15を介してスプール3を前後に往復移動させる機構である。オシレーティング機構6には動力伝達機構7を介してハンドル1の回転が伝達される。オシレーティング機構6は、図3,図7〜図9に示すように、ギア軸13aの下方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、スライダ22を案内する2本のガイド軸47a,47bとを有している。
【0027】
螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、筐体部2aに両端を回転自在に支持されている。螺軸21の後端は、筐体部2aの後部に形成された厚肉部37に装着された軸受(図示せず)に支持されている。このように筐体部2aの支持部分だけを厚肉にすることにより、軽量化及び成形時のヒケの防止を図ることができる。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この溝21aのリード角θは、20〜45゜に設定されている。なお、溝21aのリード角θとは、溝21aの底径をD、螺軸21の一回転で進む軸方向の長さすなわちリードをLとした場合、
リード角θ=アークcot(πD/L)
で表される角度である。このリード角θが20゜より小さい場合は溝間の肉厚が薄くなるとともに溝の交差部の数が増加するので好ましくない。一方、45゜を越えると、回転運動から直線運動への変換効率が低下するので好ましくない。
【0028】
スライダ22は、スライダ本体48と、スライダ本体48内に収納された係合部材49とを有している。スライダ本体48は、ガイド軸47a,47bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材49は、スライダ本体48内に回動自在に装着されており、係合部材49の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。
【0029】
〔動力伝達機構の構成〕
動力伝達機構7は、図2,図3及び図7〜図9に示すように、駆動ギアとしてのはす歯のピニオンギア12と、ピニオンギア12に噛み合う二段ギア13と、二段ギア13に噛み合うすぐ歯の従動ギア16とを備えている。
二段ギア13は、たとえばポリアミド系合成樹脂やポリアセタール樹脂などの合成樹脂製の部材である。二段ギア13は、ピニオンギア12の回転を大きく減速して従動ギア16に伝達するために設けられている。二段ギア13の中心にはギア軸13aが貫通しており、ギア軸13aは、回転支持部27の後側の空間内で螺軸21の上方に配置されている。このように、螺軸21の上方に二段ギア13の中心軸であるギア軸13aを配置すると、リール本体2の上下方向の寸法を短くすることができる。ギア軸13aは、回転支持部27の装着孔27cに装着された軸受18a及び筐体部2aに装着された軸受18b(図9)を介してリール本体2に回転自在に支持されている。二段ギア13は、ピニオンギア12に噛み合うはす歯の大径ギア19と、大径ギア19と一体形成され従動ギア16に噛み合うすぐ歯の小径ギア20との大小2つのギアを有している。小径ギア20は、大径ギア19と同芯に配置されたギアである。従動ギア16は、合成樹脂製の部材であり、螺軸21の先端に回転不能に装着されている。
【0030】
このような2つのギア19,20を有する二段ギア13を用いて減速すると、単純な構造のギアによって減速してスプール4を前後に低速で往復移動できる。このため、特殊なギアを用いる必要がなくなり、製造コストの上昇を抑えることができる。また、二段ギア13の回転軸と、ピニオンギア12及び従動ギア16の回転軸とを平行に配置できるので、加工精度を容易に確保することができる。さらに、二段ギア13を筐体部2aの前部に配置しているので、比較的幅方向(左右方向)に空間が必要な大径ギア19を有する二段ギア13を用いて減速しても、リール本体2の横幅を大きくする必要がなくなる。このため、コンパクトなリールを実現できる。また、大径ギア19ははす歯であるが小径ギア20はすぐ歯であるので、両ギア19,20の境界部分で金型を分割することにより二段ギア13を合成樹脂で容易に成形でき、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【0031】
ここで、ピニオンギア12の歯数は、たとえば8であり、大径ギア19の歯数は16である。また、小径ギア20の歯数は5であり、従動ギア16の歯数は15である。これにより、ピニオンギア12の回転速度に対する螺軸21の回転速度の比である減速比は、(1/2)×(5/15)=1/6になる。この減速比の範囲は、1/4〜1/24の範囲が好ましい。この減速比の範囲が1/4未満であると、スプール4の移動速度が速くなりスプール4への密巻き付け効果が十分に得られない。また、1/24を超えると、スプール4の移動速度が遅くなりすぎ、細い釣り糸でもロータ3の1回転で2度巻きすることがある。なお、図7〜図9において、歯数については正確に描いてはいない。
【0032】
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、キャスティング時には、ベールアーム45を糸巻取姿勢から糸開放姿勢に倒す。そして、釣り竿を振って仕掛けをキャスティングする。すると、スプール4の先端から釣り糸が螺旋状に放出される。このとき、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられているので、放出抵抗が少なくなる。
【0033】
釣り糸巻取時には、ベールアーム45を糸巻取姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、この回転力はメインギア軸10及びメインギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部12aを介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻取方向に回転する。
【0034】
一方、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア19によって二段ギア13が回転し、その回転が小径ギア20を介して従動ギア16に伝達される。この結果、ピニオンギア12の回転速度(ロータ3の回転速度)のたとえば1/6の回転速度で螺軸21が回転する。そして、螺軸21の回転により螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸47a,47bに案内されて前後方向に移動する。そして、ベールアーム45によってスプール4に案内された釣り糸はスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。
【0035】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、小径ギア20をすぐ歯ギアにしたが、はす歯ギアで構成してもよい。この場合、成形型を簡素化するために、大径ギア19の直角モジュールをM1,歯数をZ1、はす歯のはす歯角をαとし、小径ギア20の直角モジュールをM2,歯数をZ2、はす歯角をβとすると、2つのギア19,20の諸元を
M1×Z1/sinα=M2×Z2/sinβ
の関係にするとよい。このようにすると、金型からの離脱時の2つのギア19,20のリードを一致させることができ、ひとつの金型内に2つのギア19,20を容易に形成できる。なお、この場合には、二段ギアを合成樹脂製ではなく、ダイキャストや焼結等の金型成型による金属製にしても雑音を軽減できる。
【0036】
(b)前記実施形態では、フロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、リアドラグ型のスピニングリールのオシレーティング機構にも本発明を適用できる。この場合、スプール軸はスライダに回転自在かつ軸方向移動不能に連結される。また、レバーブレーキ式のスピニングリールやインスプール形のスピニングリールのオシレーティング機構にも本発明を適用できる。
【0037】
(c)前記実施形態では、ギア軸13aを螺軸21の上方に配置したが、螺軸21の下方に配置してもよい。この場合には、リール本体の横幅を小さくすることができる。
(d)前記実施形態では、オシレーティング機構6に動力を伝達する動力伝達機構を例に説明したが、両軸受リールのレベルワインド機構などの釣り用リールの回転する部分に動力伝達する全ての装置に本発明を適用できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、二段ギアの2つのギア部の諸元を定めたり、第2ギア部をすぐ歯にしたりすれば成形により2つのギア部を一体形成した二段ギアを得ることができる。このため、釣り用リールの動力伝達装置において、両ギア部をはす歯にすれば、材質に関係なく雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになり、第2ギア部をすぐ歯にすれば、二段ギアを合成樹脂にすることにより、雑音の軽減を図りつつ製造コストを抑えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面図。
【図2】その左側面断面図。
【図3】図3のIII−III断面図。
【図4】筐体部の側面図。
【図5】筐体部の正面図。
【図6】図4のVI−VI断面図。
【図7】図4のVII−VII断面図。
【図8】オシレーティング機構の斜視図。
【図9】その断面模式図。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
6 オシレーティング機構
7 動力伝達機構
10 メインギア軸
12 ピニオンギア
13 二段ギア
16 従動ギア
19 大径ギア
20小径ギア
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